JP4456769B2 - フロロカーボン系プラズマ生成用シリコン製電極の洗浄方法およびこれを利用した半導体装置の製造方法 - Google Patents

フロロカーボン系プラズマ生成用シリコン製電極の洗浄方法およびこれを利用した半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路の製造工程に用いられる、ドライエッチング装置などのフロロカーボン系プラズマ生成用のシリコン製電極の洗浄方法およびこれを適用する半導体装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造工程で用いられるドライエッチング技術では、平行平板の電極を配設した反応室をもつプラズマドライエッチング装置が一般的に用いられている。半導体ウェハに対向する電極の材料には、シリコン、カーボン、シリコンカーバイド、アルミニウム、アルマイト合金等が使用されており、反応ガスの種類や被エッチング材料に応じて適宜選択されている。
半導体装置の絶縁材料として用いられるシリコン酸化膜のドライエッチングの場合は、フロロカーボン系プラズマが用いられる。このとき、半導体ウェハに対向する電極にはシリコンあるいはカーボンが通常用いられる。なかでも、シリコンはカーボンと比較して不純物濃度が低いこと、酸素や一酸化炭素を含んだ反応性プラズマでもスパッタ侵食レートが低く、長寿命であることなど、優れた特性を有している。例えば、使用開始後ドライエッチング加工性能が劣化しはじめる時間を寿命として評価した場合、スパッタ侵食レートから算出される寿命は、カーボンの場合の3倍程度となる。
【0003】
図1に、シリコン酸化膜のドライエッチング装置を示す。同図において、上部石英治具9に周囲を囲まれた上部電極1および下部石英治具10に周囲を囲まれた下部電極4の間には高周波電源11から高周波電力スプリッタ12を介して高周波が印加される。上部電極1と下部電極4の間に高周波が印加された状態で、プラズマ化させるガス、例えばフロロカーボン系のガスをガス導入口8から上部電極1を通って反応室7に導入することにより、フロロカーボン系プラズマを生成させる。上部電極1は、上部電極基台2a、ガス分散板2b、冷却板2cおよびシリコン製電極3からなる。シリコン製電極3は例えば特開平8−236505号に記載されたような方法で高純度シリコンインゴットを加工して製造される。
半導体ウェハ6は、静電チャック5を用いて下部電極4上にシリコン製電極3と対向するように固着される。
【0004】
上部電極基台2aには反応性ガスが導入されるガス導入口8が形成されており、ガス分散板2b、冷却板2cおよびシャワーヘッドとして兼用されるシリコン製電極3に形成されたガスノズル孔を通じて反応性ガスが反応室7内に均一に導入される。
このシリコン製電極3の寸法は、ウェハ6のサイズに依存するが、例えば、8インチウェハの場合では、直径280mm、厚さ5mmのものが使用される。この場合、図2に示すように、電極3には直径0.5mmのガスノズル孔13が640個形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
シリコン製電極は、上述したように、長寿命等、優れた特性を有している。ところが、シリコン酸化膜用ドライエッチング装置にシリコン製電極を用いて実際にドライエッチングを行った場合、高周波印加(放電)の累積時間が150時間程度に達した時点でパーティクルが発生し、それ以上の使用が不可能になるという問題があった。すなわち、シリコン製電極は、スパッタ侵食レートから算出される寿命に到達する以前に、パーティクルの発生によって実効的な寿命が律速されてしまう。なお、この150時間は、カーボン電極の寿命と同程度である。
【0006】
パーティクルの発生により寿命に至ったシリコン製電極のガスノズル孔の内壁には、厚さ3μm程度のポリマー層が付着していることが確認される。このポリマー層をエネルギー分散X線分光(EDX)法で分析したところ、Siピークは観測されず、C、F、Oの軽元素ピークのみが観測される。
このポリマー層は、シリコン酸化膜ドライエッチング装置のエッチャントであるフロロカーボン系ガスがプラズマによって気相成長したものである。以下、本明細書において、これをCFxポリマーと表記する。
【0007】
このCFxポリマーは、通常、シリコン酸化膜ドライエッチング装置の反応室(チャンバ)構成部品の表面に形成される。プラズマに照射されるチャンバ構成部品は、主として石英やアルマイトよりなるが、これら表面に形成されるCFxポリマーは、フッ素系有機溶媒による膨潤特性を利用して洗浄し、除去することが可能である。
一方、上部電極(シリコン製電極)のガスノズル孔の内壁に形成されるCFxポリマーは、下地がシリコンであることにより、石英やアルマイトなどの表面に形成されたCFxポリマーとは構造的に異なることが発明者による検討によって明らかになった。
【0008】
すなわち、ガスノズル孔の内壁のCFxポリマー層は、成長速度が0.1〜0.2nm/min程度で、石英表面に形成されるCFxポリマーの成長速度の1%以下と極めて小さい。また、反応生成物の蓄積によって形成された石英やアルマイトなどの表面に形成されたCFxポリマーとは構造的に異なり、下地シリコンとCFxポリマーが化学的に反応して形成された中間層を介して下地シリコン表面に強固に付着したポリマー層となっている。そのため、石英やアルマイトなどに付着したCFxポリマーと異なり、フッ素系有機溶媒では洗浄除去できないという問題があった。
【0009】
上記のフッ素系有機溶媒のような洗浄液を用いた薬液洗浄以外で、反応室内に蓄積されたポリマー層を除去する方法としては、クリーニングガスを用いたドライクリーニング法が知られている。しかし、この方法の場合、プラズマが効率的に照射される部分に対するクリーニング効果は高いものの、プラズマ照射量の少ないガスノズル孔の内壁部に対する洗浄効果は低い。そのためクリーニング時間が長時間に及び、スループット、コストの面で採算が合わず、結局シリコン製電極を短時間で交換せざるを得ないという問題があった。
【0010】
本発明は、上記の問題点を鑑み、シリコン製電極からのパーティクルの発生を抑制し、シリコン製電極をスパッタ侵食レートから算出される本来の寿命まで使用することを可能にする、フロロカーボン系プラズマを生成する装置のプラズマ生成用シリコン製電極の洗浄方法を提供することを第1の課題とするものである。
また、本発明は、本発明のシリコン製電極の洗浄方法を適用することにより、製造加工される半導体ウェハへのパーティクルの落下が防止され、それにより製造される半導体装置の歩留まり低下が抑制される半導体装置の製造方法を提供することを第2の課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記第1の課題を解決するために、本発明の第1の態様は、フロロカーボン系プラズマを生成する装置の反応室内にフロロカーボン系ガスを供給するための複数のガスノズル孔が形成されたプラズマ生成用シリコン製電極を洗浄する方法であって、前記プラズマの生成によって形成され、前記ガスノズル孔内壁に付着したフロロカーボン系ポリマーを、シリコンに対してエッチング作用を有する洗浄液を用いて除去し、さらに物理洗浄を行うことを特徴とするシリコン製電極の洗浄方法を提供するものである。
【0012】
ここで、前記洗浄液のシリコンに対するエッチング速度は、100nm/min以下であるのが好ましい。
また、洗浄液は無機酸系洗浄液であるのが好ましい。
【0013】
また、前記洗浄液は、バッファードフッ酸を含むのが好ましい。
また、前記洗浄液は界面活性剤を含むのが好ましい。
【0014】
また、前記ガスノズル孔内壁に付着したフロロカーボン系ポリマーの除去は、前記シリコン製電極を前記洗浄液に浸漬することにより行うのが好ましい。
また、上記洗浄液への浸漬によるシリコン製電極の洗浄において、超音波を印加するのが好ましい。
【0015】
また、前記シリコン製電極の洗浄方法において、前記物理洗浄が、ドライアイス洗浄であるのが好ましい。
【0016】
また、前記ガスノズル孔は、前記シリコン製電極の2つの対向する面にわたって直線的に開口され、前記物理洗浄は前記対向する面の一方の面側から行われ、前記洗浄液による洗浄は前記対向する面の両方の面側から行われるのが好ましい。
【0017】
また、上記第2の課題を達成するために、本発明の第2の態様は、フロロカーボン系プラズマドライエッチング装置を用いて半導体装置を製造するに際し、前記プラズマドライエッチング装置の反応室内にフロロカーボン系ガスを供給するための複数のガスノズル孔が形成されたプラズマ生成用シリコン製電極を、本発明のシリコン製電極の洗浄方法を用いて洗浄して繰り返し使用して前記フロロカーボン系ガスのプラズマを生成し、生成したプラズマを用いて半導体ウェハのドライエッチングを行うことを特徴とする半導体装置の製造方法を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のシリコン製電極の洗浄方法では、フロロカーボン系プラズマを生成する装置の反応室内にフロロカーボン系ガスを供給するためにシリコン製電極に形成されたガスノズル孔の内壁に、プラズマ生成によって形成され、蓄積したCFxポリマーを除去するために、シリコン製電極をシリコンに対してエッチング作用をもつ洗浄液を用いて、好ましくは洗浄液に浸漬して洗浄する。
【0019】
本発明において、洗浄液は、シリコンに対してエッチング作用を有するものであれば、いずれであってもよいが、シリコンに対するエッチング速度(エッチレート)が100nm/min以下である洗浄液が好ましい。このエッチング速度が100nm/min超であると、本発明が目的とするシリコン製電極のガスノズル孔の内壁に付着したCFxポリマーの除去には、エッチング速度が大きすぎ、下地シリコンが侵食され、ガスノズルの孔径が拡大してしまうという問題が生じるので好ましくない。
本発明において、洗浄液は、より好ましくは、シリコンに対するエッチング速度が0.1nm/min〜10nm/minの洗浄液である。このエッチング速度が、0.1nm/min未満でも、ポリマーの除去は可能であるが、エッチング速度が低いため、ポリマーを適切に除去するのに長時間を要する。
【0020】
シリコンに対するエッチング速度が、上述した範囲である洗浄液としては、バッファードフッ酸、または、フッ酸・硝酸混合溶液が好ましく、バッファードフッ酸が、特に好ましい。これらの無機酸系の洗浄液は、石英やアルマイトの構成部品洗浄に使用されるフッ素系有機溶媒とは異なり、CFxポリマーに対する膨潤効果を持たない。しかし、シリコンに対するエッチング作用を有することにより、CFxポリマーが付着した下地のシリコンをエッチングし、CFxポリマーを剥離させる作用(リフトオフ作用)によって、シリコン製電極上に蓄積したCFxポリマーを除去することが可能である。
また、シリコンに対して適切なエッチング速度を有し、リフトオフ作用によってCFxポリマーを除去可能な洗浄液であれば、これらに限らず、使用することができる。
【0021】
本発明のシリコン製の電極の洗浄方法は、シリコン製電極の複数、すなわち多数のガスノズル孔の内壁に付着したCFxポリマーを除去できれば、いずれであってもよいが、好ましくはシリコン製電極を洗浄液に浸漬することにより行う。
洗浄方法が洗浄液への浸漬である場合、洗浄液への浸漬時間は、電極へのCFxポリマーの付着の程度、および使用する洗浄液のエッチング速度に応じて適宜選択する。例えば、洗浄液がバッファードフッ酸(フッ化水素6wt.%,フッ化アンモニウム30wt.%)の場合、前記エッチング速度が1nm/min程度であるので、高周波印加の累積時間が150時間で、パーティクルの発生が認められるシリコン製電極を洗浄する場合、75時間以上浸漬することが好ましい。
【0022】
本発明の洗浄方法において、洗浄液には界面活性剤を含めてもよい。
本発明のシリコン製電極の洗浄方法において、シリコン製電極に対して洗浄効果が高いバッファードフッ酸およびフッ酸・硝酸混合溶液を用いてシリコン製電極を洗浄した場合、ガスノズル孔内壁にマイクロラフネスの発生が認められる場合がある。バッファードフッ酸の場合を例にとると、Rmax 15μm程度のマイクロラフネスがガスノズル内壁に発生することがある。この程度のマイクロラフネスの発生がシリコン製電極の使用に悪影響を与えることはないと考えられる。しかしながら、洗浄の繰り返しにより、マイクロラフネスが進行する恐れがあることから、実施可能な洗浄回数が制限される可能性がある。洗浄液への界面活性剤の添加は、マイクロラフネスの発生を低減する効果を有する。
【0023】
本発明の洗浄方法において、添加する界面活性剤は、特に限定されず、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤のいずれであってもよく、界面活性効果のあるものを適宜選択すればよい。また、カルボン酸などの陽イオン界面活性剤にアミン塩などの陰イオン界面活性剤を組み合わせるなど、これらの界面活性剤を複数組み合わせ、混合して使用してもよい。添加量も界面活性剤の種類に応じて適宜選択してよい。例えば、界面活性剤がカルボン酸塩の場合、100〜500ppm添加すればよい。
また、バッファードフッ酸等の無機酸系洗浄液にカルボン酸塩等の有機系の界面活性剤を添加した場合であっても、添加濃度が低く、洗浄作用が主として無機酸によってもたらされる場合には、無機酸系洗浄液であるとみなせる。
【0024】
本発明の洗浄方法において、シリコン製電極を洗浄液に浸漬するのが好ましいが、この場合、シリコン製電極を洗浄液に浸漬している時に超音波を印加するのがよい。
洗浄液にバッファードフッ酸またはフッ酸・硝酸混合溶液を用いてシリコン製電極を浸漬した場合、洗浄液の反応により水素ガスが発生する。シリコン製電極の表面に形成されたガスノズルの孔径は0.5mm程度と狭小であり、ガスノズル内で水素ガスが発生した場合、ガスノズル内部に滞留しやすい構造となっている。そして、発生した水素ガスが、ガスノズル内壁に付着した場合、マイクロラフネスの発生につながる場合もある。
このため、シリコン製電極を洗浄液に浸漬している時に、超音波を印加することは、ガスノズル孔の内壁に付着した水素を効果的に除去し、マイクロラフネスの発生を抑制する効果を生じる。
【0025】
本発明の洗浄方法において、超音波を印加する方法は、いずれであってもよいが、例えば図3に示す洗浄装置を用いることにより、洗浄液への浸漬中に超音波を印加することができる。図3に示す洗浄装置において、浸漬槽14内に基台15が設けられておりシリコン製電極3を3枚まで同時に浸漬することができる。浸漬槽14の下部には超音波を印加するための超音波発生器16が設置されている。また、洗浄装置には洗浄液を循環させるための循環ポンプ19を備えており、浸漬槽14中の洗浄液はドレン18、循環ポンプ19、フィルタ20を介して循環される。洗浄液の循環は、液の遥動を目的とするものである。洗浄液の遥動は他の方法で実施してもよく、例えば、電極の振動、さらには装置自体の振動によって実施してもよい。また、超音波が定在波を形成することによって生じる影響を防止するため、基台15の位置を浸漬槽14内で適宜上下に移動する可変スペーサ17が設けられている。なお、超音波の周波数は、例えば900kHzとすることができる。また基台15の可動スペーサ17による上下移動量は、1段当たり、例えば5mmとすることができる。なお、ここに示した超音波周波数と基台の振幅量は、表記のものに限定する必要はなく、超音波の周波数に依存して発生する定在波の間隔によって適宜調節すれば良い。
【0026】
本発明の洗浄方法において、洗浄液への浸漬に加えて、物理洗浄を併用してもよい。例えば、洗浄液への浸漬の前に予め物理洗浄を行うことにより、比較的除去しやすいポリマー膜を除去することができ、洗浄液への浸漬時間を短縮することができる。また、物理洗浄の併用によって、浸漬時間が短縮されることにより、ガスノズル孔内壁でのマイクロラフネスの発生を防止、もしくは抑制することができる。
【0027】
物理洗浄を用いる場合、洗浄方法はいずれであってもよい。しかし、サンドブラストやドライホーニングのように硬い粒子を吹き付ける方法を用いる場合には、シリコン表面を傷つけないように注意を要する。
本発明の洗浄方法において、物理洗浄は、好ましくはドライアイスペレットを用いるドライアイス洗浄である。ドライアイス洗浄は、CFxポリマー除去効果に優れており、また、シリコン表面に損傷を生じさせることもない。
なお、物理洗浄は前記洗浄液への浸漬の前後いずれの段階で実施してもよく、洗浄液への浸漬前後の両方に実施してもよい。好ましくは前記洗浄液への浸漬の前に実施するのが良い。
【0028】
例えば、シリコン製電極3のガスノズル孔13は、一般的に図4(A)に示すように、2つの対向する面にわたって直線的に開口され、この2つの対向する面の一方の面はスパッタ侵食されて漏斗状に拡径している。このガスノズル孔13においては、図4(B)で示すように、直線的な開口部分にポリマーが付着し、ポリマー付着部位13aを形成する。
このようなガスノズル孔13の場合には、物理洗浄は、2つの対向する面の内、漏斗状に開口している側から行うのが効果的である。なお、洗浄液による洗浄を浸漬によって行う場合、ガスノズル孔13の2つの対向する面の両側から行われる。
【0029】
本発明の洗浄方法では、CFxポリマーの除去(リフトオフ)効果をガスノズル孔内壁にマイクロラフネスが発生しない程度に増進するために、バッファードフッ酸混合薬液中に過酸化水素などの酸化剤を添加してもよい。
【0030】
本発明の半導体装置の製造方法は、半導体基板のドライエッチング工程に用いるフロロカーボン系プラズマドライエッチング装置のプラズマ生成用のシリコン製電極を、本発明のシリコン製電極の洗浄方法を用いて洗浄して、繰り返し使用する。本発明の半導体装置の製造方法に用いるフロロカーボン系プラズマドライエッチング装置は、シリコン基板上に形成されたシリコン酸化膜のドライエッチングに使用されるものであり、例えば、図1に示す装置が例示される。ただし、装置はこれに限定されるものではない。また、高周波(RF)印加方式は、アノードカップリング方式、カソードカップリング方式およびスプリット方式のいずれであってもよい。
【0031】
本発明の半導体装置の製造方法において、シリコン製電極の洗浄を行う時期は適宜選択してよい。例えば、高周波印加の累積時間が、およそ150時間に達した時点でパーティクルが発生する場合が多いことから、この時間を基準に洗浄を行ってもよい。
【0032】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
実施例1:洗浄液の洗浄効果の評価
高周波印加の累積時間が150時間で、CFxポリマーのパーティクルが発生しているシリコン製電極から切り出した実験サンプルを用いて、種々の洗浄液への浸漬による洗浄効果を評価した。本実施例では、各洗浄液にサンプルを浸漬した後、10分間の超音波純水洗浄、10分間の超音波イソプロピルアルコール(IPA)洗浄を経た上でサンプルを切断し、断面走査型電子顕微鏡(SEM)によりCFxポリマーの除去効果を確認した。なお、全ての実験サンプルは、共通のシリコン製電極から切り出したものを用いた。結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
Figure 0004456769
ポリマー除去力 シリコンマイクロラフネス
○…ポリマー除去力十分 ○…シリコンマイクロラフネスなし
△…ポリマー除去力が認められる △…シリコンマイクロラフネス微小
×…ポリマー除去力なし ×…シリコンマイクロラフネス顕著
【0034】
表1から明らかなように、有機系薬液であるイソプロピルアルコールおよびフッ素系有機溶媒には洗浄効果が認められなかった。酸系薬液では、バッファードフッ酸(フッ素6wt.%:フッ化アンモニウム30wt.%、残部は水)に75時間常温で浸漬させたサンプルが最も洗浄効果が高く、CFxポリマーを完全に除去することができることが確認された。フッ素と硝酸の混合溶液(フッ酸1wt.%:硝酸50wt.%:氷酢酸30wt.%、残部は水)が、これに続いたが、CFxポリマーの除去効果が50%程度だった。但し、フッ酸と硝酸の混合溶液は、シリコンのエッチング速度が大きいため、短時間の浸漬でも、ガスノズル径が拡大するという問題があった。50%フッ酸、98%硫酸、硫酸と過酸化水素の混合溶液、98%硝酸では、CFxポリマーの除去に関して全く効果が認められなかった。
【0035】
以上より、これらの有機系洗浄液および酸系洗浄液の中で、バッファードフッ酸が最もポリマー除去効果が高いことが確認できる。ここで、バッファードフッ酸自体にはCFxポリマーの溶解力はない。しかし、前述したように、バッファードフッ酸は、エッチレートが1mm/min程度と小さいながらも、シリコンに対するエッチング作用を有する。このため、75時間程度の浸漬により、リフトオフの効果でCFxポリマーの除去が進むことがわかる。
すなわち、本発明のシリコン製電極の洗浄方法によるポリマーの除去が、CFxポリマーが付着した下地シリコンの一部がエッチングされることによることを示している。これは、ポリマーの除去効果が確認されたバッファードフッ酸およびフッ酸・硝酸混合溶液で洗浄したシリコン製電極のガスノズル孔内壁にマイクロラフネスが発生していたことからもわかる。
【0036】
実施例2:界面活性剤の添加による効果の評価
本発明の洗浄方法において、界面活性剤の添加によるマイクロラフネスの発生抑制効果を確認した。
バッファードフッ酸はシリコン表面に対してぬれ性が低く、これがマイクロラフネス発生の要因の一つであると考えられる。さらに、ガスノズル孔内は、その直径が、例えば、0.5mm程度と狭小であるので、洗浄液浸漬ができにくい構造になっている。
【0037】
そこで、本実施例では、界面活性剤として、陰イオン界面活性剤(3−ブトキシ−プロピオン酸)を200ppmの濃度で配合した表1と同一組成のバッファードフッ酸(フッ酸6wt.%:フッ化アンモニウム30wt.%、残部は水)を用いて実施例1と同一のシリコン製電極を100時間浸漬した。その結果、表1のバッファードフッ酸洗浄では、ガスノズル孔内壁にRmax 15μm程度のマイクロラフネスが発生していたのに対し、CFxポリマーの除去能力を損なうことなく、マイクロラフネスがRmax 10μm程度に低減されることが確認された。
【0038】
実施例3:超音波の印加による洗浄効果の評価
本実施例では、洗浄液への浸漬時に超音波を印加することによる、シリコン製電極の洗浄、すなわちシリコン製電極のガスノズル孔に付着したCFxポリマーの遊離除去時ガスノズル孔内壁におけるマイクロラフネスの発生抑制効果を評価した。
本実施例では、図3に示す装置で実施例1と同一のシリコン製電極3枚を実施例2と同一の界面活性剤を配合したバッファードフッ酸に100時間浸漬させた。シリコン製電極の浸漬中、900kHzの超音波を印加時間30分間で12時間毎に印加した。浸漬槽内の洗浄液は、超音波の印加の前後30分間にわたって循環させた。超音波の印加時、超音波が定在波を発生することによって生じる影響を防止するため、10分間毎に基台の高さを5mm間隔で3段階に変化させた。
この結果、CFxポリマーの除去効果を損なわれることなく、マイクロラフネスがRmax 5μm以下に低減されることが確認された。その結果、マイクロラフネスの発生によって洗浄回数が限定されるということがなくなることがわかる。
【0039】
実施例4:物理洗浄によるポリマー除去効果の評価
本実施例では、下記に示す種々の物理洗浄方法を用いて、CFxポリマーの除去効果を評価した。本実施例では、まず物理洗浄のみでのCFxポリマーの除去効果を評価するため、表2に示す手順で、実施例1と同様にして作製されたシリコン製電極の実験サンプルを物理洗浄をし、10分間の超音波純水洗浄、10分間の超音波イソプロピルアルコール(IPA)洗浄を経た後、シリコン製電極を切断し、断面走査型電子顕微鏡(SEM)によりCFxポリマーの除去効果を確認した。この場合にも、全ての実験サンプルは、共通のシリコン製電極から切り出した。但し、シリコン製電極は、高周波印加の累積時間が200時間で、CFxポリマーのパーティクルが発生したものを用いた。結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
Figure 0004456769
ポリマー除去力 シリコンマイクロラフネス
○…ポリマー除去力十分 ○…シリコンマイクロラフネスなし
△…ポリマー除去力が認められる △…シリコンマイクロラフネス微小
×…ポリマー除去力なし ×…シリコンマイクロラフネス顕著
【0041】
表2に示したように、物理洗浄の中ではドライアイス洗浄(ドライアイスペレット径:0.3mm、粉砕方式:ロール方式、照射時間はプラズマ照射面と反対面の両面に対してそれぞれ各ノズル毎に5秒)が最も有効であることが確認できた。但し、ドライアイス洗浄では、CFxポリマーを完全に除去することはできず、図4(C)に示すように、特定の部位(漏斗状に拡大したガスノズル端部より3.2mmから4.4mm程度(シリコン製電極は厚さ5mm))にCFxポリマーが残留することが確認された。これは、ガスノズルの形状から説明できる。すなわち、プラズマによりスパッタ侵食されて漏斗状に拡大したガスノズル端部からは、ドライアイスペレットは効率よく入射し、ある入射角でガスノズル孔内壁に衝突できるので、洗浄効果が高くなる。一方、プラズマ照射面と反対側には漏斗状に拡大した部分がないので、この面に対し洗浄しても、ドライアイスペレット入射量が制限されるとともに、入射したドライアイスペレットがガスノズル孔内壁と平行して進行するため、逆側より洗浄効果が得にくい。その結果、ドライアイス洗浄では、図4(C)に示すポリマー付着部位13aにCFxポリマーが残留する。
【0042】
これに対し、洗浄液への浸漬でも、浸漬時間が不十分な場合に、図4(D)に示すように、特定の部位にCFxポリマーが残留することが確認された。バッファードフッ酸(フッ酸6wt. %:フッ化アンモニウム30wt. %:界面活性剤200ppm、残部は水)による40時間浸漬、およびフッ酸と硝酸の混合溶液の50分浸漬(フッ酸1wt. %:硝酸50wt. %:氷酢酸30wt. %、残部は水)により残留するCFxポリマー付着部位13aは、図4(D)に示すように、いずれも漏斗状に拡大したガスノズル端部より2.7mmから3.3mm程度の領域であった。これは洗浄液による洗浄では、ポリマーの除去はガスノズル孔の両端から同時に進行し、洗浄が不十分な場合にはその中央部にポリマーが残留することを示している。
【0043】
すなわち、物理洗浄と洗浄液への浸漬とでは、CFxポリマーの残留部位が異なり、互いに補完関係にあることが認められた。この結果に基づいて、物理洗浄と洗浄液による浸漬を併用する実験をおこなった。ここで、物理洗浄は表2と同じくドライアイス洗浄(ドライアイスペレット径:0.3mm、粉砕方式:ロール方式、照射時間は両面からぞれぞれ各ノズル毎に5sec)とした。また、洗浄液による浸漬は表1と同一の組成のバッファードフッ酸(フッ酸6wt. %:フッ化アンモニウム30wt. %:界面活性剤200ppm)への60時間の浸漬である。この結果、CFxポリマーを完全に除去しつつ、顕著なマイクロラフネスの発生は見られなかった。さらに、バッファードフッ酸への浸漬によるガスノズル径の拡大量が、洗浄液への浸漬のみの場合と比較して、半減されることが確認できた。
【0044】
これにより、物理洗浄と洗浄液への浸漬の併用の場合、洗浄液への浸漬のみの場合と比較して、洗浄回数を倍増でき、シリコン製電極の寿命のさらなる延長、およびそれによるコストの削減を図ることができる。
なお、表2においてはポリマー除去効果が認められなかったプラスチックブラスト洗浄や、もしくは、高圧純水洗浄も、洗浄液と組み合わせることによってポリマー除去効果が得られることも明らかになった。
【0045】
すなわち、洗浄液に比較的短時間浸漬し、部分的にポリマーが残留した状態でプラスチックブラスト洗浄や、もしくはさらに高圧純水洗浄を行った場合、残留したポリマーを除去できることが確認された。物理的作用が弱く、強固に付着したCFxポリマーに対しては除去効果を示さないプラスチックブラスト洗浄であっても、洗浄液のリフトオフ作用によって剥離しかけたポリマーに対しては、除去作用を示すものと理解できる。
プラスチックブラスト洗浄や高圧純水洗浄は、ドライアイス洗浄に比較してさらにソフトであり、シリコン製電極に対するダメージを最小限に抑えながら、CFxポリマーを効果的に除去できることが分かった。
【0046】
実施例5
本実施例では、フロロカーボン系プラズマドライエッチング装置で、二酸化シリコン酸化膜のドライエッチング処理を行い、一定期間ドライエッチング加工を実施した後に、シリコン製電極を浸漬洗浄し、洗浄を終えたシリコン製電極を用いてさらにドライエッチング加工を実施し、この工程でのシリコン製電極からのパーティクル発生量を評価した。
シリコンインゴットの切断切削加工によりシリコン円板を切り出し、ドリル研削によりシリコン円板にガスノズル孔を形成、続いて表面をラッピングにより鏡面加工を施して図2に示すシリコン製電極を作製した。図2に示すシリコン製電極は、直径280mm、厚さ5mmで、直径0.5mmのガスノズル孔が640個形成されている。
【0047】
作製したシリコン製電極を図1に示すシリコン酸化膜用ドライエッチング装置に上部電極1に取り付け、シリコン酸化膜のドライエッチング加工を実施した。
図1の装置において、反応室7は、10-8Torr程度の真空度まで減圧できる。反応室7の上下には上部電極1および下部電極4が配置され、平行平板電極を構成している。上部電極1は、上部電極基台2a、ガス分散板2b、冷却板2cおよびシリコン製電極3からなる。シリコンウェハ6は静電チャック5を用いて下部電極4上に固着される。反応性ガス導入口8からはエッチャントガスが導入でき、シリコン製電極3に形成されたガスノズル孔を通じて、反応室7内にエッチングガスが導入される。図1の装置では、高周波電源11により、高周波電力スプリッタ12を介して上下部電極に高周波が印加される。すなわち、高周波印加方式として上下部電極に高周波を印加するスプリット方式を採用した。上部電極1および下部電極4の周囲は、石英治具9、10により覆われており、これにより平行平板電極間にプラズマが集中する構成となっている。
【0048】
本実施例では、ドライエッチングされるウェハに、図5に示すようなシリコン基板21上に二酸化シリコン膜22が1.0μmの厚さで成膜されており、さらにその上にフォトレジスト膜23によるマスクパターンを1.2μmの厚さで形成させたものを用いた。マスクには0.25μm径のホール形状を開口したものを用いた。ドライエッチングのガスとしては、CF4 、CHF3 、C4 8 のエッチャントガスおよびAr、COの混合ガスを用いた。
【0049】
二酸化シリコン酸化膜の処理は、ウェハ換算で2000枚、高周波印加の累積時間が100時間になるまで実施した。その後、ドライエッチング装置からシリコン製電極を取り外し、洗浄処理を行った。
この洗浄処理は、界面活性剤を含むバッファードフッ酸混合溶液を用いて実施した。ここで、バッファードフッ酸中のフッ化水素とフッ化アンモニウムの重量比は(フッ酸6wt. %:フッ化アンモニウム30wt. %)とし、また界面活性剤は3−ブトキシープロピオン酸200ppmを配合した。なお、各薬液の組成比はここに示した値に限定されることはなく、シリコン製電極のCFxポリマー付着量や薬液浸漬時間に応じ、適宜選択すればよい。
【0050】
洗浄処理は、図3に示す洗浄装置を用いてシリコン製電極を洗浄液に浸漬することにより実施した。図3において、洗浄装置は、シリコン製電極3を同時に浸漬可能な基台15を備え、さらに基台15の位置を浸漬槽14内で連続的に上下動できる手段として可変スペーサ17を備えている。浸漬槽の下部には超音波発生器16が設置され、ここから超音波が印加される。ここで、超音波周波数は900kHzとした。浸漬槽14中の洗浄液は、ドレン18、循環ポンプ19およびフィルタ20を介して循環させることができる。
【0051】
洗浄処理は、シリコン製電極を図3に示す装置に100時間浸漬することにより行った。シリコン製電極の浸漬処理時、12時間毎に30分間にわたって超音波を印加した。その際、10分毎に基台15の高さを3段階に変更した。基台15の上下移動幅は1段階で5mmとしたので、振幅量は10mmとなる。また、超音波印加の前後30分間、計1時間にわたって洗浄液を循環させた。
【0052】
浸漬開始100時間経過した時点で、浸漬槽14内から洗浄液を回収し、10分間純水による超音波純水洗浄を行い、浸漬槽14内およびシリコン製電極表面の洗浄液を置換した。
次に高圧純水洗浄(圧力100kg/cm2 、照射時間は各ノズル毎に10秒)、超音波純水洗浄10分間、超音波IPA洗浄を10分間行った。ここで超音波の周波数は900kHzとした。乾燥工程は、高圧窒素ブローを経た後、60℃の乾燥クリーンオーブンに24時間放置することで行った。
【0053】
洗浄工程を経たシリコン製電極のガスノズル径は、洗浄前と比較し20μm程度拡大した。シリコン製電極を、再び図1に示したドライエッチング装置に設置し、シリコン酸化膜のドライエッチング加工をおこなった。ドライエッチング加工は図5に示した二酸化シリコン酸化膜の処理とし、ウェハ換算で2000枚、高周波の印加の累積時間が100時間になるまで実施した。この時の反応室7内のパーティクルカウント数推移を図6に示した。パーティクルは高周波印加の累積時間で10時間毎にカウントした。0.25μm径パーティクル量の増分は、高周波印加の累積時間が0から100時間と、100時間から200時間で変動はなく、150時間近傍でパーティクルが増加するという問題が回避できた。このことにより、本発明の洗浄方法により、シリコン製電極の清浄度が回復していることがわかった。なお、図6において、50時間毎にプロットが途切れているのは、この時期に装置の保守を行ったためである。すなわち、図6において50時間周期でパーティクル数の変動があるように見えるのは、50時間ごとの保守を必要とする他の要因によるものであり、シリコン製電極からのパーティクル発生量の変動を示すものではない。
【0054】
実施例6
本実施例では、物理洗浄を併用して、実施例5と同様の実験を行った。本実施例において、物理洗浄に関連する手順以外は全て実施例5と同様である。すなわち、ドライエッチング装置、シリコン製電極、ドライエッチング加工されるウェハ、ドライエッチング条件は、すべて実施例5と共通である。
【0055】
本実施例では、図1のドライエッチング装置を用い、図5のウェハ構造の二酸化シリコン酸化膜の処理をウェハ換算で2000枚、高周波印加の累積時間が100時間になるまで実施した。その後、ドライエッチング装置からシリコン製電極を取り外し、第1の洗浄として、ドライアイスペレットによる物理洗浄を施した。ドライアイスペレットはロール方式で粉砕し、ペレット径0.3mmとした。ペレット流を得るためのエア圧力は8.0kg/cm2 とした。ペレット流の照射時間は両面それぞれ各ガスノズルに対し5秒とした。なお、ここで示したドライアイスペレット径や高速エア圧力、ペレット流の照射時間は、CFxポリマーの厚みや、シリコン製電極のガスノズル孔径によって適宜選択すればよい。
【0056】
ドライアイス洗浄の後洗浄工程として、高圧窒素ブロー、高圧純水洗浄を経た後、超音波純水洗浄、超音波IPA洗浄を各10分間実施した。超音波周波数は900kHzとした。乾燥工程は、高圧窒素ブローを経た後、60℃乾燥クリーンオーブンに6時間放置することで行った。
【0057】
次に第2の洗浄として、洗浄液への浸漬を実施した。ここで、洗浄液の種類、浸漬槽は実施例5と同様である。すなわち、界面活性剤を含むバッファードフッ酸混合溶液(フッ酸6wt.%:フッ化アンモニウム30wt.%:界面活性剤200ppm)を図3の装置の浸漬槽14に満たし、シリコン製電極の常温浸漬をおこなった。超音波印加や洗浄液の循環の条件も実施例5と共通とした。ただし、浸漬時間のみ実施例5とは異なり40時間とした。
洗浄液への浸漬の後洗浄手順は実施例5と同様に実施した。すなわち、洗浄液の置換、高圧純水洗浄、超音波を併用した純水、およびIPA洗浄、乾燥工程を行った。
【0058】
次にプラスチックブラスト洗浄を行った。0.1mm径の、ポリスチレン等のプラスチックペレットを含んだ混合水に、7.0kg/cm2 のエアー圧力を印加し、照射時間は、両面それぞれ各ノズル孔に対して5秒間とした。後洗浄工程は、純水シャワー洗浄、高圧純水洗浄、超音波純水洗浄、超音波IPA洗浄、および乾燥工程とした。
【0059】
洗浄工程実施後のシリコン製電極のガスノズル径は、洗浄前と比較し5μm程度しか拡大しなかった。シリコン製電極を、再び図1に示したドライエッチング装置に設置し、シリコン酸化膜のドライエッチング加工をおこなった。ドライエッチング加工は図5に示した二酸化シリコン酸化膜の処理とし、ウェハ換算で2000枚、高周波印加の累積時間が100時間になるまで実施した。この時の反応室7内のパーティクルカウント数推移を図7に示した。パーティクルは高周波印加の累積時間で10時間毎にカウントした。0.25μm径パーティクルの量の増分は、高周波印加の累積時間が0から100時間と、100時間から200時間で変動はなく、150時間近傍で増加するという問題が回避できた。このことより、本洗浄方法によりシリコン製電極の清浄度が回復していることがわかった。なお、図7でプロットが50時間毎に途切れているのは、この時期に装置の保守を行ったためである。
【0060】
なお、プラスチックブラスト洗浄を行わなかった場合でも、バッファードフッ酸浸漬時間を適切に設定することによって、CFxポリマーを除去し、パーティクル発生を防止することは可能であった。ただしこの場合には、浸漬時間を60時間にする必要があった。この場合ガスノズル孔は10μm程度拡大した。
【0061】
【発明の効果】
以上詳述した如く、本発明の洗浄方法を用いれば、シリコン製電極に付着したCFxポリマーが効果的に除去され、またマイクロラフネスやガスノズル径の拡大も最小に抑制されるので、シリコン製電極を洗浄後に再利用することができる。
本発明の半導体装置の製造方法によれば、ドライエッチング工程に用いるフロロカーボン系プラズマを生成する装置の反応室内のパーティクル発生数を常に未使用シリコン製電極なみに低下させることができ、従来の性能が維持できるとともに、歩留まり低下の抑制が計れ、同時にシリコン製電極の寿命延長によるコスト低減効果が得られる等、優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 プラズマドライエッチング装置の概念図である。
【図2】 シリコン製電極の上面図である。
【図3】 洗浄液への浸漬中に超音波を印加するシリコン製電極の洗浄装置の概念図である。
【図4】 (A)、(B)、(C)および(D)は、それぞれシリコン製電極のガスノズルの形状、ガスノズルへのポリマーの付着部位、物理洗浄後のガスノズルへのポリマー残留部位および不十分な洗浄液浸漬でのガスノズルへのポリマー残留部位を示す断面模式図である。
【図5】 ドライエッチングされるウェハの概念図である。
【図6】 実施例5におけるシリコン製電極でのパーティクル挙動を示すグラフである。
【図7】 実施例6におけるシリコン製電極でのパーティクル挙動を示すグラフである。
【符号の説明】
1 上部電極
2a 上部電極基台
2b ガス拡散板
2c 冷却板
3 シリコン製電極
4 下部電極
5 静電チャック
6 ウェハ
7 反応室
8 ガス導入口
9 上部石英治具
10 下部石英治具
11 高周波電源
12 高周波電力スプリッタ
13 ガスノズル孔
13a ポリマー付着部位
14 浸漬槽
15 基台
16 超音波発生器
17 可変スペーサ
18 ドレン
19 循環ポンプ
20 フィルタ
21 シリコン基板
22 二酸化シリコン膜
23 フォトレジスト膜

Claims (6)

  1. フロロカーボン系プラズマを生成する装置の反応室内にフロロカーボン系ガスを供給するための複数のガスノズル孔が形成されたプラズマ生成用シリコン製電極を洗浄する方法であって、
    前記プラズマの生成によって形成され、前記ガスノズル孔内壁に付着したフロロカーボン系ポリマーを、シリコンに対してエッチング作用を有する洗浄液を用いて除去し、さらに物理洗浄を行うことを特徴とするシリコン製電極の洗浄方法。
  2. 前記洗浄液のシリコンに対するエッチング速度が、100nm/min以下であることを特徴とする請求項1に記載のシリコン製電極の洗浄方法。
  3. 前記洗浄液が無機酸系洗浄液であることを特徴とする請求項1または2に記載のシリコン製電極の洗浄方法。
  4. 前記洗浄液が、バッファードフッ酸を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のシリコン製電極の洗浄方法。
  5. 前記物理洗浄が、ドライアイス洗浄であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のシリコン製電極の洗浄方法。
  6. フロロカーボン系プラズマドライエッチング装置を用いて半導体装置を製造するに際し、前記プラズマドライエッチング装置の反応室内にフロロカーボン系ガスを供給するための複数のガスノズル孔が形成されたプラズマ生成用シリコン製電極を、請求項1ないしのいずれかの洗浄方法を用いて洗浄して繰り返し使用して前記フロロカーボン系ガスのプラズマを生成し、生成したプラズマを用いて半導体ウェハのドライエッチングを行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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