JP4462188B2 - 変性ポリアリルアミンおよびその製造方法 - Google Patents

変性ポリアリルアミンおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、変性ポリアリルアミンおよびその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、水にも有機溶剤にも溶解しやすく、しかもその水溶液や有機溶剤溶液は良好な安定性を有し、例えばインクジェット記録分野などのファインケミカル分野に好適に用いられる変性ポリアリルアミン、およびこの変性ポリアリルアミンを効率よく製造する方法に関するものである。
ポリアリルアミン(アリルアミン重合体)は、側鎖にアミノ基を有する直鎖状オレフィン系重合体であって、水に良く溶け、水中でプラスに荷電するカチオン系高分子化合物である。このポリアリルアミンは、独特の反応性高分子構造と性質を持ち、そのため、反応性染料用染料固着剤、直接染料用染料固着剤、インクジェット記録分野での添加剤等、多くの分野で使用されている。
例えば、ポリアリルアミンの用途として、インク組成物と共に、ポリアリルアミンと有機溶剤を含む液体組成物を用い、記録媒体に別々に付着させるインクジェット記録方法が開示されている(例えば、特開平9−207424号公報、特開平9−286940号公報参照)。このような方法の場合、記録物の保存安定性、発色性、光沢性を向上させるために、ポリアリルアミンを含む液体組成物を使用することが提案されるが、インク組成物と該液体組成物との混合液(廃液)がクリーニングキャップに滞留することなく、良好なクリーニング操作を実現することに関しては、さらなる向上が求められる。
そのためには、ポリアリルアミンのカチオン性ポリマーとしての有用な性質、例えば、発色性の向上を維持すると共に、有機溶剤に溶解し、しかもその有機溶剤溶液が良好な安定性を有するようなポリアリルアミン系の高分子重合体が必要とされてきている。
このように、ファインケミカル分野における用途において、ポリアリルアミンの検討がなされるに伴い、種々の有機溶剤に溶解し、かつ安定的に存在する等の性質を有する新たなポリアリルアミン系高分子重合体が要求されてきているのが実状である。
本発明は、このような事情のもとで、ポリアリルアミンのカチオン性ポリマーとして有用な性質を維持しつつ、有機溶剤に溶解し、しかも有機溶剤を含む溶液中で安定的に溶解される性質を有し、例えばインクジェット記録方式において、記録物を発色性等に関し高性能に維持すると共に、クリーニングキャップに液体組成物とインク組成物との混合液(廃液)が滞留することなく、良好なクリーニング操作を可能とする液体組成物に用いることのできるポリアリルアミン系高分子重合体を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記の好ましい性質を有するポリアリルアミン系高分子重合体を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有する変性ポリアリルアミンがその目的に適合し得ること、そして、この変性ポリアリルアミンは、特定のプロセスにより、効率よく製造し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)一般式(M−1)
Figure 0004462188
[式中、RおよびRは、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示す。]で表わされる単位を必須単位として含み、かつ、
式(M−2)
Figure 0004462188
一般式(M−3)
Figure 0004462188
[式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を示す。]、
一般式(M−4)
Figure 0004462188
[式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基を示す。]、
一般式(M−5)
Figure 0004462188
[式中、Rは水素原子またはメチル基、Aは−CONR、−CNまたは−COORを示し、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、あるいはヒドロキシル基、ケト基、モノ(炭素数1〜4のアルキル)アミノ基、ジ(炭素数1〜4のアルキル)アミノ基またはトリ(炭素数1〜4のアルキル)アンモニウム基を含んでいてもよい炭素数1〜8のアルキル基を示し、RおよびRはたがいに結合して、窒素原子と共にピペリジノ基若しくはモルホリノ基を形成していてもよく、Rは炭素数1〜8のアルキル基を示し、このアルキル基はヒドロキシル基、ケト基、モノ(炭素数1〜4のアルキル)アミノ基、ジ(炭素数1〜4のアルキル)アミノ基またはトリ(炭素数1〜4のアルキル)アンモニウム基を含んでいてもよい。]、
一般式(M−6)
Figure 0004462188
[式中、R、Aは前記と同じである。]、
一般式(M−7)
Figure 0004462188
[式中、Bは炭素数1〜8のアルキル基を示し、このアルキル基はヒドロキシル基または炭素数1〜4のアルコキシル基若しくはアルケニルオキシ基を含んでいてもよい。]、及び
一般式(M−8)
Figure 0004462188
[式中、Bは前記と同じである。]で表わされる単位から選ばれる少なくとも1種の単位を含み、かつ、場合により
式(M−9)
Figure 0004462188
で表わされる単位を含むことを特徴とする変性ポリアリルアミン、
(2)一般式(I)
Figure 0004462188
[式中、RおよびRは、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、Xは−CONH、−COOR(ただし、Rは炭素数1〜12のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を示す。)または−COR(ただし、Rは炭素数1〜12のアルキル基を示す。)、pおよびqはそれぞれ独立に1以上の整数、rは0または1以上の整数を示す。]
で表される構造を有することを特徴とする変性ポリアリルアミン(以下、変性ポリアリルアミンIと称す。)、
(3)一般式(II)
Figure 0004462188
[式中、RおよびRは、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示し、Yは−CHCH(R)−A(ただし、Rは水素原子またはメチル基、Aは−CONR、−CNまたは−COORを示し、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、あるいばヒドロキシル基、ケト基、モノ(炭素数1〜4のアルキル)アミノ基、ジ(炭素数1〜4のアルキル)アミノ基またはトリ(炭素数1〜4のアルキル)アンモニウム基を含んでいてもよい炭素数1〜8のアルキル基を示し、RおよびRはたがいに結合して、窒素原子と共にピペリジノ基若しくはモルホリノ基を形成していてもよく、Rは炭素数1〜8のアルキル基を示し、このアルキル基はヒドロキシル基、ケト基、モノ(炭素数1〜4のアルキル)アミノ基、ジ(炭素数1〜4のアルキル)アミノ基またはトリ(炭素数1〜4のアルキル)アンモニウム基を含んでいてもよい。)、または−CHCH(OH)−B(ただし、Bは炭素数1〜8のアルキル基を示し、このアルキル基はヒドロキシル基または炭素数1〜4のアルコキシル基若しくはアルケニルオキシ基を含んでいてもよい。)を示し、pは1以上の整数、t,uおよびvは、それぞれ独立に0または1以上の整数を示すが、tおよびuの少なくとも1つは1以上の整数である。]
で表される構造を有することを特徴とする変性ポリアリルアミン(以下、変性ポリアリルアミンIIと称す。)、
(4)一般式(III)
Figure 0004462188
(式中、RおよびRは、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、pおよびwは、それぞれ独立に1以上の整数を示す。)
で表されるN,N−ジアルキルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体に、シアン酸を作用させることを特徴とする、一般式(I−1)
Figure 0004462188
(式中、R、R、p、qおよびrは前記と同じである。)
で表される変性ポリアリルアミンの製造方法、
(5)一般式(III)で表されるN,N−ジアルキルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体に、炭素数1〜12のアルコキシカルボニル化剤または炭素数6〜12のアリーロキシカルボニル化剤を作用させることを特徴とする、一般式(I−2)
Figure 0004462188
(式中、R、R、R、p、qおよびrは前記と同じである。)
で表される変性ポリアリルアミンの製造方法、
(6)アルコキシカルボニル化剤またはアリーロキシカルボニル化剤が、RO−CO−OR(ただし、Rは前記と同じである。)で表される炭酸ジエステルである上記(5)項に記載の変性ポリアリルアミンの製造方法、
(7)一般式(III)で表されるN,N−ジアルキルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体に、アルキル基の炭素数が1〜12のアシル化剤を作用させることを特徴とする、一般式(I−3)
Figure 0004462188
(式中、R、R、R、p、qおよびrは前記と同じである。)
で表される変性ポリアリルアミンの製造方法、
(8)アシル化剤が、一般式(IV)
Figure 0004462188
(式中、Rは前記と同じである。)
で表される無水カルボン酸である上記(7)項に記載の変性ポリアリルアミンの製造方法、
(9)一般式(III)で表されるN,N−ジアルキルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体に、一般式(V)
Figure 0004462188
(式中、RおよびAは前記と同じである。)
で表されるアクリル化合物を作用させることを特徴とする、一般式(II−1)
Figure 0004462188
(式中、Yは−CHCH(R)−Aを示し、R、R、R、A、p、t、uおよびvは前記と同じである。)
で表される変性ポリアリルアミンの製造方法、および
(10)一般式(III)で表されるN,N−ジアルキルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体に、一般式(VI)
Figure 0004462188
(式中、Bは前記と同じである。)
で表されるエポキシ化合物を作用させることを特徴とする、一般式(II−2)
Figure 0004462188
(式中、YはCHCH(OH)−Bを示し、R、R、B、p、t、uおよびvは前記と同じである。)
で表される変性ポリアリルアミンの製造方法、
を提供するものである。
本発明の変性ポリアリルアミンは、ポリアリルアミンのカチオン性ポリマーの有用な性質を維持しつつ、かつ、水や有機溶剤を含む溶液に溶解しやすい。その上、有機溶剤を含む溶液中で安定的に溶解される。そのため、液体組成物とインク組成物とを混合して、記録物にインクジェット記録する方法において、液体組成物に本発明の変性ポリアリルアミンを含有させると廃液が滞留することなく簡単に洗浄できる。すなわち、本発明の変性ポリアリルアミンをこのようなインクジェット記録法に用いると、発色性等のインクジェット記録に必要な基本性能を、記録物に高度に付与し、かつ、クリーニングキャップに液体組成物とインク組成物との混合液(廃液)を溜まりにくくさせ、その結果、従来実現することができなかった良好なクリーニング操作を可能にできる。本発明は、インクジェット記録分野等のファインケミカル分野に、極めて有用な重合体を提供することができる。
図1は、実施例1で得られた変性ポリアリルアミンの赤外線吸収(IR)スペクトルチャートである。
まず、本発明の変性ポリアリルアミンについて説明する。
本発明の変性ポリアリルアミンは、上述したように、一般式(M−1)で示されるモノマー単位を必須単位として含み、式(M−2)、一般式(M−3)、一般式(M−4)、一般式(M−5)、一般式(M−6)、一般式(M−7)及び一般式(M−8)で示されるモノマー単位から選ばれる少なくとも1種のモノマー単位を含み、かつ場合により式(M−9)で示されるモノマー単位を含むことを特徴とする共重合体、通常ランダム共重合体である。本発明の変性ポリアリルアミンの好ましい態様としては、変性ポリアリルアミンIおよび変性ポリアリルアミンIIの2つの態様がある。
本発明の変性ポリアリルアミンIは、一般式(I)
Figure 0004462188
で表される構造を有する高分子重合体、通常ランダム共重合体である。
前記一般式(I)において、RおよびRは、炭素数1〜4のアルキル基を示す。このアルキル基は直鎖状、分岐鎖状のいずれであってもよく、具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。RおよびRは、たがいに同一であっても異なっていてもよいが、R、Rとしては、特にメチル基が好適である。
Xは−CONH、−COORまたは−CORを示す。ここで、Rは炭素数1〜12のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を示し、Rは炭素数1〜12のアルキル基を示す。Rのうちの炭素数1〜12のアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状のいずれであってもよいが、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭素数1〜4の直鎖状アルキル基が好適である。また炭素数6〜12のアリール基としては、例えばフェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基などが挙げられる。一方、Rで示される炭素数1〜12のアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状のいずれであってもよいが、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−ノニル基などを挙げることができる。
pおよびqは、それぞれ独立に1以上の整数を示し、rは0または1以上の整数を示す。また、p/(q+r)比は、5/95〜95/5が好ましく、10/90〜90/10がさらに好ましく、20/80〜80/20が特に好ましい。さらに、q/(q+r)比(変性度)は、当該変性ポリアリルアミンの有機溶剤に対する溶解性および有機溶剤溶液の安定性の面から、0.6〜1が好ましく、0.9〜1がさらに好ましく、実質的に1、すなわち0.95〜1が特に好ましい。
一方、重量平均分子量は、5000以下が好ましく、200〜3000がさらに好ましく、300〜2500が特に好ましい。分子量が大きすぎると有機溶剤に対する溶解性が悪くなることがあり、小さすぎるとインクジェット記録方式に用いた場合、記録物の性能が悪くなるおそれがある。なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定したポリエチレングリコール換算の値である。
一方、本発明の変性ポリアリルアミンIIは、一般式(II)
Figure 0004462188
で表される構造を有する高分子重合体、通常ランダム共重合体である。
前記一般式(II)において、RおよびRは炭素数1〜4のアルキル基を示す。このアルキル基については、前述の変性ポリアリルアミンIにおけるRおよびRについて説明したとおりである。
Yは−CHCH(R)−Aまたは−CHCH(OH)−Bを示す。まず、Yのうちの−CHCH(R)−Aについて説明する。Rは水素原子またはメチル基を示す。Aは、−CONR、−CNまたは−COORを示し、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、あるいはヒドロキシル基、ケト基、モノ(炭素数1〜4のアルキル)アミノ基、ジ(炭素数1〜4のアルキル)アミノ基またはトリ(炭素数1〜4のアルキル)アンモニウム基を含んでいてもよい炭素数1〜8のアルキル基を示す。RおよびRはたがいに結合して、窒素原子と共にピペリジノ基若しくはモルホリノ基を形成していてもよく、Rは炭素数1〜8のアルキル基を示し、このアルキル基はヒドロキシル基、ケト基、モノ(炭素数1〜4のアルキル)アミノ基、ジ(炭素数1〜4のアルキル)アミノ基またはトリ(炭素数1〜4のアルキル)アンモニウム基を含んでいてもよい。
−Aが−CONRである場合、−CHCH(R)−Aとしては、−CHCHCONH、−CHCHCONHCH、−CHCHCON(CH、−CHCHCONHC、−CHCHCON(C、−CHCHCONH−nC、−CHCHCON(nC、−CHCHCONH−iC、−CHCHCONHCHO−nC、−CHCHCONHCHOH、−CHCHCONHCHCHN(CH、−CHCHCONHCHCHN(C、−CHCHCONHCHCHCHN(CH、−CHCHCONHCHCHCHN(C、−CHCHCONHCHCH(CH、−CHCHCONHCHCH(C、−CHCHCONHCHCHCH(CH、−CHCHCONHCHCHCH(C、−CHCHCO−モルホリノ基、−CHCHCO−ピペリジノ基、−CHCH(CH)CONH、−CHCH(CH)CONHCH、−CHCH(CH)CON(CH、−CHCH(CH)CONHC、−CHCH(CH)CON(C、−CHCH(CH)CONH−nC、−CHCH(CH)CON(nC、−CHCH(CH)CONH−iC、−CHCH(CH)CONHCHO−nC、−CHCH(CH)CONHCHOH、−CHCH(CH)CONHCHCHN(CH、−CHCH(CH)CONHCHCH(CH)N(C、−CHCH(CH)CONHCHCHCHN(CH、−CHCH(CH)CONHCHCHCHN(C、−CHCH(CH)CONHCHCH(CH、−CHCH(CH)CONHCHCH(C、−CHCH(CH)CONHCHCHCH(CH、−CHCH(CH)CONHCHCHCH(C、−CHCH(CH)CO−モルホリノ基、−CHCH(CH)CO−ピペリジノ基などを例示することができる。
また、−AがCNである場合、−CHCH(R)−Aとしては、−CHCHCN、−CHCH(CH)CNを例示することができる。さらに、−Aが−COORである場合、−CHCH(R)−Aとしては、−CHCHCOOCH、−CHCHCOOC、−CHCHCOOC、−CHCHCOOC、−CHCHCOOCHCHN(CH、−CHCHCOOCHCHCHN(CH、−CHCHCOOCHCHN(C、−CHCHCOOCHCHCHN(C、−CHCHCOOCHCHCH(CH、−CHCHCOOCHCH(C、−CHCHCOOCHCHCH(Cなどを例示することができる。なお、アンモニウム四級塩の場合、カウンターイオンは、Cl、Br、Iを例示できる。
次に、Yのうちの−CHCH(OH)−Bについて説明する。Bは炭素数1〜8のアルキル基を示し、このアルキル基はヒドロキシル基または炭素数1〜4のアルコキシル基若しくはアルケニルオキシ基を含んでいてもよい。このBとしては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロピロキシメチル基、ブトキシメチル基、ペントキシメチル基、ヒドロキシメチル基、(2−プロペニルオキシ)メチル基などを挙げることができる。
−CHCH(OH)−Bとしては、2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシペンチル基、2−ヒドロキシヘキシル基、2−ヒドロキシヘプチル基、2−ヒドロキシオクチル基、3−メトキシ−2−ヒドロキシプロピル基、3−エトキシ−2−ヒドロキシプロピル基、3−プロポキシ−2−ヒドロキシプロピル基、3−(イソプロポキシ)−2−ヒドロキシプロピル基、3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロピル基、3−ペントキシ−2−ヒドロキシプロピル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、3−(2−プロペニルオキシ)2−ヒドロキシプロピル基を例示することができる。
この一般式(II)において、pは1以上の整数、t,uおよびvは、それぞれ独立に0または1以上の整数を示すが、tおよびuの少なくとも1つは1以上の整数である。またp/(t+u+v)比は、5/95〜95/5が好ましく、10/90〜90/10がさらに好ましく、20/80〜80/20が特に好ましい。さらに、(t+u)/(t+u+v)比(変性度)は、当該変性ポリアリルアミンの溶解性および安定性などの面から、0.6〜1が好ましく、0.9〜1がさらに好ましく、実質的に1、すなわち0.95〜1が特に好ましい。
一方、重量平均分子量は、5000以下が好ましく、200〜3000がさらに好ましく、300〜2500が特に好ましい。分子量が大きすぎると有機溶剤に対する溶解性が悪くなることがあり、小さすぎるとインクジェット記録方式に用いた場合、記録物の性能が悪くなるおそれがある。なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定したポリエチレングリコール換算の値である。
次に、本発明の変性ポリアリルアミンの製造方法について説明する。
まず、一般式(I)で表される変性ポリアリルアミンIについては、以下のようにして、一般式(I−1)、一般式(I−2)および一般式(I−3)で表される変性ポリアリルアミンを製造することができる。
[一般式(I−1)で表される変性ポリアリルアミンの製造]
この場合、一般式(III)
Figure 0004462188
(wは1以上の整数を示し、R、Rおよびpは前記と同じである。)
で表されるN,N−ジアルキルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体、通常ランダム共重合体(以下、原料共重合体と称すことがある。)に、N−カルバモイル化試薬のシアン酸を作用させて、一般式(I−1)
Figure 0004462188
(式中、R、R、p、qおよびrは前記と同じである。)
で表される、一級アミノ基がカルバモイル化された変性ポリアリルアミンを製造する。
前記一般式(III)で表される原料共重合体は、例えばWO 00/21901号公報に記載されている方法に従って製造することができる。N,N−ジアルキルアリルアミン単位を形成するモノマーとしては、N,N−ジメチルアリルアミン、N,N−ジエチルアリルアミン、N,N−ジプロピルアリルアミン、N,N−ジブチルアリルアミンなどを例示できるが、変性物の溶解性の点からN,N−ジメチルアリルアミンが好適である。
原料共重合体の重量平均分子量(GPC法で測定したポリエチレングリコール換算の値)は、5000以下が好ましく、200〜3000が更に好ましく、300〜2500が特に好ましい。分子量が大きすぎると生成する本発明の変性ポリアリルアミンが溶解しにくくなることがあり、小さすぎるとインクジェット記録に用いた場合に記録物の性能が悪くなることもある。原料共重合体のモノマー単位比p/wは5/95〜95/5が好ましく、10/90〜90/10がさらに好ましく、20/80〜80/20が特に好ましい。
原料共重合体にシアン酸を作用させて、本発明の変性ポリアリルアミン(I−1)を製造する際には、原料共重合体の塩にシアン酸塩を加えて反応させることが好ましい。以下に典型的な製造例を示す。
原料共重合体を水または極性溶媒に溶解させ、それに塩酸等の無機酸溶液を加えて共重合体塩溶液とする。この際、原料共重合体の濃度としては5〜50重量%が好ましい。原料共重合体塩の溶液を30〜80℃に加熱し、これにシアン酸ナトリウム、シアン酸カリウム等のシアン酸塩の水溶液を滴下し、1〜100時間程度反応させる。この反応では、塩(原料共重合体が塩酸塩でシアン酸塩がシアン酸ナトリウムである場合は、塩化ナトリウム)が副生する。反応終了後、必要に応じ、未反応の塩酸を水酸化ナトリウム等のアルカリで中和した後、脱塩操作、例えば電気透析に付し、本発明の変性ポリアリルアミン(N,N−ジアルキルアリルアミン単位とN−カルバモイル化アリルアミン単位を含む共重合体等)を得ることができる。シアン酸塩は、アリルアミン単位に対し好ましくは0.6〜1モル当量、さらに好ましくは0.9〜1モル当量、特に好ましくは1モル当量用いることが有利である。
[一般式(I−2)で表される変性ポリアリルアミンの製造]
この場合、前記一般式(III)で表される原料共重合体に、炭素数1〜12のアルコキシカルボニル化剤または炭素数6〜12のアリーロキシカルボニル化剤を作用させて、一般式(I−2)
Figure 0004462188
(式中、R、R、R、p、qおよびrは前記と同じである。)
で表される、一級アミノ基がアルコキシ若しくはアリーロキシカルボニル化された変性ポリアリルアミンを製造する。
前記アルコキシカルボニル化剤またはアリーロキシカルボニル化剤としては、反応性の点から、RO−CO−OR(ただし、Rは炭素数1〜12のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を示す。)で表される炭酸ジエステルが好ましい。この炭酸ジエステルとしては、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピル、炭酸ジブチル、炭酸ジフェニル、炭酸ジ(o−トリル)、炭酸ジ(m−トリル)、炭酸ジ(p−トリル)などを例示することができる。
原料共重合体と上記炭酸ジエステルとを反応させて本発明の変性ポリアリルアミン(I−2)を製造する際には、まず、原料共重合体の水溶液等の溶液に炭酸ジエステルをゆっくりと滴下するとよい。この際、溶媒に炭酸ジエステルを溶解させて、原料共重合体の溶液に滴下することもできる。この場合、炭酸ジエステルを溶解させるための溶媒は、通常、原料共重合体を溶解させるための溶媒と同じであるのがよい。原料共重合体と炭酸ジエステルとの反応は、攪拌しながら行うことが好ましい。反応温度は、好ましくは0〜100℃、更に好ましくは30〜60℃に維持するのがよい。反応温度が高すぎると、生成したウレタンが分解することもある。反応時間は、通常1〜100時間、好ましくは3〜48時間であり、本発明の変性ポリアリルアミンを溶液として得ることができる。反応終了後、副生したアルコールを除去するために、溶液を濃縮することにより、本発明の変性ポリアリルアミン(N,N−ジアルキルアリルアミン単位とアルコキシカルボニル化アリルアミン単位とを含む共重合体等)を、溶液として得ることができる。濃縮は、溶媒として水、炭酸ジエステルとして炭酸ジメチル,炭酸ジエチル,または炭酸ジプロピルを用いた場合は、温度が25〜70℃、好ましくは35〜60℃で減圧にて実施することが好ましい。温度が高すぎると、副反応が起こることもある。
この方法においては、N−アルコキシカルボニル化度(またはアリーロキシカルボニル化度)は、用いた原料の炭酸ジエステルの量に依存する。原料共重合体のアミノ基に対し、等モル量の炭酸ジエステルを用いたときは、通常、ほとんど、そのアミノ基はウレタン化される。したがって、原料として用いる炭酸ジエステルの量を調整することにより、製造される本発明の変性ポリアリルアミンのN−アルコキシカルボニル化度(またはアリーロキシカルボニル化度)を調整することができる。
[一般式(I−3)で表される変性ポリアリルアミンの製造]
この場合、前記一般式(III)で表される原料共重合体に、アルキル基の炭素数が1〜12のアシル化剤を作用させて、一般式(I−3)
Figure 0004462188
(式中、R、R、R、p、qおよびrは前記と同じである。)
で表される、一級アミノ基がアシル化された変性ポリアリルアミンを製造する。
前記アシル化剤としては、一般式(IV)
Figure 0004462188
(式中、Rは前記と同じである。)
で表される無水カルボン酸を用いることができる。この無水カルボン酸としては、無水酢酸、無水プロピオン酸,無水n−酪酸、無水イソ酪酸、無水吉草酸、無水ヘキサン酸、無水オクタン酸、無水デカン酸、無水ラウリン酸などを例示することができる。原料共重合体のアミノ基に対し50モル%以下のアシル化をする場合は、無水カルボン酸の量は、アシル化したいアミノ基に対し同当量で構わない。原料共重合体の溶液にするための溶媒としては、水、有機溶媒または、水と有機溶媒との混合溶媒を使用することができる。有機溶媒としては、原料の溶解性から、極性溶媒が好ましく、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール類を使用でき、また、アセトニトリル、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなども使用できる。そのうち、安全性、操作の簡便性などの点から水が好ましい。
本発明において、原料共重合体に無水カルボン酸を作用させる際は、共重合体溶液に無水カルボン酸をゆっくり滴下するとよい。滴下は、反応スケールにより異なるが通常、2〜8時間かけて行う。反応スケールが小さい場合にはそれ以下でもよく、通常1〜8時間かけて行ってもよい。反応は、撹拌しながら行うことが好ましい。この反応は、発熱反応であるので、氷等で反応容器を冷却しながら行い、反応溶液を好ましくは40℃以下、さらに好ましくは0〜10℃に維持しておくとよい。アシル化終了後、通常、反応液に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ水溶液を加え、アシル化反応後に生成する中間体の側鎖のアミノ基に造塩した無水カルボン酸由来のカルボン酸を、中和することにより、遊離型の本発明のアシル化した変性ポリアリルアミン溶液を製造することができる。
しかし、原料共重合体の1級アミノ基に対し50モル%を超えるアシル化をする場合は、中間体の側鎖のアミノ基に造塩したカルボン酸を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリで、適宜、中和しながら、アシル化反応を進行させてもよい。この場合、反応液をpH10〜12に維持しておくことが好ましい。中和をする際は、反応液を0〜10℃に維持しておくことが好ましい。中和完了の後、その得られた溶液を透析することにより、中和塩を除去し、精製した遊離型の本発明のアシル化した変性ポリアリルアミン溶液を得ることができる。
中和塩を除去するための透析としては、操作の簡便さから、特公平7−68289号公報に記載されている電気透析を用いることが好ましい。この場合、通常、精製中のアシル化ポリアリルアミン溶液をGPCクロマトグラフィーに付すと、その液に存在している塩の量を簡単にチェツクすることができる。したがって、GPCクロマトグラフィーを利用して、精製の終末を知ることができる。
原料の共重合体の1級アミノ基に対し当量未満の無水カルボン酸を用いた場合には、その無水カルボン酸は、通常、ほとんど、アシル化試薬として消費される。したがって、無水カルボン酸の量により、本発明の変性ポリアリルアミンのアシル化度を調整することができる。
次に、一般式(II)で表される変性ポリアリルアミンIIについては、以下のようにして、一般式(II−1)および一般式(II−2)で表される変性ポリアリルアミンを製造することができる。
[一般式(II−1)で表される変性ポリアリルアミンの製造]
この場合、前記一般式(III)で表される原料単量体に、一般式(V)
Figure 0004462188
(式中、RおよびAは前記と同じである。)
で表されるアクリル化合物を作用させて、一般式(II−1)
Figure 0004462188
(式中、R、R、Y、p、t、uおよびvは前記と同じである。)
で表される、一級アミノ基にアクリル化合物がマイケル付加した変性ポリアリルアミンを製造する。
この変性は、原料共重合体における一級アミノ基に対する上記アクリル化合物のマイケル付加反応により行われる。
該アクリル化合物としては、アクリルアミド骨格を有する化合物、アクリロニトリル骨格を有する化合物、アクリル酸エステル骨格を有する化合物が用いられる。アクリルアミド骨格を有する化合物としては、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N,N−ジ(n−プロピル)アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−n−ブチルアクリルアミド、N−イソ−ブチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド・メチルクロリド4級塩、N,N−ジエチルアミノエチルアクリルアミド・メチルクロリド4級塩、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド・メチルクロリド4級塩、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリルアミド・メチルクロリド4級塩、アクロイルモルホリン、アクロイルピペリジン、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N−n−プロピルメタクリルアミド、N,N−ジ(n−プロピル)メタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−n−ブチルメタクリルアミド、N−イソブチルメタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリルアミド・メチルクロリド4級塩、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリルアミド・メチルクロリド4級塩、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド・メチルクロリド4級塩、N,N−ジエチルアミノプロピルメタクリルアミド・メチルクロリド4級塩、メタクロイルモルフォリン、メタクロイルピペリジンを例示することができる。アクリロニトリル骨格を有する化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルを例示することができる。アクリル酸エステル骨格を有する化合物としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート・メチルクロリド4級塩、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート・メチルクロリド4級塩、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート・メチルクロリド4級塩、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリレート・メチルクロリド4級塩を例示することができる。
本発明においては、アクリル化合物の使用量は、原料共重合体の一級アミノ基に対し、60〜200モル%が好ましく、70〜120モル%がさらに好ましく、90〜105モル%が特に好ましい。アミノ基のアクリル化合物置換度は、加えるアクリル化合物に依存される。通常、アクリル化合物は一級アミノ基に対し、100モル%以下の使用では、一級アミノ基に対し、一分子のアクリル化合物が付加していき、100モル%を超えると一級アミノ基に対し二分子のアクリル化合物を付加したユニットが順次生成する。
本発明において、原料共重合体に上記アクリル化合物を作用させる際は、例えば、以下のようにすることができる。
原料共重合体を水、若しくはメタノール又はこれらと極性溶媒との混合溶媒に溶解させる。濃度は5〜60重量%程度とする。反応混合物を30〜70℃に保ち、上記アクリル化合物を液体の場合は、そのまま、固体の場合には水若しくはメタノールに溶解して滴下する。滴下終了後、0.5〜48時間程度反応させる。
[一般式(II−2)で表される変性ポリアリルアミンの製造]
この場合、前記一般式(III)で表される原料単量体に、一般式(VI)
Figure 0004462188
(式中、Bは前記と同じである。)
で表されるエポキシ化合物を作用させて、一般式(II−2)
Figure 0004462188
(式中、R、R、Y、p、t、uおよびvは前記と同じである。)
で表される、一級アミノ基にエポキシ化合物が付加した変性ポリアリルアミンを製造する。
前記一般式(VI)で表されるエポキシ化合物としては、1,2−エポキシプロパン、1,2−エポキシ−n−ブタン、1,2−エポキシ−n−ペンタン、1,2−エポキシ−n−ヘキサン、1,2−エポキシ−n−ヘプタン、1,2−エポキシ−n−オクタン、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、n−プロピルグリシジルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、n−ペンチルグリシジルエーテル、グリシドール、アリルグリシドールエーテルなどを例示することができる。
本発明においては、このエポキシ化合物の使用量は、原料共重合体の一級アミノ基に対し、60〜200モル%が好ましく、70〜150モル%がさらに好ましく、90〜120モル%が特に好ましい。アミノ基のエポキシ化合物置換度は、エポキシ化合物の使用量に依存される。
本発明の変性ポリアリルアミン(II−2)は、原料共重合体を溶媒に溶解させ、得られる溶液に、前記エポキシ化合物を加えて20〜70℃程度で反応させるだけで簡単に製造することができる。反応に使用する溶媒は、水が好ましい。
ポリアリルアミンとエポキシ化合物とを反応させる際の反応温度は、通常20〜70℃、好ましくは30〜60℃である。また、反応時間は、反応条件により異なるが、通常0.5〜48時間で十分である。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。なお、重合体の重量平均分子量は、以下に示す方法に従って測定した。
〈重合体の重量平均分子量の測定〉
重合体の重量平均分子量(Mw)は、「日立L−6000型」高速液体クロマトグラフを使用し、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC法)によって測定した。溶離液流路ポンプは「日立L−6000」、検出器は「ショーデックスRI SE−61」示差屈折率検出器、カラムはアサヒパックの水系ゲル濾過タイプの「GS−220HQ」(排除限界分子量3,000)と「GS−620HQ」(排除限界分子量200万)とをダブルに接続したものを用いた。サンプルは溶離液で0.5g/100mlの濃度に調整し、20μlを用いた。溶離液には、0.4mol/Lの塩化ナトリウム水溶液を使用した。カラム 温度は30℃で、流速は1.0ml/分で実施した。標準サンプルとして分子量106、194、440、600、1470、4100、7100、10300、12600、23000などのポリエチレングリコールを用いて較正曲線を求め、その較正曲線を基に重合体のMwを求めた。
製造例1 N,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体(5/ 5)の製造
かき混ぜ機、ジムロート還流器、温度計を備えた2lの4つ口セパラブルフラスコ中に、濃度63.45wt%のN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩水溶液431.24gと濃度58.11wt%のモノアリルアミン塩酸塩水溶液362.25gを仕込んだ。そのモノマー水溶液を60℃に加温し、ラジカル開始剤として2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩146.45gを添加し、120時間の重合を行なった。
重合終了後、氷冷下で濃度50wt%の水酸化ナトリウム水溶液332.78gを滴下し塩酸を中和した。中和終了後、減圧下(10.6kPa)、50℃で未反応モノマーを留去した。
ここで得られた溶液を、電気透析に付し、脱塩し、濃度14.35wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体(共重合比5:5)水溶液1914.97gを得た。
共重合体水溶液の一部を塩酸塩にし、アセトン溶媒により再沈し、共重合体塩酸塩を得た。元素分析の結果はC=44.80、H=9.12、N=12.58であった。これらの値は計算値C=44.66、H=9.37、N=13.02と一致した。なお、この製造例の製造条件、及び収率等を、製造例2〜3と共に、表1に示す。
製造例2 N,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体(3/ 7)の製造
製造例1において、N,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩水溶液の量を濃度63.45wt%、258.75gおよびモノアリルアミン塩酸塩水溶液の量を濃度58.11wt%、507.15gを用いた以外は、製造例1と同様に操作して、濃度14.27wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体(共重合比3:7)水溶液1978.93gを得た。
製造例3 N,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体(7/ 3)の製造
製造例1において、N,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩水溶液の量を濃度63.45wt%、603.74gおよびモノアリルアミン塩酸塩水溶液の量を濃度58.11wt%、217.35gを用いた以外は、製造例1と同様に操作して、濃度14.20wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体(共重合比7:3)水溶液2045.55gを得た。
Figure 0004462188
実施例1 N,N−ジメチルアリルアミンとカルバモイル化アリルアミンとの共 重合体(5/5)の製造
かき混ぜ機、ジムロート還流器、温度計を備えた1lの4つ口セパラブルフラスコ中に、製造例1により製造した濃度14.35wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体水溶液421.29gを仕込み、氷冷下で濃度35wt%の塩酸88.65gを滴下した。引き続き、50℃に加温し、濃度7.5%のシアン酸ナトリウム水溶液368.37gを滴下し、24時間の反応を行なった。
反応終了後、氷冷下で濃度50wt%の水酸化ナトリウム34.00gを滴下し、未反応の塩酸を中和した。
ここで得られた溶液を、電気透析に付し、脱塩し、濃度10.30wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとカルバモイル化アリルアミンとの共重合体(共重合比5:5、)水溶液729.61g(収率95%)を得た。この共重合体の重量平均分子量は1200であった。
この共重合体を濃縮して固体とし、各種溶媒への10重量%での溶解性を調べた。その結果、この重合体は、アセトン、アセトニトリルには不溶であったが、メタノール、エタノール、イソプロパノール、DMSO、DMFに溶解した。この結果は、本発明の共重合体が、アリルアミン重合体に比べ有機溶媒にも溶解することを示している。
共重合体水溶液の一部を塩酸塩にし、アセトン溶媒により再沈し、共重合体塩酸塩を得た。この結果は、本発明の変性ポリアリルアミンがカチオン性ポリマーになりうることを示している。
元素分析の結果はC=48.96、H=8.58、N=18.64であった。これらの値は計算値C=48.75、H=9.09、N=18.95と一致した。また、共重合体塩酸塩を中和滴定よりカルバモイル化モル分率を算出した結果、47.89%であり、元素分析の結果とほぼ一致した。また、IRスペクトルを図1に示す。
実施例2 N,N−ジメチルアリルアミンとカルバモイル化アリルアミンとの共 重合体(3/7)の製造
実施例1において、製造例1により製造したフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体水溶液の代わりに製造例2により製造した濃度14.27%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体水溶液390.23g、シアン酸ナトリウム水溶液515.72gおよび水酸化ナトリウム水溶液20.40gを用いた以外は、実施例1と同様に操作して、濃度10.02wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとカルバモイル化アリルアミンとの共重合体(共重合比3:7)水溶液767.83g(収率95%)を得た。この共重合体の重量平均分子量は1300であった。
実施例3 N,N−ジメチルアリルアミンとカルバモイル化アリルアミンとの共 重合体(7/3)の製造
実施例1において、実施例1により製造したフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体水溶液の代わりに製造例3により製造した濃度14.20%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体(共重合比7:3)水溶液459.32g、シアン酸ナトリウム水溶液221.02gおよび水酸化ナトリウム水溶液61.98gを用いた以外は、実施例1と同様に操作して、濃度10.11wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとカルバモイル化アリルアミンとの共重合体水溶液702.26g(収率93%)を得た。この共重合体の重量平均分子量は1100であった。
実施例4 N,N−ジメチルアリルアミンとメトキシカルボニル化アリルアミン との共重合体(5/5)の製造
かき混ぜ機、ジムロート還流器、温度計を備えた1lの4つ口セパラブルフラスコ中に、製造例1により製造した濃度14.35wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体水溶液421.29gを仕込み、50℃に加温し、純度99%の炭酸ジメチル38.67gを滴下し、24時間の反応を行なった。
反応終了後、減圧下(80mmHg)、50℃で副生したメタノールを留去し、濃度21.98wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとメトキシカルボニル化アリルアミンとの共重合体(共重合比5:5)水溶液383.85g(収率99%)を得た。この共重合体の重量平均分子量は1300であった。
共重合体水溶液の一部を塩酸塩にし、アセトン溶媒により再沈し、共重合体塩酸塩を得た。元素分析の結果はC=50.31、H=8.93、N=11.37であった。これらの値は計算値C=50.73、H=8.94、N=11.83と一致した。また、共重合体塩酸塩を中和滴定よりメトキシカルボニル化モル分率を算出した結果、49.46%であり、元素分析の結果とほぼ一致した。
実施例5 N,N−ジメチルアリルアミンとメトキシカルボニル化アリルアミン との共重合体(3/7)の製造
実施例4において、製造例1により製造したフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体水溶液の代わりに製造例2により製造した濃度14.27wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体水溶液390.23gおよび炭酸ジメチル54.14gを用いた以外は、実施例4と同様に操作して、濃度22.12wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとメトキシカルボニル化アリルアミンとの共重合体(共重合比3:7)水溶液406.02g(収率100%)を得た。この共重合体の重量平均分子量は1300であった。
実施例6 N,N−ジメチルアリルアミンとメトキシカルボニル化アリルアミン との共重合体(7/3)の製造
実施例4において、製造例1により製造したフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体水溶液の代わりに製造例3により製造した濃度14.20wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体水溶液459.32gおよび炭酸ジメチル23.20gを用いた以外は、実施例4と同様に操作して、濃度22.08wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとメトキシカルボニル化アリルアミンとの共重合体(共重合比7:3)水溶液359.63g(収率99%)を得た。この共重合体の重量平均分子量は1200であった。
実施例7 N,N−ジメチルアリルアミンとアセチル化アリルアミンとの共重合 体(5/5)の製造
かき混ぜ機、ジムロート還流器、温度計を備えた500mlの4つ口セパラブルフラスコ中に、製造例1により製造した濃度14.35wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体水溶液421.29gを仕込んだ。氷冷下で純度98%の無水酢酸44.27gからアリルアミンの1/2モル量だけ滴下し、濃度50%の水酸化ナトリウム34.00gを副生した酢酸のモル量だけ中和し、この操作の繰り返しで全量を滴下し、24時間の反応を行なった。
ここで得られた溶液を、電気透析に付し、脱塩し、濃度14.94wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアセチル化アリルアミンとの共重合体(共重合比5:5)水溶液522.50g(100%)を得た。この共重合体の重量平均分子量は1200であった。
共重合体水溶液の一部を塩酸塩にし、アセトン溶媒により再沈し、共重合体塩酸塩を得た。元素分析の結果はC=54.12、H=9.26、N=12.47であった。これらの値は計算値C=54.41、H=9.59、N=12.69と一致した。また、共重合体塩酸塩を中和滴定よりアセチル化モル分率を算出した結果、50.12%であり、元素分析の結果とほぼ一致した。
実施例8 N,N−ジメチルアリルアミンとアセチル化アリルアミンとの共重合 体(3/7)の製造
実施例7において、製造例1により製造したフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体水溶液の代わりに製造例2により製造した濃度14.27wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体水溶液390.23g、無水酢酸61.98gおよび水酸化ナトリウム水溶液47.60gを用いた以外は、実施例7と同様に操作して、濃度15.21wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアセチル化アリルアミンとの共重合体(共重合比3:7)水溶液520.58g(98%)を得た。この共重合体の重量平均分子量は1300であった。
実施例9 N,N−ジメチルアリルアミンとアセチル化アリルアミンとの共重合 体(7/3)の製造
実施例7において、製造例1により製造したフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体水溶液の代わりに製造例3により製造した濃度14.20wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体水溶液459.32g、無水酢酸26.56gおよび水酸化ナトリウム水溶液20.40gを用いた以外は、実施例7と同様に操作して、濃度15.11wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアセチル化アリルアミンとの共重合体(共重合比7:3)水溶液501.85g(100%)を得た。この共重合体の重量平均分子量は1100であった。
実施例10 N,N−ジメチルアリルアミンとモノカルバモイルエチル化アリル アミンとの共重合体(5/5)の製造
かき混ぜ機、ジムロート還流器、温度計を備えた500mlの4つ口セパラブルフラスコ中に、製造例1により製造した濃度14.35wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体水溶液421.29gを仕込み、50℃に加温し、濃度50%のアクリルアミド60.42gを滴下し、24時間の反応を行なった。
濃度18.82wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとモノカルバモイルエチル化アリルアミンとの共重合体(共重合比5:5)水溶液465.52g(97%)を得た。この共重合体の重量平均分子量は1200であった。
共重合体水溶液の一部を塩酸塩にし、アセトン溶媒により再沈し、共重合体塩酸塩を得た。元素分析の結果はC=45.84、H=8.69、N=14.38であった。これらの値は計算値C=46.16、H=8.80、N=14.68と一致した。また、共重合体塩酸塩を中和滴定よりモノプロピルアミド化モル分率を算出した結果、48.15%であり、元素分析の結果とほぼ一致した。
実施例11 N,N−ジメチルアリルアミンとモノカルバモイルエチル化アリル アミンとの共重合体(3/7)の製造
実施例10において、製造例1により製造したフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体水溶液の代わりに製造例2により製造した濃度14.27wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体水溶液390.23gおよびアクリルアミド84.58gを用いた以外は、実施例10と同様に操作して、濃度20.64wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとモノカルバモイルエチル化アリルアミンとの共重合体(共重合比3:7)水溶液461.14g(97%)を得た。この共重合体の重量平均分子量は1300であった。
実施例12 N,N−ジメチルアリルアミンとモノカルバモイルエチル化アリル アミンとの共重合体(7/3)の製造
実施例.10において、製造例1により製造したフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体水溶液の代わりに製造例3により製造した濃度14.20wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体水溶液459.32gおよびアクリルアミド36.25gを用いた以外は、実施例10と同様に操作して、濃度16.82wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとモノカルバモイルエチル化アリルアミンとの共重合体(共重合比7:3)水溶液475.15g(96%)を得た。この共重合体の重量平均分子量は1200であった。
実施例13 N,N−ジメチルアリルアミンとジカルバモイルエチル化アリルア ミンとの共重合体(5/5)の製造
実施例.10において、アクリルアミド120.83gを用いた以外は、実施例10と同様に操作して、濃度22.30wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとジカルバモイルエチル化アリルアミンとの共重合体(共重合比5:5)水溶液521.09g(96%)を得た。この共重合体の重量平均分子量は1200であった。
共重合体水溶液の一部を塩酸塩にし、アセトン溶媒により再沈し、共重合体塩酸塩を得た。元素分析の結果はC=46.68、H=8.23、N=15.41であった。これらの値は計算値C=47.00、H=8.48、N=15.62と一致した。また、共重合体塩酸塩を中和滴定よりジプロピルアミド化モル分率を算出した結果、48.06%であり、元素分析の結果とほぼ一致した。
実施例14 N,N−ジメチルアリルアミンとジカルバモイルエチル化アリルア ミンとの共重合体(3/7)の製造
実施例.11において、アクリルアミド169.17gを用いた以外は、実施例10と同様に操作して、濃度25.08wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとジカルバモイルエチル化アリルアミンとの共重合体(共重合比3:7)水溶液541.72g(97%)を得た。この共重合体の重量平均分子量は1300であった。
実施例15 N,N−ジメチルアリルアミンとジカルバモイルエチル化アリルア ミンとの共重合体(7/3)の製造
実施例.12において、アクリルアミド72.50gを用いた以外は、実施例10と同様に操作して、濃度19.08wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとジカルバモイルエチル化アリルアミンとの共重合体(共重合比7:3)水溶液508.15g(96%)を得た。この共重合体の重量平均分子量は1100であった。
実施例16 N,N−ジメチルアリルアミンとモノエトキシ−2−ヒドロキシプ ロピル化アリルアミンとの共重合体(5/5)の製造
かき混ぜ機、ジムロート還流器、温度計を備えた500mlの4つ口セパラブルフラスコ中に、製造例1により製造した濃度14.35wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体水溶液421.29gを仕込み、50℃に加温し、純度100%のエチルグリシジルエーテル43.41gを滴下し、24時間の反応を行なった。
濃度22.35wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとモノエトキシ−2−ヒドロキシプロピル化アリルアミンとの共重合体(共重合比5:5)水溶液463.95g(100%)を得た。この共重合体の重量平均分子量は1200であった。
共重合体水溶液の一部を塩酸塩にし、アセトン溶媒により再沈し、共重合体塩酸塩を得た。元素分析の結果はC=49.44、H=9.41、N=8.59であった。これらの値は計算値C=49.21、H=9.53、N=8.83と一致した。また、共重合体塩酸塩を中和滴定よりモノエトキシ−2−ヒドロキシプロピル化モル分率を算出した結果、50.23%であり、元素分析の結果とほぼ一致した。
実施例17 N,N−ジメチルアリルアミンとモノエトキシ−2−ヒドロキシプ ロピル化アリルアミンとの共重合体(3/7)の製造
実施例16において、製造例1により製造したフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体水溶液の代わりに製造例2により製造した濃度14.27wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体水溶液390.23gおよびエチルグリシジルエーテル60.77gを用いた以外は、実施例16と同様に操作して、濃度25.82wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとモノエトキシ−2−ヒドロキシプロピル化アリルアミンとの共重合体(共重合比3:7)水溶液450.37g(100%)を得た。この共重合体の重量平均分子量は1300であった。
実施例18 N,N−ジメチルアリルアミンとモノエトキシ−2−ヒドロキシプ ロピル化アリルアミンとの共重合体(7/3)の製造
実施例16において、製造例1により製造したフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体水溶液の代わりに製造例3により製造した濃度14.20wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体水溶液459.32gおよびエチルグリシジルエーテル26.04gを用いた以外は、実施例16と同様に操作して、濃度18.80wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとモノエトキシ−2−ヒドロキシプロピル化アリルアミンとの共重合体(共重合比7:3)水溶液484.05g(100%)を得た。この共重合体の重量平均分子量は1100であった。
実施例19 N,N−ジメチルアリルアミンとジエトキシ−2−ヒドロキシプロ ピル化アリルアミンとの共重合体(5/5)の製造
実施例.16において、エチルグリシジルエーテル86.81gを用いた以外は、実施例16と同様に操作して、濃度28.98wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとジエトキシ−2−ヒドロキシプロピル化アリルアミンとの共重合体(共重合比5:5)水溶液504.19g(99%)を得た。この共重合体の重量平均分子量は1200であった。
共重合体水溶液の一部を塩酸塩にし、アセトン溶媒により再沈し、共重合体塩酸塩を得た。元素分析の結果はC=61.78、H=11.11、N=7.89であった。これらの値は計算値C=61.57、H=11.20、N=8.01と一致した。また、共重合体塩酸塩を中和滴定よりモノエトキシ−2−ヒドロキシプロピル化モル分率を算出した結果、49.62%であり、元素分析の結果とほぼ一致した。
実施例20 N,N−ジメチルアリルアミンとジエトキシ−2−ヒドロキシプロ ピル化アリルアミンとの共重合体(3/7)の製造
実施例.17において、エチルグリシジルエーテル121.54gを用いた以外は、実施例17と同様に操作して、濃度34.63wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとジエトキシ−2−ヒドロキシプロピル化アリルアミンとの共重合体(共重合比3:7)水溶液5.7.26g(99%)を得た。この共重合体の重量平均分子量は1400であった。
実施例21 N,N−ジメチルアリルアミンとジエトキシ−2−ヒドロキシプロ ピル化アリルアミンとの共重合体(7/3)の製造
実施例.18において、エチルグリシジルエーテル52.09gを用いた以外は、実施例18と同様に操作して、濃度22.94wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとジエトキシ−2−ヒドロキシプロピル化アリルアミンとの共重合体(共重合比7:3)水溶液507.52g(99%)を得た。この共重合体の重量平均分子量は1200であった。
実施例22 N,N−ジメチルアリルアミンとカルバモイル化アリルアミンおよ びアリルアミンとの三元共重合体(5/3/2)の製造
実施例1において、シアン酸ナトリウム水溶液221.02gおよび水酸化ナトリウム水溶液54.40gを用いた以外は、実施例1と同様に操作して、濃度11.65wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとカルバモイル化アリルアミンおよびアリルアミンとの三元共重合体水溶液606.48g(収率99%)を得た。この共重合体の重量平均分子量は1200であった。
実施例23 N,N−ジメチルアリルアミンとメトキシカルボニル化アリルアミ ンおよびアリルアミンとの三元共重合体(5/3/2)の製造
実施例4において、炭酸ジメチル23.20gを用いた以外は、実施例4と同様に操作して、濃度19.25wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとメトキシカルボニル化アリルアミンおよびアリルアミンとの三元共重合体水溶液390.46g(収率100%)を得た。この共重合体の重量平均分子量は1200であった。
実施例24 N,N−ジメチルアリルアミンとアセチル化アリルアミンおよびア リルアミンとの三元共重合体(5/3/2)の製造
実施例7において、無水酢酸26.56gおよび水酸化ナトリウム水溶液20.40gを用いた以外は、実施例7と同様に操作して、濃度13.58wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアセチル化アリルアミンおよびアリルアミンとの三元共重合体水溶液523.48g(100%)を得た。この共重合体の重量平均分子量は1200であった。
実施例25 N,N−ジメチルアリルアミンとモノカルバモイルエチル化アリル アミンおよびアリルアミンとの三元共重合体(5/3/2)の製造
実施例.10において、アクリルアミド36.25gを用いた以外は、実施例10と同様に操作して、濃度17.17wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとモノカルバモイルエチル化アリルアミンおよびアリルアミンとの三元共重合体水溶液455.93g(100%)を得た。この共重合体の重量平均分子量は1200であった。
実施例26 N,N−ジメチルアリルアミンとモノエトキシ−2−ヒドロキシプ ロピル化アリルアミンおよびアリルアミンとの三元共重合体(5/3/2)の製
実施例16において、エチルグリシジルエーテル26.04gを用いた以外は、実施例16と同様に操作して、濃度19.34wt%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとモノエトキシ−2−ヒドロキシプロピル化アリルアミンおよびアリルアミンとの三元共重合体水溶液447.07g(100%)を得た。この共重合体の重量平均分子量は1200であった。
試験例1
本発明の変性ポリアリルアミン(実施例1〜実施例26)を用いてインクジェット記録において、発色性と廃液滞留性の性能試験を行った。これを表2に示す。また、比較のため、アリルアミン単独重合体、アリルアミンとジメチルアリルアミンとの共重合体(製造例1〜3)、ジメチルアリルアミン単独重合体に関しても同様の試験を行った。これを表3に示す。その結果、本発明の変性ポリアリルアミンは、発色性と廃液滞留性のいずれも極めて良好な性能を示すことが判明した。なお、以下にその評価方法と結果を詳しく説明する。
液体組成物の調製
下記の各組成からなる液体組成物を調製した。
液体組成物
本発明の変性ポリアリルアミン 5.0重量%(固形分換算)
グリセリン(Gly) 25.0重量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 3.0重量%
オルフィンE1010 0.3重量%
水 残 量
インクセット
インク組成物を次の操作によって調製した。まず、顔料との分散液(スチレーンアクリル酸共重合体)とを混合し、サンドミル(安川製作所)中でガラスビーズ(直径1.7mm、混合物の1.5倍量(重量))とともに2時間分散させた。その後ガラスビーズを取り除き、他の添加物を加え、常温で20分間攪拌した。10μmのメンブランフィルターでろ過し、顔料インクを得た。
インク組成物
顔料 3.0重量部
スチレンアクリル酸共重合体 1.0重量部
オルフィンE1010 0.5重量部
Gly 15.0重量部
TEGmBE 5.0重量部
TEA 0.9重量部
水 残量
合計 100重量部
なお、顔料として、イエローはC.I.ピグメントイエロー74、マゼンタはC.I.ピグメントレッド202、シアンはC.I.ピグメントブルー15:3、ブラックはカーボンブラックを用いた。
インク組成物の略記等は下記の通りである。
Gly:グリセリン
TEGmBE:トリエチレングリコールモノブチルエーテル
TEA:トリエタノールアミン
オルフィンE1010:アセチレングリコール系界面活性剤(日信化学工業製)
印刷評価
「duty」とは、下式で算出される値である。
duty(%)=実印刷ドット数/(縦解像度×横解像度)×100
(式中、「実印刷ドット数」は単位面積当たりの実印刷ドット数であり、「縦解像度」および「横解像度」はそれぞれ単位面積当たりの解像度である。100%dutyとは、画素に対する単色の最大インク重量を意味する。)
評価1 発色性試験(普通紙)
液体組成物とインクセットをインクジェットプリンタ(セイコーエプソン株式会社製;「MC−2000」)に充填し、普通紙(Xerox4024)に、720×720dpiで印刷した。この際、インク組成物を70%dutyで、これとほぼ同時に液体組成物を10%dutyで印刷した。
得られた記録物の光学濃度を測定した。光学濃度は、グレタグ社製「グレタグ・マクベスSPM50」を用いて、D50光源、フィルターなし、視野角2°にて測定した。
(評価基準)
AA:着色されていない部分が目視により確認し難く、液体組成物を印字しない場合よりもOD値の増加が0.06以上ある。
A:着色されていない部分が目視により確認し難く、液体組成物を印字しない場合よりもOD値の増加が0.03以上0.06未満である。
B:着色されていない部分が目視により容易に確認でき、液体組成物を印字しない場合よりもOD値の増加が0.03未満である。
評価結果を表3に示す。実施例では、着色されていない部分が目視により確認し難くなり、またOD値が0.03以上増加した。
評価2 不織布があるキャップの廃液処理性能
液体組成物とインクセットとをインクジェットプリンタ(セイコーエプソン株式会社製;「MC−2000」)に充填した後、記録ヘッドのクリーニング(プリンタのクリーニングボタンを1回押す)、ノズルチェックパターンの印刷を繰り返した。この作業を10回行ない、ノズルチェックパターンが正常に印刷されているかを評価した。また、キャップ(不織布有り)内の廃液の状態を観察した。また、結果がAであった液体組成物については、この作業をさらに90回行ない、チェックパターンが正常に印刷されているか評価した。
評価基準
S:100回全てにおいて、チェックパターンが正常に印刷されており、キャップ内に廃液の滞留がない。
AA:50回全てにおいて、チェックパターンが正常に印刷されており、キャップ内に廃液の滞留がない。
A:10回全てにおいて、チェックパターンが正常に印刷されており、キャップ内に廃液の滞留がない。
B:10回全てにおいて、チェックパターンが正常に印刷されているが、キャップ内に廃液の滞留が若干ある。
C:チェックパターンが正常に印刷できない場合があり、キャップ内に廃液の滞留がある。
Figure 0004462188
Figure 0004462188
産業上の利用の可能性
本発明の変性ポリアリルアミンは、優れた発色性を示すとともに、水にも有機溶剤にも溶解しやすく、しかもその水や有機溶剤を含む溶液中で良好な安定性を示すため、インクジェット記録分野等のファインケミカル分野に好適に用いることができる。

Claims (10)

  1. 一般式(M−1)
    Figure 0004462188
    [式中、RおよびRは、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示す。]で表わされる単位を必須単位として含み、かつ、
    式(M−2)
    Figure 0004462188
    一般式(M−3)
    Figure 0004462188
    [式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を示す。]、
    一般式(M−4)
    Figure 0004462188
    [式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基を示す。]、
    一般式(M−5)
    Figure 0004462188
    [式中、Rは水素原子またはメチル基、Aは−CONR、−CNまたは−COORを示し、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、あるいはヒドロキシル基、ケト基、モノ(炭素数1〜4のアルキル)アミノ基、ジ(炭素数1〜4のアルキル)アミノ基またはトリ(炭素数1〜4のアルキル)アンモニウム基を含んでいてもよい炭素数1〜8のアルキル基を示し、RおよびRはたがいに結合して、窒素原子と共にピペリジノ基若しくはモルホリノ基を形成していてもよく、Rは炭素数1〜8のアルキル基を示し、このアルキル基はヒドロキシル基、ケト基、モノ(炭素数1〜4のアルキル)アミノ基、ジ(炭素数1〜4のアルキル)アミノ基またはトリ(炭素数1〜4のアルキル)アンモニウム基を含んでいてもよい。]、
    一般式(M−6)
    Figure 0004462188
    [式中、R、Aは前記と同じである。]、
    一般式(M−7)
    Figure 0004462188
    [式中、Bは炭素数1〜8のアルキル基を示し、このアルキル基はヒドロキシル基または炭素数1〜4のアルコキシル基若しくはアルケニルオキシ基を含んでいてもよい。]、及び
    一般式(M−8)
    Figure 0004462188
    [式中、Bは前記と同じである。]で表わされる単位から選ばれる少なくとも1種の単位を含み、かつ、場合により
    式(M−9)
    Figure 0004462188
    で表わされる単位を含むことを特徴とする変性ポリアリルアミン。
  2. 一般式(I)
    Figure 0004462188
    [式中、RおよびRは、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、Xは−CONH、−COOR(ただし、Rは炭素数1〜12のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を示す。)または−COR(ただし、Rは炭素数1〜12のアルキル基を示す。)、pおよびqはそれぞれ独立に1以上の整数、rは0または1以上の整数を示す。]
    で表される構造を有することを特徴とする変性ポリアリルアミン。
  3. 一般式(II)
    Figure 0004462188
    [式中、RおよびRは、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示し、Yは−CHCH(R)−A(ただし、Rは水素原子またはメチル基、Aは−CONR、−CNまたは−COORを示し、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、あるいはヒドロキシル基、ケト基、モノ(炭素数1〜4のアルキル)アミノ基、ジ(炭素数1〜4のアルキル)アミノ基またはトリ(炭素数1〜4のアルキル)アンモニウム基を含んでいてもよい炭素数1〜8のアルキル基を示し、RおよびRはたがいに結合して、窒素原子と共にピペリジノ基若しくはモルホリノ基を形成していてもよく、Rは炭素数1〜8のアルキル基を示し、このアルキル基はヒドロキシル基、ケト基、モノ(炭素数1〜4のアルキル)アミノ基、ジ(炭素数1〜4のアルキル)アミノ基またはトリ(炭素数1〜4のアルキル)アンモニウム基を含んでいてもよい。)、または−CHCH(OH)−B(ただし、Bは炭素数1〜8のアルキル基を示し、このアルキル基はヒドロキシル基または炭素数1〜4のアルコキシル基若しくはアルケニルオキシ基を含んでいてもよい。)を示し、pは1以上の整数、t,uおよびvは、それぞれ独立に0または1以上の整数を示すが、tおよびuの少なくとも1つは1以上の整数である。]
    で表される構造を有することを特徴とする変性ポリアリルアミン。
  4. 一般式(III)
    Figure 0004462188
    (式中、RおよびRは、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、pおよびwは、それぞれ独立に1以上の整数を示す。)
    で表されるN,N−ジアルキルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体に、シアン酸を作用させることを特徴とする、一般式(I−1)
    Figure 0004462188
    (式中、qは1以上の整数、rは0または1以上の整数を示し、R、Rおよびpは前記と同じである。)
    で表される変性ポリアリルアミンの製造方法。
  5. 一般式(III)
    Figure 0004462188
    (式中、RおよびRは、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、pおよびwは、それぞれ独立に1以上の整数を示す。)
    で表されるN,N−ジアルキルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体に、炭素数1〜12のアルコキシカルボニル化剤または炭素数6〜12のアリーロキシカルボニル化剤を作用させることを特徴とする、一般式(I−2)
    Figure 0004462188
    (式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基、qは1以上の整数、rは0または1以上の整数を示し、R、Rおよびpは前記と同じである。)
    で表される変性ポリアリルアミンの製造方法。
  6. アルコキシカルボニル化剤またはアリーロキシカルボニル化剤が、RO−CO−OR(ただし、Rは炭素数1〜12のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を示す。)で表される炭酸ジエステルである請求項5に記載の変性ポリアリルアミンの製造方法。
  7. 一般式(III)
    Figure 0004462188
    (式中、RおよびRは、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、pおよびwは、それぞれ独立に1以上の整数を示す。)
    で表されるN,N−ジアルキルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体に、アルキル基の炭素数が1〜12のアシル化剤を作用させることを特徴とする、一般式(I−3)
    Figure 0004462188
    (式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基、qは1以上の整数、rは0または1以上の整数を示し、R、Rおよびpは前記と同じである。)
    で表される変性ポリアリルアミンの製造方法。
  8. アシル化剤が、一般式(IV)
    Figure 0004462188
    (式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基を示す。)
    で表される無水カルボン酸である請求項7に記載の変性ポリアリルアミンの製造方法。
  9. 一般式(III)
    Figure 0004462188
    (式中、RおよびRは、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、pおよびwは、それぞれ独立に1以上の整数を示す。)
    で表されるN,N−ジアルキルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体に、一般式(V)
    Figure 0004462188
    [式中、Rは水素原子またはメチル基、Aは−CONR、−CNまたは−COORを示し、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、あるいはヒドロキシル基、ケト基、モノ(炭素数1〜4のアルキル)アミノ基、ジ(炭素数1〜4のアルキル)アミノ基またはトリ(炭素数1〜4のアルキル)アンモニウム基を含んでいてもよい炭素数1〜8のアルキル基を示し、RおよびRはたがいに結合して、窒素原子と共にピペリジノ基若しくはモルホリノ基を形成していてもよく、Rは炭素数1〜8のアルキル基を示し、このアルキル基はヒドロキシル基、ケト基、モノ(炭素数1〜4のアルキル)アミノ基、ジ(炭素数1〜4のアルキル)アミノ基またはトリ(炭素数1〜4のアルキル)アンモニウム基を含んでいてもよい。]
    で表されるアクリル化合物を作用させることを特徴とする、一般式(II−1)
    Figure 0004462188
    (式中、Yは−CHCH(R)−Aを示し、t,uおよびvは、それぞれ独立に0または1以上の整数を示すが、tおよびuの少なくとも1つは1以上の整数であり、R、R、R、Aおよびpは前記と同じである。)
    で表される変性ポリアリルアミンの製造方法。
  10. 一般式(III)
    Figure 0004462188
    (式中、RおよびRは、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、pおよびwは、それぞれ独立に1以上の整数を示す。)
    で表されるN,N−ジアルキルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体に、一般式(VI)
    Figure 0004462188
    (式中、Bは炭素数1〜8のアルキル基を示し、このアルキル基はヒドロキシル基または炭素数1〜4のアルコキシル基若しくはアルケニルオキシ基を含んでいてもよい。)
    で表されるエポキシ化合物を作用させることを特徴とする、一般式(II−2)
    Figure 0004462188
    (式中、YはCHCH(OH)−Bを示し、t,uおよびvは、それぞれ独立に0または1以上の整数を示すが、tおよびuの少なくとも1つは1以上の整数であり、R、R、Bおよびpは前記と同じである。)
    で表される変性ポリアリルアミンの製造方法。
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