JP4451508B2 - 気相成長方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気相成長方法に係わる。
【0002】
【従来の技術】
化学的気相成長法(CVD法)により、基板上に半導体薄膜を成膜する技術は、各分野において利用されている。このCVD法において、基板を加熱して気相成長を行う熱CVD法においては、多くの種類の反応ガスを利用できるという長所と、成膜時に、基板を比較的高温にしなければならないという短所を有している。
【0003】
基板を加熱する方法には、直接加熱法と間接加熱法とがある。直接加熱法には、例えば、赤外線ランプにより基板を直接加熱する方法があり、間接加熱法としては、例えば基板をグラファイト製のサセプタに載置し、このサセプタに通電して加熱する方法や、気相成長を行う反応管内に基板を配置してこの反応管を外部から例えば電気炉等により加熱する方法等が挙げられる(CVDハンドブック、化学工学会、朝倉書店)。
【0004】
熱CVD法においては、成膜時に基板の温度状態にばらつきがあると、生成膜の膜厚、グレンサイズ、屈折率や光吸収係数等の光学特性、膜組成等の、生成膜の種々の特性にばらつきが生じてしまう。膜質の低下を回避するためには、膜生成工程において、温度制御を高精度に行うことが必要である。
【0005】
膜形成を行う基板の温度制御に着目すると、基板を内部に載置した反応管を、電気炉等により加熱する、すなわち反応管の外部の加熱手段により加熱を行う方法においては、基板の面内温度分布の均一性が、良好であるという利点がある。
【0006】
図9に、拡散・減圧CVD装置で採用されている縦型構造の気相成長装置、特に、基板103上に気相成長を行う反応炉本体100の概略図を示す。この場合、反応管101の下部に、ロードロック室(図示せず)が配置された構成を有する。このロードロック室は排気手段により内部を高真空度に保持することができるようになっている。
【0007】
図9に示した反応炉本体100においては、加熱手段102により所定の温度に調節し、ガス供給ノズル104より、膜生成のために必要なガスを反応管101内に供給し、例えばシリコンの基板103を、ボート110上に載置し、これをボート昇降機構111により、ロードロック室と反応管101内との間で上下に昇降可能とされ、反応管101内において気相成長が行われる。
【0008】
反応管101の外部の加熱手段102により、ボート110上に配置された基板103の加熱を行う場合の加熱のメカニズムについて説明する。すなわち、反応管101の外部に設置された電気炉等の加熱手段102による熱伝導、対流、輻射の3つの経路により、反応管101内に熱が伝達される。反応管101に伝達された熱は、反応管101内にある材料ガスや、その他のガスによる対流と、反応管101の内壁からの輻射により、基板に到達し、これにより、基板の加熱が行われる。
【0009】
このように、反応管101の外部の加熱手段102により、基板103の加熱を行う方法においては、反応管101内の温度制御は、電気炉等の加熱手段102自体の温度を制御することにより行うことができる。しかし、一方においては、反応管内の温度制御を行う方法として、以下の方法が挙げられる。
【0010】
まず、第1の方法としては、反応管101内に予め温度計を装備し、反応管101内部の温度を測定し、この測定値を基準として、電気炉等の加熱手段102の制御を行う方法が挙げられる。
【0011】
また、第2の方法としては、基板上に膜生成を行わないときに、反応管101内に温度計を挿入し、任意の圧力、例えば窒素ガス等のガスを任意の供給量に調節して、電気炉等の加熱手段102による加熱を行って、このときの加熱手段102と、反応管101内部の温度差を測定して、これを元に、目的とする反応管101内の温度を設定することができるように、加熱手段102の温度を決定し、その加熱手段102の設定値を基準に、加熱手段102の温度調節を行う方法が挙げられる。なお、上記第1および第2の方法のいずれの方法においても、温度計としては、先端を閉じた石英ガラス管内に、熱電対を挿入したものを適用することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、熱CVD法により基板103上に膜生成を行う場合には、温度制御に関して、以下の問題がある。
【0013】
図9に示した反応炉本体100を有する気相成長装置を用いて基板103上に膜形成を行うと、気相成長中に、図10に示すように反応管101の内壁部において、堆積膜105が形成されてしまい、これが原因となって、反応管101の精密な温度制御が困難になる。
【0014】
例えば、反応管101の材質が、石英ガラスよりなるときは、赤外線の吸収率が低いため、加熱手段102から輻射された赤外線は、反応管101を透過する。反応管101の内部に付着した堆積膜105が、反応管101を構成する材質と異なる材質、例えばSi34や、Si等である場合には、反応管101の材質とは、赤外線に対する吸収率、反射率が異なる。よって、図11に矢印をもって模式的に示すように、加熱手段102からの赤外線(図中の波線)が、堆積膜105により、吸収されたり、あるいは反射されたりするため、堆積膜105が、反応管101の内壁面に付着していない場合と比較して、反応管101内部に載置した基板103の加熱の状態に差異が生じる。
【0015】
また、反応管101の内壁に付着した堆積膜105の赤外線に対する吸収率や反射率は、堆積膜105の膜の厚さにも影響される。このため、加熱手段102自体の設定温度を一定にしても、基板103の加熱状態が、堆積膜105の厚さに影響されて、経時的に変化してしまい、基板103上への安定した成膜を行うことが困難になる。
【0016】
具体的には、上述した第1の方法、すなわち、反応管101内に予め温度計を装備し、反応管101内部の温度を測定し、この測定値を基準として、電気炉等の加熱手段102の制御を行う方法においては、図12に示すように、温度計106は、例えば石英ガラスよりなる保護管107に挿入された状態で、反応管101内に装備されるが、この保護管107の表面にも堆積膜が付着してしまい、これが原因となって、反応管101内の測定温度に影響を与える。
【0017】
すなわち、図13に示すように、加熱手段102からの赤外線(図中の波線)が、堆積膜105により、吸収されたり、あるいは反射された後に、さらに温度計106の保護管107の表面に被着した堆積膜108により吸収されたり、あるいは反射されたりするため、堆積膜105、108が、反応管101や、温度計の保護管107の表面に付着していない場合と比較して、温度計106の測定温度に差異が生じる。堆積膜105のみ形成され、堆積膜108が形成されなければ、温度計106は反応管101内の温度を反映するので、加熱手段102にフィードバックすることで反応管101内に温度を制御できる。しかしながら、堆積膜108が形成されるので、温度計106の測定温度と反応管101内の温度に差異が生じ、加熱手段102のフィードバック制御後も反応管101内の温度は、目的とする温度からずれを生じる。堆積膜108の膜厚が変化した場合も、温度計106の測定温度は影響を受け、同様に、反応管101内の温度は目的とする温度からずれを生じる。
【0018】
また、上述した第2の方法、すなわち、膜生成を行わないときに、反応管101内に温度計を挿入し、任意の圧力、例えば窒素ガス等のガスを任意の供給量に調節して、電気炉等の加熱手段102による加熱を行った場合の、加熱手段102と、反応管101内部の温度差を測定して、これを元に、目的とする反応管101内の温度を設定することができるように、加熱手段102の温度を決定し、その加熱手段102の設定値を基準に、加熱手段102の温度調節を行う方法においては、以下の影響が見られる。
【0019】
すなわち、反応管101内の温度測定を、反応管101内壁に堆積膜105が堆積していない状態で行っても、基板103上への成膜工程中に、図10において示したように、反応管101の内壁に堆積膜105が付着し始めるので、堆積膜105そのものの影響により、安定な温度制御が困難になったり、堆積膜105の厚さによる経時的な温度制御への影響が生じたりする。
【0020】
基板103上への成膜工程において、頻繁に、反応管101内の温度測定を行うことによって、上記不都合をある程度軽減することができるが、成膜装置100の稼働効率を低下させてしまうという不都合が生じる。
【0021】
また、反応管101内の圧力が低下すると、基板103への熱の伝達は、輻射による割合が高くなる。特に、極端に圧力が低く、分子流量域で成膜を行う超高真空CVD(UHV−CVD)法においては、ガス流量が極端に少ないため、ガスによる熱伝導が殆どないので、輻射による影響が支配的となり、反応管101内部の堆積膜105の影響で、反応管内部の温度に深刻な影響を与える。
【0022】
よって、本発明においては、基板103上に成膜を行う場合に、安定した温度制御を行うことのできる気相成長方法を提供する。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明の気相成長方法は、外部に加熱手段を有する石英ガラスからなる反応管の内壁及び反応管内に装備された温度計を内包する石英ガラスよりなる保護管の表面に、予め厚さ1μm以上のポリシリコン又はSiの膜を形成する工程と、次いで、加熱手段を制御するための反応管内の温度を温度計で測定する工程と、その後、反応管内に基板を挿入し、温度計の測定値を基準として加熱手段の制御を行いながら、基板上に半導体薄膜を気相成長させる工程とを有する。
【0024】
本発明の気相成長方法によれば、基板上に膜の生成を行う前の工程において、予め反応管の内壁及び温度計の保護管の表面に厚さ1μm以上のポリシリコン又はSi3N4の膜を堆積させておくこととしたため、その後の膜生成工程において、反応管の内壁及び温度計の保護管の表面に被着堆積する生成膜の厚さに影響されることなく、反応管内の温度、成膜されるべき基板の安定した温度制御がなされ、成膜時の温度に依存する膜特性精密に制御される。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
【0026】
図1は、縦型UHV−CVD装置に適用した本発明の気相成長装置1000の一例の概略構成図を示す。この例において、気相成長装置1000は、反応炉本体10と、第1のロードロック室11と、第2のロードロック室12とを有する構成とする。反応炉本体10は、石英製の例えば吊鐘形状をなす反応管1が、例えばほぼ円筒形状をなす載置台14上に載置され、反応管1の外周には加熱手段2が配置されてなる。反応管1内には、外部からガスが供給されるガス導入ノズル16が配置される。
【0027】
第1のロードロック室11には、外部に対する開閉がなされる第1のゲートバルブ81が設けられ、この第1のロードロック室11は、第2のロードロック室12に、第2のゲートバルブ82を介して連結される。また、第2のロードロック室12は、反応管1下に配置され、第3のゲートバルブ83を介して、反応管1に連結される。
【0028】
反応管1には、第1の高真空排気手段31の、例えばターボ分子ポンプがバルブ51を介して連結され、更にバルブ52を介して第2の高真空排気手段32のクライオポンプが連結される。
【0029】
第1の高真空排気手段31のターボ分子ポンプには、バルブ53を介してメカニカルブースタポンプ40およびドライポンプ41が連結されて、外部EXHに排気されるようになされている。
【0030】
一方、反応管1とバルブ51との間の排気通路から、分路が設けられ、この分路がバルブ54および55を介してメカニカルブースタポンプ42およびドライポンプ43が連結される。
【0031】
一方、第1のロードロック室11には、バルブ56を介してメカニカルブースタポンプ44およびドライポンプ45が連結され、外部EXHに排気されるようになされている。また、バルブ57を介して第3の高真空排気手段33のクライオポンプが連結されている。
【0032】
第2および第3の高真空排気手段32および33は、それぞれバルブ59および58を介している。
【0033】
また、第2のロードロック室12は、バルブ60および61を介して前記メカニカルブースタポンプ42およびドライポンプ43が連結され、更に、この第2のロードロック室12はバルブ62を介して例えばターボ分子ポンプによる第4の高真空排気手段34が連結される。この第4の高真空排気手段34には、バルブ63を介してメカニカルブースタポンプ46およびドライポンプ47が連結されて、外部EXHに排気するようになされている。
【0034】
反応管1の下方に配置された第2のロードロック室12には、気相成長がなされる多数の基板、例えば半導体基板、例えばシリコン基板、または、反応管1の内壁に予め堆積膜を形成させるためのダミー基板が搭載されたボート17を反応管1内に対して、出入させるボート昇降機18が配置される。このボート昇降機18には、ボート17を上昇させてこのボート17を反応管1内に配置させた状態で、反応管1の筒状載置台14を閉蓋する蓋体19が配置され、この蓋体19上に、例えば筒状の断熱体20を介してボート17が配置される。
【0035】
次に、この構成による気相成長装置1000を用いて基板3上に、例えばシリコン半導体層を気相成長させるための方法について説明する。ここで、反応管内の温度制御を行う方法は、従来と同様に、反応管内に配置した温度計を用いて行う前述の第1の方法または第2の方法のいずれかを採用することになる(段落[0010],[0011],[0016]参照)。また第1の方法での温度計は、前述したように石英ガラスよりなる保護管に挿入される(段落[0016]参照)。
【0036】
まず、基板3を搭載するためのボート17を、第1のロードロック室11内に配置する。第1のゲートバルブ81、第2および第3のゲートバルブ82および83を閉じ、第1のロードロック室11内を、バルブ56を開放して、所定の圧力までポンプ44および45を動作させて排気した後、バルブ56を閉じ、バルブ57を開放して、第3の高真空排気手段33のクライオポンプを動作して排気すると共に、第2のロードロック室12についても、バルブ62、63を開放して、第4の高真空排気手段34のターボ分子ポンプとポンプ46、47を用いて、両ロードロック室11および12内を、約10-6Paに排気する。
【0037】
これと同時に、反応管1内を、ガス供給がなされていない状態で、バルブ51、52を開放して、第1の高真空排気手段31のターボ分子ポンプ31と同時に特に第2の高真空排気手段32のクライオポンプを動作して、反応管1内を約10-7Paに排気する。
【0038】
一方、気相成長を行う基板3例えばシリコン基板を、縦型UHV−CVD装置外において、薬液処理を行い、基板表面に付着されている有機物を除去する。更に、その後、所要の温度に加熱したアンモニア−過酸化水素水溶液でパーティクル除去を行い、希フッ酸処理して基板表面の金属汚染物の除去、および基板表面に生じた自然酸化膜の除去を行う。
【0039】
次に、バルブ56、57を閉じた後に、第1のロードロック室11内を大気圧にし、第1のゲートバルブ81を開けて第1のロードロック室11内のボート17に、上述した洗浄処理済の基板3を搭載する。
【0040】
その後、第1のゲートバルブ81を閉じてから、第1のロードロック室11を真空排気手段33を併用して約10-6Paの圧力にする。
【0041】
このようにして第1および第2のロードロック室11および12内を、約10-6Paとした状態で、第2のゲートバルブ82を開けて、基板を搭載したボート17を、第1ロードロック室11内部のボート移動機(図示せず)を用いて第2のロードロック室12内に移動させ、ゲートバルブ82を閉じ、ロードロック室12内を、上述したと同様の方法によって約10-6Paの圧力にする。
【0042】
次に、第3のゲートバルブ83を開けて、反応管1内のガス導入ノズル16から水素ガスを導入しながら、ボート昇降機18を上昇させて、基板3を搭載したボート17を、反応管1内に移動する。このボート17の移動中は、バルブ51、52、54、55、62を閉じ、バルブ60および61を開けてメカニカルブースタポンプ42およびドライポンプ43を動作させて排気を行う。
【0043】
このようにして、ボート昇降機18が上昇した状態で、蓋体19が、載置台14に当接し、反応管1を閉塞すると同時に、ガス導入ノズル16からの水素ガス導入を停止してバルブ60および61を閉じる。
【0044】
次に、バルブ54および55を開けて所望の圧力まで反応管1内部を排気した後、バルブ54および55を閉じて、バルブ51および53を開けて高真空排気を行い、約1×10-5Paとなったところで、バルブ52を開けて第2の高真空排気手段32のクライオポンプを併用して、所望の圧力となるまで高真空排気を行い、その後、バルブ52を閉じる。
【0045】
次に、反応管内にガス導入ノズル16から水素ガスを導入しながら例えば900℃程度まで加熱して基板表面に形成された自然酸化膜を還元除去する。その後、所望の成膜温度まで降温する。
【0046】
次に、反応管1内を、第1の高真空排気手段31のターボ分子ポンプにて、高真空排気し、ガス導入ノズル16から成膜に必要なガスを供給する。このとき、エピタキシャル成長のための原料ガスは、分子流量域となる圧力となるように設定する。この圧力は、0.5〔Pa〕以下であることが望ましい。
【0047】
また、シリコンエピタキシャル成長を行うためには、シリコン原料ガスとしてモノシラン(SiH4)やジシラン(Si26)を用いることができる。シリコン−ゲルマニウム混晶槽を形成するためには、前記シラン系原料ガスと同時にゲルマン(GeH4)ガスを供給すれば良い。更に、前記エピタキシャル成長槽にドーパントのボロン(B)やリン(P)をドープする場合には、その供給ガスとしてジボラン(B26)やホスフィン(PH3)等を導入することができる。
【0048】
このようにして気相成長による成膜を行った後、反応管1内の温度を降温し、ボート17を第2のロードロック室12に移動する。その後、基板を前述した大気から反応管1内部への搬送手順とは逆の手順を行い、エピタキシャル成長による成膜層を有する基板を、気相成長装置から搬出する。
【0049】
なお、本発明方法においては、図2に示すように、特に、目的とする基板3上に、成膜を行う前に、ボート17および図1に示した断熱体20を含む反応管1内部に、あらかじめ、所定の厚さa〔μm〕以上の、堆積膜70を形成するものとする。反応管内の温度制御を行う方法として、前述の第1の方法を用いるときは、温度計の保護管の表面にも同様の堆積膜70を形成することになる。
すなわち、目的とする基板3上に気相成長により成膜を行う前に、予め、ダミー基板を反応管内に配置して気相成長を行い、反応管1内に堆積膜70を形成しておくものである。
【0050】
以下に、この堆積膜70の形成条件の一例を示す。
シランガス流量:20〔sccm〕
水素ガス流量:25〔sccm〕
反応管内温度:650℃反応管内圧力:0.1〔Pa〕
成膜累計時間:250〔分〕
膜厚:1.5〔μm〕
【0051】
反応管1の内壁に、反応管1を構成する材質と異なる材質の堆積膜70が付着した場合、加熱手段による輻射光の透過率、吸収率、反射率が、堆積膜が付着していない場合と変化することは、前述した通りであるが、反応管1の内壁に付着した堆積膜70の厚さが、加熱手段による輻射光の、反応管1内における吸収率、透過率、反射率に対し、どの様な影響を与えるかについてのシミュレーション結果を、以下に示す。
【0052】
例えば石英ガラスよりなる反応管1を適用し、この反応管1内において、シリコン基板3上に、ポリシリコンを、1000(K)の温度条件で、CVD膜の形成を行った場合について、図3に、縦軸に、反応管の壁面が、基板からの輻射エネルギーを吸収する量と透過する量との合計量の、単位面積あたりのエネルギー量〔μW/cm2〕を示し、横軸に、反応管の内壁に堆積したポリシリコンの膜の厚さ〔μm〕を示す。
【0053】
図3に示されているシミュレーション結果から、反応管1の内壁のポリシリコンの堆積膜70の厚さが、0〔μm〕から1〔μm〕未満の範囲においては、堆積膜70の厚さの変化に対して、反応管1の壁面が、基板3からの輻射エネルギーを吸収する量と透過する量との合計量が大きく変化するが、堆積膜70の厚さが、1〔μm〕以上、特に1.5〔μm〕程度になると、基板3からの輻射エネルギーを吸収する量と透過する量との合計量が安定している。すなわち、ほとんど変化しない。
【0054】
この図3に示したシミュレーション結果より、気相成長装置10で基板3上にシリコンエピタキシャル薄膜の成膜を行う場合に、加熱手段2からの輻射熱が反応管に吸収、透過されるエネルギー量の、堆積膜70の厚さ依存傾向も、図3のシミュレーションと、同様の結果を示すことがわかる。
【0055】
すなわち、石英ガラスの反応管1の内壁に堆積したポリシリコン膜の厚さが、1〔μm〕以上、望ましくは1.5〔μm〕以上になると、基板3に到達する加熱手段からの輻射熱の熱量が、堆積膜70の厚さに依存しないようになることがわかる。
【0056】
これにより、堆積膜70、すなわちポリシリコン膜の厚さが、1〔μm〕以上、望ましくは1.5〔μm〕以上になると、気相成長工程において、基板3の温度を精密に制御することが可能になる。
【0057】
よって、気相成長装置として、予め反応管1の内壁に、反応管1の材質と異なる材質の膜が、所定の厚さ、例えば1〔μm〕以上、好ましくは1.5〔μm〕以上の厚さに成膜堆積されたものを用いて気相成長を行うと、精密で安定した温度制御を行うことが可能になり、気相成長における成膜特性の高精度化を図ることができる。
【0058】
次に、上述と同様に、石英ガラスよりなる反応管1を適用し、この反応管1内で、シリコン基板3上に、Si34を、例えば1000(K)の温度条件で、膜形成を行った場合の例について説明する。図4に、縦軸に、反応管の壁面が、基板からの輻射エネルギーを吸収する量と透過する量との合計量の、単位面積あたりのエネルギー量〔μW/cm2〕を示し、横軸に、反応管の内壁に堆積したSi34膜の厚さ〔μm〕を示す。
【0059】
この例においては、Si34の複素屈折率を2.00+0.0iとする。図4に示されているシミュレーション結果から、反応管1の内壁のSi34の堆積膜の厚さが、0〔μm〕から1〔μm〕未満の範囲においては、堆積膜の厚さの変化に対して、反応管1の壁面が、基板3からの輻射エネルギーを吸収する量と透過する量との合計量が大きく変化するが、1〔μm〕以上、特に1.5〔μm〕程度になると、基板3からの輻射エネルギーを吸収する量と透過する量との合計量が安定する。
【0060】
この図4に示したシミュレーション結果より、気相成長装置10で基板3上に成膜を行う場合に、加熱手段2からの輻射熱が反応管に吸収、透過されるエネルギー量の、堆積膜70の厚さ依存傾向も、図4のシミュレーションと、同様の結果を示すことがわかる。
【0061】
すなわち、石英ガラスの反応管1の内壁に堆積したSi34膜の厚さが、1〔μm〕以上、望ましくは1.5〔μm〕以上になると、基板3に到達する加熱手段からの輻射熱の熱量が、堆積膜70の厚さに依存しないようになることがわかる。
【0062】
ここで、反応管1の壁面に堆積した膜の厚さと、光の吸収量との関係について説明する。光の吸収量は、次の(数1)で表される。
【0063】
【数1】
Figure 0004451508
【0064】
ここで、ε(λ)は、反応管に堆積膜が積層した構造体の実効放射率(反射率)を示し、I(λ)は、ある温度における加熱手段の分光放射発散度(任意の温度における、各波長の光強度)を示し、a、bは積分する波長領域〔μm〕を示すものとする。
【0065】
光の波長に対して、特定の膜厚、すなわち光の波長の1/4程度の膜厚において、光の全反射が生じる。光の全反射が生じる条件では、ポリシリコンのように光を吸収する膜の場合、膜内での繰り返し反射により、光の吸収は波長によらず、一定値に近づく。そのために、堆積膜の膜厚が厚いほど、光の吸収量が安定する。図5に、反応管の壁面に堆積したポリシリコンの厚さが、0.15〔μm〕(曲線201)、0.3〔μm〕(曲線202)、0.5〔μm〕(曲線203)である場合の、波長と、光の実効吸収率との関係を示す。また、図6に、反応管の壁面に堆積したポリシリコンの厚さが、1〔μm〕(曲線204)、3〔μm〕(曲線205)、5〔μm〕(曲線206)である場合の、波長と、光の実効吸収率との関係を示す。
【0066】
図5および図6に示すように、堆積膜の膜厚が厚いほど、それぞれの曲線201〜206の振幅が小さくなり、光の吸収量が安定していることがわかる。
【0067】
次に、図7に、反応管の壁面に堆積したSi34膜の厚さが、0.15〔μm〕(曲線301)、0.3〔μm〕(曲線302)、0.5〔μm〕(曲線303)である場合の、波長と、光の実効吸収率との関係を示す。また、図8に、反応管の壁面に堆積したSi34の厚さが、1〔μm〕(曲線304)、3〔μm〕(曲線305)、5〔μm〕(曲線306)である場合の、波長と、光の実効吸収率との関係を示す。
【0068】
図7および図8に示すように、堆積膜の膜厚が厚いほど、それぞれの曲線301〜306の曲線の波の波長が小さくなる。光の吸収量は、(数1)の式に示すように、ある波長領域での積分値であるので、膜厚が厚くて曲線の波長が小さいほど、膜厚が増加して曲線が変化したときの光の吸収量が小さくなり、光の吸収量が安定していることがわかる。
【0069】
上述した例においては、反応管1の内壁にポリシリコン膜、あるいはSi34膜が、堆積することになる場合について説明したが、この例に限定されるものではなく、例えば、シリコン−ゲルマニウムの混晶、多結晶シリコン、多結晶シリコン−ゲルマニウム等、各種の膜が、反応管内壁に堆積する場合についても、同様に、堆積する膜種に応じた所定の厚さa〔μm〕以上の厚さに堆積されると、基板に到達する加熱手段からの輻射熱の熱量が、堆積膜の厚さに依存しないようになることがわかり、精密で安定した温度制御を行うことが可能となる。
【0070】
上述した本発明の一例の気相成長装置および気相成長方法においては、いわゆる縦型のUHV−CVD装置を用いて気相成長を行う例について説明したが、本発明はこの例に限定されるものではない。すなわち、例えば横型のUHV−CVD装置を用いて気相成長を行う場合についても同様に適用することができる。
【0071】
上述した本発明の気相成長装置および気相成長方法は、前述の段落[0021]で説明した分子流量域の圧力で成膜を行う場合にも勿論適用するこができる。
【0072】
また、上述した本発明の一例においては、基板上にシリコン膜のエピタキシャル成長あるいはSi34膜の成長を行う場合について説明したが、本発明は、この例に限定されるものではなく、例えば、シリコン−ゲルマニウムの混晶、多結晶シリコン、多結晶シリコン−ゲルマニウム等の、各種の気相成長膜の形成を行う場合についても、同様に適用することができる。
【0073】
【発明の効果】
本発明の気相成長方法によれば、基板上に膜の生成を行う前の工程において、予め反応管の内壁及び温度計の保護管の表面に、反応管の材料と異なる材料の膜を所定の厚さに堆積させておくこととしたため、その後の膜生成工程において、反応管の内壁及び温度計の保護管の表面に被着堆積する生成膜の厚さに影響されることなく、反応管内の温度、膜の生成を行う基板の温度を安定して制御することができ、成膜時の温度に依存する膜特性を精密に制御することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の気相成長装置の概略構成図を示す。
【図2】本発明の気相成長装置の一部を構成する反応炉本体の概略図を示す。
【図3】堆積膜の厚さと、単位面積あたりの光の吸収量の関係を示すシミュレーション結果を表す。
【図4】堆積膜の厚さと、単位面積あたりの光の吸収量の関係を示すシミュレーション結果を表す。
【図5】反応管内壁面に、ポリシリコン膜を堆積させたときの、波長と、光の実効吸収率との関係を示す。
【図6】反応管内壁面に、ポリシリコン膜を堆積させたときの、波長と、光の実効吸収率との関係を示す。
【図7】反応管内壁面に、Si34膜を堆積させたときの、波長と、光の実効吸収率との関係を示す。
【図8】反応管内壁面に、Si34膜を堆積させたときの、波長と、光の実効吸収率との関係を示す。
【図9】従来の気相成長装置を構成する反応炉本体の一例の概略断面図を示す。
【図10】従来の気相成長装置を構成する反応炉本体の一例の概略断面図を示す。
【図11】従来の反応炉本体の要部の一例の概略断面図を示す。
【図12】従来の気相成長装置を構成する反応炉本体の一例の概略断面図を示す。
【図13】従来の反応炉本体の要部の一例の概略断面図を示す。
【符号の説明】
1,101 反応管、10,100 反応炉本体、2,102 加熱手段、3,103 基板、4,104 ガス供給ノズル、70,105,108 堆積膜、106 温度計、107 保護管、5,110 ボート、6,111 ボート昇降機構、1000 気相成長装置

Claims (2)

  1. 外部に加熱手段を有する石英ガラスからなる反応管の内壁及び前記反応管内に装備された温度計を内包する石英ガラスよりなる保護管の表面に、予め厚さ1μm以上のポリシリコン又はSiの膜を形成する工程と、
    次いで、前記加熱手段を制御するための反応管内の温度を前記温度計で測定する工程と、
    その後、前記反応管内に基板を挿入し、前記温度計の測定値を基準として前記加熱手段の制御を行いながら、前記基板上に半導体薄膜を気相成長させる工程とを有する
    ことを特徴とする気相成長方法。
  2. 分子流量域の圧力となる原料ガスが供給されて行われる
    ことを特徴とする請求項1に記載の気相成長方法。
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