JP4444223B2 - 定着装置、画像形成装置、定着装置の制御方法、定着装置の制御プログラムおよびその記録媒体 - Google Patents

定着装置、画像形成装置、定着装置の制御方法、定着装置の制御プログラムおよびその記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置に備えられる定着装置、この定着装置の制御方法、制御プログラムおよびその記録媒体に関するものである。
電子写真方式の画像形成装置に備えられる従来の定着装置として、定着ローラと加圧ローラで構成されたいわゆるローラ対方式の定着装置がある。
定着ローラとしては、例えば、アルミなどの金属からなる中空芯金の表面に、弾性層が形成され、芯金の内部に加熱源としてハロゲンランプが配置されたものが用いられている。この種の定着ローラでは、一般に、定着ローラ表面に設けた温度センサの信号により温度制御回路においてハロゲンランプをオン/オフ制御させ、定着ローラ表面の温度を一定に保つようになっている。
一方、加圧ローラとしては、芯金上に被覆層としてシリコンゴムなどの耐熱性弾性層を設けたものが用いられている。加圧ローラと定着ローラとを圧接させると、上記弾性層の弾性変形によって所定のニップ領域が形成される。ローラ対方式の定着装置では、このニップ領域に未定着トナー像を転写された用紙を通過させ、トナー像を熱溶融させて用紙に定着させるようになっている。
ところが、従来の一般的なローラ対方式の定着装置では、通紙速度を高速化し、複数の用紙を連続通紙する場合、定着ローラの表面温度が極端に低下し、定着ローラ表面を一定の温度で維持することが困難になるという問題がある。これは、芯金内部から発生した熱が熱伝導率の悪い弾性層(例えばシリコンゴム)を通じてトナー像へ熱伝達されるため、内部の熱源から供給される熱が定着ローラの表面に伝わるには、相当な時間を要するからである。
そこで、このような問題を解決するために、例えば特許文献1,2に開示されているような外部加熱方式の定着装置が提案されている。特許文献1,2に開示されている定着装置では、複数のベルト支持ローラ(外部加熱ローラ)によって無端ベルト(外部加熱ベルト)を張架し、この無端ベルトを加熱するとともに定着ローラに接触させることで、定着ローラ表面を加熱するようになっている。
また、特許文献3には、外部加熱体に定着ローラ(加熱ロール)との圧接跡が残ってしまうことを防止するために、外部加熱体を定着ローラから離接させる離接手段を備えた定着装置が開示されている。さらに、特許文献3には、定着ローラから外部加熱体にトナーが転移して外部加熱体に固着・堆積することによって定着ローラ表面が傷つけられることを防止するために、ウォームアップ時または待機モード時に、外部加熱体がトナーの軟化点以上の基準温度になった時に、外部加熱体を定着ローラに圧接させることが記載されている。
特開2005−266395(公開日:2005年9月29日) 特開2005−292714(公開日:2005年1月20日) 特許第3632724号公報(公開日:1999年1月29日)
しかしながら、上記特許文献1,2の技術では、定着ローラの回転が停止した状態で長時間放置すると、無端ベルトに放置時の形状に応じた型(例えば2本のベルト支持ローラに懸架されている場合には楕円状の型(曲がり癖))がついてしまい、この型によって回転開始時にスリップ等の回転不良が生じるという問題がある。(特に、長時間高温で放置した後、室温まで冷却した場合にこのような型がつきやすい。)
この問題点について、より詳細に説明する。外部加熱装置を特許文献1,2のように複数のベルト支持ローラに張架された無端ベルトで構成する場合、通常、各ベルト支持ローラとしては、熱容量を極力小さくするために、小径のものが用いられる。このため、曲率半径の小さいベルト支持ローラで無端ベルトが支持されることになり、回転が停止した状態で長時間放置すると、無端ベルトに放置時の張架状態の型がついてしまう。特に、熱容量を小さくするために、ベルト支持ローラの本数は必要最低限の本数である2本とされる場合が多く、この場合、巻きかけられた無端ベルトは、2本のベルト支持ローラの間でテンションをかけられた状態になるため、回転が停止した状態で長時間放置すると楕円状に型がついてしまう。
このような型ができてしまった状態で無端ベルトの回転を開始させると、上記の型の影響でベルトの回転不良(スリップ等)が生じる。なお、離型性の観点から、定着部材およびベルトの表層にはPFAチューブ、PTFE、PFAコーティング等の摩擦抵抗の少ない材質が使用される場合が多く、その場合にはベルトのスリップ等の回転不良が特に生じやすい。
そして、無端ベルトの回転不良が生じると、定着ローラ表面と無端ベルト表面とが摺擦されることにより、定着ローラ表面もしくは無端ベルト表面にオフセットなどにより堆積したトナーによって定着ローラ表面が傷つけられてしまう。
なお、ベルト支持ローラの軸間距離の制約がある場合、ベルト支持ローラ両端の支持部材として、ボールベアリングではなく、すべり軸受を使用する場合がある。また、機構の簡略化および省スペース化のために、外部加熱装置には駆動源を設けず、無端ベルトを定着ローラに従動回転させる構成とする場合がある。つまり、回転駆動源を定着ローラに設け、無端ベルトを定着ローラ表面に接触させることにより、摩擦力によって無端ベルトおよびベルト支持ローラを定着ローラに従動回転させる構成とする場合がある。これらの条件下では、上記のような無端ベルトの回転不良が特に生じやすい。
一方、特許文献3では、ウォームアップ時または待機モード時に外部加熱体を定着ローラから離接させておくことで、外部加熱体に定着ローラとの圧接跡が残ってしまうことを防止している。しかしながら、ベルト支持ローラに無端ベルトを張架した構成の外部加熱装置を用いる場合、外部加熱体を定着ローラから離接するだけでは、長時間放置した時に無端ベルトに型がつくことを防止することはできない。
また、特許文献3では、ウォームアップ時または待機モード時に、外部加熱体がトナー軟化点以上の基準温度となったときに定着ローラに圧接させることにより、外部加熱体表面に固着したトナーが軟化した状態で外部加熱体を定着ローラに圧接させ、外部加熱体に固着したトナーによって定着ローラに傷がつくことを防止している。しかしながら、特許文献3では、外部加熱体に固着したトナーを軟化させることはできるものの、複数のベルト支持ローラに無端ベルトを張架した構成の外部加熱装置については何ら考慮されておらず、上記の型に起因する無端ベルトの回転不良を防止することはできない場合がある。
また、外部加熱装置は、一般に、昇温速度を速くするために、熱容量が小さくなっている。このため、回転不良が生じると、正確な温度制御が困難になる。例えば、設定温度まで昇温したことを温度センサ等で検知した時に温度制御を始めても、オーバーシュートにより非常に高温になってしまうという問題が生じる。外部加熱装置が高温になりすぎると、熱による無端ベルトまたは定着ローラのコート層の破損や、ベルト支持ローラの歪みなどの不具合が発生する。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、加熱されたベルトを定着部材に当接させて上記定着部材を加熱する定着装置において、上記ベルトの回転不良を防止することにある。
本発明の定着装置は、上記の課題を解決するために、定着部材と、加圧部材と、複数の支持ローラに張架されたベルトを第1加熱手段によって加熱して上記定着部材の周面に当接させることで上記定着部材を加熱するとともに上記ベルトを上記定着部材に従動回転させる外部加熱装置とを備え、上記定着部材と上記加圧部材とが記録材を挟持しながら搬送することにより、上記記録材上の未定着画像を上記定着部材の周面の熱によって当該記録材に定着させる定着装置において、上記ベルトの表面温度を検出する第1温度検出手段と、上記定着部材を回転駆動する回転駆動手段と、上記定着部材の回転を開始させる際、上記第1加熱手段によって上記ベルトを加熱させ、上記第1温度検出手段の検出した上記ベルトの表面温度が、上記ベルトが軟化する温度に設定される第1目標温度に到達してから、上記回転駆動手段によって上記定着部材の回転を開始させる制御手段とを備えていることを特徴としている。
また、本発明の定着装置の制御方法は、上記の課題を解決するために、定着部材と、加圧部材と、複数の支持ローラに張架されたベルトを第1加熱手段によって加熱して上記定着部材の周面に当接させることで上記定着部材を加熱するとともに上記ベルトを上記定着部材に従動回転させる外部加熱装置とを備え、上記定着部材と上記加圧部材とが記録材を挟持しながら搬送することにより、上記記録材上の未定着画像を上記定着部材の周面の熱によって当該記録材に定着させる定着装置の制御方法であって、上記第1加熱手段によって上記ベルトを加熱する加熱工程と、上記ベルトの表面温度を検出する温度検出工程と、上記第1温度検出工程の検出温度が、上記ベルトが軟化する温度に設定される第1目標温度に到達してから上記定着部材の回転を開始させる回転開始工程とを含むことを特徴としている。
上記の定着装置およびその制御方法によれば、定着部材を回転停止状態から回転開始させる際、まず、第1加熱手段にベルトの加熱を開始させる。そして、第1温度検出手段の検出するベルトの表面温度が、加熱によってベルトが軟化する温度に設定される第1目標温度に到達してから、回転駆動手段によって定着部材の回転を開始させる。これにより、ベルトを軟化されてから回転を開始させ、回転停止時にベルトについた型(曲がり癖)によって回転不良(スリップ等)が生じることを防止し、ベルトを定着部材に適切に従動回転させることができる。
なお、上記本発明の定着装置において、上記制御手段は、上記第1目標温度を、上記ベルトが軟化して柔軟性を取り戻し、回転不良を生じることなく回転できる温度に設定する構成としてもよい。
上記の構成によれば、回転停止時に上記ベルトについた型によって回転不良が生じることを確実に防止できる。
また、上記ベルトにおける上記支持ローラに接触していない部分に対向する位置に、上記ベルトに対して非接触に配置される非接触型の第2温度検出手段が備えられており、上記制御手段は、上記第1目標温度を、回転する上記ベルトが軟化して柔軟性を取り戻し、上記第2温度検出手段と接触しない状態になる温度に設定する構成としてもよい。
上記の構成によれば、制御手段が、第1目標温度を、回転する上記ベルトが軟化して柔軟性を取り戻し、上記第2温度検出手段と接触しない状態になる温度に設定する。これにより、ベルトと第2温度検出手段との接触を防止し、接触による第2温度検出手段の誤検知やベルト,第2温度検出手段の破損等の不具合を防止することができる。
また、上記制御手段は、上記第1目標温度を、トナーが溶融する温度に設定する構成としてもよい。
上記の構成によれば、第1目標温度がトナーが溶融する温度に設定されるので、ベルト表面に付着して蓄積されたトナー(例えば通紙動作で生じる微少なオフセットトナー等)を加熱によって溶融させてから定着部材の回転を開始させることができる。これにより、ベルト表面に蓄積されたトナーによって定着部材およびベルトの表面が傷つくことを防止できる。なお、上記のトナーが溶融する温度は、例えば、トナー粉末を熱溶融特性測定装置(例えばフローテスター(株式会社島津製作所製CFT−500))にセットし、ダイ孔径:径1mm高さ1mm、荷重20kgf/cm、6℃/分、試料の重量1gで等速昇温させて測定したときに、トナーの溶融が始まり、トナーに荷重をかけるピストンが4mm降下したときの温度であるトナーの4mm降下温度に設定してもよい。
また、上記ベルトを上記定着部材から離間させる離接手段を備え、上記制御手段は、上記離接手段によって上記ベルトを上記定着部材に当接させてから上記定着部材の回転を開始させる構成としてもよい。
定着部材が回転開始した後にベルトを当接させる場合、適切な接触状態になるまでの間に、ベルトと定着部材との間で摺動(スリップ)が生じるなどして定着部材およびベルトの表面が傷ついてしまう場合がある。また、ベルトの回転軸方向の圧力バランスが不安定(軸方向に不均一)になり、ベルトの蛇行が生じてしまう場合がある。これに対して、上記の構成によれば、制御手段が、定着部材の回転を開始させる前にベルトを定着部材に当接させるので、定着部材の回転開始時の起動トルクでベルトを従動回転させることができ、上記のようなスリップや蛇行を防止できる。
また、ベルトを上記複数の支持ローラに張架することのできる理論上の最短内径周長をL4、上記ベルトを上記複数の支持ローラに張架した時の実際の内径周長をL5としたときに、0.1mm≦L5−L4≦2mmの関係を満たす構成としてもよい。
ベルトの内径周長が短すぎると、ベルトに作用するテンション(張力)が強くなり、回転停止時にベルトに型がつきやすくなるので、上記第1目標温度を高く設定する必要が生じる。また、ベルトに作用する張力がさらに強い場合には、ベルトを高温に加熱しても型を適切に緩和できなくなり、回転不良を防止できなくなる。一方、ベルトの内径周長が長すぎると、ベルトに作用するテンションが弱くなり、ベルト回転軸方向の圧力バランスが不均一になって蛇行が生じる。上記の構成によれば、ベルトの内径周長L5を0.1mm≦L5−L4≦2mmの関係を満たすように設定することにより、ベルトに強固な型を防止するとともに、回転時に蛇行が生じることを防止することができ、ベルトの回転不良を防止できる。
また、上記定着部材を加熱する第2加熱手段をさらに備え、上記第1加熱手段および第2加熱手段は、電力供給手段から供給される電力に応じて発熱するものであり、上記制御手段は、上記ベルトの表面温度がこのベルトのウォームアップ完了温度である第2目標温度に到達し、その後、上記定着部材の表面温度がこの定着部材のウォームアップ完了温度である第3目標温度に到達するように、上記電力供給手段から上記第1加熱手段および上記第2加熱手段への電力供給を制御する構成としてもよい。
上記の構成によれば、上記ベルトの表面温度がこのベルトのウォームアップ完了温度である第2目標温度に到達し、その後、上記定着部材の表面温度がこの定着部材のウォームアップ完了温度である第3目標温度に到達するように、上記電力供給手段から上記第1加熱手段および上記第2加熱手段への電力供給が制御される。これにより、ベルトの表面温度を迅速に昇温させてベルトの表面温度が第1目標温度に到達するまでの時間を短くすることができ、ウォームアップ時間、すなわち定着処理を実行できる状態になるまでの時間を短縮することができる。また、ベルトから定着部材への伝熱により、定着部材の表面を効率的に昇温させることができる。
また、上記の構成において、上記制御手段は、上記ベルトの表面温度が上記第2目標温度に到達するまでは上記電力供給手段から上記第2加熱手段への電力供給を停止して上記第1加熱手段に電力を供給し、上記ベルトの表面温度が上記第2目標温度に到達した後、上記電力供給手段から上記第1加熱手段および第2加熱手段に電力を供給するように電力供給を切り替える構成としてもよい。
上記の構成によれば、ベルトの表面温度が上記第2目標温度に到達するまでは第2加熱手段に電力を供給せずに第1加熱手段に電力が供給される。これにより、ベルトの表面温度が第1目標温度に到達するまでの時間をより短くし、ウォームアップ時間をより短縮することができる。また、ベルトの表面温度が上記第2目標温度に到達した後には、第1加熱手段および第2加熱手段に電力を供給することで、定着部材の表面を効率的に昇温させることができる。
また、上記定着部材を加熱する第2加熱手段と上記加圧部材を加熱する第3加熱手段とをさらに備え、上記第1〜第3加熱手段は、電力供給手段から供給される電力に応じて発熱するものであり、上記制御手段は、上記ベルトの表面温度がこのベルトのウォームアップ完了温度である第2目標温度に到達し、その後、上記定着部材の表面温度がこの定着部材のウォームアップ完了温度である第3目標温度に到達し、その後、上記加圧部材の表面温度がこの加圧部材のウォームアップ完了温度である第4目標温度に到達するように、上記電力供給手段から上記第1〜第3加熱手段への電力供給を制御する構成としてもよい。
上記の構成によれば、上記ベルトの表面温度がこのベルトのウォームアップ完了温度である第2目標温度に到達し、その後、上記定着部材の表面温度がこの定着部材のウォームアップ完了温度である第3目標温度に到達し、その後、上記加圧部材の表面温度がこの加圧部材のウォームアップ完了温度である第4目標温度に到達するように、上記電力供給手段から上記第1〜第3加熱手段への電力供給が制御される。これにより、ベルトの表面温度を迅速に昇温させてベルトの表面温度が第1目標温度に到達するまでの時間を短くすることができ、ウォームアップ時間、すなわち定着処理を実行できる状態になるまでの時間を短縮することができる。また、ベルトから定着部材への伝熱および定着部材から加圧部材への伝熱により、定着部材および加圧部材の表面を効率的に昇温させることができる。
また、上記の構成において、上記制御手段は、上記ベルトの表面温度が上記第2目標温度に到達するまでは上記第2加熱手段および第3加熱手段への電力供給を停止して上記第1加熱手段に電力を供給し、上記ベルトの表面温度が上記第2目標温度に到達した後、上記定着部材の表面温度が上記第3目標温度に到達するまでは、上記電力供給手段から上記第3加熱手段への電力供給を停止して第1加熱手段および第2加熱手段に電力を供給し、上記定着部材の表面温度が上記第3目標温度に到達した後、上記電力供給手段から上記第1〜第3加熱手段に電力を供給するように電力供給を切り替える構成としてもよい。
上記の構成によれば、制御手段は、ベルトの表面温度が第2目標温度に到達するまでは第2・第3加熱手段へは電力を供給せずに第1加熱手段に優先的に電力を供給し、第2目標温度に到達すると第3加熱手段へは電力を供給せずに第1および第2加熱手段に電力を供給する。そして、定着部材の表面温度が第3目標温度に到達すると第1〜第3加熱手段に電力を供給する。これにより、ベルトの表面温度が第1目標温度に到達するまでの時間をより短くし、ウォームアップ時間をより短縮することができる。また、定着部材および加圧部材を効率的に加熱することができる。
また、上記制御手段は、上記定着部材の回転を開始させた後、予め設定した所定時間が経過するまで上記第1温度検出手段の検出温度が減少することなく増加し続ける場合、上記第1加熱手段による上記ベルトの加熱を中断する構成としてもよい。
定着部材の回転を開始した直後は、ベルトの回転が正常である場合、ベルトから定着部材への熱の移動量が大きくなるのでベルトの表面温度は低下する。ところが、ベルトの回転不良が生じた場合には、ベルトから定着部材への熱の移動が適切に行われず、ベルト表面温度は上昇し続ける。この場合、ベルトの表面温度がウォームアップ完了温度に到達したときに温度制御を行っても、オーバーシュートが生じてベルトが設定温度よりも高温になってしまう。特に、外部加熱装置は通常、昇温速度を速くするために熱容量を小さく設計される場合が多く、定着部材への伝熱を効果的に行うためにウォームアップ完了温度は高く設定される場合が多いので、ベルトの回転不良が生じるとオーバーシュートによる過昇温が生じやすい。
そこで、上記の構成によれば、制御手段は、定着部材の回転を開始させた後、第1温度検出手段の検出するベルトの表面温度が所定時間経過するまで減少することなく単調に上昇し続けるかどうかを判断し、増加し続ける場合には、回転不良が生じているものと判断して第1加熱手段による加熱を中断する。これにより、外部加熱装置の過昇温を防止することができる。
本発明の画像形成装置は、上記したいずれかの定着装置を備えている。それゆえ、定着装置の外部加熱装置に備えられるベルトの回転不良を防止することができる。
なお、上記定着装置の制御手段は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記制御手段として機能させるための制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に含まれる。
以上のように、本発明の定着装置およびその制御方法は、定着部材の回転を開始させる際、上記第1加熱手段によって上記ベルトを加熱させ、上記第1温度検出手段の検出した上記ベルトの表面温度が、上記ベルトが軟化する温度に設定される第1目標温度に到達してから、上記回転駆動手段によって上記定着部材の回転を開始させる。
これにより、回転停止時に上記ベルトについた型によって回転不良が生じることを防止できる。
本発明の一実施形態について説明する。まず、図2を参照して本実施形態の定着装置が備えられている画像形成装置1について説明する。図2は、画像形成装置1の内部構造を示した模式図である。この画像形成装置1は、乾式電子写真方式のカラー画像形成装置であり、ネットワークを介して接続される各端末装置から送信される画像データまたはスキャナによって読み取られた画像データに基づいて、用紙(記録材)Pに対してカラー画像またはモノクロ画像を形成するプリンタである。
画像形成装置1は、乾式電子写真方式かつ4連タンデム方式のカラープリンタであって、可視像転写部50、用紙搬送部30、定着装置40、供給トレイ20を備えている。
可視像転写部50は、黄色画像転写部50Y、マゼンタ画像転写部50M、シアン画像転写部50C、黒画像転写部50Bから構成される。具体的な配置としては、供給トレイ20と定着装置40との間において、供給トレイ20側から、黄色画像転写部50Y、マゼンタ画像転写部50M、シアン画像転写部50C、黒画像転写部50Bがこの順に併設されている。
これら転写部50Y、50M、50C、50Bは、各々、実質的に同一の構成を有しており、画像データに基づいて、用紙Pに対してそれぞれ黄色画像、マゼンタ画像、シアン画像、黒画像を転写するものである。
各転写部50Y、50M、50C、50Bは、感光体ドラム51を備えており、さらに、帯電器52、LSU53、現像ユニット54、転写ローラ55およびクリーニング装置56を、感光体ドラム51の周囲に、感光体ドラム51の回転方向(図2のF方向)に沿って配置している。
各転写部50Y、50M、50C、50Bの感光体ドラム51は、感光性材料を表面に有するドラム形状の転写ローラであり、矢印F方向に回転駆動する。帯電器52は、感光体ドラム51の表面を一様に(均一に)帯電するものである。帯電器52としては、例えばチャージャー型のコロナ放電器を用いることができる。
転写部50Y、50M、50C、50BのLSU(レーザビームスキャナユニット)53には、それぞれ画像データにおける黄色成分、マゼンタ成分、シアン成分および黒色成分に対応する画素信号が入力されるようになっている。そして、各LSU53は、これらの画像信号に基づいて、帯電された感光体ドラム51を露光し、静電潜像を生成するようになっている。
転写部50Y、50M、50C、50Bの現像ユニット54は、それぞれ黄色、マゼンタ、シアン、黒色のトナーを有している。そして、これらのトナーによって、感光体ドラム51上に生成された静電潜像を現像し、トナー像(顕像)を生成する機能を有している。
転写部50Y、50M、50C、50Bの転写ローラ55は、トナーとは逆極性のバイアス電圧が印加されており、このバイアス電圧を用紙Pに与えることによって感光体ドラム51上のトナー像を用紙Pに転写するためのものである。転写部50Y、50M、50C、50Bのクリーニング装置56は、用紙Pへの画像転写後に感光体ドラム51上に残留しているトナーを除去するものである。以上のような、用紙Pに対するトナー像の転写は、4色について4回繰り返される。
用紙搬送部30は、駆動ローラ31、アイドリングローラ32、搬送ベルト33からなり、各転写部50Y、50M、50C、50Bによって順に用紙Pにトナー像が形成されるように、用紙Pを搬送するものである。
駆動ローラ31およびアイドリングローラ32は、搬送ベルト33を張架するものであり、駆動ローラ31が所定の周速度に制御されて回転することで搬送ベルト33が回転するようになっている。
搬送ベルト33は、各転写部50Y、50M、50C、50Bの感光体ドラム51に接触するように、駆動ローラ31とアイドリングローラ32との間にかけられたベルトであり、ローラ31・32によって矢印Z方向に摩擦駆動されるようになっている。そして、搬送ベルト33は、供給トレイ20から送り込まれた用紙Pを静電吸着させ、各転写部50Y、50M、50C、50Bに順に用紙Pを搬送する。
さらに、各転写部50Y、50M、50C、50Bによってトナー像が転写された用紙Pは、駆動ローラ31の曲率によって搬送ベルト33から剥離され、定着装置40に搬送される(図2の一点鎖線は搬送経路を示す)。なお、各転写部50Y、50M、50C、50Bによって用紙Pに転写された後のトナー像は、用紙Pに対して未定着の状態である。
定着装置40は、用紙Pに付着した未定着のトナー像を当該用紙Pに熱圧着させるものである。具体的には、定着装置40には、定着ローラ60と加圧ローラ70とが備えられている。そして、可視像転写部50から搬送されてきた用紙Pは、定着ローラ60と加圧ローラ70との間に形成されている定着ニップ部Nに送り込まれる。さらに、定着ローラ60と加圧ローラ70とが用紙Pを挟持しながら搬送する。このとき、用紙P上のトナー像(未定着画像)は定着ローラ60の周面の熱によって用紙Pに定着する。なお、定着後には、用紙にトナーが溶着された状態となり、光沢が出る。
そして、定着装置40によってトナー像の定着処理が行われた後の用紙Pは、画像形成装置1の外部の排紙トレイ(不図示)に排出される。これにより、画像形成処理が終了する。なお、定着装置40の具体的構成については後で詳細に説明する。
また、画像形成装置1は、用紙Pに対して各転写部50Y、50M、50C、50Bが画像転写を行ってカラー画像(多色画像)を形成するカラーモード(多色モード)と、用紙Pに対して黒画像転写部50Bのみが画像転写を行ってモノクロ画像(単色画像)を形成するモノクロモード(単色モード)とを行うことができる。具体的に説明すると、画像形成装置1に備えられている制御部(制御用集積回路基板またはコンピュータ,不図示)は、利用者からの入力指示に応じて、カラーモードまたはモノクロモードのうちのいずれかのモードを選択し、選択したモードに応じた画像形成を実行するように各転写部50Y、50M、50C、50Bを制御するようになっている。
次に、定着装置40について具体的に説明する。図1は、定着装置40の概略構成を示す模式図である。定着装置40は、上述した定着ローラ(定着部材)60および加圧ローラ(定着部材)70の他、外部加熱装置80、制御装置90、回転駆動装置91を含む構成である。
回転駆動装置91は、定着ローラ60を回転駆動するものであり、例えばモータ,駆動ギア(いずれも図示せず)等から構成される。なお、回転駆動装置91の動作は、制御装置90によって制御される。
定着ローラ60は、図1に示されるG方向に回転するローラであり、金属製の中空円筒形状の芯金61、この芯金61の外周面を覆う弾性層62、弾性層62を覆って形成される離型層63から構成される。
芯金61は、外径46mmのアルミニウムからなるものであり、筒状の形状をしている。ただし、芯金61の素材は、アルミニウムに限定されるものではなく、例えば、鉄やステンレス等からなるものであってもよい。弾性層62は、厚さ2mmであって、耐熱性を有するシリコンゴムからなる。離型層63は、厚み約30μmのPFA(テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)チューブからなる。なお、離型層63の材料としては、耐熱性、耐久性に優れ、トナーとの離型性が優れているものであればよく、PFAの他、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素系材料を使用してもよい。こうして構成された定着ローラ60の外径は50mmであって、定着ローラ60の表面硬度は68度(アスカーC硬度)である。
定着ローラ60の周面には当該周面の温度を検出するサーミスタ(第2温度センサ)65が接触しており、芯金61の内部には、電力が供給されることによって熱輻射を行うハロゲンランプ(第2熱源装置)64が設置されている。ハロゲンランプ64は定着ローラ60の熱源であり、ハロゲンランプ64に電力供給が行われるとハロゲンランプ64によって定着ローラ60内部が加熱されるようになっている。本実施形態では、ハロゲンランプを1本内蔵しているが、これに限らず、例えば、紙サイズに応じて最適な温度分布を形成できるように、発熱量が異なるランプを2本内蔵し、小サイズ用と大サイズ用で使い分けてもよい。また、本実施形態では、定着ローラ60の長手方向中央部にサーミスタ65が接触するように配置しているが、これに限らず、定着ローラ60の長手方向端部(非通紙領域)に設置してもよい。また、ハロゲンランプを2本設置するなどして中央部と端部で発熱量が異なる場合等には、中央部と端部の両方に設置してもよい。
加圧ローラ70は、図1に示すH方向に回転するローラであり、金属製の中空円筒形状の芯金71、この芯金71の外周面を覆う弾性層72、弾性層72を覆って形成される離型層73、から構成される。
芯金71は、外径46mmであって、アルミニウムからなるものである。ただし、芯金71の素材は、アルミニウムに限定されるものではなく、鉄やステンレスからなるものであってもよい。弾性層72は、厚さ2mmであって、耐熱性を有するシリコンゴムからなる。離型層73は、厚み約30μmのPFAチューブからなる。なお、離型層73の材料としては、耐熱性、耐久性に優れ、トナーとの離型性が優れるものであればよく、PFAの他、PTFE等のフッ素系材料を使用してもよい。こうして構成された加圧ローラ70の外径は50mmであって、加圧ローラ70の表面硬度は75度(アスカーC硬度)である。
そして、加圧ローラ70は、図示していない弾性部材(バネ)によって、定着ローラ60に圧接される。これにより、定着ローラ60周面と加圧ローラ70周面との間に定着ニップ部Nが形成される。なお、本実施形態では、加圧ローラ70は定着ローラ60に従動回転する構成としているが、これに限らず、定着ローラ60とは異なる回転駆動手段によって回転駆動される構成であってもよい。
また、加圧ローラ70の周面には当該周面の温度を検出するサーミスタ75が接触しており、芯金71の内部には、電力供給によって熱輻射を行うハロゲンランプ74が設置されている。ハロゲンランプ74は加圧ローラ70の熱源であり、ハロゲンランプ74に電力供給が行われると加圧ローラ70内部が加熱されるようになっている。
なお、本実施形態では、定着ローラ60のゴム硬度(68度)より加圧ローラ70のゴム硬度(75度)を高くしているが、これは、加圧ローラ70と定着ローラ60との間に形成される定着ニップ部Nを逆ニップ形状(加圧ローラ70の形状は殆ど変わらず定着ローラ60が若干凹む形態)にするためである。このようにして得られた定着ニップ部Nのニップ幅は8.5mmであった。
ここで、加圧ローラ70と定着ローラ60との間の定着ニップ部Nを逆ニップ形状にしている理由を説明する。定着ニップ部Nが逆ニップ形状である場合、定着ニップ部Nを通過した用紙Pは、加圧ローラ70周面に沿った方向に排出されるため、用紙Pが定着ニップ部Nから排出される際に自己剥離(剥離爪などの強制剥離補助手段を必要とせず紙のこしで剥離)し易くなるからである。
なお、定着ローラ60の表面硬度より加圧ローラ70の表面硬度が低いと、定着ローラ60と加圧ローラ70との間の定着ニップ部Nは、定着ローラ60の形状が殆ど変わらず加圧ローラ70が若干凹む形態になり、定着ニップ部Nを通過した用紙Pは定着ローラ60周面に沿った方向に排出されるため、自己剥離が生じにくい。
外部加熱装置80は、第1支持ローラ81、第2支持ローラ82、無端ベルト(外部加熱ベルト)83から構成されている。無端ベルト83は、裏面側が各支持ローラ81・82の周面に当接するように各支持ローラ81・82に張架されている。そして、無端ベルト83が定着ローラ60の回転に伴って従動回転(循環移動)し、各支持ローラ81・82は、定着ローラ60の回転方向と逆方向(図1のK方向)に回転するようになっている。つまり、制御装置90が定着ローラ60の回転駆動手段を制御して定着ローラ60を回転駆動させると、無端ベルト83と定着ローラ60とが接している部分での摩擦力によって無端ベルト83が定着ローラ60に従動して移動し、支持ローラ81・82および無端ベルト83が回転するようになっている。
無端ベルト83は、厚み90μmのポリイミドからなる基材の上に、厚み10μmのPTFEからなる離型層が形成されてなるベルト部材である。なお、無端ベルト83の内径は30mmである。ただし、無端ベルト83の構成は、これに限定されるものではなく、ニッケル、ステンレス、鉄などの金属製のベルト部材を用いてもよい。また、無端ベルト83の内径も30mmに限定されるものではない。なお、無端ベルト83の離型層の材料としては、耐熱性、耐久性に優れ、トナーとの離型性に優れていればよく、PTFEの代わりにPFA等のフッ素系材料を使用してもよい。
各支持ローラ81・82は、外径15mm、肉厚1mmのアルミニウム製の芯金から構成されるローラである。なお、必要に応じて(例えば、無端ベルト83の裏面と支持ローラ81・82周面との摩擦力を低減させ、蛇行による寄り力を低減させたい場合)、支持ローラ81・82を、芯金の上に離型層を設けた構成としてもよい。この離型層の材料としては、耐熱性、耐久性に優れ、トナーとの離型性に優れていればよく、例えば、PFAやPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素系材料を使用することができる。
また、各支持ローラ81・82は、図示しない弾性部材(バネ)によって、無端ベルト83を介して定着ローラ60の周面に押圧される。これにより、無端ベルト83表面は定着ローラ60周面に接触し、無端ベルト83表面と定着ローラ60周面との間にニップ部が形成される。なお、無端ベルト83表面と定着ローラ60周面との間のニップ幅は20mm(定着ローラ60周方向に沿った幅)である。
また、支持ローラ81・82の両端には、すべり軸受を使用している。すべり軸受の材質は特に限定されるものではなく、耐熱性、耐摩耗性、低摩擦性のものであればよい。なお、本実施形態では、小径の支持ローラ81・82を用い、軸間距離を短くすることによって省スペース化を図るためにすべり軸受を用いたが、これに限るものではなく、例えばスペースの制約等がない場合にはボールベアリングを使用してもよい。
無端ベルト83における第1支持ローラ81との接触部の外面には、この無端ベルト83の表面温度を検出するサーミスタ(第1温度センサ)85が接触している。また、第1支持ローラ81内部には、電力供給によって発熱するハロゲンランプ(第1熱源装置)86が設けられている。ハロゲンランプ86は無端ベルト83の熱源であり、ハロゲンランプ86に電力供給が行われると、ハロゲンランプ86から熱が輻射され、支持ローラ81を介して無端ベルト83が加熱される。そして、無端ベルト83は、定着ローラ60の外部から定着ローラ60周面に接触しているため、この接触箇所を介して定着ローラ60周面を加熱することができる。本実施形態では、上記のような2本の薄肉小径の支持ローラ81・82と薄膜の無端ベルト83とを用いているため、無端ベルト83の温度を早く昇温させることができる。
なお、本実施形態では、支持ローラ81・82の形状および熱源を同一にしているので、無端ベルト83の表面温度を制御するための温度検知素子(サーミスタ)を1つにしているが、これに限るものではない。例えば、支持ローラ81・82の形状を異ならせたり、支持ローラ81・82の両方に熱源を備えたりしてもよく、その場合には、支持ローラ81・82の温度をそれぞれ検出して制御できるように、サーミスタを複数設置してもよい。
また、本実施形態において、無端ベルト83は、2本の支持ローラにかけられているが、必要に応じて別途テンションローラを設けて3本以上のローラにかけられる構成であってもよい(例えば、定着ローラ60と無端ベルト83との間のニップ幅を広く確保する場合、2本の支持ローラだけで無端ベルトを架橋するのには限界がある)。
制御装置90は、サーミスタ65・75・85、ハロゲンランプ64・74・86、回転駆動装置91に接続され、無端ベルト83の表面の温度と、定着ローラ60の周面の温度と、加圧ローラ70の周面の温度と、定着ローラ60の回転駆動とを制御する制御用集積回路基板である。なお、ハロゲンランプ64・74・86には、図示しない電源(電力供給手段)から加熱用の電力が供給されるようになっており、制御装置90が、サーミスタ65・75・85の温度検出結果等に基づいて、この加熱用の電力の各ハロゲンランプに対する配分を切り替えることで、各ハロゲンランプの発熱量が制御され、無端ベルト83、定着ローラ60、加圧ローラ70の温度が制御されるようになっている。
次に、定着装置40のウォームアップ時における制御装置90の処理について、図3および図4を参照しながら説明する。図3はウォームアップ時における制御装置90の処理の流れを示すフロー図であり、図4はウォームアップ時における無端ベルト83,定着ローラ60,加圧ローラ70の表面温度の変化を示すグラフである。
なお、本実施形態では、室温(25℃)状態かつ定着ローラ60の回転が停止した状態からウォームアップ動作を開始し、無端ベルト83,定着ローラ60,加圧ローラ70の表面温度がそれぞれ所定のウォームアップ完了温度に達するまでウォームアップ動作を行った。また、無端ベルト83のウォームアップ完了温度(第2目標温度T2)を205℃、定着ローラ60のウォームアップ完了温度(第3目標温度T3)を180℃、加圧ローラ70のウォームアップ完了温度(第4目標温度T4)を150℃とした。
定着装置40のウォームアップを行う際、制御装置90は、まず、外部加熱装置80の第1支持ローラ81に備えられたハロゲンランプ86に電力を供給し、外部加熱装置80における加熱動作を開始させる(S1)。この際、制御装置90は、定着装置40において無端ベルト83,定着ローラ60,加圧ローラ70(ハロゲンランプ64,74、86)の加熱のために用いることのできる加熱用電力を全てハロゲンランプ86に投入する。
次に、制御装置90は、無端ベルト83の表面温度、すなわちサーミスタ85の検出温度が第1目標温度T1に到達したかどうかを判断する(S2)。ここで、第1目標温度T1は、回転停止状態で長時間放置した際に無端ベルト83についた型が取り除かれる程度に無端ベルト83が加熱されて柔らかくなる温度に設定される。本実施形態では、第1目標温度T1を180℃とした。なお、上述したように、外部加熱装置80は、熱容量が小さいので、図4に示すように、ウォームアップ動作を開始してから第1目標温度T1に到達するまでの時間t1は非常に短い。
S2においてサーミスタ85の検出温度が第1目標温度T1に到達していないと判断した場合、制御装置90は、ハロゲンランプ86への電力供給を継続し、サーミスタ85の検出温度が第1目標温度T1に到達することを引き続き監視する。
一方、S2においてサーミスタ85の検出温度が第1目標温度T1に到達したと判断した場合、制御装置90は、回転駆動装置91を制御し、定着ローラ60の回転を開始させる(S3)。これにより、定着ローラ60および外部加熱装置80の回転が開始する。なお、定着ローラ60の回転が開始すると、図4に示すように、無端ベルト83の表面温度は一旦低下し、その後上昇する。
その後、制御装置90は、サーミスタ85の検出温度が第2目標温度T2に到達することを監視する(S4)。
そして、サーミスタ85の検出温度が第2目標温度T2に到達すると、それまで外部加熱装置80のハロゲンランプ86のみに供給していた加熱用電力を、ハロゲンランプ86と定着ローラ60のハロゲンランプ64とに配分する(S5)。より具体的には、制御装置90は、サーミスタ85の検出温度が第2目標温度T2に到達すると、ハロゲンランプ86への供給電力を無端ベルト83の表面温度を第2目標温度T2に維持するための電力に制御し、残りの加熱用電力をハロゲンランプ64に配分する。あるいは、サーミスタ85がT2以上の時、ハロゲンランプ64にのみ電力を投入するようにしてもよい。なお、図4に示すように、この時点までに、定着ローラ60の表面温度は無端ベルト83からの伝熱によりある程度(図4では約160℃)まで上昇している。
次に、制御装置90は、定着ローラ60の周面の温度、すなわちサーミスタ65の検出温度が第3目標温度T3に到達したかどうかを判断する(S6)。そして、サーミスタ65の検出温度が第3目標温度T3に到達していないと判断した場合、制御装置90は、ハロゲンランプ64・86への電力供給を継続し、サーミスタ85の検出温度が第3目標温度T3に到達することを引き続き監視する。
一方、S6においてサーミスタ65の検出温度が第3目標温度T3に到達したと判断した場合、制御装置90は、それまでハロゲンランプ64・86に供給していた加熱用電力を、ハロゲンランプ86とハロゲンランプ64と加圧ローラ70のハロゲンランプ74とに配分する(S7)。より具体的には、制御装置90は、サーミスタ65の検出温度が第3目標温度T3に到達すると、ハロゲンランプ86への供給電力を無端ベルト83の表面温度を第2目標温度T2に維持するための電力に制御し、ハロゲンランプ64への供給電力を定着ローラ60の表面温度を第3目標温度T3に維持するための電力に制御し、残りの加熱用電力をハロゲンランプ74に配分する。あるいは、サーミスタ65がT3以上の時であって、かつ、サーミスタ85がT2以上の時、ハロゲンランプ74にのみ電力を投入するようにしてもよい。なお、図4に示すように、この時点までに、加圧ローラ70の表面温度は定着ローラ60からの伝熱によりある程度(図4では約130℃)まで上昇している。
その後、制御装置90は、加圧ローラ70の周面の温度、すなわちサーミスタ75の検出温度が第4目標温度T4に到達したかどうかを判断する(S8)。そして、サーミスタ75の検出温度が第4目標温度T4に到達していないと判断した場合、制御装置90は、ハロゲンランプ64・74・86への電力供給を継続し、サーミスタ75の検出温度が第4目標温度T4に到達することを引き続き監視する。
一方、S8においてサーミスタ75の検出温度が第4目標温度T4に到達したと判断した場合、制御装置90は、ウォームアップ動作を終了する。これにより、定着装置40は、定着処理を実行できる状態になる。
以上のように、本実施形態にかかる定着装置40では、ウォームアップ動作を開始する際、制御装置90が、外部加熱装置80の無端ベルト83を、無端ベルト83が軟化する温度である第1目標温度T1、まで加熱させてから無端ベルト83の回転を開始させる。これにより、回転停止時に無端ベルト83についた型による回転不良を防止できる。
また、本実施形態では、無端ベルト83の表面温度が第2目標温度に到達し、その後、定着ローラ60の周面の温度が第3目標温度に到達し、その後、加圧ローラ70の周面の温度が第4目標温度に到達するように、制御装置90が各ハロゲンランプへの電力供給量を制御する。より具体的には、ウォームアップ動作を開始してから無端ベルト83の表面温度が第2目標温度T2に到達するまでは、定着装置40において加熱のために用いることのできる電力を全て無端ベルト83のハロゲンランプ86に供給する(定着装置40における加熱用電力を第1優先でハロゲンランプ86に供給する)。そして、無端ベルト83の表面温度が第2目標温度T2に到達すると、加熱用電力を無端ベルト83のハロゲンランプ86と定着ローラ60のハロゲンランプ64とに供給する。さらに、定着ローラ60の周面の温度が第3目標温度T3に到達すると、加熱用電力を無端ベルト83のハロゲンランプ86と定着ローラ60のハロゲンランプ64と加圧ローラ70のハロゲンランプ74とに供給する。つまり、加熱用電力を配分する優先順位を外部加熱装置80、定着ローラ60、加圧ローラ70の順に設定する。
これにより、ウォームアップ動作の開始から無端ベルト83の表面温度が第1目標温度に到達するまでの時間を短くし、ウォームアップ時間を短縮することができる。また、定着ローラの表面を効率的に昇温させることができる。
なお、上記の第1目標温度T1は、無端ベルト83が軟化する温度に設定すればよく、無端ベルト83の熱特性に応じて適宜設定すればよいが、無端ベルト83が加熱によって軟化して柔軟性を取り戻し、回転停止状態で長時間放置した際に無端ベルト83についた型による回転不良を生じることなく回転できる温度に設定することが好ましい。また、第1目標温度を、トナーが溶融する温度(例えばトナーの4mm降下温度以上の温度)に設定することがより好ましい。ここで、トナーの4mm降下温度とは、トナー粉末を熱溶融特性測定装置(例えばフローテスター(株式会社島津製作所製CFT−500))にセットし、ダイ孔径:径1mm高さ1mm、荷重20kgf/cm、6℃/分、試料の重量1gで等速昇温させて測定したときに、トナーの溶融が始まり、トナーに荷重をかけるピストンが4mm降下したときの温度である。なお、本実施形態で用いたトナーの4mm降下温度は120℃であった。
このように、第1目標温度T1を、トナーが溶融する温度に設定することにより、トナーを溶融させてから定着ローラ60の回転を開始させることができ、無端ベルト83の表面に固着したトナーによって定着ローラ60および無端ベルト83の表面が摩擦により傷をつけられることを防止できる。
また、無端ベルト83の内径周長(回転方向に沿った内周面の周長;ベルトの実効長)L5は、各支持ローラに張架したときに無端ベルト83の内面と各支持ローラの表面とが接触する周長L1と、無端ベルト83の張架方向に沿って隣接する各支持ローラの軸間距離の和L2と、無端ベルト83と定着ローラ60とが接触しているニップ部の長さL3との合計をL4(L4=L1+L2+L3)としたときに、L4とL5の関係が、0.1mm≦L5−L4<3mmであることが好ましい。
この理由について以下に説明する。無端ベルト83を各支持ローラ81・82に巻き架けるのに最低限必要な周長L4は、図5に示すように、無端ベルト83を巻き架けたときに各支持ローラ81・82の表面と無端ベルト83の内周面とが接触している部分の周長L1と、各支持ローラ81・82の軸間距離(無端ベルト83の張架方向に沿って隣接する各支持ローラの軸間距離の和)L2と、無端ベルト83の表面が定着ローラ60の表面と接触している部分(ニップ部)の周長L3とから成り立っている。すなわち、無端ベルト83を巻き架けるのに最低限必要な周長L4は、L4=L1+L2+L3で表される。
上記の周長L4と回転開始温度(第1目標温度T1)とを変化させてウォームアップ動作を行った時の、無端ベルト83の回転不良の発生状況を実験により調査した。この実験では、無端ベルト83として内径周長30mmのものを用い、2本の支持ローラ81・82の軸間距離を変えて周長L4を変更した。また、それぞれの周長L4について、回転開始温度を変化させてウォームアップ動作を行い、回転不良の有無を調査した。具体的には、L5−L4=0mm、L5−L4=0.1mm、L5−L4=1mm、L5−L4=2mm、L5−L4=3mmの場合について、回転開始温度を80℃、120℃、180℃に設定してウォームアップ動作を行った場合の回転状態をそれぞれ調べた。表1に、この実験結果を示す。
Figure 0004444223
この表に示すように、回転開始温度80℃の場合には、L5−L4の値にかかわらず回転不良が生じた。つまり、回転開始温度80℃では、回転停止時に無端ベルト83についた型を取り除くことができず、回転不良が発生した。
また、L5−L4=0mmの場合、回転開始温度に関わらず回転不良が生じた。つまり、L5−L4=0mmの場合には回転停止時に無端ベルト83に作用するテンション(張力)が大きいため、無端ベルト83に強固な型がつき、120℃、180℃に加熱しても無端ベルト83についた型を取りきれずに回転不良が生じた。
また、L5−L4=0.1mmの場合、回転開始温度120℃では回転不良が生じたものの、回転開始温度180℃では回転不良は生じなかった。つまり、L5−L4=0.1mmの場合、回転停止時に無端ベルト83に作用するテンションが比較的大きいため、無端ベルト83に比較的強固な型がつき、120℃に加熱しても無端ベルト83についた型を取りきれずに回転不良が生じた。ただし、回転開始温度を180℃にすることで、無端ベルト83についた型を取り除いてから回転開始させることができ、回転不良を防止できた。
また、1mm≦L5−L4≦2mmの場合には、回転開始温度を120℃にすることで回転不良が生じず、適切に回転させることができた。
また、L5−L4=3mmの場合には、回転開始温度を120℃以上とすることで、回転開始直後には回転不良は生じなかった。つまり、回転停止時に無端ベルト83についた型を取り除いてから回転開始させることができ、上記の型による回転不良は生じなかった。ただし、回転を継続するうちに無端ベルト83の蛇行が発生し、無端ベルト83の端部が割れる不具合が生じた。
これらの結果から、回転停止時に無端ベルト83に作用するテンションが大きすぎると、無端ベルト83に強固な型がついてしまい、回転開始前に無端ベルト83を加熱してもこの型を取り除くことができなくなって回転不良が生じることがわかる。したがって、L5−L4の値を、回転停止時に無端ベルト83に生じる型が加熱によって除去できる程度になるようなテンションを生じさせる値(本実施形態では0.1mm≦L5−L4)に設定することが好ましい。
また、無端ベルト83に作用するテンションが弱すぎると、ベルトの蛇行が生じる。このため、L5−L4の値を、ベルトの蛇行が生じない程度のテンションを生じさせる値(本実施形態ではL5−L4≦2mm)に設定することが好ましい。
また、本実施形態では、無端ベルト83の表面温度を検出する温度検出手段として、無端ベルト83に接触するように配置されるサーミスタ85を用いているが、これに限るものではない。例えば、サーミスタ85に代えて、非接触型の温度検出手段を用いてもよい。また、サーミスタ85と非接触型のサーミスタとを併用してもよい。この場合、例えば、非接触型のサーミスタは通常時の温度制御には用いず、この非接触型の温度検出手段が異常温度を検出した時に各ハロゲンランプへの電力供給を機械的に切断させる手段(例えばサーモスタット)として用いてもよい。
図6は、非接触型の温度検出手段(第2温度検出手段)85aを用いる場合の定着装置40の構成例を示す説明図である。この図に示す例では、温度検出手段85aは、無端ベルト83における各支持ローラ81・82に接触していない部分に対向するように、無端ベルト83の近傍に(無端ベルト83との間隔がa(mm)となるように)配置されている。本実施形態では、上記の間隔aを2mmとしている。なお、温度検出手段85aは無端ベルト83の表面温度を検出することができる非接触型の温度検出手段であればよく、特に限定されるものではないが、例えばサーモスタット、温度ヒューズ、サーミスタ等を用いることができる。
なお、無端ベルト83を支持ローラ81・82に懸架して非回転状態で長時間放置すると、図6に示した領域Aにおいて、支持ローラ82の形状に応じた型がつく(支持ローラ81との接触領域でも同様に型がつく)。そして、このような型がついた状態で無端ベルト83を十分に加熱せずに回転開始させると、図7に示すように領域Aが支持ローラ81・82との間(各支持ローラとの被接触部)に移動した時、無端ベルト83に上記の型が残っているため、無端ベルト83の領域Aは本来の位置より浮いた状態で回転する。
この時の温度検出手段85aとの対向部における無端ベルト83の浮き量(ふれ量)、すなわち型が着いていないときの温度検出手段85aとの対向部の位置と、型がついた状態における温度検出手段85aとの対向部の位置との間隔をb(mm)とすると、b≧aの場合には無端ベルト83が温度検出手段85aに接触してしまうことになる。
無端ベルト83が温度検出手段85aと接触すると、温度検出手段85aが無端ベルト83の表面温度を誤検知してしまう等の不具合が生じ、制御装置90が誤った制御温度で制御してしまうことになる。また、温度検出手段85aが破損してしまったり(例えば温度検出手段85aとして用いるサーモスタット(温度ヒューズ)が切れる等)、無端ベルト83の表面に傷がついてしまったりする不具合が生じる。
このため、図6のように非接触型の温度検出手段を無端ベルト83における各支持ローラ81・82に接触していない部分に対向するように配置する場合、第1目標温度T1を、回転停止時に無端ベルト83についた型によって回転時に生じるベルトの触れ量bがb<aになる温度に設定することが好ましい。これにより、回転停止時に無端ベルト83についた型によって開店開始時に無端ベルト83が温度検出手段85aに接触することを防止できる。
また、本実施形態にかかる定着装置40において、制御装置90が、無端ベルト83の回転不良が発生した場合に外部加熱装置80の過昇温を防止するための制御を行うようにしてもよい。
図4に示したように、無端ベルト83の表面に設置したサーミスタ85の検出温度の推移をみると、回転不良が生じていない場合、回転動作の開始と同時に温度低下し始め、その後昇温し始める。図8は、図4における回転動作開始前後の温度推移を拡大したものである。なお、図8では回転動作を開始する時刻を0秒として示している。これらの図に示すように、回転開始温度180℃(第1目標温度T1)に到達後、回転動作を開始するのと同時に、温度低下が起こる。
一方、図9は、無端ベルト83の回転不良が生じた場合の無端ベルト83および定着ローラ60の表面温度の変化を示すグラフである。この図に示すように、無端ベルト83の回転動作時に回転不良が起こると、外部加熱装置80に設置したサーミスタ85の検出温度が第1目標温度T1(180℃)に到達した時間t1に回転動作を開始させても、サーミスタ85の検出温度が低下せずに昇温し続ける。この場合、さらに温調温度205℃(第2目標温度T2)に到達する時間t2で始めて温度コントロールがかかり(時間t2で加熱用電力がハロゲンランプ64・86に配分され)、外部加熱装置80への熱供給が制御される。しかし、その後オーバーシュートが起こり、無端ベルト83の表面温度は220℃まで上昇してしまう。
そこで、万一無端ベルト83の回転不良が生じた場合であっても、このようなオーバーシュートによる無端ベルト83および支持ローラ81の過昇温を防止するために、回転動作開始後の所定時間、制御装置90が外部加熱装置80(無端ベルト83)の温度推移をモニターし、所定時間後までに温度低下が生じない場合、ハロゲンランプ86への電力供給を遮断する。図10は、ウォームアップ時このような制御を行う場合の処理の流れを示すフロー図である。
定着装置40のウォームアップを行う際、制御装置90は、まず、図3に示したS1〜S3の処理を行う。そして、S3において定着ローラ60の回転を開始させた後、制御装置90は、外部加熱装置80のサーミスタ85の検出温度を監視し、無端ベルト83の表面温度の低下が生じたかどうかを判断する(S3a)。ここで、無端ベルト83の表面温度の低下が生じたと判断した場合、制御装置90は、図3に示したS4以降の処理を行ってウォームアップを完了させる。
一方、S3aにおいて無端ベルト83の表面温度の低下が生じていないと判断した場合、制御装置90は、定着ローラ60の回転を開始させてからの経過時間が予め定められた所定時間(微小時間)taに達したかどうかを判断する(S3b)。なお、経過時間を計時するためのタイマ(計時手段)は、制御装置90に備えられていてもよく、制御装置90とは別に備えられていてもよい。また、所定時間taは、回転不良が生じた場合に、無端ベルト83,定着ローラ60のコート層の破損や、支持ローラ81の歪みなどの不具合不具合を生じさせるような過昇温が生じる前にハロゲンランプ86への電力供給を遮断できるように適宜設定すればよい。ここではta=0.5秒とする。
そして、所定時間taが経過していないと判断した場合、制御装置90は、引き続きS3aの処理を行い、無端ベルト83の表面温度の低下が生じることを監視する。
一方、S3bにおいて所定時間taが経過したと判断した場合、制御装置90は、回転不良が生じているものと判断し、ハロゲンランプ86への電力供給を停止させ(S3c)、ウォームアップ動作を中止して処理を終了する。
図11は、上記のように回転開始から0.5秒後までに温度低下が生じない場合にハロゲンランプ86への電力供給を遮断するように制御する場合であって、無端ベルト83の回転不良が生じた場合の、無端ベルト83の表面温度の推移を示すグラフである。この図に示すように、回転開始から0.5秒経過後に電力供給を遮断することで、無端ベルト83の到達温度を195℃以下に抑えることができる。
このように、回転動作開始後の所定時間、外部加熱装置80の温度推移をモニターすることで、無端ベルト83の回転不良の有無を判別できる。そして、回転動作開始後の外部加熱装置80の温度推移を所定時間taモニターし、温度が低下した場合には正常に回転しているものと判断して加熱を継続し、温度が上昇し続ける場合には回転不良が生じていると判断してハロゲンランプ86への電力供給を停止することで、外部加熱装置80の過昇温を防止できる。これにより、過昇温による無端ベルト83または定着ローラ60のコート層の破損や、支持ローラ81の歪みなどの不具合を防止することができる。
また、本実施形態にかかる定着装置40において、外部加熱装置80を定着装置40に対して離接状態と当接状態とに切り替える離接機構を設けてもよい。図12(a)および図12(b)は、このような離接機構を設ける場合の構成例を示す説明図であり、外部加熱装置80を定着ローラ60に当接させた状態および離接(離間)させた状態をそれぞれ示している。なお、図12(a)および図12(b)においては、離接機構以外の構成については上記図1の構成と同様であるので記載を一部省略している。
この図に示す外部加熱装置80は、側板101、アーム102、偏心カム103、支点104、支点105、バネ106を備えている。側板101は、支持ローラ81・82の両端側にそれぞれ設けられており、図示しない軸受等を介して支持ローラ81・82を回転可能に支持するものである。また、この側板101は、アーム102に対して支点104で支持ローラ81・82の軸方向に垂直な方向に対して回転可能に軸支されている。
アーム102の一端は、図示しない定着装置40のフレームと支点105で回転可能に支持されており、支点105を中心としてバネ106によって定着ローラ60に接する方向に付勢されている。
偏心カム103は、アーム102の他端に当接するように備えられている。この偏心カム103は、図示しないモータ等の駆動手段によって回転駆動される。なお、この駆動手段の動作は制御装置90によって制御される。これにより、制御装置90が上記駆動手段を制御して偏心カム103を回転させ、アーム102を定着ローラ60から離れる方向へ移動させたり(図12(a)参照)、当接する方向へ移動させたりできるようになっている(図12(b)参照)。そして、アーム102の動きに連動して無端ベルト83を定着ローラ60へ圧接させたり押圧を解除して離間させたりできるようになっている。
なお、上記の説明では、離間時に、外部加熱装置(無端ベルト83)が定着ローラ60から離れる方向へ移動した状態になった時、無端ベルト83と定着ローラ60とが接触しない(無端ベルト83と定着ローラ60との接触部である加熱ニップが形成されない)ものとしたが、これに限らず、無端ベルト83と定着ローラ60とがわずかに接触していてもよい。例えば、スペース上、外部加熱装置80を離間させる移動距離を小さくする場合などには、離間時に無端ベルト83と定着ローラ60とがわずかに接していてもかまわない。
なお、定着ローラ60が回転開始した後に無端ベルト83を当接させる動作を行うと、従動回転が適切に行われる所定の押圧力で当接させるまでの間(無端ベルト83が適切な従動回転のために必要な押圧力未満で定着ローラ60に接触する間)は、無端ベルト83と定着ローラ60との間で摺動し、その影響で、定着ローラ60および無端ベルト83の表面を傷つける場合がある。また、無端ベルト83と定着ローラ60とが適切な押圧力で圧接していない状態では、無端ベルト83に荷重(テンション)が充分かかっていない状態なので、無端ベルト83における支持ローラ81・82の軸方向の圧力バランスが不安定(軸方向に不均一)になり、その不均一な状態で無端ベルト83と定着ローラ60とが接触すると、無端ベルト83が蛇行してしまう。
したがって、外部加熱装置80に離接機構を設ける場合、制御装置90は、定着ローラ60の回転を開始させる前に、無端ベルト83を定着ローラ60に当接させることが好ましい。これにより、回転開始時の起動トルクで無端ベルト83の回転を行わせ、無端ベルト83と定着ローラ60とのスリップおよび無端ベルト83の蛇行を防止できる。
また、上記各実施形態では、制御装置90は制御用集積回路基板から構成されているものとしたが、これに限らず、CPU等のプロセッサを用いてソフトウェアによって実現するものであってもよい。この場合、例えば、制御装置90は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などから構成される。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである制御装置90の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記制御装置90に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによって達成される。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、制御装置を通信ネットワークと接続可能に構成し、通信ネットワークを介して上記プログラムコードを供給してもよい。この通信ネットワークは、特に限定されるものではなく、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体は、特に限定されるものではなく、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号(データ信号列)の形態でも実現され得る。
また、本実施形態では、ローラ形状の定着部材(定着ローラ60)および加圧部材(加圧ローラ70)を用いているが、これに限るものではなく、ベルト状あるいはパッド状のものを用いてもよい。
また、本実施形態では、定着ローラ60の内部および加圧ローラ70の内部にハロゲンランプをそれぞれ備えているが、これに限るものではない。例えば、加圧ローラ70にはハロゲンランプを設けない構成としてもよい。また、定着ローラ60および加圧ローラ70にハロゲンランプを設けない構成としてもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、上述した実施形態において開示された各技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、例えば、プリンタ、複写機、ファクシミリ、MFP(Multi Function Printer)等の電子写真方式の画像形成装置に備えられる定着装置に適用可能である。
本発明の一実施形態に係る定着装置の概略構成を示す模式図である。 図1に示した定着装置が備えられる画像形成装置の内部構造を示した模式図である。 本発明の一実施形態にかかる定着装置におけるウォームアップ時の処理の流れを示すフロー図である。 本発明の一実施形態にかかる定着装置における、ウォームアップ時の無端ベルト、定着ローラ、加圧ローラの表面温度の変化を示すグラフである。 本発明の一実施形態にかかる定着装置における、無端ベルトを支持ローラ81・82に巻き架けるために最低限必要な無端ベルトの周長L4を示す説明図である。 本発明の一実施形態にかかる定着装置において、無端ベルトの表面温度を検出するために非接触型の温度検出手段を用いる場合の構成例を示す説明図である。 回転停止時に無端ベルトについた型が除去される前に回転を開始させた場合に生じる無端ベルトの触れを示す説明図である。 図4に示したグラフにおける、回転動作開始前後の温度推移を拡大したグラフである。 無端ベルトの回転不良が生じた場合の無端ベルトおよび定着ローラの表面温度の変化を示すグラフである。 本発明の一実施形態にかかる定着装置において、回転不良を検出したときに外部加熱装置の加熱を停止させる制御を行う場合の処理の流れを示すフロー図である。 回転不良が生じたときに、図10の制御を行った場合の無端ベルトの温度変化を示すグラフである。 本発明の一実施形態にかかる定着装置において、外部加熱装置を定着ローラから離間/当接させる離接機構を設けた場合の構成例を示す説明図であり、(a)は当接させた状態、(b)は離間させた状態を示している。
符号の説明
1 画像形成装置
40 定着装置
60 定着ローラ(定着部材)
64 ハロゲンランプ(第2加熱手段)
65 サーミスタ(第2温度検出手段)
70 加圧ローラ(加圧部材)
74 ハロゲンランプ(第3加熱手段)
75 サーミスタ(第3温度検出手段)
80 外部加熱装置
81 第1支持ローラ(支持ローラ)
82 第2支持ローラ(支持ローラ)
83 無端ベルト(ベルト)
85 サーミスタ(第1温度検出手段)
85a 温度検出手段(第1温度検出手段、第2温度検出手段、非接触型の温度検出手段)
86 ハロゲンランプ(第1加熱手段)
90 制御装置(制御手段)
91 回転駆動装置(回転駆動手段)
101 側板(離接手段)
102 アーム(離接手段)
103 偏心カム(離接手段)
104 支点(離接手段)
105 支点(離接手段)
106 バネ(離接手段)

Claims (13)

  1. 定着部材と、加圧部材と、複数の支持ローラに張架されたベルトを第1加熱手段によって加熱して上記定着部材の周面に当接させることで上記定着部材を加熱するとともに上記ベルトを上記定着部材に従動回転させる外部加熱装置とを備え、上記定着部材と上記加圧部材とが記録材を挟持しながら搬送することにより、上記記録材上の未定着画像を上記定着部材の周面の熱によって当該記録材に定着させる定着装置において、
    上記ベルトの表面温度を検出する第1温度検出手段と、
    上記定着部材を回転駆動する回転駆動手段と、
    上記ベルトにおける上記支持ローラに接触していない部分に対向する位置に上記ベルトに対して非接触に配置された非接触型の第2温度検出手段と、
    上記定着部材の回転を開始させる際、上記第1加熱手段によって上記ベルトを加熱させ、上記第1温度検出手段の検出した上記ベルトの表面温度が、上記ベルトが軟化する温度に設定される第1目標温度に到達してから、上記回転駆動手段によって上記定着部材の回転を開始させる制御手段とを備えており、
    上記第1加熱手段は、電力が供給されることによって熱を放射するものであり、
    上記第2温度検出手段は、上記ベルトが異常温度になったときに上記第1加熱手段への電力供給を遮断して上記第1加熱手段による上記ベルトの加熱を停止させるためのものであり、
    上記制御手段は、
    上記第1目標温度を、上記ベルトが軟化して柔軟性を取り戻し、上記ベルトの回転を開始させたときに上記第2温度検出手段と接触しない状態になる温度に設定することを特徴とする定着装置。
  2. 上記制御手段は、
    上記第1目標温度を、上記ベルトが軟化して柔軟性を取り戻し、上記ベルトの回転を開始させたときに上記第2温度検出手段と接触しない状態になり、かつ上記未定着画像を構成するトナーが溶融する温度に設定することを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  3. 上記ベルトを上記定着部材から離間させる離接手段を備え、
    上記制御手段は、
    上記離接手段によって上記ベルトを上記定着部材に当接させてから上記定着部材の回転を開始させることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  4. ベルトを上記複数の支持ローラに張架することのできる理論上の最短内径周長をL4、上記ベルトを上記複数の支持ローラに張架した時の実際の内径周長をL5としたときに、0.1mm≦L5−L4≦2mmの関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  5. 上記定着部材を加熱する第2加熱手段をさらに備え、上記第1加熱手段および第2加熱手段は、電力供給手段から供給される電力に応じて発熱するものであり、
    上記制御手段は、
    上記ベルトの表面温度がこのベルトのウォームアップ完了温度である第2目標温度に到達し、その後、上記定着部材の表面温度がこの定着部材のウォームアップ完了温度である第3目標温度に到達するように、上記電力供給手段から上記第1加熱手段および上記第2加熱手段への電力供給を制御することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  6. 上記制御手段は、
    上記ベルトの表面温度が上記第2目標温度に到達するまでは上記電力供給手段から上記第2加熱手段への電力供給を停止して上記第1加熱手段に電力を供給し、
    上記ベルトの表面温度が上記第2目標温度に到達した後、上記電力供給手段から上記第1加熱手段および第2加熱手段に電力を供給するように電力供給を切り替えることを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  7. 上記定着部材を加熱する第2加熱手段と上記加圧部材を加熱する第3加熱手段とをさらに備え、上記第1、第2、および第3加熱手段は、電力供給手段から供給される電力に応じて発熱するものであり、
    上記制御手段は、
    上記ベルトの表面温度がこのベルトのウォームアップ完了温度である第2目標温度に到達し、その後、上記定着部材の表面温度がこの定着部材のウォームアップ完了温度である第3目標温度に到達し、その後、上記加圧部材の表面温度がこの加圧部材のウォームアップ完了温度である第4目標温度に到達するように、上記電力供給手段から上記第1、第2、および第3加熱手段への電力供給を制御することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  8. 上記制御手段は、
    上記ベルトの表面温度が上記第2目標温度に到達するまでは上記第2加熱手段および第3加熱手段への電力供給を停止して上記第1加熱手段に電力を供給し、
    上記ベルトの表面温度が上記第2目標温度に到達した後、上記定着部材の表面温度が上記第3目標温度に到達するまでは、上記電力供給手段から上記第3加熱手段への電力供給を停止して第1加熱手段および第2加熱手段に電力を供給し、
    上記定着部材の表面温度が上記第3目標温度に到達した後、上記電力供給手段から上記第1〜第3加熱手段に電力を供給するように電力供給を切り替えることを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  9. 上記制御手段は、
    上記定着部材の回転を開始させた後、予め設定した所定時間が経過するまで上記第1温度検出手段の検出温度が減少することなく増加し続ける場合、上記第1加熱手段による上記ベルトの加熱を中断することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  10. 請求項1から9の何れか1項に記載の定着装置を備えた画像形成装置。
  11. 定着部材と、加圧部材と、複数の支持ローラに張架されたベルトを第1加熱手段によって加熱して上記定着部材の周面に当接させることで上記定着部材を加熱するとともに上記ベルトを上記定着部材に従動回転させる外部加熱装置とを備え、上記定着部材と上記加圧部材とが記録材を挟持しながら搬送することにより、上記記録材上の未定着画像を上記定着部材の周面の熱によって当該記録材に定着させる定着装置の制御方法であって、
    上記定着装置は、
    上記ベルトの表面温度を検出する第1温度検出手段と、
    上記定着部材を回転駆動する回転駆動手段と、
    上記ベルトにおける上記支持ローラに接触していない部分に対向する位置に上記ベルトに対して非接触に配置された非接触型の第2温度検出手段とを備えており、
    上記第1加熱手段は、電力が供給されることによって熱を放射するものであり、
    上記第2温度検出手段は、上記ベルトが異常温度になったときに上記第1加熱手段への電力供給を遮断して上記第1加熱手段による上記ベルトの加熱を停止させるためのものであり、
    上記第1加熱手段によって上記ベルトを加熱する加熱工程と、
    第1温度検出手段によって上記ベルトの表面温度を検出する第1温度検出工程と、
    第2温度検出手段によって上記ベルトの表面温度を検出する第2温度検出工程と、
    上記第1温度検出工程の検出温度が、上記ベルトが軟化する温度に設定される第1目標温度に到達してから上記定着部材の回転を開始させる回転開始工程とを含み、
    上記第1目標温度を、上記ベルトが軟化して柔軟性を取り戻し、上記ベルトの回転を開始させたときに上記ベルトと上記第2温度検出手段とが接触しない状態になる温度に設定することを特徴とする制御方法。
  12. コンピュータを請求項1から9のいずれか1項に記載の定着装置に備えられる制御手段として機能させるための制御プログラム。
  13. 請求項12に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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