JP4458750B2 - 放射線撮像装置、その駆動方法及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜トランジスタ(TFT)及び光電変換素子を有する放射線撮像装置、その駆動方法及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、絶縁基板上にTFTを作りこむTFTマトリックスパネルの大判化や駆動速度の高速化が急速に進められている。TFTを用いた液晶パネルの製造技術は、可視光を電気信号に変換する光電変換素子を有するエリアセンサ(例えば、X線撮像装置)へと利用されており、表面にX線(放射線)から可視光線への変換層を配置することで放射線撮像装置としても活用されている。このようなパネルが放射線撮像装置として使用される場合、放射線撮像装置の中に、以下の3つの機能を備えた放射線モニタ基板を別に配置する必要がある。
(1)照射された放射線をモニタする。
(2)モニタした放射線量が設定値となったときに、放射線発生器に放射線照射を停止させる信号を送る。
(3)放射線の照射が終了したことをモニタし、放射線撮像装置を駆動させる信号を送り、画像を取り込む。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このため、従来の放射線撮像装置は、大型で厚く重量も重いものとなっている。しかしながら、放射線撮像装置には、携帯して使用することができるような小型で薄型の装置の要求が高い。例えば、病院内に設置されたX線撮影用の放射線撮像装置を持ってベッドとベッドとの間を移動したり、人が手で持ったまま撮影したりするようなときに、放射線撮像装置が小型であることが要求される。また、病院では女性の看護師が撮影装置の準備をする場合があり、このような場合にも、更なる軽量化が求められている。
【0004】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、小型かつ軽量で、容易に持ち運びすることができる放射線撮像装置、その駆動方法及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る放射線撮像装置は、基板と、前記基板上に配設され、放射線を電気信号に変換する複数の第1の半導体変換素子と、前記第1の半導体変換素子に接続された複数の薄膜トランジスタとを備えた変換部と、前記変換部内に入射した放射線の照射量を検出するために前記基板上に配設され、放射線を電気信号に変換する電界効果トランジスタ型の第2の半導体変換素子と、を有し、前記第2の半導体変換素子の制御電極は、前記複数の薄膜トランジスタのうちから選択された少なくとも1個の薄膜トランジスタの制御電極に接続されていることを特徴とする。
【0006】
第2の発明に係る放射線撮像装置の駆動方法は、放射線源と、基板と、前記基板上に配設され、放射線を電気信号に変換する複数の第1の半導体変換素子と、前記第1の半導体変換素子に接続された複数の薄膜トランジスタとを備えた変換部と、前記変換部内に入射した放射線の照射量を検出するために前記基板上に配設され、放射線を電気信号に変換する電界効果トランジスタ型の第2の半導体変換素子と、を有し、前記第2の半導体変換素子の制御電極は、前記複数の薄膜トランジスタのうちから選択された少なくとも1個の薄膜トランジスタの制御電極に接続されている放射線撮像装置を駆動する方法であって、前記第2の半導体変換素子を用いて前記変換部内に入射した放射線の照射量を検出するために、前記第2の半導体変換素子の制御電極に前記薄膜トランジスタのオフ電圧を印加する工程と、前記放射線源から放射線を前記変換部に向けて照射する工程と、前記照射量がある値に到達した時に、前記放射線源からの放射線の照射を停止させる工程と、前記第1の半導体変換素子に蓄積された電荷を読み出すために、前記薄膜トランジスタの制御電極に動作電圧を印加する工程と、前記第2の半導体変換素子内の残存電荷を除去するために、前記第2の半導体変換素子の半導体層に順方向バイアスを印加する工程と、を有し、前記薄膜トランジスタの制御電極に動作電圧を印加する工程の一部と前記第2の半導体変換素子の半導体層に順方向バイアスを印加する工程とを同時に行うことを特徴とする。
【0007】
第3の発明に係る放射線撮像装置の製造方法は、基板と、前記基板上に配設され、放射線を電気信号に変換する複数の第1の半導体変換素子と、前記第1の半導体変換素子に接続された複数の薄膜トランジスタとを備えた変換部と、前記変換部内に入射した放射線の照射量を検出するために前記基板上に配設され、放射線を電気信号に変換する電界効果トランジスタ型の第2の半導体変換素子と、を有し、前記第2の半導体変換素子の制御電極は、前記複数の薄膜トランジスタのうちから選択された少なくとも1個の薄膜トランジスタの制御電極に接続されている放射線撮像装置の製造方法であって、前記基板上に、同一の層から前記第1の半導体変換素子のセンサ電極、前記薄膜トランジスタの制御電極及び前記第2の半導体変換素子の制御電極を形成する工程と、前記基板の上方に、前記第1の半導体変換素子の共通電極、前記薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極、並びに前記第2の半導体変換素子のソース電極及びドレイン電極用の導電膜を形成する工程と、前記導電膜をパターニングすることにより、前記共通電極を形成する工程と、前記導電膜を更にパターニングすることにより、前記薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極、並びに前記第2の半導体変換素子のソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、を有することを特徴とする。
【0008】
これらの本発明においては、第2の半導体変換素子を介して検出された放射線量に基づいてAEC制御を行うことが可能である。このとき、第2の半導体変換素子が、第1の半導体変換素子と同一の基板上に形成されているので、第2の半導体変換素子による放射線の減衰は生じない。また、一部の薄膜トランジスタと第2の半導体変換素子との間で両者の制御電極が互いに接続されているので、後述のように、第2の半導体変換素子の制御電極用の配線が不要となり、第1及び第2の半導体変換素子の受光面積を大きく確保することが可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る放射線撮像装置、その駆動方法及びその製造方法について、添付の図面を参照して具体的に説明する。
【0010】
(参考例)
先ず、参考例について説明する。この参考例は、本願発明者が本願発明に想到する過程で創作したものである。図1は、参考例に係る放射線撮像装置の回路構成を示す等価回路図である。図2は、参考例に係る放射線撮像装置の全体的な構成を示すレイアウト図である。図1には、画素エリアに4行4列(16個)の画素が設けられている例を示すが、その数はこれに限定されるものではない。
【0011】
本参考例においては、画素毎に、撮像用光電変換素子(第1の光電変換素子)とスイッチング用薄膜トランジスタ(TFT)との組み合わせ、又は撮像用光電変換素子とスイッチング用TFTとAEC制御用のモニタ用光電変換素子(第2の光電変換素子)との組み合わせが設けられている。具体的には、図1中の上から第a行、第b列の画素には、1個の撮像用光電変換素子Mbaと1個のスイッチング用薄膜トランジスタTbaとが設けられている(a、b=1、2、3、4)。更に、第4列で第3行及び第4行の画素には、夫々、1個のモニタ用光電変換素子MA43、MA44が設けられている。また、第4列で第1行及び第2行の画素には、夫々、モニタ用光電変換素子用の引き回し配線が設けられている。
【0012】
また、第b列に配置された4個の撮像用光電変換素子は共通のバイアス線Vsbに接続されており、撮像用信号処理回路部51から一定バイアスが印加されている。第a行に配置された4個のスイッチング用TFTのゲート電極(制御電極)は、共通のゲート線Vgaに接続されており、ゲートドライバ回路部52によりゲートのON/OFFが制御される。更に、第b列に配置された4個のスイッチング用TFTのソース電極又はドレイン電極は、共通の信号線Sigbに接続されている。信号線Sig1〜Sig4は、撮像用信号処理回路部51に接続されている。
【0013】
モニタ用光電変換素子MA43及びMA44はTFT型のセンサであり、その各ソース電極は電源53に接続され、各ドレイン電極はモニタ用信号処理回路部54に接続され、各ゲート電極(制御電極)はゲートドライバ回路部52に接続されている。電源53からソース電極に電圧を印加することによって、ソース・ドレイン間に電位を与えると、電極間の受光部に光が照射されて発生したエレクトロン及びホールがソース・ドレイン間の電位差により各電極に輸送される。この電荷をモニタ用信号処理回路54でリアルタイムに読み取ることで、光照射量を測定することができる。
【0014】
図1に示すような構成の回路を、多数の画素を備えた放射線撮像装置に適用すると、例えば、図2に示すように、変換部(画素エリア)T内に、撮像用光電変換素子及びスイッチング用TFTが設けられた複数の画素が集合した領域R1、撮像用光電変換素子、スイッチング用TFT及びモニタ用光電変換素子が設けられた複数の画素が集合した領域R2、並びに撮像用光電変換素子、スイッチング用TFT及びモニタ用光電変換素子用の引き回し配線が設けられた複数の画素が集合した領域R3が存在することとなる。
【0015】
次に、参考例における3種類の画素の平面構成について説明する。図3は、参考例に係る放射線撮像装置においてモニタ用光電変換素子及びその引き回し配線のいずれもが設けられていない画素の平面構成を示すレイアウト図である。図4は、参考例に係る放射線撮像装置においてモニタ用光電変換素子が設けられた画素の平面構成を示すレイアウト図である。図5は、参考例に係る放射線撮像装置においてモニタ用光電変換素子用の引き回し配線が設けられた画素の平面構成を示すレイアウト図である。また、図6は、図3中のI−I線に沿った断面図であり、図7は、図4中のII−II線に沿った断面図である。なお、図3乃至図5では、半導体層をその下方に存在する制御電極等よりも内側に示しているが、これは、便宜上のものであり、この参考例では、図6及び図7に示すように、半導体層や光電変換層はその下方に存在する制御電極等よりも拡がって形成されており、また、半導体層や光電変換層の下には第1の絶縁膜が存在する。このことは、他のレイアウト図においても同様である。
【0016】
モニタ用光電変換素子及びその引き回し配線のいずれもが設けられていない画素には、図3及び図6に示すように、絶縁基板10上に、撮像用光電変換素子1のセンサ電極11及びスイッチング用TFT3の制御電極(ゲート電極)12並びにこれらを覆う第1の絶縁膜13が形成されている。
【0017】
第1の絶縁膜13上には、センサ電極11と整合するようにして半導体層(光電変換層)14a及びオーミックコンタクト層15aが順次積層されている。更に、オーミックコンタクト層15a上に、共通電極バイアスライン16が形成されている。この共通電極バイアスライン16は、図1中のバイアス線Vs1〜Vs4に相当する。
【0018】
第1の絶縁膜13上には、更に、制御電極12と整合するようにして半導体層14bが形成され、この半導体層14b上の2箇所に、オーミックコンタクト層15bが形成されている。一方のオーミックコンタクト層15bは、センサ電極11の上方まで拡がっている。そして、このセンサ電極11の上方まで拡がったオーミックコンタクト層15b上にドレイン電極17dが形成され、他方のオーミックコンタクト層15b上にソース電極17sが形成されている。前記一方のオーミックコンタクト層15b、半導体層14b及び第1の絶縁膜13には、スルーホール27が形成されており、ドレイン電極17dはセンサ電極11と電気的に接続されている。
【0019】
そして、これらを覆う第2の絶縁膜18が形成されている。また、図示しないが、第2の絶縁膜18上には、X線を可視光線に変換する蛍光体層が形成されている。
【0020】
なお、ソース電極17sは信号線19に接続されており、制御電極12はゲート配線20に接続されている。信号線19は、図1中のSig1〜Sig4に相当し、ゲート配線20は、図1中のゲート線Vg1〜Vg4に相当する。
【0021】
このように構成された画素は、少なくとも領域R1に存在し、領域R2及びR3に存在していてもよい。
【0022】
次に、モニタ用光電変換素子が設けられた画素の構成について説明する。この画素では、図4及び図7に示すように、絶縁基板10上に、撮像用光電変換素子1のセンサ電極11及びスイッチング用TFT3の制御電極(ゲート電極)12の他に、モニタ用光電変換素子2の制御電極21が形成されており、第1の絶縁膜13によりこれらの電極が覆われている。この画素と図3及び図6に示す画素と比較すると、画素の形状及び面積は同一であり、図4及び図7に示す画素では、制御電極21が形成されているために、センサ電極11等が小さくなっている。撮像用光電変換素子1及びスイッチング用TFT3の構成は、撮像用光電変換素子1が小さくなっていることを除いて、図3及び図6に示す画素と同様である。
【0023】
モニタ用光電変換素子2では、第1の絶縁膜13上に、制御電極21と整合するようにして半導体層(光電変換層)14cが形成され、この半導体層14c上の2箇所に、オーミックコンタクト層15cが形成されている。そして、2個のオーミックコンタクト層15c上に、夫々ドレイン電極22d、ソース電極22sが形成されている。ドレイン電極22d、ソース電極22sは、第2の絶縁膜18に覆われている。
【0024】
なお、図4に示すように、制御電極21は、半導体層14cよりも長く延びて形成されており、第1の絶縁膜13の制御電極21の両端部に整合する位置には、スルーホール28が形成されている。そして、このスルーホール28を介してゲート配線20を跨ぎ、ゲート配線20を挟んで隣り合う画素の制御電極21同士を電気的に接続する上部配線23が形成されている。
【0025】
このように構成された画素は、領域R2に存在する。
【0026】
モニタ用光電変換素子用の引き回し配線が設けられた画素には、図5に示すように、ドレイン電極22d用の配線24、制御電極21用の配線25及びソース電極22s用の配線26が形成されている。この画素と図3及び図6に示す画素と比較すると、画素の形状及び面積は同一であり、図5に示す画素では、配線24乃至26が形成されているために、センサ電極11等が小さくなっている。撮像用光電変換素子1及びスイッチング用TFT3の構成は、撮像用光電変換素子1が小さくなっていることを除いて、図3及び図6に示す画素と同様である。
【0027】
このように構成された画素は、領域R3に存在する。
【0028】
また、図6及び図7には示さないが、第2の絶縁膜18の上方には、X線を可視光線に変換する蛍光体層が形成されている。
【0029】
このように構成された参考例によれば、絶縁基板10上にモニタ用光電変換素子2を撮像用光電変換素子1とは別に設けているため、放射線モニタ基板を別に配置する必要がなく、装置全体を小型化及び軽量化することが可能である。
【0030】
しかし、この参考例では、図4に示すように、制御電極21と上部配線23とを接続するために、スルーホール28を設ける必要があり、モニタ用光電変換素子2の受光面積は十分とはいい難い。また、図5に示すように、引き回し配線24乃至26が設けられた画素では、撮像用光電変換素子1の受光面積が、図3に示す画素と比較すると、極端に小さくなっている。従って、この参考例では、両光電変換素子1及び2の開口率が十分であるとはいえない。
【0031】
そこで、本願発明者が更に鋭意検討を重ねた結果、制御電極21を隣接するゲート配線20に接続し、制御電極21用の引き回し配線25を除くことで、モニタ用光電変換素子2の受光面積(開口率)、及び引き回し配線が設けられた画素内の撮像用光電変換素子1の受光面積(開口率)を上げ、特性を向上させることができることを見出した。以下、本発明の実施形態について説明する。
【0032】
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。図8は、本発明の第1の実施形態に係る放射線撮像装置においてモニタ用光電変換素子が設けられた画素の平面構成を示すレイアウト図である。図9は、第1の実施形態に係る放射線撮像装置においてモニタ用光電変換素子用の引き回し配線が設けられた画素の平面構成を示すレイアウト図である。また、図10は、図8中のIII−III線に沿った断面図である。
【0033】
第1の実施形態においては、モニタ用光電変換素子が設けられた画素では、図8及び図10に示すように、制御電極21がゲート配線20に接続されている。このゲート配線20には、同一画素内に設けられたスイッチング用TFT3の制御電極12も接続されている。
【0034】
このように構成された画素は、参考例における領域R2のように、集合して配置されており、例えば、ドレイン電極22d、ソース電極22s、共通電極バイアスライン16及び信号線19がこれらの画素間で共有されている。
【0035】
また、モニタ用光電変換素子用の引き回し配線が設けられた画素には、図9に示すように、ドレイン電極22d用の配線24及びソース電極22s用の配線26が形成されているが、参考例とは異なり、制御電極21用の配線は形成されていない。これは制御電極21がゲート配線20に接続されているためである。ソース電極22s及びドレイン電極22dは、夫々パネル外部まで配線24、26により引き回されている。
【0036】
また、モニタ用光電変換素子及びその引き回し配線のいずれもが設けられていない画素の構成は、図3及び図6に示す画素(参考例の画素)と同様である。
【0037】
図8及び図10に示す画素と図3及び図6に示す画素と比較すると、画素の形状及び面積は同一であり、図8及び図10に示す画素では、モニタ用光電変換素子2が形成されているために、その分だけ撮像用光電変換素子1の受光面積(開口率)が小さくなっている。また、図9に示す画素と図3及び図6に示す画素と比較すると、画素の形状及び面積は同一であり、配線24及び26が形成されているために、その分だけ撮像用光電変換素子1の受光面積(開口率)が小さくなっている。
【0038】
これらの画素は、例えば参考例と同様に、図2に示すようにして配置される。つまり、四角形の二次元に形成された変換部Tの中の4隅と中央付近に、モニタ用光電変換素子及び撮像用光電変換素子が対になって形成された複数の画素が設けられた領域R2が配置されている。本実施形態では、領域R2内の20行×3列の画素に、モニタ用光電変換素子が設けられている。
【0039】
次に、上述のように構成された第1の実施形態に係る放射線撮像装置を駆動する方法について説明する。
【0040】
先ず、前述のように、モニタ用光電変換素子2のソース電極22sに電源53から電圧を印加し、ソース・ドレイン間に電位を与えておく。また、制御電極21には、ゲート配線20からTFT3のオフ電圧である半導体層の空乏化電圧を印加することにより、ダークカレントの防止とエレクトロン及びホールの収集効率を高めておく。
【0041】
このような状態で、蛍光体層(図示せず)にX線が照射され、蛍光体層から可視光線が光電変換部に照射されると、モニタ用光電変換素子2により吸収された可視光線が電荷に変換され、ドレイン電極22dを通じてモニタ用信号処理回路54へ輸送される。このため、この電荷量をX線照射量としてリアルタイムで測定することができる。
【0042】
その後、モニタ用信号処理回路54で測定されたX線照射量が設定値に到達すると、X線発生器に信号を送り、X線の照射を停止させる。また、その直後に、TFT3のゲート配線20に順次TFT3の動作電圧を印加することにより、撮像用光電変換素子1の容量に蓄積された電荷を信号線19から読み取る。
【0043】
また、この時、動作電圧を印加したゲート配線20に接続された制御電極21から、モニタ用光電変換素子3の半導体層14cに順方向電圧(TFT3の動作電圧)が印加されるため、モニタ用光電変換素子2内の絶縁膜13と半導体層14cとの界面にX線照射量に対応して蓄積された電荷を除去することができる。
【0044】
このような第1の実施形態によれば、参考例と比較すると、モニタ用光電変換素子2に、上部配線用のスルーホールが設けられていないため、その受光面積(開口率)が大きくなっている。また、引き回し配線が設けられた画素について、参考例では、3本の引き回し配線24乃至26が設けられているが、第1の実施形態では、制御電極用の引き回し配線25が設けられておらず、2本の引き回し配線24及び26が設けられているのみである。従って、第1の実施形態によれば、この画素での撮像用光電変換素子1の受光面積(開口率)が大きくなっている。更に、第1の実施形態では、制御電極21の電位を駆動するための回路が不要であるため、回路が簡素化される。
【0045】
なお、ある画素に、撮像用光電変換画素1が設けられておらず、モニタ用光電変換素子2及びそれに隣接する画素内のモニタ用光電変換素子2用の引き回し配線のみが設けられていてもよい。
【0046】
また、例えば領域R2内の20行×1列の画素又は1行×3列の画素のように、領域R2内の1ライン内の画素のみに、モニタ用光電変換素子が設けられていてもよい。
【0047】
次に、第1の実施形態に係る放射線撮像装置を製造する方法について説明する。図11(a)乃至(d)及び図12(a)乃至(c)は、本発明の第1の実施形態に係る放射線撮像装置を製造する方法を工程順に示す断面図である。
【0048】
先ず、図11(a)に示すように、絶縁基板10上に、第1の金属層としてAlNd膜31を、例えばスパッタリングにより500〜4000Å成膜する。第1の金属層として、Mo膜又はTa膜を形成してもよく、また、複数の膜を順次成膜した積層膜を形成してもよい。次に、フォトリソグラフィ法により、レジスト膜32をマスクとして、AlNd膜31をパターニングすることにより、センサ電極11、制御電極12及び21並びにゲート配線20を形成する。AlNd膜31のエッチングは、例えば硝酸、リン酸及び酢酸を含有するエッチング液を使用したウェットプロセスにより行う。パターニング後、レジスト膜32を除去する。
【0049】
次いで、図11(b)に示すように、第1の絶縁膜13を1500〜4000Å、半導体層33を2000〜15000Å、CVD法により連続して成膜する。半導体層33が、撮像用光電変換素子1の半導体層(光電変換層)14a、TFT3の半導体層14b、モニタ用光電変換素子2の半導体層(光電変換層)14cになる。第1の絶縁膜13としては、例えばSiN膜を用いる。
【0050】
その後、フォトリソグラフィ法により、TFT3の制御電極12上が開口されたレジスト膜34をマスクとして、半導体層33を500〜5000Åだけエッチングする。この工程は、撮像用光電変換素子1及びモニタ用光電変換素子2で光吸収率を高めるために半導体層33を2000〜15000Åと厚く積層しているため、このままでは、TFT3のソース・ドレイン間の直列抵抗が高くなるので、半導体層33を薄膜化することでTFT3のオン抵抗を低減することを目的としている。この際、エッチングは、例えばドライエッチングにより行う。また、ドライエッチングとしては、半導体層33のダメージを少なく、高い加工精度を得るために、プラズマエッチングが好ましいが、同様に半導体層33のダメージが少ないケミカルドライエッチングでも良いし、低パワー(例えば0.1〜0.2W/cm2程度)、高圧力(例えば10〜30Pa程度)で行う反応性エッチングでも良い。パターニング後、レジスト膜34を除去する。
【0051】
次に、図11(c)に示すように、オーミックコンタクト層35を100〜1000Å、CVD法により成膜する。半導体層33とオーミックコンタクト層35との界面に酸化シリコンが介在している場合は、前処理としてフッ化水素酸(例えば0.1〜10質量%程度)で処理をしてもよく、有機膜が介在している場合は、酸素プラズマを照射し除去してもよい。また、オーミックコンタクト層35の成膜直前に、CVD装置内で水素プラズマによる最終処理をしても良い。
【0052】
次いで、フォトリソグラフィ法により、レジスト膜36をマスクとして、スルーホール27を形成する。スルーホール27はTFT3のドレイン電極17dと撮像用光電変換素子1のセンサ電極11とを電気的に接続しており、可視光線を受光部で吸収した際に発生した電荷は、受光部と容量結合しているセンサ電極11からドレイン電極17dを通じて読み取られる。
【0053】
なお、後から成膜する金属膜のカバレッジを良くするため、エッチングとして、ケミカルドライエッチングを行い、ホール部の断面をテーパーエッチングすることが好ましい。金属膜のカバレッジを考慮する必要がない良い場合は、反応性イオンエッチングで加工精度を上げても良いし、プラズマエッチングで形成しても良い。パターニング後、レジスト膜36を除去する。
【0054】
次に、図11(d)に示すように、第2の金属層としてAl膜37を、例えばスパッタリングにより1000〜4000Å成膜する。第2の金属層として、Mo膜又はTa膜を形成してもよく、また、複数の膜を順次成膜した積層膜を形成してもよい。また、スルーホール27の表面に酸化膜が形成されて、スルーホール27との接続が悪い場合には、Al膜37の成膜前に、逆スパッタリングにより酸化膜を除去するプロセスを入れると良い。
【0055】
次いで、フォトリソグラフィ法により、レジスト膜38をマスクとして、Al膜37をパターニングすることにより、共通電極バイアスライン16を形成する。Al膜37のエッチングは、例えば硝酸、リン酸及び酢酸を含有するエッチング液を使用したウェットプロセスにより行う。従って、Al膜37はレジスト膜38よりも若干内側に後退する。このパターニングの際に、ソース電極17s及び22s、ドレイン電極17d及び22d並びに信号線19が形成される予定の領域のAl膜37は、本工程でエッチングされないようにレジスト膜38でマスクしておく。パターニング後、レジスト膜38を除去する。
【0056】
その後、図12(a)に示すように、フォトリソグラフィ法により、新たなレジスト膜39をマスクとして、Al膜37をパターニングすることにより、ソース電極17s及び22s、ドレイン電極17d及び22d並びに信号線19を形成する。Al膜37のエッチングは、例えば硝酸、リン酸及び酢酸を含有するエッチング液を使用したウェットプロセスにより行う。従って、Al膜37はレジスト膜38よりも若干内側に後退する。
【0057】
この際に、既に形成されている共通電極バイアスライン16は、本工程でエッチングされないようにレジスト膜39でマスクしておく。また、次工程で行うドライエッチングの際に、撮像用光電変換素子1の開口領域内のオーミックコンタクト層35が除去されないよう、共通電極バイアスライン16だけでなく、撮像用光電変換素子1の開口領域全体をレジスト膜39によりマスクしておく。
【0058】
次に、図12(a)に示すように、レジスト膜39をマスクとして、ドライエッチングを行うことにより、TFT3のギャップ部、即ち、ソース−ドレイン間のオーミックコンタクト層35を除去することにより、オーミックコンタクト層15a乃至15cを形成する。
【0059】
次いで、図12(b)に示すように、フォトリソグラフィ法により、レジスト膜40をマスクとして、半導体層33やオーミックコンタクト層35の不要な部分を除去することにより、撮像用光電変換素子1の開口領域を区画し、半導体層14a乃至14cを形成する。パターニング後、レジスト膜40を除去する。
【0060】
なお、第1の絶縁膜13の不要な部分は、本実施形態では除去しないが、除去してもよい。第1の絶縁膜13を除去せずに残存させる場合には、加工精度を確保するために、半導体層33やオーミックコンタクト層35の不要な部分を除去するためのエッチングは、半導体層33と第1の絶縁膜13を構成するSiN膜との選択比を確保しやすいプラズマエッチングで行うことが好ましい。
【0061】
その後、図12(c)に示すように、第2の絶縁膜18を保護膜として2000〜10000Å、CVD法により成膜する。第2の絶縁膜18としては、例えばSiN膜を形成することができる。このようにして、撮像用光電変換素子1、モニタ用光電変換素子2及びTFT3を形成することができる。
【0062】
そして、蛍光体層(図示せず)を形成し、電気接続を確保するために、周辺部の保護膜を、フォトリソグラフィ法を用いてパターニング及びドライエッチングを行って除去することにより、放射線撮像装置を完成させることができる。
【0063】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。参考例及び第1の実施形態では、モニタ用光電変換素子2が変換部Tの内部に設けられているのに対し、第2の実施形態では、モニタ用光電変換素子2が変換部Tの近傍に設けられている。図13は、本発明の第2の実施形態に係る放射線撮像装置に設けられたTFTマトリックスパネルの擬似等価回路図である。
【0064】
この放射線撮像装置には、例えば12行×9列の撮像用光電変換素子1を備えた光電変換部、及び3つのモニタ用光電変換素子2が設けられている。各撮像用光電変換素子1は、スイッチング用TFT3と対になって1個の画素を構成している。撮像用光電変換素子1、モニタ用光電変換素子2及びスイッチング用TFT3の断面構成は、夫々第1の実施形態におけるものと同様である。
【0065】
撮像用光電変換素子1の制御電極12はゲート配線g1〜g12を通じてゲートドライバ回路部52に接続され、ソース電極17sは信号線s1〜s9を通じて撮像用信号処理回路部51に接続されている。
【0066】
モニタ用光電変換素子2は、例えばTFT型のセンサであり、そのソース電極17sは電源に接続され、ドレイン電極17dは一つの配線にまとめられてモニタ用信号処理回路部54に共通接続されている。3つのモニタ用光電変換素子2は、夫々基板の左端、中央部、右端に配置されている。モニタ用光電変換素子2の各制御電極21は、撮像用光電変換画素1の第12行目のゲート配線g12と接続されている。
【0067】
このように構成された第2の実施形態においては、ソース電極17sに電源53から電圧を印加することによって、ソース・ドレイン間に電位を与えると、電極間の受光部に光が照射されて発生したエレクトロン及びホールをソース・ドレイン間の電位差により各電極に輸送される。この電荷をモニタ用信号処理回路54でリアルタイムに読み取ることで、光照射量をモニタすることができる。このモニタ時は、第12行目のゲート配線g12に、TFT3のオフ電圧である半導体層の空乏化電圧を印加し、ダークカレントの防止とエレクトロン及びホールの収集効率を高める。また、モニタ用光電変換素子2内の絶縁膜13と半導体層14cとの界面に蓄積されたホールは、第12行目の画素から電荷を読み出す時にゲート配線g12に印加するTFTの動作電圧を利用して除去することができる。
【0068】
図14は、第2の実施形態においてゲートドライバ回路部52から各ゲート配線に与えられる電圧及びそのタイミングを示すタイミングチャートである。
【0069】
先ず、時間Txon〜Txoffで放射線をパネルに照射する。この放射線が、基板上に配置された蛍光体層により可視光線に変換され、各光電変換素子1及び2に照射される。光電変換部に照射された可視光線は二次元的に配置された撮像用光電変換素子1で吸収され、電荷として各素子の容量に蓄積される。また、モニタ用光電変換素子2で吸収された可視光線は、同じく電荷に変換され、ドレイン電極17dを通じてモニタ用信号処理回路54へ輸送される。これにより、X線照射量をリアルタイムでモニタすることができる。
【0070】
そして、モニタ用信号処理回路54で測定されたX線照射量が設定値に到達すると、X線発生器に信号を送り、X線の照射を停止させる。また、その直後に、ゲート配線g1〜g12に順次TFT3の動作電圧を印加することにより、撮像用光電変換素子1の容量に蓄積された電荷を信号線s1〜s9から読み取る。
【0071】
また、ゲート配線g12にTFT3の動作電圧を印加すると(時間Tron〜Troff)、ゲート配線g12に接続された3つの制御電極21から、モニタ用光電変換素子2の各半導体層14cに順方向電圧(TFT3の動作電圧)が印加されるため、モニタ用光電変換素子2内の絶縁膜13と半導体層14cとの界面にX線照射量に対応した蓄積された電荷が除去される(リフレッシュ動作)。
【0072】
このような第2の実施形態によれば、光電変換部内にモニタ用光電変換素子2自体及びその引き回し配線を設ける必要がないため、全ての画素において撮像用光電変換素子1の受光面積(開口率)を第1の実施形態よりも向上させることができる。また、モニタ用光電変換素子2の大きさは、画素の大きさに拘わらず、パネルの大きさに応じて設定することができるので、モニタ用光電変換素子2の受光面積(開口率)を第1の実施形態よりも向上させることが可能である。
【0073】
次に、第2の実施形態に係る放射線撮像装置を製造する方法について説明する。図15乃至図20は、本発明の第2の実施形態に係る放射線撮像装置を製造する方法を工程順に示す断面図である。ここで、図15(a)乃至図20(a)は、モニタ用光電変換素子2に相当する部分を示し、図15(b)乃至図20(b)は、撮像用光電変換素子1に相当する部分を示す。
【0074】
先ず、図15(a)及び(b)に示すように、絶縁基板10上に、第1の金属層としてAlNd膜31を、例えばスパッタリングにより500〜4000Å成膜する。第1の金属層として、Mo膜又はTa膜を形成してもよく、また、複数の膜を順次成膜した積層膜を形成してもよい。次に、フォトリソグラフィ法により、レジスト膜32をマスクとして、AlNd膜31をパターニングすることにより、センサ電極11、制御電極12及び21並びにゲート配線20を形成する。AlNd膜31のエッチングは、例えば硝酸、リン酸及び酢酸を含有するエッチング液を使用したウェットプロセスにより行う。パターニング後、レジスト膜32を除去する。
【0075】
次いで、図16(a)及び(b)に示すように、第1の絶縁膜13を1500〜4000Å、半導体層33を2000〜15000Å、オーミックコンタクト層35を100〜1000Å、CVD法により連続して成膜する。半導体層33が、撮像用光電変換素子1の半導体層(光電変換層)14a、TFT3の半導体層14b、モニタ用光電変換素子2の半導体層(光電変換層)14cになる。第1の絶縁膜13としては、例えばSiN膜を用いる。
【0076】
次いで、図16(a)及び(b)に示すように、フォトリソグラフィ法により、レジスト膜36をマスクとして、スルーホール27を形成する。スルーホール27はTFT3のドレイン電極17dと撮像用光電変換素子1のセンサ電極11とを電気的に接続しており、可視光線を受光部で吸収した際に発生した電荷は、受光部と容量結合しているセンサ電極11からドレイン電極17dを通じて読み取られる。
【0077】
なお、後から成膜する金属膜のカバレッジを良くするため、エッチングとして、ケミカルドライエッチングを行い、ホール部の断面をテーパーエッチングすることが好ましい。金属膜のカバレッジを考慮する必要がない良い場合は、反応性イオンエッチングで加工精度を上げても良いし、プラズマエッチングで形成しても良い。パターニング後、レジスト膜36を除去する。
【0078】
次に、図17(a)及び(b)に示すように、第2の金属層としてAl膜37を、例えばスパッタリングにより1000〜4000Å成膜する。第2の金属層として、Mo膜又はTa膜を形成してもよく、また、複数の膜を順次成膜した積層膜を形成してもよい。また、スルーホール27の表面に酸化膜が形成されて、スルーホール27との接続が悪い場合には、Al膜37の成膜前に、逆スパッタリングにより酸化膜を除去するプロセスを入れると良い。
【0079】
次いで、図17(a)及び(b)に示すように、フォトリソグラフィ法により、レジスト膜38をマスクとして、Al膜37をパターニングすることにより、共通電極バイアスライン16を形成する。Al膜37のエッチングは、例えば硝酸、リン酸及び酢酸を含有するエッチング液を使用したウェットプロセスにより行う。従って、Al膜37はレジスト膜38よりも若干内側に後退する。このパターニングの際に、ソース電極17s及び22s、ドレイン電極17d及び22d並びに信号線19が形成される予定の領域のAl膜37は、本工程でエッチングされないようにレジスト膜38でマスクしておく。パターニング後、レジスト膜38を除去する。
【0080】
その後、図19(a)及び(b)に示すように、フォトリソグラフィ法により、新たなレジスト膜39をマスクとして、Al膜37をパターニングすることにより、ソース電極17s及び22s、ドレイン電極17d及び22d並びに信号線19を形成する。Al膜37のエッチングは、例えば硝酸、リン酸及び酢酸を含有するエッチング液を使用したウェットプロセスにより行う。従って、Al膜37はレジスト膜38よりも若干内側に後退する。
【0081】
この際に、既に形成されている共通電極バイアスライン16は、本工程でエッチングされないようにレジスト膜39でマスクしておく。また、次工程で行うドライエッチングの際に、撮像用光電変換素子1の開口領域内のオーミックコンタクト層35が除去されないよう、共通電極バイアスライン16だけでなく、撮像用光電変換素子1の開口領域全体をレジスト膜39によりマスクしておく。
【0082】
次に、図18(a)及び(b)に示すように、レジスト膜39をマスクとして、ドライエッチングを行うことにより、TFT3のギャップ部、即ち、ソース−ドレイン間のオーミックコンタクト層35を除去する。
【0083】
次いで、図19(a)及び(b)に示すように、フォトリソグラフィ法により、レジスト膜40をマスクとして、半導体層33やオーミックコンタクト層35の不要な部分を除去することにより、撮像用光電変換素子1の開口領域を区画する。パターニング後、レジスト膜40を除去する。
【0084】
なお、第1の絶縁膜13の不要な部分は、本実施形態では除去しないが、除去してもよい。第1の絶縁膜13を除去せずに残存させる場合には、加工精度を確保するために、半導体層33やオーミックコンタクト層35の不要な部分を除去するためのエッチングは、半導体層33と第1の絶縁膜13を構成するSiN膜との選択比を確保しやすいプラズマエッチングで行うことが好ましい。
【0085】
その後、図20(a)及び(b)に示すように、第2の絶縁膜18を保護膜として2000〜10000Å、CVD法により成膜する。第2の絶縁膜18としては、例えばSiN膜を形成することができる。このようにして、撮像用光電変換素子1、モニタ用光電変換素子2及びTFT3を形成することができる。図21は、第2の実施形態におけるモニタ用光電変換素子2の平面構成を示す断面図である。図15乃至図20は、図21中のIV−IV線に沿った断面を示している。
【0086】
そして、蛍光体層(図示せず)を形成し、電気接続を確保するために、周辺部の保護膜を、フォトリソグラフィ法を用いてパターニング及びドライエッチングを行って除去することにより、放射線撮像装置を完成させることができる。
【0087】
なお、第2の実施形態では、モニタ用光電変換素子2のゲート電極がゲート配線g12に接続されているが、ゲートドライバ回路部52にゲート配線g1〜g12とは独立して接続されたゲート配線に接続されていてもよい。この場合、このゲート配線には、ゲート配線g1〜g12に動作電圧を順次印加した後、又はゲート配線g12に動作電圧を印加すると同時に、モニタ用光電変換素子2の各半導体層14cに順方向電圧を印加することにより、リフレッシュ動作として、蓄積された電荷を除去すればよい。
【0088】
この場合、モニタ用光電変換素子2のゲート電極を駆動するための回路部を、TFTのゲートドライバ回路部52と共通化することができる。
【0089】
ここで、上述の第1又は第2の実施形態に係る放射線撮像装置を製造する方法の説明では、オーミックコンタクト層を形成した後に第2の金属膜を形成しているが、第2の金属膜を形成する前に、ITO(Indium-Tin-Oxide)等からなる透明電極膜をオーミックコンタクト層上に形成してもよい。このような透明電極膜を形成することにより、オーミックコンタクト層の膜厚を薄くしても問題が生ずることはなくなるため、オーミックコンタクト層の膜厚を薄膜化することが可能となり、これによって入射光量自体を増大させることができる。また、モニタ用光電変換素子2においても、ソース電極22s及びドレイン電極22dに透明電極膜を使用すれば、入射光量を増大させることができるため、その感度が向上する。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、第2の半導体変換素子が、第1の半導体変換素子と同一の基板上に形成されているので、装置全体を小型化及び軽量化することができる。また、第2の半導体変換素子を介して検出された放射線量に基づいてAEC制御を行うことができ、このとき、第2の半導体変換素子による放射線の減衰が生じないため、良好な画質の撮像画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例に係る放射線撮像装置の回路構成を示す等価回路図である。
【図2】参考例に係る放射線撮像装置の全体的な構成を示すレイアウト図である。
【図3】参考例に係る放射線撮像装置においてモニタ用光電変換素子及びその引き回し配線のいずれもが設けられていない画素の平面構成を示すレイアウト図である。
【図4】参考例に係る放射線撮像装置においてモニタ用光電変換素子が設けられた画素の平面構成を示すレイアウト図である。
【図5】参考例に係る放射線撮像装置においてモニタ用光電変換素子用の引き回し配線が設けられた画素の平面構成を示すレイアウト図である。
【図6】図3中のI−I線に沿った断面図である。
【図7】図4中のII−II線に沿った断面図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る放射線撮像装置においてモニタ用光電変換素子が設けられた画素の平面構成を示すレイアウト図である。
【図9】第1の実施形態に係る放射線撮像装置においてモニタ用光電変換素子用の引き回し配線が設けられた画素の平面構成を示すレイアウト図である。
【図10】図8中のIII−III線に沿った断面図である。
【図11】本発明の第1の実施形態に係る放射線撮像装置を製造する方法を工程順に示す断面図である。
【図12】同じく、本発明の第1の実施形態に係る放射線撮像装置を製造する方法を工程順に示す断面図であり、図11に示す工程の次工程を示す断面図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る放射線撮像装置に設けられたTFTマトリックスパネルの擬似等価回路図である。
【図14】第2の実施形態においてゲートドライバ回路部52から各ゲート配線に与えられる電圧及びそのタイミングを示すタイミングチャートである。
【図15】本発明の第2の実施形態に係る放射線撮像装置を製造する方法を示す断面図である。
【図16】同じく、本発明の第2の実施形態に係る放射線撮像装置を製造する方法を示す断面図であり、図15に示す工程の次工程を示す断面図である。
【図17】同じく、本発明の第2の実施形態に係る放射線撮像装置を製造する方法を示す断面図であり、図16に示す工程の次工程を示す断面図である。
【図18】同じく、本発明の第2の実施形態に係る放射線撮像装置を製造する方法を示す断面図であり、図17に示す工程の次工程を示す断面図である。
【図19】同じく、本発明の第2の実施形態に係る放射線撮像装置を製造する方法を示す断面図であり、図18に示す工程の次工程を示す断面図である。
【図20】同じく、本発明の第2の実施形態に係る放射線撮像装置を製造する方法を示す断面図であり、図19に示す工程の次工程を示す断面図である。
【図21】第2の実施形態におけるモニタ用光電変換素子2の平面構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1;撮像用光電変換素子(第1の半導体変換素子)
2;モニタ用光電変換素子(第2の半導体変換素子)
3;TFT
51;撮像用信号処理回路部
52;ゲートドライバ回路部
53;電源
54;モニタ用信号処理回路部
R1〜R3;領域
T;変換部
M11〜M14、M21〜M24、M31〜M34、M41〜M44;MIS型光電変換素子
P11〜P14、P21〜P24、P31〜P34、P41〜P44;PIN型光電変換素子
MA41〜MA44;TFT型センサ
T11〜T14、T21〜T24、T31〜T34、T41〜T44;スイッチング用TFT
Vs1〜Vs4;バイアス線
Sig1〜Sig4;信号線
Vg1〜Vg4;ゲート線
Claims (8)
- 基板と、
前記基板上に配設され、放射線を電気信号に変換する複数の第1の半導体変換素子と、前記第1の半導体変換素子に接続された複数の薄膜トランジスタとを備えた変換部と、
前記変換部内に入射した放射線の照射量を検出するために前記基板上に配設され、放射線を電気信号に変換する電界効果トランジスタ型の第2の半導体変換素子と、を有し、
前記第2の半導体変換素子の制御電極は、前記複数の薄膜トランジスタのうちから選択された少なくとも1個の薄膜トランジスタの制御電極に接続されていることを特徴とする放射線撮像装置。 - 前記第1の半導体変換素子及び前記薄膜トランジスタは、前記基板上にマトリクス状に配設され、
前記薄膜トランジスタの制御電極は、互いに並行に配設された複数本のゲート配線のいずれか1本に接続されており、
前記第2の半導体変換素子の制御電極は、前記複数本のゲート配線が延びる方向において当該第2の半導体変換素子が隣接する薄膜トランジスタの制御電極が接続されたゲート配線に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。 - 前記第1の半導体変換素子及び前記第2の半導体変換素子を含む第1の画素と、前記第1の半導体変換素子を含み、前記第2の半導体変換素子を含まない第2の画素と、が存在し、
前記第1の画素と前記第2の画素とでは、面積が実質的に等しく、
前記第1の画素内の前記第1の半導体変換素子の受光面積は、前記第2の画素内の前記第1の半導体変換素子の受光面積よりも小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線撮像装置。 - 前記第2の半導体変換素子は、前記変換部内に複数設けられており、
前記複数本のゲート配線が延びる方向に並ぶ前記第1及び第2の画素の配列を行、それに直交する方向に並ぶ前記第1及び第2の画素の配列を列と定義したとき、前記複数の第2の半導体変換素子の少なくとも一部は、同一の行又は列を構成する複数の第2の画素内に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の放射線撮像装置。 - 前記第1の半導体変換素子の構造は、センサ電極を備えたMIS型の構造となっており、
前記センサ電極、前記薄膜トランジスタの制御電極及び前記第2の半導体変換素子の制御電極は、同一の層に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。 - 前記第2の半導体変換素子は、前記変換部の周囲に配設されていることを特徴とする請求項1又は5に記載の放射線撮像装置。
- 放射線源と、
基板と、
前記基板上に配設され、放射線を電気信号に変換する複数の第1の半導体変換素子と、前記第1の半導体変換素子に接続された複数の薄膜トランジスタとを備えた変換部と、
前記変換部内に入射した放射線の照射量を検出するために前記基板上に配設され、放射線を電気信号に変換する電界効果トランジスタ型の第2の半導体変換素子と、を有し、
前記第2の半導体変換素子の制御電極は、前記複数の薄膜トランジスタのうちから選択された少なくとも1個の薄膜トランジスタの制御電極に接続されている放射線撮像装置を駆動する方法であって、
前記第2の半導体変換素子を用いて前記変換部内に入射した放射線の照射量を検出するために、前記第2の半導体変換素子の制御電極に前記薄膜トランジスタのオフ電圧を印加する工程と、
前記放射線源から放射線を前記変換部に向けて照射する工程と、
前記照射量がある値に到達した時に、前記放射線源からの放射線の照射を停止させる工程と、
前記第1の半導体変換素子に蓄積された電荷を読み出すために、前記薄膜トランジスタの制御電極に動作電圧を印加する工程と、
前記第2の半導体変換素子内の残存電荷を除去するために、前記第2の半導体変換素子の半導体層に順方向バイアスを印加する工程と、
を有し、
前記薄膜トランジスタの制御電極に動作電圧を印加する工程の一部と前記第2の半導体変換素子の半導体層に順方向バイアスを印加する工程とを同時に行うことを特徴とする放射線撮像装置の駆動方法。 - 基板と、
前記基板上に配設され、放射線を電気信号に変換する複数の第1の半導体変換素子と、前記第1の半導体変換素子に接続された複数の薄膜トランジスタとを備えた変換部と、
前記変換部内に入射した放射線の照射量を検出するために前記基板上に配設され、放射線を電気信号に変換する電界効果トランジスタ型の第2の半導体変換素子と、を有し、
前記第2の半導体変換素子の制御電極は、前記複数の薄膜トランジスタのうちから選択された少なくとも1個の薄膜トランジスタの制御電極に接続されている放射線撮像装置の製造方法であって、
前記基板上に、同一の層から前記第1の半導体変換素子のセンサ電極、前記薄膜トランジスタの制御電極及び前記第2の半導体変換素子の制御電極を形成する工程と、
前記基板の上方に、前記第1の半導体変換素子の共通電極、前記薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極、並びに前記第2の半導体変換素子のソース電極及びドレイン電極用の導電膜を形成する工程と、
前記導電膜をパターニングすることにより、前記共通電極を形成する工程と、
前記導電膜を更にパターニングすることにより、前記薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極、並びに前記第2の半導体変換素子のソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、
を有することを特徴とする放射線撮像装置の製造方法。
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