JP4442312B2 - 積層体およびその積層体を用いた断熱容器、これらの製造方法 - Google Patents

積層体およびその積層体を用いた断熱容器、これらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、優れた断熱性を有する積層体および断熱容器に関し、さらに詳細には、紙基材もしくはプラスチック基材上に発泡可能な断熱性被膜層を形成し、さらに、その断熱性被膜層上にガスバリア性被膜層を形成してなる積層体およびその積層体を用いた断熱容器、それらの製造方法に関する。この積層体およびその積層体を用いた断熱容器は、断熱紙カップ、断熱段ボール、断熱紙トレー等の産業用途、食品用途および輸送資材用途に好適に使用され、さらには、断熱壁紙等の建材用途にも使用できる。
従来、断熱性を有する紙としては、基紙にアルミニウム箔を貼付したり、基紙にアルミニウム粉とセラミックとを含む塗工液を塗工したりした、アルミニウムを用いた断熱紙が使用されている。さらには、この断熱紙を段ボール原紙に貼合した断熱段ボール紙なども使用されている。
このような、従来の断熱紙や断熱段ボール紙は、断熱性が高く、また防水性をも有し、主に、保温を必要とする食品の梱包箱または容器等に広く用いられている。
しかしながら、アルミニウム含有の断熱紙は、下記に示す様々な問題点をも有している。まず第1に、近年の環境保護の風潮において、各種用途に使用される紙のリサイクル化が高まっているが、従来の断熱紙は、アルミニウムを含むため古紙としてリサイクルできない。
第2に、アルミニウム含有の断熱紙を用いた従来の梱包箱等は、金属検知器に反応するため、これをもちいた食品収容箱を使用すると、収容した食品内に混入した金属異物等を金属探知機で検出することができなくなる。
下記に特許文献を記す。
特開2001−278363号公報 特許第3047763号明細書 特開2003−312635号公報 特許第3248718号明細書 そこで、上記のような問題点を解決するために、様々の断熱紙や紙製断熱カップ等が提案されている。例えば、胴部と底部とからなり、開口部周縁が外側にカールした口縁部を有する紙カップであって、少なくとも前記胴部を形成する胴部材の材質構成が、紙を主体とする基材の外側に発泡樹脂層と低密度ポリエチレンフィルムを順次積層し、かつ、基材の内側にシーラント層を設けた積層シートから成る紙製断熱カップが提案されている(特許文献1参照)。この紙製断熱カップは、コスト面、ポリエチレンフィルムの材質、積層構成などの点で工夫がなされているが、(1)印刷層も発泡してしまい表面平滑性の低下、インキ割れ等が発生するなど、表面に施された印刷の鮮明さを損ない美粧性に優れる印刷表現ができないという問題。(2)ポリエチレンフィルムは、石油由来の素材であり紙容器としての紙基材の占める紙化率が低下し、使用後の廃棄物として処理し難くなり環境負荷が増大する問題。(3)断熱層があまり厚くできないことから断熱効果に劣る問題等がある。
また、紙製のカップ本体と、実質的に全体にエンボスが形成されると共に前記カップ本体の側面周囲を覆い且つこれに貼着されたエンボス紙と、前記エンボス紙を覆い且つこれに貼着された薄紙と、前記薄紙を覆いかつこれに貼着されたライナー紙と、を具備した断熱カップおよびその製造方法が提案されている(特許文献2参照)。この断熱カップは、カップ外側にエンボス加工を施した紙を巻き付け、印刷層としてさらにその上に紙を巻き付けてたものであり、表面に施された印刷の鮮明さを損なうことがなく、美粧性に優れる印刷表現が可能であり、断熱性に優れるものの、(1)断熱カップの重量増となり、負担金等負荷が増大する問題。(2)断熱カップの重量増となり、ゴミの総量が増すという不具合。(3)コスト面での問題等がある。
さらに、胴部と底部とからなり、開口部周縁が外側にカールした口縁部を有し、胴部と底部の接合部に環状脚部を形成させた紙カップ本体と、紙カップ本体の胴部外側に嵌め込まれる紙製筒体とから構成される紙製断熱カップであって、紙製筒体の下部は、断面形状が逆N字状に曲げられた折り曲げ部が、紙製筒体を紙カップ本体に嵌め込んだ際環状脚部が隠れるように形成させ、該筒体を紙カップ本体の胴部に嵌め込み、折り曲げ部を形成させた紙製筒体の先端部分は紙カップ本体胴部の下縁の環状脚部の外面に固定され、筒体の上端は胴部の口縁部の下縁に接触して固定され、紙カップ本体胴部と紙製筒体の間に断熱空間層を設けた紙製断熱カップ(特許文献3参照)や、上口縁に外向きのカール部を形成し、胴体部の上部を外径側に拡径して段部を形成して成るインナーカップと、胴体部の上部を前記インナーカップの段部の外側に嵌合させ、下縁を前記インナーカップ側の下縁と一緒にボトム縁を捲き込んで一体化することにより、インナーカップとの間に断熱空隙を形成する紙製断熱カップ(特許文献4参照)等が提案されている。
上記の紙製断熱カップは、いずれも、カップ外側に印刷層かつ断熱層として1層紙を巻き付け、カップ本体と紙との2層間に空気層をもたせ断熱性を発現するものである。これらの紙製断熱カップは、(1)手で持つときに空気層が潰れカップ本体に直接手が触れて断熱効果が失われてしまう危惧がある問題。(2)カップ外側に印刷層かつ断熱層として1層紙を巻き付けることから、製造上、本体に巻き付ける工程が必要で、技術的難しさがあり、コスト高になる問題などがある。
本発明は、上記の従来の問題点を解決するためになされたものであって、断熱効果に優れ、表面に施された印刷絵柄の鮮明さを損なうことのない印刷美粧性に優れ、製造工程が簡単かつ製造が容易で軽量・安価な、積層体およびその積層体を用いた断熱容器、それらの製造方法を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、すなわち、
請求項1に係る発明は、
紙基材もしくはプラスチック基材上に、有機・無機ハイブリッド複合物もしくは有機・無機粉体混合物と発泡剤とからなる発泡可能な断熱性被膜層を形成し、さらに、その断熱性被膜層上に、有機・無機ハイブリッド複合物からなるガスバリア性被膜層を形成してなることを特徴とする積層体である。
請求項2に係る発明は、
前記断熱性被膜層を構成する有機・無機ハイブリッド複合物が、アルカリ土類金属のアルコキシドおよび/またはアルカリ土類金属以外の金属のアルコキシドを含有する無機アルコキシド混合物をゾル−ゲル法により加水分解し、重縮合して得られる複合物であるこ
とを特徴と請求項1記載の積層体である。
請求項3に係る発明は、
前記断熱性被膜層を構成する有機・無機粉体混合物が、高分子樹脂と無機粉体とからなることを特徴とする請求項1記載の積層体である。
請求項4に係る発明は、
前記ガスバリア性被膜層を構成する有機・無機ハイブリッド複合物が、アルカリ土類金属のアルコキシドおよび/またはアルカリ土類金属以外の金属のアルコキシドを含有する無機アルコキシド混合物と、水素結合形成基を有する高分子樹脂とからなり、その組成物をゾル−ゲル法により加水分解し、重縮合して得られる複合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体である。
請求項5に係る発明は、
請求項3における積層体において、
前記高分子樹脂が、アクリル樹脂またはエチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする積層体である。
請求項6に係る発明は、
請求項3記載の積層体において、
前記無機粉体が、エチルシリケートアルコキシシランをゾル−ゲル法により加水分解し、重縮合して形成する複合物を焼成して得られる発泡シリカ粒子であることを特徴とする積層体である。
請求項7に係る発明は、
請求項2または4記載の積層体において、
前記有機・無機ハイブリッド複合物が、エチルシリケートアルコキシシランをゾル−ゲル法により加水分解し、重縮合して得られる複合物であることを特徴とする積層体である。
請求項8に係る発明は、
請求項4における積層体において、
前記水素結合形成基を有する高分子樹脂が、ポリビニルアルコールまたはエチレン−ビニルアルコール共重合体であることを特徴とする積層体である。
請求項9に係る発明は、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の積層体のガスバリア性被膜層上に、印刷絵柄層を設けたことを特徴とする積層体である。
請求項10に係る発明は、
請求項1〜9のいずれか1項に記載の積層体を、容器を構成する容器胴部に用いることを特徴とする断熱容器である。
請求項11に係る発明は、
基材もしくはプラスチック基材上に、有機・無機ハイブリッド複合物もしくは有機・無機粉体混合物と発泡剤とからなる発泡可能な断熱性被膜塗工液を調整して、塗布・乾燥してなる発泡可能な断熱性被膜を形成し、さらに、その断熱性被膜上に、有機・無機ハイブリッド複合物からなるガスバリア性被膜塗工液を調整して、塗布・乾燥してなるガスバリア性被膜を形成することを特徴とする積層体の製造方法である。
請求項12に係る発明は、
前記断熱性被膜層を構成する有機・無機ハイブリッド複合物が、アルカリ土類金属のアルコキシドおよび/またはアルカリ土類金属以外の金属のアルコキシドを含有する無機アルコキシド混合物をゾル−ゲル法により加水分解し、重縮合して得られる複合物であることを特徴と請求項11記載の積層体の製造方法である。
請求項13に係る発明は、
前記断熱性被膜層を構成する有機・無機粉体混合物が、高分子樹脂と無機粉体とからなることを特徴とする請求項11記載の積層体の製造方法である。
請求項14に係る発明は、
前記ガスバリア性被膜層を構成する有機・無機ハイブリッド複合物が、アルカリ土類金属のアルコキシドおよび/またはアルカリ土類金属以外の金属のアルコキシドを含有する無機アルコキシド混合物と、水素結合形成基を有する高分子樹脂とからなり、その組成物をゾル−ゲル法により加水分解し、重縮合して得られる複合物であることを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の積層体の製造方法である。
請求項15に係る発明は、
請求項13における積層体において、
前記高分子樹脂が、アクリル樹脂またはエチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする積層体の製造方法である。
請求項16に係る発明は、
請求項13記載の積層体において、
前記無機粉体が、エチルシリケートアルコキシシランをゾル−ゲル法により加水分解し、重縮合して形成する複合物を焼成して得られる発泡シリカ粒子であることを特徴とする積層体の製造方法である。
請求項17に係る発明は、
請求項12または14記載の積層体において、
前記有機・無機ハイブリッド複合物が、エチルシリケートアルコキシシランをゾル−ゲル法により加水分解し、重縮合して得られる複合物であることを特徴とする積層体の製造方法である。
請求項18に係る発明は、
請求項14における積層体において、
前記水素結合形成基を有する高分子樹脂が、ポリビニルアルコールまたはエチレン−ビニルアルコール共重合体であることを特徴とする積層体の製造方法である。
請求項19に係る発明は、
請求項10記載の断熱容器において、
容器成型後、容器胴部を100℃以上145℃以下の温度で加熱することにより発泡処理を施すことを特徴とする断熱容器の製造方法である。
<作用>
本発明により、紙基材もしくはプラスチック基材上に、アルカリ土類金属のアルコキシドおよび/またはアルカリ土類金属以外の金属のアルコキシドを含有する無機アルコキシド混合物として、例えば、エチルシリケートアルコキシシラン等をゾル−ゲル法により加水分解し、重縮合して形成する有機・無機ハイブリッド複合物もしくは高分子樹脂と、無機粉体からなる有機・無機粉体混合物と、発泡剤とからなる発泡可能な断熱性被膜層を形成し、さらに、その断熱性被膜層上にアルカリ土類金属のアルコキシドおよび/またはア
ルカリ土類金属以外の金属のアルコキシドを含有する無機アルコキシド混合物として、例えば、エチルシリケートアルコキシシラン等と、ポリビニルアルコールまたはエチレン−ビニルアルコール共重合体等の水素結合形成基を有する高分子樹脂とからなる組成物を、ゾル−ゲル法により加水分解し、重縮合して得られる有機・無機ハイブリッド複合物からなるガスバリア性被膜層を形成してなる構成の積層体であるから、断熱性被膜層に含有する発泡シリカ粒子等の無機粉体の優れた断熱性機能と、また、断熱性被膜層に含有する発泡剤により発泡処理を施すことにより、断熱性被膜層上に設けたガスバリア性被膜層が発泡ガスを外部に漏出するのを遮断し、断熱性被膜層内に発泡ガスを内在せしめて発泡することから断熱性がさらに飛躍的に向上する。そして、その発泡処理において、ガスバリア性被膜層はある程度の柔軟性と強度を有することから、発泡処理により均一に被膜層が発泡するので、インキに対するストレス等の影響が少なく、発泡後であっても表面に施された印刷絵柄の鮮明さを損なうことのない印刷美粧性に優れる積層体およびその積層体を用いた断熱容器が得られる。
本発明により、断熱効果に優れ、表面に施された印刷絵柄の鮮明さを損なうことのないがない印刷美粧性に優れ、製造工程が簡単かつ製造が容易な軽量・安価な、積層体およびその積層体を用いた断熱容器、それらの製造方法を提供することができる。
本発明の積層体およびその積層体を用いた断熱容器は、断熱紙カップ、断熱段ボール、断熱紙トレー等の産業用途、食品用途および輸送資材用途に好適に使用され、さらには、断熱壁紙等の建材用途にも使用できる。
以下、本発明の好ましい一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の積層体の構成の一例を示す断面図である。図2は、図1に示した積層体に加熱発泡処理を施した構成を示す断面図である。図3は、本発明の積層体の構成の他の例を示す断面図である。
本発明の積層体の一実施例として、図1に示すように、紙基材もしくはプラスチック基材(1)上に、アルカリ土類金属のアルコキシドおよび/またはアルカリ土類金属以外の金属のアルコキシドを含有する無機アルコキシド混合物をゾル−ゲル法により加水分解し、重縮合して得られる有機・無機ハイブリッド複合物もしくは高分子樹脂と、無機粉体とを混合してなる有機・無機粉体混合物と、発泡剤とからなる発泡可能な断熱性被膜層(2)を形成し、さらに、その断熱性被膜層(2)上に、アルカリ土類金属のアルコキシドおよび/またはアルカリ土類金属以外の金属のアルコキシドを含有する無機アルコキシド混合物と、水素結合形成基を有する高分子樹脂とからなる組成物をゾル−ゲル法により加水分解し、重縮合して得られる有機・無機ハイブリッド複合物からなるガスバリア性被膜層(3)を形成してなる構成の積層体の表面、すなわち、ガスバリア性被膜(3)上に、さらに、印刷絵柄層(4)を設けた構成の積層体(10)である。
また、図2は、図1に例示した本発明の一実施例としての積層体(10)の断熱性被膜2層に含有する発泡剤(図示せず)が加熱発泡処理を施されて、断熱性発泡被膜層(2′)を形成した積層体(20)である。
また、本発明の積層体の構成の他の例として、図3に示すように、図1に例示した本発明の一実施例としての積層体(10)の紙基材もしくはプラスチック基材(1)上に、ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂層(5)を設けた構成の積層体(30)である。このヒートシール性を有する熱可塑性樹脂層(5)は、容器等の成形体にする際の接着層とし
て機能するものである。
本発明において使用されるアルカリ土類金属のアルコキシドおよび/またはアルカリ土類金属以外の金属のアルコキシドを含有する無機アルコキシド混合物をゾル−ゲル法により加水分解し、重縮合して得られる有機・無機ハイブリッド複合物(多孔質ポリマー)は、(1)アルカリ土類金属のアルコキシドおよびアルカリ土類金属以外の金属のアルコキシドの混合物をゾル−ゲル法により加水分解し、重縮合するか、または(2)無機アルコキシドまたはそのゾル−ゲル法による加水分解生成物にアルカリ土類金属を配合し、重縮合して得られる有機・無機ハイブリッド複合物(多孔質ポリマー)である。
(1)アルカリ土類金属のアルコキシド
本発明に使用するアルカリ土類金属のアルコキシドは、一般式:M1(OR)m(ただし、M1はMg、Ca、SrおよびBaからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素であり、Rはアルキル基、好ましくは炭素数が1〜4の低級アルキル基であり、mはM1の原子価に相当する整数である。)により表される。なかでも、Mgおよび/またはCaのアルコキシドが好ましい。その具体例としては、Mg(OCH32、Mg(OC252、Ca(OC252、Mg[Al(O−i−C3732等が挙げられる。
(2)アルカリ土類金属以外の金属のアルコキシド
本発明に使用するアルカリ土類金属以外の金属のアルコキシドは、一般式:M2(OR)m(ただし、M2はLi、Na、Cu、Zn、B、Al、Ga、Y、Si、Ge、Pb、P、Sb、Ta、W、La、Nd、Ni、ZrおよびTiからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素であり、Rはアルキル基、好ましくは炭素数が1〜4の低級アルキル基であり、mはMの原子価に相当する整数である。)により表される無機アルコキシドである。その具体例を以下に列挙する。
(イ)アルコキシシラン
MがSi(原子価:4)の場合にはSi(OR)4により表される。このようなアルコキシシランとしては、Si(OCH34、Si(OC254等が挙げられる。なかでもSi(OC254が好ましい。
(ロ)アルミニウムアルコキシド
MがAl(原子価:3)の場合にはAl(OR)3により表される。このようなアルミニウムアルコキシドとしては、Al(OCH33、Al(OC253、Al(O−n−C373、Al(O−i−C373、Al(OC493等が挙げられる。
(ハ)チタニウムアルコキシド
MがTi(原子価:4)の場合にはTi(OR)4により表される。このようなチタニウムアルコキシドとしては、Ti(OCH34、Ti(OC254、Ti(OC374、Ti(OC494、Ti(O−i−C374等が挙げられる。
(ニ)ジルコニウムアルコキシド
MがZr(原子価:4)の場合にはZr(OR)4により表される。このようなジルコニウムアルコキシドとしては、Zr(OCH34、Zr(OC254、Zr(O−i−C374、Zr(O−t−C494、Zr(O−n−C494等が挙げられる。なかでもZr(OC374、Zr(O−t−C494が好ましい。
(ホ)その他のアルコキシド
その他のアルコキシドとして、Fe(OC253、V(O−i−C374、Sn(OC254、Sn(O−i−C494、Sn(O−t−C494、Li(OC253
Be(OC253、B(OC253、P(OC253、P(OCH33等が挙げられる。また二金属アルコキシドとしてNi[Al(O−i−C3742等が挙げられる。
(3)配合比
アルカリ土類金属のアルコキシドAとアルカリ土類金属以外の金属のアルコキシドBとの配合比(A/Bのモル比)は1/1〜1/10とするのが好ましい。
(4)無機アルコキシド
無機アルコキシドは、上記アルカリ土類金属のアルコキシドおよびアルカリ土類金属以外の金属のアルコキシドの両方を包含する。従って、この無機アルコキシドは一般式:M(OR)m(ただしMはLi、Na、Cu、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、B、Al、Ga、Y、Si、Ge、Pb、P、Sb、Ta、W、La、Nd、Ni、ZrおよびTiからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素であり、Rはアルキル基であり、mはMの原子価に相当する整数である。)で表される。
本発明において使用されるアルカリ土類金属のアルコキシドおよび/またはアルカリ土類金属以外の金属のアルコキシドを含有するアルコキシドとしては、上記の中でも、特にエチルシリケートからなるアルコキシシランが好ましい。
(5)アルコキシドの加水分解
アルカリ土類金属のアルコキシドおよびアルカリ土類金属以外の金属のアルコキシドを溶媒と混合する。アルカリ土類金属のアルコキシド+アルカリ土類金属以外の金属のアルコキシドの濃度は300〜500g/リットルとするのが好ましい。加水分解温度は20〜85℃が好ましく、20〜30℃がより好ましい。
(6)ゾル化
加水分解したアルカリ土類金属のアルコキシド+アルカリ土類金属以外の金属のアルコキシドに必要に応じてゾル−ゲル法触媒を加え、0.5〜2時間撹拌すると、実質的に加水分解が完了し、反応液はゾル、沈殿物、乳濁物等になる。ゾル−ゲル法触媒としては下記の酸触媒および塩基触媒が挙げられ、併用するのが好ましい。
(イ)酸触媒
酸触媒は、アルカリ土類金属のアルコキシドおよびアルカリ土類金属以外の金属のアルコキシドの加水分解反応に使用する。なお加水分解の際に反応液を激しく撹拌する場合には、空気中の二酸化炭素が取り込まれて炭酸が生じ、酸触媒として作用するので、酸触媒を添加しなくても良い。
酸触媒としては、(1)塩酸、硫酸、硝酸等の鉱酸、(2)塩化水素ガス等の鉱酸の無水物、(3)酒石酸、フタル酸、マレイン酸、ドデシルコハク酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルナジック酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ジクロルコハク酸、クロレンディック酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水ドデシルコハク酸、無水へキサヒドロフタル酸、無水メチルナジック酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、無水ジクロルコハク酸、無水クロレンディック酸等の有機酸およびその無水物が挙げられる。
酸触媒の使用量は、アルカリ土類金属のアルコキシド+アルカリ土類金属以外の金属のアルコキシド1モルに対して0.001〜0.5モルが好ましく、0.005〜0.3モルが特に好ましい。0.001モル未満の場合には加水分解が不充分となるおそれがあり、また0.5モルを超えると重縮合反応が過剰に進行し、粘度が増大しすぎるおそれがある。
(ロ)塩基触媒
塩基触媒は、主としてアルカリ土類金属のアルコキシドおよびアルカリ土類金属以外の金属のアルコキシドの加水分解生成物の重縮合反応用触媒としてのみならず、その急速な架橋反応および三次元網目構造形成用の触媒として作用する。塩基触媒としては、無機塩基および有機塩基のいずれでも良い。無機塩基として、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化ルビジウム、水酸化マグネシウム、アンモニア等が挙げられる。また有機塩基としては、第一アミン、第二アミン、第三アミン、ポリアミン、アミン錯体等が挙げられる。有機塩基の具体例として、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、エタノールアミン、ブチルアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ポリアミド樹脂、ジシアンジアミド、三フッ化ホウ素・モノエチルアミン、メンタンジアミン、キシリレンジアミン、エチルメチルイミダゾール等が挙げられる。
塩基触媒のうち、水に実質的に不溶で有機溶媒に可溶な第三アミン(例えばN,N−ジメチルベンジルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン等)、およびアンモニアがより好ましく、N,N−ジメチルベンジルアミンおよびアンモニアが特に好ましい。特にアンモニアガスを用いると、微細粒子状の多孔質ポリマーを得ることができる。
塩基触媒の使用量は、無機アルコキシド(アルカリ土類金属のアルコキシド+アルカリ土類金属以外の金属のアルコキシド)1モルに対して0.002〜1.5モルであるのが好ましい。0.002モル未満では重縮合反応の進行が遅く、1.5モルを超えると重縮合反応が急速に進行するため、得られる多孔質ポリマーが不均一となるおそれがある。なお塩基触媒として水に不溶で有機溶媒に可溶な第三アミンを使用する場合、その使用量は0.004〜0.008モルであるのが好ましい。第三アミン以外の場合には0.1〜1.5モルであるのが好ましい。
(7)溶媒
加水分解用溶媒として、加水分解に必要な水と、水に可溶な有機溶媒との混合溶媒を用いる。好ましい有機溶媒として、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノール、ペンタノール、ヘキサノール、アセトン、メチルエチルケトン、ホルムアミドが挙げられる。
水の使用量は、無機アルコキシド(アルカリ土類金属のアルコキシド+アルカリ土類金属以外の金属のアルコキシド)1モルに対し10モル以下、好ましくは1〜10モル、より好ましくは2〜8モル、特に好ましくは3〜7モルである。水の使用量が少なすぎるとアルコキシドの加水分解が遅く、縮合反応が進行しにくい。但し空気中の水分によっても加水分解が徐々に進行するため、溶媒中に必ずしも水を添加する必要はない。特にジルコニウム等を含む吸湿性の高いアルコキシドを使用する場合には水を加える必要はない。水の量が10モルを超えると、得られる多孔質ポリマーの酸性ガス吸着・分解特性が低下する。
(8)重縮合
加水分解生成物のゾル、沈殿物または乳濁物(以下単にゾル等という)を重縮合反応によりゲル化することにより、各種形態の多孔質ポリマーを製造することができる。ゲル化時間は塩基触媒の量により数秒〜数時間の範囲で自在に調整することが可能である。特に
ゾル等のpHを6〜8程度に調整し、塩基触媒を少量にすることによりゲル化時間を数時間と長くするのが好ましい。重縮合温度は20〜85℃が好ましく、20〜30℃がより好ましい。
(9)乾燥
ゲル状物を粉砕して200℃以下の温度、好ましくは100〜180℃、特に120〜150℃の温度で1〜8時間加熱脱水することにより、微粒子状の多孔質ポリマーを得ることができる。またゾル等をキャスティングし、溶媒を乾燥・除去することにより、多孔質フィルムとすることもできる。
多孔質ポリマーを微粒子状とする他に、各種のプラスチック材料等の基材に付着させることもできる。その場合にはゾル等を基材に塗布させ、200℃以下の温度で乾燥する。焼成温度に絶えられない基材の場合には焼成工程を省略する。なお多孔質ポリマーを繊維材料、プラスチック材料等の基材にに付着させる場合には、反応液にシランカップリング剤を添加するのが好ましい。
(10)焼成
多孔質ポリマーの機能を最高に発揮させるためには、乾燥後550℃以下の温度で0.5〜4時間焼成するのが好ましい。具体的には350℃が好ましい。より好ましい焼成温度は400〜500℃である。
以下、無機アルキシドとして、一例として、エチルシリケートアルコキシシランを使用する場合について本発明の積層体を説明する。
本発明の積層体は、図1に例示したように、紙基材もしくはプラスチック基材(1)上に、エチルシリケートアルコキシシランをゾル−ゲル法により加水分解し、重縮合して得られる有機・無機ハイブリッド複合物、もしくは高分子樹脂と無機粉体とを混合してなる有機・無機粉体混合物と、発泡剤とからなる発泡可能な断熱性被膜層(2)を形成し、さらに、その断熱性被膜層(2)上に、エチルシリケートアルコキシシランと、水素結合形成基を有する高分子樹脂とからなる組成物をゾル−ゲル法により加水分解し、重縮合して得られる有機・無機ハイブリッド複合物からなるガスバリア性被膜層(3)を形成してなる構成の積層体の表面、すなわち、ガスバリア性被膜(3)上に、さらに、印刷絵柄層(4)を設けた構成の積層体(10)である。
断熱性被膜層(2)を構成する高分子樹脂として、アクリル樹脂またはエチレン−酢酸ビニル共重合体を用いることが好ましい。
断熱性被膜層(2)を構成する無機粉体としては、断熱性に優れる無機粉体であれば特に限定されないが、特に、エチルシリケートアルコキシシランをゾル−ゲル法により加水分解し、重縮合過程において不活性ガスをバブリングして形成する有機・無機ハイブリッド複合物を焼成処理を施して得られる発泡シリカ粒子が好ましい。その他の無機粉体として、ケイ酸ナトリウム、ムライト、石英、クリストバライト、コーティライト、ジルコンなどの粉体も挙げられる。
また、断熱性被膜層(2)に含有する発泡剤としては、衛生面や取り扱い易さの点から一般に用いられている、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、アゾジカルボンアミド(ADCA)、p−トルエンスルフォニルヒドラジド(TSH)、ヒドラゾジカルボンアミド(HDCA)、炭酸水素ナトリウム、4,4オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(HDCA)等の単体もしくはそれらの2種以上の混合物が挙げられる。
上記で得られる発泡可能な断熱性被膜層(2)は、発泡シリカ粒子等の優れた断熱機能と、断熱性被膜層(2)に含有する発泡剤により発泡処理を施すことにより、断熱性被膜層(2)上に設けたガスバリア性被膜層(3)が発泡ガスを外部に漏出するのを遮断し、断熱性被膜層(2)内に発泡ガスを内在せしめて発泡することから断熱性がさらに飛躍的に向上する。
一方、本発明において使用されるガスバリア性被膜層(3)を構成する水素結合形成基を有する高分子樹脂としては、ヒドロキシル基を有するポリマーとその誘導体(ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、フェノール樹脂、メチロールメラミン等とその誘導体);カルボキシル基を有するポリマーとその誘導体(ポリ(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の重合性不飽和酸の単位を含む単独または共重合体と、これらのポリマーのエステル化物(酢酸ビニル等のビニルエステル、メタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステル等の単位を含む単独または共重合体)等);エーテル結合を有するポリマー(ポリアルキレンオキサイド、ポリオキシアルキレングリコール、ポリビニルエーテル、珪素樹脂等);アミド結合を有するポリマー(>N(COR)−結合(式中、Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を示す)を有するポリオキサゾリンやポリアルキレンイミンのN−アシル化物);>NC(O)−結合を有するポリビニルピロリドンとその誘導体;ウレタン結合を有するポリウレタン;尿素結合を有するポリマー等を挙げることができる。
上記の水素結合形成基を有する高分子樹脂の中でも、本発明においては、特に、ポリビニルアルコールまたはエチレン−ビニルアルコール共重合体を用いることが好ましい。
エチルシリケートアルコキシシランと、水素結合形成基を有する高分子樹脂とをゾル−ゲル法により加水分解し、重縮合して得られるガスバリア性被膜は、例えば、エチルシリケートアルコキシシランとポリビニルアルコールとを使用する場合を例にとると、その重縮合機構は、以下の通りであると考えられる。すなわち、まずアルコキシシランは、酸が加水分解触媒として作用して加水分解する。次いでゾル−ゲル法触媒の作用により、加水分解生成物中の水酸基からプロトンが奪取され、加水分解生成物同士が脱水重縮合するとともに、加水分解生成物の水酸基はポリビニルアルコールの水酸基とも脱水反応し、Si−O−Siの結合からなる無機質部分と、ポリビニルアルコールとが結合した三次元網目構造の重縮合物を生成する。
本発明において使用される基材(1)としての紙基材は、繊維を原料とする紙である。繊維が天然繊維であるか合成繊維であるかは問わない。具体的には、ライナー原紙、アート紙、コート紙等が挙げられる。また、前記基紙は、波形に形成された中芯紙の表裏面の少なくとも一方の面に、ライナー原紙が貼合された段ボール原紙であってもよい。基紙を段ボール原紙とすることにより、波形の中芯紙と貼合するライナー原紙との間にできる空間に空気が存在し、その空気による断熱効果をも得られるため、より断熱性の高い断熱紙となる。ここで、前記段ボール原紙は既知のコルゲートマシン等によって製造されるものでよい。
また、本発明において使用される基材(1)としてのプラスチック基材は、特に限定されるものではないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリエチレンテレフタレート系共重合ポリエステルフィルムやポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、エチレン−プロピレン共重合体フィルム等のポリオレフインフィルム、ポリスチレンフィルム、ナイロン66フィルム、ナイロン6フィルム、メタキシリデンジアミン共重合ポリアミドフィルム等のポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、
ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリフェニレンフィルム、ポリスルフォンフィルム、ポリフェニレンスルフィッドフィルム等が挙げられる。これらは、機械的強度や寸法安定性を有するものであれば、延伸されたものでも未延伸のものでも構わない。特に,耐熱性等の観点から二軸方向に任意に延伸されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが好ましく用いられる。
本発明の印刷絵柄層(4)は、積層体を構成するガスバリア性被膜層(3)上に設けられる。この印刷絵柄層(4)は、包装体などとして実用的に用いるために形成されるものである。例えば、ウレタン系、アクリル系、ニトロセルロース系、ゴム系等の従来から用いられているインキバインダー樹脂に各種顔料、体質顔料および可塑剤、乾燥剤、安定剤等の添加剤などが添加されてなるインキにより構成される層である。インキバインダー樹脂としては、上記の中でも、インキ皮膜が比較的軟らかく、取り扱いが容易なことからウレタン系、アクリル系インキバインダー樹脂が好適に用いられる。この印刷により、文字、絵柄等が形成されている。形成方法としては、たとえばオフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、グラビアーコート等の周知の塗布方式を用いることができる。印刷絵柄層の乾燥膜厚(固形分)は0.1〜2.0μmでよい。
上記で得られる本発明の積層体の少なくともいずれか一方の面に、必要に応じて適宜、熱可塑性樹脂を1層以上設けることができる。熱可塑性樹脂層を形成する樹脂フィルムとしては、例えば、特に限定されるものではないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリエチレンテレフタレート系共重合ポリエステルフィルムやポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、エチレン−プロピレン共重合体フィルム等のポリオレフインフィルム、ポリスチレンフィルム、ナイロン66フィルム、ナイロン6フィルム、メタキシリデンジアミン共重合ポリアミドフィルム等のポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリフェニレンフィルム、ポリスルフォンフィルム、ポリフェニレンスルフィッドフィルム等が挙げられる。これらは、機械的強度や寸法安定性を有するものであれば、延伸されたものでも未延伸のものでも構わない。特に,耐熱性等の観点から二軸方向に任意に延伸されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが好ましく用いられる。
また、本発明の積層体を用いて容器等の成形体にする際の接着層として機能するヒートシール樹脂層(5)を成形体内面となる側に設けることができる。そのヒートシール樹脂層を構成するヒートシール樹脂としては、押し出し成形が可能な熱可塑性樹脂であり、かつ、熱によって溶融し相互に融着し得るものであればよく、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレ、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリエチレン若しくはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、イタコン酸、その他等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、その他等の樹脂の1種ないしそれ以上からなる樹脂を使用することができる。なお、本発明において、上記のような樹脂を使用して熱可塑性樹脂層の2層を形成する際に、同種の樹脂、あるいは、異種の樹脂を組み合わせて形成することができ、具体的には、例えば、同種のポリエチレン系樹脂を使用して形成してもよく、また、異種のポリエチレン系樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体、または、ポリエチレン系樹脂とエチレン−メタクリル酸共重
合体とを使用して形成することもできる。
上記のような樹脂の中でも、特に、線状(直鎖状)低密度ポリエチレンを使用することが好ましいものである。上記の線状低密度ポリエチレンは、粘着性を有することから破断の伝搬が少なく耐衝撃性を向上させるという利点があるものであり、また、内層は常時内容物に接触していることから、耐環境ストレスクラッキング性の劣化を防止するためにも有効なものである。
次に、無機アルコキシドとして、一例として、エチルシリケートアルコキシシランを用いた場合の本発明の積層体の製造方法について説明する。
本発明の積層体の製造方法は、紙基材もしくはプラスチック基材(1)上に、エチルシリケートアルコキシシランをゾル−ゲル法により加水分解し、重縮合して得られる有機・無機ハイブリッド複合物、もしくは高分子樹脂と無機粉体とを混合してなる有機・無機粉体混合物と、発泡剤とからなる発泡可能な断熱性被膜塗工液を調整し、塗布・乾燥して断熱性被膜層(2)を形成し、さらに、その断熱性被膜層(2)上に、エチルシリケートアルコキシシランと、水素結合形成基を有する高分子樹脂とからなる組成物をゾル−ゲル法により加水分解し、重縮合して得られる有機・無機ハイブリッド複合物からなるガスバリア性被膜塗工液を調整し、塗布・乾燥してガスバリア性被膜層(3)を形成することを特徴とする積層体の製造方法である。
以下、上記の断熱性被膜塗工液の調整の一例について説明する。
例えば、断熱性被膜塗工液は、アクリル樹脂またはエチレン−酢酸ビニル共重合体を攪拌しながら水に溶解して粘度を200cps以下に調整する。樹脂配合量は、水溶液塗工液100重量部に対して30〜80重量部が好ましく、樹脂量が80重量部よりも多い場合は、発泡性に優れるが、被膜の割れや剥離が生じ易い。
発泡剤としては、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、アゾジカルボンアミド(ADCA)、p−トルエンスルフォニルヒドラジド(TSH)、ヒドラゾジカルボンアミド(HDCA)、炭酸水素ナトリウム、4,4オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(HDCA)等の単体もしくはそれらの2種以上の混合物から選ばれる発泡剤を、上記水溶液塗工液100重量部に対して、0.1〜1.0重量部の範囲で適宜発泡度合いを考慮して選択する。
無機粉体として、断熱機能を有するものであれば特に限定されないが、アルカリ土類金属のアルコキシドおよび/またはアルカリ土類金属以外の金属のアルコキシドを含有する無機アルコキシド混合物として、エチルシリケートアルコキシシランをゾル−ゲル法により加水分解し、重縮合過程で不活性ガスをバブリングして形成する有機・無機ハイブリッド複合物を焼成して得られる発泡シリカ粒子が好ましく用いられる。その他の無機粉体として、ケイ酸ナトリウム、ムライト、石英、クリストバライト、コーティライト、ジルコンなどの無機粉体も挙げられる。例えば、上記の発泡シリカ粒子を水溶液塗工液100重量部に対して、10〜20重量部の範囲、好ましくは10重量部を分散混合する。発泡シリカ粒子の混合量が20重量部より多い場合は、亀裂や剥離が発生し易い。
なお、要求される断熱性に応じて、上記の発泡シリカ粒子を除くこともできる。すなわち、アルカリ土類金属のアルコキシドおよび/またはアルカリ土類金属以外の金属のアルコキシドを含有する無機アルコキシド混合物として、エチルシリケートアルコキシシランをゾル−ゲル法により加水分解し、重縮合して得られる有機・無機ハイブリッド複合物(多孔質ポリマー)と、上記のアクリル樹脂またはエチレン−酢酸ビニル共重合体と、発泡
剤からなる断熱性被膜塗工液とすることもできる。
上記で調整された断熱性被膜塗工液を紙基材もしくはプラスチック基材上に塗布し、100℃の温度で60秒間加熱乾燥して、被膜厚さが50〜100μmの範囲の断熱性被膜を形成する。
上記の断熱性被膜層の形成は、上述のように調製した塗布液をディップコート、フローコート、カーテンコート、スピンコート、スプレイコート、バーコート等により塗布することにより行うことができる。
次に、ガスバリア性被膜塗工液の一例を説明する。
ガスバリア性被膜塗工液として、無機アルコキシドとして、エチルシリケートアルコキシシランと、水素結合形成基を有する高分子樹脂として、ポリビニルアルコールもしくはエチレン−ビニルアルコール共重合体を用いた有機・無機ハイブリッド組成物をゾル−ゲル法により加水分解し、重縮合して得られる有機・無機ハイブリッド複合物(複合ポリマー)からなるガスバリア性被膜塗工液を調整する。
まず、エチルシリケートアルコキシシランの加水分解液はエチルシリケートを有機溶媒に溶解し、水、触媒を加えて加水分解液を調整する。そして、予め、溶液化したポリビニルアルコールまたはエチレン−ビニルアルコール共重合体を上記の加水分解液に混合させてガスバリア性被膜塗工液を調整する。エチルシリケート、ポリビニルアルコールまたはエチレン−ビニルアルコール共重合体、ゾル−ゲル法触媒、酸、水及び有機溶媒を混合して塗工液中では次第に重縮合反応が進行する。
エチルシリケートの配合量は、ガスバリア性被膜塗工液100重量部に対して10〜30重量部の範囲が好ましい。
有機溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール等が挙げられる。有機溶媒の種類を適宜選択するが、特に、イソプロピルアルコールが好ましい。イソプロピルアルコール等の有機溶媒の配合量は、ガスバリア性被膜塗工液全量を100重量部に対して30〜50重量部の範囲が好ましい。
水の添加量は、ガスバリア性被膜塗工液全量を100重量部に対して30〜50重量部の範囲で添加すればよい。この範囲内の水の添加量では、エチルシリケートは実質的に直鎖状で非晶質のポリマーになる。さらに得られるポリマー分子内に極性基(OH基)が部分的に存在し、分子の凝集エネルギーが高い。なお、水の添加量が50重量部を超すと、エチルシリケートから得られるポリマーが球状粒子となり、さらに球状粒子同士が三次元的に架橋して、低密度の多孔性ポリマーとなり、基材フィルムのガスバリアー性を改善することができない。一方、水の添加量が30重量部未満であると、加水分解反応が進行しにくい。
酸は、エチルシリケート等の加水分解触媒として用いる。酸としては、硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸並びに酢酸、酒石酸等の有機酸が好ましい。酸の使用量は、ガスバリア性被膜塗工液全量を100重量部に対して0.1重量部の範囲でよい。
予め、溶液化したポリビニルアルコールまたはエチレン−ビニルアルコール共重合体の濃度は5%が好ましい。
上記で得られるエチルシリケート加水分解液に、5%濃度のポリビニルアルコールまたはエチレン−ビニルアルコール共重合体を混合する。その混合比(エチルシリケート加水分解液:ポリビニルアルコールまたはエチレン−ビニルアルコール共重合体溶液)は、1:1が好ましい。エチルシリケート加水分解液が、ポリビニルアルコールまたはエチレン−ビニルアルコール共重合体溶液の2倍より大きな混合比であると硬度が高くなり発泡効果が十分得られない。また、エチルシリケート加水分解液の混合量が、1:1より小さいと耐水性が低下する。
ガスバリア性被膜は、複合ポリマー層中の珪素はその他の金属の原子と酸素を介して結合しているために、接着強度は十分に大きく、剥離の恐れはない。ガスバリア性被膜の厚さは1〜10μm程度であり、好ましくは1〜5μm程度である。
ガスバリア性被膜層の形成は、上述のように調製した塗布液をディップコート、フローコート、カーテンコート、スピンコート、スプレイコート、バーコート等により塗布することにより行うことができる。
最後に、塗工液を塗布したガスバリア性被膜を80℃〜100℃で30秒〜60秒間加熱すると、断熱性被膜層に強固に結合した積層体が得られる。
なお、塗布液に市販の光重合開始剤を添加することにより、電離放射線により硬化可能な塗布液とすることができる。また、塗布液に熱反応開始剤(例えば、過酸化ジベンゾイル、過安息香酸tert−ブチル、アゾビスイソブチロニトリル等)を添加することにより、熱硬化可能な塗布液とすることができる。さらに、塗布液にイオン重合反応を開始する開始剤を添加することもできる。このような反応開始剤を添加する場合、添加量は0.5〜2重量%程度が好ましい。
上記で得られる本発明の積層体を用いて、断熱紙カップ、断熱段ボール、紙トレー等の産業用途、食品用途および輸送資材用途に好適に使用され、さらには、壁紙等にも使用できる。
例えば、断熱カップとして、図4に示すように、胴部(41)と底部(42)とからなり開口部周縁が外側にカールした口縁部(43)を有する紙カップの少なくとも胴部を構成する胴部材に本発明の積層体を用いた断熱カップ(40)の一例を示したものである。胴部材の領域Aの拡大断面図を図5に示す。図5に示すように、胴部材は、表面側より印刷絵柄層(4)/ガスバリア性被膜層(3)/断熱性被膜層(2)/紙基材層(1)/PETフィルム層(6)/シーラント層(5)が順次積層された積層体(41)から構成されている一例を示したものである。
上記の断熱カップ(40)に加熱発泡処理を施すことで、断熱カップ(40)の断熱性被膜層(2)に含有する発泡剤(図示せず)が発泡し、図6の胴部材一部の領域Aの拡大断面に示すように、断熱性被膜層(2)が発泡断熱性被膜層(2′)を形成することで、断熱性がさらに飛躍的に向上する。
加熱発泡処理条件としては、使用する発泡剤の種類にもよるが、140℃で3分間程度でよい。50〜100μmの範囲の厚さの断熱性被膜層(2)が、100〜400μmの範囲で発泡・膨張する。断熱性被膜層に含有する発泡剤により発泡処理を施すことにより、断熱性被膜層上に設けたガスバリア性被膜層が発泡ガスを外部に漏出するのを遮断し、断熱性被膜層内に発泡ガスを内在せしめて発泡することから断熱性がさらに飛躍的に向上する。そして、その発泡処理において、ガスバリア性被膜層(3)はある程度の柔軟性と強度を有することから、発泡処理により均一に被膜層が発泡するので、インキに対するス
トレス等の影響が少なく、発泡後であっても表面に施された印刷絵柄(4)の鮮明さを損なうことのない印刷美粧性に優れる断熱容器が得られる。
また、図4に示す紙カップの胴部(41)の接合部分(B)の内側は、図7に示すように、先端から所定長さだけ積層シート(41)の厚みの半分を削除し、削り取った残りの半分を削除面が内側になるように折り返した紙端面保護(44)を施すことにより、紙端面が収容する内容物に直接触れないようになり、液体を収容した場合など耐水性がさらに向上する。
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。
まず、予め、下記の方法で無機粉体として発泡シリカ粒子を作成した。
テトラエトキシシランの4量体(エチルシリケート40、コルコート社製)とエタノールとを混合し、25℃で3分間撹拌した後、2Nの塩酸および水を添加し、25℃で1時間を撹拌した。この溶液にさらに、N,Nジメチルベンジルアミンをエタノールに分散させたものを加え、不活性ガスをバブリングしながらゲル化させ、50℃、1時間放置し、白色の固体を得た。アルコールを除去し、この固体を乾燥し粗砕き粉砕して得た粉末を150℃で1日加熱乾燥後、500℃で2時間焼成を行い、粉末状の発泡シリカ粒子を得た。
下記に示す配合aに基づいて、アクリル樹脂に発泡剤を混合したペースト状混合物に、さらに、上記で得た発泡シリカ粒子を水を加えながら添加し、攪拌・混合して、発泡可能な白色の断熱性被膜塗工液を得た。この塗工液をポリエチレンラミネート紙を基材としてアプリケーターで塗布し、100℃の温度で60秒間加熱乾燥して、膜厚100μmの白色光沢を有する断熱性被膜層を形成した。
次に、下記に示す配合bに基づいて、ポリビニルアルコール(PVA)をイソプロピルアルコールと水の混合溶媒にて溶解したPVA溶液に、予め調整した下記に示す配合cに基づいて、エチルシリケート40(コルコート社製)、イソプロピルアルコール、塩酸(HCl)および水からなる加水分解液を加えて、攪拌・混合し、無色透明のガスバリア性被膜塗工液を調整した。
上記で得たガスバリア性被膜塗工液を、既に、ポリエチレンラミネート紙基材上に断熱性被膜層を形成したその断熱性被膜層上に塗布して、送風乾燥炉にて100℃の温度で60秒間熱処理を行い、塗膜厚さ2μmの無色透明、光沢のあるガスバリア性被膜を形成して本発明の積層体を得た。
上記で得られた積層体を用いて、カップに成型して、140℃の温度で3分間加熱発泡処理を施し、断熱性被膜層を発泡させて本発明の断熱カップを作成した。
上記で得た本発明の断熱カップと、比較としての断熱未コートカップに、95℃の熱湯を注ぎ、3分後の容器外側表面温度を測定した結果、本発明の断熱カップの外側表面温度は69.9℃であるのに対して、比較としての断熱未コートカップ外側表面温度は80℃であった。
<配合比率>
配合a
アクリル樹脂 60.0 重量部
水 29.0 重量部
発泡シリカ粒子 10.0 重量部
発泡剤 1.0 重量部
合計 100.00重量部
配合b
ポリビニルアルコール(PVA) 2.50重量部
水 44.96重量部
イソプロピルアルコール 20.11重量部
配合c
エチルシリケート40(コルコート社製) 6.26重量部
イソプロピルアルコール 12.02重量部
塩酸(HCl) 0.01重量部
水 14.14重量部
合計 100.00重量部
下記に示す配合比率に従って、配合aにおいてアクリル樹脂をエチレンー酢酸ビニル共重合体に変更した以外は実施例1と同様にして本発明の積層体および断熱カップを得た。
上記で得た本発明の断熱カップと、比較としての断熱未コートカップに、95℃の熱湯を注ぎ、3分後の容器外側表面温度を測定した結果、本発明の断熱カップの外側表面温度は71.7℃であるのに対して、比較としての断熱未コートカップ外側表面温度は80℃であった。
<配合比率>
配合a
エチレン−酢酸ビニル共重合体 60.0 重量部
水 29.0 重量部
発泡シリカ粒子 10.0 重量部
発泡剤 1.0 重量部
合計 100.00重量部
配合b
ポリビニルアルコール(PVA) 2.50重量部
水 44.96重量部
イソプロピルアルコール 20.11重量部
配合c
エチルシリケート40(コルコート社製) 6.26重量部
イソプロピルアルコール 12.02重量部
塩酸(HCl) 0.01重量部
水 14.14重量部
合計 100.00重量部
下記に示す配合比率に従って、配合aにおいてアクリル樹脂の配合比率を60重量%を80重量%に変更した以外は実施例1と同様にして本発明の積層体および断熱カップを得た。
<配合比率>
配合a
アクリル樹脂 80.0 重量部
水 29.0 重量部
発泡剤 1.0 重量部
合計 100.00重量部
配合b
ポリビニルアルコール(PVA) 2.50重量部
水 44.96重量部
イソプロピルアルコール 20.11重量部
配合c
エチルシリケート40(コルコート社製) 6.26重量部
イソプロピルアルコール 12.02重量部
塩酸(HCl) 0.01重量部
水 14.14重量部
合計 100.00重量部
上記で得た本発明の断熱カップと、比較としての断熱未コートカップに、95℃の熱湯を注ぎ、3分後の容器外側表面温度を測定した結果、本発明の断熱カップの外側表面温度は71.0℃であるのに対して、比較としての断熱未コートカップ外側表面温度は80℃であった。
本発明の比較例として、実施例1の配合aからなる断熱性被膜のみを実施例1と同様に形成し、ガスバリア性被膜を形成しない積層体を作成した。
上記で得た断熱カップと、比較としての断熱未コートカップに、95℃の熱湯を注ぎ、3分後の容器外側表面温度を測定した結果、本発明の断熱カップの外側表面温度は75.1℃であるのに対して、比較としての断熱未コートカップ外側表面温度は80℃であった。
実施例1〜4の結果、本発明の積層体を用いた断熱カップは、従来の断熱未コートカップとのカップ外側表面温度差が5℃以上あり、断熱性効果に優れるものである。また、発泡処理後であっても、カップ表面に施された印刷絵柄の鮮明さを損なうことの印刷美粧性にも優れるものであることが確認された。本発明の積層体およびその積層体を用いた断熱容器は、断熱紙カップ、断熱段ボール、断熱紙トレー等の産業用途、食品用途および輸送資材用途に好適に使用され、さらには、断熱壁紙等の建材用途にも使用できる。
本発明の積層体の構成の一例を示す断面図である。 本発明の積層体に加熱発泡処理を施した後の積層体の構成を示す断面図である。 本発明の積層体の構成の他の例を示す断面図である。 本発明の積層体を用いたカップ本体の一部断面を示した断熱カップの正面図である。 図4に示した断熱カップのカップ胴部(図4領域A)を拡大して示した拡大断面図である。 図4に示した断熱カップに加熱発泡処理を施した後のカップ胴部(図4領域A)を拡大して示した拡大断面図である。 図4に示した断熱カップの接合部分(図4B領域)を拡大して示した説明図である。
符号の説明
10、20、30・・・積層体
1・・・紙基材層(またはプラスチック基材層)
2・・・断熱性被膜層
2′・・・断熱性発泡被膜層
3・・・ガスバリア性被膜層
4・・・印刷絵柄層
5・・・シーラント層
6・・・熱可塑性樹脂層
40・・・断熱カップ
41・・・胴部
42・・・底部
43・・・口縁部
44・・・端面保護部

Claims (19)

  1. 紙基材もしくはプラスチック基材上に、有機・無機ハイブリッド複合物もしくは有機・無機粉体混合物と発泡剤とからなる発泡可能な断熱性被膜層を形成し、さらに、その断熱性被膜層上に、有機・無機ハイブリッド複合物からなるガスバリア性被膜層を形成してなることを特徴とする積層体。
  2. 前記断熱性被膜層を構成する有機・無機ハイブリッド複合物が、アルカリ土類金属のアルコキシドおよび/またはアルカリ土類金属以外の金属のアルコキシドを含有する無機アルコキシド混合物をゾル−ゲル法により加水分解し、重縮合して得られる複合物であることを特徴と請求項1記載の積層体。
  3. 前記断熱性被膜層を構成する有機・無機粉体混合物が、高分子樹脂と無機粉体とからなることを特徴とする請求項1記載の積層体。
  4. 前記ガスバリア性被膜層を構成する有機・無機ハイブリッド複合物が、アルカリ土類金属のアルコキシドおよび/またはアルカリ土類金属以外の金属のアルコキシドを含有する無機アルコキシド混合物と、水素結合形成基を有する高分子樹脂とからなり、その組成物をゾル−ゲル法により加水分解し、重縮合して得られる複合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体。
  5. 請求項3における積層体において、
    前記高分子樹脂が、アクリル樹脂またはエチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする積層体。
  6. 請求項3記載の積層体において、
    前記無機粉体が、エチルシリケートアルコキシシランをゾル−ゲル法により加水分解し、重縮合して形成する複合物を焼成して得られる発泡シリカ粒子であることを特徴とする積層体。
  7. 請求項2または4記載の積層体において、
    前記有機・無機ハイブリッド複合物が、エチルシリケートアルコキシシランをゾル−ゲル法により加水分解し、重縮合して得られる複合物であることを特徴とする積層体。
  8. 請求項4における積層体において、
    前記水素結合形成基を有する樹脂が、ポリビニルアルコールまたはエチレン−ビニルアルコール共重合体であることを特徴とする積層体。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の積層体のガスバリア性被膜層上に、印刷絵柄層を設けたことを特徴とする積層体。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の積層体を、容器を構成する容器胴部に用いることを特徴とする断熱容器。
  11. 基材もしくはプラスチック基材上に、有機・無機ハイブリッド複合物もしくは有機・無機粉体混合物と発泡剤とからなる発泡可能な断熱性被膜塗工液を調整して、塗布・乾燥してなる発泡可能な断熱性被膜を形成し、さらに、その断熱性被膜上に、有機・無機ハイブリッド複合物からなるガスバリア性被膜塗工液を調整して、塗布・乾燥してなるガスバリア性被膜を形成することを特徴とする積層体の製造方法。
  12. 前記断熱性被膜層を構成する有機・無機ハイブリッド複合物が、アルカリ土類金属のアルコキシドおよび/またはアルカリ土類金属以外の金属のアルコキシドを含有する無機アルコキシド混合物をゾル−ゲル法により加水分解し、重縮合して得られる複合物であることを特徴と請求項11記載の積層体の製造方法。
  13. 前記断熱性被膜層を構成する有機・無機粉体混合物が、高分子樹脂と無機粉体とからなることを特徴とする請求項11記載の積層体の製造方法。
  14. 前記ガスバリア性被膜層を構成する有機・無機ハイブリッド複合物が、アルカリ土類金属のアルコキシドおよび/またはアルカリ土類金属以外の金属のアルコキシドを含有する無機アルコキシド混合物と、水素結合形成基を有する高分子樹脂とからなり、その組成物をゾル−ゲル法により加水分解し、重縮合して得られる複合物であることを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の積層体の製造方法。
  15. 請求項13における積層体において、
    前記高分子樹脂が、アクリル樹脂またはエチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする積層体の製造方法。
  16. 請求項13記載の積層体において、
    前記無機粉体が、エチルシリケートアルコキシシランをゾル−ゲル法により加水分解し、重縮合して形成する複合物を焼成して得られる発泡シリカ粒子であることを特徴とする積層体の製造方法。
  17. 請求項12または14記載の積層体において、
    前記有機・無機ハイブリッド複合物が、エチルシリケートアルコキシシランをゾル−ゲル法により加水分解し、重縮合して得られる複合物であることを特徴とする積層体の製造方法。
  18. 請求項14における積層体において、
    前記水素結合形成基を有する樹脂が、ポリビニルアルコールまたはエチレン−ビニルアルコール共重合体であることを特徴とする積層体の製造方法。
  19. 請求項10記載の断熱容器において、
    容器成型後、容器胴部を100℃以上145℃以下の温度で加熱することにより発泡処理を施すことを特徴とする断熱容器の製造方法。
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