JP4450878B2 - トリミング方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートを樹脂成形物からなる基材に貼り合わせ一体化した成形品とする際に、基材の周囲にはみ出したり、基材内部の中空窓部分に残ったりした、余剰シートを容易に正確にトリミングできる中間成形品を利用して余剰シートの正確なトリミングがされた最終成形品を得る為のトリミング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、射出成形同時絵付方法によって、樹脂成形物からなる基材の表面に、装飾等が施されたシートを積層して一体化した成形品が、自動車内装部品等の各種用途で使用されている。この射出成形同時絵付方法によって、シートを基材に積層する方法としては、例えば、特公昭50−19132号公報、特公昭43−27488号公報等に記載されるように、シートを射出成形の雌雄両型間に配置した後、溶融樹脂を型内に射出充填し、樹脂成型物からなる基材の成形と同時にその表面にシートを接着積層する方法である。
【0003】
ところで、通常、シートは基材よりも大きいシートを使用して、基材からはみ出た余剰シートはトリミングして最終成形品としている。そこで、射出成形同時絵付方法でも、射出成形後に別工程でトリミングする必要が無い方法として、図5に示す如く(特開昭60−212314号公報等参照)、雌雄両型(型Ma及び型Mb)の噛合部をトリミング用刃部43として、吸引孔41による真空成形でシートSを真空成形した後、両型を型締めする際にシートSを剪断する方法等が行われている。しかし、このトリミング方法は、後工程が不要の利点はあるものの、雌雄両型の噛み合わせが正確に行われないと、トリミング用刃部を傷める為に、金型精度及びその維持が必要であった。
【0004】
この点で、余剰シートを付けたままの中間成形品を後工程でトリミングする事にはなるが、(A) カッタ等で手作業で行う方法や、(B) NC(数値制御)ルータで行う方法、(C) 或いは打ち抜きプレスの様に押し切る治具による方法も行われていた。しかし、(A) では、複雑な形状のものをトリミングするには時間がかかり、トリミングコストが高かった。また、(B) では、物品毎にトリミングすべき形状を装置にティーチングする事が必要な為に初期設定が煩雑で、しかも装置も高価であった。また、(C) では、物品毎にプレス型を作る事が必要であった。
更に(B) や(C) では、(A) に比べ自動化できる点で優れているが、中間成形品の形状が異なる毎に、ティーチングやプレス型の変更が必要である。また、この様に中間成形品形状毎に対応させる場合、より正確にトリミングするには、中間成形品は成形直後では熱を持ち、完全冷却後とは熱収縮によりサイズが微妙に異なるので、成形後の経過時間に応じた熱収縮度合いを考慮してトリミングする必要がある。しかし、中間成形品のサイズ(トリミング位置及びその形状)は、サイクルタイム短縮、シートや成形樹脂の仕様変更による型温変更、周囲作業環境温度変化等で、熱収縮度合いが変化して微妙にずれる為、正確にはトリミングできない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者は、本特許出願時は未だ未公開であるが特願平9−97923号として、図6の概念図で示す如く、中間成形品Wにて、基材Bと該基材Bに積層された積層シート2とからなる成形品本体4に対して、余剰シート1と成形品本体4とを相対的に振動させて、余剰シート1と積層シート2との連結部3に発生する応力集中による疲労破壊を利用して、余剰シートを連結部3で切断してトリミングする方法を提案した。この方法によれば、図6の如く、余剰シート1は連結部3から離れた部分を支持具11で支持して振動させる為に、中間成形品形状の制約を受けない。従って、中間成形品形状毎に余剰シートをトリミングすべき形状が異なっても、毎回正確に且つ容易にトリミングできる方法となる。
【0006】
しかし、この振動によるトリミングでも、具合が悪い事があった。例えば図7(A)の平面図で示す様な最終成形品Pに対して、同図A−A線で切断した時の断面図で示すその中間成形品Waが、図7(B)の如く余剰シート1が、基材B上の積層シート2を真っ直ぐに伸ばした延長線上に伸びている場合である。この様な場合、これら両シートの連結部3での応力集中の度合いが低く、切断までに時間を要す等とトリミングしにくかった。すなわち、この場合は連結部3に於ける余剰シート1と積層シート2との成す角度θが180度となる、余剰シート1と積層シート2とが平行関係にある場合である。
また、図7(C)及び(D)に概念的に示す如く、振動によらずに、連結部3から少し離れた部分で余剰シート1を挟持する支持具11で、余剰シートをその張り出した面に垂直方向(図面では下方)に強制的に変位させることでも、余剰シート1を押し切る様にしてトリミングできるが、この場合、中間成形品に於ける基材Bの末端E1で切断せずに、支持具11の支持端E2で切断する等、最終成形品Pに於いて余剰シートが少し残り正確な位置でトリミングが出来なかった。
【0007】
そこで、本発明の課題は、余剰シートが未だ付いている中間成形品において、その元々の形状が異なったり、或いは熱収縮によりその形状が変化したりして、余剰シートをトリミングすべき形状が異なっても、容易に正確にトリミングできる様にした中間成形品を利用して、余剰シートの正確なトリミングがされた最終成形品が容易に得られるトリミング方法を提供する事である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで上記課題を解決すべく、本発明のトリミング方法では、基材にシートが貼り合わされ、且つ基材に積層されない部分のシートである余剰シートが未だトリミングされておらず、該余剰シートが、基材に積層されている部分のシートである積層シートと、基材の末端で連結している連結部において、余剰シートと積層シートとの成す角度が180度以外の角度である中間成形品を用意して、連結部から離れた余剰シート部分を支持し、振動によって余剰シートに変位を与えることで該連結部に応力を発生させ、余剰シート部分を該連結部でトリミングして最終成形品とする、トリミング方法とした。この様に、余剰シートと積層シートとは連結部で折れた関係としてあるので、余剰シートに変位を与える振動によって連結部での応力集中がより多くなり、中間成形品の基材の末端形状に沿って正確な位置で容易にトリミング出来る事になる。
【0009】
なお、本発明は、振動によって余剰シートに変位を与える際に連結部から2〜50mm離れて挟持して支持する方法とするのが好ましい。
また、本発明は、前記シートが、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレンのいずれかとするのが好ましい。
また、前記中間成形品を射出成形同時絵付方法にて成形して用意するのが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明のトリミング方法を、その中間成形品や該方法で利用する射出成形同時絵付方法について、実施の形態を説明する。
【0011】
〔中間成形品〕
先ず、図1は、本発明の中間成形品Wを概念的に示す概念図である。図1(A)は最終成形品Pの一例として内部に中空の窓部を有する成形品の平面図であり、この様な最終成形品となる中間成形品WをA−A線で切断した時の断面図が図1(B)である。中間成形品Wは、図1(B)の如く、樹脂成形物である基材BにシートSが貼り合わされた成形品であり、且つ基材に積層されない部分のシートである余剰シート1が未だトリミングされていない状態の成形品である。余剰シート1は基材Bに実際に積層された積層シート2と連結部3で連結している。すなわち、余剰シート1は積層シート2が基材Bの末端からはみ出した元は同じシートSからなる部分である。
そして、本発明の中間成形品Wは、図1(B)にて余剰シート1と積層シート2との連結部3の部分拡大図である図1(C)に示す如く、この連結部3に於ける余剰シート1と積層シート2との成す角度θが180度以外の角度となる様にしてある。ちなみに、図1(C)の場合では角度θは約90度である。
【0012】
そして、この様な本発明の中間成形品に対して、その余剰シートをトリミングするには、例えば既に述べた振動を利用したり、或いは押し切る等の方法によれば良い。図1(C)の如く、連結部3から離れた余剰シート1部分を支持具11で表裏から支持して、振動或いは押し切る様にして、余剰シートに変位を与えれば、連結部3は、角度θが180度の場合に比べて応力集中の度合いが大きくなり、図1(D)の如く余剰シート1は連結部3で切断する。支持具11による支持から開放直後の余剰シート1の部分である支持端E2では、余剰シートは折れ曲がっていないので、支持端E2での応力集中の程度はより少なく、支持端E2では切断しない。そして、末端E1で正確に余剰シートがトリミングされ、基材Bの表面に積層シート2が積層し一体化した最終成形品Pが得られる。
【0013】
次に、図2を参照して、本発明の中間成形品に於ける余剰シート1と積層シート2の連結部3での角度関係を更に説明する。連結部での余剰シートと積層シートとが成す角度θが180度以外である点に本発明の特徴があるが、その角度θの取り得る角度を幾つか例示する。
図2(A)は、90°<角度θ<180°の一例であり、図2(B)は、角度θ<90°の一例であり、図2(C)は角度θ=90°の例であり、図2(D)は、角度θ>180°の一例である。これらは、いずれも良好(OK)な結果が得られる場合である。これらに対して図2(E)に、本発明の対象外の角度、つまり角度θ=180°で不良(NG)の場合を例示する。これらからも分かる様に、本発明では余剰シートは積層シートとの連結部で折れ曲がった形状にしてある。折れ曲がり無しが角度θ=180°であり、折れ曲がり具合により角度θは各種値を取り得る。但し、折れ曲がると言っても、角度θが例えば170°等の様に180°に近いと、効果が少ない。効果が大きく、より好ましいのは例えば、図2(C)の如く角度θが90°、或いは90°に近い角度の場合である。
なお、これら角度θを所望の角度とするには、通常は余剰シートを挟み込む雌雄両型のパーティング面の角度や形状を調整した型を用いれば良い。基材末端からの伸びるパーティング面形状が、そのまま余剰シート形状となる。
【0014】
〔射出成形同時絵付方法〕
そして、本発明のトリミング方法に於いては、射出成形同時絵付方法を利用した成形工程にて上記の様な中間成形品を成形して、次いでトリミング工程で、その余剰シートをトリミングすることができる。余剰シートをトリミングする方法としては、振動を利用する方法は好ましい方法である。もちろん、既に述べた連結部から少し離れた部分の余剰シートを支持して押し切る様にする方法でも良い。次に、所謂射出成形同時絵付方法による成形工程の説明の前に、トリミング工程に於けるトリミング方法を説明する。
【0015】
既に図6で概説した振動利用のトリミング方法について更に説明する。この方法は、本発明者が特願平9−97923号にて提案した方法である。すなわち、図6(A)及び(B)は、そのトリミング方法の1態様を示す概念図である。中間成形品Wに於いて、基材Bの表面に積層シート2が積層された部分である成形品本体4の周囲に、積層シートから延長した形で余剰シート1がはみ出している。トリミングで切断すべき切断部分は、基材Bから余剰シート1がはみ出す付け根の部分であり、それは基材の末端部で積層シート2と余剰シート1とが連結している連結部3(E1)である。
そして、同図では、余剰シート1の先端近傍は、シートクランプ等の支持手段11で支持して、余剰シート1と成形品本体4とを相対的に振動させる。図1の態様では振動により、余剰シート1は該余剰シート1と直交する方向に変位し、交互に図6(A)の状態や、図6(B)の状態となる。図6(A)は余剰シート1に対して成形品本体4が、図面下向き矢印方向に動いた状態である。一方、図1(B)は余剰シート1に対して成形品本体4が、図面上向き矢印方向に動いた状態である。振動は、この様に切断部分とする連結部3の部分を、繰り返し折れ曲がる様な方向の振動、即ち横波振動モードが好ましい。その結果、連結部3には、繰り返し応力及び変形が集中的に発生し、疲労破壊により、切断部分で成形品本体4から余剰シート1を破断し、トリミングする事ができる。
【0016】
振動の与え方は、成形品本体は位置固定されていても良く、位置固定されていなくても良い。要は、余剰シートと成形品本体とが相対的に位置変化する振動で有ればよい。従って、図6で言えば、例えば▲1▼成形品本体4は固定で余剰シートの支持手段11は上下振動、▲2▼成形品本体4は上下振動させ、余剰シートの支持手段11は固定、▲3▼成形品本体4と余剰シートの支持手段11の両方は上下方向に逆位相で同時振動等である。
なお、振動モードとしては、図6の如く変位ベクトルが余剰シートと直交する横波振動モードの他に、変位ベクトルが余剰シート方向で成形品本体に向かって接近・離脱する方向を向く縦波振動モード、或いは変位ベクトルが基材/積層シートの積層界面に平行方向を向く捩振動モードでも良い。
振動数は、早い方が余剰シートを切断し易いが特に制限はない。通常は、50回/s〜0.5回/sの範囲で行う。
【0017】
また、余剰シート1を摘んで変位させる位置は、切断部分とする連結部3から2〜50mm程度離して挟持するのが望ましい。距離が近すぎても離れすぎても、振動による応力集中及び変形を切断部分に集中発生させにくい。
成形品本体の周囲に突き出す余剰シートは、その先端部分を長方形で額縁状のクランプ等の支持手段で余剰シートを表裏から囲繞する様に挟持する。最終成形品として中空窓部があり、その中間成形品に於いて該窓部を覆う様に余剰シートが有る場合では、その余剰シートは窓部の中央部分で支持手段で表裏から挟持する。そして、例えば、成形品本体の方を、固定した支持手段に対して振動させれば、トリミングしたい部分に繰り返し応力及び変形が集中発生し、中空窓部も含めてトリミングできる。
【0018】
図3は、上記振動を利用した或るトリミング装置の一例の概念図(断面図)であり、この図を用いて更に説明する。同図の中間成形品Wは、窓付きの成形品である。そして、直方体の箱の上部開口面の全周に、中間成形品Wの成形品本体4から周囲に突き出した余剰シート1の全周囲を載せてクランプで挟んだ様な状態を示す。そして、成形品本体4の周囲に突き出す余剰シート1は、その先端部分を長方形で額縁状のクランプ等の支持手段11で余剰シートを表裏から挟持して位置固定する。また、中空窓部に該当する余剰シート1aは、その余剰シート1aの中央部分で支持手段11aによって表裏から挟持して支持して位置固定する。余剰シートのクランプは磁力なども使える。一方、成形品本体4は表側の積層シート2が傷付かない様に裏側から挟持する。すなわち、スプリングの反発力よって押圧力が作用し、対向して対を成す固定チャック12で、成形品本体裏面凹部の両側面を図面左右方向に押圧して成形品本体を支持する。この固定チャック12と該固定チャック12に連結したアーム13とから成形品本体支持具14が構成される。なお、同図で余剰シート1aの左側の部分の成形品本体4の部分も同様にアーム13の先端に連結した固定チャックで支持されるが、この部分の成形品本体は紙面に対して垂直方向に長く、固定チャックの押圧方向も紙面に対して垂直方向にしてある。成形品本体支持具14のアーム13は、前記した箱の底面の孔を通じて、励振装置15に連結している。励振装置15の振動源としては、ピエゾ(圧電)振動子、電歪振動子、流体圧シリンダー、或いは電動機の回転運動をカムやクランク・ピストン機構等で往復運動に変換等したものを用いることができる。そして、成形品本体支持具14を励振装置15で図面矢印方向に上下に振動させれば、成形品本体4は上下に横波振動モードで振動する。その結果、トリミングしたい部分に繰り返し応力及び変形が集中発生し、中空窓部も含めてトリミングできる。なお、図示は省略するが、励振装置15による励振を図3で左右方向に行えば、成形品本体4の末端の連結部のうち、紙面に平行な連結部部は捩振動で、また紙面に垂直な連結部は縦波振動モードで振動させることが出来る。
【0019】
以上の説明からも分かる様に、振動利用のトリミング方法によれば、たとえ成形品本体が熱収縮してトリミングサイズが変化したとしても(余剰シートの支持手段11は切断部分とする連結部3からある程度離れた位置を挟持することになるので)、何の変更も無く(支持手段の位置変更の必要はない)そのままで対応することができる上、連結部で正確にトリミングできる事になる。
【0020】
そして、射出成形同時絵付方法に於ける成形工程では、以上の様な本発明の中間成形品は、次の様にして成形すれば良い。すなわち、中間成形品の成形は、従来公知の所謂射出成形同時絵付方法によれば良い。但し、この際、余剰シートと積層シートとがその連結部で成す角度は180度以外の角度となる様な、成形品形状、金型パーティング面形状としておく。所謂射出成形同時絵付方法とは、特公昭50−19132号公報、特公昭43−27488号公報等に記載されるように、シートを射出成形の雌雄両型間に配置した後、型を真空成形型として真空成形した後、流動状態の樹脂を型内に射出充填し、樹脂成型物からなる基材の成形と同時に、基材の表面にシートを積層する方法である。なお、シートの絞りが浅い場合は、シートの真空成形は省略しても良く、またシートの予熱を省略する形態も有る。そこで、次に図4の概念図によって、中間成形品の成形工程部分を、その或る一形態で説明しておく。
【0021】
先ず、図4(A)の如く、射出成形型としては、射出ノズルと連通する湯道(ランナー)及び湯口(ゲート)を有する型Maと、型面に吸引孔41を有しシートの予備成形型を兼用する型Mbの一対の成形型を用いる。これらの型は鉄等の金属、或いはセラミックスからなる。型開き状態に於いて両型Ma、Mb間にシートSを供給し、型MbにシートSを枠状のシートクランプ42で押圧する等して固定する。この際、シートSの裏側となる側は、図面右側の射出樹脂側となる様にする事はもちろんである。次いで、適宜、両型間に挿入したヒータでシートSを加熱軟化させる。加熱は例えば非接触の輻射加熱とするが、接触加熱でも良い。そして、吸引孔から吸引して真空成形して、シートSを型Mbのキャビティ面に沿わせ予備成形する。なお、真空成形は圧空も併用する真空圧空成形でも良く、これも包含する。次いで、ヒータを両型間から退避させ、図4(B)の如く両型を型締めし、両型で形成さるキャビティに加熱熔融状態等の流動状態の樹脂を充填する。そして、樹脂が冷却等によって固化後、型開きして、中間成形品を取り出すというものである。
【0022】
〔使用するシート〕
余剰シート及び積層シートとして使用されるシートとしては、基材の表面保護用のシート単層のみ、或いはシートに装飾処理が施された装飾シートを挙げることができる。シートとしては、代表的には樹脂シートが挙げられる。樹脂シートの樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリビニルブチラール等のビニル重合体、ポリスチレン、アクリル−スチレン共重合体、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂等のスチレン系樹脂、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリロニトリル等のアクリル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、酢酸セルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、エチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、ポリアリレート等のポリエステル系樹脂、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム等のゴム系樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル等のフッ素樹脂、ウレタン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー、ポリカーボネート等である。基材シートはこれら樹脂の単層体又は複層からなる成形品本体である。
これら樹脂のなかでも、特に振動利用のトリミングによる場合は、ゴム系樹脂や熱可塑性エラストマーはその物性上、切断しにくい。また、PMMA等のアクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン等はその物性上、切断し易い。
なお、シートとしては、樹脂シートの他に、紙、織布、不織布、金属シート等でも良く、これらと樹脂シートの成形品本体でも良い。
【0023】
そして、シートは、通常は上記シートに従来公知の装飾処理等が適宜施されたものであるが、上記シート単体のこともある。
次に、樹脂からなる上記シートに施される装飾処理としては、▲1▼着色剤の練込みによるシート自身の着色、▲2▼或いは絵柄や金属薄膜層からなる装飾層の形成、▲3▼凹凸模様形成等がある。
【0024】
▲1▼着色剤の練込みによるシート自身の着色では、シートを着色透明又は着色不透明、或いは無色不透明又は着色不透明等とする装飾処理が施される。着色剤としては、チタン白、カーボンブラック、群青、弁柄、黄鉛等の無機顔料、キナクリドン、イソインドリノン、フタロシアニンブルー、アニリンブラック等の有機顔料乃至は染料等が用いられる。
【0025】
▲2▼装飾層の形成では、通常は、バインダーに着色剤等を添加した印刷インキを用いて、グラビア印刷等の公知の印刷法で装飾層を形成する。なお、装飾層が全面ベタ柄の場合には、塗液を用いたロールコート等の公知の塗工法でも良い。印刷インキ(或いは塗料)のバインダーの樹脂としては、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、塩素化ポリオレフィン等を単体、或いは2種以上混合使用する。着色剤は前記シート自体の着色で列記の着色剤等を用いる。装飾層の絵柄は、木目、石目、布目、砂目、幾何学模様、文字、全面ベタ等である。
なお、装飾層が金属薄膜層の場合は、アルミニウム、クロム等の真空蒸着法、スパッタリング法等で形成する。金属薄膜層は全面又は部分的(絵柄状等)な層とする。
【0026】
▲3▼凹凸模様形成は、ヘアライン加工、サンドブラスト加工、エンボス加工等により、樹脂製のシート等の表面に凹凸模様を形成する。凹凸模様は、ヘアライン、砂目、梨地、木目導管溝等である。
【0027】
また、シートの裏面には、基材との接着性向上のため、コロナ放電処理、公知の各種プライマー塗工等の易接着処理、接着剤層が適宜施されたものが使用される。
接着剤層には、熱可塑性樹脂、或いは熱硬化性樹脂等が用いられる。例えば、熱可塑性樹脂では、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン樹脂又はスチレン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル等のアクリル樹脂、塩素化ポリプロピレン等のオレフィン塩素化ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール等のビニル重合体、ポリイソプレンゴム、ポリイソブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンアクリロニトリルゴム等のゴム系樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂等の1種又は2種以上の混合物が用いられる。
【0028】
〔基材〕
基材となる射出樹脂は特に制限は無く、射出成形同時加飾方法に於ける従来公知のものが使用できる。例えば、熱可塑性樹脂であれば、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、或いはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂等である。また、硬化性樹脂であれば、2液硬化型の樹脂、例えば、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の未硬化樹脂液等の射出成形同時加飾用として従来より知られている材料を使用できる。熱可塑性樹脂は加熱熔融して流動状態で射出し、また硬化性樹脂は室温又は適宜加熱して流動状態で射出する。
【0029】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳述する。
【0030】
〔実施例〕
シートとしては、PMMA系の厚さ125μmのアクリル樹脂シートの裏側となる面に、絵柄を表す装飾層と、接着剤層とをグラビア印刷で形成した装飾シートを用意した。そして、射出成形型としては、中間成形品に於いて余剰シートと積層シートとがその連結部で成す角度が略90度となる様に、最終成形品では積層シートが基材の全周囲の側面にまで若干回り込む様な形状の型を用意した。この最終成形品は、自動車内装用のパネルで、幅180mm、天地250mmの略長方形の略箱型形状である。また、余剰シートは、雌雄両型の平面のパーティング面で、連結部から直線状に基材末端の外周囲に伸びた形状とした。
【0031】
そして、上記シートを用いた通常の射出成形同時絵付方法によって、中間成形品を作製した。その方法は、図4で示した如く、シートSを雌雄両型間に挿入し、型間に進入させた熱盤でシートを加熱軟化して真空成形型(雌型)で真空成形により予備成形して、次い熱盤を型外部に退避させて両型を型締めして、キャビティ内に加熱で熔融し流動状態となった樹脂を射出充填し、成形と同時に樹脂成形物からなる基材の表面にシートを積層して、中間成形品とした。なお、射出樹脂はAS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体)を用い、キャビティへの樹脂注入は、コールドスラッグの防止の為、サブマリンゲートによった。
【0032】
そして、トリミング装置で余剰シートをトリミングした。トリミングは、張り出した余剰シートを、基材の末端から少し離れた位置(約10mm)で表裏から挟んだ上で、基材と余剰シートとをシート面に垂直方向にずらして、図1(D)の様に押し切る方法によった。
その結果、図1(D)の如く、基材Bの末端E1である積層シートと余剰シートとの連結部で、余剰シート1を切断でき、望み通りの場所で正確にトリミングできた。
【0033】
〔比較例〕
実施例に対して、射出成形型を、中間成形品に於いて余剰シートと積層シートとがその連結部の成す角度が略180度となる様な、基材表面上の積層シートが基材の全周囲で側面に回り込まない最終成形品が得られる型に変更した〔図7(C)参照〕。この他は、実施例同様に中間成形品を成形し、実施例同様にトリミングした。
その結果、図7(D)の如く、基材Bの末端である積層シートと余剰シートとの連結部では、余剰シート1を切断できず、支持具11の支持端E2で切断され、望み通りの場所で正確にトリミングできなかった。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、中間成形品(最終成形品)の元々の形状が異なったり、或いは熱収縮によって中間成形品の形状が変化したりして、余剰シートをトリミングすべき形状が異なっても、トリミング装置側ではトリミング形状に正確に一致させる対応無しに、余剰シートの根元(製品末端)の正確な位置で容易にトリミングできる。
また、余剰シートが正確な位置でトリミングされた最終成形品が容易に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中間成形品における余剰シートの状態とトリミングによる切断部分を説明する概念図。
【図2】中間成形品に於ける余剰シートと積層シートの連結部での角度を例示する断面図。
【図3】本発明のトリミング方法に於けるトリミング工程として、振動利用のトリミング方法及とその装置を或る一例で説明する概念図。
【図4】本発明の射出成形同時絵付方法に於ける中間成形品の成形工程をその一形態で説明する概念図。
【図5】従来の射出成形同時絵付方法に於いて、型に設けた刃部で余剰シートを剪断してトリミングする一例を示す概念図。
【図6】振動利用のトリミング方法を或る一例で説明する概念図。
【図7】従来の中間成形品における余剰シートの状態を説明する概念図。
【符号の説明】
1 余剰シート
2 積層シート
3 連結部
4 成形品本体
11 支持具(支持手段)
12 固定チャック
13 アーム
14 中間成形品支持具
15 励振装置
41 吸引孔
42 シートクランプ
43 トリミング用刃部
B 基材
E1 基材の末端
E2 支持端
Ma 射出成形型(雄型)
Mb 射出成形型(雌型)
P 最終成形品
W、Wa 中間成形品
θ 余剰シートと積層シートとがそれら連結部で成す角度

Claims (4)

  1. 基材にシートが貼り合わされ、且つ基材に積層されない部分のシートである余剰シートが未だトリミングされておらず、該余剰シートが、基材に積層されている部分のシートである積層シートと、基材の末端で連結している連結部において、余剰シートと積層シートとの成す角度が180度以外の角度である中間成形品を用意して、連結部から離れた余剰シート部分を支持し、振動によって余剰シートに変位を与えることで該連結部に応力を発生させ、余剰シート部分を該連結部でトリミングして最終成形品とする、トリミング方法。
  2. 振動によって余剰シートに変位を与える際に連結部から2〜50mm離れて挟持して支持する請求項1に記載のトリミング方法。
  3. 前記シートが、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレンのいずれかである請求項1〜2のいずれかに記載のトリミング方法。
  4. 前記中間成形品を射出成形同時絵付方法にて成形して用意する、請求項1〜3のいずれかに記載のトリミング方法。
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