JP4448136B2 - ケトンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シクロドデカトリエンが一酸化二窒素との反応によりシクロドデカジエノンへ酸化されることによるケトンの製造方法に関する。好ましい一実施態様によれば、別の工程においてシクロドデカジエノンはシクロドデカノンへ水素化される。
シクロドデカノンは、例えばラウリンラクタム、ドデカンジカルボン酸及びこれから誘導されるポリアミド、例えばナイロン12又はナイロン6.12を製造するための重要な中間生成物である。
シクロドデカノンは通常の工業的方法に従って、ホウ酸の存在でのシクロドデカンのホウ酸シクロドデシルへの空気酸化、該ホウ酸塩のシクロドデカノールへの加水分解、引き続き該シクロドデカノールの脱水素により製造される。シクロドデカン自体はさらにシクロドデカトリエン(CDT)の完全水素化により取得される。シクロドデカノンのこの工業的合成法はとりわけT. Schiffer, G. Oenbrink, "Cyclododecanol, Cyclododecanon and Laurolactam" in Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 第6版, 2000, Electronic Release, Wiley VCHに記載されている。
それにもかかわらず、挙げられた工業的方法は多数の欠点を有する。
一方では、酸素でのシクロドデカンの酸化は、僅かな転化率の場合にのみ受け入れることができる選択率を保証するに過ぎない。生じたシクロドデカノールをホウ酸エステルの形でさらなる酸化から保護するホウ酸の添加下にも、シクロドデカン転化率は30%を上回ってはいけない。酸化後に、該ホウ酸エステルは別個の工程において加水分解されなければならず、かつ該ホウ酸並びに未反応のシクロドデカンは、酸化へ返送されなければならない。その際に、廃棄するのが難しいホウ素含有の廃棄物も生じる。その際に主生成物としてシクロドデカノール及びシクロドデカノンが10:1の比で形成される。
他方では、シクロドデカノール及びシクロドデカノンからなる形成された混合物は蒸留により分離されなければならず、かつ該シクロドデカノールは脱水素によりシクロドデカノンへ変換されなければならない。この脱水素は吸熱であり、かつ同様に部分転化するに過ぎない。未反応のシクロドデカノールはついで、再び蒸留により分離されなければならず、かつ該方法へ返送されなければならない。
完全ではない転化の結果として、常法は複数の大きな返送流及び多数の技術的に費用のかかる蒸留による分離を含んでいる。
故に、本発明の基礎となる課題の1つは、技術水準から公知の方法の欠点を有しない、シクロドデカノンの新規製造方法を提供することでもあった。
この課題は、本発明によれば、シクロドデカノンがシクロドデカジエノンの水素化により製造されることによるシクロドデカノンの製造方法により解決された。
本発明によるこの解決手段の範囲内で、水素化の出発物質として使用されるシクロドデカジエノンが如何にして、できるだけ単純かつ有効に製造されることができるかという問題が課された。
この問題は、本発明によれば、シクロドデカトリエンが一酸化二窒素との一段階の反応によりシクロドデカジエノンへ酸化されることによる方法により解決された。
一酸化二窒素を用いるオレフィン系化合物のアルデヒド又はケトンへの酸化は、例えばGB 649,680又はそれに対応するUS 2,636,898に記載されている。しかしながら、環状のオレフィン系化合物として、そこには単にシクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン及びシクロオクタテトラエンが記載されるに過ぎない。8個を上回る炭素原子を有する環状化合物又はC−C−二重結合3個を有する環状化合物はそこに記載されていない。
G. L. Panov他, "Non-Catalytic Liquid Phase Oxidation of Alkenes with Nitrous Oxide. 1. Oxidation of Cyclohexene to Cyclohexanone", React. Kinet. Catal. Lett. Vol. 76, No. 2 (2002) 401-405頁, 及びK. A. Dubkov他, "Non-Catalytic Liquid Phase Oxidation of Alkenes with Nitrous Oxide. 2. Oxidation of Cyclopentene to Cyclopentanone", React. Kinet. Catal. Lett. Vol. 77, No. 1 (2002) 197-205頁のより新しい学術論文には、同様に一酸化二窒素でのオレフィン系化合物の酸化が記載されている。しかしながら、これに関する開示は専らシクロペンテン及びシクロヘキセンに限定されている。
また、学術論文"Liquid Phase Oxidation of Alkenes with Nitrous Oxide to Carbonyl Compounds"、E. V. Starokon他、Adv. Synth. Catal. 2004, 346, 268 - 274は、液相中での一酸化二窒素でのアルケンの酸化の機械論的な研究を含んでいる。
1,5,9−シクロドデカトリエンからのシクロドデカ−4,8−ジエノンの製造はこれまで、第一工程において1,5,9−シクロドデカトリエンが1,2−エポキシシクロドデカ−5,9−ジエンへエポキシ化され、かつ第二工程において該エポキシドがシクロドデカ−4,8−ジエノンへ接触転位されることによる二段階合成を経てのみ可能であるに過ぎなかった。この方法は、例えばUS 3,063,986に記載されている。この従来の方法は、2つの決定的な欠点を有する:一方では、選択的モノ−エポキシ化を達成することが難しい。他方では、該方法は必然的に二段階(Zweistufigkeit)を有する。
それに反して、前記の、本発明による方法の範囲内で好ましい実施態様は、1,5,9−シクロドデカトリエンから出発して、単一の工程において高い選択率でシクロドデカ−4,8−ジエノンを獲得する可能性を提供する。
それゆえ、本発明によるシクロドデカノンの全製造方法は、2つの工程を含んでおり、その際に第一工程においてシクロドデカトリエンは一酸化二窒素と反応してシクロドデカジエノンが得られ、かつ第二工程においてシクロドデカジエノンは水素化されてシクロドデカノンが得られる。
必然的に4つの工程:
・シクロドデカトリエンをシクロドデカンに完全水素化する工程;
・ホウ酸の存在でシクロドデカンをホウ酸シクロドデシルに空気酸化する工程;
・該ホウ酸塩をシクロドデカノールに加水分解する工程;
・該シクロドデカノールを脱水素してシクロドデカノンを得る工程
を含む前記の通常の方法に比較して、本発明によるシクロドデカノンの製造方法は、それゆえとりわけ、同じ出発物質であるシクロドデカトリエンから出発して、生成物であるシクロドデカノンが、2つの反応段階を削減して製造されることができ、かつ反応段階の数がそれ故に半分になる点で優れている。
それゆえ、本発明は、次の工程(I)及び(II):
(I)シクロドデカトリエンを一酸化二窒素と反応させてシクロドデカジエノンを得る工程;
(II)(I)により得られたシクロドデカジエノンを水素化してシクロドデカノンを得る工程
を含むシクロドデカノンの製造方法に関する。
同じように本発明は、シクロドデカトリエンを一酸化二窒素と反応させてシクロドデカジエノンを得ることによるケトンの製造方法に関する。
反応に使用される一酸化二窒素は原則的に、純粋な形で又は一酸化二窒素を含有している適したガス混合物の形で使用されることができる。その際にさらに一酸化二窒素は原則的にそれぞれ任意の源に由来していてよい。
本発明の範囲内で使用されるような、“ガス混合物”という概念は、周囲圧力及び周囲温度で気体状態で存在する2つ又はそれ以上の化合物からなる混合物を呼ぶ。変更された温度又は変更された圧力でガス混合物はまた、他の集合状態、例えば液体で又は超臨界で、好ましくは液体で存在していてもよく、かつ本発明の範囲内でさらにガス混合物と呼ばれる。
ガス混合物が使用される場合には、その一酸化二窒素含量は、本発明による反応が可能であることが保証されている限り本質的には任意である。
本発明による方法の好ましい一実施態様によれば、一酸化二窒素少なくとも10体積%を含有しているガス混合物が使用され、その際にそしてまた20〜99.9体積%の範囲内、さらに好ましくは40〜99.5体積%の範囲内、さらに好ましくは60〜99.5体積%の範囲内及び特に好ましくは80〜99.5体積%の範囲内の一酸化二窒素−含量を有する混合物が好ましくは使用される。
本発明の範囲内で、ガス混合物の組成は体積%で記載される。その際に該記載は周囲圧力及び周囲温度でのガス混合物の組成に基づいている。
それゆえ、本発明はまた、シクロドデカトリエンを、ガス混合物の全質量に対して一酸化二窒素20〜99.9質量%を含有するガス混合物と反応させることにより特徴付けられている前記のような方法にも関する。
本発明の範囲内で使用されるような、“ガス混合物”という概念はさらに、一酸化二窒素に加えてさらに少なくとも1つの別の成分、好ましくは別のガスを含有する混合物を呼ぶ。その際に、該成分は、選択された条件下で例えば液体で存在するガスであってもよい。この際に、シクロドデカトリエンと一酸化二窒素との反応が可能であることが保証されている限り、本質的には全てのガスが考えられる。特に、その結果、一酸化二窒素に加えて少なくとも1つの不活性ガスを含有するガス混合物が好ましい。本発明の範囲内で使用されるような、“不活性ガス”という概念は、一酸化二窒素とシクロドデカトリエンとの反応に関して不活性に振る舞うガスを呼ぶ。不活性ガスとして、例えば窒素、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、水、アルゴン、メタン、エタン及びプロパンを挙げることができる。
同じように、ガス混合物中に、NOとシクロドデカトリエンとの反応の際に不活性成分として、好ましくは不活性ガスとして振る舞わない成分、好ましくはガスも含まれていてよい。そのようなガスとして、とりわけNO又は例えば酸素を挙げることができる。本発明の範囲内で使用されるような、“NO”という概念は、一酸化二窒素以外の全ての化合物Nを呼び、その際にaは1又は2であり、かつbは1〜6の数である。“NO”という概念の代わりに、本発明の範囲内で“窒素酸化物”という概念も使用される。そのような場合に、これらのガス含量がガス混合物の全体積に対して0〜0.5体積%の範囲内であるようなガス混合物を使用することが好ましい。
それゆえ、本発明はまた、ガス混合物が、その都度ガス混合物の全体積に対して、酸素0〜0.5体積%又は窒素酸化物0〜0.5体積%あるいは酸素0〜0.5体積%及び窒素酸化物0〜0.5体積%を含有することにより特徴付けられている前記のような方法を記載する。例えば0.5体積%の値は、この際に一酸化二窒素以外の全ての可能な窒素酸化物の全含量0.5体積%を呼ぶ。
原則的に、該混合物の組成は本発明の範囲内で当業者に公知のそれぞれの方法で測定されることができる。ガス混合物の組成は本発明の範囲内で好ましくはガスクロマトグラフィーにより測定される。しかしこの組成は、UV−分光学、IR−分光学を用いて又は湿式化学的に測定されることもできる。
本発明によれば、一酸化二窒素又は一酸化二窒素を含有するガス混合物は、それぞれの形で、特に気体状又はまた液体の形で使用されることができる。その際に、一酸化二窒素又は一酸化二窒素を含有するガス混合物は、当業者に公知の全ての方法を用いて、好ましくは圧力及び温度の適した選択により、液化されることができる。
本発明によれば、一酸化二窒素又は一酸化二窒素を含有するガス混合物が、まず最初に適している溶剤中に吸収され、こうして反応に添加されることも可能である。
本発明の好ましい一実施態様によれば、一酸化二窒素源は、一酸化二窒素を含有している、化学プロセスの少なくとも1つの廃ガスである。本発明の範囲内で、一酸化窒素を含有している、単一のプラントの少なくとも2つの廃ガスが一酸化二窒素源として利用されることによる実施態様も含まれている。同じように、一酸化二窒素を含有している、1つのプラントの少なくとも1つの廃ガス及び一酸化二窒素を含有している、少なくとも1つの別のプラントの少なくとも1つの別の廃ガスが一酸化二窒素源として利用されることによる実施態様が含まれている。
それゆえ、本発明はまた、一酸化二窒素源として一酸化二窒素を含有している、少なくとも1つの工業的方法の少なくとも1つの廃ガスが利用されることにより特徴付けられている前記のような方法にも関する。
同じように、本発明による方法の範囲内で、一酸化二窒素は該方法における使用のために意図的に製造されることができる。その際に、例えばUS 3,656,899に記載されているような、とりわけNHNOの熱分解を経る製造が好ましく、該明細書のこれに関する内容は本出願の関係において関連づけにより全面的に採用される。同様に、例えばUS 5,849,257又はWO 98/25698に記載されているような、アンモニアの接触酸化を経る製造がさらに好ましく、該明細書のこれに関する内容は本出願の関係において関連づけにより全面的に採用される。
“一酸化二窒素源”という概念は本発明の範囲内で、前記の廃ガスが変性されない形で本発明によるシクロドデカトリエンの転化において使用される実施態様並びに前記の廃ガスの少なくとも1つが変性にかけられる実施態様を呼ぶ。
これに関連して本発明の範囲内で使用されるような、“変性(Modifikation)”という概念は、廃ガスの化学組成が変更される各々適している方法を呼ぶ。それゆえ、“変性”という概念はとりわけ、一酸化二窒素を含有している廃ガスが該一酸化二窒素含量に関して少なくとも1つの適している方法により濃縮される実施態様を含む。そのような方法は例えばDE-OS 27 32 267、EP 1 076 217 A2又はWO 00/73202 A1に記載されており、該明細書のこれに関する内容は本出願の関係において関連づけにより全面的に取り入れられる。
本発明の範囲内で該ガス混合物はその際に、ガス混合物中の不活性な化合物及び妨害する化合物の濃度を減少させるために、変性にかけられることもできる。
この変性は、本発明によれば、不活性な化合物をガス混合物から除去するために、例えば適している溶剤中へのガス混合物の吸収及び引き続き脱着を含んでいてよい。吸収に適している溶剤は例えば、DT 20 40 219に記載されているような、水である。
本発明によれば、ガス混合物の変性はまた、別の精製工程、例えばガス混合物からNOを分離するための工程を含んでいてよい。そのようなNOの分離方法は原則的に技術水準から公知である。本発明によれば、当業者に公知の全てのNOの分離方法が使用されることができる。
本発明によればその際に、不活性な化合物を除去するために、廃ガスが適した溶剤中への吸収及び引き続き脱着を含んでいる処理にかけられることが好ましい。適した溶剤は例えば、DT 20 40 219に記載されているような、水である。
本発明による方法の例えば好ましい実施態様によれば、濃縮のために、一酸化二窒素を含有している前記の廃ガスを少なくとも1つの吸着塔に供給し、かつ該一酸化二窒素を少なくとも1つの有機溶剤中に溶解させることが可能である。溶剤としてこのためには、例えばシクロドデカトリエンが適している。本発明によるこの変法は、シクロドデカトリエン中の一酸化二窒素の生じる溶液が、別の後処理をせずに本発明による転化に供給されることができるという利点を提供する。シクロドデカトリエン中の一酸化二窒素のこの溶液は、飽和までの考えられる全ての濃度で一酸化二窒素を含有していてよい。他の実施態様によれば、少なくとも1つの別の溶剤又はシクロドデカトリエン及び少なくとも1つの別の溶剤からなる混合物が吸着のために使用されることができる。そのような別の溶剤は、例えば適している通常の全ての有機溶剤である。好ましい溶剤はとりわけN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、プロピレンカーボネート、スルホラン又はN,N−ジメチルアセトアミドである。少なくとも1つの別の溶剤又はシクロドデカトリエン及び少なくとも1つの別の溶剤からなる混合物が使用される場合には、さらに好ましい実施態様によれば、一酸化二窒素の豊富化された溶液から、少なくとも1つの適している脱着工程において、該一酸化二窒素は少なくとも部分的に、好ましくは本質的には完全に取得され、かつ本発明による転化に供給される。
別の実施態様によれば、廃ガスの化学組成は該廃ガスへの純粋な一酸化二窒素の添加によっても変更されることができる。
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、一酸化二窒素を含有している少なくとも1つの廃ガスはアジピン酸プラント、ドデカン二酸プラント、ヒドロキシルアミンプラント及び/又は硝酸プラントに由来し、その際に後者の硝酸プラントはそしてまた好ましくはアジピン酸プラント、ドデカン二酸プラント又はヒドロキシルアミンプラントの少なくとも1つの廃ガスを用いて運転される。
好ましい一実施態様によれば、アジピン酸プラントの廃ガス流が使用され、該プラントの場合に硝酸でのシクロヘキサノール/シクロヘキサノン−混合物の酸化により形成されるアジピン酸1mol当たり一般的にNO 0.8〜1.0molが形成される。例えばA. K. Uriarte他, Stud. Surf. Sci. Catal. 130 (2000) 743-748頁に記載されているように、アジピン酸プラントの廃ガスは、多様な濃度でさらに別の成分、例えばとりわけ窒素、酸素、二酸化炭素、一酸化炭素、窒素酸化物、水及び揮発性有機化合物を含有する。
前記のドデカン二酸プラントは、本質的には同一のプラントタイプである。
アジピン酸プラント又はドデカン二酸プラントの廃ガスの例えば典型的な組成は、次の表中に再現されている:
Figure 0004448136
アジピン酸プラント又はドデカン二酸プラントの廃ガス流は、本発明による方法において直接使用されることができる。好ましくはアジピン酸プラント又はドデカン二酸プラントの廃ガス流は、シクロドデカトリエンの転化に使用する前に精製される。その際に、例えば有利には、廃ガス流の酸素及び/又は窒素酸化物含量は、その都度0〜0.5体積%の範囲内の含量に調節される。上記で引用されたA. K. Uriarte他の刊行物には、そのような廃ガス流が如何にして接触ベンゼンヒドロキシル化の際に使用するために精製されることができるかという多様な可能性が開示されている。吸収法、例えば圧力スイング吸収(Druckwechselabsorption)、膜−分離法、低温蒸留又は、酸素の接触除去に続くアンモニアでの選択的接触還元からなる組合せが記載されている。これらの精製法の全てが、一酸化二窒素を含有している、工業プラント、例えばアジピン酸プラント又はドデカン二酸プラント又は硝酸プラントの廃ガス流を精製するために使用可能でもある。アジピン酸プラント又はドデカン二酸プラント又は硝酸プラントの廃ガス流の蒸留による精製、ひいては蒸留による濃縮が極めて特に好ましい。
特に好ましくは、本発明の範囲内でアジピン酸プラント又はドデカン二酸プラントの廃ガス流は、この廃ガス流が酸素及び/又は窒素酸化物をその都度0.5体積%を上回り含有する場合に精製される。
それゆえ、本発明はまた、シクロドデカトリエンの転化のために、アジピン酸プラント又はドデカン二酸プラントの廃ガス流が使用されることにより特徴付けられている前記のような方法を記載する。
それゆえ、さらに本発明は、場合により好ましくは蒸留により精製された、アジピン酸プラント又はドデカン二酸プラントの廃ガス流が、その都度0〜0.5体積%の範囲内の酸素及び/又は窒素酸化物を含有することにより特徴付けられている前記のような方法を記載する。
同様に好ましい実施態様によれば、完全にか又は部分的に、一酸化二窒素及び窒素酸化物を含有している、他の方法からの廃ガスと共に供給される硝酸プラントの廃ガス流が使用される。そのような硝酸プラント中で窒素酸化物は吸着され、かつ大部分が硝酸に変換されるのに対して、一酸化二窒素は変換されない。例えば、そのような硝酸プラントに、アンモニアの意図的な燃焼により製造される窒素酸化物を介して、及びアジピン酸プラントの廃ガスを介して及び/又はドデカン二酸プラントの廃ガスを介して供給されることができる。同じように、そのような硝酸プラントに単独でアジピン酸プラントの廃ガスを介して及び/又はドデカン二酸プラントの廃ガスを介して供給することが可能である。
そのような硝酸プラントの廃ガスは、原則的に異なる濃度でさらに別の成分、例えばとりわけ窒素、酸素、二酸化炭素、一酸化炭素、窒素酸化物、水及び揮発性有機化合物を含有する。
そのような硝酸プラントの廃ガスの例えば典型的な組成は次の表中に再現されている:
Figure 0004448136
硝酸プラントの廃ガス流は、本発明による方法において直接使用されることができる。好ましくは硝酸プラントの廃ガス流は、シクロドデカトリエンの転化に使用する前に精製される。その際に、例えば有利には、廃ガス流の酸素及び/又は窒素酸化物含量は、その都度0〜0.5体積%の範囲内の含量に調節される。これらの値が適合可能である適した方法は前記にアジピン酸プラント及びドデカン二酸プラントの範囲内で記載されている。また、硝酸プラントの廃ガスの範囲内で蒸留による精製、ひいては蒸留による濃縮が極めて特に好ましい。
特に好ましくは、本発明の範囲内で硝酸プラントの廃ガス流は、この廃ガス流が酸素及び/又は窒素酸化物をその都度0.5体積%を上回り含有する場合に精製される。
それゆえ、本発明はまた、シクロドデカトリエンの転化のために、一酸化二窒素を含有している、硝酸プラントの廃ガス流が使用されることにより特徴付けられている前記のような方法を記載する。
それゆえ、さらに本発明は、場合により好ましくは蒸留により精製される、硝酸プラントの廃ガス流が、0〜0.5体積%の範囲内の酸素及び/又は窒素酸化物を含有することにより特徴付けられている前記のような方法を記載する。
本発明による方法の同様に好ましい実施態様によれば、ヒドロキシルアミンプラントの廃ガス流が使用され、該プラントの場合に例えばまず最初にアンモニアが空気又は酸素でNOに酸化され、その際に少量の一酸化二窒素が副生物として形成される。引き続いて該NOは水素でヒドロキシルアミンに水素化される。一酸化二窒素は水素化条件下で不活性であるので、これは水素サイクル中で豊富化される。好ましい処理操作において、ヒドロキシルアミンプラントのパージ流は水素中に9〜13体積%の範囲内の一酸化二窒素を含有する。このパージ流は、それ自体として本発明による転化に使用されることができる。同じように、この流れを一酸化二窒素含量に関して、前記のように、適して濃縮することが可能である。
それゆえ、本発明はまた、一酸化二窒素源が、アジピン酸プラント及び/又はドデカン二酸プラント及び/又はヒドロキシルアミンプラント及び/又はアジピン酸プラント及び/又はドデカン二酸プラント及び/又はヒドロキシルアミンプラントの廃ガスを用いて運転される硝酸プラントの廃ガスであることにより特徴付けられている前記のような方法に関する。
同じように、本発明はまた、少なくとも次の工程(i)及び(ii):
(i)少なくとも1つのアジピン酸プラント及び/又は少なくとも1つのドデカン二酸プラント及び/又は少なくとも1つのヒドロキシルアミンプラント及び/又はアジピン酸プラント及び/又はドデカン二酸プラント及び/又はヒドロキシルアミンプラントの廃ガスを用いて運転される少なくとも1つの硝酸プラントの少なくとも1つの廃ガス流をベースとし、その都度0〜0.5体積%の酸素及び/又は窒素酸化物を含有している、一酸化二窒素を含有するガス混合物を準備する工程;
(ii)シクロドデカトリエンを(i)により準備されたガス混合物と反応させてシクロドデカ−4,8−ジエノンを得る工程
を含む、シクロドデカ−4,8−ジエノンの統合された製造方法を記載する。
同じように、本発明による方法の範囲内で一酸化二窒素は、該方法における使用のために意図的に製造されることができる。その際に、例えばUS 3,656,899に記載されているような、とりわけNHNOの熱分解を経る製造が好ましく、該明細書のこれに関する内容は本出願の関係において関連づけにより全面的に採用される。さらに、例えばUS 5,849,257にか又はWO 98/25698に記載されているような、アンモニアの接触酸化を経る製造が同様に好ましく、該明細書のこれに関する内容は本出願の関係において関連づけにより全面的に採用される。
本発明によるシクロドデカトリエンと一酸化二窒素との反応の範囲内で、少なくとも1つの適している溶剤又は希釈剤が使用されることができる。そのようなものとして、とりわけシクロドデカン又はシクロドデカノン又は飽和の脂肪族又は芳香族の、非置換又はアルキル置換された炭化水素を挙げることができ、その際に本質的には全ての通常の溶剤及び/又は希釈剤が適しているが、但し、これらはC−C−二重結合もC−C−三重結合もアルデヒド基も有していない。
一般的に、本発明による一酸化二窒素との反応の際に、溶剤又は希釈剤の添加は不要である。
一般的に、シクロドデカトリエンの転化の反応条件に関して、転化からシクロドデカ−4,8−ジエノンが得られることが保証されている限り、特別な制限は存在しない。
シクロドデカトリエンと一酸化二窒素との反応の際の温度は、好ましくは140〜350℃の範囲内、さらに好ましくは160〜275℃の範囲内又は200〜310℃の範囲内及び特に好ましくは180〜250℃又は250〜300℃の範囲内である。
本発明による方法の範囲内で、反応を、その都度前記の限度内である2つ又はそれ以上の温度でもしくは2つ又はそれ以上の温度範囲内で実施することが可能である。反応の過程での温度変更は、連続的に又はまた不連続に実施されることができる。
シクロドデカトリエンと一酸化二窒素との反応の際の圧力は好ましくは、選択される1つの反応温度又は選択される複数の反応温度で、出発物質混合物もしくは生成物混合物の固有圧よりも高い。該圧力は、好ましくは1〜1000barの範囲内、さらに好ましくは40〜300barの範囲内及び特に好ましくは50〜200barの範囲内である。
本発明による方法の範囲内で、反応を、その都度前記の限度内である2つ又はそれ以上の圧力でもしくは2つ又はそれ以上の圧力範囲内で実施することが可能である。反応の過程での圧力変更は、連続的に又はまた不連続に実施されることができる。
それゆえ、本発明はまた、(ii)による反応が140〜350℃の範囲内の温度及び1〜1000barの範囲内の圧力で実施されることにより特徴付けられている前記のような方法に関する。
反応に使用可能な反応器に関して特別な制限は存在しない。特に、反応はバッチ運転方式で又は連続運転方式で行われることができる。それゆえ、例えば反応器として、少なくとも1つの内部熱交換器及び/又は少なくとも1つの外部熱交換器を備えた少なくとも1つのCSTR(連続撹拌タンク反応器)、少なくとも1つの管形反応器又は少なくとも1つのループ反応器が使用されることができる。同じように、これらの反応器の少なくとも1つを、これが少なくとも2つの異なる帯域を有するように構成することが可能である。そのような帯域は、例えば反応条件、例えば温度又は圧力の点で及び/又は該帯域のジオメトリー、例えば体積又は断面積の点で異なっていてよい。反応が2つ又はそれ以上の反応器中で実施される場合には、2つ又はそれ以上の同じ反応器タイプ又は少なくとも2つの異なる反応器タイプが使用されることができる。
好ましい一実施態様によれば、本発明による一酸化二窒素との反応は単一の反応器中で実施される。例えば連続運転方式における反応が好ましい。
少なくとも1つの反応器中の反応物の滞留時間は、一般的に20hまでの範囲内、好ましくは0.1〜20時間の範囲内、さらに好ましくは0.2〜15時間の範囲内及び特に好ましくは0.25〜10hの範囲内である。
一酸化二窒素とシクロドデカトリエンとの反応に供給されるフィード中で、一酸化二窒素とシクロドデカトリエンとのモル比は一般的に0.05〜4の範囲内、好ましくは0.06〜1の範囲内、さらに好ましくは0.07〜0.5の範囲内及び特に好ましくは0.1〜0.4の範囲内である。代替的な実施態様によれば、好ましい範囲は0.2〜4、好ましくは0.3〜3の範囲内、さらに好ましくは0.4〜2の範囲内及び特に好ましくは0.4〜1.5の範囲内である。
特に好ましい実施態様によれば、本発明による方法は、シクロドデカジエノンに対する極めて高い選択率でシクロドデカトリエンの転化率が、95%までの範囲内、好ましくは1〜80%の範囲内、さらに好ましくは5〜50%、特に好ましくは8〜25%の範囲内であるように実施される。代替的な実施態様によれば、好ましい範囲は10〜80%であり、さらに好ましくは21〜75%の範囲内及び特に好ましくは20〜50%の範囲内で達成される。その際に、シクロドデカジエノンに対する選択率は、一般的に少なくとも90%、好ましくは少なくとも92.5%及び特に好ましくは少なくとも95%である。
それゆえ、本発明はまた、シクロドデカジエノンに対する少なくとも90%の選択率での一酸化二窒素とシクロドデカトリエンとの反応が、1〜80%の範囲内、好ましくは5〜30%の範囲内のシクロドデカトリエンの転化率を有することにより特徴付けられている前記のような方法に関する。
本発明の範囲内で、原則的に、各々のシクロドデカトリエン又は2つ及びそれ以上の異なるシクロドデカトリエンからなる各々混合物が一酸化二窒素と反応されることができる。とりわけ、この際に、例えば、1,5,9−シクロドデカトリエン類、例えばシス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエン又はシス,シス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエン又はトランス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンを挙げることができる。
本発明による方法の極めて特に好ましい実施態様によれば、シクロドデカトリエンとしてシス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンが使用される。
それゆえ、本発明はまた、シクロドデカトリエンとしてシス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンが使用されることにより特徴付けられている前記のような方法に関する。
故に、特に、本発明はまた、シス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンが一酸化二窒素と反応してシクロドデカ−4,8−ジエノンが得られることにより特徴付けられている前記のような方法を記載する。
一般的に、本発明によるシス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンの一酸化二窒素との反応から、異性体シス,トランス−シクロドデカ−4,8−ジエノン、トランス,シス−シクロドデカ−4,8−ジエノン及びトランス,トランス−シクロドデカ−4,8−ジエノンの少なくとも2つを含有するシクロドデカ−4,8−ジエノン−異性体混合物が生じる。好ましくは、本発明によれば異性体混合物が得られ、該混合物の場合にトランス,シス−異性体及びシス,トランス−異性体がほぼ同じ量で形成され、かつトランス,トランス−異性体が他の2つの異性体と比較して僅かな量でのみ形成される。例えば典型的な異性体混合物はそれゆえ約1:1:0.08のモル比の異性体を有する。
本発明による少なくとも1つのシクロドデカトリエンの転化、好ましくは少なくとも1つの1,5,9−シクロドデカトリエンの転化及び特に好ましくはシス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンの転化は原則的に触媒の存在で行われることができる。本発明による方法の特に好ましい実施態様によれば、一酸化二窒素との反応は触媒を添加せずに実施される。
それゆえ、本発明はまた、シクロドデカトリエンと一酸化二窒素との反応が触媒を添加せずに実施されることにより特徴付けられている前記のような方法を記載する。
一般的に、本発明による一酸化二窒素との反応の際に溶剤又は希釈剤の添加は不要である。
好ましくは使用される1,5,9−シクロドデカトリエンは、例えば純1,3−ブタジエンの三量体化により製造されることができ、これは例えばT. Schiffer, G. Oenbrink, "Cyclodecatriene, Cyclooctadiene, and 4-Vinylcyclohexene", Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 第6版 (2000), Electronic Release, Wiley VCHに記載されている。この方法の範囲内で、例えばチーグラー−触媒の存在での三量体化の際にシス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエン、シス,シス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエン及びトランス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンが生じ、これは例えばH. Weber他 "Zur Bildungsweise von cis,trans,trans-Cyclododecatrien-(1.5.9) mittels titanhaltiger Katalysatoren" : Liebigs Ann. Chem. 681 (1965) 10-20頁に記載されている。これらのシクロドデカトリエンの全てが、本発明による方法の範囲内で一酸化二窒素を用いて個々にか又はそれらの2つ又はそれ以上からなる混合物として酸化されることができる一方で、前記のように、本発明による当該の方法の範囲内でシス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンの転化が特に好ましい。このシス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンは、特に好ましくはWeber他による前記の論文に従って製造され、該論文のこれに関する内容は本出願の関係において関連づけにより全面的に取り入れられる。
それゆえ、本発明はまた、出発物質として使用されるシクロドデカトリエンが、チタン−触媒の使用下での1,3−ブタジエンの三量体化により製造されることにより特徴付けられている前記のような方法を記載する。
原則的に全ての適しているチタン−触媒が三量体化に使用されることができる一方で、Weber他による論文に記載された四塩化チタン/エチルアルミニウムセスキクロリド−触媒が特に好ましい。
三量体化に使用されるブタジエンは特に好ましくは、少なくとも99.6%及びさらに好ましくは少なくとも99.65%のガスクロマトグラフィーにより測定された純度を有する。特に好ましくは、使用される1,3−ブタジエンは検出精度の範囲内で1,2−ブタジエン及び2−ブチンを含有しない。
この好ましい三量体化からは、一般的に、シス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンを少なくとも95質量%、好ましくは少なくとも96質量%及びさらに好ましくは少なくとも97質量%含有する混合物が得られる。例えば特に好ましくは該混合物はシス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエン約98質量%を含有する。
シス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンを含有しているこの混合物は、それ自体として一酸化二窒素との反応に使用されることができる。同じように、少なくとも1つの適している方法を経て、例えば好ましくは少なくとも1つの蒸留を経て、該シス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンを該混合物から分離し、かつ一酸化二窒素との反応において使用することが可能である。好ましくは、そのような精製は本発明による方法の範囲内で行われない。
三量体化についてのさらなる詳細に関しては、Weber他による論文を参照することができる。
本発明によるシクロドデカトリエンと一酸化二窒素との反応から、一般的に、シクロドデカジエノン、好ましくはシクロドデカ−4,8−ジエノン、及び場合により未反応の出発物質及び/又は場合により少なくとも1つの副生物を含有する混合物が得られる。さらなる利用及び/又は後処理に応じて、この混合物からシクロドデカジエノン、好ましくはシクロドデカ−4,8−ジエノンが分離されることができる。該混合物がシクロドデカジエノン及び例えばジケトン、例えばシクロドデセンジオンを含有する場合には、シクロドデカジエノン、好ましくはシクロドデカ−4,8−ジエノンを単純な方法で分離し、かつ別の処理工程、例えばシクロドデセノンへの部分水素化又は好ましくはシクロドデカノンへの水素化に供給することが可能である。
この混合物から、シクロドデカ−4,8−ジエノンは少なくとも1つの適している方法により分離されることができる。この際に蒸留による分離が好ましい。蒸留は、この際に、一般的に0.001〜2barの範囲内、好ましくは0.01〜1barの範囲内及び特に好ましくは0.03〜0.5bar、例えば0.04〜0.5bar又は0.05〜0.5barの範囲内の圧力で行われる。
本発明によりシクロドデカトリエンと一酸化二窒素との反応から得られたシクロドデカジエノンは、1つ又はそれ以上の任意の別の方法に供給されることができる。例えばシクロドデカジエノンのケト基は化学反応にかけられることができる。同じように、C−C−二重結合の少なくとも1つは化学反応にかけられることができる。例えば好ましくは、少なくとも1つのC−C−二重結合、好ましくは双方のC−C−二重結合が水素化されることができる。
本発明による一酸化二窒素との反応から、シクロドデカジエノンのどの位置異性体(Regioisomere)又は少なくとも2つの位置異性体シクロドデカジエノンからなるどの混合物が得られるかから独立して、この位置異性体又はこの位置異性体混合物は好ましくはシクロドデカノンに水素化される。
本発明による方法の特に好ましい実施態様によれば、シクロドデカ−4,8−ジエノンはシクロドデカノンに水素化される。
それゆえ、本発明はまた、シクロドデカトリエンと一酸化二窒素との反応から得られたシクロドデカジエノンが水素化されてシクロドデカノンが得られることにより特徴付けられている前記のような方法に関する。
シクロドデカジエノン及び特に好ましくはシクロドデカ−4,8−ジエノンの水素化のためには、適している全ての触媒が使用されることができる。特に、少なくとも1つの均一系触媒又は少なくとも1つの不均一系触媒又は少なくとも1つの均一系触媒及び少なくとも1つの不均一系触媒が使用可能である。
好ましくは、使用可能な触媒は、元素の周期表の第7、第8、第9、第10又は第11副族からなる少なくとも1つの金属を含有する。さらに好ましくは、本発明により使用可能な触媒は、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu及びAuからなる群から選択される少なくとも1つの元素を含有する。特に好ましくは、本発明により使用可能な触媒は、Fe、Ni、Pd、Pt及びCuからなる群から選択される少なくとも1つの元素を含有する。殊に好ましくは、本発明により使用される触媒はPdを含有する。
本発明による方法において好ましくは使用される均一系触媒は、第8、第9又は第10副族の少なくとも1つの元素を含有する。Ru、Rh、Ir及び/又はNiを含有する均一系触媒がさらに好ましい。例えば、この際に例えばRhCl(TTP)又はRu(CO)12を挙げることができる。Ruを含有するそのような均一系触媒が特に好ましい。例えば、US 5,180,870、US 5,321,176、US 5,177,278、US 3,804,914、US 5,210,349、US 5,128,296、US B 316,917及びD.R. Fahey, J. Org. Chem. 38 (1973) 80-87頁に記載されているような、均一系触媒が使用され、該刊行物のこれに関する開示は本出願に関係して全面的に取り入れられる。そのような触媒は、例えば(TPP)(CO)Ru、[Ru(CO)、(TPP)Ru(CO)Cl、(TPP)(CO)RuH、(TPP)(CO)RuH、(TPP)(CO)RuClH又は(TPP)(CO)RuClである。
特に好ましくは、本発明による方法の範囲内で少なくとも1つの不均一系触媒が使用され、その際に前記の金属の少なくとも1つが、金属それ自体として、ラネー−触媒として及び/又は常用の担体上へ施与されて使用されることができる。好ましい担持材料は、例えば活性炭又は酸化物、例えば酸化アルミニウム類、酸化ケイ素類、酸化チタン類又は酸化ジルコニウム類である。同じように、とりわけ担持材料としてベントナイトを挙げることができる。2つ又はそれ以上の金属が使用される場合には、これらの金属は別個にか又は合金として存在していてよい。この際に、少なくとも1つの金属をそれ自体として及び少なくとも1つの他の金属をラネー−触媒として、又は少なくとも1つの金属をそれ自体して及び少なくとも1つの他の金属を少なくとも1つの担体上へ施与されて、又は少なくとも1つの金属をラネー−触媒として及び少なくとも1つの他の金属を少なくとも1つの担体上に施与されて、又は少なくとも1つの金属をそれ自体として及び少なくとも1つの他の金属をラネー−触媒として及び少なくとも1つの他の金属を少なくとも1つの担体上へ施与されて、使用することが可能である。
本発明による方法において使用される触媒は、例えばいわゆる沈殿触媒であってもよい。そのような触媒は、それらの触媒活性成分が、それらの塩溶液、特にそれらの硝酸塩及び/又は酢酸塩の溶液から、例えばアルカリ金属−及び/又はアルカリ土類金属水酸化物−及び/又は炭酸塩−溶液、例えば難溶性の水酸化物、酸化物水和物、塩基性塩又は炭酸塩の溶液の添加により沈殿され、得られた沈殿物は引き続いて乾燥され、かつこれらはついで一般的に300〜700℃、特に400〜600℃でのか焼により相応する酸化物、混合酸化物及び/又は混合原子価の酸化物へ変換され、これらの酸化物は一般的に50〜700℃、特に100〜400℃の範囲内での水素で又は水素を含有しているガスでの処理により当該の金属及び/又は低い酸化状態の酸化物化合物へ還元され、かつ実際の触媒活性な形へ変換されることによって製造されることができる。その際に、通例、水がもはや形成されなくなるまで還元される。担持材料を含有する沈殿触媒の製造の際に、触媒活性成分の沈殿は当該の担持材料の存在で行われることができる。触媒活性成分は、有利には担持材料と同時に当該の塩溶液から沈殿されることができる。
好ましくは本発明による方法において、水素化を触媒する金属又は金属化合物を担持材料上に堆積されて含有する水素化触媒が使用される。
触媒活性成分に加えさらに付加的に担持材料を含有する前記の沈殿触媒に加えて、本発明による方法のためには、一般的に、接触水素化作用のある成分が例えば含浸により担持材料上へ施与されているそのような担持材料が適している。
担体上への触媒活性金属の施与の種類は通例、重要ではなく、かつ多様なやり方で実施されることができる。触媒活性金属は、これらの担持材料上に例えば当該の元素の塩又は酸化物の溶液又は懸濁液での飽和(Traenkung)、乾燥及び引き続いて還元剤を用いる、好ましくは水素又は錯体水素化物での当該の金属又は低い酸化状態の化合物への金属化合物の還元により施与されることができる。これらの担体上へ触媒活性金属を施与するための他の可能性は、担体を、容易に熱分解可能な塩の溶液に、例えば硝酸塩又は容易に熱分解可能な錯化合物、例えば触媒活性金属のカルボニル−又はヒドリド−錯体に含浸し、こうして飽和された担体を、吸着された金属化合物の熱分解のために300〜600℃の範囲内の温度に加熱することにある。この熱分解は、好ましくは保護ガス雰囲気下に行われる。適している保護ガスは、例えば窒素、二酸化炭素、水素又は希ガスである。さらに、触媒活性金属は、触媒担体上に蒸着によるか又は火炎溶射により堆積されることができる。これらの担持触媒の触媒活性金属含量は原則的に、本発明による方法の成功のためには重要ではない。一般的に、これらの担持触媒のより高い触媒活性金属含量は、より少ない含量よりも、より高い空時転化率をもたらす。一般的に担持触媒が使用され、それらの触媒の触媒活性金属含量は触媒の全質量に対して0.1〜90質量%の範囲内、好ましくは0.5〜40質量%の範囲内である。これらの含量の記載は、担持材料を含めた全ての触媒に基づいているが、しかしながら異なる担持材料は極めて異なる比質量及び比表面積を有するので、これらの記載がまた、このことが本発明による方法の結果に不利な影響を及ぼすことなく、下回りうるか又は上回りうることも考えられる。もちろん、複数の触媒活性金属がそれぞれの担持材料上に施与されていてもよい。さらに、触媒活性金属は、例えばドイツ連邦共和国特許出願公開(DE-OS)第25 19 817号明細書又はEP 0 285 420 A1の方法により担体上へ施与されることができる。前記の刊行物による触媒中で、熱処理及び/又は還元により例えば前記の金属の塩又は錯体での飽和により製造される触媒活性金属は合金として存在する。
沈殿触媒並びに担持触媒の活性化はまた、反応の初めにその場で、存在している水素により行われることができる。好ましくは、これらの触媒はそれらの使用前に別個に活性化される。
担持材料として、一般的に、アルミニウム及びチタンの酸化物類、二酸化ジルコニウム、二酸化ケイ素、泥質土(Tonerden)、例えばモンモリロナイト、ケイ酸塩、例えばケイ酸マグネシウム類又はケイ酸アルミニウム類、ゼオライト類、例えば構造タイプZSM-5又はZSM-10のゼオライト類又は活性炭が使用されることができる。好ましい担持材料は酸化アルミニウム類、二酸化チタン類、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム及び活性炭である。もちろん、異なる担持材料の混合物も、本発明による方法において使用可能な触媒のための担体として利用されることができる。
少なくとも1つの不均一系触媒は、例えば懸濁触媒として及び/又は固定床触媒として使用されることができる。
例えば本発明による方法の範囲内で水素化が少なくとも1つの懸濁触媒を用いて実施される場合には、好ましくは少なくとも1つの撹拌反応器中で又は少なくとも1つの気泡塔中で又は少なくとも1つの充填された気泡塔中で又は2つもしくはそれ以上の同じか又は異なる反応器からなる組合せ中で水素化される。
“異なる反応器”という概念は当該の場合に、異なる反応器タイプ並びに例えばそれらのジオメトリー、例えばそれらの体積及び/又はその断面積及び/又は反応器中での水素化条件が異なる同じ種類の反応器を呼ぶ。
例えば本発明による方法の範囲内で水素化が少なくとも1つの固定配置された触媒を用いて実施される場合には、好ましくは少なくとも1つの管形反応器、例えば少なくとも1つのシャフト反応器及び/又は少なくとも1つの管束反応器が使用され、その際に個々の反応器は、昇流−又は流下運転方式(Sumpf- oder Rieselfahrweise)で運転されることができる。2つ又はそれ以上の反応器の使用の際に、少なくとも1つの反応器が昇流運転方式で及び少なくとも1つの反応器が流下運転方式で運転されることができる。
本発明による方法の好ましい一実施態様によれば、水素化に使用される少なくとも1つの触媒は、水素化の生成物混合物から分離される。この分離は、使用される触媒に依存して各々適している処理操作に従って行われることができる。
触媒として水素化の際に例えば不均一系触媒が懸濁触媒として使用される場合には、この触媒は本発明の範囲内で好ましくは少なくとも1つのろ過工程により分離される。そのように分離された触媒は、水素化へ返送されることができるか又は少なくとも1つの任意の他の方法に供給されることができる。同じように、例えば触媒中に含まれる金属を回収するために、触媒を後処理することが可能である。
触媒として水素化の際に例えば均一系触媒が使用される場合には、この触媒は本発明の範囲内で好ましくは少なくとも1つの蒸留工程により分離される。この蒸留の範囲内で、1つ又は2つ又はそれ以上の蒸留塔が使用されることができる。そのように分離された触媒は、水素化へ返送されることができるか又は少なくとも1つの任意の他の方法に供給されることができる。同じように、例えば触媒中に含まれる金属を回収するために、触媒を後処理することが可能である。
任意の方法における使用前に、例えば本発明による方法への返送前に、少なくとも1つの均一系触媒並びに少なくとも1つの不均一系触媒は、このことが必要である場合には、少なくとも1つの適している方法により再生されることができる。
熱除去は、本発明により使用される反応器の場合に内部で、例えば冷却蛇管を介して及び/又は外部で、例えば少なくとも1つの熱交換器を介して導出されることができる。例えば好ましくは少なくとも1つの管形反応器が水素化に使用される場合には、好ましくは反応は、熱除去が統合されている外部循環を介して導かれる。
本発明による方法の好ましい実施態様により水素化が連続的に実施される場合には、さらに好ましくは少なくとも2つの反応器、さらに好ましくは少なくとも2つの管形反応器、さらに好ましくは少なくとも2つの直列接続された管形反応器及び特に好ましくは2つの直列接続された管形反応器が使用される。使用される反応器中での水素化条件は、その都度同じか又は異なっていてよく、かつその都度前記の範囲内である。
水素化が少なくとも1つの懸濁された触媒上で実施される場合には、滞留時間は一般的に0.5〜50hの範囲内、好ましくは1〜30hの範囲内及び特に好ましくは1.5〜25hの範囲内である。その際に、本発明によれば1つの反応器か又は少なくとも2つの直列で接続された反応器が使用されるかは取るに足りない。これらの実施態様の全てについて全滞留時間は前記の範囲内である。
本発明による方法の範囲内で水素化が連続運転方式で少なくとも1つの固定配置された触媒上で実施される場合には、滞留時間は一般的に0.1〜20hの範囲内、好ましくは0.2〜15hの範囲内及び特に好ましくは0.3〜10hの範囲内である。その際に、本発明によれば1つの反応器か又は少なくとも2つの直列で接続された反応器が使用されるかは取るに足りない。これらの実施態様の全てについて全滞留時間は前記の範囲内である。
第一の管形反応器から得られる混合物は、シクロドデカノンを混合物のC12−成分全含量に対して、好ましくは50〜99.9質量%の範囲内及び特に好ましくは70〜99.5質量%の範囲内の割合で含有する。この混合物は、場合により少なくとも1つの適している中間処理の後に、第二の管形反応器に供給される。第二の管形反応器から得られる混合物は、シクロドデカノンを好ましくは少なくとも99.5%の範囲内、さらに好ましくは99.9%及び特に99.99質量%の範囲内、特に好ましくは少なくとも99.9%及び特に好ましくは少なくとも99.99質量%の範囲内の割合で含有する。
水素圧は、本発明による水素化の際に一般的に1〜325barの範囲内、好ましくは1.5〜200barの範囲内、さらに好ましくは2〜100barの範囲内及び特に好ましくは2.5〜50barの範囲内である。
水素化温度は、一般的に0〜250℃の範囲内、好ましくは20〜200℃の範囲内、例えば30〜180℃の範囲内、さらに好ましくは30〜150℃の範囲内、特に好ましくは40〜170℃の範囲内及び特に好ましくは40〜140℃の範囲内である。
それゆえ、本発明はまた、水素化触媒、好ましくは不均一系水素化触媒の存在での水素化が、0〜250℃の範囲内の温度及び1〜325barの範囲内の圧力で実施されることにより特徴付けられている前記のような方法に関する。
本発明による水素化の範囲内で、少なくとも1つの適している溶剤又は希釈剤が使用されることができる。そのようなものとして、とりわけシクロドデカノン又はシクロドデカン並びに、水素化条件下で水素化されないか又は他の方法で反応される原則的に全ての溶剤及び希釈剤を挙げることができる。
本発明による方法の好ましい一実施態様によれば、水素化は溶剤又は希釈剤を添加せずに実施される。
本発明による水素化から、一般的に、シクロドデカノンに加えて場合により少なくとも1つの副生物及び/又は少なくとも1つの未反応の出発物質及び/又は例えば出発物質を含有する混合物を経て水素化に供給された少なくとも1つの別の化合物を含有する混合物が得られる。この混合物から、該シクロドデカノンは少なくとも1つの適している方法を経て例えば好ましくは少なくとも1つの蒸留を経て分離されることができる。
前記の本発明によるシクロドデカノンの製造方法は、とりわけ、シクロドデカノン及びまたシクロドデカジエノンが少ない工程で及び同時に高い選択率で得られるという利点を提供する。さらに著しい利点は、本発明による方法のための出発物質として一酸化二窒素を含有している、好ましくは工業プラントからの廃ガスが使用されることができるという事実であり、該廃ガスは一方では多大な費用なしで入手可能であり、他方では存在しているプラント系への本発明による方法の統合を可能にし、それにより出発物質のための輸送経路が最小限に保たれることができ、かつ該廃ガスはさらに潜在的な温室効果ガス(Klimagase)として、廃棄のための特別な処理に供給される必要がなく、むしろ価値のある生成物中へ直接流入する。
本発明により特に好ましくは得られ、かつ場合により生成物混合物から分離されるシクロドデカノンは、例えば特に好ましくはドデカンジカルボン酸及び/又はラウリンラクタム及び/又はこれから誘導されたポリマー、例えばポリアミド、例えばナイロン12又はナイロン6.12の製造に使用されることができる。
本発明は次の例により説明される。
実施例
例1:NOでのシス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンの酸化
250mlオートクレーブ中に、シス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエン92.67g(0.56mol)(約98%、DuPont社から商業的に入手可能)を装入した。ついでオートクレーブを密閉し、Nですすいだ。引き続いて、オートクレーブをNOで30barまでに加圧した。ついで温度を225℃に上昇させた(反応の間の最大圧力:55bar)。50hの反応時間後にオートクレーブを冷却し、減圧した。生成物(96g)を、定量GC及びGC/MSを用いて分析した。シス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエン転化率は45%であった。異性体混合物としてのシクロドデカ−4,8−ジエノンについての選択率は92%であった(シス,トランス:トランス,シス:トランス,トランスのモル異性体比は1:1:0.1に等しい)。GC/MSを用いて全部で5つの異なる異性体が検出された僅かな量に過ぎないジケトシクロドデセン及び痕跡量のドデカ−4,8,11−トリエナール(異性体混合物として)が形成された。
例2:NOでのシス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンの酸化
オートクレーブ250ml中に、シス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエン94.30g(0.57mol)(約98%、DuPont社から商業的に入手可能)を装入した。ついでオートクレーブを密閉し、Nですすいだ。引き続いてオートクレーブをNOで50barまでに加圧した。ついで温度を200℃に上昇させた(反応の間の最大圧力:81bar)。10hの反応時間後にオートクレーブを冷却し、減圧した。生成物(102.2g)を、定量GC及びGC/MSを用いて分析した。シス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエン転化率は35%であった。異性体混合物としてのシクロドデカ−4,8−ジエノンについての選択率は92%であった(シス,トランス:トランス,シス:トランス,トランスのモル異性体比は1:1:0.08に等しい)。GC/MSを用いて全部で5つの異なる異性体が検出された僅かな量に過ぎないジケトシクロドデセン及び痕跡量のドデカ−4,8,11−トリエナール(異性体混合物として)が形成された。
例3:NOでのシス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンの酸化
250mlオートクレーブ中に、シス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエン91.5g(0.56mol)(約98%、DuPont社から商業的に入手可能)を装入した。ついでオートクレーブを密閉し、Nですすいだ。引き続いてオートクレーブをNOで50barまでに加圧した。ついで温度を200℃に上昇させた(反応の間の最大圧力:92bar)。5hの反応時間後にオートクレーブを冷却し、減圧した。生成物(99.4g)を、定量GC及びGC/MSを用いて分析した。シス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエン転化率は30%であった。異性体混合物としてのシクロドデカ−4,8−ジエノンについての選択率は95%であった(シス,トランス:トランス,シス:トランス,トランスのモル異性体比は1:1:0.08に等しい)。GC/MSを用いて全部で5つの異なる異性体が検出された僅かな量に過ぎないジケトシクロドデセン及び痕跡量のドデカ−4,8,11−トリエナール(異性体混合物として)が形成された。
例4:NOでの回収されたシス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンの酸化
例1〜3からの流出物を集め、真空中で蒸留した。111℃(20mbar)で沸騰する(T頂部)第一の留分は、本質的にはシス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンからなっていた。140℃(20mbar)で沸騰する(T頂部)第二の留分は、本質的にはシクロドデカ−4,8−ジエノンからなっていた。留分1を例3の条件下で酸化した。転化率並びに選択率は、例3に対して変更されないままであった。
例5:シクロドデカノンへのシクロドデカ−4,8−ジエノンの水素化
シクロドデカ−4,8−ジエノン50g(異性体混合物、例4からの留分2)及びPd/C−触媒1g(Pd 10質量%、Degussa社から製品番号E 101 N/Dで商業的に入手可能)を100ml−オートクレーブ中へ充填した。撹拌しながら水素5barが加圧された。50℃の反応温度で、水素吸収が終了するまで(10h)、水素を後供給した。冷却し、減圧し、かつ触媒をろ別した後に、流出物をガスクロマトグラフィーにより分析した。シクロドデカ−4,8−ジエノン転化率は定量であった。シクロドデカノンは本質的には定量的な収率(>98%)で得られた。不純物として、痕跡量に過ぎないシクロドデカン、シクロドデセノン及びドデカナールがGC/MSを用いて検出されることができた。
例6:シクロドデカノンへのシクロドデカ−4,8−ジエノンの水素化
液体循環を備えた30ml−管形反応器中に、Pd/C−触媒28ml(Pd 5質量%、Degussa社から製品番号 E 101 ND/Wで商業的に入手可能)を充填した。窒素ですすいだ後に、水素圧10barに調節し、60℃に加熱し、供給ポンプを用いてメタノール150ml(始動助剤として)を該系中へポンプ輸送した。引き続いて循環ポンプを運転し(循環:約100ml/h)、その後フィードをシクロドデカ−4,8−ジエノン10ml/hに切り換えた(流下運転方式)。流出物中に、24h後にメタノール1質量%に加えてシクロドデカノン約98質量%及びさらに不飽和化合物約1質量%が見出された。さらに24h及び70℃への温度上昇後に、シクロドデカノン99.5質量%並びに不飽和化合物0.5質量%が見出された。
引き続いて、該プラントを、同様に70℃で運転される管形反応器(後反応器、内容積10ml)を付加的にさらに組み込んで改造した。後反応器の流出物中に不飽和化合物はもはや見出されず、かつシクロドデカノン収率は本質的には定量であった(>98%)。
例7:
対応する装入容器から、シス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエン2000g/h及び液体NO 68g/hを、スタティックミキサーを介して管形反応器(二重ジャケット管、圧延された(gewickelt)、直径 内側 6mm、長さ36m)中へポンプ輸送する。該管を、熱媒体油を用いて280℃にサーモスタット調節する。反応内圧を100barに制御する。反応帯域を通過した後に、形成されたN及び未反応のNOを導出するために、反応混合物を2つのフラッシュ容器中でまず最初に3barに及び引き続いて60mbarに減圧する。
ついで液体生成物を、少なくとも7の理論分離段を有する塔中で60mbarで蒸留する(T底部=170℃、T頂部=130℃)。留出液として、未反応のシス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンが得られ、これは再び反応へ返送される。主にシクロドデカ−4,8−ジエノンを含有する底部流出物を、少なくとも12の理論分離段を有する別の塔中へ移送し、45mbarで蒸留する。ここで、異性体混合物としてのシクロドデカ−4,8−ジエノンを、頂部を経て留去する(T底部=193℃、T頂部=160℃)。
平均してシクロドデカ−4,8−ジエノン209g/hが得られる。シクロドデカ−4,8−ジエノンについての選択率は95%である(シス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンに対して)。

Claims (21)

  1. クロドデカトリエンを一酸化二窒素と反応させてシクロドデカジエノンを得ることを含むケトンを製造する方法において、反応を連続運転方式で実施し、かつシクロドデカトリエンと一酸化二窒素との反応に供給されるフィード中で、一酸化二窒素とシクロドデカトリエンとのモル比が0.07〜0.5の範囲内であることを特徴とする、ケトンの製造方法。
  2. 一酸化二窒素源として、一酸化二窒素を含有している、少なくとも1つの工業的方法の少なくとも1つの廃ガスを利用する、請求項1記載の方法。
  3. 一酸化二窒素源が、アジピン酸プラント及び/又はドデカン二酸プラント及び/又はヒドロキシルアミンプラントの廃ガスである及び/又はアジピン酸プラント及び/又はドデカン二酸プラント及び/又はヒドロキシルアミンプラントの廃ガスを用いて運転される硝酸プラントの廃ガスである、請求項2記載の方法。
  4. シクロドデカトリエンを、ガス混合物の全質量に対して、一酸化二窒素20〜99.9質量%を含有するガス混合物と反応させる、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 一酸化二窒素又は一酸化二窒素を含有するガス混合物を液体の形で使用する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 反応を、140〜350℃の範囲内の温度及び1〜1000barの範囲内の圧力で実施する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 少なくとも90%のシクロドデカジエノンに対する選択率での反応が、1〜80%の範囲内のシクロドデカトリエンの転化率を有する、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. シクロドデカトリエンとしてシス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンを使用し、かつ(ii)により一酸化二窒素と反応させてシクロドデカ−4,8−ジエノンへ変換する、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. シクロドデカトリエンと一酸化二窒素との反応から得られたシクロドデカジエノンを水素化してシクロドデカノンを得る、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  10. 水素化を、水素化触媒の存在で0〜250℃の範囲内の温度及び1〜325barの範囲内の圧力で実施する、請求項9記載の方法。
  11. 一酸化二窒素とシクロドデカトリエンとのモル比が0.1〜0.4の範囲内である、請求項1記載の方法。
  12. シクロドデカノンの製造方法において、次の工程(I)及び(II):
    (I)シクロドデカトリエンを一酸化二窒素と反応させてシクロドデカジエノンを得る工程、前記工程において反応を連続運転方式で実施し、かつシクロドデカトリエンと一酸化二窒素との反応に供給されるフィード中で、一酸化二窒素とシクロドデカトリエンとのモル比が0.07〜0.5の範囲内である
    (II)(I)により得られたシクロドデカジエノンを水素化してシクロドデカノンを得る工程
    を含むことを特徴とする、シクロドデカノンの製造方法。
  13. 一酸化二窒素源として、一酸化二窒素を含有している、少なくとも1つの工業的方法の少なくとも1つの廃ガスを利用する、請求項12記載の方法。
  14. 一酸化二窒素源が、アジピン酸プラント及び/又はドデカン二酸プラント及び/又はヒドロキシルアミンプラントの廃ガスである及び/又はアジピン酸プラント及び/又はドデカン二酸プラント及び/又はヒドロキシルアミンプラントの廃ガスを用いて運転される硝酸プラントの廃ガスである、請求項13記載の方法。
  15. シクロドデカトリエンを、ガス混合物の全質量に対して、一酸化二窒素20〜99.9質量%を含有するガス混合物と反応させる、請求項12から14までのいずれか1項記載の方法。
  16. 一酸化二窒素又は一酸化二窒素を含有するガス混合物を液体の形で使用する、請求項12から15までのいずれか1項記載の方法。
  17. (I)による反応を、140〜350℃の範囲内の温度及び1〜1000barの範囲内の圧力で実施する、請求項12から16までのいずれか1項記載の方法。
  18. (I)による少なくとも90%のシクロドデカジエノンに対する選択率での反応が、1〜80%の範囲内のシクロドデカトリエンの転化率を有する、請求項12から17までのいずれか1項記載の方法。
  19. シクロドデカトリエンとしてシス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンを使用し、かつ(I)により一酸化二窒素と反応させてシクロドデカ−4,8−ジエノンへ変換する、請求項12から18までのいずれか1項記載の方法。
  20. (II)による水素化を、不均一系水素化触媒の存在で0〜250℃の範囲内の温度及び1〜325barの範囲内の圧力で実施する、請求項12から19までのいずれか1項記載の方法。
  21. 一酸化二窒素とシクロドデカトリエンとのモル比が0.1〜0.4の範囲内である、請求項12記載の方法。
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