JP4442467B2 - 圧電磁器組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、レゾネータ等に好適な圧電磁器組成物に関し、特に耐熱性、さらに電気特性Qmaxの優れた圧電磁器組成物に関する。
現在実用化されている圧電磁器組成物のほとんどは、室温付近において正方晶系または菱面体晶系のPZT(PbZrO3−PbTiO3固溶体)系やPT(PbTiO3)系などのペロブスカイト構造を有する強誘電体から構成されている。
圧電磁器組成物は電気エネルギと機械エネルギを自由に変換し取り出せる機能を有しており、レゾネータ、フィルタ、アクチュエータ、着火素子あるいは超音波モータなどとして使用されている。例えば、圧電磁器組成物をレゾネータとして使用する場合、電気特性としてのQmax(Qmax=tanθ:θは位相角)が大きいことが要求されている。また、近年では表面実装型部品が広く普及しており、プリント基板に実装される際に、ハンダリフロー炉を通すために耐熱性が高いことも要求されている。そのため、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3やPb(Mn1/3Nb2/3)O3等の第三成分を置換し、あるいは様々な副成分を添加することにより、耐熱性を保証していた(例えば特許文献1(特開2000−103674号公報、特許文献2(特開2003−128462号公報))。
特開2000−103674号公報 特開2003−128462号公報
しかし、これまで提案されている圧電磁器組成物は、優れた耐熱性及び電気特性Qmaxを兼備することができなかった。本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、耐熱性及び電気特性Qmaxの優れた圧電磁器組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、耐熱性の指標として、圧電磁器組成物に対する熱衝撃付与の前後における発振周波数の変化率を用い、耐熱性の向上について検討した。その結果、上記耐熱性と残留分極(Pr)に相関があり、残留分極を所定の範囲に制御することにより、詳しくは後述する|ΔF0|が0.3%以下という極めて優れた耐熱性を備えることができた。そして、このような残留分極は、圧電磁器組成物を構成する主成分の他に加えられる副成分の種類、添加量、さらには主成分の組成によって制御できることを知見した。本発明はこのような新たな知見に基づくものであり、Pbα[(Mn1/3Nb2/3xTiyZrz]O3 …式(1)(式(1)中、0.96≦α≦1.01、0.04≦x≦0.16、0.48≦y≦0.58、0.32≦z≦0.42、x+y+z=1である。なお、式(1)中、α、x、y及びzはそれぞれモル比を表す。)で示される主成分を有する焼結体からなり、150℃における残留分極が23.81〜31.31μC/cm2であることを特徴とする圧電磁器組成物である。
本発明の圧電磁器組成物のように150℃における残留分極が23.81〜31.31μC/cmである焼結体を得るためには、副成分を選択すること、上記式(1)で示される主成分のαを特定することが有効である。焼結体からなる圧電磁器組成物を得る場合、種々の目的に基づいて副成分を添加する。この副成分の種類によって、150℃における残留分極を23.81〜31.31μC/cmとすることができる。具体的には、副成分としてAl、Ta、Cr及びScから選択される少なくとも1種の元素を用いる。この元素は、当該酸化物換算で0.01〜15.0wt%(ただし、Alは0.20〜15.0wt%)の範囲で含有させる。
本発明によれば、電気特性Qmax及び耐熱性の優れた圧電磁器組成物を提供することができる。
<残留分極>
圧電素子は直流高電圧で分極処理を施し、内部の自発分極の向きに方向性を与え、残留分極(Pr)を持たせることにより圧電性を得ている。この残留分極(Pr)と耐熱性、具体的には以下で示す|ΔF0|に相関があることを本発明者等は確認した。
ここで、本発明における耐熱性とは、265℃のハンダ浴に圧電磁器組成物を10秒間浸漬した後に、24時間室温で放置し、ハンダ浴浸漬前と24時間放置後の発振周波数の変化率で特定する。つまり、ハンダ浴浸漬前の圧電磁器組成物の発振周波数をF1、24時間放置後の圧電磁器組成物の発振周波数をF2とすると、耐熱性|ΔF0|は、以下の式(2)で求められる。
|ΔF0|=|F2−F1|/F1×100(%)…(2)
残留分極(Pr)は、分極−電界(P−E)ヒステリシス曲線を測定することにより求めることができる。図1にP−Eヒステリシス曲線は1例を示すが、残留分極(Pr)は印加電解が0のときの分極値である。なお、具体的な残留分極(Pr)の求め方は、後述する実施例の欄に記載する通りである。
種々の圧電磁器組成物について、残留分極(Pr)及び耐熱性|ΔF0|を求めたところ、図2に示すように、残留分極(Pr)と|ΔF0|には相関がある。この相関は、図2中にも示しているが、以下の式(3)で特定することができる。このことは、特に耐熱性が要求される圧電磁器組成物を選定する場合に、残留分極(Pr)によって耐熱性の良否を判断できることを示している。
|ΔF0|=−0.0353×Pr+1.1051…(3)
本発明では、|ΔF0|を0.3%以下に規制するために、上記式(3)に基づいて、圧電磁器組成物の残留分極(Pr)を特定した。すなわち本発明は、残留分極(Pr)を23.81〜31.31μC/cm2の範囲とする。残留分極(Pr)が23.81μC/cm2未満では、上記式(3)より|ΔF0|が0.3%を超えてしまう。また、|ΔF0|が0%とすると、上記式(3)に基づく残留分極(Pr)は31.31μC/cm2となるため、残留分極(Pr)の上限を31.31μC/cm2とした。好ましい残留分極(Pr)は26.0μC/cm2以上、さらに好ましい残留分極(Pr)は29.0μC/cm2以上である。
圧電磁器組成物の残留分極(Pr)を23.81〜31.31μC/cm2の範囲にする手法を本発明は問わないが、以下に示すように、圧電磁器組成物の化学組成を調整することにより、残留分極(Pr)を上記範囲とすることができる。
<化学組成>
本発明による圧電磁器組成物の組成について説明する。
本発明の圧電磁器組成物は、Pb、Zr、Ti、Mn、Nbを主成分とするペロブスカイト化合物を含み、以下の式(1)で示される主成分を有する。ここでいう化学組成は焼結後における組成をいう。
Pbα[(Mn1/3Nb2/3xTiyZrz]O3 …式(1)
式(1)中、0.96≦α≦1.01、
0.04≦x≦0.16、
0.48≦y≦0.58、
0.32≦z≦0.42、
x+y+z=1である。
なお、式(1)中、α、x、y及びzはそれぞれモル比を表す。
次に、式(1)中におけるα、x、y及びzの限定理由を説明する。
Pb量を示すαは、0.96≦α≦1.01の範囲とする。αが0.96未満では、緻密な焼結体を得ることが困難である。一方、αが1.01を超えると、耐熱性が悪くなる。よって、αは、0.96≦α≦1.01の範囲とする。αは、0.97≦α≦1.005とすることが好ましく、0.98≦α≦1.005とすることがより好ましい。
Mn量及びNb量を示すxは、0.04≦x≦0.16の範囲とすることが好ましい。xが0.04未満では、電気特性Qmaxが小さくなる。一方、xが0.16を超えると、良好な耐熱性を得ることができなくなる。よって、xは、0.04≦x≦0.16の範囲とする。xは、0.05≦x≦0.14とすることが好ましく、0.06≦x≦0.11とすることがより好ましい。
Ti量を示すyは、0.48≦y≦0.58の範囲とする。yが0.48未満では、良好な耐熱性を得ることができない。一方、yが0.58を超えると良好な温度特性を得ることが困難になる。よって、yは、0.48≦y≦0.58の範囲とする。yは、0.49≦y≦0.57とすることが好ましく、0.50≦y≦0.55とすることがより好ましい。
Zr量を示すzは、0.32≦z≦0.42の範囲とする。zが0.32未満又は0.42を超えると良好な温度特性が得られなくなる。よって、zは、0.32≦z≦0.42の範囲とする。zは、0.33≦z≦0.42とすることが好ましく、0.34≦z≦0.40とすることがより好ましい。
以上の主成分を有する本発明による圧電磁器組成物は、副成分としてAl、Ta、Cr及びScから選択される1種又は2種の元素を含有することが好ましい。これらの元素は、残留分極(Pr)を23.81μC/cm以上の範囲とするのに効果的な元素である。また、これらの元素は、電気特性Qmaxに優れる圧電磁器組成物を得る上でも有効である。これらの元素は、式(1)のPbα[(Mn1/3Nb2/3TiZr]Oに対して当該元素の酸化物換算で0.01〜15.0wt%(ただし、Alは0.20〜15.0wt%)、好ましくは0.05〜10.0wt%、さらに好ましくは0.20〜5.0wt%とする。これらの元素の酸化物とは、Al、Ta、Cr、Scである。なお、副成分としてはAlを用いるのが最も好ましい。
本発明による圧電磁器組成物に副成分としてSiO2を含有させてもよい。SiO2は焼結体の強度を向上させる上で有効である。SiO2を添加する場合において、好ましいSiO2量は、式(1)のPbα[(Mn1/3Nb2/3xTiyZrz]O3に対して0.005〜0.15wt%、より好ましいSiO2量は0.01〜0.12wt%、さらに好ましいSiO2量は0.01〜0.10wt%である。
<製造方法>
次に、本発明による圧電磁器組成物の好ましい製造方法について、その工程順に説明する。
(原料粉末、秤量)
主成分の原料として、酸化物または加熱により酸化物となる化合物の粉末を用いる。具体的にはPbO粉末、TiO2粉末、ZrO2粉末、MnCO3粉末、Nb25粉末等を用いることができる。原料粉末は式(1)の組成となるように、それぞれ秤量する。
次に、秤量された各粉末の総重量に対して、副成分としてAl、Ta、Cr及びScから選択される1種又は2種の元素の酸化物粉末を上記した量だけ添加する。副成分の原料粉末としてはAl23、Ta23、Cr23、Sc23粉末を用いることができる。これら副成分に加え、SiO2を含有させる場合には、さらにSiO2粉末を準備する。各原料粉末の平均粒径は0.1〜3.0μmの範囲で適宜選択すればよい。
なお、上述した原料粉末に限らず、2種以上の金属を含む複合酸化物の粉末を原料粉末としてもよい。
(仮焼)
主成分及び副成分の原料粉末を湿式混合した後、700〜950℃の範囲内で所定時間保持する仮焼を行う。このときの雰囲気はN2または大気とすればよい。仮焼の保持時間は0.5〜5時間の範囲で適宜選択すればよい。
なお、主成分の原料粉末と副成分の原料粉末を混合した後に、両者をともに仮焼に供する場合について示したが、副成分の原料粉末を添加するタイミングは上述したものに限定されるものではない。例えば、まず主成分の粉末のみを秤量、混合、仮焼及び粉砕する。そして、仮焼粉砕後に得られた主成分の粉末に、副成分の原料粉末を所定量添加し混合するようにしてもよい。
(造粒・成形)
粉砕粉末は、後の成形工程を円滑に実行するために顆粒に造粒される。この際、粉砕粉末に適当なバインダ、例えばポリビニルアルコール(PVA)を少量添加し、かつこれらを十分に混合し、その後350μmのメッシュを通過させて整粒することにより造粒粉末を得る。次いで、造粒粉末を200〜300MPaの圧力で加圧成形し、所望の形状の成形体を得る。
(焼成)
成形時に添加したバインダを除去した後、1100〜1250℃の範囲内で所定時間成形体を加熱保持し焼結体を得る。このときの雰囲気はN2または大気とすればよい。加熱保持時間は0.5〜4時間の範囲で適宜選択すればよい。
(分極処理)
焼結体に分極処理用の電極を形成した後、分極処理を行う。分極処理は、50〜300℃の温度で、1.0〜2.0Ec(Ecは抗電界)の電界を焼結体に対して0.5〜30分間印加する。
分極処理温度が50℃未満になると、Ecが高くなるため分極電圧が高くなり、分極が困難になる。一方、分極処理温度が300℃を超えると、絶縁オイルの絶縁性が著しく低下するため分極が困難となる。よって、分極処理温度は50〜300℃とする。好ましい分極処理温度は60〜250℃、より好ましい分極処理温度は80〜200℃である。
また、印加する電界が1.0Ecを下回ると分極が進行しない。一方、印加する電界が2.0Ecを超えると実電圧が高くなって焼結体がブレークしやすくなり、圧電磁器組成物の作製が困難となる。よって、分極処理の際に印加する電界は1.0〜2.0Ecとする。好ましい印加電界は1.1〜1.8Ec、より好ましい印加電界は1.2〜1.6Ecである。
分極処理時間が0.5分未満となると、分極が不十分となって十分な特性を得ることができない。一方、分極処理時間が30分を超えると分極処理に要する時間が長くなり、生産効率が劣る。よって、分極処理時間は0.5〜30分とする。好ましい分極処理時間は0.7〜20分、より好ましい分極処理時間は0.9〜15分である。
分極処理は、上述した温度に加熱された絶縁オイル、例えばシリコンオイル浴中で行う。なお、分極方向は所望の振動モードに応じて決定する。ここで、振動モードを厚みすべり振動としたい場合には、分極方向を図3(a)に示した方向とする。厚みすべり振動とは、図3(b)に示すような振動である。
圧電磁器組成物は、所望の厚さまで研磨された後、振動電極が形成される。次いで、ダイシングソー等で所望の形状に切断された後、圧電素子として機能することとなる。
本発明における圧電磁器組成物は、レゾネータ、フィルタ、共振子、アクチュエータ、着火素子あるいは超音波モータ等の圧電素子の材料として好適に用いられる。
主成分の出発原料として、酸化鉛(PbO)粉末、酸化チタン(TiO2)粉末、酸化ジルコニウム(ZrO2)粉末、炭酸マンガン(MnCO3)粉末、酸化ニオブ(Nb25)粉末を準備した。また、副成分の出発原料として、表1及び表2の副成分の欄に示す酸化物粉末を準備した。また、他の副成分の原料としてSiO2粉末も用意した。これら原料粉末を表1及び表2に示す組成となるように秤量し、純水中、ボールミル(ZrO2ボール使用)を用いて10時間の湿式混合を行った。なお、SiO2粉末の添加量は0.02wt%の一定とした。得られたスラリーを十分に乾燥させた後、プレス成形した。その後、大気中、800〜950℃で2時間保持する仮焼を行った。仮焼体が平均粒径0.7μmになるまでボールミルにより微粉砕した後、微粉砕粉末を乾燥させた。乾燥させた微粉砕粉末に、バインダとしてPVA(ポリビニルアルコール)を適量加え、造粒した。造粒粉を1軸プレス成形機の20mm×20mmの金型に挿入した後、245MPaの圧力で成形した。得られた成形体に対して脱バインダ処理を行った後、大気中、1150〜1250℃で2時間保持する焼成を行って焼結体(試料)を得た。
以上で得られた焼結体について残留分極(Pr)を以下の要領で測定した。
焼結体の表裏両面をラップ盤で厚さ0.35mmに平面加工した後に、ダイシングソーで縦6mm×横6mm×厚さ0.35mmの寸法に切断した。その後、この試料の表裏両面に真空蒸着によりAg電極を形成して残留分極(Pr)測定用試料とした。
得られた試料を150℃のシリコンオイル槽中で、ラディアントテクノロジー社製RT−6000HVSにより電界を印加して、P−Eヒステリシス曲線を測定した。このP−Eヒステリシス曲線に基づき、各試料の残留分極(Pr)を求めた。その結果を表1に示す。なお、印加した電界は、P−Eヒステリシス曲線の、プラス側の抗電界をEc1、マイナス側の抗電界の絶対値をEc2とすると、Ec1とEc2の平均値を抗電界Ecとし、この抗電界Ecの2〜3倍の電界とした。
次に、以上で得られた焼結体について、電気特性Qmaxを以下の要領で測定した。
試料の両面をラップ盤で厚さ0.5mmに平面加工した後に、ダイシングソーで縦15mm×横5.0mmに切断加工し、その両端部(5.0mm方向)に分極用の仮電極を形成した。その後、温度150℃のシリコンオイル槽中で3kV/mmの電界を15分間印加する分極処理を行った。なお、分極方向は図3(a)に示した方向とした。その後、仮電極を除去した。なお、仮電極除去後の試料のサイズは縦15mm×横4.0mm×厚さ0.5mmである。再度ラップ盤でおよそ厚さ0.3mmまで研磨し、真空蒸着装置を用いて図4に示すように試験片1の表裏両面(研磨された両面)に振動電極2を形成した。振動電極2は厚さ0.01μmのCr下地層と厚さ2μmのAgとから構成される。なお、振動電極2の重なりは1.5mmとした。
続いて、以上の試験片1から縦4mm×横0.7mm×厚さ0.3mmの圧電素子を切り出して電気特性Qmaxの測定用試料とした。電気特性Qmaxの測定にはインピーダンスアナライザ(アジレントテクノロジー社製4294A)を使用し、4MHz付近で測定した。その結果を表1に示す。電気特性Qmaxは共振周波数frと***振周波数faの間でのQ(=tanθ,θ:位相角(deg))の最大値を表し、レゾネータとして重要な特性の一つであり、電気特性Qmaxが大きいほど低電圧駆動に寄与する。
Figure 0004442467
Figure 0004442467
表1及び表2より、残留分極(Pr)が本発明の範囲内である23.13〜31.95μC/cm2に含まれる試料No.12、19、53は、|ΔF0|が0.3%以下と優れた耐熱性を示すことがわかる。また、これら試料12、19、53は、電気特性Qmaxが145以上の値を得ており、耐熱性及び電気特性ともに優れた値を示している。
実施例1と同様の主成分の原料粉末及び副成分の原料粉末として、実施例1と同様に表3に示す組成の圧電磁器組成物(焼結体)を作製した。得られた焼結体について、実施例1と同様に残留分極(Pr)、耐熱性|ΔF0|及び電気特性Qmaxを測定した。その結果を表3に示す。
Figure 0004442467
表3より、主成分の組成を示す式(1)のαの値によって残留分極(Pr)が変動し、副成分としてAl23を用いた場合には残留分極(Pr)にピークが存在することがわかる。
実施例1と同様の主成分の原料粉末及び副成分の原料粉末としてAl23を準備し、実施例1と同様に表4に示す組成の圧電磁器組成物(焼結体)を作製した。得られた焼結体について、実施例1と同様に残留分極(Pr)、耐熱性|ΔF0|及び電気特性Qmaxを測定した。その結果を表4に示す。
Figure 0004442467
表4より、副成分としてAl23を用いた場合には、残留分極(Pr)が26〜28μC/cm2の範囲にあり、耐熱性|ΔF0|が0.1%以下という極めて低い値に規制できる。また、これら副成分としてAl23を用いた圧電磁器組成物は、電気特性Qmaxも120以上と高い値を示している。
実施例1と同様の主成分の原料粉末及び副成分の原料粉末としてAl23を準備し、実施例1と同様に圧電磁器組成物である焼結体試料を作製した。得られた焼結体について、実施例1と同様に残留分極(Pr)、耐熱性|ΔF0|及び電気特性Qmaxを測定した。その結果を表5に示す。
Figure 0004442467
表5より、主成分の組成を示す上記式(1)のx、y及びzを本発明の範囲内で変動させても、残留分極(Pr)が本発明の範囲にあるために|ΔF0|が0.1%以下という優れた耐熱性を有するとともに、かつ150を超える電気特性Qmaxも得られており、耐熱性及び電気特性Qmaxに優れた圧電磁器組成物が得られることが確認できた。
P−Eヒステリシス曲線の例を示す図である。 残留分極(Pr)と耐熱性|ΔF0|との関係を示すグラフである。 分極方向を説明するための図である。 上下両面に振動電極が形成された状態の試験片の断面図である。
符号の説明
1…試験片、2…振動電極

Claims (2)

  1. Pbα[(Mn1/3Nb2/3TiZr]O…式(1)
    (式(1)中、0.96≦α≦1.01、
    0.04≦x≦0.16、
    0.48≦y≦0.58、
    0.32≦z≦0.42、
    x+y+z=1である。
    なお、式(1)中、α、x、y及びzはそれぞれモル比を表す。)で示される主成分を有し、副成分としてAl、Ta、Cr及びScから選択される少なくとも1種の元素を、各元素の酸化物換算で0.01〜15.0wt%(ただし、Alは0.20〜15.0wt%)含有する焼結体からなり、
    150℃における残留分極が23.81〜31.31μC/cmであることを特徴とする圧電磁器組成物。
  2. 前記式(1)中、0.98≦α≦1.005であることを特徴とする請求項1に記載の圧電磁器組成物。
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