図1は、本発明の第1実施形態である摩擦撹拌接合装置20を示す斜視図である。また、図2は、図1のII−II切断面線で切断した摩擦撹拌接合装置20を示す断面図であり、図3は、図1のIII−III切断面線で切断した摩擦撹拌接合装置20を示す断面図である。
摩擦撹拌接合(Friction Stir Welding:略称FSW)装置20は、2つの被接合部材21,22が突合わされて並んで成る被接合物23を接合する。被接合物23は、2つの被接合部材21,22が突合わされる部分に継ぎ手部分が形成される。接合装置20は、継ぎ手部分に沿って接合ツール24を移動させて、各被接合部材21,22を連続接合する。継ぎ手部分は、各被接合部材21,22の境界線である接合線が表面に形成される。接合線は、たとえば直線状に延びる。
摩擦撹拌接合装置20は、円筒状の接合ツール24を装着し、接合ツール24を用いて摩擦撹拌接合を行う。接合ツール24は、略円柱状に形成される本体部25と、本体部25から軸線方向一方A1に突出し、略円柱状に形成されるピン部26とを有する。本体部25は、軸線方向一方A1側端面となるショルダ面を有する。ショルダ面は、接合ツール24の軸線L1に対して略垂直に形成される。ピン部26は、ショルダ面から垂直に突出する。本体部25とピン部26とは、同軸に形成され、ピン部26の外径は、本体部25の外径よりも小さく形成される。
回転しながら接合ツール24が被接合物23に圧入することによって、被接合物23は、接合ツール24との摩擦熱によって部分的に流動化し、流動化した部分27が固相撹拌される。被接合物23のうち流動化した部分27が互いに混ぜ合わされる。この後、流動化した部分27が固まることによって、各被接合部材21,22が接合される。被接合部材21,22は、たとえばアルミ合金から成る。
図2に示すように、接合装置20は、FSWヘッド39と、走行駆動手段34と、支持体35と、搭載体36と、制御手段37とを含んで構成される。FSWヘッド39は、接合ツール24を着脱自在に装着する。FSWヘッドは、装着した接合ツール24を予め定める基準軸線L1まわりに回転駆動するとともに、基準軸線L1に沿って変位駆動する。
なお、基準軸線L1は、FSWヘッド39に予め定められる軸線であり、接合ツール24がFSWヘッド39に装着された場合に接合ツール24と同軸となる軸線である。したがってFSWヘッド39に装着される接合ツール24は、その軸線まわりに回転するとともに、その軸線に沿って移動する。
本発明において、基準軸線L1に沿って延びる方向を基準軸線方向Aと称する。また基準軸線方向Aと直交する一方向を走行方向Xと称し、走行方向Xおよび基準軸線方向Aにともに垂直な方向を交差方向Yと称する。接合時には、走行方向Xは、被接合物23の接合線29に対して平行に延び、接合線29に対して基準軸線方向Aに並ぶ。また、走行方向Xと交差方向Yとは、被接合物23の表面に沿う方向となる。
支持体35は、被接合物23を保持する。搭載体36は、支持体35に着脱可能に装着される。搭載体36は、FSWヘッド39を搭載する。支持体35が被接合物23を保持した状態で、搭載体36が支持体35に装着された場合、FSWヘッド39は、基準軸線方向一方A1から被接合物23に臨む。
FSWヘッド39は、基準軸線方向一方A1に接合ツール24を変位移動させることによって、接合ツール24を被接合物23に圧入させる。またFSWヘッド39は、走行方向Xに移動可能に設けられ、走行駆動手段34は、FSWヘッド39を走行方向Xに変位駆動する。これによって接合時に、FSWヘッド39を、走行方向X、すなわち接合線29に沿って移動させることができる。
支持体35は、被接合物23の基準軸線方向一方A1側表面に当接し、被接合物23を保持する。支持体35は、被接合物23のうち接合線29近傍の領域に当接する。すなわち支持体35は、接合ツール24と反対側から被接合物23に当接する裏当て部材となる。
支持体35には、被接合物23を着脱自在に保持するための保持手段43が設けられる。保持手段43は、たとえば支持体35に形成されるねじ孔と、ねじ孔に螺合するワーク保持用押さえボルト44と、当接片46とを含むクランプ構造によって実現される。当接片46は、被接合物23を押さえるために設けられ、貫通孔45が形成される。ワーク保持用ボルト44の軸部分は、当接片46の貫通孔45を挿通して、支持体35のねじ孔に螺合する。当接片46は、ワーク保持用ボルト44のナット部分と、支持体35とによって挟持されてボルト締結される。
支持体35が被接合物23を保持する状態にあっては、被接合物23の基準軸線方向一方A1表面が支持体25に当接し、被接合物23の基準軸線方向他方A2表面の一部が当接片46に当接する。当接片46は、保持用押さえボルト44によって被接合物23を基準軸線方向一方A1に押圧する。これによって支持体35は、保持体43と協働して被接合物23を基準軸線方向A両側から挟持して、被接合物23を保持する。
なお、支持体35は、着脱可能に被接合物23を保持できる構成であればよい。したがって保持体43は、上述した構成以外であってもよい。たとえば支持体35は、スプリングによるばね力、電磁石による磁力、真空吸着による吸着力、または圧力源からの圧力などを利用して被接合物23を保持してもよい。
支持体35は、走行方向中間部分で被接合物23と当接する。言換えると、支持体35は、被接合物23に当接する当接部分55と、当接部分55から走行方向両側に延びる非当接部分が形成される。さらに言換えると支持体35は、被接合物23の接合部分よりも走行方向Xに大きく形成される。支持体35のうち、走行方向両端部には、搭載体36を装着するための係止部47がそれぞれ設けられる。各係止部47a,47bは、支持体35の当接部分55よりも走行方向X両側にそれぞれ設けられる。本実施の形態では、各係止部47a,47bは、凹所を有して略U字状に形成される。
具体的には、第1の係止部47aは、走行方向一方側部分52aと、走行方向一方側部分52aから厚み方向一方A1に突出する突出部分49aと、突出部分49aの厚み方向一方側端部から走行方向他方A2に延びる折返し部分50aとによって実現される。同様に、第2の係止部47bは、走行方向他方側部分52bと、走行方向他方側部分52bから厚み方向一方A1に突出する突出部分49bと、その突出部分49bの厚み方向一方側端部から走行方向一方A1に延びる折返し部分50bとによって実現される。
搭載体36は、支持体35が被接合物23を保持した状態で、支持体35に装着可能に設けられる。搭載体36は、支持体35に装着された状態で、走行方向Xすなわち被接合物23の接合線29に沿って延びる。搭載体36は、走行方向X両端部に、支持体35に装着されるための嵌合部48a,48bがそれぞれ形成される。各嵌合部48a,48bは、各係止部47a,47bに形成される凹所に配置されて、各係止部47a,47bにそれぞれ嵌合する。これによって支持体35に装着される搭載体36は、基準軸線方向Aに変位することが阻止される。また係合部47に嵌合部48が緩やかに嵌合することによって、搭載体36と支持体36との装着および装着解除を短時間で行うことができる。
また嵌合部48a,48bと係止部47a,47bとは、搭載体装着用押さえボルト51によって、ボルト締結される。具体的には、各嵌合部48a,48bは、搭載体装着用押さえボルト51が貫通する挿通孔59がそれぞれ形成される。各嵌合部48a,48bの挿通孔59は、搭載体装着用押さえボルト51の軸部分よりも大きくそれぞれ形成される。これによって搭載体36は、支持体35に対する位置を微調整することができる。
本実施の形態では、挿通孔59は、交差方向Yに延びる。各係止部47a,47bの走行方向両端部分52a,52bは、搭載体装着用押さえボルト51が螺合するねじ孔がそれぞれ形成される。各嵌合部48a,48bが各係止部47a,47bに嵌合した状態で、搭載体装着用押さえボルト51が各嵌合部48a,48bの挿通孔59を挿通し、係止部47a,47bのねじ孔に螺合する。これによって嵌合部48a,48bは、搭載体装着用押さえボルト51のナット部分と、各係止部47a,47bの走行方向両端部分52a,52bとによって、挟持されてボルト締結される。
このように係止部47、嵌合部48および搭載体装着用押さえボルト51は、搭載体36と支持体35との相対変位を阻止する変位阻止手段となる。なお、変位阻止手段は、支持体35と搭載体36とを一体に固定可能な構成であればよい。たとえば、エアシリンダによって、搭載体36と支持体35とを挟持して搭載体36と支持体35とを固定してもよい。また変位阻止手段は、エアシリンダ以外にスプリングによるばね力、電磁石による磁力、真空吸着による吸着力、圧力源からの圧力、錘による重力などを利用して搭載体36と支持体35とを一体に保持してもよい。なお、磁力を用いる場合には、支持体35と搭載体36との両方に磁性材料を用いることによって、被接合物23がアルミ合金である場合でも、搭載体36と支持体とを強固に結合することができる。
搭載体36の走行方向中間部53と、支持体35の走行方向中間部55との間には、被接合物23が収容される収容空間56が形成される。すなわち搭載体36の中間部53と被接合物23とは、基準軸線方向Aに間隔を開けて形成される。具体的には、搭載体36の嵌合部48aと搭載体36の中間部53とは、2つの屈曲部54a,54bによってそれぞれ連なる。第1屈曲部54aは、第1嵌合部48aから厚み方向他方A2に突出し、搭載体36の中間部53に連なる。第2屈曲部54bは、第2嵌合部48bから厚み方向他方A2に突出し、搭載体36の中間部53に連なる。搭載体36は、走行方向X両端部が支持体35に支持される。
搭載体36の中間部53には、走行方向Xに沿って延びる長孔54が形成される。この長孔54は、搭載体36の中間部53を基準軸線方向Aに貫通する。長孔54が走行方向Xに延びる長さは、被接合物23の接合線29の長さ以上に形成される。長孔54には、FSWヘッド39が部分的に挿通する。FSWヘッド39は、スライド体40によって支持される。スライド体40は、搭載体36に搭載される。
図3に示すように、スライド体40は、走行方向Xに移動可能に搭載体36に案内される。具体的には、スライド体40は、搭載体36に形成されるレール部56に嵌り込む。スライド体40は、レール部56を基準軸線方向両側から挟んだ状態で嵌り込む。すなわちスライド体40は、レール部56に対する基準軸線方向Aへの変位が阻止される。レール部56は、走行方向Xに沿って延び、スライド体40の走行方向X以外への移動を阻止する。これによってFSWヘッド39は、スライド体40とともに、走行方向Xに移動可能に形成される。
本実施の形態では、レール部56は、前記長孔54の両側に並ぶ。スライド体40は、長孔54をまたいで2つのレール部56にそれぞれ嵌り込む。各レール部56は、スライド体40の両端をそれぞれ支持する。これによってスライド体40は、FSWヘッド40を交差方向Y両側から支持することができる。
スライド体40は、走行駆動手段34によって走行方向Xに変位駆動される。走行駆動手段34は、たとえば搭載体36に設けられる走行用モータ80と、回転力伝達手段と、ねじ軸81と、軸支持部82,83とを含む。ねじ軸81は、走行方向Xに延び、スライド体40の螺合部84に螺合する。ねじ軸81は、軸支持部82,83によって回転可能に支持される。走行用モータ80は、回転力伝達手段によって、その回転力をねじ軸81に伝達し、ねじ軸81を回転駆動する。スライド体40は、レール部56によって、ねじ軸81まわりに回転することが阻止されており、ねじ軸81が回転することによって、走行方向Xにスライド変位する。また、ねじ軸81とスライド体40の螺合部84とによって、ボールねじが構成されることが好ましい。
なお、走行駆動手段34は、ラックとピニオンとを含む機構によって実現されてもよい。またたとえばスライド体40に搭載されるアクチュエータによって、スライド体40を自走させてもよい。このアクチュエータは、電動モータ、油圧シリンダ、エアシリンダなどを用いることができる。またスライド体40をウインチまたはチェーンを用いて牽引させてもよい。
搭載体36には、リミットスイッチ57が設けられる。リミットスイッチ57は、長孔54の走行方向一端部または走行方向他端部付近にそれぞれ設けられる。スライド体40がレール部56の走行方向X両端部に達すると、リミットスイッチ57と接触し、リミットスイッチ57は、制御手段37にスライド体到達指令を与える。また搭載体36は、クレーンまたはフォークリフトなどの搬送手段によって、係止されるフック部分が形成されることが好ましい。これによって搬送手段によって、被接合物23に予め設定される接合領域に搭載体36を搬送しやすくすることができる。
FSWヘッド39は、ツール保持部31と、回転駆動手段32と、圧入駆動手段33とを含む。ツール保持部31は、接合ツール24を着脱可能に保持する。FSWヘッド39は、ツール保持部31を基準軸線L1まわりに回転させるとともに、ツール保持部31を基準軸線方向Aに変位駆動する。
回転駆動手段32は、ツール保持部31を基準軸線L1まわりに回転駆動する。また回転駆動手段32は、ツール保持部31を支持し、ツール保持部31とともに基準軸線方向Aに変位可能に設けられる。回転駆動手段32は、ツール保持部31を基準軸線L1まわりに回転させるための動力を発生する。回転駆動手段32は、たとえば誘導モータまたはサーボモータによって実現される。回転駆動手段32は、制御手段37によって制御される。この場合、制御手段37は、モータに供給される電流を調整する。
圧入駆動手段33は、ツール保持部31を基準軸線方向Aに変位駆動する。圧入駆動手段33は、変位動力発生源を備える。変位動力発生源は、ツール保持部31を基準軸線方向Aに変位させるための動力を発生する。変位駆動力発生源は、圧力シリンダによって実現され、本実施の形態では、復動式エアシリンダによって実現される。この場合、制御手段37は、エアシリンダに供給される圧縮空気の供給径路および供給状態を調整する。
図4は、制御手段37の電気的構成を示すブロック図である。制御手段37は、回転駆動手段32、圧入駆動手段33および走行駆動手段34を制御対象として制御する。制御手段37は、記憶部60と、入力部61と、出力部62と、演算部63とを含む。記憶部60は、演算部63が実行するための演算プログラムおよび演算時に算出されるデータを一時的に記憶する。入力部61は、作業者などから摩擦撹拌接合に関する接合条件および制御開始命令および制御終了命令が入力される。演算部63は、記憶部60に記憶される演算プログラムを読出し、その演算プログラムを実行することによって、摩擦撹拌接合手順に従って、各制御対象32,33,34の制御量を演算する。出力部62は、演算部63によって算出された制御量に対応する動力を各制御対象32〜34に与える。
演算手段37は、ロボットコントローラによって実現される。たとえば入力部60は、キーボードおよびマウスなどで実現される。また出力部62は、アンプなどで実現される。また記憶部60は、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only
memory)などの記憶回路によって実現され、演算部63は、マイクロコンピュータなどによって実現される演算回路、たとえばCPU(Central Processing Unit)によって実現される。
図5は、制御手段37の動作手順を示すフローチャートであり、図6は、摩擦撹拌接合装置の接合動作を示す断面図である。ステップa0では、被接合物23が支持体35に保持されるとともに、搭載体36が支持体35に装着されて、接合準備が完了する。また制御手段37は、接合条件が入力された状態で待機する。制御手段37は、入力部61から接合開始指令が与えられたことを判断すると、ステップa1に進み、動作を開始する。
ステップa1では、制御手段37は、回転指令を回転駆動手段32に与える。これによってツール保持部31とともに接合ツール24が回転し、ステップa2に進む。ステップa2では、制御手段37は、ツール保持部31の回転速度が接合条件として設定される設定回転速度に達したことを判定する。たとえば電動モータにエンコーダが設けられる場合、エンコーダから電動モータの出力軸の角度位置を取得し、その角度位置に基づいて、ツール保持部31の回転速度が設定回転速度に達したかどうかを判定する。また制御手段37は、回転指令を与えてから設定回転速度に達するまでに必要な時間をカウントし、その時間を超えると、設定回転速度に達したことを判定してもよい。このようにサーボモータの回転速度が設定回転速度に達すると、ステップa3に進む。
ステップa3では、制御手段37は、圧入指令を圧入駆動手段33に与える。これによって図6(1)に示すように、ツール保持部31とともに接合ツール24が、設定回転速度で回転しながら被接合物23に向かって移動する。接合ツール24は、ピン部26が被接合物23に当接し、さらに被接合物23に圧入する。次に、図6(2)に示すように、ショルダ面30が被接合物23に当接し、ステップa4に進む。
ステップa4では、制御手段37は、ショルダ面30が被接合物23に当接したかどうかを判定する。電動モータの回転速度がフィードバック制御される場合、電動モータに流れる電流は、接合ツール24が被接合物23に与えるトルクに応じて変化する。したがって電動モータに流れる電流を検出して、その電流が予め定めるしきい値を越えると、ショルダ面30が被接合物23に当接したことを判定する。
また制御手段37は、圧入指令を与えてからショルダ面30が被接合物23に当接するまでに必要な時間をカウントし、その時間を超えると、ショルダ面30が被接合物23に達したことを判定してもよい。また接合装置20が、ショルダ面30が被接合物23に当接したか否かを検出するセンサを有する場合には、そのセンサから与えられる検出結果に基づいて、ショルダ面30が被接合物23に達したことを判定してもよい。このように制御手段37が、ショルダ面30が被接合物23に当接したことを判定すると、ステップa5に進む。
ステップa5では、制御手段37は、圧入停止指令を圧入駆動手段33に与える。これによって、接合ツール24は、被接合物23への圧入の進行を停止する。このとき、接合ツール24は、摩擦熱によって被接合物23の継ぎ手部分を流動化し、流動化した部分を撹拌する。圧入停止指令を与えてから予め定める時間が経過し、被接合物23を部分的に十分に流動化させると、制御手段37は、走行指令を走行駆動手段34に与える。これによって接合ツール24は、図6(3)に示すように、回転しながら接合線29に沿う走行方向Xに移動し、ステップa6に進む。
ステップa6では、制御手段37は、接合ツール24が走行を開始してから、接合条件として設定される設定走行距離分移動したことを判定する。たとえばリミットスイッチ57からスライド体到達指令が与えられると、接合ツール24が設定走行距離分移動したことを判定する。また制御手段37は、接合時間または接合距離が予め定めるしきい値に達したことを判定して、設定走行距離に達したことを判断してもよい。このように接合ツール24が設定走行距離分移動したことを判定すると、ステップa7に進む。
ステップa7では、制御手段37は、走行停止指令を走行制御手段34に与える。これによってツール保持部31が停止する。ツール保持部31が停止すると、ステップa8に進む。ステップa8では、制御手段37は、引抜き指令を圧入駆動手段33に与える。これによって、図6(4)に示すように、接合ツール24を、被接合物23から引抜き、ステップa9に進む。ステップa9では、制御手段37は、回転停止指令を回転駆動手段32に与える。これによって接合ツール24の回転が停止し、ステップa10に進む。ステップa10では、摩擦撹拌接合における制御手段37の動作が完了する。
このように制御手段37が動作することによって、回転する接合ツール24を被接合物23に圧入した状態で、被接合物23の接合線29に沿って接合ツール24を移動させて、被接合部材21,22を接合することができる。
なお、連続摩擦撹拌接合を行う場合には、接合ツールを圧入した接合開始位置と、接合ツールを離脱させた接合終了位置とは、接合ムラが生じる場合がある。この場合、接合ムラを見越した接合ムラ形成部分を設けることが好ましい。たとえば各被接合部材21,22に、接合線29の延長線上両側に接合ムラ形成部分を予め設ける。そして一方の接合ムラ形成部分に接合ツール24を圧入し、接合線29に沿って移動させ、他方の接合ムラ形成部分から接合ツール24を離脱させる。この場合、接合ムラ形成部分には接合ムラが生じる。この接合ムラ形成部分を接合後に切除することによって、接合ムラのない被接合物23を形成することができる。このように被接合物23に接合ムラ形成部分を予め余分に形成しておくことによって、摩擦撹拌接合装置による接合ムラをなくすことができる。
図7は、鉄道車両の側構体70を示す平面図である。側構体70は、略長方形板状に形成される。側構体70は、厚み方向に挿通する窓空間71と、厚み方向に挿通するドア空間72とが形成される。鉄道車両形成後には、窓空間71には、ガラスが嵌め込まれ、ドア空間72にはドアが収容される。
側構体70は、複数の被接合部材73a〜73hが接合されて板状に構成される。この場合、複数の被接合部材73a〜73hは、側構体70の長手方向および幅方向に並ぶ。側構体70を形成するために複数の被接合部材73a〜73hを接合する場合、その各接合線29a〜29jは、側構体70のうち任意の方向でかつ任意の長さに延びる。本実施の形態では、各接合線29a〜29jは、側構体70の長手方向および側構体70の幅方向のいずれかに延びる。また各接合線29a〜29jの長さは、側構体70の長手方向寸法および幅方向寸法よりも短い。
図8は、側構体70を形成する手順を示すフローチャートである。また図9は、側構体70の形成手順を説明するために摩擦撹拌接合装置を示す斜視図であり、図10は、側構体70の形成手順を説明するために摩擦撹拌接合装置を示す平面図である。まず作業者は、側構体70を構成するために必要な各被接合部材73a〜73hを準備して、各被接合部材73a〜73hを接合可能な状態となると、ステップb1に進み、側構体70の形成動作を開始する。
ステップb1では、支持体35を予め定める位置に配置し、ステップb2に進む。ステップb2では、図9(1)に示すように、2つの被接合部材21,22を被接合物23として支持体35に保持させる。具体的には、接合すべき2つの被接合部材21,22を側構体70の一部となるように、各被接合部材21,22を突合わせて支持体35に配置する。このとき、被接合物23の接合線29が支持体35に設定される走行方向Xに沿って延びるように、各被接合部材21,22を配置する。また被接合部材21,22のうち、少なくとも接合線29付近の部分を支持体35にそれぞれ当接させる。
なお、被接合物23のうち1つの接合領域のみを接合する場合には、支持体35は、被接合物全体を支持する必要がない。この場合、支持体23上に被接合物23の接合領域が対向するように、支持体35または被接合物23の位置を調整する。また被接合物23のうち複数の接合領域を接合する場合には、接合領域に応じて支持体35を予め配置しておくか、複数の接合領域を含む適当な大きさの支持体23を用いる。
次に、保持手段43と支持体35とによって被接合物23を挟持させて、支持体35に被接合物23を保持させる。このとき必要に応じて、クランプ、バイスまたは専用の治具などによって被接合部材21,22を仮接合した状態で、被接合物23を支持体35に保持させてもよい。被接合物23の保持が完了すると、ステップb3に進む。
ステップb3では、各被接合部材をアーク溶接などによって仮接合する。仮接合が完了すると、ステップb4に進む。なお、ステップb3における仮接合は、支持体35による被接合物23の保持が十分であるなら省略可能である。
ステップb4では、クレーンまたはフォークリフトなどの搬送装置によって搭載体36を搬送し、支持体35に搭載体36を装着させる。具体的には、搭載体36の各嵌合部48a,48bを、支持体35の各係止部47a,47bにそれぞれ嵌合する。また搭載体装着用押さえボルト51によって、搭載体36を支持体35にボルト締結する。このとき搭載体36は、接合線29に対する位置が調整された状態で、装着されることが好ましい。このように搭載体36を支持体25に装着すると、ステップb5に進む。
ステップb5では、ツール保持部31を予め定める接合開始位置に移動させた後、摩擦撹拌接合装置20を用いて、上述したステップa1〜a10の動作を行う。これによって被接合部材21,22を摩擦撹拌接合する。摩擦撹拌接合が完了するとステップb6に進む。ステップb6では、支持体35から搭載体36を取外し、ステップb7に進む。ステップb7では、側構体70として全ての被接合部材73a〜73hを接合したか否かを判断する。全ての被接合部材73a〜73hを接合していない場合には、ステップb1に戻り、接合していない被接合部材を接合する。たとえば図10に示すように、第1の被接合部材73aと第2の被接合部材73cとを接合した後、次に第2の被接合部材73cと第3の被接合部材73fを接合する。このようにして側構体70として構成される全ての被接合部材73a〜73hを接合する。ステップb7において、全ての被接合部材73a〜73jを接合した場合には、ステップb8に進み、側構体70の形成動作を完了する。
なお、鉄道車両用の側構体70に形成される窓空間71およびドア空間72のように、被接合物23に厚み方向に挿通する空間に、係合部47および嵌合部48を配置することによって、被接合物23の内部の接合領域も、本発明の摩擦撹拌接合装置20を用いて接合することができる。
また、上述した接合動作では連続接合について説明したが、スポット接合についても同様に行うことができる。この場合、接合ツール24を被接合物23に圧入させて被接合物23を摩擦撹拌接合し、次に被接合物23から離脱した後、走行方向Xに移動し、再び接合ツール24を被接合物23に圧入させる動作を繰り返すことによって、走行方向Xに沿って複数の箇所で、被接合物をスポット接合することができる。このような動作は、制御手段37によって実行される。
以上のように、本実施の形態によれば、被接合物23に予め設定される接合領域に基づいて、搭載体36を形成することができる。これによってツール保持部31を被接合物全体にわたって移動可能な構成とする必要がない。言換えると、摩擦撹拌接合装置20の大きさは、被接合物全体の大きさにかかわらず、被接合物23の接合領域の大きさに基づいて決定される。したがって被接合物23が大型化しても、摩擦撹拌接合装置30の大型化を防ぐことができる。
これによって摩擦撹拌接合装置20の設備コストおよび設置スペースを低減することができる。FSWヘッド39を広範囲に移動させる必要がないので、FSWヘッド39の支持部分の強度を大きくする必要がない。また要求される位置決め精度で接合ツール24を移動させることが容易となる。
また被接合物23の接合領域が同じであれば、被接合物23の形状およびサイズが異なる場合であっても、1つの摩擦撹拌接合装置20で対応可能であり、被接合物23の変化に対して柔軟に対応することができる。なお、被接合物23の接合領域に基づいて搭載体36が形成されるので、上述した鉄道車両の側構体70のように、被接合物23のうち接合領域が部分的に散在して形成される場合、厚み方向に挿通する空間が形成される場合、接合線29が長手方向以外に延びる場合、接合線29の長さが短い場合の少なくとも1つの場合に、特に好適に用いることができる。またスポット接合の場合には、接合線29に代えて接合領域が、上述する条件となる場合に好適に用いることができる。
また支持体35が裏当て部材となる。これによって接合時に被接合物23が変形することを防ぎ、接合品質を向上することができる。なお、支持体35は、被接合物23に対して部分的に当接しても、被接合物23に対して全面的に当接してもよい。また、被接合部材23を連続接合する場合、支持体35は、各被接合部材21,22の境界部分にそれぞれ当接することが好ましい。
また、嵌合部48が係止部47に嵌合することによって、搭載体36が支持体35に対して変位することが阻止される。これによって被接合物23から搭載体36に反力が与えられても、搭載体36が被接合物23に対してずれることを防ぐことができ、接合品質の低下を防ぐことができる。また搭載体36の変位を阻止するために、搭載体36と支持体35との構造を工夫することによって変位阻止手段を実現することによって、簡単な構成でかつ確実に搭載体36の変位を阻止することができる。また搭載体36と支持体35との装着および装着解除を短時間で行うことができる。
さらに、搭載体装着用押さえボルト51を用いて、搭載体36と支持体35とをボルト締結することによって、マグネットおよび真空吸着などに比べて、支持体35と搭載体36とを強固に結合することができる。またガタをなくした状態で、支持体35と搭載体36とを接合することができる。これによって接合時に、搭載体36が被接合物23から反力が与えられても、搭載体36の変位を阻止して摩擦撹拌接合を継続することができる。
また搭載体36は、支持体35に対して交差方向Yに微調整可能に形成される。これによって接合線29と接合ツール24の移動経路とが一致するように調整することができる。また、複数の搭載体装着用押さえボルト51によって、搭載体36をボルト締結することが好ましい。これによって接合時に、搭載体36が角変位することを阻止することができる。
図11は、第1実施形態の変形例であって、一部を拡大して示す断面図である。係合部47に形成される凹所の基準軸線方向寸法H1は、嵌合部48の基準軸線方向寸法H2よりも大きく形成されてもよい。この場合、嵌合部48が係合部47に嵌合した状態で、嵌合部48と係合部47との間に形成される隙間を塞ぐスペーサ58が設けられる。これによって図11(1)に示すように、搭載体36が、がたつくことを防ぐことができる。
またスペーサ58、搭載体装着用押さえボルト51を変更することによって、搭載体36を支持体35から離反した任意の位置で保持することができる。また当接片46を変更することによって、基準軸線方向寸法が変更した場合であっても保持することができる。したがって図11(2)に示すように、スペーサ58、搭載体装着用押さえボルト51および当接片46を変更することによって、被接合物23の厚み方向寸法が異なる場合であっても、同じ摩擦撹拌接合装置を用いることができる。これによって、さらに柔軟な対応が可能となる。
図12は第1実施形態の他の接合動作例を示す平面図であり、図13は第1実施形態の他の接合動作例を示す断面図である。本発明の摩擦撹拌接合装置20は、従来技術の摩擦撹拌接合装置に比べて小型化に形成することができ、製造コストを大幅に低することができる。したがって摩擦撹拌接合装置20を複数台準備することができる。
図12に示すように、摩擦撹拌接合装置20は、接合領域が複数ある場合には、被接合物23を予め仮止めしておくことによって、複数並列に動作させることができる。これによって、短時間に3つ以上の被接合部材を接合することができ、さらに接合時間を短縮することができる。
また図13に示すように、被接合物23に厚み方向に突出するリブ400が形成される場合、従来技術では、FSWヘッドがリブ400に当接することを防ぐために、FSWヘッドを基準軸線方向Aに大きく動作させる機構を追加する必要があり、構造が複雑となる。これに対して、本発明の摩擦撹拌接合装置20では、小型に形成されるのでリブ400を避けることができ、各被接合部材21,22を容易に接合することができる。
また摩擦撹拌接合装置20は、接合動作が終了した後に自動的に停止するように、制御手段37によって構成されることが好ましい。これによって一人の作業者が複数の摩擦撹拌接合装置20を複数同時に取り扱うことができ、省人化を図ることができる。
図14は、第1実施形態の他の接合動作例の変形例を示す断面図である。図13に示す支持体35は、搭載体36ごとに設けられたが、図14に示すように、1つの幅広の支持体35に、複数の搭載体36をそれぞれ載せてもよい。これによって、複数の支持体35を設ける必要がないので、支持体35と被接合物23との位置合わせにかかる手間を低減することができる。また複数の搭載体36を1つの支持体35によって固定することによって、接合時に複数の搭載体36が互いにずれることを防ぐことができる。
図15は、本発明の第2実施形態である摩擦撹拌接合装置120を示す斜視図である。摩擦撹拌接合装置120は、第1実施形態に比べて支持体135の構成が異なり、その他の構成については、第1実施形態の摩擦撹拌接合装置20と同様である。したがって同様の構成については、説明を省略し、同様の参照符号を付する。
支持体135は、板状に形成され、被接合物23を支持する。支持体135は、走行方向Xおよび交差方向Yに並ぶ複数のねじ孔100が形成される。支持体135は、被接合物23を支持する裏当て部材となる。
図16は、被接合物23を支持体135に支持する保持体143を示す断面図である。保持手段143は、支持体135に形成されるねじ孔100に螺合するワーク保持用押さえボルト144と、当接片146と、位置調整プレート101とを含むクランプ構造によって実現される。当接片146は、被接合物23を押さえるために設けられ、貫通孔145が形成される。ワーク用位置調整プレート101は、被接合物23の基準軸線寸法とほぼ等しく設定される。また、ワーク用位置調整プレート101は、被接合物23に近接して支持体135に配置される。ワーク用位置調整プレートは、ハイトアジャストスペーサと称される場合もある。
ワーク保持用ボルト144の軸部分は、当接片146の貫通孔145を挿通して、支持体135のねじ孔100に螺合する。当接片146は、被接合物23とワーク用位置調整プレート101とにわたって当接する。当接片146は、ワーク保持用ボルト44のナット部分によって、支持体135に向かう方向に押付けられる。これによって当接片146は、被接合物23と位置調整プレート支持体35とを支持体135に押付け、被接合物23を保持することができる。なお、ワーク用位置調整プレート101が設けられることによって、当接片146と支持体135とによって被接合物23を安定して挟持することができる。
図17は、支持体135と搭載体36との装着状態を示す断面図である。搭載体36は、搭載体装着用押さえボルト51によって支持体135にボルト締結される。装着用押さえボルト51の軸部分は、搭載体36の挿通孔59を挿通して、支持体135のねじ孔100に螺合する。搭載体36は、ワーク保持用ボルト44のナット部分によって、支持体135に向かう方向に押付けられる。これによって搭載体36が、支持体135に装着される。なお図17に示すように、搭載体36の一部が被接合物に当接して、搭載体36の挟持が不安定となる場合には、搭載体装着用位置調整プレート102が、支持体135と搭載体との間に設けられてもよい。これによって、搭載体36を安定して挟持することができる。
図18は、側構体70の形成手順を説明するために摩擦撹拌接合装置を示す平面図である。支持体135を大型に形成することによって、接合動作毎に、支持体135を移動させる必要がない。これによって3つ以上の被接合部材を接合して被接合物を形成する場合に、接合作業に費やす時間を短縮することができる。
以上のように、本発明の第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。またねじ孔100が走行方向Xおよび交差方向Yに複数並んで設けられるので、任意の位置で被接合物23を支持体135に保持させることができる。また任意の位置で搭載体36を支持体135に装着させることができる。これによって支持体135の配置位置を細かく調整する必要がなく、さらに短縮することができる。
図19は、本発明の第3実施形態の形態である摩擦撹拌接合装置220を示す断面図である。摩擦撹拌接合装置220は、第1実施形態または第2実施形態の摩擦撹拌接合装置20,120に比べて搭載体235の構成が異なり、その他の構成については、第1実施形態または第2実施形態の摩擦撹拌接合装置20,120と同様である。したがって同様の構成については、説明を省略し、同様の参照符号を付する。
搭載体236は、支持体35に装着される本体部200と、FSWヘッド39を案内する案内部201とを有する。案内部201は、本体部200に対して位置調整可能に設けられる。本実施の形態では、案内部201は、本体部200に対して交差方向Yに変位可能に形成される。具体的には、案内部201は、一対のレール部56を有する。レール部56は、走行方向Xに延び、交差方向Yに予め定める距離離れて設けられる。案内部201は、各レール部56をともに支持するレール支持部分204が形成される。レール支持部分204は、本体部200に対してスライド可能に設けられる。レール部56は、接合すべき接合領域の長さにほぼ等しく設定される。これによって搭載体36を小型化することができる。
本体部200は、位置調整用ねじ部材203が螺合するねじ支持部202が設けられる。位置調整用ねじ部材203は、外ねじが形成されるねじ軸である。ねじ部材203は、ねじ支持部202を螺進することによって、ねじ支持部202から突出可能に形成される。ねじ支持部202は、レール支持部分204の交差方向Y両側にそれぞれ設けられ、ねじ孔が交差方向Yに延びる。ねじ部材203は、ねじ支持部202に螺着した状態で螺進することによって、先端部がレール支持部分204に当接する。ねじ部材203がレール支持部分204に当接した状態で、さらに螺進することによって、レール支持部分204を交差方向Yにスライド移動させることができる。ねじ支持部202が交差方向Y両側に形成されることによって、交差方向Yの任意の位置にレール支持部分204を移動させることができる。さらにねじ支持部202が走行方向Xに並ぶことによって、本体部200に対して案内部201を基準軸線L1まわりに角変位させることができる。これによって支持体と被接合物の接合線29とがずれていた場合であっても、案内部201を位置調整することによって、接合ツール24を接合線29に沿って移動させることができる。このように位置調整用ねじ部材203は、本体部200と案内部201との位置を調整する位置調整手段となる。位置調整手段は、案内部201の位置を調整可能であるとともに、調整した位置に案内部201を保持する。
以上のように本発明の第3実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また搭載体36が支持体35に搭載された状態で、FSWヘッド39の移動経路を調整することができる。たとえば搭載体36の本体部200が、被接合物23の接合領域に対してずれて支持体35に装着される場合であっても、案内部201を位置調整することによって、接合ツール24を接合線29に沿って正確に移動させることができる。
また、搭載体36を支持体25に搭載するだけでは、接合線29に沿って接合ツール24を移動することができない場合であっても、案内部201を位置調整することによって、被接合物23の形状にかかわらず接合することができ、さらに柔軟に摩擦撹拌接合を行うことができる。
上述した本発明の実施の形態は、本発明の例示に過ぎず発明の範囲内で構成を変更することができる。本実施の形態では、2つの被接合部材を連続接合する場合を説明した。これに対し、2つの被接合部材をスポット接合する場合も本発明に含まれる。また本実施の形態では、機械的な嵌め合わせと、ボルト締結とを併用して、搭載体36と支持体35とを固定したが、他の結合方法を用いて、搭載体36と支持体35とを固定してもよい。
またFSWヘッドが案内されるレールは直線であるとしたが、接合線が曲線の場合には、その曲線に沿ってレールが湾曲してもよい。これによって接合線が湾曲している場合であっても、被接合部材21,22を接合可能である。またレールは、一対設けられてFSWヘッド39を両持ち支持するとしたが、1つのレールによってFSWヘッド39を片持ち支持してもよい。また接合すべき被接合物23は、アルミ合金以外の材料であってもよい。また鉄道車両の側構体70以外であってもよい。