JP4458458B2 - オーバーキャップ付き缶容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、飲料缶詰等に使用されるような開口容易缶蓋(イージーオープンエンド)を備えた缶容器に関し、特に、ストローの差し込み動作によって開口される開口容易缶蓋を備えた缶容器であって、缶容器の上端の開口容易缶蓋の付近をカバーするようにプラスチック製のオーバーキャップが冠着されている缶容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
飲料缶詰の缶容器において、タブを引き起こすだけで飲み口や注ぎ口となる開口部が開口されるような開口容易缶蓋(イージーオープンエンド)を備えた缶容器に対して、その上端の開口容易缶蓋の付近をカバーするようにプラスチック製のオーバーキャップを冠着することにより、流通段階で缶蓋に埃や汚れが付着するのを防止すると共に、開缶後に缶内に残った飲料がこぼれて周囲に散乱するのを防止するということが既に提案されて従来公知となっている(特許文献1,2等参照)。
【0003】
また、飲料缶詰の缶容器において、缶蓋の中央で上方に突出した口部の内側に弱化部で囲まれた開口予定部(開口片となる部分)が形成されている開口容易缶蓋を備えた缶容器に対して、開缶後に缶蓋の口部の内側の注出口(開口予定部を開口片として押し下げることで開口した部分)を密封状態に再封鎖できるように、プラスチック製のオーバーキャップ(再封鎖用のリシールキャップ)を予め缶蓋の口部に冠着して組み付けておくと共に、このオーバーキャップ(再封鎖用のリシールキャップ)を、缶蓋を上から押圧して弱化部を破断しつつ開口片を押し下げるときの開封具として機能するような構造のものとすることで、指を直接缶蓋に触れることなく、オーバーキャップを押し下げるだけで缶蓋を開口できるようにするということが既に提案されて従来公知となっている(特許文献3,4等参照)。
【0004】
【特許文献1】
実開平7−19148号公報
【特許文献2】
特開2003−95295号公報
【特許文献3】
特開平10−264931号公報
【特許文献4】
特開2000−296866号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような従来公知のオーバーキャップ付き缶容器について、上記の特許文献1に記載されたものでは、オーバーキャップが射出成形等により成形されて壁厚が比較的厚くなっており、また、上記の特許文献2に記載されたものでは、材料コストを削減するために、オーバーキャップがプラスチックシートから真空成形等により成形されて壁厚が比較的薄くなっているが、何れにしても、それらの缶容器では、タブを引き起こすことで開口片を押し下げるような開口容易缶蓋が使用されていることから、開缶する際には、先ず、オーバーキャップを缶容器から取り外してから、更に、指でタブを引き起こすという動作を行なわなければならない。
【0006】
一方、上記の特許文献3,4等に記載されたようなオーバーキャップ(再封鎖用のリシールキャップ)については、何れも、オーバーキャップを缶容器から取り外すことなくオーバーキャップを押し下げるだけで缶蓋を容易に開口できるものの、射出成形等により成形された壁厚が比較的厚いものであって、材料コストを削減するために壁厚をあまり薄くすることはできず、また、開缶した後で中身の飲料を飲むときには、オーバーキャップを缶容器から取り外さなければならず、しかも、オーバーキャップが缶蓋の巻締部と全周的に係合していることから、オーバーキャップを缶容器から取り外し難く、オーバーキャップを取り外すときの反動で缶容器が傾いて開口部から缶内の飲料がこぼれ出て周りを汚すような虞がある。
【0007】
本発明は、上記のような問題の解消を課題とするもので、具体的には、開口容易缶蓋の付近をカバーするためにプラスチック製のオーバーキャップが冠着されている缶容器について、オーバーキャップを取り外すことなく冠着したままの状態で、缶蓋を開口することができ、且つ、缶内の飲料を飲むことができるようにすることを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような課題を解決するために、缶容器の上端の開口容易缶蓋の付近をカバーするようにプラスチック製のオーバーキャップが冠着されている缶容器において、缶蓋の中央で上方に突出した口部の内側に、ストローの差し込み動作により開口が可能な開口予定部を形成、この缶蓋の口部の開口予定部に対応するオーバーキャップの所定位置に、ストローの差し込み動作により開口が可能な開口予定部を形成すると共に、缶容器の缶胴の上部で縮径加工されたネック部の上端に開口容易缶蓋が二重巻締めにより固着されているのに対して、オーバーキャップの天板部の外縁部から下方に延びるスカート部を、ネック部の下端付近の外径と略同じ内径の略円筒状に形成し、このスカート部の円周方向で所定の間隔を置いた複数の箇所に、内方に突出する係止部を形成して、オーバーキャップを缶容器に冠着した状態で、スカート部に形成された複数の係止部を、缶蓋の巻締部を乗り越えて該巻締部と係合させ、スカート部の下端をネック部の下端付近にまで到達させて、係止部の部分では、缶蓋の巻締部に接触させるが、それ以外の部分では、缶蓋の巻締部とオーバーキャップとの間に空間部を形成させることを特徴とするものである。
【0009】
上記のような構成によれば、オーバーキャップを缶容器に冠着したままの状態で、オーバーキャップの上からストローの差し込み動作を行なうことにより、オーバーキャップと缶蓋とを共差しするようにストローを差し込むことができて、オーバーキャップを取り外すことなく缶蓋を開口することができ、そのままの状態でストローを使って缶内の飲料を飲むことができる。そして、缶蓋の開口部から缶内の飲料がこぼれ出たとしても、それが周囲に拡散するのをオーバーキャップによって防止できる。
さらに、オーバーキャップを取り外すときには、スカート部を手で掴んでオーバーキャップを容易に撓ませることができ、それにより、オーバーキャップの係止部と缶蓋の巻締部との係合を容易に解除することができて、缶容器からオーバーキャップを容易に取り外すことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のオーバーキャップ付き缶容器の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明の一実施形態について、図1は、(A)側方から見たオーバーキャップの形状と、(B)オーバーキャップが冠着された缶容器の上部の左片分を断面として側方から見た状態とをそれぞれ示し、図2は、上方から見たオーバーキャップの形状を示し、図3は、(A)図2のA−A線に沿ったオーバーキャップの断面形状と、(B)図2のB−B線に沿ったオーバーキャップの切断端面とをそれぞれ示し、図4は、オーバーキャップが冠着された状態のままでストローにより開缶された缶容器の上部を左片分を断面として側方から見た状態を示し、図5は、(A)オーバーキャップが缶蓋の巻締部に係合している部分と、(B)オーバーキャップが缶蓋の巻締部に係合していない部分とでの缶容器に対するオーバーキャップの冠着状態をそれぞれ示すものである。
【0011】
また、本発明の他の実施形態について、図6は、(A)側方から見たオーバーキャップの形状と、(B)オーバーキャップが冠着された缶容器の上部の左片分を断面として側方から見た状態とをそれぞれ示し、図7は、(A)下方から見たオーバーキャップの形状と、(B)同図(A)のB−B線に沿ったオーバーキャップの断面形状とをそれぞれ示し、図8は、オーバーキャップが冠着された状態のままで開缶された缶容器の上部を左片分を断面として側方から見た状態を示すものである。
【0012】
本発明の一実施形態に係るオーバーキャップ付き缶容器は、図1(B)に示すように、金属製の缶容器1の上端の缶蓋(開口容易缶蓋)13の付近をカバーするようにプラスチック製のオーバーキャップ2を着脱自在に冠着したものであって、金属製の缶容器1については、底板と缶胴が一体的に成形された2ピース缶であっても、或いは、円筒状の缶胴の下端に底蓋が巻締め固着される3ピース缶であっても良いが、何れにしても、缶胴11の上部で縮径加工されたネック部12の上端には、開口容易缶蓋(イージーオープンエンド)13が二重巻締めにより固着されており、この開口容易缶蓋13には、その中央部分が上方に突出するように口部17が形成されていて、この口部17の内側に、注出口として開口される部分である開口予定部19が形成されている。
【0013】
すなわち、缶容器1の上端板となっている開口容易缶蓋13では、巻締部14の内側のチャックウォール部分から下方に突出するように、断面U字状(或いはV字状)の環状溝15が形成されており、この環状溝15の内縁から缶蓋の中央部に向かって、上方に行くにしたがって径が徐々に小さくなる肩部16を介して、巻締部14の高さよりも上方にまで突出するように口部17が形成されている。そして、環状に突出した口部17の内側で、金属板を三重に折り畳んだ環状の重層部18により囲まれた領域が、開缶時には開口片として缶内に押し下げられる開口予定部19となっている。
【0014】
なお、開口予定部19を囲む環状の重層部18には、その最下層の下面側に、詳細には図示していないが、破断可能な弱化部となるスコア線が、ヒンジ部分となる一部分を除いた略環状に刻設されており、開缶時には、このスコア線が破断されることで、スコア線で囲まれた開口予定部19は、開口片として、ヒンジ部分(スコア線の途切れた部分)で折り曲げられた状態で、缶内に押し下げられる。この開口予定部19には、円錐台状に突出した突出部が中心部に形成され、その周りを囲むように低い環状凸部が形成されていて、それらにより開口予定部19の部分の剛性が確保されている。
【0015】
この缶蓋13の開口予定部19については、上記のような缶蓋13の一部分をスコア線の破断により開口片として押し下げるような構造に限らず、例えば、缶蓋に予め開口されている開口部分に対して、この開口部分を塞ぐように、押し下げ片となる別部品の開口片をライナーにより接着したり、或いは、樹脂ラミネート金属箔のような破断容易な薄膜をヒートシールにより溶着したりするような適宜の構造として実施することが可能である。
【0016】
上記のような開口容易缶蓋13を備えた缶容器1に対して、その缶蓋13の付近をカバーするように冠着されるオーバーキャップ2は、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリエステル,塩化ビニル,ポリスチレン,ポリカーボネート等の何れかの合成樹脂からなる板厚が0.1〜1.0mm程度(好ましくは、0.2〜0.8mm)のプラスチックシートを材料として、真空成形等による型圧と熱成形によって製造されるものであり、全体的に壁厚が比較的薄く形成されていて、適度の剛性と保形性を有し、且つ、適度の弾力性を有するようなものとなっている。
【0017】
そのようなプラスチック製のオーバーキャップ2では、図2および図3(A)(B)に示すように、オーバーキャップ2の天板部が、外縁部22から内側に向かって、摺鉢状の傾斜面23を介して一旦は下方に陥没してから、再び台地状に***した状態となっており、台地状に***した部分の上端面となる頂板部24は、本実施形態では、外縁部22よりも上方に位置していて、頂板部24の中心部分には、球面状に凹んだ状態の開口予定部25が形成されている。
【0018】
このオーバーキャップ2の球面状に凹んだ開口予定部25では、詳細には図示していないが、球面状に凹んだ部分の外縁部に、破断可能な弱化部となるスコア線が、ヒンジ部分となる一部分を除いた略環状に刻設されており、それによって、この球面状に凹んだ開口予定部25は、開缶時には、球面状に凹みに案内されたストローの押圧力によりスコア線が破断されることで、開口片として、ヒンジ部分(スコア線の途切れた部分)で折り曲げられた状態で、下方に押し下げられることとなる。
【0019】
また、このオーバーキャップ2には、その天板部の外縁部22から下方に延びるように、円筒状のスカート部26が天板部の外縁部22と一体的に形成されており、このスカート部26には、スカート部26の円周方向で所定の間隔を置いた複数の箇所に、スカート部26の円筒面から内方に突出するように、横幅の狭い係止部27が形成されていると共に、それぞれの係止部27の下方の部分には、複数段で内方に突出するような段部28が形成されている。なお、本実施形態では、係止部27は、図2に示すように、スカート部26の円周方向で所定の間隔を置いて4箇所に形成されている。
【0020】
それぞれの係止部27の上方の部分について、本実施形態では、スカート部26の円筒面よりも内方に突出する(円筒面から凹んでいる)ように形成されており、係止部27の上部からスカート部26の上端まで連続的に内方に突出していることで、天板部の環状の外縁部22の一部(係止部27の上方の部分)が部分的に下方に切り欠かれるように凹んでいる。そのように係止部27の上部からスカート部26の上端まで連続的に内方に突出させていることで、プラスチックシートを金型により型圧してオーバーキャップを成形する際に、成形時のシートの変形が容易で、成形後の金型の抜きも容易なものとなる。
【0021】
なお、オーバーキャップの保持性や落下強度や着脱性の観点からすると、係止部17の個数については、3個以上とする(好ましくは、3箇所又は4箇所に係止部を形成する)のが適当であり、また、係止部17の横幅(スカート部16の円周方向に沿った長さ)については、(1個の係止部の横幅の長さ×係止部の個数)÷スカート部の円周方向の長さ×100=20〜80%となるようにするのが適当である。
【0022】
すなわち、横幅の狭い(円周方向の長さが短い)係止部を2箇所にしか形成しない場合には、オーバーキャップが冠着された缶容器を自動販売機(ベンダー)に流した際に、オーバーキャップが缶容器から外れてしまうような虞があり、また、スカート部の円周方向において係止部の部分の占める割合が80%以上となるように大きい場合には、オーバーキャップを手により容器に対して着脱させるときに、オーバーキャップの着脱がやり難くなると共に、オーバーキャップが冠着された缶容器を自動販売機(ベンダー)に流した際に、オーバーキャップが缶容器に完全に固着された状態となって自由変形の許容度合いが小さくなることで、オーバーキャップに復元不能な変形が起きてしまうような虞がある。
【0023】
オーバーキャップ2の天板部の外縁部22から下方に延びるスカート部26は、缶容器1のネック部12の下端付近の外径と略同じ内径の円筒状に形成されており、オーバーキャップ2が缶容器1に冠着された状態で、即ち、缶容器1に上方からオーバーキャップ2を被せて押し下げることで、オーバーキャップ2のスカート部26に形成された係止部27が、缶蓋13の巻締部14を乗り越え該巻締部14と係合した状態で、オーバーキャップ2のスカート部26は、その下端がネック部12の下端付近にまで到達するように形成されている。
【0024】
また、オーバーキャップ2のスカート部26の係止部27の下方の部分に形成されている複数段の段部28については、缶容器1のネック部12が複数段に縮径加工されているのに対して、このネック部12の段形状と略対応するような形状に形成されているものであって、オーバーキャップ2が缶容器1に冠着された状態では、段部28が缶容器1のネック部12に当接するようになっている。
【0025】
ところで、上記のようなオーバーキャップ2が冠着されている本実施形態のオーバーキャップ付き缶容器では、缶蓋13の口部17の内側に形成されている開口予定部(開口片)19と、オーバーキャップ2の頂板部24に形成されている開口予定部(開口片)25とは、何れも、その周囲を囲むスコア線による弱化部の強度が、開口予定部(開口片)の部分に上方からストローを押し当てることで破断が可能なような破断強度に設定されており、また、オーバーキャップ2が缶容器1に冠着された状態において、図1(B)に示すように、オーバーキャップ2の頂板部24に形成された球面状に凹んだ開口予定部25と、缶蓋13の口部17の内側で環状重層部18に囲まれた開口予定部19の中央の突出部とは、上下に重なって位置するようになっている。
【0026】
それによって、オーバーキャップ2が冠着された状態の缶容器1に対して、オーバーキャップ2を取り外すことなく、オーバーキャップ2の頂板部24の球面状に凹んだ開口予定部25に対して、上方からストローの先端を押し当てて下方に押し込むことで、ストローの押圧力によりオーバーキャップ2と缶蓋13のそれぞれの弱化部(スコア線)が順次に破断されて、図4に示すように、オーバーキャップ2の開口片(開口予定部)25と、缶蓋13の開口片(開口予定部)19とが、何れも、ヒンジ部分(スコア線の途切れた部分)で折り曲げられた状態で、下方に押し下げられて、ストローが缶内に挿入されることとなる。
【0027】
そのようにオーバーキャップ2を冠着したままの状態でストローによって開缶できる本実施形態のオーバーキャップ付き缶容器によれば、オーバーキャップ2の上からストローの差し込み動作を行なうだけで、缶容器1からオーバーキャップ2を取り外すことなく開缶できると共に、そのままの状態でストローを使って缶内の飲料を飲むことができる。その結果、缶蓋の開口部付近に直接に口を付けて飲むことで口紅が缶蓋に付着するのを嫌がる女性の消費者等に対して、ストローの使用による飲用が簡単なものになることで、飲料缶の販売の拡大を図ることができる。また、開缶時や開缶後に缶容器1が傾いて開口部から缶内の飲料がこぼれ出たとしても、それが周りに拡散するのをオーバーキャップ2によって防止することができる。
【0028】
なお、本実施形態のオーバーキャップ付き缶容器では、オーバーキャップ2の開口予定部25が球面状に凹んでいることから、ストローも差し込み動作による開缶の際に、ストローの先端部が球面状に凹みによってオーバーキャップ2の開口予定部25の中央に確実に案内されるため、オーバーキャップ2の開口予定部25に対してストローによる押圧力を効果的に作用させることができる。
【0029】
また、本実施形態では、オーバーキャップ2を缶容器1に冠着した状態で、オーバーキャップ2のスカート部26の下端が缶容器1のネック部12の下端付近にまで到達していることから、商品の流通販売時等において、外部の埃等が缶蓋13にまでに侵入するのを効果的に防止することができると共に、縦幅を比較的大きく面積が広くなったオーバーキャップ2のスカート部26の外面に対して何らかの印刷デザイン等を施すことで、意匠的な効果を得ることができる。
【0030】
また、オーバーキャップ2のスカート部26は、上方に行くほど縮径されているネック部12の下端付近の外径と略同じ内径の略円筒状に形成されていることから、図5(A)に示すように、係止部27の部分では缶蓋13の巻締部14に狭い横幅で接触するが、それ以外の部分では,図5(B)に示すように、スカート部26が缶蓋13の巻締部14と接触することはなく、ネック部12とスカート部26との間には空間部が形成されることとなるため、オーバーキャップ2と缶容器1(ネック部12と缶蓋13)とが接触する面積は極めて小さく、しかも、オーバーキャップ2のスカート部26の縦幅が比較的大きいことから、オーバーキャップ2を取り外すときには、スカート部26を手で掴んでオーバーキャップ2を容易に撓ませることができ、それにより、オーバーキャップ2の係止部27と缶蓋13の巻締部14との係合を容易に解除することができて、缶容器1からオーバーキャップ2を容易に取り外すことができる。
【0031】
さらに、本実施形態では、オーバーキャップ2のスカート部26の係止部27の下方の部分を段部28に形成していることから、缶容器1に冠着されたオーバーキャップ2に上方から過大な力が加えられたときに、その力が、係止部27の部分だけではなく、段部28の部分によってもネック部12で受け止められるため、オーバーキャップ2にかかる力がそれだけ分散された状態で缶容器1に受け止められることとなり、その結果、オーバーキャップ2が薄いプラスチックシートから製造されて壁厚が全体的に薄いようなものであっても、オーバーキャップ2が変形したり破損したりするようなことはない。
【0032】
また、オーバーキャップ2のスカート部26の係止部27の下方の部分が複数段の段部28に形成されていることで、オーバーキャップ2を開缶後の缶容器1のコースター(下敷き)として使用するために、逆さに置いたオーバーキャップ2の上に缶容器1を底蓋を下にして乗せるような場合に、例えば、缶容器1が3ピース缶であって上蓋(開口容易缶蓋)の巻締部の径よりも底蓋の巻締部の径の方が少し大きいような場合でも、底蓋の巻締部を複数段の段部28の何れかの段によって安定的に支持することができる、というように異なる径の缶蓋巻締部にも対応させることができる。
【0033】
以上、本発明のオーバーキャップ付き缶容器の一実施形態について説明したが、本発明は、上記のような実施形態にのみ限定されるものではなく、例えば、図6〜図8に示すような他の実施形態として実施することも可能であって、この実施形態では、オーバーキャップ2のスカート部26の係止部27から上方の部分については、図6(A)に示すように、スカート部26の係止部27より上方の部分を、全周的に連続した円筒状に形成して、天板部の外縁部22が全周的に同じ高さとなるようにしており、オーバーキャップ2のスカート部26に設ける係止部27の個数については、図7(A)に示すように、円周方向に所定の間隔を置いて係止部27を3箇所に設けている。
【0034】
また、オーバーキャップ2の天板部については、図7(B)に示すように、台地状に***した部分の上端面となる頂板部24を外縁部22よりも下方に位置させており、頂板部24の中心部分に設ける開口予定部25については、球面状に凹部とすることなく、頂板部24と同じ高さの平面にスコア線を設けるようにし、このスコア線で囲まれた平坦な開口予定部25の部分を頂面として略円筒台状に残すように、その周りに環状の凹部29を形成するようにしている。このようにオーバーキャップ2の天板部の中央に形成された略円筒台状の部分の平坦な頂部に開口予定部25を形成していることで、図8に示すように、開口予定部25を押し下げてストローを差し込んだときに、略円筒台状の部分の側壁部によって差し込まれたストローを略直立状態に保持することができる。
【0035】
さらに、本発明は、上記の各実施形態に示したそれぞれの構成要件を適宜に組み合わせるようにして実施することも可能であり、さらにまた、実施形態として具体的には示していないが、オーバーキャップに形成される開口予定部については、開口容易缶蓋について既に説明したのと同様に、スコア線の破断によりオーバーキャップの一部分を押し下げるような開口予定部に限らず、例えば、オーバーキャップの頂板部に予め開口された開口部分を破断容易な薄膜のヒートシールによって塞ぐような、オーバーキャップの本体部分とは別部材の開口予定部としても良い等、適宜に設計変更可能なものであることは言うまでもない。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したような本発明のオーバーキャップ付き缶容器によれば、オーバーキャップにより埃等が缶蓋に付着するのを防止することができると共に、オーバーキャップを缶容器に冠着したままの状態で、オーバーキャップの上からストローの差し込み動作を行なうだけで、オーバーキャップを取り外すことなく缶蓋を開口することができて、そのままの状態でストローを使って缶内の飲料を飲むことができる。その結果、缶蓋の開口部付近に直接に口を付けて飲むのを嫌がるような消費者に対しても、飲料缶の販売の拡大を図ることができる。そして、開缶時や開缶後に缶蓋の開口部から缶内の飲料がこぼれ出たとしても、それが周囲に拡散するのをオーバーキャップによって防止することができる。
さらに、オーバーキャップを取り外すときには、スカート部を手で掴んでオーバーキャップを容易に撓ませることができ、それにより、オーバーキャップの係止部と缶蓋の巻締部との係合を容易に解除することができて、缶容器からオーバーキャップを容易に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオーバーキャップ付き缶容器の一実施形態について、(A)側方から見たオーバーキャップの形状を示す正面図、および(B)オーバーキャップが冠着された缶容器の上部の左片分を切断して側方から見た状態を示す部分断面正面図。
【図2】図1(A)に示したオーバーキャップの上方から見た形状を示す上面図。
【図3】図1(A)に示したオーバーキャップについて、(A)図2のA−A線に沿った断面図、および(B)図2のB−B線に沿った切断端面図。
【図4】図1(B)に示したオーバーキャップ付き缶容器で、オーバーキャップが冠着されたままでストローにより開缶された缶容器について、缶容器の上部の左片分を断面として側方から見た状態を示す部分断面正面図。
【図5】図1(B)に示したオーバーキャップの缶容器への冠着状態について、(A)缶蓋の巻締部に係合している部分を示す断面図、および(B)缶蓋の巻締部に係合していない部分を示す断面図。
【図6】本発明のオーバーキャップ付き缶容器の他の実施形態について、(A)側方から見たオーバーキャップの形状を示す正面図、および(B)オーバーキャップが冠着された缶容器の上部の左片分を断面として側方から見た状態を示す部分断面正面図。
【図7】図6(A)に示したオーバーキャップについて、(A)下方から見た形状を示す底面図、および(B)同図(A)のB−B線に沿った断面図。
【図8】図6(B)に示したオーバーキャップ付き缶容器で、オーバーキャップが冠着されたままでストローにより開缶された缶容器について、缶容器の上部の左片分を断面として側方から見た状態を示す部分断面正面図。
【符号の説明】
1 缶容器
2 オーバーキャップ
11 缶胴
12 ネック部
13 缶蓋(開口容易缶蓋)
14 (缶蓋の)巻締部
17 (缶蓋の)口部
19 (缶蓋の)開口予定部
22 (オーバーキャップの)天板部の外縁部
25 (オーバーキャップの)開口予定部
26 (オーバーキャップの)スカート部
27 (スカート部の)係止部
28 (スカート部の)段部

Claims (4)

  1. 缶容器の上端の開口容易缶蓋の付近をカバーするようにプラスチック製のオーバーキャップが冠着されている缶容器において、缶蓋の中央で上方に突出した口部の内側に、ストローの差し込み動作により開口が可能な開口予定部が形成されており、この缶蓋の口部の開口予定部に対応するオーバーキャップの所定位置に、ストローの差し込み動作により開口が可能な開口予定部が形成されていると共に、缶容器の缶胴の上部で縮径加工されたネック部の上端に開口容易缶蓋が二重巻締めにより固着されているのに対して、オーバーキャップの天板部の外縁部から下方に延びるスカート部が、ネック部の下端付近の外径と略同じ内径の略円筒状に形成され、このスカート部の円周方向で所定の間隔を置いた複数の箇所に、内方に突出する係止部が形成されていて、オーバーキャップを缶容器に冠着した状態で、スカート部に形成された複数の係止部が、缶蓋の巻締部を乗り越えて該巻締部と係合し、スカート部の下端がネック部の下端付近にまで到達して、係止部の部分では、缶蓋の巻締部に接触するが、それ以外の部分では、缶蓋の巻締部とオーバーキャップとの間に空間部が形成されていることを特徴とするオーバーキャップ付き缶容器。
  2. オーバーキャップの天板部の中央付近に球面状に凹んだ開口予定部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のオーバーキャップ付き缶容器。
  3. オーバーキャップの天板部の中央付近に形成された略円筒台状の部分の頂部に開口予定部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のオーバーキャップ付き缶容器。
  4. 缶容器のネック部が複数段に縮径加工されているのに対して、オーバーキャップのスカート部の係止部の下方の部分が、ネック部の段形状と略対応するように、内方に突出する複数段の段部に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のオーバーキャップ付き缶容器。
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