JP3494261B2 - N−アリルウレタン系重合体およびその製造方法 - Google Patents
N−アリルウレタン系重合体およびその製造方法Info
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Description
ウレタン系重合体およびその製造方法に関する。更に詳
しくは、アミノ基が少なく、かつ、反応性の側鎖を有す
る新規なN−アリルウレタン系重合体およびその簡単な
製造方法に関する。
アリルアミン)のようなポリアリルアミン系重合体は、
側鎖にアミノ基を含む直鎖のオレフィン系重合体で、水
に良く溶け、水中でプラスに荷電するカチオン系高分子
である。このようなポリアリルアミン系重合体は、独特
な反応性高分子構造と性質を持ち、そのため、反応染料
用染料固着剤、直接染料用染料固着剤、食品保存剤およ
びアンカーコート剤等に使用されている。又、ハロゲン
化銀写真感光材料、徐放性医薬組成物、イオン交換樹脂
および機能膜等の分野でポリアリルアミン系重合体を使
用することが提案されている。しかし、シーエムシー発
行の「反応性ポリマーの合成と応用」80〜92頁(1
989年)に記載されているように、一般的にいえば、
反応性高分子の反応基の数は、あまり多くある必要がな
く、多すぎると不都合な場合すらある。一方、共重合に
より、アミノ基を減少させた重合体を合成することも考
えられるが、モノアリルアミン、モノ(N−アルキルア
リルアミン)等のモノアリルアミン系単量体は、通常の
ビニル系単量体とは共重合しないので、共重合により低
カチオン密度のポリアリルアミン系誘導体を合成するこ
とは困難である。そこで、ポリアリルアミン系重合体の
アミノ基を他の化合物と反応させて不活性基に変換する
方法も検討されている。そのような方法で製造したポリ
アリルアミン系誘導体として、アリル尿素重合体(特公
昭63−43403号公報)が知られている。しかし、
このポリアリルアミン系誘導体は、精製することが難し
い等の問題もあり、実用的に使用されることは、ほとん
どないのが現状である。
良く溶けることから、有機溶剤系アンカーコート剤の代
替としての水系アンカーコート剤(特開平4−2926
40号公報)等の接着分野の用途が知られている。しか
し、これらのアンカーコート剤を使用して作製されたラ
ミネートフィルムには、耐水性に欠けるという実用上の
問題があった。従って、加熱処理で架橋反応が容易に起
きて不溶化し、その結果、耐水性が向上する、新規なポ
リアリルアミン系誘導体の開発が望まれていた。
ノ基が少なく、かつ、反応性の側鎖を有し、更に、加熱
処理により架橋反応が容易に起きて不溶化し得るポリア
リルアミン系誘導体、より具体的にはN−アリルウレタ
ン系重合体およびそれを簡単に製造する方法を提供する
ことである。
が少なく、かつ、反応性の側鎖を有する新規なN−アリ
ルウレタン系重合体およびそれを簡単に製造する方法に
ついて鋭意研究を重ねた結果、特定のポリアリルアミン
系重合体と特定の炭酸ジエステルとを反応させることに
より、アミノ基が少なく、かつ、ブロックイソシアネー
ト基を有する新規なN−アリルウレタン系重合体を簡単
に製造することを見いだし、この知見に基づいて本発明
をなすに至った。なお、本明細書では、ウレタン化と
は、アミノ基(NH)がアルキルオキシカルボニルアミ
ノ基またはアリールオキシカルボニルアミノ基(N−C
O−OR2)に変化することをいう。
満足する数を示し、R1は水素、炭素数1〜8のn−お
よびiso−アルキル基、並びに炭素数5〜12のシク
ロアルキル基から選ばれる置換基を示し、R2は炭素数
1〜12のアルキル基および炭素数6〜12のアリール
基から選ばれる置換基を示す)で表わされるN−アリル
ウレタン系重合体、またはその付加塩である。
ブロックイソシアネート基を有する。そのため、通常、
加熱条件下では、ウレタンがイソシアネートになるので
反応性が高くなる。
びその付加塩は、溶液にしたときの安定性、特に酸性溶
液にしたときの安定性、適度な水に対する溶解性、およ
び原料の入手しやすさから、R1 が水素、かつ、R2が
炭素数1〜12のn−またはiso−アルキル基である
ものが好ましい。
ルウレタン系重合体の重合度を表わす。mは10以上、
好ましくは10〜5000である。
す。jは、0<j≦1であるが、本発明のN−アリルウ
レタン系重合体のカチオン密度の減少度から、通常、
0.05≦j≦1が好ましい。
8のn−およびiso−アルキル基並びに炭素数5〜1
2のシクロアルキル基から選ばれる置換基を示す。適度
な水に対する溶解性、および原料の入手のしやすさか
ら、実用上、R1 は水素が好ましい。
のアルキル基および炭素数6〜12のアリール基から選
ばれる置換基を示す。この場合、炭素数1〜12のアル
キル基としては、メチル、エチル、プロピルを例示でき
る。R2が、炭素数6〜12のアリール基としては、フ
ェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基
等を例示できる。本発明のN−アリルウレタン系重合体
では、それを溶液にしたときの安定性、特に酸性溶液に
したときの安定性から、R2は炭素数1〜12のn−ア
ルキル基またはiso−アルキル基であることが好まし
い。
加塩とは、ウレタン化されていないモノマー単位中の側
鎖アミノ基への付加塩である。そのような付加塩として
は、塩酸塩、臭化水素酸塩、よう化水素酸塩、硫酸塩、
リン酸塩、ホスホン酸塩、酢酸塩等のカルボン酸塩類、
メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、クエ
ン酸塩および酒石酸塩等のオキシカルボン酸塩、安息香
酸塩を例示できる。
系重合体は、塩にすると溶液状態で不安定になることも
ある。したがって、本発明のN−アリルウレタン系重合
体は、溶液状態では、フリーであることが好ましい。
合体またはその付加塩は、特定のポリアリルアミン系重
合体と特定の炭酸ジエステルとを反応させて製造するこ
とができる。すなわち、本発明のN−アリルウレタン系
重合体は、一般式
数1〜8のn−およびiso−アルキル基、並びに炭素
数5〜12のシクロアルキル基から選ばれる置換基を示
す)で表わされるポリアリルアミン系重合体に、一般式 R2O−CO−OR2 (式中、R2が炭素数1〜12のアルキル基および炭素
数6〜12のアリール基から選ばれる置換基を示す)で
表わされる炭酸ジエステルを反応させることにより製造
できる。本発明のN−アリルウレタン系重合体を製造す
るための、原料のポリアリルアミン系重合体は、一般式
数1〜8のn−およびiso−アルキル基、並びに炭素
数5〜12のシクロアルキル基から選ばれる置換基を示
す)で表わされる。
リルアミン系重合体の部分塩も使用できる。そのような
部分塩は、
満足する数を示し、R1は水素,炭素数1〜8のn−お
よびiso−アルキル基、並びに炭素数5〜12のシク
ロアルキル基から選ばれる置換基を示し、Xは部分塩を
形成するための塩である)で表わされる。この部分塩を
形成するための酸としては、ポリアリルアミン系重合体
の側鎖のアミノ基と塩を形成できる酸であれば、特に限
定しない。その様な酸として、塩酸、臭化水素酸、よう
化水素酸、硫酸、リン酸、ホスホン酸、酢酸等のカルボ
ン酸類、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、
クエン酸および酒石酸等のオキシカルボン酸類、安息香
酸を例示できる。
が水素のときは、ポリアリルアミンである。ポリアリル
アミンはフリータイプのものが好ましい。フリータイプ
としては、既知のポリアリルアミンの塩をアルカリで中
和したものも使用できるが、市販の濃度15%のポリア
リルアミン(分子量約1万)水溶液(日東紡績(株)
製、PAA−15),濃度10%のポリアリルアミン
(分子量約1万)水溶液(日東紡績(株)製、PAA−
10C),濃度20%のポリアリルアミン(分子量約1
万)水溶液(日東紡績(株)製、PAA−L)および濃
度20%のポリアリルアミン(分子量約10万)水溶液
(日東紡績(株)製、PAA−H)等をそのまま使用し
ても良い。
て、R1が炭素数1〜8のn−およびiso−アルキル
基、並びに炭素数5〜12のシクロアルキル基から選ば
れる置換基である場合は、特公昭63−43402号公
報、特公平6−2779号公報、特公平2−57084
号公報に記載されているような方法で、ポリ(N−アル
キルアリルアミン)の塩を製造し、次いで、そのポリ
(N−アルキルアリルアミン)の塩の水溶液を、アルカ
リ、例えば、水酸化ナトリウムで中和した後、副生する
中和塩、例えば、塩化ナトリウムを、透析により除去し
たものを用いることができる。
するための溶媒としては、水、有機溶媒または水と有機
溶媒の混合溶媒を使用できる。有機溶媒としては、原料
の溶解性から極性溶媒が好ましく、メタノール、エタノ
ール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタ
ノール等のアルコール類、アセトニトリル、ホルムアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等を例
示できる。原料のポリアリルアミン系重合体を溶液にす
るための溶媒の使用量は、原料のポリアリルアミン系重
合体1重量に対し、0.5〜100重量であるのが好ま
しい。
造するための、原料の炭酸ジエステルは、一般式R2O
−CO−OR2(式中、R2は炭素数1〜12のアルキル
基および炭素数6〜12のアリール基から選ばれる置換
基を示す)で表わされる。炭酸ジエステルとしては、炭
酸ジメチル、炭酸ジエチルおよび炭酸ジフェニル等を例
示できる。反応させる炭酸ジエステルの量は、通常、N
−アリルウレタン系重合体のウレタン化度に化学量論的
に必要な計算量を使用することができる。
エステルとを反応させて本発明のN−アリルウレタン系
重合体を製造するときは、まず、原料のポリアリルアミ
ン系重合体の溶液に炭酸ジエステルをゆっくりと滴下す
ると良い。このとき、溶媒に炭酸ジエステルを溶解させ
て、原料のポリアリルアミン系重合体の溶液に滴下する
こともできる。この場合、炭酸ジエステルを溶解させる
ための溶媒は、通常、原料のポリアリルアミン系重合体
を溶解させるための溶媒と同じである。ポリアリルアミ
ン系重合体と炭酸ジエステルとの反応は、撹拌しながら
行うことが好ましい。反応温度は、好ましくは0〜10
0℃、更に好ましくは30〜60℃に維持するのが良
い。反応温度が高すぎると、生成したウレタンが分解す
ることもある。反応時間が、通常12〜48時間、好ま
しくは12〜25時間で、本発明のアリルウレタン系重
合体の溶液を得ることができる。反応終了後、副生した
アルコールと反応溶媒を除去するために、反応溶液を、
真空乾燥することにより、本発明のN−アリルウレタン
系重合体を、固体として得ることができる。真空乾燥
は、例えば、溶媒として水、炭酸ジエステルとして炭酸
ジメチル,炭酸ジエチル,または炭酸ジプロピルを用い
た場合は、温度が25〜70℃、好ましくは35〜60
℃で適当な真空状態で行うのが好ましい。温度が高すぎ
ると、副反応がおこることもある。また、本発明のN−
アリルウレタン系重合体の付加塩は、原料として、ポリ
アリルアミン系重合体の部分塩を用い、これと炭酸ジエ
ステルとを、フリーのポリアリルアミン系重合体を用い
た場合と同様に、反応させることにより、製造すること
ができる。通常、原料のポリアリルアミン系重合体の部
分塩と炭酸ジエステルとを反応させた場合、そのポリア
リルアミン系重合体中のNHで、塩を形成していないN
Hが、優先的にウレタン化される。反応終了後、得られ
るN−アリルウレタン系重合体の塩の溶液を、アセトン
等の溶媒に加えて再沈することにより、本発明のN−ア
リルウレタン系重合体の付加塩を、固体として取り出す
ことが可能となる。
レタン化度(モル%)は、用いた原料の炭酸ジエステル
の量に依存する。原料のポリアリルアミン系重合体のア
ミノ基に対し、等モル量の炭酸ジエステルを用いたとき
は、通常、ほとんど、そのアミノ基はウレタン化され
る。従って、原料として用いる炭酸ジエステルの量を調
整することにより、本発明のN−アリルウレタン系重合
体のカチオン密度を調整することができる。また、使用
する炭酸ジエステルの種類により、本発明のN−アリル
ウレタン系重合体の疎水性を変化させることができる。
従って、本発明のN−アリルウレタン系重合体を種々の
用途で使用するときは、適当なカチオン密度を有し、か
つ、適当な疎水性を有するものを選択することができ
る。
体は、ブロックイソシアネート基を有するポリアリルア
ミンでもあることから、導入するウレタン基を選択する
ことにより、ブロックイソシアネート基の解離温度を選
択することができる。
合体およびその製造方法を実施例で示す。本発明はこれ
らの実施例によって限定されるものではないことは勿論
である。
化ポリアリルアミン(本発明のN−アリルウレタン系重
合体Iでj=0.2,R 1 =H,R 2 =CH 3 )の製造 攪拌機、滴下漏斗、温度計および還流冷却器を備えた3
00mlのセパラブルフラスコに、濃度10.1%のポ
リアリルアミン(分子量約1万)水溶液(日東紡績
(株)製、PAA−10C)200g(ポリアリルアミ
ンのモノマー単位で0.35モル)を入れ、温度を50
℃に保ち、その水溶液に炭酸ジメチル(ミテックス
(株)製)6.38g(0.07モル)を15分掛けて
滴下した。滴下終了後も温度を50℃に保ちながら、1
2時間反応を続け、透明な淡黄色の反応溶液を得た。こ
の溶液のpHは10.84であった。次に、この反応溶
液1gを秤量瓶に採り、室温で24時間真空乾燥した
後、乾燥剤に無水燐酸を用い、50℃で48時間真空乾
燥して、20モル%メトキシカルボニル化ポリアリルア
ミンを得た。元素分析の結果はC=58.97%、H=
10.93%、N=19.76%であった。これらの値
は計算値C=59.44%、H=10.86%、N=2
0.39%とほぼ一致した。
化ポリアリルアミン(本発明のN−アリルウレタン系重
合体Iでj=0.6,R 1 =H,R 2 =CH 3 )の製造 実施例1と同じ反応容器中に、濃度10.1%のポリア
リルアミン(分子量約1万)水溶液(日東紡績(株)
製、PAA−10C)200g(ポリアリルアミンのモ
ノマー単位で0.35モル)を入れ、温度を50℃に保
ち、その水溶液に炭酸ジメチル(ミテックス(株)製)
19.14g(0.21モル)を40分掛けて滴下し
た。滴下終了後も温度を50℃に保ちながら、12時間
反応を続け、透明な淡黄色の反応溶液を得た。この溶液
のpHは9.78であった。次に、この反応溶液1gを
秤量瓶に採り、実施例1と同じ条件で乾燥し、60モル
%メトキシカルボニル化ポリアリルアミンを得た。元素
分析の結果はC=54.32%、H=9.17%、N=
14.75%であった。これらの値は計算値C=54.
88%、H=8.99%、N=15.24%とほぼ一致
した。
リアリルアミンのKBr法赤外線吸収スペクトルを示し
た。吸収スペクトルには、第一アミノ基(−NH2)に
基づく1580cm-1とウレタン基(N−CO−O−
R)のC=Oに基づく1700cm-1の吸収が認められ
た。
ル化ポリアリルアミン(本発明のN−アリルウレタン系
重合体Iでj=1,R 1 =H,R 2 =CH 3 )の製造 実施例1と同じ反応容器中に、濃度10.1%のポリア
リルアミン(分子量約1万)水溶液(日東紡績(株)
製、PAA−10C)200g(ポリアリルアミンのモ
ノマー単位で0.35モル)を入れ、温度を50℃に保
ち、その水溶液に炭酸ジメチル(ミテックス(株)製)
33.50g(0.37モル)を1時間掛けて滴下し
た。滴下終了後も温度を50℃に保ちながら、12時間
反応を続け、透明な淡黄色の反応溶液を得た。この溶液
のpHは7.85であった。次に、この反応溶液1gを
秤量瓶に採り、実施例1と同じ条件で乾燥し、100モ
ル%メトキシカルボニル化ポリアリルアミンを得た。元
素分析の結果はC=51.68%、H=7.94%、N
=11.83%であった。これらの値は計算値C=5
2.16%、H=7.88%、N=12.17%とほぼ
一致した。
化ポリアリルアミン(本発明のN−アリルウレタン系重
合体Iでj=0.2,R 1 =H,R 2 =C 2 H 5 )の製造 実施例1と同じ反応容器中に、濃度10.1%のポリア
リルアミン(分子量約1万)水溶液(日東紡績(株)
製、PAA−10C)200g(ポリアリルアミンのモ
ノマー単位で0.35モル)を入れ、温度を50℃に保
ち、その水溶液に炭酸ジエチル(特級、ナカライテスク
(株)製)8.37g(0.07モル)を15分掛けて
滴下した。滴下終了後も温度を50℃に保ちながら、2
4時間反応を続け、透明な淡黄色の反応溶液を得た。こ
の溶液のpHは10.88であった。次に、この反応溶
液1gを秤量瓶に採り、実施例1と同じ条件で乾燥し、
20モル%エトキシカルボニル化ポリアリルアミンを得
た。元素分析の結果はC=59.94%、H=10.7
9%、N=19.32%であった。これらの値は計算値
C=60.47%、H=11.00%、N=19.59
%とほぼ一致した。
化ポリアリルアミン(本発明のN−アリルウレタン系重
合体Iでj=0.6,R 1 =H,R 2 =C 2 H 5 )の製造 実施例1と同じ反応容器中に、濃度10.1%のポリア
リルアミン(分子量約1万)水溶液(日東紡績(株)
製、PAA−10C)200g(ポリアリルアミンのモ
ノマー単位で0.35モル)を入れ、温度を50℃に保
ち、その水溶液に炭酸ジエチル(特級、ナカライテスク
(株)製)25.10g(0.21モル)を40分掛け
て滴下した。滴下終了後も温度を50℃に保ちながら、
24時間反応を続け、透明な淡黄色の反応溶液を得た。
この溶液のpHは9.55であった。次に、この反応溶
液1gを秤量瓶に採り、実施例1と同じ条件で乾燥し、
60モル%エトキシカルボニル化ポリアリルアミンを得
た。元素分析の結果はC=56.98%、H=9.41
%、N=13.52%であった。これらの値は計算値C
=57.46%、H=9,44%、N=13.96%と
ほぼ一致した。
リアリルアミンの赤外線吸収スペクトルを示した。吸収
スペクトルには、第一アミノ基(−NH2)に基づく1
580cm-1とウレタン基(N−CO−O−R)のC=
Oに基づく1700cm-1に吸収が認められた。
ル化ポリアリルアミン(本発明のN−アリルウレタン系
重合体Iでj=1,R 1 =H,R 2 =C 2 H 5 )の製造 実施例1と同じ反応容器中に、濃度10.1%のポリア
リルアミン(分子量約1万)水溶液(日東紡績(株)
製、PAA−10C)200g(ポリアリルアミンのモ
ノマー単位で0.35モル)を入れ、温度を50℃に保
ち、その水溶液に炭酸ジエチル(特級、ナカライテスク
(株)製)43.93g(0.37モル)を1時間掛け
て滴下した。滴下終了後も温度を50℃に保ちながら、
24時間反応を続け、2層に分離した透明な反応溶液を
得た。この溶液の上層のpHは7.81であった。次
に、下層の反応溶液1gを秤量瓶に採り、実施例1と同
じ条件で乾燥し、100モル%エトキシカルボニル化ポ
リアリルアミンを得た。元素分析の結果はC=55.3
7%、H=8.42%、N=10.51%であった。こ
れらの値は計算値C=55.80%、H=8.58%、
N=10.84%とほぼ一致した。
は、特定のポリアリルアミン系重合体のアミノ基をウレ
タン化することにより、そのポリアリルアミン系重合体
のカチオン密度を変化させたものである。従って、本発
明のN−アリルウレタン系重合体は、現在、ポリアリル
アミンが使用されている分野で、かつ、低カチオン密度
が望まれる分野に極めて有効な材料を提供するものであ
る。また、本発明のN−アリルウレタン系重合体は、反
応性を有するブロックイソシアネート基を導入したもの
であるので、ブロックイソシアネート基の反応性を利用
する分野に極めて有効な材料を提供するものである。例
えば、反応染料用染料固着剤、直接染料用染料固着剤、
押出しラミネート用アンカーコート剤等における接着性
または耐水性の向上が望まれる分野で使用することが提
案される。本発明のN−アリルウレタン系重合体は、製
造が極めて容易である。加えて、カチオン密度と反応基
であるブロックイソシアネート基の置換度を容易に制御
できる。
ミン(実施例2のN−アリルウレタン系重合体)の赤外
線吸収スペクトルを示す。
ミン(実施例5のN−アリルウレタン系重合体)の赤外
線吸収スペクトルを示す。横軸は波数(cm-1)、縦軸
は透過率(%)または吸光度を表わす。
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式 【式1】 (式中、mは10以上の整数を示し、jは0<j≦1を
満足する数を示し、R1は水素、炭素数1〜8のn−お
よびiso−アルキル基、並びに炭素数5〜12のシク
ロアルキル基から選ばれる置換基を示し、R2は炭素数
1〜12のアルキル基および炭素数6〜12のアリール
基から選ばれる置換基を示す)で表わされるN−アリル
ウレタン系重合体、またはその付加塩。 - 【請求項2】 R1が水素であり、かつ、R2が炭素数1
〜12のn−およびiso−アルキル基から選ばれる置
換基である、請求項1記載のN−アリルウレタン系重合
体、またはその付加塩。 - 【請求項3】 一般式 【式2】 (式中、mは10以上の整数を示し、R1は水素、炭素
数1〜8のn−およびiso−アルキル基並びに炭素数
5〜12のシクロアルキル基から選ばれる置換基を示
す)で表わされるポリアリルアミン系重合体またはその
部分塩に、 一般式 R2O−CO−OR2 (式中、R2が炭素数1〜12のアルキル基および炭素
数6〜12のアリール基から選ばれる置換基を示す)で
表わされる炭酸ジエステルを反応させることを特徴とす
る一般式 【式3】 (式中、mは10以上の整数を示し、jは0<j≦1を
満足する数を示し、R1は水素並びに炭素数1〜8のn
−およびiso−アルキル基並びに炭素数5〜12のシ
クロアルキル基から選ばれる置換基を示し、R2は炭素
数1〜12のアルキル基および炭素数6〜12のアリー
ル基から選ばれる置換基を示す)で表わされるN−アリ
ルウレタン系重合体またはその付加塩の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06741796A JP3494261B2 (ja) | 1996-02-29 | 1996-02-29 | N−アリルウレタン系重合体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06741796A JP3494261B2 (ja) | 1996-02-29 | 1996-02-29 | N−アリルウレタン系重合体およびその製造方法 |
Publications (2)
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