JP4453130B2 - 液晶表示装置用電極基板の製造方法及び液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置用電極基板の製造方法及び液晶表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置用電極基板に関するものであり、特に、アクティブマトリックス型液晶表示装置に用いられる電極基板の製造方法、及び、その製造方法により製造された液晶表示装置用電極基板を用いた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図16は、アクティブマトリックス型液晶表示装置の一例の一部分を模式的に示した断面図である。また、図17は、図16におけるアクティブマトリックス型液晶表示装置に用いられた薄膜トランジスタ素子側電極基板の一部分を模式的に示した断面図である。
図16、及び図17に示すように、この液晶表示装置(9)は、薄膜トランジスタ素子(以下TFT素子)側電極基板(5)、電極基板(6)、液晶(3)、スペーサ(8)で構成されている。
【0003】
TFT素子側電極基板(5)は、透明基板(11)の片面上にTFT素子(12)、画素電極(18)、配向膜(16)が形成されたものである。また、電極基板(6)は、透明基板(21)の片面上にカラーフィルタ機能を有する着色層(14)、対向するTFT素子(12)を隠蔽する遮光膜(27)、透明導電膜(22)、配向膜(23)が形成されたものである。
【0004】
そして、この液晶表示装置(9)には、液晶(3)層の厚みを保つために、スペーサ(8)と呼ばれるガラス又は合成樹脂の透明球状体粒子(ビーズ)をセル内部に散布して用いている。
このスペーサは粒子であることから、画素内に液晶と一緒にスペーサが入っていると、黒色表示時にスペーサ粒子を介して光が漏れてしまい、また、液晶材料が封入されているTFT素子側電極基板(5)と電極基板(6)間にスペーサ粒子が存在することによって、スペーサ粒子近傍の液晶分子の配列が乱され、この部分で光漏れを生じ、液晶表示装置のコントラストが低下し表示品質に悪影響を及ぼすといった問題を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、液晶表示装置に於いて、基板間の液晶層の厚みを保つためのスペーサ粒子をセル内部の画素部に存在させることなく、液晶層の厚みを保つためのスペーサ機能を基板に持たせ、画素部にはスペーサ粒子を存在させない液晶表示装置を可能とする液晶表示装置用電極基板の製造方法を提供することを課題とするものである。
また、その液晶表示装置用電極基板の製造方法を用いて製造した液晶表示装置用電極基板を使用した液晶表示装置を提供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の発明は、液晶表示装置用電極基板の製造方法において、
1)透明基板の片面上に少なくとも薄膜トランジスタ素子、ゲート配線、ソース配線、画素配線、及び補助容量部が形成された薄膜トランジスタ素子形成電極基板の該薄膜トランジスタ素子側上に保護膜を形成し、
2)該補助容量部上の該保護膜に、所定パターンに従って画素配線を露出させるスルーホールを形成し、
3)該薄膜トランジスタ素子形成電極基板の該薄膜トランジスタ素子側上の全面に、硬化した時点で透明である紫外線硬化型接着剤層を形成し、
4)支持シート上に剥離層、カラーフィルタ機能を有する着色層が形成された転写シートの該着色層側と該薄膜トランジスタ素子形成電極基板の該薄膜トランジスタ素子側とを対向させて貼り合わせ、
5)該薄膜トランジスタ素子形成電極基板の他面側から裏露光により紫外線を照射し、該薄膜トランジスタ素子形成電極基板の、薄膜トランジスタ素子、ゲート配線、ソース配線、及び補助容量部など以外の光透過性部分の該接着剤層を光硬化させた後、支持シートを剥離層と共に剥離して、該薄膜トランジスタ素子形成電極基板の該薄膜トランジスタ素子側に光硬化させた接着剤層上の着色層を転写し、未硬化の接着剤層上の着色層を剥離し、
6)該薄膜トランジスタ素子形成電極基板の該薄膜トランジスタ素子側の薄膜トランジスタ素子、ゲート配線、ソース配線、及び補助容量部などの光不透過性部分の未硬化の接着剤層部分を除去し、スルーホール分の画素配線を露出させ、
7)該薄膜トランジスタ素子形成電極基板の該薄膜トランジスタ素子側上の全面に、ITO塗布液を塗布、焼成して透明導電膜を形成し、
8)該透明導電膜を所定の形状にパターニングして、上記スルーホールにより画素配線と電気的に接続した透明導電膜よりなる画素電極を形成し、
9)該薄膜トランジスタ素子形成電極基板の該薄膜トランジスタ素子側上の全面に、黒色感光性樹脂組成物を塗布し、該薄膜トランジスタ素子形成電極基板の他面側から裏露光により紫外線を照射し、光が透過した部分に遮光膜を形成し、
10)該薄膜トランジスタ素子側上に黒色感光性樹脂組成物を塗布し、薄膜トランジスタ素子側からマスクを用いて紫外線を照射することにより、該薄膜トランジスタ素子側に柱状スペーサを形成し、
柱状スペーサーを有する液晶表示装置用電極基板を製造することを特徴とする液晶表示装置用電極基板の製造方法である。
【0007】
また、本発明は、上記発明による液晶表示装置用電極基板の製造方法において、前記遮光膜が、高絶縁性であることを特徴とする液晶表示装置用電極基板の製造方法である。
【0008】
次に、本発明の第二の発明は、上記発明による液晶表示装置用電極基板の製造方法によって製造された液晶表示装置用電極基板を用いたことを特徴とする液晶表示装置である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明による液晶表示装置用電極基板の製造方法を、その一実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明による液晶表示装置用電極基板の製造方法の一実施例によって製造された液晶表示装置用電極基板の一部分を模式的に示した断面図である。また、図2は、図1に示す液晶表示装置用電極基板を用いた液晶表示装置の一例の一部分を模式的に示した断面図である。
【0010】
図1に示すように、液晶表示装置用電極基板(1)は、透明基板(11)の片面上にTFT素子(12)、保護膜(13)、接着剤層(15)、カラーフィルタ機能を有する着色層(14)、画素電極(18)、配向膜(16)、及び柱状スペーサ(17)が形成されたものである。
また、図2に示すように、図1に示す液晶表示装置用電極基板(1)を用いた液晶表示装置(4)は、液晶表示装置用電極基板(1)、電極基板(2)、及び液晶(3)で構成されている。
電極基板(2)は、透明基板(21)の片面上に透明導電膜(22)、配向膜(23)が形成されたものである。
【0011】
図1、及び図2に示すように、本発明による液晶表示装置用電極基板の製造方法によって製造された液晶表示装置用電極基板(1)を用いた液晶表示装置(4)においては、基板間の液晶層の厚みを保つためのスペーサ粒子をセル内部の画素部に存在させることなく、液晶層の厚みを保つためのスペーサ機能を柱状スペーサ(17)に持たせ、画素部にはスペーサ粒子を存在させない液晶表示装置を可能とするものである。
【0012】
図3(a)、(b)、(c)は、本発明による液晶表示装置用電極基板の製造方法において使用する転写シートの説明図である。図3(a)は転写シート(30)の平面図、(b)は(a)におけるX−X’断面図、(c)は(a)におけるY−Y’断面図である。
【0013】
図3(a)、(b)、(c)に示すように、転写シート(30)は、支持シート(31)上に剥離層(32)、カラーフィルタ機能を有する着色層(14)が形成されたものである。
カラーフィルタ機能を有する着色層(14)は、カラー表示用の、例えば赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のストライプ状で多数規則的に配列されている。この着色層(14)は、顔料分散型フォトレジスト、印刷インキ、染着性樹脂、無機物質多層膜等により形成される。
【0014】
図4〜図15は、本発明による液晶表示装置用電極基板の製造方法を示す説明図である。図4(a)、(b)、(c)は、本発明による液晶表示装置用電極基板の製造方法によって製造された液晶表示装置用電極基板の製造に用いる薄膜トランジスタ素子形成電極基板(以下TFT素子形成電極基板)の説明図である。
図4(a)はTFT素子形成電極基板(40)の平面図、(b)は(a)におけるX−X’断面図、(c)は(a)におけるY−Y’断面図である。
【0015】
図4(a)、(b)、(c)に示すように、TFT素子形成電極基板(40)は、透明基板(11)の片面上にTFT素子(12)、ゲート配線(41)、ソース配線(42)、画素配線(43)、及び補助容量部(44)が形成されたものである。そして、図4におけるソース配線(42)のピッチ(P)、及び幅(W)は、図3における転写シート上の着色層(14)のピッチ(P)、及び幅(W)に対応したものとなっている。
TFT素子(12)は、ゲート電極(45)、絶縁膜(19)、ソース電極(46)、シリコン(47)、及びドレイン電極(48)などで構成されている。
【0016】
先ず、図4(a)、(b)、(c)に示すように、TFT素子形成電極基板(40)のTFT素子側上の全面に保護膜(49)を形成する。
次いで、例えば、フォトリソグラフィー法、ドライエッチング法等により、図5に示すように、所定パターンに従って補助容量部(44)上の保護膜(49)にスルーホール(51)を形成し、画素配線(43)の一部を保護膜より露出させる。
【0017】
次いで、図6に示すように、TFT素子形成電極基板(40)のTFT素子側上の全面に無溶剤型紫外線硬化型の接着剤よりなる接着剤層(15)を形成する。なお、無溶剤型紫外線硬化型接着剤として、硬化した時点で透明であり、光を透過するものを用いることが肝要である。
次いで、図7に示すように、前記転写シート(30)を図4におけるソース配線(42)の幅(W)と、図3における転写シート上の着色層(14)の幅(W)に対応するように、位置を制御しながらTFT素子形成電極基板(40)に重ね合わせる。このとき、TFT素子形成電極基板(40)の接着剤層(15)が形成された面と、転写シート(30)の着色層(14)が形成された面とを対向させるものである。
【0018】
次いで、図8に示すように、TFT素子形成電極基板(40)のTFT素子側の反対側から紫外線(81)を照射してTFT素子、ゲート配線、ソース配線、及び補助容量部など以外の光透過性部分の接着剤層(15)を光硬化させる。
次いで、図9に示すように、支持シート(31)を剥離層(32)と共に剥離して、TFT素子形成電極基板(40)のTFT素子側に光硬化させた接着剤層上の着色層(14)を転写し、未硬化の接着剤層上の着色層を剥離する。
【0019】
次いで、図10に示すように、TFT素子形成電極基板(40)のTFT素子側のTFT素子、ゲート配線、ソース配線、及び補助容量部などの光不透過性部分の未硬化の接着剤層(15)部分を除去し、スルーホール分の画素配線(43)を露出させる。
次いで、図11に示すように、TFT素子形成電極基板(40)のTFT素子側上の全面にITO塗布液を塗布、焼成して透明導電膜(28)を形成する。
【0020】
次いで、図12に示すように、透明導電膜を所定の形状にパターニングして、スルーホールにより画素配線(43)と電気的に接続した透明導電膜よりなる画素電極(18)を形成する。
次いで、図13に示すように、TFT素子形成電極基板(40)のTFT素子側上の全面に黒色感光性樹脂組成物(37)を塗布する。
次いで、TFT素子形成電極基板(40)のTFT素子側の反対側から紫外線を照射すると、図14に示すように、着色層がマスクとなって黒色感光性樹脂組成物が硬化する。
【0021】
このように塗布面の裏側から塗布面側に既に形成されているパターンをマスクとして露光することを、本発明では裏露光セルフアライメントと称している。
そして、現像によって未硬化の黒色感光性樹脂組成物を除去することによって、未硬化の上記着色層部分を除去した部分に遮光膜(27)を形成する。
このように裏露光セルフアライメントにて紫外線(82)を照射し遮光膜(27)を形成するので、遮光膜が着色層にオーバーラップすることなく各着色層の輪郭をはっきりとし、コントラストを向上させることになる。
【0022】
ここで 裏露光セルフアライメントについて 上記の実施形態を用いてさらに詳述する。まず、転写シートを用いてカラーフィルタ機能を有する着色層を形成しているために、転写された着色層に次のような欠け欠陥が生ずる可能性がある。即ち、第一に転写シートの着色層にピンホール状等の欠け不良があることにより、転写された着色層に欠けが発生する欠陥であり、第二には、支持シートを剥離する際に、接着剤層の硬化された部分と硬化されない部分の境界部で着色層の分断が行なわれるが、分断がきれいに行なわれず、転写されるべき部分の着色層が剥離されてしまい、転写された着色層に欠けが発生する欠陥である。この支持シートを剥離する際に生じる欠け欠陥は転写によって着色層を形成する際の特有の問題であり、着色層の輪郭部分において発生し易いものである。
【0023】
このような欠け欠陥が生じた場合においても、TFT素子側に黒色感光性樹脂組成物を塗布し裏露光すると、着色層の欠け欠陥上の黒色感光性樹脂組成物が硬化され、遮光層が形成される。そのため、液晶表示装置の使用時に着色層の輪郭部分やその他の部分の欠け欠陥からの光が漏れることがなく、コントラストを向上させ、表示画質を向上させるものとなる。
【0024】
続いて、図15に示すように、TFT素子形成電極基板(40)のTFT素子側上の全面に黒色感光性樹脂組成物を塗布し、TFT素子側からマスクを用いて露光することによってTFT素子(12)側に柱状スペーサ(17)を形成する。
ここでは、裏露光セルフアライメントによって、既に遮光層が形成されているため、少なくとも柱状スペーサ部分の光を透過するマスクを用いればよいが、裏露光ではTFT素子上には遮光層を形成することが好ましく、さらに裏露光ではゲート配線等の配線上にも遮光層が形成されていないため、遮光層を平坦化して液晶の配向不良を防ぐためにも、配線部分上にも遮光層を形成することが望ましい。このような遮光層の形成領域を変えることは、マスクのパターンを変更することによって容易に行なえる。
【0025】
そして、着色層の輪郭部分等に着色層の欠け欠陥が存在した場合でも既に裏露光セルフアライメントによって遮光層が形成されており このマスクはそれほど高い精度は要しない。また、マスクの位置ずれも多少であれば許容することができる。また、柱状スペーサの位置であるが、柱状スペーサの面積を確保し安定させる観点からTFT素子上が望ましい。
【0026】
また、上述の実施形態では、TFT素子側に黒色感光性樹脂組成物を塗布し、裏露光して現像し、さらに再度黒色感光性樹脂組成物を塗布し、TFT素子側から露光して現像している。これは、裏露光によって着色層の欠陥部に遮光膜が形成される状態を説明するためであり、また、精度よく形成することが可能であるが、工程短縮の面からは、裏露光とTFT素子側から同時に露光し、その後現像することが望ましい。また、裏露光後に現像せず、TFT素子側から露光を行い、その後現像することも可能である。
以上の工程により柱状スペーサを有する液晶表示装置用電極基板を製造するものである。
【0027】
本発明における透明基板は、ガラス、好ましくはアルカリ金属元素を少量しか含まないか、全く含まない熱膨張係数の低いガラスを用いる。その厚さは、例えば、0.5〜1.1mm程度のものである。
【0028】
転写ベースは、連続する金属板、または金属箔であって、板厚は0.15mm以下、望ましくは0.06〜0.09程度であり、材質は被転写体である透明基板と熱膨張率がほぼ等しい金属が好ましい。
液晶表示装置に使われる透明ガラス基板は、熱膨張率40×10-7/℃程度の低膨張率ガラスであるので、用いる金属としては、鉄〜ニッケル合金、例えば、42合金(ニッケル42重量%、残部鉄)、アンバー(ニッケル36重量%、マンガン微量、残部鉄)等が熱膨張率10〜40×10-7/℃程度であるので好都合である。鉄〜ニッケル合金は、空気中で錆びにくく、保存性が良い点でも適している。
【0029】
剥離層は、有機溶剤に耐性を有する高分子膜で、転写ベースの表面平滑化の効果、及び転写に際して透明ガラス基板と転写ベースとの密着性を保つための弾性を与えるものである。膜厚としては、4.5μm以上5.5μm以下が好ましい。また、剥離層は柔軟性有することが転写適性上からは好ましいが、他方剥離層としての本来の適性からすると、表面が不活性で膜硬度は高いことが望ましい。
【0030】
具体的には、耐有機溶剤性のある水溶性樹脂でカゼイン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース等を塗布乾燥した膜が、また、弾性のある樹脂としてポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂があげられるが、これらの樹脂に限定されるものではない。剥離性を向上させる目的でシリコーン系、フッ素系界面活性剤を添加することも有効であり、転写ベースは剥離層と一体化して初めて本来の機能が発現可能となるものである。
【0031】
着色層は染色法、顔料分散法、印刷法等が適用できる。染色法は可染性樹脂、例えば、ゼラチン、低分子量ゼラチン、グリュー、カゼイン等に重クロム酸を添加して感光性樹脂化し、活性光を用いてパターン照射して現像し、その後アニオン系染料で染色し防染処理を施し、以下同様の工程により赤色、緑色、青色を形成する。また、アミド基、アミノ基等のカチオン基を有する光感光性を付与した可染性の合成樹脂を用いて同様の着色層を形成することができる。
【0032】
顔料分散法は、予め所望する色相の顔料を分散した感光性樹脂を塗布・露光・現像・加熱工程を繰り返して着色層を形成する。
また、印刷法は赤色、緑色、青色インキを、例えば、主に平版オフセット或いは凹版オフセット印刷方式で順次基板上に印刷することでカラー着色層を形成する方法である。
【0033】
本発明における遮光膜及び柱状スペーサは、高絶縁性であることが好ましい。高絶縁性であることにより、液晶表示装置の電極間のリークを防ぎ表示品質を良好なものとする。
【0034】
本発明における接着剤は、分子中にエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有する樹脂と、希釈モノマー、光増感剤、熱硬化成分及び添加剤からなるものが好ましい。
分子中にエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有する樹脂は、感度の面から二重結合当量が3000以下であることが必要であり、カルボキシル基は現像性の面から、樹脂酸価として50〜150の範囲で必要である。酸価50以下では現像性が低下し、現像カス残りを起こしたり、エッジの切れが低下する。
また、酸価150以上では現像時に膨潤してしまい、きれいなパターンが得られないという問題がある。また、その樹脂の分子量は1000〜100000の範囲が適当であり分子量が1000以下では感度低下をきたし、100000以上では現像性が低下する。
【0035】
上記樹脂としては、グリシジルメタクリレート(GMA)のようなグリシジル基とエチレン性不飽和基を有するモノマーのアクリル系共重合体にアクリル酸の様なエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有するモノマーを付加した後、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸のような酸無水物を付加させた物や、アクリル酸のようなエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有するモノマーのアクリル系共重合体にGMAのようなグリシジル基とエチレン性不飽和基を有するモノマーを付加した樹脂が挙げられる。
また、フェノールノボラック樹脂やクレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールタイプ等のエポキシ樹脂にアクリル酸の様なエチレン性不飽和基を有するカルボン酸を付加した後、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸を付加させた物も使用できる。
【0036】
希釈モノマーは、硬化時に発泡等を起こさないよう、その沸点が200℃以上あることと、貼り合わせ時の作業性のため、適当な粘度まで希釈出来れば良く、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能モノマー、
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の3官能モノマー、
1.6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の2官能モノマー、
フェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−アクリロイルオキシエチルモノフタレート等の単官能モノマー、
水酸基を2個以上有するポリオール化合物、イソシアネート化合物及び水酸基を有する(メタ)アクリレートからなるウレタンアクリレートやエポキシアクリレート等が挙げられ、これらを適宜組み合わせて使用できる。
【0037】
光増感剤は、特に制限はなく、ベンゾフェノン、ジエチルアミノベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸メチル、ベンゾインイソプロピルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジメチルケタール、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−メチル{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モルフォリノ−1−プロパノン等が挙げられ、その添加量は樹脂と希釈モノマーの総量に対し、0.1〜20重量部が好ましい。
【0038】
添加剤は、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等の重合防止剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等の接着性付与剤、エポキシ樹脂、ポリオール、メラミン樹脂等の熱硬化成分等が挙げられ、このうち熱硬化成分がないと、硬化樹脂にカルボン酸基が多く残り耐水性が低下する。その添加量は樹脂中のカルボン酸に対し、1/2当量以上の添加が好ましい。
【0039】
また、本発明において用いる黒色感光性樹脂組成物は、高絶縁性を有し、組成としては樹脂系材料と架橋剤と光酸発生剤とポリマーグラフト化された酸化チタンブラックとからなるものが好ましい。
このような組成の黒色感光性樹脂組成物は、光酸発生剤から発生する酸を利用し架橋することにより、感度特性曲線の傾きが大きいという特徴を有している。従って、所定の露光量以上の量で露光を行うと、現像後の残膜率が急に大きくなる。そのため、その所定の露光量より少し多い程度の露光量で露光を行うと、従来のラジカル重合型のものに比べ低露光量にて所望の膜厚を得ることができる。
【0040】
このような組成の黒色感光性樹脂組成物を用いて、裏露光で紫外線を照射することにより、既に形成された着色層が遮光のマスクの作用をすることによって遮光膜が形成される。TFT素子、ゲート配線、ソース配線及び補助容量部もマスクとなる。
そして、転写された着色層にピンホール等の欠陥があった場合や、転写の支持シートを剥離する際に、特に着色層の輪郭部分において発生しやすい欠け欠陥があった場合には、着色層、TFT素子、ゲート配線、ソース配線及び補助容量部のいずれもマスクとならず、その部分に遮光膜が形成される。そのため、液晶表示装置を用いる場合に、バックライトの光が漏れて表示品質を低下させることがない。また、グラフト化された酸化チタンブラックを用いることにより、膜強度が優れ、且つ高い遮光性の遮光膜を得ることができる。
【0041】
樹脂系材料は、架橋点となりうるOH基を含有しかつアルカリ性水溶液可溶性である高分子化合物であり、樹脂系材料としては、フェーノルノボラック、p−ヒドロキシスチレンに代表されるフェノール類、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等のOH基を含むモノマーのホモポリマーあるいは共重合体が用いられる。
共重合に使用できる他のモノマーとしては、スチレン、フェニルマレイミド、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ベンジルなどが挙げられる。これらの樹脂系材料は10〜55重量%、好ましくは17〜55重量%の範囲内で使用される。
少なすぎると、感光機能が劣化すること、酸化チタンの凝集によりパターン形状が劣化すること、膜強度や密着性が不足することなどの問題が生じ、多すぎると、遮光性が不足する。
【0042】
架橋剤としては、メチロール化尿素、尿素樹脂、メチロール化メラミン、ブチロール化メラミン、メチロール化グアナミンあるいはこれらの化合物のアルキルエーテルを用いることが可能である。熱安定性が優れている点からアルキルエーテル化物がより好ましい。
このアルキルエーテルのアルキル基としては炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。特に、このアルキルエーテル化合物としては感度の点で優れているヘキサメチロールメラミンのアルキルエーテル化物がより好ましい。
また、エポキシ基を2つ以上持つ化合物も用いることができる。これらの架橋剤は4〜17重量%、好ましくは7〜15重量%の範囲内で使用される。少なすぎると、感光特性に支障をきたし、多すぎると遮光性が不足する。
【0043】
光酸発生剤としては、光源の発光に含まれる波長域において吸収があり、且つ、光吸収により酸を発生するトリハロメチル基含有トリアジン誘導体またはオニウム塩類が使用できる。
トリハロメチル基含有トリアジン誘導体としては、例えば、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4’−メトキシ−1’−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メチルチオフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどを挙げることができる。
【0044】
その他、オニウム塩類としては、例えば、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロアセテート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム−p−トルエンスルホナート等のジアリールヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、トリフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホナート、4-メトキシフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウム−p−トリエンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルテトラフルオロボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルヘキサフルオロホスホネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルヘキサフルオロアルセネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロメタンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロアセテート、4−フェニルチオフェニルジフェニル−p−トルエンスルホナート等のトリアリールスルホニウム塩等が挙げられる。
【0045】
これらの光酸発生剤は、単独で、或いは混合して使用しても良い。例えば、光吸収剤と酸発生剤の組み合わせ等が利用できる。その添加量は、樹脂系材料に対して、0.5〜40重量%が好ましい。これは、40重量%を越えて添加した場合は、酸発生量が多すぎパターン露光後の加熱によって未露光部にも酸が拡散し架橋反応を起こし、解像性が低下してしまう原因となる。また、添加量が0.5重量%より少ない場合においては、酸発生量が乏しく、架橋反応が十分進行せず、パターンが形成できないものとなる。
【0046】
酸化チタンブラックをグラフト化するのに用いる高分子化合物は、酸化チタンブラック表面に存在する官能基と容易に反応しうる基を有するものである。この基の具体例としては、アジリジン基、オキサゾリン基、N−ヒドロキシアルキルアミド基、エポキシ基、チオエポキシ基、イソシアネート基、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、珪素系加水分解性基、アミノ基等が挙げられ、高分子化合物には、これらの基が分子内に1種又は2種以上有する必要がある。
特に酸化チタンブラック表面の官能基との反応性の面で、アジリジン基、オキサゾリン基、N−ヒドロキシアルキルアミド基、エポキシ基、チオエポキシ基、イソシアネート基から選ばれる1種又は2種以上の基を有する高分子化合物が好ましい。より好ましくはアジリジン基、オキサゾリン基、N−ヒドロキシアルキルアミド基から選ばれる1種又は2種以上の基を有する高分子化合物である。
【0047】
酸化チタンブラックと高分子化合物を反応させる場合には、反応を阻害しない限りにおいて、反応系に該高分子化合物以外のポリマー成分、モノマー、有機溶剤等の物質が存在してもよい。高分子化合物は酸化チタンブラックの10〜100重量%、好ましくは20〜60重量%含有することが必要である。10重量%以下ではグラフトの効果即ち膜強度の向上がなく、100重量%以上では感光性に障害がでたり、光学濃度が不足する。
【0048】
酸化チタンブラックとしてはPHが7以下、好ましくは5以下が好ましい。PHが7以上であると、グラフトの効果、即ち膜強度の向上が認められない。
これらの材料を、2本ロールミル、3本ロールミル、サンドミル、ペイントコンディショナー等の分散機を用いて混練し、黒色感光性樹脂組成物とする。
更に、分散時の作業性を向上させるため希釈溶剤として、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、エチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、ジグライム、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エステル類等の有機溶剤を用いてもよい。
【0049】
【実施例】
以下実施例により本発明を詳細に説明する。
<実施例1>
(転写シートの作製)
支持シートとして厚さ110μmの42合金(鉄−ニッケル合金、ニッケル42重量%、残部鉄)を使用した。支持シートの所定の部位に、各着色層の形成の際の位置合わせ、及び、着色層とTFT素子形成電極基板との間の位置合わせ等のためのアライメントマークをフォトリソグラフィー法によって形成した。
【0050】
次に、支持シートによく接着し、かつ着色層との剥離性が良好である光硬化ポリビニルアルコールからなる剥離層を厚さ5μm程度、表面の平滑度0.05μm程度に形成した。
この硬化した剥離層の上に、着色層を公知のフォトリソグラフィー法を用いた顔料分散法により形成し転写シートを得た。
【0051】
(液晶表示装置用電極基板の作製)
透明基板の片面上にTFT素子、ゲート配線、ソース配線、画素配線、及び補助容量部を公知の方法により形成したTFT素子形成電極基板を用いた。
先ず、TFT素子形成電極基板の全面にSiO2 を蒸着形成し保護膜を形成した。
【0052】
次いで、保護膜上に感光性レジスト(ヘキスト社製、商品名「AZ4620」)を塗布した後、フォトリソグラフィー法を用い、補助容量部の領域の感光性レジストから、所定パターンに従って保護膜を一部露出させた。
次いで、ドライエッチング装置(ラムリサーチ社製、商品名「ドライテック384T」)を用い、圧力150mTorr、出力700W、CHF3 ガス量100SCCMの条件にて、感光性レジストから露出した保護膜にドライエッチングを行った。
しかる後、感光性レジストを剥離し、保護膜に、所定パターンに従って画素電極の一部を露出させるスルーホールを形成した。
【0053】
次いで、TFT素子形成電極基板の全面に接着剤層を塗布形成した。この接着剤は、分子中にエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有する樹脂と、希釈モノマー、光増感剤、熱硬化成分及び添加剤からなるものを用いた。
【0054】
接着剤の調製は、次にようにして行った。
グリシジルメタクリレート(GMA)40g、メチルメタアクリレート(MMA)60gとアセトン200gを窒素雰囲気下で2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル)バレロニトリル(ADVN:商品名、大塚化学(株)製)を用い、分子量20000のポリマーを得た。このポリマー溶液にアクリル酸20g、ベンジルジメチルアミン0.2gを加え反応させた後、テトラヒドロ無水フタル酸25gを加え反応させ、シクロヘキサンにて析出沈殿させ、乾燥し白色粉末130gを得た。この粉末の樹脂の分子量は35000、酸価は100であった。
【0055】
この樹脂50gにトリメチロールプロパントリアクリレート(TMP3A:商品名、大阪有機化学(株)製)50g、ヒドロキシエチルメタクリレート40g、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート40g、ビスコレート#2000(大阪有機化学(株)製)10g、イルガキュア184(チバガイギー社製)10g、メトキノン0.1g、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン10gを加え、溶解して接着剤を得た。
【0056】
TFT素子形成電極基板の全面に接着剤層を塗布形成した後に、前記転写シートを位置合わせを行いながら、TFT素子形成面と着色層面とが対向するよう重ね合わせ、この状態を保ってロールプレスにて圧力5kg/cm2 でTFT素子形成電極基板及び転写シートをプレスした後、TFT素子形成面の反対面側から紫外線を照射して、素子及び配線部等を除いた接着剤を光硬化させ、TFT素子形成電極基板に着色層を転写した。
この時、TFT素子及び配線上の接着剤層の部分は、TFT素子及び配線が照射された紫外線を遮光するため、未露光となり光硬化しない。
【0057】
次いで、支持シートを剥離層と共に取り除き、TFT素子形成電極基板をアルカリ液等で洗浄し、未露光未硬化部位、すなわち、TFT素子及び配線上の接着剤を除去した。これにより、TFT素子及び配線上の未露光未硬化の接着剤層が洗浄除去され、TFT素子及び配線の表面が現れる。
次いで、ITO塗布液を塗布、焼成し透明導電膜を形成し、フォトリソグラフィー法を用いエッチングした。これにより、所定の形状にパターニングされた画素電極を着色層上に作成した。なお、画素電極は、スルーホールにより画素配線と電気的接続がなされている。
【0058】
次いで、画素電極が形成されている面に、遮光膜形成用の黒色感光性樹脂組成物を塗布し、裏露光セルフアライメントによって遮光膜を形成した。
続いて、TFT素子側上に黒色感光性樹脂組成物を塗布し、TFT素子側からマスクを介して露光することによりTFT素子上に遮光膜及び柱状スペーサーを形成し、柱状スペーサーを有する液晶表示装置用電極基板を得た。
遮光膜及び柱状スペーサーの形成は、黒色感光性樹脂組成物をスピンナー法を用いて均一に塗布し黒色樹脂層を形成し、紫外線照射による露光後の、加熱温度70℃〜150℃、時間15秒〜5分にて酸の触媒反応を利用した処理により行った。
【0059】
本発明において用いた黒色感光性樹脂組成物は、高絶縁性を有し、組成としては樹脂系材料と架橋剤と光酸発生剤とポリマーグラフト化された酸化チタンブラックとからなるものである。
なお、本発明の形態は、上記実施例に限定されるものでなく、使用する材料、膜厚、着色層、TFT素子の構造等種々の条件を変更できることは言う迄もない。
【0060】
【発明の効果】
本発明は、液晶表示装置用電極基板の製造方法において、薄膜トランジスタ素子形成電極基板上に保護膜を形成し、補助容量部上の該保護膜にスルーホールを形成し、紫外線硬化型接着剤層を形成し、支持シート上に剥離層、着色層が形成された転写シートを対向させて貼り合わせ、裏露光により紫外線を照射し、光透過性部分の接着剤層を光硬化させた後、支持シートを剥離層と共に剥離して、光硬化させた接着剤層上の着色層を転写し、未硬化の接着剤層上の着色層を剥離し、光不透過性部分の未硬化の接着剤層部分を除去し、スルーホール分の画素配線を露出させ、ITO塗布液を塗布、焼成して透明導電膜を形成し、透明導電膜をパターニングして、スルーホールにより画素配線と電気的に接続した透明導電膜よりなる画素電極を形成し、他面側から裏露光により紫外線を照射し、光が透過した部分に遮光膜を形成し、薄膜トランジスタ素子側上の遮光膜上に柱状スペーサーを形成し、柱状スペーサーを有する液晶表示装置用電極基板を製造する製造方法であるので、
着色層の形成時点で着色層に欠け欠陥があった場合でも、その部分に遮光膜が形成され、光漏れを生じ液晶表示装置の表示品質に悪影響を及ぼすことがないとともに、基板間の液晶層の厚みを保つためのスペーサ粒子をセル内部の画素部に存在させることなく、液晶層の厚みを保つためのスペーサ機能を基板に持たせ、画素部にはスペーサ粒子を存在させない、すなわち、スペーサ粒子近傍の液晶分子の配列が乱され、この部分で光漏れを生じ、液晶表示装置のコントラストが低下し表示品質に悪影響を及ぼすといった問題を有しない液晶表示装置を可能とする液晶表示装置用電極基板の製造方法となる。
【0061】
また、本発明は、上記液晶表示装置用電極基板の製造方法によって製造された液晶表示装置用電極基板を用いた液晶表示装置であるので、着色層の形成時点で着色層に欠け欠陥があった場合でも、その部分に遮光膜が形成され、光漏れを生じ液晶表示装置の表示品質に悪影響を及ぼすことがないとともに、基板間の液晶層の厚みを保つためのスペーサ粒子をセル内部の画素部に存在させることなく、液晶層の厚みを保つためのスペーサ機能を基板に持たせ、画素部にはスペーサ粒子を存在させない、すなわち、スペーサ粒子近傍の液晶分子の配列が乱され、この部分で光漏れを生じ、液晶表示装置のコントラストが低下し表示品質に悪影響を及ぼすといった問題を有しない液晶表示装置を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によって製造された液晶表示装置用電極基板の一部分を模式的に示した断面図である。
【図2】図1に示す液晶表示装置用電極基板を用いた液晶表示装置の一例の一部分を模式的に示した断面図である。
【図3】(a)、(b)、(c)は、本発明による液晶表示装置用電極基板の製造方法において使用する転写シートの説明図である。
【図4】(a)、(b)、(c)は、本発明による液晶表示装置用電極基板の製造方法を示す説明図である。
【図5】(a)、(b)、(c)は、本発明による液晶表示装置用電極基板の製造方法を示す説明図である。
【図6】(a)、(b)、(c)は、本発明による液晶表示装置用電極基板の製造方法を示す説明図である。
【図7】(a)、(b)、(c)は、本発明による液晶表示装置用電極基板の製造方法を示す説明図である。
【図8】(a)、(b)、(c)は、本発明による液晶表示装置用電極基板の製造方法を示す説明図である。
【図9】(a)、(b)、(c)は、本発明による液晶表示装置用電極基板の製造方法を示す説明図である。
【図10】(a)、(b)、(c)は、本発明による液晶表示装置用電極基板の製造方法を示す説明図である。
【図11】(a)、(b)、(c)は、本発明による液晶表示装置用電極基板の製造方法を示す説明図である。
【図12】(a)、(b)、(c)は、本発明による液晶表示装置用電極基板の製造方法を示す説明図である。
【図13】(a)、(b)、(c)は、本発明による液晶表示装置用電極基板の製造方法を示す説明図である。
【図14】(a)、(b)、(c)は、本発明による液晶表示装置用電極基板の製造方法を示す説明図である。
【図15】(a)、(b)、(c)は、本発明による液晶表示装置用電極基板の製造方法を示す説明図である。
【図16】従来のアクティブマトリックス型液晶表示装置の一例の一部分を模式的に示した断面図である。
【図17】図16におけるアクティブマトリックス型液晶表示装置に用いられた薄膜トランジスタ素子側電極基板の一部分を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
1‥‥液晶表示装置用電極基板
2‥‥電極基板
3‥‥液晶
4‥‥液晶表示装置
5‥‥薄膜トランジスタ素子側電極基板
6‥‥従来法における電極基板
8‥‥スペーサ
9‥‥従来法における液晶表示装置
11、21‥‥透明基板
12‥‥TFT素子
13、49‥‥保護膜
14‥‥着色層
15‥‥接着剤層
16、23‥‥配向膜
17‥‥柱状スペーサ
18‥‥画素電極
19‥‥絶縁膜
22、28‥‥透明導電膜
27‥‥遮光膜
30‥‥転写シート
31‥‥支持シート
32‥‥剥離層
37‥‥黒色感光性樹脂組成物
40‥‥TFT素子形成電極基板
41‥‥ゲート配線
42‥‥ソース配線
43‥‥画素配線
44‥‥補助容量部
45‥‥ゲート電極
46‥‥ソース電極
47‥‥シリコン
48‥‥ドレイン電極
51‥‥スルーホール
82‥‥紫外線
R‥‥赤色
G‥‥緑色
B‥‥青色

Claims (3)

  1. 液晶表示装置用電極基板の製造方法において、
    1)透明基板の片面上に少なくとも薄膜トランジスタ素子、ゲート配線、ソース配線、画素配線、及び補助容量部が形成された薄膜トランジスタ素子形成電極基板の該薄膜トランジスタ素子側上に保護膜を形成し、
    2)該補助容量部上の該保護膜に、所定パターンに従って画素配線を露出させるスルーホールを形成し、
    3)該薄膜トランジスタ素子形成電極基板の該薄膜トランジスタ素子側上の全面に、硬化した時点で透明である紫外線硬化型接着剤層を形成し、
    4)支持シート上に剥離層、カラーフィルタ機能を有する着色層が形成された転写シートの該着色層側と該薄膜トランジスタ素子形成電極基板の該薄膜トランジスタ素子側とを対向させて貼り合わせ、
    5)該薄膜トランジスタ素子形成電極基板の他面側から裏露光により紫外線を照射し、該薄膜トランジスタ素子形成電極基板の、薄膜トランジスタ素子、ゲート配線、ソース配線、及び補助容量部など以外の光透過性部分の該接着剤層を光硬化させた後、支持シートを剥離層と共に剥離して、該薄膜トランジスタ素子形成電極基板の該薄膜トランジスタ素子側に光硬化させた接着剤層上の着色層を転写し、未硬化の接着剤層上の着色層を剥離し、
    6)該薄膜トランジスタ素子形成電極基板の該薄膜トランジスタ素子側の薄膜トランジスタ素子、ゲート配線、ソース配線、及び補助容量部などの光不透過性部分の未硬化の接着剤層部分を除去し、スルーホール分の画素配線を露出させ、
    7)該薄膜トランジスタ素子形成電極基板の該薄膜トランジスタ素子側上の全面に、ITO塗布液を塗布、焼成して透明導電膜を形成し、
    8)該透明導電膜を所定の形状にパターニングして、上記スルーホールにより画素配線と電気的に接続した透明導電膜よりなる画素電極を形成し、
    9)該薄膜トランジスタ素子形成電極基板の該薄膜トランジスタ素子側上の全面に、黒色感光性樹脂組成物を塗布し、該薄膜トランジスタ素子形成電極基板の他面側から裏露光により紫外線を照射し、光が透過した部分に遮光膜を形成し、
    10)該薄膜トランジスタ素子側上に黒色感光性樹脂組成物を塗布し、薄膜トランジスタ素子側からマスクを用いて紫外線を照射することにより、該薄膜トランジスタ素子側に柱状スペーサを形成し、
    柱状スペーサーを有する液晶表示装置用電極基板を製造することを特徴とする液晶表示装置用電極基板の製造方法。
  2. 前記遮光膜が、高絶縁性であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置用電極基板の製造方法。
  3. 請求項1、又は請求項2記載の液晶表示装置用電極基板の製造方法によって製造された液晶表示装置用電極基板を用いたことを特徴とする液晶表示装置。
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