JPH1170087A - 脈波検出方法および脈波検出装置 - Google Patents

脈波検出方法および脈波検出装置

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JPH1170087A
JPH1170087A JP23499497A JP23499497A JPH1170087A JP H1170087 A JPH1170087 A JP H1170087A JP 23499497 A JP23499497 A JP 23499497A JP 23499497 A JP23499497 A JP 23499497A JP H1170087 A JPH1170087 A JP H1170087A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被験者に圧迫感を与えることなく動脈の位置
を特定する。 【解決手段】 手動位置変更機構2を操作すると、位置
決めセンサ1は腕の周方向に移動しながら皮膚の上から
脈波波形MHを検出する。皮膚の内部には毛細血管と橈
骨動脈を取り巻く細動脈が形成されており、毛細血管の
脈動と細動脈の脈動を振幅極性が反転している。極性検
出部3は脈波波形MHの振幅極性を示す極性検出信号K
Sを出力すると、極性検出信号KSが表示部4に表示さ
れる。したがって、被験者は、表示部4を見ながら手動
位置変更機構2を操作することによって、脈波検出部5
を橈骨動脈の上に位置決めすることができ、これによ
り、脈波波形Mを良好なSN比で検出することできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脈波を検出する脈
波検出方法および装置に関し、特に操作者の熟練度など
によらず安定な脈波の検出ができる脈波検出装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】脈波検出装置の一つとして、橈骨動脈波
を検出するものがある。この種の装置においては、橈骨
動脈近傍の表皮の圧力の変化を圧力センサを用いて検出
し、これにより脈波を測定する。この場合、橈骨動脈上
の表皮に置いたセンサに加わる圧力の変化を検出してい
るので、安定した脈波検出を行うためには、30mmH
gから80mmHgの押圧力を加える必要があり、被験
者にとって圧迫感が強いという問題があった。
【0003】例えば、米国特許NO.4951679に示される発
明においては、橈骨動脈の近傍に配置させた圧力センサ
を腕に対して押圧し、さらに、この押圧力を順次変化さ
せて、検出信号の振幅が最大になる押圧力を検出する。
そして、その押圧力において、脈波の検出を行ってい
る。この場合、最適な押圧力を設定することができ、必
要以上の圧力がかかることを防止することはできるが、
いずれにしても、腕に所定の圧力をかけることには変わ
りなく、圧迫感が強いという問題は解消しない。
【0004】これに対して、強い押圧力を加える必要の
ない脈波検出装置として、超音波を用いるものや、光
(赤外線、レーザ光など)を用いるものがある。超音波
の反射波を用いる脈波検出装置にあっては、超音波を出
射するプローブを被検者の腕の外側方向より当て、動脈
血管などで反射した超音波をそのプローブで受信して脈
波の測定を行う。
【0005】一方、光を用いて脈波を検出する脈波検出
装置においては、例えば、発光ダイオードから体内に向
けて光を送出し、その反射光(皮下組織などによる反射
光)の光量を検出する。この場合、発光ダイオードから
放射された光の一部は、血管内のヘモグロビンに吸収さ
れるため、その反射光量は血管内の血液容量に関係した
ものとなり、脈波として検出される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、超音波を用
いた従来の脈波検出装置では、超音波を送波および受波
するプローブと血流のなす角度に応じて反射波の検出値
が変化する。そして、プローブの操作においては、血流
に対し一定角度を維持するのが難しく、安定した脈波の
測定が困難であった。例えば、プローブを被験者の腕の
掌側に当てた場合は、そのプローブの位置が動脈血管に
対して数ミリずれただけで、脈波の検出が困難となって
しまう。また、そのプローブを被験者の腕の背側に当て
た場合は、脈波の検出に必要なSN比を確保することが
できない。
【0007】また、レーザや発光ダイオードを用いる装
置においても、照射光が動脈に照射されなければ、脈波
波形の検出に必要なSN比を確保することができなかっ
たり、あるいは、安定した脈波波形を検出することがで
きない。
【0008】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
ものであり、操作者に圧迫感を強いることなく、かつ、
操作者の熟練度などの影響を受けず正確で安定した脈波
を検出することができる脈波検出装置を提供することを
目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に記載の発明にあっては、脈波検出手段を
用いて生体の検出部位から脈波波形を検出する脈波検出
法において、前記脈波検出手段の近傍に取り付けられ、
前記検出部位に光を照射する発光部とその反射光を受光
する受光部とからなる位置決めセンサから出力される脈
波波形に基づいて、前記脈波検出手段と前記検出部位と
の相対位置関係を変更することを特徴とする。
【0010】また、請求項2に記載の発明にあっては、
生体の検出部位から脈波波形を検出する脈波検出手段
と、前記脈波検出手段の近傍に取り付けられ、前記検出
部位に光を照射する発光部とその反射光を受光する受光
部とからなる位置決めセンサと、前記位置決めセンサお
よび前記脈波検出手段と、前記検出部位との相対位置関
係を変更する位置変更手段と、前記位置決めセンサから
出力される脈波波形の振幅極性を検出する極性検出手段
と、前記極性検出手段の検出結果を告知する告知手段と
を備えることを特徴とする。
【0011】また、請求項3に記載の発明にあっては、
生体の検出部位から脈波波形を検出する脈波検出手段
と、前記脈波検出手段の近傍に取り付けられ、前記検出
部位に光を照射する発光部とその反射光を受光する受光
部とからなる位置決めセンサと、前記位置決めセンサか
ら出力される脈波波形の振幅極性を検出する極性検出手
段と、前記極性検出手段によって検出される振幅極性が
反転するように、前記位置決めセンサおよび前記脈波検
出手段と前記検出部位との相対位置関係を変更する位置
変更手段とを備えることを特徴する。
【0012】また、請求項4に記載の発明にあっては、
前記位置決めセンサによって検出される脈波波形から体
動を除去して体動除去脈波波形を生成する体動除去手段
を備え、前記極性検出手段は、前記体動除去脈波波形に
基づいて極性を検出することを特徴とする。
【0013】また、請求項5に記載の発明にあっては、
生体の検出部位から脈波波形を検出する脈波検出手段
と、前記脈波検出手段の近傍に取り付けられ、前記検出
部位に光を照射する発光部とその反射光を受光する受光
部とからなる位置決めセンサと、前記位置決めセンサと
前記検出部位との相対位置関係を変更する位置変更手段
と、前記位置決めセンサから出力される脈波波形の振幅
極性を検出する極性検出手段と、前記位置決めセンサか
ら出力される脈波波形の振幅を検出する振幅検出手段
と、前記極性検出手段の検出結果と前記振幅検出手段の
検出結果を告知する告知手段とを備えることを特徴とす
る。
【0014】また、請求項6に記載の発明にあっては、
生体の検出部位から脈波波形を検出する脈波検出手段
と、前記脈波検出手段の近傍に取り付けられ、前記検出
部位に光を照射する発光部とその反射光を受光する受光
部とからなる位置決めセンサと、前記位置決めセンサお
よび前記脈波検出手段と、前記検出部位との相対位置関
係を変更する位置変更手段と、前記位置決めセンサから
出力される脈波波形の振幅極性を検出する極性検出手段
と、前記位置決めセンサから出力される脈波波形の振幅
を検出する振幅検出手段と、前記極性検出手段によって
検出される振幅極性が反転し、かつ、前記振幅検出手段
によって検出される振幅が最大となるように、前記位置
決めセンサおよび前記脈波検出手段と、前記検出部位と
の相対位置関係を変更する位置変更手段とを備えること
を特徴とする。
【0015】また、請求項7に記載の発明にあっては、
前記位置決めセンサからの脈波波形から体動を除去して
体動除去脈波波形を生成する体動除去手段を備え、前記
極性検出手段は前記体動除去脈波波形に基づいて極性を
検出するとともに、前記振幅検出手段は前記体動除去脈
波波形に基づいて振幅を検出することを特徴とする。
【0016】また、請求項8に記載の発明にあっては、
前記体動除去手段は、前記生体の体動を検出する体動検
出部と、前記体動検出部によって検出された体動波形の
周波数解析を行う第1の周波数解析部と、前記位置決め
センサからの脈波波形の周波数解析を行う第2の周波数
解析部と、前記第1の周波数解析部によって解析された
周波数解析結果と、前記第2の周波数解析部によって解
析された周波数解析結果とを比較して、前記体動除去脈
波波形を生成する体動除去部とを備えたことを特徴とす
る。
【0017】また、請求項9に記載の発明にあっては、
前記第1の周波数解析部と前記第2の周波数解析部は、
FFTを用いて周波数解析を行うことを特徴とする。ま
た、請求項10に記載の発明にあっては、前記位置変更
手段は、少なくともFFTが行える最小単位時間以上の
停止時間をもって移動することを特徴とする。
【0018】また、請求項11に記載の発明にあって
は、前記第1の周波数解析部と前記第2の周波数解析部
は、ウエーブレット変換を用いて周波数解析を行うこと
を特徴とする。また、請求項12に記載の発明にあって
は、前記体動除去手段は、前記位置決めセンサからの脈
波波形の周波数解析を行う周波数解析部と、前記周波数
解析部によって解析された周波数解析結果のうち低域成
分を除去した周波数成分に基づいて、前記体動除去脈波
波形を生成する体動分離部とを備えたことを特徴とす
る。
【0019】また、請求項13に記載の発明にあって
は、前記周波数解析部は、FFTまたはウエーブレット
変換を用いて周波数解析を行うことを特徴とする。。ま
た、請求項14に記載の発明にあっては、前記脈波検出
手段は、圧力センサであることを特徴とする。また、請
求項15に記載の発明にあっては、前記脈波検出手段
は、光学式センサであることを特徴とする。
【0020】また、請求項16に記載の発明にあって
は、前記脈波検出手段と前記位置決めセンサとを兼用し
たことを特徴とする。また、請求項17に記載の発明に
あっては、前記脈波検出手段と前記位置決めセンサとの
検出波長を、300nmから600nmの波長領域中に
設定したことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
A.原理 まず、本発明に係わる橈骨動脈の位置検出方法について
説明する。図1は、橈骨動脈の立体模型図である。血液
は内皮100の中を流れる。内皮100は内膜101に
覆われており、その外側には内弾性板102が形成され
ている。内弾性板102と外弾性板104の間には、内
膜103が形成されている。内膜103は密に並んだ平
滑筋で構成されている。外弾性板104の外側には外膜
105が形成されており、外膜105の内部に細動脈A
Rが形成されている。橈骨動脈が収縮すると、内弾性板
102,外弾性板104は強く波うち、それが拡張する
とまっすぐ伸びる。こうした脈動によって橈骨動脈は血
液を組織に供給するが、橈骨動脈自体にも血液を供給す
る必要がある。この役割を担うのが、細動脈ARであ
る。また、図2は、橈骨動脈、細動脈および毛細血管の
関係を模式的に示す断面図である。この図において、R
Aは、内皮100と内膜101からなる橈骨動脈の内
壁、ARは細動脈、CA,CA’は毛細血管、Sは皮膚
である。図に示すように、橈骨動脈の内壁RAの外側に
は細動脈ARが形成されており、また、皮膚Sの内部に
は多数の毛細血管CA,CA’が形成されている。この
例では、橈骨動脈の内壁RAと皮膚Sの間にある毛細血
管に符号CA’を、橈骨動脈の内壁RAから離れた位置
にある毛細血管に符号CAをふしてある。毛細血管C
A,CA’は網目状になっており、橈骨動脈によって運
ばれた血液を組織の隅々にまで供給している。このた
め、橈骨動脈から検出される脈波波形と毛細血管CAか
ら検出される脈波波形は、多少の時間遅れがあるもの
の、その振幅極性は一致している。
【0022】ところで、橈骨動脈には、心臓の収縮拡張
によって送り出される血液流が流れるので、図3に示す
ような脈動が末梢部に向けて8〜16m/sで進行して
いく。ここで、位置X1のように橈骨動脈の内壁RAが
脈動によって拡張すると、その近傍にある細動脈ARと
毛細血管CA’は橈骨動脈の内壁RAに圧迫されて虚血
状態となる。一方、位置X2のように橈骨動脈の内壁R
Aが拡張していない状態にあっては、細動脈ARと毛細
血管CA’は橈骨動脈の内壁RAに圧迫されないので、
通常の血液流が流れる。
【0023】このため、橈骨動脈の脈波波形と細動脈A
Rおよび毛細血管CA’の脈波波形は、その振幅極性が
反転したものとなる。一方、上述したように橈骨動脈の
脈波波形と毛細血管CAの脈波波形では、振幅極性が一
致したものとなる。したがって、毛細血管CAの脈波波
形と細動脈ARの脈波波形は、その振幅極性が反転した
ものとなる。図4(a)は毛細血管CAの脈波波形を、
図4(b)は細動脈ARの脈波波形を各々示したもので
ある。
【0024】手腕の周りの皮膚Sの上から、ごく浅い内
部の脈波波形を計測すると、図2に示すように毛細血管
CAの脈波波形が計測される領域W1,W3と、細動脈
ARおよび毛細血管CA’の脈波波形が計測される領域
W2がある。ここで、位置Xsから位置Xeに向けて
(周方向に)脈波波形を計測していくと、領域W2にお
いて脈波波形の振幅極性が反転することとなる。したが
って、脈波波形の振幅極性が反転する位置を検知するこ
とによって、橈骨動脈の位置を特定することができる。
【0025】本発明者らは、以上説明したように医学的
な見地から毛細血管CA,CA’、橈骨動脈の内壁R
A、および細動脈ARを考察した結果に着目して、橈骨
動脈の位置を簡易に特定する脈波検出法を開発した。こ
の脈波検出法の要点は、脈波検出手段を用いて生体の検
出部位から脈波波形を検出する際に、脈波検出手段の近
傍に取り付けられ、検出部位に光を照射する発光部とそ
の反射光を受光する受光部とからなる位置決めセンサを
設け、位置決めセンサから出力される脈波波形に基づい
て、脈波検出手段と検出部位との相対位置関係を変更す
るものである。
【0026】B.機能構成 次に、本実施形態に係わる脈波検出装置の機能を説明す
る。図5は本実施形態に係わる脈波検出装置の機能ブロ
ック図である。図において、f1は脈波検出手段であっ
て、生体の検出部位から脈波波形を検出する。例えば、
光学式脈波センサや圧力センサ等が該当する。また、f
2は振幅検出手段であって、脈波検出手段によって検出
された脈波波形の振幅値を検出する。
【0027】f3は位置決めセンサであって、脈波検出
手段f1と一体に取り付けられ、検出部位に光を照射す
る発光部とその反射光を受光する受光部とから構成され
ている。この位置決めセンサf3によって、毛細血管C
Aと細動脈RAおよび毛細血管CA’の脈波波形が検出
される。
【0028】また、f4は極性検出手段であって、位置
決めセンサf2から出力される脈波波形の振幅極性を検
出する。これにより、脈波波形の振幅極性が反転した位
置を特定することができる。また、f5は位置変更手段
であって、位置決めセンサf2および脈波検出手段f1
と検出部位との相対位置関係を変更する。変更の態様と
しては、被験者が操作するものと、極性検出手段f3の
検出結果に基づいて自動的に位置制御を行うものとがあ
る。自動変更を行う場合には、図中点線で示すように、
極性変更手段f4によって検出された振幅極性や振幅検
出手段f2によって検出された振幅値に基づいて位置変
更手段f5は位置変更を行う。
【0029】また、f6は告知手段であって、脈波検出
手段f1によって検出された脈波波形、脈波波形に基づ
いて求められた生体の状態を示す生態情報、極性検出手
段f3および振幅検出手段f2検出結果等を告知する。
位置変更手段f4が手動によるもので構成される場合に
は、被験者は告知手段f3によって、脈波検出手段f1
が適切な位置にあるか否かを知ることができる。
【0030】C.第1実施形態 以下、図面を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係わ
る脈波検出装置を説明する。 1.第1実施形態の構成 1−1:電気的構成 図6は、第1実施形態に係わる脈波検出装置の電気的構
成を示すブロック図である。図において、1は位置決め
センサであって、毛細血管CA,CA’および細動脈A
Rの脈波波形MHを検出する。位置決めセンサ1は、図
7に示すようにLED32(発光部)、フォトトランジ
スタ33(受光部)などから構成される。この図におい
て、スイッチSWがon状態となり、電源電圧が印加さ
れると、LED32から光が照射され、血管や組織によ
って反射された後に、フォトトランジスタ33によって
受光され、脈波波形MHが検出される。ここで、LED
の発光波長は、血液中のヘモグロビンの吸収波長ピーク
付近に選ばれる。このため、受光レベルは血流量に応じ
て変化する。したがって、受光レベルを検出することに
よって、脈波波形を検出できる。
【0031】また、LED32としては、InGaN系
(インジウム−ガリウム−窒素系)の青色LEDが好適
である。青色LEDの発光スペクトルは、例えば450
nmに発光ピークを有し、その発光波長域は、350n
mから600nmまでの範囲にある。この場合には、か
かる発光特性を有するLEDに対応させてフォトトラン
ジスタ33として、GaAsP系(ガリウム−砒素−リ
ン系)のフォトトランジスタを用いればよい。このフォ
トトランジスタ33の受光波長領域は、例えば、主要感
度領域が300nmから600nmまでの範囲にあっ
て、300nm以下にも感度領域がある。このような青
色LEDとフォトトランジスタ33とを組み合わせる
と、その重なり領域である300nmから600nmま
での波長領域において、脈波が検出される。この場合に
は、以下の利点がある。
【0032】まず、細動脈ARは橈骨動脈の血管壁を外
側から取り巻くように形成されており、また、橈骨動脈
の内壁RAと皮膚Sの間に毛細血管CA’が形成されて
いる。このため、仮に細動脈ARおよび毛細血管CA’
の脈波波形MHを検出する目的で照射した光が橈骨動脈
の内壁RAの内部まで届くと、その血液流を検出してし
まう。橈骨動脈の脈波波形と毛細血管CAの脈波波形の
振幅極性は、上述したように同一であるから、照射光が
橈骨動脈RAの内部まで届くと、腕の周方向に位置決め
センサ1を移動させても、橈骨動脈の位置で脈波波形M
Hの振幅極性の反転せず、橈骨動脈の位置を特定するこ
とができない。しかし、波長領域が700nm以下の照
射光は、生体の組織を透過しにくい傾向があり、皮膚表
面から2mm〜3mm程度までしか届かない。また、橈
骨動脈は、皮膚の表面から3mm以上深い所にあるのが
通常である。したがって、検出光の範囲(照射光と受光
感度が重複する範囲)を300nmから600nmまで
の波長領域に設定すると、橈骨動脈の血液流の影響を受
けることなく毛細血管CAと細動脈ARおよび毛細血管
CA’の脈波波形MHを検出することができる。
【0033】また同様に、外光に含まれる光のうち、波
長領域が700nm以下の光は、生体の組織を透過しに
くい傾向があるため、外光が遮光部分(後述するバン
ド)で覆われていない皮膚に照射されても、生体の組織
を介してフォトトランジスタ33まで到達せず、検出に
影響を与えない波長領域の光のみがフォトトランジスタ
33に達する。一方、300nmより低波長領域の光
は、皮膚表面でほとんど吸収されるので、受光波長領域
を700nm以下としても、実質的な受光波長領域は、
300nm〜700nmとなる。したがって、検出部位
を大掛かりに覆わなくとも、外光の影響を抑圧すること
ができる。
【0034】また、血液中のヘモグロビンは、波長が3
00nmから700nmまでの光に対する吸光係数が大
きく、波長が880nmの光に対する吸光係数に比して
数倍〜約100倍以上大きい。したがって、この例のよ
うに、ヘモグロビンの吸光特性に合わせて、吸光特性が
大きい波長領域(300nmから700nm)の光を検
出光として用いると、その検出値は、血量変化に応じて
感度よく変化するので、血量変化に基づく脈波波形MH
のS/N比を高めることができる。
【0035】次に、2は手動位置変更機構であって、位
置決めセンサ1の橈骨動脈に対する相対的な位置関係を
手動によって変更できるようになっている。この例にお
ける手動位置変更機構2は機械的な構成であるので、こ
の点については後述する。
【0036】次に、3は脈波波形MHの振幅極性を検出
して極性検出信号KSを出力する極性検出部である。図
8は、極性検出部2の回路図である。図に示すように極
性検出部3は、+V,−Vの電源電圧が供給されるオペ
アンプ30、抵抗31,32から構成されている。オペ
アンプ30の正入力には、その出力が抵抗31,32を
介して正帰還されており、これによりヒシテリシスコン
パレータが構成される。ヒシテリシスコンパレータは2
つの閾値L1,L2(L1>L2)を持ち、その出力信
号は入力信号がL1を越えるとハイレベルとなり、L2
を下回るとローレベルとなる。この例において、抵抗3
1,32の値をR1,R2とすれば、L1,L2は以下
の式で与えられる。 L1=+V・R2/(R1+R2)、L2=−V・R2
/(R1+R2) したがって、脈波波形MHが閾値L1を上回れば極性検
出信号KSはハイレベルとなり、脈波波形MHが閾値L
2を上回れば極性検出信号KSはローレベルとなる。
【0037】次に、4は表示部であって、液晶表示装置
によって構成される。そこには、極性検出部2で検出さ
れた振幅極性、また、橈骨動脈の脈波波形Mの振幅値、
脈拍数等の生態情報が表示される。振幅極性は、例え
ば、「+」「−」といった記号で表示される。これによ
り、手動位置変更機構2を被験者が操作すると、位置決
めセンサ1で検出された脈波波形MHの振幅極性が表示
部4に表示されるので、被験者は、振幅極性が反転した
位置、すなわち、橈骨動脈の位置を知ることができる。
【0038】次に、5は脈波検出部であって、橈骨動脈
の内壁RAの脈動を脈波波形Mとして検出する。この例
における脈波検出部5は、圧力センサによって構成され
ている。圧力センサは、脈動を圧力として検出するもの
であるから、脈波測定時に、脈波検出部5を皮膚の上か
ら橈骨動脈RAに押しつけることができるようになって
いる。また、8は生体情報生成部であって脈波波形Mに
基づいて、その振幅値、脈拍数等の生体情報を生成す
る。
【0039】以上の構成によって、被験者が手動位置変
更機構2を操作すると、位置決めセンサ1によって検出
された脈波波形MHの振幅極性が極性検出部3によって
検出され、これが表示部4に表示される。橈骨動脈の内
壁RAの周辺にある細動脈ARおよび毛細血管CA’の
脈波波形は、毛細血管CAの脈波波形MHとその振幅極
性が反転したものとなるので、被験者は、表示部4に表
示される振幅極性が反転した位置を橈骨動脈の位置とし
て認識することができる。これにより、脈波検出部5を
橈骨動脈の上部に位置決めすることができる。また、よ
り正確に位置決めを行う場合には、表示部4に表示され
る脈波波形Mの振幅値が最大になるように位置決めを行
うことも可能である。
【0040】1−2:機械的構成 次に、図9は、本実施形態に係わる脈波検出装置の外観
を示す斜視図である。この図に示すように、本実施形態
は腕時計の形態をとっている。ここで、図9に示す18
は本体であり、前述した極性検出部3と表示部4を収納
している。なお、本体18には、図示せぬ時計ICが設
けられており、表示部4は図9に示すように、時計IC
が出力する時刻情報を表示する。また、11は各種操作
を行うための操作ボタンであり、例えば、脈波を測定す
る測定モードと時刻を表示する時計モードの切り替えな
どを行う。
【0041】また、本体18には、一対のバンド13
a、13bが取り付けられており、図10に示すように、
これらを腕に巻き付け、所定の止め金具12で止めるこ
とにより、腕に装着される。14は、バンド13a,1
3bに沿って移動可能な矩形断面の筒状の摺動体であ
り、この摺動体14内に位置決めセンサ1と脈波検出部
5が設けられている。したがって、摺動体14を移動さ
せると、位置決めセンサ1と脈波検出部5とが一体とな
って移動する。また、脈波検出部5は半球状の形状をし
ており、位置決め時には摺動体14の内部に陥没してい
る。そして、脈波検出部5は、ボタン14aを引っ張る
と突出し、押し込むと陥没するようになっている。した
がって、位置決め時には、ボタン14aを押し込んだ状
態で摺動部14の位置を調整し、橈骨動脈の脈波波形を
測定する際にボタン14aを引っ張って脈波検出部5を
突出させる。これにより、位置決めを行う際に摺動部1
4を円滑に移動させることができるので、被験者が圧迫
感を受けることにならない。
【0042】また、位置決めセンサ1および脈波検出部
5と本体18との間には、図示せぬケーブルが設けられ
ており、これにより、検出された脈波波形MH,Mが伝
達されるようになっている。
【0043】2.第1実施形態の動作 次に、第1実施形態の動作について説明する。まず、バ
ンド13a,13bを腕に巻き、止め金具12によって
固定する。そして、操作ボタン11を操作することによ
って、位置決めモードに設定する。この結果、位置決め
センサ1の発光部(LED32)から光が被験者の腕に
照射され、その反射光が受光部(フォトトランジスタ3
3)で受光される。血管を流れる血液は、上述したよう
に光を吸収する吸光特性を持っているから、受光部が受
光する反射光の光量は、毛細血管CA,CA’や細動脈
ARを流れる血液によって減衰する。その減衰量は、そ
の血管における照射光が貫く部位の血液容量の関数とな
り、すなわち、毛細血管CA,CA’や細動脈ARを流
れる血液の脈波に対応したものとなる。
【0044】ここで、摺動体14が図2に示す位置Xs
にあり、これを位置Xeまで移動させるものとする。こ
の場合、位置決めセンサ1によって検出される脈波波形
MHは、摺動体14の移動速度にもよるが、十分低速で
移動させたとすると、図11(a)に示す脈波波形MH
となる。なお、同図(a)に示すL1,L2は、極性検
出部3に用いられるヒシテリシスコンパレータの閾値で
ある。
【0045】ヒシテリシスコンパレータの出力は、脈波
波形MHの振幅が閾値L1を越えるとハイレベルとな
り、閾値L2を下回るとローレベルになるから、振幅極
性検出信号KSは同図(b)に図示したものとなる。こ
こで、振幅極性検出信号KSがハイレベルの期間T1,
T3は図2に示す領域W1,W3に対応し、一方、ロー
レベル期間T2は図2に示す領域W2に対応する。
【0046】この場合、期間T1,T3においては表示
部4に「+」が、期間T2においては表示部4に「−」
が表示されるが、摺動体14の移動距離に対して橈骨動
脈の太さは小さいから、期間T2はごく短い期間とな
る。したがって、被験者は表示部4に表示される振幅極
性を見ながら摺動体14を移動させることによって、橈
骨動脈RAの位置を知ることができる。
【0047】このようにして、橈骨動脈の上に摺動体1
4を移動させた後、図9に示すボタン14aを引っ張る
と、脈波検出部5が腕の側に突出する。ここで、脈波検
出部5と位置決めセンサ1は摺動体14の回動方向と垂
直方向に取り付けられているから、位置決めセンサ1と
脈波検出部5は橈骨動脈の上に位置する。したがって、
脈波検出部5は、橈骨動脈を正確に押圧することができ
る。
【0048】この後、操作ボタン11を操作することに
よって、脈波検出モードに設定されると、表示部4には
脈波検出部5によって検出された脈波波形Mの振幅値が
表示される。ここで、被験者は脈波波形Mの振幅が最大
となるように、摺動体14の位置を微調整することによ
って、より正確な脈波波形Mを検知することができる。
【0049】3.第1実施形態の変形例 (1)告知手段の一例 前述のように、本実施形態によれば、表示によって脈波
検出部5と橈骨動脈の位置関係を操作者に告知するよう
にしたが、これに代えて音によって告知するように構成
してもよい。すなわち、極性検出部3の振幅極性検出信
号KSに基づいて発音を行う発音手段VOを設けてもよ
い。そして、発音手段においては、例えば、振幅極性検
出信号KSのレベルに応じて、音量、音高、音色、など
の音の属性を変えることによって、脈波検出部5と橈骨
動脈RAの位置関係を告知するように構成する。また、
音の発音間隔、例えば、ピッピッピという電子音の発音
間隔などを変化させることによって告知してもよい。
【0050】(2)脈波検出部5の位置決め方法の一例 前述のように、本実施形態によれば、表示部4の表示を
見ながら、脈波検出部5の位置を良好に設定することが
できるが、腕に装着した際の当初の位置決めにおいて
も、できるだけ橈骨動脈付近を貫通するようにした方が
好適である。そこで、一応の目安として、バンド13a
にマークを付けるとよい。すなわち、図10に示すよう
に、バンド13aに所定の間隔で目盛り13m、13m
……を付けておき、摺動体14がどの目盛りの位置のと
きに伝送路Lが良い位置に達したかを覚えておく。そし
て、バンド13a,13bを腕に装着した直後に、摺動
体14の位置をその目盛り位置に調整する。このように
すれば、測定モードに移行した後の摺動体14の調整量
が少なくて済み、測定が迅速に行える。
【0051】C.第2実施形態 1.第2実施形態の構成 図12は、第2実施形態に係わる脈波検出装置の電気的
構成を示すブロック図である。本実施形態は、前述の第
1実施形態の構成における摺動体14(手動位置変更機
構2)に代えて、自動位置変更機構10と制御部6を設
けたものである。自動位置変更機構10は、位置決めセ
ンサ1および脈波検出部5を腕の周方向(橈骨動脈RA
に対して直交する方向)に駆動するものであり、制御部
6によって駆動される。制御部6は、振幅極性信号KS
に基づいて、その振幅極性が反転する中央に位置決めセ
ンサ1および脈波検出部5が位置するようにパルス駆動
信号DSを生成する。
【0052】ここで、図13は、自動位置変更機構10
の外観を示す正面図(皮膚側)であり、図示のようにバ
ンド13bが貫通している。自動位置変更機構10の内
部は、リニアパルスモータの構成になっており、図示の
10bはそのスライダである。このリニアパルスモータ
は、パルス駆動信号DSによって内部コイルの励磁条件
を変更し正確に一定ピッチづつ直線的に歩進するように
なっている。スライダ10bには、皮膚側に可動部10
cが設けられており、この可動部10cに位置決めセン
サ1と脈波検出部5が取り付けられている。可動部10
cは、溝10aに沿って図面左右方向に1cm程度のス
トロークで移動自在である。
【0053】2.第2実施形態の動作 以上の構成において、位置決めモードが設定されると、
制御部6は、自動位置変更機構10を初期化するように
駆動信号DSを出力する。具体的には、図13に示す可
動部10cをみぞ10aの右端に移動させる。
【0054】この後、制御部6は可動部10cを右から
左へ一定の速度で移動させるように自動位置変更機構1
0を制御する。この場合、可動部10cの移動速度は、
脈波波形MHの反転を検出できるように設定される。可
動部10cが移動を開始すると、位置決めセンサ1から
の脈波波形MHに基づいて、極性検出部3はその振幅極
性を検出し、振幅極性信号KSを生成する。
【0055】振幅極性信号KSが制御部6に供給される
と、制御部6は振幅極性信号KSが反転するまで、可動
部10cを左方向へ移動させるように制御する。橈骨動
脈の内壁RAの血管径は、可動部10cのストローク
(1cm)に対して小さく、また、バンド13bに対す
る自動位置変更機構10の取り付け位置は、自動位置変
更機構10の中心が橈骨動脈と略一致するように設定さ
れる。このため、可動部10cの初期化時に位置決めセ
ンサ1が橈骨動脈の上部に位置することはごく稀であ
り、可動部10cは初期化時に図2に示す位置Xsに位
置する。したがって、初期化位置から可動部10cが移
動を開始すると、まず、毛細血管CAの脈波波形MHが
位置決めセンサ1によって検出される。そして、さらに
可動部10cが移動すると、細動脈ARおよび毛細血管
CA’の脈波波形MHが検出される。ここで、毛細血管
CAの脈波波形MHと細動脈ARおよび毛細血管CA’
の脈波波形MHとの振幅極性は反転するから、振幅極性
信号KSが反転した時、可動部10cは橈骨動脈の左端
上部に位置している。
【0056】制御部6は振幅極性信号KSの反転を検知
すると、パルス駆動信号DSのパルス数のカウントを開
始し、振幅極性信号KSの振幅極性が再反転するまでカ
ウントを行う。振幅極性信号KSが再反転するのは、位
置決めセンサ1によって検出される脈波波形MHが、細
動脈ARおよび毛細血管CA’から毛細血管CAに切り
替わった時である。すなわち、このタイミングにおい
て、可動部10cは橈骨動脈の右端上部に位置してい
る。
【0057】この後、制御部6は、カウントされたパル
ス駆動信号DSのパルス数を半分にし、このパルス数だ
け可動部10cを逆方向に移動させるようにパルス駆動
信号DSを生成する。これにより、可動部10cを橈骨
動脈の真上に移動させることができる。
【0058】次に、制御部6は、可動部10cに設けら
れた脈波検出部5を突出せるように制御信号CSを生成
して自動位置変更機構10に供給する。この制御信号C
Sを自動位置変更機構10が検知すると、自動位置変更
機構10は、脈波検出部5を皮膚側に突出させる。これ
により、脈波検出部5によって橈骨動脈の脈波波形Mが
検出される。
【0059】以上の動作の結果、脈波検出部5は、脈波
波形Mが最大になる位置に制御される。本実施形態にお
いては、圧力センサによって位置決めする装置(例え
ば、米国特許NO.4951679)と異なり、位置決めを行う際
には、脈波検出部5を表皮に押しつけていないので、可
動部10cを腕の表皮に沿って移動させる力は少なくて
済む。したがって、一般的なリニアパルスモータのトル
クで十分にサーボ制御が可能である。また、動脈血管の
径から、可動部10cの移動距離は1cm程度あれば、
十分に脈波検出部5の最適位置を見つけることができ
る。
【0060】3.第2実施形態の変形例 (1)第2実施形態においては、表示部4における振幅
値の表示を省略してもよい。これは、装置がサーボ機構
によって自動的に脈波検出部5を最適位置にするので、
利用者が振幅値をモニタしなくてもよいからである。た
だし、表示部4で振幅値を表示すれば、サーボ機構の動
作状況を知ることができ、また、仮にサーボ機構が故障
した場合には、手動によって脈波検出部5の位置を最適
化することができる。
【0061】(2)第2実施形態において、脈波検出部
5で検出される脈波波形Mの振幅値を制御部6に供給し
(図12中の点線を参照)、この振幅値と振幅極性信号
KSに基づいてパルス駆動信号DSを生成してもよい。
この場合、制御部6は振幅極性信号KSの反転を検知す
ると、制御信号CSを自動位置変更機構10に供給す
る。制御信号CSを自動位置変更機構10が検知する
と、自動位置変更機構10は、脈波検出部5を皮膚側に
突出させる。これにより、脈波検出部5によって橈骨動
脈の脈波波形Mが検出される。この後、制御部6は、可
動部10cを右に1ピッチ移動させ、脈波波形Mの振幅
値が大きくなるか否かを判定する。仮に大きくなってい
たら、さらに、1ピッチ右に移動させ、振幅値が大きく
なるか否かを測定する。以後同様にして、右に移動させ
て行き、振幅値が小さくなったときは、1ピッチ左に戻
って移動を終了する。以上の動作の結果、脈波検出部5
は、脈波波形Mの振幅が最大になる位置に制御される。
【0062】ところで、ランニング等の運動中にあって
は、腕に巻き付けたベルトが腕の振りよってずれること
がある。このような場合、脈波検出部5の位置が橈骨動
脈RAの真上からずれてしまい、脈波波形MのSN比が
劣化することが起こりうる。そこで、制御部6におい
て、脈波波形Mの振幅値が過去の平均した振幅値からあ
る値を越えて低下したこと検知し、これをトリガとし
て、再度、上述した振幅値に基づく脈波検出部5の位置
変更を行うようにしてもよい。
【0063】C:第3実施形態 上述した第1,第2実施形態は、位置決めセンサ1で検
出された脈波波形MHの振幅極性を検出し、この検出結
果に基づいて脈波検出部5の位置決めを行うものであっ
た。ところで、運動時には毛細血管CA,CA’や細動
脈ARを流れる血液流は体動の影響を受けるため、脈波
波形MHに体動成分が重畳し、脈波波形MHの振幅が脈
動とは無関係に大きく変動する。このような場合、位置
決めセンサ1の出力に基づいて振幅極性を判定すると、
体動の影響を受けて振幅極性を正確に判定できないこと
もある。そこで、第3実施形態にあっては、体動成分を
除去した後に振幅極性を検出することにより、体動があ
る場合であっても正確に脈波検出部5の位置決めを行う
ようにしている。
【0064】第3実施形態に係わる脈波検出装置の電気
的構成を図14に示す。この脈波検出装置の構成は、位
置決めセンサ1と極性検出部3との間に体動除去手段7
を設けた点を除いて、上述した第2実施形態の脈波検出
装置と同様である。体動除去手段7は、脈波波形MHか
ら体動波形を除去して体動除去脈波波形MH’を生成す
る。体動除去手段7の具体的な構成としては、以下の構
成例がある。
【0065】1.構成例1 図15は、体動除去手段7の構成例1を示すブロック図
である。図において、70は体動検出部であって、本体
18(図9参照)の内部に設けられ、加速度センサ等で
構成される。体動検出部70によって、生体の体動を示
す体動波形THが検出される。また、71は第1の周波
数解析部であって、体動波形THに周波数解析を施し
て、体動解析データTKDを生成する。一方、72は第
2の周波数解析部であって、脈波波形MHに周波数解析
を施して、脈波解析データMKDを生成する。周波数解
析の手法には、FFT(高速フーリエ変換)の他、ウエ
ーブレット変換等がある。この例にあっては、ウエーブ
レット変換を一例として説明する。
【0066】一般に、信号を時間と周波数の両面から同
時に捉える時間周波数解析において、ウエーブレットは
信号の部分を切り出す単位となる。ウエーブレット変換
は、この単位で切り出した信号各部の大きさを表してい
る。ウエーブレット変換を定義するために基底関数とし
て、時間的にも周波数的にも局在化した関数ψ(x)を
マザー・ウエーブレットとして導入する。ここで、関数
f(x)のマザー・ウエーブレットψ(x)によるウエ
ーブレット変換は次のように定義される。
【数1】
【0067】数1においてbは、マザー・ウエーブレッ
トψ(x)をトランスレート(平行移動)する際に用い
るパラメータであり、一方、aはスケール(伸縮)する
際のパラメータである。したがって、数1においてウエ
ーブレットψ((x−b)/a)は、マザー・ウエーブ
レットψ(x)をbだけ平行移動し、aだけ伸縮したも
のである。この場合、スケールパラメータaに対応して
マザー・ウエーブレットψ(x)の幅は伸長されるの
で、1/aは周波数に対応するものとなる。
【0068】 ここで、第1の周波数解析部71の詳
細な構成について説明する。図16は第1の周波数解析
部71の詳細な構成を示すブロック図である。なお、第
2の周波数解析部72も第1の周波数解析部71と同様
に構成される。この第1の周波数解析部71は、上記し
た数1の演算処理を行う構成であって、クロックCKが
供給され、クロック周期で演算処理が行われるようにな
っている。図示するように第1の周波数解析部71は、
マザー・ウエーブレットψ(x)を記憶する基底関数記
憶部W1、スケールパラメータaを変換するスケール変
換部W2、バッファメモリW3、トランスレートを行う
平行移動部W4および乗算部W5から構成される。な
お、基底関数記憶部W1に記憶するマザー・ウエーブレ
ットψ(x)としては、ガボールウエーブレットの他、
メキシカンハット、Haarウエーブレット、Meye
rウエーブレット、Shannonウエーブレット等が
適用できる。
【0069】まず、基底関数記憶部W1からマザー・ウ
エーブレットψ(x)が読み出されると、スケール変換
部W2はスケールパラメータaの変換を行う。ここで、
スケールパラメータaは周期に対応するものであるか
ら、aが大きくなると、マザー・ウエーブレットψ
(x)は時間軸上で伸長される。この場合、基底関数記
憶部W1に記憶されるマザー・ウエーブレットψ(x)
のデータ量は一定であるので、aが大きくなると単位時
間当たりのデータ量が減少してしまう。スケール変換部
W2は、これを補うように補間処理を行うとともに、a
が小さくなると間引き処理を行って、関数ψ(x/a)
を生成する。このデータはバッファメモリW3に一旦格
納される。
【0070】次に、平行移動部W4はバッファメモリW
3からトランスレートパラメータbに応じたタイミング
で関数ψ(x/a)を読み出すことにより、関数ψ(x
/a)の平行移動を行い関数ψ(x−b/a)を生成す
る。
【0071】次に、乗算部W5には、図示せぬA/D変
換器を介して体動波形THをA/D変換して得た体動波
形データTHDが供給される。乗算部W4は、変数1/
1/ 2、関数ψ(x−b/a)および体動波形データT
HDを乗算してウエーブレット変換を行い、体動解析デ
ータTKDを生成する。この例において、体動波形デー
タTKDは、0Hz〜0.5Hz、0.5Hz〜1.0
Hz、1.0Hz〜1.5Hz、1.5Hz〜2.0H
z、2.0Hz〜2.5Hz、2.5Hz〜3.0H
z、3.0Hz〜3.5Hz、3.5Hz〜4.0Hz
といった周波数領域に分割されて出力される。なお、第
2の周波数解析部72も、第1の周波数解析部71と同
様に構成される。
【0072】次に、図15に示す73は体動除去部であ
って、脈波解析データMKDから体動解析データTKD
を減算して、体動除去脈波解析データMKD’を生成
し、これに逆ウエーブレット変換、D/A変換を施して
体動除去脈波波形MH’を生成する。逆ウエーブレット
変換は、上述したウエーブレット変換と相補的な関係に
あり、そこでは以下に示す数2の演算がなされる。
【数2】
【0073】ここで、構成例1の動作を図面を参照しつ
つ説明する。この例では、使用者が手でコップを持ち上
げた後、これを元の位置に戻した場合を想定する。この
場合、図17(a)に示す脈波波形MHが脈波検出部5
によって検出され、また、同時に図17(b)に示す体
動波形THが体動検出部70によって検出されたものと
する。
【0074】ここで、体動波形THは、時刻T1から増
加しはじめ、時刻T2で正のピークとなり、その後、次
第に減少して時刻T2でレベル0を通過し、時刻T3で
負のピークに達し、時刻T4でレベル0に戻っている。
ところで、体動波形THは加速度センサ等によって検出
されるため、時刻T3は使用者がコップを最大に持ち上
げた時刻に対応し、時刻T1は持上開始時刻に対応し、
また、時刻T4は持上終了時刻に対応する。したがっ
て、時刻T1から時刻T4までの期間が体動が存在する
期間となる。なお、図16(c)は仮に体動がなかった
とした場合の脈波波形MH’である。また、この例にお
いて、脈波波形MHの基本波周波数は、1.3Hzとな
っている。
【0075】次に、図18〜図20を参照して、図17
に示す期間Tcにおける脈波検出装置の動作を説明す
る。図18は期間Tcにおける脈波解析データMKDを
示し、図18に期間Tcにおける体動解析データTKD
を示す。この図から、体動波形THには、0.0Hz〜
1.0Hzの周波数領域において比較的大きなレベルの
周波数成分が存在していることが判る。
【0076】脈波解析データMKDと体動解析データT
KDが、体動除去部73に供給されると、体動除去部7
3は、脈波解析データMKDから体動解析データTKD
を減算して、図20に示す体動除去脈波解析データMK
D’を生成する。これにより、体動がある場合でもその
影響をキャンセルして体動除去脈波解析データMKD’
を得ることができる。この後、体動除去部73は体動除
去脈波解析データMKD’に逆ウエーブレット変換を施
して、図17(c)に示す体動除去脈波波形MH’を生
成する。
【0077】このように構成例1にあっては、体動検出
部70で検出された体動波形THに基づいて、脈波波形
MHに重畳している体動成分を除去し体動除去脈波波形
MH’を生成したので、腕の振り等の体動がある場合で
あっても、正確に橈骨動脈の位置を検出することが可能
となる。この例は、脈波検出中に脈波波形Mの振幅値が
最大となるように、自動位置変更機構10をフィードバ
ック制御する場合に好適である。
【0078】2.構成例2 構成例1においては、体動検出部70によって体動波形
THを検出し、体動波形THにウエーブレット変換を施
した。そして、脈波波形MHのウエーブレット変換の結
果と、体動波形THのウエーブレット変換の結果とを比
較して、脈波波形MHの周波数成分に含まれている体動
成分をキャンセルし体動除去脈波波形MH’を生成し
た。しかし、構成例1では、体動検出部70および第1
の周波数解析部71が必要になるので、構成が複雑にな
る。構成例2は、この点に鑑みてなされたものである。
【0079】図21は、体動除去手段7の構成例2を示
すブロック図である。この例にあっては、体動除去手段
7は、第2の周波数解析部72と体動分離部74から構
成される。第2の周波数解析部72については構成例1
と同一である。体動分離部74は、脈波解析データMK
Dから体動成分を分離除去して体動除去脈波波形MH’
を生成する。体動分離部74は、以下に述べる体動の性
質を利用している。
【0080】体動は、腕の上下動や走行時の腕の振り等
によって生じるが、日常生活においては、人体を瞬間的
に動かすことはほとんどない。このため、日常生活で
は、体動波形THの周波数成分はそれほど高くなく、0
Hz〜1Hzの範囲にあるのが通常である。この場合、
脈波波形MHの基本波周波数は、1Hz〜2Hzの範囲
にあることが多い。したがって、日常生活において、体
動波形THの周波数成分は脈波波形MHの基本波周波数
よりも低い周波数領域にある。
【0081】一方、ジョギング等のスポーツ中にあって
は、腕の振り等の影響があるため、体動波形THの周波
数成分が幾分高くなるが、運動量に応じて心拍数が増加
するため、脈波波形MHの基本波周波数も同時に高くな
る。このため、スポーツ中においても、体動波形THの
周波数成分は脈波波形MHの基本波周波数よりも低い周
波数領域にあるのが通常である。
【0082】体動分離部74は、この点に着目して体動
成分を分離するものであり、脈波波形MHの基本波成分
よりも低い周波数領域を無視するように構成されてい
る。この場合には、脈波波形MHの基本波成分より高い
周波数領域に体動成分が存在すると脈象の検出精度が低
下する。しかしながら、上述したように体動成分は脈波
波形MHの基本波成分よりも低い周波数領域にある確率
が高いので、高い精度で体動を除去することが可能であ
る。すなわち、体動分離部74は、周波数解析結果のう
ち低域成分を除去した周波数成分に基づいて、体動除去
脈波波形MH’を生成するものである。
【0083】図21において、波形整形部741は脈波
波形MHに波形整形を施して、脈波波形MHと同期した
リセットパルスを生成する。カウンタ742は図示せぬ
クロックパルスを計数し、前記リセットパルスによって
カウント値がリセットされるようになっている。また、
平均値算出回路743は、カウンタ742のカウント値
の平均値を算出する。この平均値は、脈波波形MHの平
均周期に対応する。したがって、平均値を参照すれば、
脈波波形MHの基本波周波数を検知できる。
【0084】次に、置換回路744は、前記平均値に基
づいて、脈波波形MHの基本波周波数を含む周波数領域
を特定する。例えば、前記平均値が0.71秒を示す場
合には、基本波周波数は1.4Hzとなるので、特定さ
れる周波数領域は1Hz〜1.5Hzとなる。この後、
置換回路744は、特定周波数領域未満の周波数領域に
ついて、脈波解析データMKDを「0」に置換して体動
分離脈波データTBDを生成する。これにより、脈波波
形MHの基本波周波数より低い周波数領域の成分は無視
される。この場合、体動成分とともに脈波成分も「0」
に置換されてしまうが、脈波波形MHの特徴的な部分は
基本波周波数よりも高域の周波数領域に存在するため、
「0」に置換しても最終的に得られる体動除去脈波波形
MH’にほとんど影響を与えない。次に、逆変換部74
5は体動分離脈波データTBDに逆ウエーブレット変換
を施して体動除去脈波波形MH’を生成する。
【0085】このように構成例2にあっては、体動検出
部70および第1の周波数解析部71を用いることな
く、体動分離部74によって体動除去脈波波形MH’を
生成したので、簡易な構成で正確に橈骨動脈の位置を検
出することが可能となる。この例は、構成例1と同様に
脈波検出中に脈波波形Mの振幅値が最大となるように、
自動位置変更機構10をフィードバック制御する場合に
好適である。
【0086】3.第3実施形態の変形例 (1)上述した第3実施形態にあっては、体動除去手段
7を用いて位置決めセンサ1からの脈波波形MHより体
動を除去したが、これを脈波検出部5によって検出され
る脈波波形Mに適用して、体動除去脈波波形M’を生成
するようにしてもよい。
【0087】(2)上述した第3実施形態にあっては、
第2実施形態と同様に自動位置変更機構10を有する脈
波検出装置を一例として説明したが、第1実施形態で説
明した手動位置変更機構2を有する脈波検出装置に、体
動除去手段7を適用してもよいことは勿論である。
【0088】(3)上述した第3実施形態にあって、ウ
エーブレット変換の出力には、各周波数領域と時間領域
には一定の関係があるので、分割する周波数領域に応じ
て検出時間が定まる。このため、自動位置変更部10を
検出時間単位毎に間欠駆動するのが好適である。また、
周波数解析の手法としてFFTを用いる場合には、自動
位置変更部10をFFTが行える検出時間単位毎に間欠
駆動するのが好適である。
【0089】D.変形例 本発明は上述した各実施形態に限定されるものではな
く、以下に述べる各種の変形が可能である。 (1)上述した各実施形態においては、脈派を検出する
生体の部位として、手首の橈骨動脈を一例として説明し
たが、本発明はこれに限定されるものではなく、脈派の
検出部位に相当する動脈はどのようなものであってもよ
い。すなわち、人の動脈には、図22に示すように各種
のものがあるが、上述した脈派検出装置の形態を検出部
位に合わせて変形すれば、各種の動脈の位置決めを行う
ことができ、正確な脈波波形の検出が可能である。
【0090】例えば、首の頚動脈から脈波波形Mを検出
する場合にあっては、図23に示すように構成すればよ
い。この図において、30は、アーチ状の装着部であ
り、洋服のカラーの内側部分に装着できるようになって
いる。この装着部30の内側には、自動位置変更機構1
0が取り付けられている。自動位置変更機構10からは
コードが引き出され、制御ボックス35に接続されてい
る。制御ボックス35には、表示部4や極性検出部3が
設けられている。制御ボックス35は、例えば、洋服の
ポケットなどに入る大きさに設定されている。上述した
構成によるこの実施形態の動作は、前述した第2実施形
態と同様である。
【0091】また、自動位置変更機構10に代えて、第
1実施形態のように、手動で脈波検出部5を動かすかす
構成にしてもよい。また、頚動脈から脈波を検出するた
めの装着部30としては、上述したタイプのみならず、
ネックレスの輪のような形状にしても、ネクタイのルー
プ部分の形状にしても、あるいは、首輪のような形にし
てもよい。
【0092】(2)上述した各実施形態は、脈波検出部
5の一例として圧力センサを取り上げたが、本発明はこ
れに限定されることなく、例えば、光学式センサを使用
してもよい。光学式センサとしては、位置決めセンサ1
と同様の形式である反射型の他、透過型のセンサを使用
することもできる。また、超音波を用いたセンサを使用
してもよい。要は、動脈の脈波波形を検出できるのであ
れば、どのような形式のものを使用してもよい。
【0093】(3)上述した各実施形態は、位置決めセ
ンサ1と脈波検出部5を別個の構成として説明したが、
両者を兼用してもよい。この場合には、脈波検出部5を
削除して位置決めセンサ1から出力される脈波波形MH
を用いて、脈拍数等の生体情報を計測して、これを表示
部4に表示できる。また、第3実施形態の変形例で説明
した体動除去を行う場合には、体動除去手段7を位置決
めセンサ1の後段に一つのみ設ければよいので、構成を
簡易にすることができる。
【0094】(4)第2、第3実施形態で用いた自動位
置変更機構10は、リニアパルスモータの構成を採用し
ていたが、これに代えて、機械的な構成によって可動部
10cを駆動してもよい。この場合の一例を図24に示
す。図24において、Mはモータであり、50はモータ
Mの軸に、軸心を共通にして取り付けられているボール
ネジである。10fは受光部2が取り付けられるベース
部材であり、ボールネジ50と螺合している。ベース部
材10fは、ボールネジが回転すると、その回転方向に
応じて図面左右方向に移動する。また、その移動量はボ
ールネジ50の回転量に比例する。また可動部10cに
は、位置決めセンサ1と脈波検出部5が設けられてい
る。以上の構成により、自動位置変更機構10は、可動
部10cを腕の周方向(橈骨動脈に対して直交する方
向)に駆動する。この場合も、第2実施形態と同様に、
可動部10cを表皮に押しつけていないので、腕の表皮
に沿って移動させる力は少なくて済む。したがって、一
般的な超小型モータのトルクで十分にサーボ制御が可能
である。また、可動部10cの移動距離は1cm程度あ
れば、十分に最適位置を見つけることができる。
【0095】(5)上述した各実施形態および変形例に
おいて、摺動体14の端部に押圧脚部2a,2bを設け
るようにしても良い。この点について、図25を用いて
説明する。図25は光電反射型の脈派検出装置を腕に装
着状態での断面図である。この図において、本体18の
両端に取り付けられたリストバンド13a,13bは、
被験者の手首に巻き付けられて、公知のフック122に
よって互いに締結されている。なお、フック122によ
り、腕時計10の周長の調節が可能なように、すなわち
手首への締め付け力を調節可能なようにされている。
【0096】リストバンド13aの裏面(手首に対向す
る面)には光学式拍動検出センサ2’が固定されてい
る。これに代えて圧力検出センサを用いてもよい。光学
式拍動検出センサ2’は送信部と受信部が一体となって
構成されている。光学式拍動検出センサ2’は、リスト
バンド13a,13bの締め付け力を受けて橈骨動脈2
1の真上の表皮を押圧する。
【0097】リストバンド13aには、裏側に突出する
押圧脚部2a,2bが取り付けられており、押圧脚部2
a,2bの少なくとも一方はリストバンド13aの周方
向に沿って移動可能、かつ移動した位置で停止可能にな
されている。この場合、押圧脚部2a,2bは橈骨動脈
の両側の弾性の高い(軟らかい)表面を凹ませるから、
脈波検出部5を容易に橈骨動脈RAの真上に位置決めす
ることが可能である。また、可動部10cの先端は、押
圧脚部2a,2bの先端同士よりも、上方に位置してい
るため、他の組織よりも弾性の低い(硬い)橈骨動脈
が、押圧脚部2a,2bの間に簡単に位置決めされるよ
うになっている。
【0098】したがって、このような押圧脚部2a,2
bを摺動体14(図4、図13等参照)の端部に設ける
ことによって概略の位置決めを行い、この後、摺動体1
4によって精密な位置決めを行うことにより、正確な位
置決めを容易に行うことができ、脈派信号のSN比を向
上することができる。
【0099】なお、橈骨動脈は皮膚の下3mm程度の位
置にあるのが通常であるから、押圧脚部2a,2bのみ
を用いて皮膚を押圧して位置決めを行っても良い。この
場合は、摺動体14と押圧脚部2a,2bを使用する場
合と比較して脈派信号のSNは多少劣化するが、実用上
問題は少ない。
【0100】(6)上述した第1実施形態あっては、位
置決めセンサ1からの脈波波形MHの極性を極性検出部
3で検出して、これを表示部4に表示するようにした
が、脈波波形MHを直接、表示部4に表示してもよい。
この場合、脈波検出部5が橈骨動脈の上に位置すると、
表示部4に表示される脈波波形MHの振幅極性が反転す
るので、被験者は脈波検出部5の位置決めを行うことが
できる。要は、位置決めセンサ1から出力される脈波波
形MHに基づいて、脈波検出手部1と生体の検出部位と
の相対位置関係を変更するものであれば、如何なる構成
を用いてもよい。
【0101】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の発明特定
事項によれば、皮膚を押圧ことなく動脈の位置を特定す
ることができるので、被験者に負担をかけることなく、
動脈の位置を正確に特定することができ、SN比のよい
脈波を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 橈骨動脈の立体模型図である。
【図2】 橈骨動脈、細動脈および毛細血管の関係を模
式的に示す断面図である。
【図3】 橈骨動脈の脈動を示す図である。
【図4】 (a)は毛細血管CAの脈波波形を、(b)
は細動脈ARの脈波波形を各々示した図である。
【図5】 本発明の実施形態に係わる脈波検出装置の機
能ブロック図である。
【図6】 第1実施形態に係わる脈波検出装置の電気的
構成を示すブロック図である。
【図7】 同実施形態に係わる位置決めセンサの回路図
である。
【図8】 同実施形態に係わる極性検出部の回路図であ
る。
【図9】 同実施形態に係わる脈波検出装置の外観を示
す斜視図である。
【図10】 同実施形態に係わる脈波検出装置を腕に装
着した状態を示す斜視図である。
【図11】 同実施形態において脈波波形MHと極性検
出信号KSの関係を示す図である。
【図12】 第2実施形態に係わる脈波検出装置の電気
的構成を示すブロック図である。
【図13】 同実施形態に係わる自動位置変更機構の外
観を示す正面図である。
【図14】 第3実施形態に係わる脈波検出装置の電気
的構成を示すブロック図である。
【図15】 同実施形態の体動除去手段7に係わる構成
例1を示すブロック図である。
【図16】 同実施形態に係わる第1の周波数解析部7
1の詳細な構成を示すブロック図である。
【図17】 同実施形態に係わる構成例1の動作を説明
するためのタイミングチャートである。
【図18】 同実施形態において、期間Tcにおける脈
波解析データMKDを示す図である。
【図19】 同実施形態において、期間Tcにおける体
動解析データTKDを示す図である。
【図20】 同実施形態において、体動除去脈波解析デ
ータMKD’を示す図である。
【図21】 同実施形態の体動除去手段7に係わるに構
成例2を示すブロック図である。
【図22】 人体の動脈を示す図である。
【図23】 変形例に係わる脈波検出装置の外観構成を
示す図である。
【図24】 変形例に係わる自動位置変更機構10の機
械的な構成を示す図である。
【図25】 光電反射型の脈派検出装置を腕に装着状態
での断面図である。
【符号の説明】
1 位置決めセンサ 2 手動位置変更機構(位置変更手段) 3 極性検出部(極性検出手段) 4 表示部(告知手段) 5 脈波検出部(脈波検出手段) 6 制御部(位置変更手段) 7 体動除去手段 8 生態情報生成部(振幅検出手段) 10 自動位置変更機構(位置変更手段) 70 体動検出部 71 第1の周波数解析部 72 第2の周波数解析部 73 体動除去部 74 体動分離部 M,MH 脈波波形 TH 体動波形 MH’体動除去脈波波形

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脈波検出手段を用いて生体の検出部位か
    ら脈波波形を検出する脈波検出法において、 前記脈波検出手段の近傍に取り付けられ、前記検出部位
    に光を照射する発光部とその反射光を受光する受光部と
    からなる位置決めセンサから出力される脈波波形に基づ
    いて、前記脈波検出手段と前記検出部位との相対位置関
    係を変更することを特徴とする脈波検出方法。
  2. 【請求項2】 生体の検出部位から脈波波形を検出する
    脈波検出手段と、 前記脈波検出手段の近傍に取り付けられ、前記検出部位
    に光を照射する発光部とその反射光を受光する受光部と
    からなる位置決めセンサと、 前記位置決めセンサおよび前記脈波検出手段と、前記検
    出部位との相対位置関係を変更する位置変更手段と、 前記位置決めセンサから出力される脈波波形の振幅極性
    を検出する極性検出手段と、 前記極性検出手段の検出結果を告知する告知手段とを備
    えることを特徴とする脈波検出装置。
  3. 【請求項3】 生体の検出部位から脈波波形を検出する
    脈波検出手段と、 前記脈波検出手段の近傍に取り付けられ、前記検出部位
    に光を照射する発光部とその反射光を受光する受光部と
    からなる位置決めセンサと、 前記位置決めセンサから出力される脈波波形の振幅極性
    を検出する極性検出手段と、 前記極性検出手段によって検出される振幅極性が反転す
    るように、前記位置決めセンサおよび前記脈波検出手段
    と前記検出部位との相対位置関係を変更する位置変更手
    段とを備えることを特徴する脈波検出装置。
  4. 【請求項4】 前記位置決めセンサによって検出される
    脈波波形から体動を除去して体動除去脈波波形を生成す
    る体動除去手段を備え、 前記極性検出手段は、前記体動除去脈波波形に基づいて
    極性を検出することを特徴とする請求項2または3に記
    載の脈波検出装置。
  5. 【請求項5】 生体の検出部位から脈波波形を検出する
    脈波検出手段と、 前記脈波検出手段の近傍に取り付けられ、前記検出部位
    に光を照射する発光部とその反射光を受光する受光部と
    からなる位置決めセンサと、 前記位置決めセンサと前記検出部位との相対位置関係を
    変更する位置変更手段と、 前記位置決めセンサから出力される脈波波形の振幅極性
    を検出する極性検出手段と、 前記位置決めセンサから出力される脈波波形の振幅を検
    出する振幅検出手段と、 前記極性検出手段の検出結果と前記振幅検出手段の検出
    結果を告知する告知手段とを備えることを特徴とする脈
    波検出装置。
  6. 【請求項6】 生体の検出部位から脈波波形を検出する
    脈波検出手段と、 前記脈波検出手段の近傍に取り付けられ、前記検出部位
    に光を照射する発光部とその反射光を受光する受光部と
    からなる位置決めセンサと、 前記位置決めセンサおよび前記脈波検出手段と、前記検
    出部位との相対位置関係を変更する位置変更手段と、 前記位置決めセンサから出力される脈波波形の振幅極性
    を検出する極性検出手段と、 前記位置決めセンサから出力される脈波波形の振幅を検
    出する振幅検出手段と、 前記極性検出手段によって検出される振幅極性が反転
    し、かつ、前記振幅検出手段によって検出される振幅が
    最大となるように、前記位置決めセンサおよび前記脈波
    検出手段と、前記検出部位との相対位置関係を変更する
    位置変更手段とを備えることを特徴とする脈波検出装
    置。
  7. 【請求項7】 前記位置決めセンサからの脈波波形から
    体動を除去して体動除去脈波波形を生成する体動除去手
    段を備え、 前記極性検出手段は前記体動除去脈波波形に基づいて極
    性を検出するとともに、前記振幅検出手段は前記体動除
    去脈波波形に基づいて振幅を検出することを特徴とする
    請求項5または6に記載の脈波検出装置。
  8. 【請求項8】 前記体動除去手段は、 前記生体の体動を検出する体動検出部と、 前記体動検出部によって検出された体動波形の周波数解
    析を行う第1の周波数解析部と、 前記位置決めセンサからの脈波波形の周波数解析を行う
    第2の周波数解析部と、 前記第1の周波数解析部によって解析された周波数解析
    結果と、前記第2の周波数解析部によって解析された周
    波数解析結果とを比較して、前記体動除去脈波波形を生
    成する体動除去部とを備えたことを特徴とする請求項4
    または7に記載の脈波検出装置。
  9. 【請求項9】 前記第1の周波数解析部と前記第2の周
    波数解析部は、FFTを用いて周波数解析を行うことを
    特徴とする請求項8に記載の脈波検出装置。
  10. 【請求項10】 前記位置変更手段は、少なくともFF
    Tが行える最小単位時間以上の停止時間をもって移動す
    ることを特徴とする請求項9に記載の脈波検出装置。
  11. 【請求項11】 前記第1の周波数解析部と前記第2の
    周波数解析部は、ウエーブレット変換を用いて周波数解
    析を行うことを特徴とする請求項8に記載の脈波検出装
    置。
  12. 【請求項12】 前記体動除去手段は、 前記位置決めセンサからの脈波波形の周波数解析を行う
    周波数解析部と、 前記周波数解析部によって解析された周波数解析結果の
    うち低域成分を除去した周波数成分に基づいて、前記体
    動除去脈波波形を生成する体動分離部とを備えたことを
    特徴とする請求項4または7に記載の脈波検出装置。
  13. 【請求項13】 前記周波数解析部は、FFTまたはウ
    エーブレット変換を用いて周波数解析を行うことを特徴
    とする請求項12に記載の脈波検出装置。
  14. 【請求項14】 前記脈波検出手段は、圧力センサであ
    ることを特徴とする請求項2乃至13のうちいずれか1
    項に記載の脈波検出装置。
  15. 【請求項15】 前記脈波検出手段は、光学式センサで
    あることを特徴とする請求項2乃至13のうちいずれか
    1項に記載の脈波検出装置。
  16. 【請求項16】 前記脈波検出手段と前記位置決めセン
    サとを兼用したことを特徴とする請求項15に記載の脈
    波検出装置。
  17. 【請求項17】 前記脈波検出手段と前記位置決めセン
    サとの検出波長を、300nmから600nmの波長領
    域中に設定したことを特徴とする請求項16に記載の脈
    波検出装置。
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