JP4452804B2 - 光学素子 - Google Patents

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本発明は、カーボンナノチューブを光学的に均質に分散した非線形光学体を内部に有するファブリペロー共振器からなる光学素子に関するものである。
ファブリペロー共振器とは、光が通過する経路の両端に2枚の反射面を対向させ光の干渉作用を行う共振器であり、レーザー、高速の光通信、光コンピュータなどの光信号処理システムにおいて利用されている。
このようなファブリペロー共振器中に非線形光学媒質を挿入することにより、色々な非線形光学素子が実現できる。なかでも、光双安定性素子はよく知られている。ファブリペロー共振器中に非線形光学媒質を挿入することにより、光の閉じ込めによる共振器中での光強度の増大により、非線形光学効果を増強することもできる。ファブリペロー共振器はバンドパスフィルターの機能を持つが、非線形光学媒質を挿入することにより、非線形バンドパスフィルターとしての機能が期待できる。特に可飽和吸収体を挿入すれば、可飽和吸収をより低い強度から発現させるとともに、特定の波長のみを非線形に透過率増加させる非線形バンドパスフィルターとなる。
一方、近年発見されたカーボンナノチューブは直径1μm以下の太さのチューブ状材料であり、大きな光学非線形性を有することが知られている。したがって、カーボンナノチューブを含有した非線形光学材料をファブリペロー共振器中に挿入した素子は有益である。カーボンナノチューブを用いてこのような非線形光学材料を得る際には、カーボンナノチューブが均一に分散された媒体を用いることが有益である。特に、ファブリペロー共振器中では光を何度も往復させるので、挿入する媒体は高い光学的均質性が要求される。したがって、ナノチューブをファブリペロー共振器中に挿入するに際しても、ナノチューブが均質に分散された材料を得ることが重要となってくる。
一般に、カーボンナノチューブ分散用の溶媒としては、水溶性溶媒や有機溶媒あるいはそれらの混合溶媒が利用できることが知られている。例えば、水、酸性溶液、アルカリ性溶液、アルコール、エーテル、石油エーテル、ベンゼン、酢酸エチル、クロロホルム、イソプロピルアルコール、エタノール、アセトン、トルエン等が使用できる旨開示されている。
しかしながら、カーボンナノチューブは、相互の凝集力(ファンデルワールス力)によって、束状及び縄状になってしまうため、これまでナノチューブが均一に分散した材料を得ることは困難であった。本発明の発明者は、非イオン性界面活性剤のカーボンナノチューブに対する分散剤としての機能に着目しつつ、非イオン性界面活性剤、アミド系極性有機溶媒、特に、NMP(Nメチルピロリドン)及びポリビニルピロリドンからなる混合溶媒が、優れた分散剤としての機能を発揮することを見出した。この際、カーボンナノチューブを分散するには、超音波処理をする必要がある。超音波処理は、非イオン性界面活性剤及びアミド系極性有機溶媒にカーボンナノチューブを分散する際に適用し、その後ポリビニルピロリドン(PVP)を混合してもよいし、又は非イオン性界面活性剤、アミド系極性有機溶媒、及びポリビニルピロリドン(PVP)の混合溶媒を作製した後、カーボンナノチューブを分散する際に適用してもよい。
ポリビニルピロリドン(PVP)は、カーボンナノチューブの表面に吸着し、カーボンナノチューブを包むいわゆるラッピング効果を有する。したがって、アミド系極性有機溶媒及び非イオン性界面活性剤に均一に分散したカーボンナノチューブの再凝集を防止する働きがあるものと考えられる。
特開平5−273617号公報
ファブリペロー共振器中に非線形光学媒質を挿入することにより、例えば、非線形バンドパスフィルターとしての機能が期待できる。特に可飽和吸収体を挿入すれば、可飽和吸収をより低い強度から発現させるとともに、特定の波長のみを非線形に透過率増加させる非線形バンドパスフィルターとなる。カーボンナノチューブは大きな光学非線形性を有することが知られているが、ファブリペロー共振器中では光を何度も往復させるので、カーボンナノチューブ材料を挿入する際は高い光学的均質性が要求される。そこで、本発明は、カーボンナノチューブが均一に分散された材料をファブリペロー共振器中に挿入することによって、非線形光学素子を得ることを目的とする。
本発明は、ファブリペロー共振器中にカーボンナノチューブ材料を挿入することにより、非線形バンドパスフィルター等としての機能が得られることに注目し、特に、カーボンナノチューブが均一に分散された溶液を得るために、非イオン性界面活性剤のカーボンナノチューブに対する分散剤としての機能に着目しつつ、非イオン性界面活性剤、アミド系極性有機溶媒、特に、NMP(Nメチルピロリドン)及び/又はポリビニルピロリドンからなる混合溶媒を用いてカーボンナノチューブを均一に分散させたものを利用する。
また、このようにして得られたカーボンナノチューブ分散溶液を用いるとポリイミドにカーボンナノチューブを均一に分散させることもできる。ポリイミドは、耐熱性に優れ、透明性を有し、機械的特性に優れており、カーボンナノチューブをポリイミドに均一に分散することができれば、極めて有用性の高い非線形光学材料を得ることができる。ポリイミドにカーボンナノチューブを分散させるためには、上記カーボンナノチューブ分散溶液に溶剤に可溶なポリイミドを混合分散させることによって得ることができる。また、ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸と上記カーボンナノチューブ分散溶液を混合することによって、カーボンナノチューブが分散したポリアミック酸溶液を得、次いで脱水することによってカーボンナノチューブが均一に分散したポリイミドを得ることができる。
ファブリペロー共振器中にカーボンナノチューブが均一に分散した材料を挿入するには、例えば、端面上にミラーコートした一対の光ファイバーを対向させ、その間を上記により得られたカーボンナノチューブ分散溶液を浸すことにより、ファブリペロー共振器を形成することができる。また、このカーボンナノチューブ分散ポリイミド材料はスピンコートにより平行性に優れた薄膜を形成することが可能である。また、耐熱性に優れるため、上部に金属ミラーを蒸着したり、誘電体多層ミラーを蒸着することも可能である。これによって、安定したファブリペロー共振器を形成することができる。
本発明の具体的構成は以下の通りである。
(1)カーボンナノチューブを光学的に均質に分散した媒体の両側をミラーで挟むことによりファブリペロー共振器が形成されていることを特徴とする光学素子。
(2)前記共振器中のカーボンナノチューブ分散媒体が非線形光学効果を有することを特徴とする上記(1)に記載の光学素子。
(3)前記共振器中のカーボンナノチューブ分散媒体が3次の非線形光学効果を有することを特徴とする上記(1)に記載の光学素子。
(4)前記共振器中のカーボンナノチューブ分散媒体が非線形屈折率変化を有することを特徴とする上記(1)に記載の光学素子。
(5)前記共振器中のカーボンナノチューブ分散媒体が可飽和吸収効果を有することを特徴とする上記(1)に記載の光学素子。
(6)前記共振器中のカーボンナノチューブ分散媒体が自己位相変調効果を有することを特徴とする上記(1)に記載の光学素子。
(7)前記共振器中での光の閉じ込めにより前記共振器中のカーボンナノチューブ分散媒体の非線形光学効果が増強されていることを特徴とする上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の光学素子。
(8)前記両側のミラーが、誘電体ミラーまたは金属ミラーであることを特徴とする上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の光学素子。
(9)前記両側のミラーが誘電体ミラーであることを特徴とする上記(8)に記載の光学素子。
(10)前記両側のミラーが誘電体多層ミラーであることを特徴とする上記(9)に記載の光学素子。
(11)前記カーボンナノチューブを光学的に均質に分散した媒体の媒質が、アミド系極性有機溶媒であることを特徴とする上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の光学素子。
(12)前記カーボンナノチューブを光学的に均質に分散した媒体は、カーボンナノチューブ、アミド系極性有機溶媒並びに非イオン性界面活性剤及び/又はポリビニルピロリドン(PVP)からなる溶液であることを特徴とする上記(11)に記載の光学素子。
(13)前記カーボンナノチューブを光学的に均質に分散した媒体の媒質が、透明高分子であることを特徴とする上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の光学素子。
(14)前記カーボンナノチューブを光学的に均質に分散した媒体は、カーボンナノチューブ、アミド系極性有機溶媒並びに非イオン性界面活性剤及び/又はポリビニルピロリドン(PVP)からなる溶液とポリイミドの混合溶液より得られる薄膜又は固体であることを特徴とする上記(13)に記載の光学素子。
(15)前記カーボンナノチューブを光学的に均質に分散した媒体は、カーボンナノチューブ、アミド系極性有機溶媒並びに非イオン性界面活性剤及び/又はポリビニルピロリドン(PVP)からなる溶液とポリアミック酸を混合することによって得られる薄膜又は固体であることを特徴とする上記(13)に記載の光学素子。
(16)非線形バンドパルスフィルターとして使用される上記(1)ないし(15)のいずれかに記載の光学素子。
(17)光双安定性を有する上記(1)ないし(16)のいずれかに記載の光学素子。
本発明で用いられるアミド系極性有機溶媒としては、具体的には、ジメチルホルムアミド(DMF),ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン(NMP)などのいずれも用いることができるが、特に好ましくは、N−メチルピロリドン(NMP)を用いるとよい。これらは、多くの有機物(低級炭化水素を除く)、無機物、極性ガスおよび高分子、特に、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂をとかすことができる。したがって、カーボンナノチューブをこれらの溶媒に均一に分散することができれば、その分散液にこれらの高分子材料をとかすことによってカーボンナノチューブが均一に分散したポリマー系ナノコンポジットを得ることができる。
本発明で用いられる非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン系、多価アルコールと脂肪酸エステル系、この両者を併せ持つ系のいずれであってもよいが、特に好ましくは、ポリオキシエチレン系のものが用いられる。ポリオキシエチレン系界面活性剤の例としては、脂肪酸のポリオキシエチレン・エーテル、高級アルコールのポリオキシエチレン・エーテル、アルキル・フェノール・ポリオキシエチレン・エーテル、ソルビタン・エステルのポリオキシニチレン・エーテル、ヒマシ油のポリオキシエチレン・エーテル、ポリオキシ・プロピレンのポリオキシエチレン・エーテル、脂肪酸のアルキロールアマイドなどがある。多価アルコールと脂肪酸エステル系界面活性剤の例としては、モノグリセライト型界面活性剤、ソルビトール型界面活性剤、ソルタビン型界面活性剤、シュガーエステル型界面活性剤などがある。
これら非イオン性界面活性剤の添加量は、カーボンナノチューブの配合量、配合するアミド系極性有機溶媒の種類によって適宜定めることができるが、一般には、0.005〜10%であれば、カーボンナノチューブの十分な分散効果を得ることができる。0.005%以下であると、カーボンナノチューブに対する界面活性剤の量が不足するために、一部のナノチューブは凝集して沈殿物が生じてしまう。また、10%以上であると、界面活性剤分子の溶媒中での分子回転が困難になるために、疎水性のナノチューブ表面に十分な量の界面活性剤の疎水部が吸着することが出来なくなり、微細なナノチューブの分散には不都合である。また、カーボンナノチューブの配合量を0.005〜0.05%にした場合、非イオン性界面活性剤の配合量は、0.01〜5%がよい。
本発明で用いられるカーボンナノチューブには、多層のもの(マルチウォール・カーボンナノチューブ、「MWNT」と呼ばれる)から単層のもの(シングルウォール・カーボンナノチューブ、「SWNT」と呼ばれる)まで、それぞれ目的に応じて使うことができる。本発明においては、好ましくは、シングルウォール・カーボンナノチューブが用いられる。用いるSWNTの製造方法としては、特に制限されるものではなく、触媒を用いる熱分解法(気相成長法と類似の方法)、アーク放電法、レーザー蒸発法、及びHiPco法(High−pressure carbon monoxide process)等、従来公知のいずれの製造方法を採用しても構わない。
以下に、レーザー蒸着法により、本発明に好適なシングルウォール・カーボンナノチューブを作成する手法について例示する。原料として、グラファイトパウダーと、ニッケルおよびコバルト微粉末混合ロッドを用意した。この混合ロッドを665hPa(500Torr)のアルゴン雰囲気下、電気炉により1,250℃に加熱し、そこに350mJ/PulseのNd:YAGレーザーの第二高調波パルスを照射し、炭素と金属微粒子を蒸発させることにより、シングルウォール・カーボンナノチューブを作製した。
以上の作製方法は、あくまで典型例であり、金属の種類、ガスの種類、電気炉の温度、レーザーの波長等を変更しても差し支えない。また、レーザー蒸着法以外の作製法、例えば、HiPco法、CVD法、アーク放電法、一酸化炭素の熱分解法、微細な空孔中に有機分子を挿入して熱分解するテンプレート法、フラーレン・金属共蒸着法等、他の手法によって作製されたシングルウォールナノチューブを使用しても差し支えない。
また、カーボンナノチューブの配合量は、使用目的によっても異なるが、分散性が得られる限り特に限定されるものではない。SWNTを用いて、NMP及びポリオキシエチレン系の界面活性剤の混合溶液に分散した場合、最大0.05%まで分散することができる。特に好ましくは、0.005から0.05%までがよい。
本発明で使用される超音波は、20kHz,150W及び28kHz,140Wを用い、約1時間処理することによって良好な分散効果を得ることができたが、本発明の超音波の条件はこれに限定されるものではない。配合されるカーボンナノチューブの量、アミド系極性有機溶媒の種類等によって、適宜、定めることが可能である。
本発明で用いられるポリビニルピロリドン(PVP)の配合量は、カーボンナノチューブの配合量によって適宜定めることができるが、好ましくは分散溶媒中0.1〜10%配合するとよい。ポリビニルピロリドンは、カーボンナノチューブの表面に吸着し、カーボンナノチューブを包むいわゆるラッピング効果を有することが知られている。本発明では、ポリビニルピロリドンのこのようなラッピング効果を利用して、アミド系極性有機溶媒及び非イオン性界面活性剤に均一に分散したカーボンナノチューブの再凝集を防止することができる。カーボンナノチューブの配合量に対してポリビニルピロリドンの配合量が低すぎると、十分なラッピング効果が得られず、ナノチューブ同士の再凝集が起きてしまう。
本発明で用いられるポリビニルピロリドン(PVP)の分子量は特に限定されるものではなく、一般には2万〜500万であれば、十分な再凝集防止効果を得ることができるが、好ましくは20万〜200万がよい。ナノチューブの分子量が非常に大きいため、分子量が小さすぎるとPVPが十分にナノチューブをラッピングすることができない。また、分子量が大きすぎると溶媒中におけるPVPの分子運動が低下し、十分にナノチューブをラッピングすることができない。
本発明では、フィルターろ過により凝集したカーボンナノチューブを除去して溶液の光学的品質を向上させることができる。使用されるフィルターは、ガラス繊維フィルター、メンブランフィルターなどが用いられる。その際、フィルターの保留粒子径は、目的に応じて適宜定めることができる。保留粒子径とは、JIS 3801で規定された硫酸バリウムなどを自然ろ過したときの漏洩粒子径により求めたものであるが、実質的には、フィルターの平均孔径に相当する。例えば、光散乱の低減を利用した光学機器に応用する場合、フィルターの保留粒子径は小さいほどよいが、一般には保留粒子径0.1〜3.0μmのものを用いることができる。
本発明で使用される溶剤に可溶なポリイミドは、酸ジ無水物と芳香族ジアミンの組合せ方法、分子量及び分子量分布によって溶剤に対する溶解性を調整することによって得ることができる。一般に、2成分系のポリイミドは溶剤に可溶なものが多く、更に3成分系にすると溶解度が増す。このような溶剤に可溶なポリイミドとしては、芳香族ポリイミドが好ましい。特に、好ましくは、ブロック共重合芳香族ポリイミドが用いられる。
ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸とカーボンナノチューブ分散液を混合することにより、カーボンナンチューブが分散したポリイミドを作製することもできる。この場合、ポリアミック酸はテトラカルボン酸二無水物とジアミンを、溶媒中で不活性ガス雰囲気下、常温常圧で反応させる方法がある。例えば、ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノフェニルエーテルを溶媒中で攪拌することにより、直ちにポリアミック酸を得ることができる。この際、ジアミンの種類などに応じて、反応溶媒として、NMP(Nメチルピロリドン)、DMAc(ジメチルアセトアミド)のような非プロトン系アミド極性溶媒、又は、THF(テトラヒドロフラン)、ジグリメ(ジエチレングリコールジメチルエーテル)のようなエーテル系低沸点溶媒を使用することができる。
カーボンナノチューブ分散溶液の作製
SWNT(3mg)を、NMP(N−メチルピロリドン)溶媒(30g)と非イオン性界面活性剤Triton X−100(30mg)の混合溶媒に入れて混合し、超音波(20kHz)で5時間処理した。次に、この分散溶液をガラス繊維濾紙(GC−50、保留粒子径0.5μm)で濾過し、カーボンナノチューブ分散溶液を得た。
カーボンナノチューブ分散ポリイミドの作製
市販の溶剤に可溶なポリイミド(株式会社ピーアイ技術研究所製Q−AD−XA100KI)をNMP溶液(30g)に溶解させた。得られたポリイミド混合溶媒と上記で得られたカーボンナノチューブ分散溶液を混合し、攪拌したところ、黒色に着色した均一な溶液を得た。混合溶液が適度な粘度となるようにNMP溶媒を真空中で一部蒸発させた後、混合溶液の一部をガラス基板上に垂らしてドクターブレード法により展開し、NMP溶媒を蒸発させることにより薄膜を形成した。この薄膜を光学顕微鏡で観察したところ、ナノチューブの凝集体は観察されなかった。また、顕微ラマン測定および可視・近赤外吸収スペクトル測定を行ったところ、ナノチューブのラマンシグナルおよび光吸収が検出された。このように、SWNTを溶剤可溶ポリイミドに均一に分散できることを確認できた。
カーボンナノチューブ含有ファブリペロー共振器の作製
図1及び2に示されるように、光ファイバー3の端面2上に誘電体ミラー5をコートした一対の光ファイバー3を対向させる。光ファイバー同士の光軸を揃えるために、V溝加工した基板4のV溝1に光ファイバー3をのせて、適切なギャップ間隔を持たせて向かい合わせ固定することによりファブリペロー共振器を形成する。このギャップを実施例1で作製したカーボンナノチューブ分散溶液で満たすことによって、カーボンナノチューブが均一に分散された溶媒を含むファブリペロー共振器が得られた。
図3に示されるように、ガラス基板9上に誘電体多層膜10を積層する。その際、光学長がバンドパス波長の4分の1波長となる厚さの高屈折率材料と低屈折材料を交互に積層する。この誘電体多層膜の上に実施例2で得られたカーボンナノチューブが均一に分散したポリイミド11をスピンコートする。さらに、この層の上に誘電体多層膜12を積層する。これによって、図3で示される構造のカーボンナノチューブが均一に分散された材料層を含むファブリペロー共振器が得られた。
TiOとSiOの交互積層膜を7層積層して形成した素子において、カーボンナノチューブを含むポリイミド層と含まないポリイミド層を有する素子の透過スペクトルを測定した。図4に示されるように、カーボンナノチューブを含有しないポリイミド(実線)に比較して、カーボンナノチューブを含有したポリイミド(点線)では、ナノチューブの線形吸収があるために透過率が減少していることから、所望の素子ができていることが明らかである。図5は、交互積層膜を9層積んだ場合の透過スペクトルである。層数が増えたためにナノチューブの線形吸収による透過率の減少がより顕著に現われている。
本発明の光ファイバー型カーボンナノチューブ含有ファブリペロー共振器の見取り図を示す。 本発明の光ファイバー型カーボンナノチューブ含有ファブリペロー共振器の断面図を示す。 本発明の誘電体多層膜型カーボンナノチューブ含有ファブリペロー共振器の概略図を示す。 カーボンナノチューブを含むポリイミド層と含まないポリイミド層を有するファブリペロー共振器素子の透過スペクトルを示す。 カーボンナノチューブを含むポリイミド層と含まないポリイミド層を有するファブリペロー共振器素子の透過スペクトルを示す。
符号の説明
1 V溝
2 (誘電体多層膜)ミラー
3 光ファイバー
4 基板
5 (誘電体多層膜)ミラー
6 ナノチューブ分散溶液
7 光ファイバー
8 基板
9 透明基板
10 (誘電体多層膜)ミラー
11 ナノチューブ分散ポリマー薄膜
12 (誘電体多層膜)ミラー

Claims (4)

  1. カーボンナノチューブを光学的に均質に分散した媒体の両側をミラーで挟むことによりファブリペロー共振器が形成されている光学素子であって
    前記カーボンナノチューブを光学的に均質に分散した媒体の媒質が、アミド系極性有機溶媒であることを特徴とする光学素子。
  2. 前記カーボンナノチューブを光学的に均質に分散した媒体は、カーボンナノチューブ、アミド系極性有機溶媒並びに非イオン性界面活性剤及び/又はポリビニルピロリドン(PVP)からなる溶液であることを特徴とする請求項に記載の光学素子。
  3. カーボンナノチューブを光学的に均質に分散した媒体の両側をミラーで挟むことによりファブリペロー共振器が形成されている光学素子であって
    前記カーボンナノチューブを光学的に均質に分散した媒体の媒質が、透明高分子であり
    前記カーボンナノチューブを光学的に均質に分散した媒体は、カーボンナノチューブ、アミド系極性有機溶媒並びに非イオン性界面活性剤及び/又はポリビニルピロリドン(PVP)からなる溶液とポリイミドの混合溶液より得られる薄膜又は固体であることを特徴とする光学素子。
  4. カーボンナノチューブを光学的に均質に分散した媒体の両側をミラーで挟むことによりファブリペロー共振器が形成されている光学素子であって
    前記カーボンナノチューブを光学的に均質に分散した媒体の媒質が、透明高分子であり
    前記カーボンナノチューブを光学的に均質に分散した媒体は、カーボンナノチューブ、アミド系極性有機溶媒並びに非イオン性界面活性剤及び/又はポリビニルピロリドン(PVP)からなる溶液とポリアミック酸を混合することによって得られる薄膜又は固体であることを特徴とする光学素子。
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