JP4454785B2 - 脈波検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、脈波検出装置に係り、詳細には、動脈に対する超音波の送受信により脈波を検出する脈波検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
動脈を流れる血流による脈波を検出することは、医療現場や健康管理を行う際に広く行われている。この脈波検出は、触診により所定時間の脈拍数として検出する場合の他、脈波検出装置を使用して電子的に脈拍数等を自動検出することも広く行われている。
電子的に脈波を検出して脈拍数を得る装置として、ピエゾ型の圧電素子をセンサとして動脈上に配置し、動脈内部の圧力変化に伴う表皮の圧力変化(圧力による表皮の変位)から脈拍数を検出するものや、超音波を利用して脈拍数を検出するものが存在する。
超音波を利用する脈波検出装置としては、血流によるドップラ効果を利用したものがあり、例えば、特開平1−214335号公報や、USP4086916で提案されている。
【0003】
図17は、このようなドップラ効果による超音波の周波数変化の様子を表したものである。
いま、図17(a)に示されるような周波数f0の超音波を体表面から動脈に向けて発信すると、発信した超音波は動脈を流れる血液で反射される。この反射波を受信素子で受信すると、反射波の周波数の変化を検出することができる。すなわち、受信波の周波数をf1とすると、図17(b)に示すように、心臓の収縮期は動脈を流れる血流の速度が速いので、反射波の周波数はドップラ効果により高くなり(A部分)、逆に心臓が弛緩している間の血流速は低いためA部分よりも周波数が低くなる(B部分)。
このように、心臓の拍動に従って流速が変化する動脈内の血流に超音波を照射して、周波数の変化を検出することで脈波を検出し、さらに脈拍数を検出したり、血流速を検出したりすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように超音波ドップラ効果を利用して脈波を検出する脈波検出装置では、超音波を使用するので消費電力が非常に大きくなるという問題がある。
従って、従来の脈波検出装置では、病院や自宅等の電力を十分に供給可能な環境において使用しなければならなかったり、又はこのような環境以外で使用する場合には短期間だけしか脈波を測定できないという問題があった。
特に、腕時計に組み込んだ脈波検出装置のように、携帯可能なサイズ、重量の脈波検出装置の場合には、バッテリの容量が限られてしまうため、使用時間が更に短くなってしまうという問題がある。
【0005】
そこで、本発明はこのような従来の脈波検出装置における課題を解決するためになされたもので、低消費電力で脈波を検出することができ、使用時間を延ばすことが可能な脈波検出装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の脈波検出装置では、動脈に向けて超音波を発信する発信手段と、この発信手段から発信され前記動脈を流れる血液で反射された超音波を受信する受信手段と、この受信手段で受信された超音波から脈波に関する脈波情報を取得する脈波情報取得手段と、この脈波情報取得手段により取得された脈波情報を出力する出力手段と、前記脈波情報取得手段により取得された脈波情報から、次の脈拍を予想する脈拍予想手段と、この脈拍予想手段により予想される脈拍を含む所定時間だけ前記超音波を発信するように前記発信手段を間欠的に駆動する間欠駆動制御手段とを具備させる。
そして、前記脈波情報取得手段は、前記受信手段で受信された超音波の周波数変化を検出する周波数検波手段又は振幅変化を検出する振幅検波手段を有し、前記周波数検波手段又は振幅検波手段による検波信号から脈波情報を取得する。
【0007】
このように、脈波情報を取得し、その脈波情報から次の脈拍を予想し、予想される脈拍を含む所定時間だけ超音波を発信するので、消費電力を駆動デューティー比分に抑えることができる。そして、低消費電力の脈波検出装置とすることができるため、例えば、脈波検出装置を時計に組み込むことで、日常的に長期間使用することが可能になる。この場合、時計で使用する発振手段の一部又は全部を本発明の駆動制御手段として共用することができ、これにより更に簡単な構成とすることができる。
この本発明の脈波検出装置では、前記脈波情報取得手段は、前記脈波情報を記憶する記憶手段を備え、前記出力手段は、この記憶手段に格納された脈波情報を出力する、ようにしてもよい。すなわち、所定時間分の脈拍情報や検波情報を記憶手段に格納しておき、例えば、医療診断装置等の外部装置に対して出力することで、総合的な医療診断に利用することができる。
また本発明の脈波検出装置では、前記脈波情報取得手段は、前記検波信号から脈拍数を脈波情報として取得し、前記出力手段は、前記脈波情報取得手段により取得された脈拍数を出力する、ようにしてもよい。これにより、最も一般的な脈拍を日常的に確認することができる。
また本発明の脈波検出装置では、更に表示手段を備え、前記脈波情報取得手段は、前記検波信号から脈波に関する情報として脈拍数又は脈波波形を取得し、前記出力手段は、前記脈波情報取得手段により取得された脈拍数又は脈波波形を前記表示手段に出力する、ようにしてもよい。これにより、脈拍数又は脈波波形を表示することで、日常生活のなかでも容易に脈拍数や脈波波形を確認することができる。
【0008】
また、本発明において、前記駆動制御手段は、前記脈拍を含む所定時間の間、前記発信手段を間欠的に駆動する。このように発信手段を間欠駆動することで、より消費電力を下げることができる。
また、発信手段の間欠駆動と共に、受信手段も間欠駆動するようにしてもよく、この場合両者の間欠駆動タイミングを調整可能にすることで、発信と受信の立ち上がり時間を最適な状態に調整することができる。例えば、発信手段の駆動タイミングよりも所定時間だけ遅れて受信手段の駆動を開始することで、発信を開始してから超音波の出力が安定するまでの間は受信手段で受信しないようにすることができる。
また本発明の脈波検出装置において、前記駆動制御手段は、前記発信手段及び受信手段の双方を間欠的に駆動すると共に、前記発信手段の駆動時間と受信手段の駆動時間を変える。発信手段と受信手段の駆動時間をそれぞれ独立して調整可能にすることで、例えば、受信手段の駆動時間を短くし、安定した超音波を確実に受信することができる。また受信手段の駆動時間を長くすることで、発信された超音波の全てを確実に受信することができる。
また本発明の脈波検出装置において、前記駆動制御手段は、間欠駆動する駆動時間と、駆動停止時間を変える。駆動時間と駆動停止時間を調節可能にすることで、消費電力を下げながら最適な駆動とすることができる。
また本発明の脈波検出装置において、前記駆動制御手段は、想定される最大脈拍数の倍以上の周波数で間欠駆動する。例えば、想定最大脈拍数を240拍/分として、8Hz以上の周波数で発信手段及び受信手段の少なくとも一方を間欠駆動する。このように常に被検波の2倍以上の周波数で間欠駆動されるため、常に安定的に脈波を検出することができる。この場合、想定される脈拍数が低くても(安静時だけなら上限100拍/分)同一の周波数8Hzで間欠駆動する。
また本発明の脈波検出装置において、前記駆動制御手段は、商用電力の周波数の倍以上の周波数で間欠駆動する。すなわち、商用周波数50Hz、60Hzの2倍以上の周波数120Hzで間欠駆動することで、商用周波数によるノイズの影響を受けにくくすることができる。この場合、間欠駆動する周波数を128Hzとすることで、時計で使用されている発振器の発信周波数32KHzを分周して使用することができ、時計に脈波検出装置を配置した場合に簡単な構成とすることができる。
また本発明の脈波検出装置において、前記駆動制御手段は、商用電力の周波数の倍以上の周波数で、かつデューティー比が最も低くなる周波数で間欠駆動する。
【0009】
また、本発明は、上述の脈波検出装置において、前記脈拍予想手段は、前記脈波情報取得手段で取得される前記脈波情報から、脈拍数または拍動の間隔を取得し、この脈拍数または拍動の間隔に基づいて次の脈拍を予想する。
この場合、前記脈拍予想手段は、前記脈波情報取得手段で取得される前記脈波情報から、複数の脈拍数または複数の拍動の間隔を取得し、前記脈拍数または前記拍動の間隔の変化に基づいて次の脈拍を予想するものとすることができる。
また、前記脈波情報取得手段により取得された前記脈波情報から、脈拍の可能性のある脈拍候補とその検出タイミングを検出する脈拍候補検出手段と、前記脈拍候補検出手段で検出された脈拍候補の検出タイミングと前記脈拍予想手段により予想される脈拍のタイミングとのずれに基づいて、前記脈拍候から脈拍を決定する脈拍決定手段とを備え、前記脈拍予想手段は、前記脈拍決定手段で決定された前記脈拍に基づいて、前記脈拍数または前記拍動の間隔を取得するものとすることができる。
【0010】
更に、本発明は、上記各脈波検出装置において、前記脈波情報取得手段により取得された前記脈波情報から、脈拍の可能性のある脈拍候補とその検出タイミングを検出する脈拍候補検出手段と、前記脈拍候補検出手段で検出された脈拍候補の検出タイミングと前記脈拍予想手段により予想される脈拍のタイミングとのずれに基づいて、前記脈拍候から脈拍を決定する脈拍決定手段とを備え、前記駆動制御手段は、前記脈決定手段により脈拍が決定されると、前記所定時間の経過の前に関わらず前記発信手段の駆動を停止する脈波検出装置を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の脈波検出装置における好適な実施の形態について、図1から図15を参照して詳細に説明する。
(1)本実施形態の概要
本実施形態の脈波検出装置では、発信器11から周波数10MHzの超音波f0を体表面から動脈2に向けて発信し(発信手段)、反射対象物(測定対象物)である血流のドップラ効果で周波数変調された反射波f1を受信器21で受信する(受信手段)。この受信波をFM検波することで脈波を抽出し、更に脈拍を計数して(脈波情報取得手段)、表示する(出力手段)。
この脈波情報から、拍動検出部35が脈波のピークでパルス波Pを出力する。駆動制御部52は、パルス波Pから所定時間t1後に超音波の発信を停止する。そして、駆動制御部52は、パルスPから次の脈拍(のピーク点)までの時間t4を脈拍数から予想し、この時間t4から変動時間を含めた時間t3だけ手前の時間、すなわち、超音波の発信停止から所定時間t2(パルス波Pから時間t1+t2)経過した時点で再び超音波を発信器11から発信させる。
このように発信器11からの超音波を、予想される脈拍の前後所定時間(t1+t3)だけ発信するように駆動制御することで、消費電力を少なくすることができ、時計等の小型でバッテリ容量が小さい携帯装置であっても取り付けることが可能になり、かつ長時間使用が可能になる。
【0012】
(2)本実施形態の詳細
図1は、第1の実施形態における脈波検出装置の構成を表したものである。
この図1に示すように、脈波検出装置は、動脈2に向けて超音波を発信するための、発信器11と、駆動回路12と、高周波発振回路13を備えている。
また脈波検出装置は、動脈を流れる血液で反射される超音波を受信して脈拍を得るための、受信器21と、高周波増幅回路31と、F/V変換回路32と、検波回路33と、サンプルホールド回路34と、拍動検出部35と、脈拍数演算部36と、表示装置41を備えている。
【0013】
更に、脈波検出装置は、脈拍予想手段及び駆動制御手段として機能する駆動制御部52を備えている。
この駆動制御部52は、図示しない計時部を備えており、拍動検出部35から供給されるパルス信号Pと、脈拍数演算部36から供給される脈拍数とから、次の脈拍を予想すると共に、次の脈拍の前後所定時間オンする駆動信号F0を、高周波発振回路13、高周波増幅回路31、F/V変換回路32、及び検波回路33及びに供給するようになっている。
【0014】
高周波発振回路13は、周波数10MHzの高周波信号を発生させるとともに、駆動制御部52から供給される駆動信号F0がオン(ハイレベルの信号)の間発生した10MHzの高周波信号を出力するようになっている。
駆動回路12は、高周波発振回路13から供給される高周波信号を出力用のパワーにまで増幅して、発信器11に供給することで超音波f0を発信器11から発信させる回路である。
【0015】
発信器11から発信された超音波f0は、動脈2の血流により周波数変調を受けながら反射され、この反射波f1は、受信器21で受信されて高周波増幅回路31に供給されるようになっている。
高周波増幅回路31は、反射波f1を増幅してF/V変換回路32に供給する回路である。
F/V変換回路32は、周波数値に応じた電圧利得の変化を利用して、周波数の値に応じた電圧を出力する回路である。
検波回路33は、振幅検波によりその包絡線に対応した電圧(脈波波形に応じて変化する電圧波形)を出力する回路である。
拍動検出部35は、検波回路から供給される電圧波形をそのまま脈拍数演算部36に供給すると共に、電圧波形のピークを検出してパルス信号Pを出力するようになっている。
脈拍数演算部36は、検波回路33で検波され拍動検出部35を介して供給される電圧波形から1分間当たりの脈拍数Nを演算するようになっている。脈拍数演算部36で演算した脈拍数Nは表示装置41に供給すると共に、駆動制御部52に供給される。脈拍数演算部36は、脈波波形(電圧波形)も表示装置41に供給するようになっている。
表示装置41は、表示部と駆動部を備えており、供給される脈波波形と脈拍数Nをディジタル表示する。
【0016】
次に、以上のように構成された本実施形態の動作について説明する。
まず、動脈2に向けて発信した超音波が血流速のドップラー効果によって周波数変調されることから脈波を検出する原理について説明する。
動脈2を流れる血液は、心臓の収縮期(脈拍)と弛緩期によって、血流速度が変化する。このため発信した超音波の周波数は、血流で反射される際のドップラー効果によって変化する。
この場合の反射波の周波数f1は、超音波の周波数をf0、血流速をv、体内での音速をc、血流速に対する超音波の入射角をθとした場合、次の式(1)から求まる。
f1=f0(1+2v×cosθ/c) …(1)
そして、超音波の周波数は、反射によってf0からf1の範囲で変化し、その偏位dfは、次の式(2)となる。
df=f1−f0=f0×2v×cosθ/c …(2)
従って、例えば各値を、c=155m/s、v=0.3m/s、f0=9.5とすると、周波数偏位dfは3.8KHzとなる。
式(2)において、血流速vは脈拍によって変動するため、周波数偏位dfは約2KHzから4KHzの範囲で変化することになる。
本実施形態では、この周波数偏位dfの変化を、周波数変調波の復調方式によって検出することで、脈波を検出するようにしている。
【0017】
図2は、脈波検出装置の各構成部分における出力波形を表したものである。
駆動制御部52では、図2(a)に示すように、拍動検出部35から供給されるパルス信号Pと脈拍数演算部36から供給される脈拍数Nとから、所定時間オンする駆動信号F0を、高周波発振回路13、高周波増幅回路31、F/V変換回路32、及び検波回路33に供給する。
高周波発振回路13は、図2(b)に示すように、供給される駆動信号F0がオンの間、周波数10MHzの高周波信号f0を発生させて、駆動回路12に供給する。
駆動回路12では、供給される高周波信号f0の出力パワーを増幅して、圧電素子からなる発信器11に供給することで、発信器11からは、図2(b)で示す高周波f0と相似系の超音波f0が動脈2に向けて発信される。
【0018】
この発信された超音波f0は、動脈2を流れる血液で反射される際のドップラ効果によって、周波数変調(FM変調)された反射波f1が、図2(c)に示すよううに、受信器21で受信される。
この反射波f1は、高周波増幅器31で増幅された後、F/V変換回路32に供給される。
F/V変換回路32では、増幅された反射波f1の周波数変化を、図2(d)に示すように、電圧の変化すなわち振幅の変化に変換する。この振幅の変化を検波回路33において振幅検波することで図2(e)に示すように、包絡線に対応して電圧変化する脈波波形を得る。この脈波波形は、拍動検出部35に供給される。また、脈波波形は、更に、脈拍数演算部36を介して表示装置41にも供給されて、画像表示される。
拍動検出部35では、供給される図2(e)の脈波波形から、図2(f)に示すように、拍動に対応するピークを検出し、パルス信号Pを駆動制御部52に供給する。
【0019】
脈拍数演算部36では、例えば、比較回路により比較値を超えた場合にパルス波を発生させ、このパルス波の時間間隔を所定回数(例えば、3回、5回、7回、10回等)測定し、各回の測定時間の平均時間Tから1分間の脈拍数Nを次の数式(3)に従って求めるようになっている。
N=60/T … (3)
なお、脈拍間の平均時間Tから脈拍数を求める場合に限られず、例えば、所定時間t(例えば、10秒)内に発生するパルス数wを検出し、次の数式(4)により1分間の脈拍数Nを求めるようにしてもよい。
N=w×(60/t) … (2)
脈拍数演算部35は、この求めた脈拍数Nを表示装置41と、駆動制御部52に供給する。
【0020】
表示装置41では、供給された脈拍数Nを、脈拍波形と共に液晶表示画面にディジタル表示する。更に、供給されるパルス信号に応じて緑色の点滅表示を行うことで脈拍の存在を示す。この緑色の点滅を見ることで、ユーザは自分の脈波を視覚的に認識することができる。
なお、供給されるパルス信号に応じてパルス音を出力することで脈拍の存在を聴覚により認識できるようにしてもよい。
【0021】
図2(a)、(f)に示すように、拍動検出部35から拍動に対応するパルス信号Pが供給されると、駆動制御部52は、パルス信号Pから時間t1後に駆動信号F0をオフ(ロウレベル)にする。これによって、発信器11からの超音波f0の発信が停止される。
そして、駆動制御部52は、脈拍数演算部36から供給される脈拍数Nから、時間t4を脈拍数から予想する。この時間t4から、変動時間を含めた時間t3だけ手前の時間、すなわち、駆動信号F0のオフ(超音波の発信停止)から所定時間t2(パルス波Pから時間t1+t2)経過した時点で再び駆動信号F0をオンにする。これにより、次の脈拍が発生する所定時間t3だけ手前から再び超音波f0が発信器11から発信される。
このように本実施形態では、発信器11からの超音波を、予想される脈拍の前後所定時間(前t3+α)+後t1だけ発信し、脈拍と脈拍の間の時間t2は超音波の発信を停止するように駆動制御することで、消費電力を少なくすることができ、時計等の小型でバッテリ容量が小さい携帯装置であっても取り付けることが可能になり、かつ長時間使用が可能になる。なお、αは予想した次の脈拍と実際の脈拍によるパルス信号P出力との誤差時間である。
【0022】
図3は、時計に組み込んだ脈波検出装置により脈波を検出する状態を表したものである。
この図3に示されるように脈波検出装置(時計)60は、時計本体61と、ベルト62を備えており、ベルト62の内側にはセンサ19が取り付けられている。
時計60は、一般の時計と同様に、時計本体61を手の甲側にして左(又は右)手首2aに取り付けるようになっている。その際、センサ19の位置は、図3(b)に示されるように、とう骨動脈上に位置するようにセンサ19をベルト62の長さ方向に移動して位置調整できるようになっている。
センサ19には、発信器11と受信器21とが、図3(c)に示されるように、とう骨動脈2に沿ってベルト62の長さ方向と直交する方向に並べられ、手先側に発信器11が肩側に受信器21が配置されている。なお、発信器11と受信器21の配置位置は、この逆であってもよい。
【0023】
時計本体61には、時計のムーブメント等の駆動部の他、駆動回路12、高周波発振回路13、高周波増幅回路31、F/V変換回路32、検波回路33、拍動検出部35、脈拍数演算部36、表示装置41、及び駆動制御部52が配置されている。
センサ19と、時計本体61の駆動回路12、高周波増幅回路31とは、ベルト62内に組み込まれた図示しない配線によって接続されている。
時計本体61の表示面(文字盤)は、時計としての時刻、日付、曜日等が表示される時計表示部63と、表示装置41とを備えている。表示装置41は、脈拍数Nが表示される脈拍数表示部64と、各脈拍に応じて緑色点滅する脈拍表示部65を有している。
なお、脈拍表示部65の点滅色を脈拍数に応じて変えるようにしてもよい。例えば、69以下を黄色点滅、脈拍数が70〜90の間は青色点滅、91〜110の間を緑色点滅、111〜130の間を橙色点滅、131以上を赤色点滅とする。このように、脈拍数に応じて脈拍表示部65の点滅色が変化するので、現在の脈拍の状態を容易に区別することができる。
【0024】
以上説明したように、第1の実施形態によれば、発信器11から発信する超音波f0を脈拍前後のみ発信し、脈拍間は発信を停止するようにしたもので、消費電力を駆動デューティー比分に抑えることができる。
従って、図3に示した時計のような、小型でバッテリ容量が限られている携帯機器であっても、低消費電力とすることで長時間使用することが可能になる。
【0025】
次に第2の実施形態について説明する。なお、第2実施形態における脈波検出装置の構成は、各部の機能や動作、出力信号が一部異なることを除いて、図1に示す第1実施形態の構成と同様であるので、機能等の異なる部分について説明し、同一部分の説明は適宜省略する。
第1の実施形態では、脈拍の前t3(+α;予想との誤差時間)+後t1の時間だけ10MHzの超音波を連続的に発信するようにしたが、この第2の実施形態では、脈拍の前後の時間(t3+α+t2)の間、超音波を64Hzで間欠的に出力するようにしたものである。
【0026】
図4は、第2実施形態における各部の波形を表したものである。
駆動制御部52は、第1実施形態と同様に、拍動検出部35と脈拍数演算部36から供給されるパルス信号Pと脈拍数Nとから、図4(a)に示されるように、駆動信号F0を内部的に発生させる。そして、図示しない低周波発振回路から発振される32KHzの発振信号を1/500に分周して、図4(b)に示すように、周波数64Hzの間欠駆動信号F1とし、高周波発振回路13、高周波増幅回路31等に供給する。
なお、32KHzの発振信号を出力する低周波発振回路は、駆動制御部52が備えてもよく、また、図3に示すように脈波検出装置を時計に組み込む場合には時計で使用されている発信周波数32KHzの発信器を兼用するようにしてもよい。
【0027】
間欠駆動信号F1が供給されると、高周波発振回路13では、10MHzの高周波信号f0を、図4(c)に示すように間欠的に駆動回路12に供給する。
駆動回路12では、供給される高周波信号f0の出力パワーを増幅して、発信器11に供給することで、発信器11からは、図4(c)で示す、高周波f0と相似系の超音波f0が動脈2に向けて間欠的に発信される。
【0028】
この発信された超音波f0は、動脈2を流れる血液で反射される際に周波数変調されて反射波f1が、図4(d)に示すように、受信器21で受信される。
この反射波f1は、高周波増幅器31で増幅された後、F/V変換回路32で周波数変化が、図4(e)に示すように、電圧による振幅変化に変換される。この振幅の変化を検波回路33において振幅検波することで図4(f)に示すように、包絡線に対応して電圧変化する脈波波形を得る。この脈波波形は間欠駆動信号F1に対応して間欠的なので、検波回路33において、サンプルホールド処理をすることで、図4(g)に示すように、連続する信号として拍動検出部35に供給する。
【0029】
拍動検出部35、脈拍数演算部36では、第1実施形態と同様に、検波回路33から供給される脈拍波形から、拍動に対応するパルス信号P及び脈拍数Nを駆動制御部52に供給する。駆動制御部52では、第1実施形態と同様に、パルス信号Pから時間t1後に駆動信号F0をオフにすると共に、間欠駆動信号F1の出力を停止する。更に駆動制御部52では、脈拍数Nから時間t4及びt2を求め、パルス信号Pから時間t1+t2後に間欠駆動信号F1を高周波発振回路13に供給する。
【0030】
このように第2実施形態によれば、予想される脈拍の前後にのみ超音波を発信するだけでなく、この間の超音波を間欠的に発信するので、更に消費電力を下げることができる。
【0031】
次に第3の実施形態について説明する。
第1及び第2の実施形態では、発信器11から発信する超音波の周波数を10MHzとすることで、血流で変化する反射波の周波数が変化することに着目して周波数変化から脈波を検出するようにしたものである。
これに対して、第3実施形態では、動脈を流れる血流量による超音波の減衰を利用して脈波を取得するようにしたものである。
【0032】
先ず、本実施形態による脈波検出の原理及び概要について図5を参照して説明する。
動脈は、脈波により血流量が変化すると、超音波が伝搬する場合の伝達係数が変化する。これは、脈波によって動脈の血流量及び血液密度が変化し、超音波の減衰率が変化するためであると考えられる。
本実施形態では、以上の原理に基づいて、発信器11から動脈に向けて、図5(a)に示す超音波を発信する。この場合の超音波の周波数f3は、血流による周波数変調を目的とした超音波の周波数f0=10MHzよりも小さい値であるf3=32KHzとすることで、動脈2中を伝搬しながら受信器21に伝わる。
この超音波が動脈2中の脈流によって減衰しながら伝搬され、図5(b)に示すように、脈拍に対応して減衰(矢印G部分)した超音波(伝搬波)が受信器21で受信され、受信した超音波の振幅検波を行うことで図5(c)に示す脈波波形(脈波情報)Hが得られるものである。
【0033】
本実施形態では、このような原理に基づいて、発信器11から発信される超音波の減衰量の変化を検出することで脈波を検出する。そして、第1実施形態、第2実施形態と同様に、駆動制御部52から供給される駆動信号F0又は間欠駆動信号F1に従って、脈拍の前後のみ超音波f0を発信させる。
本実施形態によれば、発信周波数10MHzに対してドップラ効果による周波数変化が2〜4KHzと小さい値(数%の範囲)であるのに対して、減衰率の変化量は出力パワーの10%以上であることから、本実施形態では脈波による減衰率の変化をより正確に検出することが可能になる。
また、体動があっても血流量(血流速)自体に変化がないので、超音波の振幅変化に対して体動がノイズとなりにくいため、体動の影響を受けにくい脈波検出とすることができる。
【0034】
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
なお、第4の実施形態における脈波検出装置の構成は、各部の機能や動作、出力信号が一部異なることを除いて、図1に示す第1実施形態の構成と同様であるので、機能等の異なる部分について説明し、同一部分の説明は適宜省略する。
【0035】
第1の実施形態では、脈拍の前t3(+α;予想との誤差時間)から超音波が発生され、得られる脈波波形のピークのうち、所定の閾値を超えたものが拍動に対応するピークであると特定される。そして拍動が検出された(パルス信号が発生された)後t1の時間だけ超音波が発信される。
本本実施形態では、予想される脈拍の前後所定の長さだけ超音波が発信され、実際の拍動の検出とは無関係に所定の時間の後に停止されるようになっている。そして、超音波が発信されている間の脈波波形のピークのうち、所定の閾値を超え且つ予想されるタイミングに最も近く発生したピークが、拍動に対応するものとして特定される。
【0036】
図6は、本実施形態による脈波検出処理の処理の流れを表したフローチャートである。
本実施形態において脈波検出処理が開始されると、まずはじめに、図6に示すように、駆動制御部52において駆動信号F0がオン状態とされる。駆動信号F0オンの状態では、駆動回路12から高周波信号f0が供給され、発信器11から超音波f0が発信される(ステップ1)。そして、動脈の血液に反射した反射波が受信器21で受信される。受信器21からの反射波に基づく信号は、高周波増幅回路31、F/V変換回路32、検波回路33を通り脈波波形に変換され、拍動検出部35において脈波波形のピークから拍動とそのタイミングが検出される。また、検波回路33からの脈波波形は拍動検出部35を介して脈拍数演算部36に出力され、脈拍数演算部35において、脈波波形から検出されるピークに基づいて脈拍数Nが算出され、駆動制御部52に出力される(ステップ3)。
【0037】
尚、上述した駆動開始直後での拍動の検出は、脈波波形(電圧波形)のピークのうち所定の閾値を超えているものを、拍動に対応するものとして検出することができる。また、検波回路33から出力される電圧波形を微分し、微分した波形のピークのうち所定の閾値を超えているものを拍動に対応するものとして、拍動を検出してもよい。
図7は、検波回路33から出力される波形と当該波形を微分した波形とを表したものであり、(a)は検波回路33から出力される波形、(b)は(a)の波形を微分した波形である。
この図7に示すように、脈波波形は、微分することによって、ノイズによるピークと拍動によるピークとのピークの高さの差が大きくなるので、微分後の波形から拍動に対応するピークを検出ことによって、ノイズが誤検出されるのを良好に回避することができる。
【0038】
所定時間駆動信号F0をオンした後、駆動制御部52は、駆動信号F0をオフし、発信器11からの超音波の発信を停止させる(ステップ7)。
そして、駆動信号F0のオフ後(ステップ7後)、脈拍数演算部35から取得した脈拍数Nと、拍動検出部35から取得した拍動のタイミングとから、次の拍動のタイミングを予測する(ステップ11)。
図8は、駆動制御部52における次の拍動のタイミングの予測及びゾーンの設定について表した説明図である。
この図8に示すように、本実施形態においては、脈拍数演算部36で脈拍数Nに基づいて、拍動として特定された最も新しい(最も最後の)2つのピークP00,P0間の時間間隔RR0と、拍動のうちタイミングが最も新しい拍動P0の当該タイミングとから、拍動P0の次の拍動P1までの時間間隔t4とが同じであると仮定して、次の拍動P1のタイミングを予想する。すなわち、拍動P0のタイミングからt4後を、次の拍動のタイミングと予測する。
このように、本実施形態では、次の拍動の予測に、その前に取得された2つの拍動の脈拍間隔RRとを用いており、次の拍動を予測するための演算量が少なくて済み、また、必要な記憶容量を少なく抑えることができる。
【0039】
次の拍動予測すると、駆動制御部52は、ゾーン設定処理を行う(ステップ13)。本例においては、ゾーン設定処理では、駆動信号F0がオンの時間のゾーン(駆動ゾーンZ)が決定される。
この駆動ゾーンZは、図8に示すように、次の脈の予想されるタイミングに対してその前後それぞれに拍動間隔RR0(=t4)のY%となるように設定される。
【0040】
図9は、安静・リラックス時においてパルス信号Pを検出し、その前のパルス信号Pとの間隔RR、脈拍数N、及び、脈動の間隔RRの変化の割合を算出した結果をあらわす表である。また、図10は図9の表を、グラフにしたものであり、(a)は、脈動の間隔RRの経時的変化を表し、(b)は、脈拍数Nの経時的変化を表し、(c)は、脈動の間隔RRの変化の割合を表したものである。
この図9及び図10に示すように、安静・リラックス時においては、拍動の間隔や脈拍数は、その前の拍動の間隔や脈拍数に対して、ほぼ±10%の範囲に入っている。すなわち、その前の拍動間隔と同じ間隔後のタイミング(次の拍動の予想されるタイミング)に対して、拍動間隔の10%前から10%後までの間に、実際の次の拍動が検出されている。
従って、安静・リラックス時の脈波検出においては、駆動ゾーンZを、それぞれ所定時間t4の20%とすることでほぼ検出することができる。また、20%以上を超えるようにすれば、更に検出精度を向上させることができる。しかし、t4に対する割合を大きくすると、消費電力が大きくなるので、20%から50%程度が好ましい。また、これらの図には示されていないが、運動時や緊張時には、脈波のゆらぎは安静・リラックス時よりも減少するため、駆動ゾーンZをt4の20%以下、例えば10%から15%程度に設定しても、拍動をほぼ正確に検出する事ができる。
【0041】
尚、駆動ゾーンZの長さ(Yの値)は、ステップ1からステップ7の間等の脈波検出処理の開始時の脈拍数や脈拍間隔に基づいて、被験者が安静・リラックス時にあるか、緊張・運動時にあるかを判断することによって、または、操作者側からの入力によって決定するようにしてもよい。例えば、安静・リラックス時には駆動ゾーンZの長さをt4の20%に設定し、緊張・運動時にはt4の10%に設定可能としてもよい。このように、被験者の状態に応じて駆動ゾーンZを増減することにより、一層消費電力を抑えながら、確実に脈拍を検出する事が可能となる。
また、駆動開始に近い間は駆動ゾーンZの長さ(Yの値)を大きくとり、その後の脈拍数や脈拍間隔に応じて、小さくしていってもよい。これにより、測定開始後の間もない間の誤検出を減少させるとともに、被験者の実際の脈波状態に合わせて駆動ゾーンZを設定し消費電力を抑えることが可能である。
【0042】
そして、ゾーン設定処理の後(ステップ13後)、駆動制御部52は、予想される拍動のタイミングの(RR0)×(Y%)前(駆動ゾーンZの開始時)に、駆動信号F0をオンして発信器11から超音波f0を発信させ(ステップ15)、拍動のタイミングの(PRO)×(Y%)経過後(駆動ゾーンZの終了時)に、駆動信号F0を停止する(ステップ17)。
駆動信号がオンの間、拍動検出部35では、検波回路33から出力される電圧波形(脈波波形)から、拍動に対応するピークが検出される(拍動特定処理)。拍動特定処理は、脈波波形中のピークが1つのみである場合には、このピークが拍動であると決定する。ピークが複数あった場合には、それらのピークのうち、予想した拍動のタイミングに最も近いタイミングで検出されたピークを、拍動によるものとする。そして、脈波波形から拍動によるピークを決定すると、拍動に対応するピークの発生のタイミングを、脈波波形に対応して記録されたタイミングから読みとり、駆動制御部52に出力する。
また、脈拍数演算部36では、脈波波形のピークから脈拍数Nを算出する。この脈拍数Nは表示装置41に表示されるとともに駆動制御部52に出力される。
【0043】
駆動信号F0のオフ後(ステップ17後)、駆動制御部52は拍動検出部35からの脈拍数Nのタイミングの入力の有無を監視し(ステップ21)、拍動が特定されず拍動検出部35からの入力がない場合(ステップ21;N)には、ステップ31へ移行し、タイムアウト処理を行う(ステップ31)。
このタイムアウト処理としては、駆動信号F0を連続してオンする連続運転に切り替えるか、変動の割合Yの値を大きくして駆動信号F0の出力時間を長く設定する等、拍動に対応するピークが検出され易くなるように設定を変更する処理と、表示装置41にセンサの位置がずれている可能性がある旨の表示をしたりビープ音を発生して、装着者に注意を促す処理、及び、予測された拍動のタイミングに脈が検出されたと仮定して脈拍数及び拍動の間隔を前回と同じ値とする処理が含まれる。
【0044】
ステップ21において拍動検出部35から拍動のタイミングが入力された場合(ステップ21;Y)、及びタイムアウト処理の後(ステップ31後)は、駆動制御部52は、終了命令の有無を調べ(ステップ23)、終了命令がない場合(ステップ23;N)には、ステップ11に戻って、新たな拍動のタイミングと脈拍数Nから次の拍動のタイミングを予測し、以降同様の処理を繰り返す。
終了命令が検出された場合(ステップ23;Y)には、脈波検出処理を終了する。
このように、本実施形態では、所定の時間範囲(駆動ゾーンZ)に亘って全ての脈波波形のピークを検出し、予想される拍動に最も近いタイミングのピークを拍動に対応するものと特定し、拍動を検出している。
【0045】
次に、本発明の脈波検出装置の第5の実施形態について説明する。
なお、第5の実施形態における脈波検出装置の構成は、各部の機能や動作、出力信号が一部異なることを除いて、第4実施形態の構成と同様であるので、機能等の異なる部分について説明し、同一部分の説明は適宜省略する。
【0046】
本実施形態においては、駆動ゾーンZが複数のゾーンに分割されている。即ち、本実施形態においては、駆動ゾーンZは、予想される拍動のタイミングよりも前の第Iゾーン(第1のゾーン)を含み、ゾーン予想される拍動のタイミングを含み第1ゾーンに続く第IIゾーン(第2のゾーン)を含む。本実施形態では駆動ゾーンはこれらの2つのゾーンのみでなっており、検出されたピークについて、そのタイミングがいずれのゾーンに含まれるかを判断し、第Iゾーンで検出されたピークについては、脈拍に対応するかどうかを保留しておき、第Iゾーンで検出されたピークについては、直ちに拍動に対応したものと特定する。このように、検出されたピークのタイミングがこれらのゾーンのうちのいずれに含まれるかによって、異なる処理を行い、ピークが拍動に対応する確率が高い場合には、そのピーク信号を直ちに拍動に対応したものと特定し、駆動ゾーンZ内であっもて駆動信号F0をオフするようになっている。
【0047】
図11は、本実施形態による脈波検出処理の流れを表したフローチャートであり、上述の第4実施形態における図6に相当する図である。
この図11に示すように、本実施形態による脈波検出処理においては、上述の第4実施形態と同様にまず連続駆動を行ってピークのタイミング及び脈拍数Nを取得し、これらから、次の拍動のタイミングを予測する(ステップ1〜ステップ11)。これらの各動作については、第4実施形態と同様である。
【0048】
そして、次の拍動のタイミングを予測した後は、ゾーン設定処理を行う(ステップ13)。
図12は、本実施形態における次の拍動のタイミングの予測及びゾーンの設定について表した説明図である。
本実施形態においては、ゾーン設定処理(ステップ13)では、図12に示すように、上述の第4実施形態同様の駆動信号F0のオンされている時間のゾーン(駆動ゾーンZ)と、第Iゾーン及び第IIゾーンが決定される。
第Iゾーンは、駆動ゾーンZのうち予測した拍動P1のタイミングよりも時間が手前となる範囲に設定されている。第IIゾーンは、駆動ゾーンZのうち第Iゾーンを除く範囲を亘るように設定されており、予測した拍動P1のタイミングを含み、第Iゾーンの後の時間に設定されている。
この駆動ゾーンZの範囲、及び、第Iゾーンと第IIゾーンの範囲は、脈拍数演算部36から取得した脈拍数Nに基づいて算出する拍動間隔RR0と、予めメモリに記憶される、取得された拍動から駆動ゾーンZ開始、第Iゾーンと第IIゾーンとの境界、駆動ゾーンZ終了のそれぞれまでの、拍動間隔RR0に対する割合(A,B,C)とから、決定するようなっている。
【0049】
そして、ゾーン設定処理で決定された駆動ゾーンZにきた時に、駆動制御部52は、駆動信号F0をオンする(ステップ15)。
駆動信号がオンの間、拍動検出部35では、検波回路33から出力される電圧波形(脈波波形)から、拍動に対応するピークが検出される(拍動特定処理)。
【0050】
図13は、本実施形態の拍動検出部35による拍動決定処理の流れを表したフローチャートである。
この図13に示すように、拍動決定処理においては、拍動検出部35は、脈波波形からピークを検出している(ステップ151)。そして、ピークが検出されると(ステップ151;Y)、取得したピークのタイミングが第Iゾーンかどうかを調べ(ステップ153)、第Iゾーンに入っている場合(ステップ153;Y)には、後により予想したタイミングに近いピークが検出される可能性があるので、このピークについて拍動であるとの決定を保留し、検出タイミングのデータをメモりに格納する(ステップ155)。このとき、既にメモりにピークのデータが格納されている場合には、第Iゾーンで検出されたピークどうしでは、後に検出されたものが予想したタイミングに近いため、格納されているデータを破棄し、新たなピーク信号のデータを上書き格納する。そして、ステップ151に戻って再びピークの有無を監視する。
【0051】
ピークが検出され(ステップ151;Y)、そのピークのタイミングが第IIゾーンに入っている場合(ステップ153;N)にはメモリに、保留され格納されているピークのタイミングのデータ(保留データ)があるかどうかを調べ(ステップ157)、保留データが無い場合には、このピークは、後に検出されるピークよりも予想したタイミングに近い可能性が大きいので、このピークを拍動によるものとして、拍動を決定し、この拍動のタイミングを制御駆動装置52に出力する(ステップステップ159)。
メモリに保留データが格納されている場合には、この保留データは第Iゾーンで検出されたものである。そして、検出されたデータと保留データとのそれぞれについて、予想した拍動のタイミングとのずれを比較し、予想した拍動のタイミングに近いピークを拍動として決定し、駆動制御部52に出力する(ステップ161)。
【0052】
ステップ151においてピークが検出されない場合(ステップ151;N)には、現在の時刻が駆動ゾーン内かどうかを調べ(ステップ163)、駆動ゾーンZを過ぎてタイムアウトしている場合(ステップ163;Y)には、メモリに保留データが格納されているかどうかを調べる(ステップ165)。メモリ内にデータが格納されている場合には、この保留データは、第Iゾーンのうち最も後で検出されたピークのデータである。そしてこの保留データのピークを拍動に対応しているものと決定し、このピークのタイミングを駆動制御部52に出力する。
ピークが検出されずタイムアウトしていない場合には、ステップ151にリターンしてピークの検出の有無の監視を続行する。
拍動に対応したピークが決定され、決定れたピークのタイミングを駆動制御部52に出力した後(ステップ159後、ステップ161後)、及びピークが検出されないままタイムアウトになった場合(ステップ165;N)には、拍動決定処理を終了する。
【0053】
駆動信号F0をオンにしている間、駆動制御部52は、拍動検出部35からの拍動に対応するピークのタイミングの入力の有無を監視する(ステップ18)。
そして拍動が特定されず拍動検出部35からの入力がない場合(ステップ21;N)には、駆動ゾーンZを過ぎてタイムアウトとなっているかどうかを判断し(ステップ30)、タイムアウトとなったている場合(ステップ30;Y)にはタイムアウト処理を行う(ステップ31)。タイムアウトとなっていない場合(ステップ30;N)には、ステップ18にリターンし、再び、拍動に対応するピークのタイミングの入力を監視する。
【0054】
拍動に対応するピークのタイミングが入力されると、駆動制御部52は制御信号F0の出力を停止し(ステップ22)、操作者の入力等による終了命令が無ければ(ステップ23;N)、ステップ11にリターンし、駆動ゾーンZの決定以降の処理を繰り返す。
終了命令があった場合(ステップ23;Y)には、そのまま脈波検出処理を終了する。
【0055】
この様に、本実施形態では、予測される拍動の前後所定範囲の駆動ゾーンZを、予測される拍動のタイミングより時間が手前の第1ゾーンと、予測される拍動を含み第1ゾーンの後に続く第IIゾーンとに区分設定し、ピーク信号が第Iゾーンで検出されず第IIゾーンで初めて検出された場合には、そのピーク信号をパルス信号として決定する。そして、パルス信号が決定されると直ちに駆動回路52を停止し超音波の出力を停止する。
従って、本実施形態では、駆動ゾーンZ全範囲を経過する前にパルス信号が決定されることがあり、パルス信号が決定されると直ちに超音波の出力を停止するので、演算量が少なくてすみ、且つ、超音波出力のための電力消費を効果的に抑えることができる。
【0056】
続いて、本発明の第6の実施の形態について説明する。
なお、第6実施形態における脈波検出装置の構成は、各部の機能や動作、出力信号が一部異なることを除いて、上述の第5の実施形態と同様であるので、機能等の異なる部分について説明し、同一部分の説明は省略する。
【0057】
図14は、拍動検出部35における次の拍動のタイミングの予測及びゾーンの設定について表した説明図である。
【0058】
本実施形態においては、ゾーン設定処理(ステップ13)では、図14に示すように、上述の実施形態同様の駆動信号F0のオンされ時間のゾーン(駆動ゾーンZ)と、第Iゾーン、第IIゾーン、及び第IIIゾーンが決定される。
第Iゾーンは、駆動ゾーンZのうち予測した拍動P1のタイミングよりも時間が手前となる範囲に設定されている。第IIゾーンは、駆動ゾーンZのうち第Iゾーンの後の時間であり予測した拍動P1のタイミングを含むゾーンであり、第IIIゾーンは、第Iゾーン及び第IIゾーンを除く範囲を亘るように設定されている。また本実施形態においては、第Iゾーンの経過時間と第IIIゾーンの経過時間は等しくなるように設定されている。
【0059】
この駆動ゾーンZの範囲、及び、第Iゾーンと第IIゾーンの範囲は、脈拍数演算部36から取得した脈拍数Nに基づいて算出する拍動間隔RR0と、予めメモリに記憶される、取得された拍動間隔RR0に対する駆動ゾーンZの割合(Y%)及び第IIゾーンの割合(D%)とから、決定する事ができる。
【0060】
図15は、本実施形態の拍動決定処理の流れを表したフローチャートである。
この図15に示すように、拍動決定処理においては、拍動検出部35は脈波波形からピークを検出している(ステップ251)。そしてピークを検出すると(ステップ251:Y)、取得したピークのタイミングが第Iゾーンかどうかを調べる(ステップ253)。第Iゾーンに入っている場合(ステップ253;Y)には、後に、予想したタイミングにもっと近いピークが検出される可能性があるので、ピークについて拍動に対応したものかどうかの決定を保留し、検出タイミングのデータをメモりに格納しておく(ステップ255)。
尚、このときすでに保留されたデータがある場合には、すでにあるデータは第Iゾーンにおいてより先に検出されたピークのものである。第Iゾーンで検出されたピーク信号どうしでは、後に検出されたものが予想したタイミングに近いため、格納されているデータを破棄し、新たなピーク信号のデータを上書き格納する。
そして、ステップ251にリターンする。
【0061】
第Iゾーンを経過し(ステップ251;Yかつステップ253;N)第IIゾーンにおいてピーク信号が検出された場合(261;Y)には、第IIゾーンは他の第Iゾーンや第IIIゾーンよりも予想される拍動のタイミングに近いことから、メモリに保留されたデータの有無にかかわらず、この第IIゾーンで検出されたピークを拍動に対応するものとして決定し、このデータ駆動制御部52に出力し(ステップ263)、拍動決定処理を終了する。
【0062】
第IIIゾーンにおいてピーク信号が検出された場合には(ステップ251;Y、253;N、261;N)、メモリに保留データが格納されているかどうかを調べる(ステップ265)。保留データが無い場合(ステップ265;N)には、第IIIゾーンにおいて初めてピーク信号が検出されており、且つ後に検出されるピーク信号よりも予想したタイミングに近いため、このピークを拍動に対応したものとして決定し、このデータ駆動制御部52に出力し(ステップ269)、拍動決定処理を終了する。
第IIIゾーンにおいてピーク信号が検出され、メモリに既に格納されたデータがある場合(ステップ265;Y)には、メモリにデータが格納されているのは第Iゾーンのピークのものである。そしてこの第Iゾーンのピークのタイミングと新たに検出された第IIIゾーンのピーク信号のタイミングとのそれぞれについて、予想したタイミングとのずれを比較し、予想したタイミングに近いピークを拍動に対応したものと検出し、このデータを駆動制御部52に出力して(ステップ267)、拍動決定処理を終了する。
【0063】
ステップ251においてピークが検出されないまま(ステップ251;N)駆動ゾーンZを経過しタイムアウトとなった場合(ステップ257;Y)には、保留データがあるかどうかを調べる。このとき保留されているデータは、第Iゾーンにおいて検出されたピークのデータである。そして保留データがある場合(ステップ259)には、このピークを拍動に対応したものと決定してこのデータを駆動制御部52に出力し(ステップ267)、拍動決定処理を終了する。
ピークが検出されず(ステップ251;N)タイムアウトになり(ステップ257;Y)保留データがない場合(ステップ258;N)は、拍動決定処理が開始してからピークが検出されないままタイムアウトになった場合である。このときは、駆動制御部52にデータを出力することなくそのまま拍動決定処理を終了する。
【0064】
この様に、本実施形態においては、予測される次の拍動の前後所定範囲の駆動ゾーンZを、予測される拍動のタイミングより時間が手前の第Iゾーンと、予測される拍動を含み第Iゾーンの後に続く第IIゾーンと、第IIゾーンに続く第IIIゾーンに区分設定し、ピークが第Iゾーンで検出されず第IIゾーンで初めて検出された場合には、そのピークを拍動に対応するものと決定する。そして、拍動が決定されると直ちに駆動回路52を停止し超音波の出力を停止する。
従って、本実施形態では、駆動ゾーンZの全範囲を経過する前に拍動が決定されることがあり、拍動が決定されると直ちに超音波の出力を停止するので、演算量が少なくてすみ、且つ、超音波出力のための電力消費を効果的に抑えることができる。
【0065】
以上本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の範囲において他の実施形態を採用し、また、変形することが可能である。
例えば、説明した実施形態では、間欠駆動信号F1により超音波の発信及び反射波(伝搬波を含む)の受信の両者を間欠的に駆動するようにしたが、本発明では、いずれか一方のみ間欠駆動するようにしても、従来に比べて消費電力を小さくすることができる。
【0066】
また、高周波発振回路13による間欠駆動により出力する高周波f0の出力タイミングと、高周波増幅回路31〜検波回路33における反射波f1に対する処理タイミングとを、調整可能にしてもよい。
このように発信側、又は受信側の間欠駆動タイミングを調整可能にすることで、発信と受信の立ち上がり時間を最適な状態に調整することができる。例えば、発信側の駆動タイミングよりも所定時間だけ遅れて受信側の駆動を開始することで、発信を開始してから超音波の出力が安定するまでの間は受信側で受信しないようにすることができる。
【0067】
また脈波検出装置において、発信側の駆動時間と受信側の駆動時間を独立して調整可能にしてもよい。例えば、受信側の駆動時間を短くすることで、安定した超音波を確実に受信することができる。逆に、受信側の駆動時間を長くすることで、発信された超音波の全てを確実に受信することができる。
また、脈波検出装置において、間欠駆動する駆動時間と、駆動停止時間の比率を調節可能にしてもよい。駆動時間と駆動停止時間を調節可能にすることで、消費電力を下げながら最適な駆動とすることができる。駆動時間と停止時間の比率は、送信側と受信側の双方に対して調節可能としてもよく、いずれか一方だけ調節可能としてもよい。
【0068】
また説明した第2実施形態では、間欠駆動信号の周波数F1をF1=64Hzとしたが、想定される最大脈拍数の倍以上の周波数で間欠駆動すればよい。例えば、想定最大脈拍数を240拍/分として、間欠駆動信号の周波数をF1=8Hz、又はそれ以上の周波数としてもよい。F1=8Hzとする場合、駆動制御部52は、32KHzの発振信号を1/4000に分周する。
また、間欠駆動信号を周波数F1=128Hzとしてもよい。このように、間欠駆動信号を、商用電力の周波数の倍以上の周波数とすることで、商用周波数によるノイズの影響を受けにくくすることができる。この場合、駆動制御部52は、32KHzの発振信号1/250に分周する。
また脈波検出装置において、間欠駆動信号を、商用電力の周波数の倍以上の周波数で、かつデューティー比が最も低くなる周波数としてもよい。
【0069】
また、説明した第1実施形態では、図1に示すように、駆動制御部52から出力される間欠駆動信号F1を高周波発振回路13に供給したが、駆動回路12に供給するようにしてもよい。この場合、高周波発振回路13は、f0=10MHzの高周波を連続的に駆動回路12に供給し、駆動回路12では、間欠駆動信号F1に応じて間欠的に増幅処理して発信器11に供給する。
【0070】
また説明した各実施形態では、駆動制御部52が脈拍と次の予想脈拍との時間t4を脈拍数演算部36から供給される脈拍数Nを使用して求めているが、拍動検出部35から供給される1つ前のパルス信号からの時間を駆動制御部52で計測し、これを次の脈拍間での予想時間t4としてもよい。
【0071】
上述の各実施形態においては、脈波情報取得手段としての拍動検出部25において、電圧波形のピークが検出され、脈拍数演算部36において電圧波形に基づいて脈拍数Nが取得され、この脈拍数Nに基づいて、駆動制御部52において発信器11から超音波を発信する所定時間t4が決定されている。
しかし、発信器11から超音波を発信する所定時間t4は、脈波情報取得手段で取得された脈波情報に基づいて決定されなくてもよい。例えば、脈波検出装置の記憶部に予め記憶された時間とすることもできる。この場合、記憶部には安静時を想定して1000msec(60拍/秒)や857msec(70拍/秒)等の所定の時間を1つだけ記憶しておいても、上述のような安静時の値及び緊張時・運動時の値等の複数の値を記憶しておき操作者が選択可能としてもよい。また、操作者がボタン等によって入力したものを記憶しこの値を所定時間t4とするようにしてもよい。
【0072】
また、上述の各実施形態においては脈拍数に基づいて所定時間t4が決定されているが、脈波情報から拍動間隔が取得され、この拍動間隔に基づいて所定時間t4が決定されるようにしてもよい。
【0073】
上述の各実施形態においては、脈波検出装置を駆動開始した直後は駆動制御部52から駆動信号F0を連続出力して脈拍数を取得し、以降、間欠駆動に切り替えているが、脈拍数が60拍/分(t4=1000msec)、あるいは70拍/分(t4=857msec)と仮定して、はじめから間欠駆動することもできる。
また、所定の時間間隔に得られた連続する複数の拍動間の間隔の変化や連続する脈拍の脈拍数の変化を取得し、これらの変化のいずれかから所定時間t4を決してもよい。例えば、図16に示すように、連続する拍動間隔が脈拍数がほぼ7%減少している場合には、次の拍動間隔も前回の7%減少した値の前後の範囲Dを予想し、この拍動間隔に基づいて次の脈拍や所定時間t4を予想する。このように、拍動の間隔や脈拍数の変化を考慮に入れて次の脈拍を予想することにより、運動の開始や終了、緊張等によって脈拍が変化している場合においても、高い精度で次の脈拍を予想することが可能となる。
【0074】
【発明の効果】
本発明の脈波検出装置によれば、次の脈拍を予想し、予想される次の脈拍を含む所定時間だけ超音波を発信するようにしたので、低消費電力で脈波を検出することができ、使用時間を延ばすことができる。
更に本発明の脈拍検出装置によれば、予想される次の脈拍を含む所定時間だけ間欠的に超音波を発信するので、さらに消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における脈波検出装置の構成図である。
【図2】同上、脈波検出装置の各構成部分における出力波形を表した説明図である。
【図3】同上、時計に組み込んだ脈波検出装置により脈波を検出する状態を表した説明図である。
【図4】本発明の第2実施形態における各構成部分の出力波形を表した説明図である。
【図5】本発明の第3実施形態における脈波検出の原理及び概要についての説明図である。
【図6】本発明の第1から第3の各実施形態による脈波検出処理において、駆動制御部で行われる処理の流れを表したフローチャートである。
【図7】同上、脈波検出処理において、検波回路から出力される波形と当該波形を微分した波形とを表すものであり、(a)は検波回路から出力される波形、(b)は(a)の波形を微分した波形である。
【図8】同上、駆動制御部における次の拍動のタイミングの予測及びゾーンの設定について表した説明図である。
【図9】安静・リラックス時においてパルス信号Pを検出し、その前のパルス信号Pとの間隔RR、脈拍数N、及び、脈動の間隔RRの変化の割合を算出した結果をあらわす表である。
【図10】図9の表を、グラフにしたものであり、(a)は、脈動の間隔RRの経時的変化を表し、(b)は、脈拍数Nの経時的変化を表し、(c)は、脈動の間隔RRの変化の割合を表したものである。
【図11】本発明の第4実施形態において行われる脈波検出処理の流れを表したフローチャートであり、前記第1から第3の実施形態における図6相当図である。
【図12】同上、駆動制御部における次の拍動のタイミングの予測及びゾーンの設定について表した説明図である。
【図13】同上、パルス信号決定処理の流れを表したフローチャートである。
【図14】本発明の第5実施形態において駆動制御部により行われる次の拍動のタイミングの予測及びゾーンの設定について表した説明図である。
【図15】同上、パルス信号決定処理の流れを表したフローチャートである。
【図16】本発明の他の実施形態における所定時間t4の決定手法を表した説明図である。
【図17】ドップラ効果による超音波の周波数変化の様子を表した説明図である。
【符号の説明】
2 動脈
11 発信器
12 駆動回路
13 高周波発振回路
19 センサ
21 受信器
31 高周波増幅回路
32 F/V変換回路
33 検波回路
35 拍動検出部
36 脈拍数演算部
41 表示装置
52 駆動制御部
60 時計
61 時計本体
62 ベルト
63 時計表示部
64 脈拍数表示部
65 脈拍表示部
Claims (7)
- 動脈に向けて超音波を発信する発信手段と、
この発信手段から発信され前記動脈を流れる血液で反射された超音波を受信する受信手段と、
この受信手段で受信された超音波から脈波に関する脈波情報を取得する脈波情報取得手段と、
この脈波情報取得手段により取得された脈波情報を出力する出力手段と、
前記脈波情報取得手段により取得された脈波情報から、次の脈拍を予想する脈拍予想手段と、
この脈拍予想手段により予想される脈拍を含む所定時間だけ前記超音波を発信するように前記発信手段を駆動する駆動制御手段と、を具備することを特徴とする脈波検出装置。 - 前記脈波情報取得手段は、前記受信手段で受信された超音波の周波数変化を検出する周波数検波手段又は振幅変化を検出する振幅検波手段を有し、前記周波数検波手段又は振幅検波手段による検波信号から脈波情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の脈波検出装置。
- 前記駆動制御手段は、前記脈拍を含む所定時間の間、前記発信手段を間欠的に駆動することを特徴とする請求項1に記載の脈波検出装置。
- 前記脈拍予想手段は、前記脈波情報取得手段で取得される前記脈波情報から、脈拍数または拍動の間隔を取得し、この脈拍数または拍動の間隔に基づいて次の脈拍を予想する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1の請求項に記載の脈波検出装置。 - 前記脈拍予想手段は、前記脈波情報取得手段で取得される前記脈波情報から、複数の脈拍数または複数の拍動の間隔を取得し、前記脈拍数または前記拍動の間隔の変化に基づいて次の脈拍を予想する
ことを特徴とする請求項4に記載の脈波検出装置。 - 前記脈波情報取得手段により取得された前記脈波情報から、脈拍の可能性のある脈拍候補とその検出タイミングを検出する脈拍候補検出手段と、
前記脈拍候補検出手段で検出された脈拍候補の検出タイミングと前記脈拍予想手段により予想される脈拍のタイミングとのずれに基づいて、前記脈拍候から脈拍を決定する脈拍決定手段とを備え、
前記脈拍予想手段は、前記脈拍決定手段で決定された前記脈拍に基づいて、前記脈拍数または前記拍動の間隔を取得する
ことを特徴とする4または請求項5に記載の脈波検出装置。 - 前記脈波情報取得手段により取得された前記脈波情報から、脈拍の可能性のある脈拍候補とその検出タイミングを検出する脈拍候補検出手段と、
前記脈拍候補検出手段で検出された脈拍候補の検出タイミングと前記脈拍予想手段により予想される脈拍のタイミングとのずれに基づいて、前記脈拍候から脈拍を決定する脈拍決定手段とを備え、
前記駆動制御手段は、前記脈決定手段により脈拍が決定されると、前記所定時間の経過の前に関わらず前記発信手段の駆動を停止する
ことを特徴とする請求項1から請求項6に記載の脈波検出装置。
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