JP4454319B2 - 重合体組成物及びその製法 - Google Patents

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Description

本発明は、有機質の重合体添加剤及び/又は生理活性物質を配合した熱可塑性重合体組成物において、その許容配合量を増加させることが可能であり、また配合物のブリードアウト速度を調節することが可能な重合体組成物及びその製造方法に関する。
熱可塑性重合体を原料にしてフィルム、シート、フィラメント、ボトル等々の成形品を製造する場合、原料重合体に酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等の有機質の重合体添加剤を配合してから、押出成形法、ブロー成形法、射出成形法等の成形方法を利用して製品が生産されている。
それらの有機質添加剤は、原料樹脂が塩化ビニル樹脂の場合には、各種の配合剤との相溶性が良好なことから、必要性があればその配合量を数%以上、時には数10%以上にすることも容易である。しかしながら、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂では、例えば、紫外線吸収剤や帯電防止剤の配合量は通常1%未満である。その理由は、ポリオレフィン樹脂に配合剤を多量に添加すると、その成形品の保存中または使用中に表面に配合剤が徐々にブリードアウトしてきてべとつき感が現れ、手触りが悪くなり、商品価値を低下させてしまうことがあるので、配合量はできるだけ少なく調整されている。
包装用フィルムの用途分野を考えた場合、一般にフィルム形成用樹脂に帯電防止剤が添加されているが、その配合量をさらに増加、例えば1%以上にできるならば、フィルムとしての取扱い性が一段と向上し、その帯電防止効果も持続すると予想される。昆虫防除剤のような化学物質を含む成形品を製造する場合にも、その配合量が多くなれば、殺虫や忌避効果等の効力アップと長期化が可能となる。その他の化学物質を配合した成形品にも、同様に良好な効果が得られると考えられる用途は広い。従って商品手触り等に影響を及ぼすことなく、配合剤の配合量を増やすことができれば、プラスチック成形品の利用範囲の拡大に寄与することができる。そこで重合体添加剤を初めとする多くの化学物質の熱可塑性重合体への配合量を増すための技術開発が求められている。
エチレン・酢酸ビニル共重合体のような熱可塑性重合体に香料または消臭成分と昇華性物質とを多量に配合して、芳香または消臭力が強く、かつその持続性に優れた組成物はすでに知られている(特許文献1参照)。しかし、その組成物は、香料または消臭成分の配合に限定されており、帯電防止剤のような一般的なプラスチック添加剤や昆虫防除剤のような化学物質への適用については何も開示されていない。また、同公報で使用している熱可塑性重合体はあくまでも香料または消臭成分の担体としての利用であって、その組成物から種々の形状の成形品を製造することは何も言及されていない。
特開昭58−12654号公報
そこで本発明は、熱可塑性重合体に、有機質重合体添加剤や生理活性物質を多量に配合することが可能であり、また機能に応じてこれら配合物のブリードアウトをコントロールすることが可能な重合体組成物及びその製造方法を提供することを目的とするものである。本発明において、有機質重合体添加剤や生理活性物質は、有機質の帯電防止剤、防曇剤又は農薬である。
すなわち本発明は、 オレフィン系重合体(A)100質量部当たり、ピレスロイド系殺虫剤又はポリ(オキシエチレン)アルキルアミン(B)0.01〜350質量部及びトリイソプロピル−S−トリオキサン、トリ−t−ブチル−S−トリオキサン、パラジクロルベンゼン、ナフタリン、樟脳、硫黄及びトリシクロデカンから選ばれる昇華性物質(C)0.1〜100質量部からなる重合体組成物に関する。
本発明はまた、オレフィン系重合体(A)、ピレスロイド系殺虫剤またはポリ(オキシエチレン)アルキルアミン(B)及び上記昇華性物質(C)を、好ましくはさらに無機充填剤(D)を、オレフィン系重合体(A)の溶融条件下に混合することを特徴とする重合体組成物の製造方法に関する。
本発明に係わる重合体組成物は、昇華性物質を共に含有させることによって、重合体に多量の有機質の重合体添加剤及び/又は生理活性物質を配合することができるので、得られた成形品からは有機質の重合体添加剤及び/又は生理活性物質による効果を十分にかつ長期間に亘って引き出すことができる。従来オレフィン系重合体では難しいとされていたこれら配合剤の多量配合が可能になったことから、オレフィン系重合体の用途範囲を広げることができると共に、また本発明はマスターバッチの製造にも応用することができる。
また、その重合体組成物に併用添加する昇華性物質によって、成形品表面に配合剤がブリードアウトする現象を抑制することができる。従って、その重合体組成物から得られる成形品は、表面がべとつくことなく、手触りが良好であって、優れた商品形態を保つことができる。
一方、配合剤と昇華性物質との配合量を調整することによって、配合剤による効果をコントロールすることができる。例えば、昆虫防除剤を配合した重合体組成物の場合には、成形品を製造後使用されるまでの期間が一定ではないことから、昆虫防除剤と昇華性物質との配合量を調整することによって、昆虫防除剤の発現時期または発現期間をコントロールすることが可能になる。
次に本発明の重合体組成物に係る各構成成分について、具体的に説明する。
オレフィン系重合体(A)は、フィルム、シート、ファイバーなどに成形可能な程度の分子量を有するものであれば、樹脂状のものでもエラストマー状のものであってもよい。より具体的にはエチレンの単独重合体又はエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体、例えば高圧法ポリエチレン、中・高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンなどの各種ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンなどのポリオレフィン樹脂、エチレンと極性モノマーとの共重合体、例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレンと不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸などとの共重合体、エチレンと1種又は2種以上の不飽和カルボン酸エステル、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸nブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、マレイン酸ジメチルなどとの共重合体、エチレンと上記のような不飽和カルボン酸と不飽和カルボン酸エステルの共重合体、ポリオレフィン系エラストマーの如きオレフィン系重合体あるいはこれら2種以上の混合物などを例示することができる。これらの中では、とりわけ各種有機添加剤の大量配合が困難なポリオレフィン樹脂に適用するのが最も好ましい。
本発明において(B)成分として、有機質の帯電防止剤、防曇剤及び農薬を例示することができる。これらは常温で固体状、液体状のものであってよく、また易揮散性のものでも難揮散性のものでもよいが、とくに効果的なものは、難揮散性、例えば沸点が100℃以上の液状物である。(B)成分としては、ピレスロイド系殺虫剤またはポリ(オキシエチレン)アルキルアミン系の帯電防止剤あるいは防曇剤が好ましい。
帯電防止剤あるいは防曇剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンエーテル、多価アルコールの部分エステル、多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物の部分エステル、ポリ(オキシエチレン)アルキルアミン、ポリ(オキシエチレン)アルキルアミド、高級アルコール硫酸エステルアルカリ金属塩、アルキルアリールスルホネート、四級アンモニウム塩を挙げることができる。より具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノパルミテート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレート、ペンタエリスリトールモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノベヘネート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ジグリセリンモノオレート、トリグリセリンジオレート、ラウリルジエタノールアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ステアリルアミン、ポリオキシエチレンラウリルアミンカプリールエステル、ステアリルジエタノールアミンモノステアレート、ナトリウムラウリルサルフェート、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチルセチルアンモニウムイオダイド、ドデシルアミン塩酸塩、ラウリン酸ラウリルアミドエチルリン酸塩、オレイルアミノジエチルアミン塩酸塩、ドデシルピリジニウム硫酸塩などを挙げることができる。
農薬としては、殺虫剤(昆虫防除剤)などを例示することができる。殺虫剤(昆虫防除剤)として具体的には、アレスリン、dl・d−T80−アレスリン、dl・d−T−アレスリン、d・d−T−アレスリン、d・d−T80−アレスリン、レスメトリン、d−80−レスメトリン、エンペントリン、テラレスリン、トランスフルトリン、メトフルトリン、エトフェンプロックス、テフルスリン、フェンプロパトリン、フェンフルスリン、フラメトリン、フタルスリン、d−T80−フタルスリン、ペルメトリン、フェノトリン、イミプロトリン、フェンバレレート、シペルメトリン、シフェノトリン等のピレスロイド系殺虫剤を例示することができる。
本発明で使用される昇華性物質(C)は、固体から直接蒸気に変化する性質の物質であって、具体的にはトリイソプロピル−S−トリオキサン、トリ−t−ブチル−S−トリオキサン、パラジクロルベンゼン、ナフタリン、樟脳、硫黄、トリシクロデカンなどを例示することができる。これらの中では、とくにトリイソプロピル−S−トリオキサンやトリ−t−ブチル−S−トリオキサンの使用が好ましい。
本発明の重合体組成物の調製に当ってピレスロイド系殺虫剤およびポリ(オキシエチレン)アルキルアミンから選ばれる配合剤(B)の配合割合は、その配合目的によって異なるが、オレフィン系重合体(A)100質量部当り、好ましくは、0.01〜100質量部、より好ましくは0.1〜75質量部、一層好ましくは0.5〜30質量部の範囲である。また昇華性物質(C)の配合割合は、オレフィン系重合体(A)100質量部当り、好ましくは0.1〜100質量部、より好ましくは1〜50質量部、一層好ましくは5〜30質量部の範囲である。また配合剤(B)と昇華性物質(C)は、質量比で1/15〜15/1の範囲に調整するのが好ましい。
本発明の重合体組成物の調製に当って、オレフィン系重合体(A)に対し、上記配合剤(B)と昇華性物質(C)とが上記の範囲内で使用すると、樹脂の持つ機械的強度等の成形品物性をそれ程損なうことなく、配合剤(B)が有する性質、例えば帯電防止効果、昆虫防除効果等が成形品から強く現れ、かつ長期間に亘って持続する組成物を得ることができる。また、配合剤(B)と昇華性物質(C)との配合比を前記の範囲に変えることによって、配合剤(B)が有する性質の発現の程度をコントロールすることができる。
特に、配合剤(B)を重合体組成物中に、熱可塑性重合体100質量部に対して好ましくは1〜350質量部、昇華性物質(C)を好ましくは1〜100質量部と多量に含有させると、その組成物は成形品を製造する際に用いる両添加剤のマスターバッチとして利用することができる。なお、マスターバッチを製造する時に用いる重合体は、成形品を構成する重合体と必ずしも同じである必要性はなく、例えばポリプロピレンフィルムを成形する際に用いる帯電防止剤のマスターバッチ用樹脂として低密度ポリエチレンを使用することができる。
重合体組成物の調製は、オレフィン系重合体(A)、上記配合剤(B)及び昇華性物質(C)を前記した割合で均一に混合することによって行なわれる。混合は、オレフィン系重合体(A)の溶融条件下で行なうのが好ましい。混合の順序は特に制限されることはなく、配合剤(B)及び昇華性物質(C)の各々を順次または一時に直接熱可塑性重合体(A)に添加し混合してもよいし、配合剤(B)と昇華性物質(C)とを予め混合しておいてから熱可塑性重合体(A)に添加混合してもよいし、さらに前記したマスターバッチを利用して混合してもよい。混合は、通常スーパーミキサーやヘンシェルミキサー等の混合器を用いて(A)、(B)、(C)のドライブレンドを行ない、その後必要に応じて一軸押出機、二軸押出機、ロール等を用いてメルトブレンドを加えてより一層均一に混合することが好ましい。なお、メルトブレンドする場合には、樹脂の持つ融点や軟化点によっても異なるが、可能な限り低温で行ない、それによって昇華性物質の損失を避けることが望ましい。
上記のように調製される重合体組成物においては、混合装置や混合温度によっては昇華性物質(C)の一部が逸散して組成物中に取り込まれないことがあるが、昇華性物質(C)を配合しないで調製された同様の重合体組成物よりブリードアウト傾向は抑制されている。また(A)、(B)、(C)の組み合わせによっては、昇華性物質(C)が経時的に重合体組成物の表面にブリードアウトしてくることがあるが、これを布でふき取るなどの操作を施しても、配合剤(B)のブリードアウト傾向は、昇華性物質(C)を配合しないで調製した同様の重合体組成物より抑制されている。
本発明の重合体組成物には、本発明の目的を逸脱しない範囲においてその他の添加剤を配合することができる。このような添加剤の例として、無機充填剤、顔料、滑剤などを例示することができる。無機充填剤としては、シリカ、タルク、クレイ、ゼオライト、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどを例示することができる。とくに表面積の大きい無機充填剤、例えばシリカやゼオライトを配合すると、有機質の重合体添加剤及び/又は生理活性物質を多量に配合することができ、また組成物調製時の取り扱い性が改善できるので好ましい。シリカやゼオライトの好適な配合量は、熱可塑性重合体(A)100質量部に対して100質量部以下、とくに0.1〜100質量部の割合である。
本発明に係わる重合体組成物からは、押出成形、ブロー成形、射出成形、真空成形、発泡成形等の成形法を利用して、フィルム、シート、フィラメント、容器等の形状に成形し、日常生活用品や産業資材等として利用することができる。中でも、帯電防止剤(防曇剤)を多く配合したフィルムは農業・園芸用フィルムとして有効であり、昆虫防除剤を多量に配合したシートは、蚊、ハエ、ゴキブリ、ノミ、ダニなどの衛生害虫やムカデ、アリなどの不快害虫の殺虫、忌避シートとして有用である。
次に本発明を実施例により説明するが、本発明はそれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
[実施例1〜2]
オレフィン系重合体(A)としてエチレン・酢酸ビニル共重合体(エバフレックスP1405、三井・デュポンポリケミカル(株)製:EVAと略して記す)、配合剤(B)としてフェノトリン(殺虫剤:住友化学工業(株)製、商品名スミスリン)、昇華性物質(C)としてトリイソプロピル−S−トリオキサン、無機充填材(D)としてシリカ(AZ−200、日本シリカ工業(株)製)をそれぞれ用いた。前記の物質を表1に記載した割合で、まずスーパーミキサーを用いてエチレン・酢酸ビニル共重合体、シリカおよび昇華性物質を混合し、次いでフェノトリンを加えてさらに撹拌を続けた。
その混合物を二軸押出機に供給し、樹脂温度120℃でさらに混練りを加えてストランド状に押出し、水槽中で冷却し、さらにペレット化した。その後そのペレットを射出成形機に供給し、樹脂温度120℃で射出成形してプレートを成形した。
成形したプレートを用いてフェノトリンのブリードアウト量を測定し、その結果を表1に併せて記した。なお、ブリードアウト量の測定は、次の試験方法によって行なった。すなわち、プレートサンプルの先端に穴をあけて吊り下げフックを取り付け、まずその時の初期質量を測定する。次いでサンプルを37℃の恒温エアオーブン中に入れ、所定日数毎に取り出し、表面を紙で拭きとってからサンプルの質量を測定する。試験前後の質量差を求め、その値を単位面積当りの数値に換算してブリードアウト量として表示した。
[比較例1〜2]
実施例1〜2において、重合体組成物中に昇華性物質を配合しないこと以外は実施例1〜2と同様におこなった。樹脂組成およびブリードアウト量の測定結果を表1に併せて記した。
Figure 0004454319
表1に示した実施例1〜2の試験結果から明らかなように、EVAに全体の14質量%もの多量のフェノトリンを配合することができ、また同時にトリイソプロピル−S−トリオキサンを配合することによって、フェノトリンのブリードアウト量を約5ヶ月間もの長期に亘って抑制することができた。しかし比較例1〜2から明らかなように、トリイソプロピル−S−トリオキサンを配合しないと、早期にフェノトリンがブリードアウトすることが観察された。
[実施例3〜8]
オレフィン系重合体(A)として実施例1で用いたと同じエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVAと略す)、ポリ塩化ビニル(サン・アロー化成(株)製、PVCと略す)(参考例)、線状低密度ポリエチレン(ウルトゼックス 20100J、三井住友ポリオレフィン(株)製、LLDPEと略す)、プロピレン単独重合体(J105W、三井住友ポリオレフィン(株)製、PPと略す)、プロピレンランダム共重合体(J704WA、三井住友ポリオレフィン(株)製、r−PPと略す)及びプロピレンブロック共重合体(J226EA、三井住友ポリオレフィン(株)製、b−PPと略す)を用いた。また配合剤(B)として、帯電防止剤エレクトロストリッパーEA(ラウリルジエタノールアミン)、花王(株)製を用いた。昇華性物質およびシリカは実施例1で用いたものと同じ物質を用いた。
まず、オレフィン系重合体(A)、帯電防止剤、昇華性物質およびシリカを次の割合で混合し、押出機中の樹脂温度を変えること以外は実施例1と同様に行なって、組成物ペレットを得た。
熱可塑性重合体(A):66質量%
帯電防止剤 :14質量%
昇華性物質 :10質量%
シリカ :10質量%
このペレットを用い、射出成形によってプレートを成形し、それをサンプルにして実施例1と同様にしてブリードアウト量を測定するための試験を行ない、測定結果を表2に示したが、ここではブリードアウト量を4段階評価し、次の基準で示した。
4:ブリードアウトが全く見られなかった。
3:表面に微量ブリードアウトが見られた。
2:ブリードアウトが少し見られた。
1:非常に多くのブリードアウトが見られた。
また同様にして作成したプレスシートの表面に(株)キーエンス製 SJ−S020を用いて7000Vの電荷を与えた後、高精度静電気センサー((株)キーエンス製 SK−030/200)を用いて荷電量が半減する時間を測定した。半減期が5秒以下のものを良好と評価し、30秒を超えるものを不良と評価した。結果を併せて表2に示す。
Figure 0004454319
[比較例3〜8]
実施例3〜8において、昇華性物質を配合しなかった以外は実施例3〜8と同様に行なった。すなわち、各成分の混合割合は次に記す通りであった。
熱可塑性重合体(A):76質量%
帯電防止剤 :14質量%
昇華性物質 : 0質量%
シリカ :10質量%
得られた組成物ペレットを用い、射出成形によってプレートを成形し、それをサンプルにして実施例1と同様にしてブリードアウト量を測定した。測定結果を表3に示した。
Figure 0004454319
表2及び3に示した実施例3〜8および比較例3〜8の結果から、オレフィン系重合体(A)の種類によらず、14質量%もの帯電防止剤を配合することができ、さらに昇華性物質を併用することによって帯電防止剤のブリードアウト抑制効果がもたらされることがわかった。
[実施例9〜11、比較例9〜13]
実際例5又は比較例5において、帯電防止剤、昇華性物質(C)及びシリカ(D)の配合量を表4に示すように変更した以外は同様の評価を行なった。実施例5及び比較例5の結果を併せて表4に示す。
Figure 0004454319
[実施例12〜13]
実施例8において、帯電防止剤、昇華性物質(C)及びシリカ(D)の配合量を表5に示すように変更した以外は同様の評価を行なった。実施例8及び比較例8の結果を併せて表5に示す。
Figure 0004454319

Claims (10)

  1. オレフィン系重合体(A)、100質量部当たり、ピレスロイド系殺虫剤又はポリ(オキシエチレン)アルキルアミン(B)0.01〜350質量部及びトリイソプロピル−S−トリオキサン、トリ−t−ブチル−S−トリオキサン、パラジクロルベンゼン、ナフタリン、樟脳、硫黄及びトリシクロデカンから選ばれる昇華性物質(C)0.1〜100質量部からなる重合体組成物。
  2. 前記オレフィン系重合体(A)が、ポリオレフィン樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の重合体組成物。
  3. 前記ピレスロイド系殺虫剤又はポリ(オキシエチレン)アルキルアミン(B)が、ラウリルジエタノールアミンであることを特徴とする請求項1または2に記載の重合体組成物。
  4. 前記ピレスロイド系殺虫剤又はポリ(オキシエチレン)アルキルアミン(B)が、フェノトリンであることを特徴とする請求項1または2に記載の重合体組成物。
  5. 前記昇華性物質(C)が、トリイソプロピル−S−トリオキサンである請求項1〜4のいずれかに記載の重合体組成物。
  6. 前記オレフィン系重合体(A)、前記ピレスロイド系殺虫剤又はポリ(オキシエチレン)アルキルアミン(B)及び昇華性物質(C)を、オレフィン系重合体(A)の溶融条件下に混合したものである請求項1〜のいずれかに記載の重合体組成物。
  7. さらに無機充填剤(D)が、オレフィン系重合体(A)100質量部当たり、0.1〜100質量部配合されてなる請求項1〜のいずれかに記載の重合体組成物。
  8. 無機充填剤(D)がシリカである請求項に記載の重合体組成物。
  9. オレフィン系重合体(A)100質量部当り、ピレスロイド系殺虫剤又はポリ(オキシエチレン)アルキルアミン(B)を0.01〜350質量部及びトリイソプロピル−S−トリオキサン、トリ−t−ブチル−S−トリオキサン、パラジクロルベンゼン、ナフタリン、樟脳、硫黄及びトリシクロデカンから選ばれる昇華性物質(C)を0.1〜100質量部を、オレフィン系重合体(A)の溶融条件下に混合することを特徴とする重合体組成物の製造方法。
  10. 無機充填剤(D)の存在下に溶融混合することを特徴とする請求項に記載の重合体組成物の製造方法。
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