JP4456729B2 - 被覆切削工具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐欠損性と耐摩耗性とを兼ね備えた被覆切削工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
超硬合金切削工具において、WC基超硬合金基材の表面に炭化チタン、窒化チタン、炭窒化チタンあるいは酸化アルミニウム等の被覆層を蒸着させることにより耐欠損性と耐摩耗性を向上させ、工具寿命を向上させることが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの被覆切削工具を用いて加工を行った場合、特に溶着しやすい被削材の加工において、溶着によりすくい面側の膜剥離が起こり、基材の欠損が進行する。さらに、逃げ面においては、膜剥離からの摩耗が進行することにより工具寿命の低下が発生していた。
【0004】
従って、本発明の主目的は、損傷形態の異なるすくい面側と逃げ面側に対して、それぞれ耐欠損性と耐摩耗性を両立させ、工具寿命を向上できる被覆切削工具を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基材上に硬質被膜を形成した切削工具において、逃げ面側とすくい面側における硬質被膜を異なる性状とすることで上記の目的を達成する。
【0006】
すなわち、本発明切削工具は、基材上に硬質被膜を形成した被覆切削工具である。この基材は、1種以上の鉄族金属を含む結合相と、周期律表IVa、Va、VIa族元素の炭化物、窒化物、酸化物およびそれらの固溶体よりなる群から選択される1種以上の物質を含む硬質相とから構成される。そして、硬質被膜は、以下の条件を満たすことを特徴とする。
【0007】
▲1▼アスペクト比5以上で、厚さ3μm以上の柱状晶TiCN層を具える。
▲2▼柱状晶TiCN層の上部にAl203層を具える。
▲3▼柱状晶TiCN層の表面のうち、刃先稜線部および同稜線部のすくい面側境界部からすくい面側に500μmの範囲が主に平滑面で構成され、同稜線部の逃げ面側境界部から逃げ面側に200μmの範囲の少なくとも一部が粗面で構成される。
▲4▼周期率表IVa、Va、VIa族元素、Alの炭化物、窒化物、ホウ化物、酸化物およびこれらの固溶体よりなる群から選択される少なくとも1種以上の硬質層を具える。
【0008】
本発明者等は、基材に柱状晶TiCN層とAl203層を順に形成した被覆切削工具で、溶着し易い被削材を削ったときに発生する基材欠損のメカニズムを解析した。その結果、刃先稜線部のすくい面側境界部からすくい面側に500μmの範囲(ランド部が500μm以下のときは、そのランド部のみ:図1参照)では、上層部のAl203層に切り屑の溶着が発生し、溶着物の脱落に伴ってAl203層と共に柱状晶TiCN層も剥離し、基材の損傷に至ることがわかった。そこで、溶着に伴って基材が欠損するような膜剥離を抑制するには、Al203層の下層の柱状晶TiCN層表面を平滑面にすれば良いことが判明した。
【0009】
柱状晶TiCN層表面を平滑化することにより、上層のAl203層との密着力は減少し、Al203層が剥離し易くなる。そのため、切削を行った場合、初期の溶着によって容易にAl203層が剥離する。この剥離の際、柱状晶TiCN層は平滑でAl203層との密着強度が弱いため、ほとんど損傷を受けない状態で現れる。その結果、強靭で平滑な柱状晶TiCN層には溶着が起こり難く、基材に損傷が至るような膜剥離を抑制して、切削工具寿命を飛躍的に改善することができる。
【0010】
さらに、被削材とのこすれに伴う膜剥離からのチッピング摩耗は、刃先稜線部の逃げ面側境界部から逃げ面側に200μmの範囲で主に起こることがわかった。そこで、こすれに対して良好な耐摩耗性を有するAl203層を設け、Al203層の下層にある柱状晶TiCN層の少なくとも一部を粗面とすることで、Al203層と柱状晶TiCN層との密着力を向上し、工具の耐摩耗性を改善する。
【0011】
ここで、アスペクト比5以上、厚さ3μm以上の柱状晶TiCN層としたのは、主にAl203層が剥離した後の耐摩耗性を考慮したためである。アスペクト比は、柱状晶TiCN層の上端の水平方向粒径をd1、下端の水平方向粒径をd2としたとき、(d1+d2)/2と結晶粒の長さ(垂直方向長さ)との比をとる。
【0012】
また、刃先稜線部とは、刃先断面において、切刃を構成する曲面部分を言う。刃先稜線のすくい面側境界部とは、刃先稜線部と、そのすくい面側に連続する面との境界を言う。刃先稜線の逃げ面側境界部とは、刃先稜線部と、その逃げ面側に連続する面との境界を言う。
【0013】
柱状晶TiCN層における平滑面は、断面視野における長さの70%以上の範囲でRmax0.5以下であり、粗面は0.5μm<Rmax<5.0μmであることが好ましい。平滑面のRmaxが0.5μmを越えると、柱状晶TiCN層表面の凹凸が大きいために上層のAl203層との物理的界面密着力が大きくなる。そのために切削時にAl203層上の切り屑溶着が起こり、溶着物の脱落に伴って生じるAl203膜の剥離の際に、柱状晶TiCN層の剥離も生じるためである。
【0014】
さらに、柱状晶TiCN層における粗面が0.5μm<Rmax<5.0μmであると、柱状晶TiCN層とその上層被膜との密着力が向上し、耐磨耗性が著しく向上する。しかし、Rmaxが0.5μmより小さいと、柱状晶TiCN層とAl203層との密着力が低下し、耐摩耗性に優れたAl203が容易に剥離して摩耗が進行してしまうためである。また、Rmaxが5.0μmを越えると、チップの最表面の凹凸が大きいために、切削時に凸部に応力がかかることからの膜剥離が進行し、耐摩耗性が著しく低下するためである。
【0015】
そして、硬質被膜には、周期率表IVa、Va、VIa族元素、Alの炭化物、窒化物、ホウ化物、酸化物およびこれらの固溶体よりなる群から選択される少なくとも1種以上の硬質層を具える。この具体例としては、TiN、TiC、TiCN、TiAlN、Al2O3等が挙げられる。特に、粒状晶のTiNを基材直上に配置することで、柱状晶のTiCN層との密着力が強化され、柱状晶のTiCN層の耐欠損性・耐摩耗性が一層向上する。なお、この硬質層は単層でも多層でも構わない。
【0016】
一方、Al203層はα-アルミナで構成されることが好ましい。α-アルミナからなるAl203層は膜強度および柱状晶TiCN層との密着力に優れ、刃先稜線部および同稜線部のすくい面側境界部からすくい面側に500μmの範囲では耐欠損性が、刃先稜線部の逃げ面側境界部から逃げ面側に200μmの範囲では耐摩耗性が優れるからである。また、刃先稜線部の逃げ面側境界部から逃げ面側に200μmの範囲でAl203層の表面はRmax1.0μm以下とすることが望ましい。この構成により、下層のTiCN層の粗面化によって、密着力が向上した上に、アルミナ層表面が平滑なことにより、アルミナ層への被削材の溶着がさらに抑制される。これにより、表面の研磨のみ(従来技術)では得られなかった優れた耐剥離性が得られ、硬質被膜の剥離にともなう工具寿命の低下を抑制することができるからである。
【0017】
柱状晶TiCN層あるいはAl203層の表面粗さを制御する方法としては研磨が好ましい。特に、柱状晶TiCN層は、▲1▼研磨範囲が限定されている、▲2▼所定の表面粗さ(Rmax0.5μm以下)が得られる、といった理由からラッピング研磨が望ましい。ラッピングの研磨剤粒度を変化させることで、柱状晶TiCN層あるいはAl203層自身の表面を研磨することはもちろん、これら各層の下地表面を研磨することでも柱状晶TiCN層あるいはAl203層の表面粗さを制御することができる。
【0018】
また、硬質被膜の形成方法は、公知の物理的蒸着法(PVD)や化学的蒸着法(CVD)を利用することができる。特に、プラズマCVD法や、イオン照射法による成膜では平滑な膜が得られ、上記の規定を満たす膜を容易に得ることができる。TiCN層やTiC層の結晶状態を柱状晶にするか粒状晶にするかも公知の条件、例えば主に成膜の温度条件を制御することで調整できる。一方、基材の材料として超硬合金を用いる場合、基材表面部に脱β層を有し、この脱β層の平均厚みを5〜50μmとすることが好ましい。この構成によっても、耐摩耗性と耐欠損性の向上を図ることができ、工具寿命を延命することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(実験例1)
まず、87%WC-2.5%TiC-1.5%TiCN-3%TaNbC-6%Co(いずれも質量%)からなる組成の超硬合金を用いて、型番CNMG120408の形状の切削チップを作製した。次に、切刃部全体に刃先処理として、振動バレルを用いてすくい面側から見て0.05mm幅の曲面状面取りを施して基材とした。
【0020】
この基材表面に通常の熱CVD法により粒状晶または柱状晶TiNを被覆し、その後、柱状晶TiCN層を形成した。TiN成膜の際は、成膜温度を変化させることで、結晶状態の制御を行った。TiN層の厚みは0.3〜0.5μmである。また、柱状晶TiCN層の厚みは8.0〜10.0μmである。さらに、柱状晶TiCN層については結晶粒のアスペクト比も求めた。アスペクト比は、柱状晶TiCN層の上端の水平方向粒径をd1、下端の水平方向粒径をd2としたとき、(d1+d2)/2と結晶粒の長さ(垂直方向長さ=膜厚)との比をとる。その結果、アスペクト比はいずれのサンプルも5.8〜7.2の範囲であった。
【0021】
次に、チップを取り出し、刃先稜線部および同稜線部のすくい面側境界部からすくい面側に500μmの範囲(第一領域)ならびに刃先稜線部の逃げ面側境界部から逃げ面側に200μmの範囲(第二領域)において、4種類の硬さの人工ブラシを用いて研磨・ラッピング処理を施した後、表面粗さの測定を行ったところ、表1に示すような結果になった。刃先稜線部、刃先稜線部のすくい面側境界部、刃先稜線部の逃げ面側境界部の各々は図1に示す通りである。すなわち、刃先断面において、切刃を構成する曲面部分を刃先稜線部1とする。また、刃先稜線部のすくい面側の縁部をすくい面側境界部境界部2、刃先稜線部1の逃げ面側の縁部を逃げ面側境界部3とする。
【0022】
次に、TiCN層の上にα−Al2O3膜を被覆し、表1に記載した各種構造の硬質被覆膜を形成した。ここで、被覆膜表面の滑らかさは、基材のうねりと区別するために、基準長さ20μmに対する面粗さ(Rmax)をチップ断面の走査型電子顕微鏡写真により測定した。
【0023】
このようにして作製した切削用サンプルチップを用いて、下記に示す条件にて、切削を行い、第一領域の耐チッピング性と、第二領域における耐摩耗性(VB摩耗)の評価を行った。
【0024】
切削条件
被削材 :FC25
切削速度:180m/min
切り込み:1.5mm
送り :0.25mm/rev
切削時間:30分
切削油 :水溶性
【0025】
【表1】
Figure 0004456729
【0026】
表1に示すように、柱状TiCN層表面において第一領域でRmax≦0.5μmにした場合、すくい面においてはAl2O3膜が剥離して平滑な柱状晶TiCN層が露出した後に基材露出または基材欠損にまでおよぶことが効果的に抑制でき、TiCNの耐剥離性が著しく向上できることがわかる。
【0027】
さらに、逃げ面側においては、第二領域にRmax0.5〜5.0μmである部分が存在する場合は、同一切削時間における摩耗が抑えられ、耐摩耗性と耐剥離性が両立されていることかわかる。
【0028】
また、TiNが粒状晶である場合、柱状晶である場合と比較して、基材との密着力、さらには上層のTiCN層との密着力が向上するため、より好ましい。
【0029】
(実験例2)
柱状晶TiCNの被覆まで実験例1の試料と同様に処理し、さらに表1のNo.2の試料と同じブラシを使い、第一領域にすくい面側から、第二領域に逃げ面側から同様の磨き処理を行ったチップを4個と、比較として表1のNo.8の試料と同じブラシを使い、同様の磨き処理を行ったチップを作製し、表面粗さの測定を行った。その結果を表2に示す。
【0030】
次に、柱状晶TiCNの上にκ−Al2O3膜またはα−Al2O3膜を被覆し、表2に記載した各種構造の硬質被覆膜を形成した。さらに、被覆したAl2O3膜上からすくい面、逃げ面をそれぞれブラシを用いて、研磨・ラッピング処理を施して表面粗さを測定したたところ、表2に示す結果となった。表面粗さの測定は、基材のうねりと区別するために、基準長さ20μmに対する面粗さ(Rmax)をチップ断面の走査型電子顕微鏡写真により測定した。
【0031】
このようにして作製した切削用サンプルチップを用いて、下記に示す条件にて切削を行い、第一領域の耐チッピング性と、第二領域の耐摩耗性(VB摩耗)を評価した。
【0032】
切削条件
被削材 :SCM415
切削速度:300m/分
切り込み:1.5mm
送り :0.3mm/rev
乾式切削
【0033】
【表2】
Figure 0004456729
【0034】
表2より、Al2O3膜表面をブラシ処理することによって表面粗さを平滑にすると逃げ面における耐摩耗性が良くなる。これは、下層のTiCN表面の一部に粗い部分があることによりAl2O3との密着力が向上し、そのAl2O3膜の表面が平滑であることからAl2O3の表面の凸部から剥がれ落ちるようなこすれ摩耗が抑制されるためである。
【0035】
Al2O3層表面はRmax1.0μm以下であることが好ましく、1.0μm超の場合は、Al2O3層の凸部に被削材が溶着しやすくなり、長時間切削を行った場合、逃げ面の異常摩耗につながる。
【0036】
(実験例3)
表3に示した組成の異なるA〜Dの超硬合金基材を用いて、実験例1,2と同様に切削チップの作製を行った。ここで、Bの超硬合金は実験例1,2で用いたものである。切刃部全体に刃先処理として、振動バレルを用いてすくい面側から見て0.05mm幅の曲面状面取りを施した。そして、各基材の脱β層の厚みを測定した。脱β層は周期率表IVa、Va、VIa族元素の炭化物と鉄族金属(Co)のみからなり、切刃稜線を構成する面の平坦部に対してほぼ平行に析出していた。また、脱β層の厚みは、この平坦部に沿った部分での厚みを測定した。
【0037】
この基体表面に通常の熱CVD法(化学蒸着法)によりTiNを被覆し、その後、柱状晶TiCNを被覆した。TiN成膜の際は、成膜温度を変化させることで、粒状晶に制御を行った。実験例1に示したNo.2の試料と同様に柱状晶TiCN表面のブラシ処理を行った。
【0038】
TiN層の厚みは0.3〜0.5μmである。また、柱状晶TiCN層の厚みは8.0〜10.0μmである。さらに、柱状晶TiCN層については結晶粒のアスペクト比も求めた。その結果、アスペクト比はいずれのサンプルも5.8〜7.2の範囲であった。
【0039】
次に、柱状晶TiCN層の上にα−Al2O3膜を被覆し、表4に記載した各種構造の硬質被覆膜を形成した。さらに、被覆したAl2O3膜上からすくい面、逃げ面をそれぞれブラシを用いて、研磨・ラッピング処理を施したところ、表4に示すような結果となった。これは表2のサンプルNo.2-1と同等処理のものである。被覆膜表面の滑らかさは、基材のうねりと区別するために、基準長さ20μmに対する面粗さ(Rmax)をチップ断面の走査型電子顕微鏡写真により測定した。
【0040】
このようにして作製した切削用サンプルチップを用いて、下記に示す条件にて、切削を行い、第一領域の耐チッピング性と、第二領域の耐摩耗性(VB摩耗)の評価を行った。
【0041】
【表3】
Figure 0004456729
【0042】
切削条件
被削材 :SCM415
切削速度:300m/分
切り込み:1.5mm
送り :0.3mm/rev
乾式切削
【0043】
【表4】
Figure 0004456729
【0044】
表4より、基材の組成を変化させ、脱β層厚みは5μm以下になると切削の際、切れ刃部の硬度が高いため、刃先部に小さなチッピングが見られ、摩耗量は小さいが、そのチッピングによって摩耗の乱れがみられる。
【0045】
また、脱β層が50μm以上になると刃先部表面の硬度が低くなり、耐摩耗性が低下する。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明切削工具によれば、刃先稜線部からすくい面側と逃げ面側とで異なる性状の硬質被膜を形成することで、耐欠損性と耐摩耗性とを両立することができ、長寿命の切削工具を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明切削工具における刃先稜線部、刃先稜線部のすくい面側境界部、刃先稜線部の逃げ面側境界部の説明図である。
【符号の説明】
1 刃先稜線部
2 すくい面側境界部
3 逃げ面側境界部

Claims (6)

  1. 基材上に硬質被膜を形成した被覆切削工具であって、
    前記基材は、1種以上の鉄族金属を含む結合相と、周期律表IVa、Va、VIa族元素の炭化物、窒化物、酸化物およびそれらの固溶体よりなる群から選択される1種以上の物質を含む硬質相とからなり、
    前記硬質被膜は、以下の条件を満たすことを特徴とする被覆切削工具。
    ▲1▼アスペクト比5以上で、厚さ3μm以上の柱状晶TiCN層を具える。
    ▲2▼柱状晶TiCN層の上面にAl203層を具える。
    ▲3▼柱状晶TiCN層の表面のうち、刃先稜線部および同稜線部のすくい面側境界部からすくい面側に500μmの範囲が主に平滑面で構成され、同稜線部の逃げ面側境界部から逃げ面側に200μmの範囲の少なくとも一部が粗面で構成される。
    ▲4▼周期率表IVa、Va、VIa族元素、Alの炭化物、窒化物、ホウ化物、酸化物およびこれらの固溶体よりなる群から選択される少なくとも1種以上の硬質層を具える。
  2. 前記柱状晶TiCN層における平滑面はRmax0.5μm以下であり、粗面が0.5μm<Rmax<5.0μmであることを特徴とする請求項1に記載の被覆切削工具。
  3. 硬質層は基材の直上に形成される粒状晶TiN層であることを特徴とする請求項1または2に記載の被覆切削工具。
  4. Al203層の表面が刃先稜線部の逃げ面側境界部から逃げ面側に200μmの範囲でRmax1.0μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の被覆切削工具。
  5. Al203層がα-アルミナで構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の被覆切削工具。
  6. 基材の最表面に周期率表IVa、Va、VIa族元素の炭化物と鉄族金属のみからなる脱β層が切刃稜線を構成する面の平坦部に対してほぼ平行に析出し、
    その脱β層の厚みが前記平坦部に沿った部分で5〜50μmになっていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の被覆切削工具。
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