JP4454778B2 - 照光性加飾用シートとこれを用いた照光性加飾成形品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術の分野】
本発明は、遮光部分に高級感を有する照光性加飾用シートと、これを用いた照光性加飾成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、裏面から光源によって照射することで、夜間や暗い室内であっても、文字や記号などの照光パターンを光らせて認識しやすくする照光性加飾成形品が、家電製品、自動車部品等に利用されており、その一形態として遮光部分をメタリック調にして高級感を付与したものがあった。
【0003】
この高級感を有する照光性加飾成形品を得る手段としては、透明または半透明フィルム7からなる基体シート上にメタリック着色層12、遮光性着色層4、透光性着色層5をスクリーン印刷法などにて印刷し文字等の照光パターンを形成した照光性加飾用シート2(図8参照)を形成し、これを基体シート側が金型キャビティ面と向き合うように金型内に配置し、透光性の成形樹脂を充満し、照光性加飾用シート2と成形樹脂とが一体化した照光性加飾成形品1(図9参照)を得るものが実用化している。なお、この照光性加飾用シート2および照光性加飾成形品1は、メタリック着色層12および遮光性着色層4がともに抜き柄を有するように形成され、これらの抜き柄部分と重なるように透光性着色層5が形成されたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の照光性加飾用シート2および照光性加飾成形品1では、印刷の見当ズレによりメタリック着色層12の抜き柄部分に遮光性着色層4がはみ出て見えることがないように、予め0.2〜0.5mm程度の逃げ代13をとって遮光性着色層4の抜き柄部分が大きく設定されており、しかもメタリック着色層12が単独では遮光性が劣るものであるため、照光パターン10周囲の逃げ代13において光漏れが発生した。
【0005】
したがって、本発明の目的は、上記の問題点を解決することにあり、照光パターン周囲に光漏れが発生せず、遮光部分に高級感を有する照光性加飾用シートとこれを用いた照光性加飾成形品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の照光性加飾用シートは、金属積層フレークがインキ結合材に配合されてなる偏光層、抜き柄を有する遮光性着色層、透光性着色層の少なくとも3層が順に積層された照光性加飾用シートであって、偏光層が、厚み1μmからなる下記の5層積層構造からなる金属積層フレークを配合率0.5〜25重量%の範囲で不規則に分散して含有し、遮光部分および照光パターンの全てを覆うように形成されている。
第一低反射性金属蒸着膜 :Cr,Ti,Cu,Znの中から選択される金属または金属化合物からなる蒸着膜
第一低屈折率性金属蒸着膜:SiO,SiO2,MgF2の中から選択される金属または金属化合物からなる蒸着膜
高屈折率性金属蒸着膜 :Al,Ni,Snの中から選択される金属または金属化合物からなる蒸着膜
第二低屈折率性金属蒸着膜:SiO,SiO2,MgF2の中から選択される金属または金属化合物からなる蒸着膜
第二低反射性金属蒸着膜 :Cr,Ti,Cu,Znの中から選択される金属または金属化合物からなる蒸着膜
【0007】
また、上記構成において、透光性着色層が透光性着色樹脂シートからなるように構成した。
【0008】
また、上記構成において、透明または半透明フィルム上に上記各層が偏光層、遮光性着色層、透光性着色層の順に積層されているように構成した。
【0009】
また、上記構成において、透明または半透明フィルム上に上記各層が透光性着色層、遮光性着色層、偏光層の順に積層されているように構成した。
【0010】
また、上記構成において、偏光層と遮光性着色層との間に透明または半透明フィルムが積層されているように構成した。
【0011】
また、上記構成において、遮光性着色層と透光性着色層との間に透明または半透明フィルムが積層されているように構成した。
【0012】
また、上記各構成において、偏光層が、厚さ0.5〜10μmであるように構成した。
【0013】
本発明の照光性加飾成形品は、上記の照光性加飾用シートが透光性樹脂成形品と一体化されたているように構成した。
【0014】
【発明の実施の形態】
図面を参照しながら本発明についてさらに詳しく説明する。
【0015】
図1〜5は本発明に係る照光性加飾用シートの一実施例を示す断面図、図6は本発明に係る照光性加飾用シート一体成形品の製造方法の一工程の実施例を示す断面図、図7は本発明に係る照光性加飾成形品の一実施例を示す断面図である。図中、1は照光性加飾成形品、2は照光性加飾用シート、3は偏光層、4は遮光性着色層、5は透光性着色層、6は接着層、7は透明または半透明フィルム、8は透光性着色樹脂シート、9は透光性樹脂成形品、10は照光パターン、11は金型をそれぞれ示す。
【0016】
照光性加飾用シート2は、偏光層3、抜き柄を有する遮光性着色層4、透光性着色層5の少なくとも3層が順に積層されたものである(図1〜5参照)。また、照光性加飾用シート2の照光パターン10は、遮光性着色層4の抜き柄部分から露出する透光性着色層5によって形成される文字や記号などの形状を有するものであり、背面から光源によって照射されることによって光を透過し、文字や記号などの形状を認識できるものである。
【0017】
ここで、透明または半透明フィルム7を基体シートとし、その片面又は両面に、偏光層3、遮光性着色層4、透光性着色層5をインキ層からなるように構成してもよい。たとえば、透明または半透明フィルム7上に上記各層を偏光層3、遮光性着色層4、透光性着色層5の順に積層してもよいし(図1参照)、透明または半透明フィルム7上に上記各層を透光性着色層5、遮光性着色層4、偏光層3の順に積層してもよい(図2参照)。また、偏光層3と遮光性着色層4との間に透明または半透明フィルム7が位置するように積層してもよいし(図3参照)、遮光性着色層4と透光性着色層5との間に透明または半透明フィルム7が位置するように積層してもよい(図4参照)。
【0018】
また、透光性着色層5を透光性着色樹脂シート8からなるようにし、他の層をインキ層からなるように構成してもよい(図5参照)。
【0019】
偏光層3は、遮光部分の色彩のみを、見る角度によって2色以上に変化させる層であり、照光性加飾用シート2の遮光部分のみならず照光パターン10をも覆うように形成される。
【0020】
偏光層3の材質としては、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂のように可撓性を有するものを選択してバインダーとし、金属積層フレーク、具体的には厚み1μmからなる下記の5層積層構造からなる積層フレークを0.5〜25重量%含有するインキを用いる。
第一低反射性金属蒸着膜 :Cr,Ti,Cu,Znの中から選択される金属または金属化合物からなる蒸着膜
第一低屈折率性金属蒸着膜:SiO,SiO2,MgF2の中から選択される金属または金属化合物からなる蒸着膜
高屈折率性金属蒸着膜 :Al,Ni,Snの中から選択される金属または金属化合物からなる蒸着膜
第二低屈折率性金属蒸着膜:SiO,SiO2,MgF2の中から選択される金属または金属化合物からなる蒸着膜
第二低反射性金属蒸着膜 :Cr,Ti,Cu,Znの中から選択される金属または金属化合物からなる蒸着膜
【0021】
各金属積層フレークは、第一または第二低反射性金属蒸着膜によって外からの入射光が反射し、その補色が第一又は第二低屈折率性金属蒸着膜を透過して高屈折率性金属蒸着膜で反射されることで二彩色の色彩が発現する。この金属積層フレークが不規則に偏光層内に分散されていることによって、見る角度によっては第一または第二低反射性金属蒸着膜による反射光が強く見えたり、高屈折率性金属蒸着膜による反射光が強く見えたりする。金属積層フレークの配合率が0.5〜25重量%の範囲であると、遮光部分においては外からの入射光の光干渉効果と下地色による反射光の光干渉効果とが積算されるため色彩の変化が発生し、照光パターンにおいては下地色による反射光の光干渉効果がないためにその色彩は変化しない。
【0022】
金属積層フレークの配合比率が0.5重量%に満たないと、十分な色彩が得られない。また、金属積層フレークの配合比率が25重量%を超えると、照光パターン10においても色彩の変化がおきる。
【0023】
また、金属積層フレークの配合比率が25重量%を超えると、照光性加飾用シートの偏光層の形成された部分に可撓性がなくなり、照光性加飾用シートを深絞り成形用途に用いると伸展時に薄肉となる箇所が発生して光漏れを起こしやく、最終製品形状に制限を受ける。
【0024】
また、金属積層フレークの配合比率が25重量%を超えると、偏光層を構成するインキ結合材の凝集力が弱くなり、照光性加飾用シートを成形樹脂と一体化した際にクロスカット等で容易に層内剥離をする。ここでクロスカットとは、基体シートから製品面まで達する深さの線を引っかいて1mm×1mmの100個の升目を作り、この面にセロテープを指でしっかり押して付着させ、製品に対してできる限り180度に近い角度で後ろに強く一気に引きはがしたとき、照光性加飾用シートのどこかの層間、または絵柄層の層内で剥離しなければ密着力が良好と判断する評価基準のことである。
【0025】
偏光層3の厚みとしては、0.5〜10μmが好ましい。偏光層3の厚みが0.5μmに満たないと、色彩の変化が乏しい。また、10μmを超えると、照光パターン10においても色彩の変化がおきる。
【0026】
偏光層3の形成方法としては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷方法や、グラビアコート法、ロールコート法、スプレーコート法などのコート法がある。
【0027】
遮光性着色層4は、光源からの光を遮るための層であり、抜き柄を有するように形成することにより背後の透光性着色層5を露出させて照光パターン10を表現する層である。また、偏光層3により遮光部分の色彩を、見る角度によって2色以上に変化させる際に、下地色を呈する層でもある。なお、後述の全光線透過率を確保するため、遮光性着色層4は照光パターン10の周囲がシャープなエッジを有するように形成する。ただし、一層のみでシャープなエッジを有した抜き柄を形成しても後述の全光線透過率を確保出来ない場合には、抜き柄の再現性を優先させるよう版線数を調整した版で第一遮光性着色層を形成し、その抜き柄から更に0.2〜0.5mm大きく逃げ代を取った抜き柄を有し、且つ遮光性を確保できる厚みを持つよう第二、第三の遮光性着色層を積層して形成すると良い。
【0028】
遮光性着色層4は、照光性加飾用シートの遮光部分が全光線透過率(JIS K7361−1準拠)0〜10%であるように形成するのが好ましい。この範囲であると充分な遮光性を確保することができる。10%を越えると光源からの光が遮光部分から透けて見えてしまい、形成された文字、記号などの照光パターン10の判別が難しくなるという不都合がある。なお、本発明における照光性加飾用シートの全光線透過率は、日本電色工業製全光線透過率測定機「Model-NDH2000」を使用し、JIS K7361−1に準拠する測定方法によって測定したものである。具体的には、50×50mmの試験片を3個用意した後、前記測定装置に標準白色板を取付け入射光量を調整し、次に標準白色板を取り付けたまま試験片をセットし、全光線透過量を測定する。この全光線透過量が、全光線透過率(%)になる。
【0029】
遮光性着色層4の材質としては、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド樹脂、ポリカーボネート系樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを用いるとよい。
【0030】
遮光性着色層4の厚みとしては、3〜20μmが好ましい。遮光性着色層4の厚みが3μmに満たないと、照光性加飾用シートを予備成形しようとする際に該照光性加飾用シート2が伸展され、薄肉部となる箇所で遮光性を確保できなくなる。また、20μmを超えると、スクリーン印刷法においても1回の印刷では4μm程度の膜厚しか形成できないため、最低4回以上の遮光性着色層を刷り重ねなければならず、印刷工程によるコストアップにつながる。また、遮光性着色層4が厚くなると、予備成形時の脱型性のため及び樹脂裏打ち時のインキ流れを引き起こす残留溶剤を完全に揮発させるためにそれだけ長時間の乾燥が必要になる。
【0031】
遮光性着色層4の形成方法としては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷方法がある。特に、シャープなエッジを有した照光パターンを設け且つ十分な遮光性を得るためにインキ層の膜厚として大きなものが要求される本発明においては、スクリーン印刷法がより好ましい。
【0032】
透光性着色層5は、遮光性着色層4の抜き柄の形成された部分において露出し、着色された文字や記号などの照光パターン10を表現するための層である。
【0033】
透光性着色層5は、照光パターン10の全光線透過率(JIS K7361−1準拠)が60〜100%となるように形成するのが好ましい。60%に満たないと光源からの光が透過しにくくなり、形成された文字、記号などの照光パターン10の判別が難しくなるという不都合がある。
【0034】
透光性着色層4を透光性着色樹脂シート8によって形成する場合(図5参照)、透光性着色樹脂シート8の材質としては、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアリレート樹脂などが挙げられる。前記した樹脂に着色顔料を混合することにより透光性着色樹脂シート8とすることができる。その厚みとしては、50〜100μmが好ましい。50μmに満たないと、予備成形時の伸びに追従できずに薄肉部となる箇所において破断する危険性が高い。厚みが100μmを超えると、全光線透過率が60%未満となり光源からの光が透過しにくくなり、文字や記号を認識しにくくなる。
【0035】
透光性着色層4をインキ層によって形成する場合(図1〜4参照)、透光性を有するほかは、遮光性着色層3と同様のものを用いることができる。その厚みとしては、3〜30μmが好ましい。厚みが30μmを超えると、予備成形時の脱型性のため及び樹脂裏打ち時のインキ流れを引き起こす残留溶剤を完全に揮発させるためにそれだけ長時間の乾燥が必要になる。また、インキが厚くなると、光源からの光が透過しにくくなり、文字や記号を認識しにくくなる。
【0036】
透光性着色層4をインキ層によって形成する方法としては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷方法がある。特に、シャープなエッジを有した照光パターンを設け且つ十分な遮光性を得るためにインキ層の膜厚として大きなものが要求される本発明においては、スクリーン印刷法がより好ましい。
【0037】
基体シートとして用いる透明または半透明フィルム7の材質としては、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、オレフィン樹脂、ウレタン樹脂などの樹脂シートなどを使用することができる。また、上記樹脂の中から選ばれた2種以上の樹脂による積層フィルムまたは共重合フィルムを使用することもできる。
【0038】
透明または半透明フィルムの厚みは50〜250μmのものを用いるのがよい。50μmに満たないと、予備成形時の伸びに追従できずに薄肉部となる箇所において破断する危険性が高い。また、250μmを越えると、フィルムを予備成形最適状態に加熱するまでに長時間を要し、生産効率が悪い。
【0039】
また、本発明の照光性加飾用シート2は、接着層を有していてもよい。接着層は、照光性加飾用シートを成形樹脂9に接着するための層である。
【0040】
接着層6としては、照光性加飾用シート2を成形樹脂9と接着させるのに適した樹脂を適宜使用する。たとえば、成形樹脂9の材質がポリアクリル系樹脂の場合はポリアクリル系樹脂を用いるとよい。また、成形樹脂9の材質がポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン共重合体系樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるポリアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂などを使用すればよい。さらに、成形樹脂9の材質がポリプロピレン樹脂の場合は、塩化ポリプロピレン系樹脂、エチレン酢酸ビニル系樹脂塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂が使用可能である。また、成形樹脂9の材質がシリコーンゴムのような熱硬化性プラスチック樹脂と接着させる場合、チタン酸エステル、炭素官能性シラン、あるいはこれらの混合物の有機溶媒溶液、ポリウレタン、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、アクリル系樹脂、ブチラール系樹脂、アセタール系樹脂、あるいはこれらにシラン化合物としてアルコキシシラン、クロルシランなどを添加したものなどを用いることができる。
【0041】
接着層6の形成方法としては、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷方法や、グラビアコート法、ロールコート法、スプレーコート法などのコート法がある。
【0042】
また、本発明の照光性加飾用シート2は、透光性白色層を透光性着色層5の下に設けてもよい。透光性白色層は、透光性着色層5の発色をより鮮やかにしたい場合に形成する。透光性白色層は、透光性着色層5と同様にして設けるとよい。
【0043】
上記のような構成の照光性加飾用シート2を金型11内に配置し(図6参照)、成形樹脂を充満して照光性加飾成形品1を得る(図7参照)。
【0044】
照光性加飾用シート2と一体成形を行う樹脂成形方法は、インジェクション成形法、コンプレション成形法、LIM成形法などがある。
【0045】
また、金型11内に照光性加飾用シート2を配置する場合、照光性加飾用シート2を型外で予備成形したものを配置するようにしてもよい。
【0046】
成形樹脂としては、全光線透過率が20〜100%であって、射出成形法または圧縮成形法によって金型キャビティ内に充満して成形できるものを用いるとよい。たとえば、アクリル樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂などを用いることができる。
【0047】
【実施例】
(実施例1)
PC/PBT共重合フィルム(配合比PC:PBT=6:4)からなる厚さ125μmの透明フィルムの上に、ポリカーボネート樹脂からなるインキ結合剤およびCr/MgF2/Al/MgF2/Crからなる金属積層フレーク(「CHROMAFLAIR」Flex Products,Inc社製)を配合比100:3で混合したインキを用い、膜厚1μmの偏光層をスクリーン印刷により形成した。
【0048】
次に、カーボンブラック顔料をウレタン樹脂インキに混合した印刷インキを用い、複数の抜き柄を有する遮光性着色層を、照光性加飾用シートの遮光部分の全光線透過率(JIS K7361ー1準拠)が25%になるようにスクリーン印刷法により形成した。
【0049】
次いで、ポリカーボネート樹脂からなるチタンホワイト顔料を含有するインキを用い、偏光層及び遮光性着色層全面を被覆し、かつ照光性加飾用シートの照光パターンの全光線透過率(JIS K7361ー1準拠)が75%になるように透光性着色層をスクリーン印刷法により形成して照光性加飾用シートを得た。
【0050】
この照光性加飾用シートについて水圧成形法により携帯電話キーパッド形状に絞り加工を行い、透明フィルム側を金型のキャビティ面と向き合うように配置した後、型締めし、キャビティ内に溶融状態のポリカーボネート樹脂を射出し、冷却固化した。その後、金型を開き、照光性加飾用シートが成形品表面に一体化されたキーパッド部品を得た。
【0051】
(実施例2)
ポリカーボネートからなる厚さ125μmの透明フィルムの上に、ウレタン樹脂からなるインキ結合剤およびCr/MgF2/Al/MgF2/Crからなる金属積層フレーク(「CHROMAFLAIR」Flex Products,Inc社製)を配合比10:1で混合したインキを用い、膜厚2μmの偏光層をスクリーン印刷により形成した。
【0052】
次に、カーボンブラック顔料をウレタン樹脂インキに混合した印刷インキを用い、複数の抜き柄を有する遮光性着色層を、照光性加飾用シートの遮光部分の全光線透過率(JIS K7361ー1準拠)が25%になるようにスクリーン印刷法により形成した。
【0053】
次いで、ポリカーボネート樹脂からなるチタンホワイト顔料を含有するインキを用い、偏光層及び遮光性着色層全面を被覆し、かつ照光性加飾用シートの照光パターンの全光線透過率(JIS K7361ー1準拠)が75%になるように透光性着色層をスクリーン印刷法により形成した。
【0054】
最後に、ポリカーボネート樹脂からなる接着層を偏光層、遮光性着色層、透光性着色層を被覆するようにクリーン印刷法により形成し、照光性加飾用シートを得た。
【0055】
この照光性加飾用シートについて真空圧空成形法により自動車メータパネル形状に絞り加工を行い、透明フィルム側を金型のキャビティ面と向き合うように配置した後、型締めし、キャビティ内に溶融状態のアクリル樹脂を射出し、冷却固化した。その後、金型を開き、照光性加飾用シートが成形品表面に一体化された自動車メータパネル部品を得た。
【0056】
【発明の効果】
本発明の照光性加飾用シート、照光性加飾成形品およびその製造方法 は、以上のとおりの構成を有するので、次のような優れた効果を有する。
【0057】
すなわち、本発明の照光性加飾用シートは、金属積層フレークがインキ結合材に配合されてなる偏光層、抜き柄を有する遮光性着色層、透光性着色層の少なくとも3層が順に積層されたものであって、偏光層が、金属積層フレークの配合率0.5〜25重量%で遮光部分および照光パターンの全てを覆うように形成されているので、偏光層と遮光性着色層との積層部分(遮光部分)においては偏光層への外からの入射光の光干渉効果とその下地色による反射光の光干渉効果とが積算されるため色彩の変化が発生し、照光パターンにおいては下地色による反射光の光干渉効果がないためにその色彩は変化しない。したがって、遮光部分の色彩のみが、見る角度によって2色以上に変化し、高級感が付与される。
【0058】
また、上記の照光性加飾用シートでは、偏光層が遮光部分および照光パターンの全てを覆うように形成され、照光パターンと遮光性着色層の抜き柄とが一致しているので、照光パターン周囲において光漏れが発生するという不具合がない。
【0059】
また、偏光層が照光パターン上にも形成されるので、照光パターンを形成する際の見当合わせが不要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る照光性加飾用シートの一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明に係る照光性加飾用シートの一実施例を示す断面図である。
【図3】本発明に係る照光性加飾用シートの一実施例を示す断面図である。
【図4】本発明に係る照光性加飾用シートの一実施例を示す断面図である。
【図5】本発明に係る照光性加飾用シートの一実施例を示す断面図である。
【図6】本発明に係る照光性加飾用シート一体成形品の製造方法の一工程の実施例を示す断面図である。
【図7】本発明に係る照光性加飾成形品の一実施例を示す断面図である。
【図8】従来技術に係る照光性加飾用シートの一実施例を示す断面図である。
【図9】従来技術に係る照光性加飾成形品の一実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 照光性加飾成形品
2 照光性加飾用シート
3 偏光層
4 遮光性着色層
5 透光性着色層
6 接着層
7 透明または半透明フィルム
8 透光性着色樹脂シート
9 透光性樹脂成形品
10 照光パターン
11 金型
12 メタリック着色層
13 逃げ代
Claims (8)
- 金属積層フレークがインキ結合材に配合されてなる偏光層、抜き柄を有する遮光性着色層、透光性着色層の少なくとも3層が順に積層された照光性加飾用シートであって、偏光層が、厚み1μmからなる下記の5層積層構造からなる金属積層フレークを配合率0.5〜25重量%の範囲で不規則に分散して含有し、遮光部分および照光パターンの全てを覆うように形成されていることを特徴とする照光性加飾用シート。
第一低反射性金属蒸着膜 :Cr,Ti,Cu,Znの中から選択される金属または金属化合物からなる蒸着膜
第一低屈折率性金属蒸着膜:SiO,SiO2,MgF2の中から選択される金属または金属化合物からなる蒸着膜
高屈折率性金属蒸着膜 :Al,Ni,Snの中から選択される金属または金属化合物からなる蒸着膜
第二低屈折率性金属蒸着膜:SiO,SiO2,MgF2の中から選択される金属または金属化合物からなる蒸着膜
第二低反射性金属蒸着膜 :Cr,Ti,Cu,Znの中から選択される金属または金属化合物からなる蒸着膜 - 透光性着色層が透光性着色樹脂シートからなる請求項1に記載の照光性加飾用シート。
- 透明または半透明フィルム上に上記各層が偏光層、遮光性着色層、透光性着色層の順に積層されている請求項1に記載の照光性加飾用シート。
- 透明または半透明フィルム上に上記各層が透光性着色層、遮光性着色層、偏光層の順に積層されている請求項1に記載の照光性加飾用シート。
- 偏光層と遮光性着色層との間に透明または半透明フィルムが積層されている請求項1に記載の照光性加飾用シート。
- 遮光性着色層と透光性着色層との間に透明または半透明フィルムが積層されている請求項1に記載の照光性加飾用シート。
- 偏光層が、厚さ0.5〜10μmである請求項1〜6のいずれかに記載の照光性加飾用シート。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の照光性加飾用シートが透光性樹脂成形品と一体化されたことを特徴とする照光性加飾成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000092171A JP4454778B2 (ja) | 2000-03-29 | 2000-03-29 | 照光性加飾用シートとこれを用いた照光性加飾成形品 |
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