JP4440775B2

JP4440775B2 - 工具ホルダ

Info

Publication number: JP4440775B2
Application number: JP2004534379A
Authority: JP
Inventors: エリクソン、ロバート、エー．; アンドラス、リン、アール．
Original assignee: Kennametal Inc
Current assignee: Kennametal Inc
Priority date: 2002-09-03
Filing date: 2003-09-02
Publication date: 2010-03-24
Anticipated expiration: 2023-09-02
Also published as: RU2334593C2; WO2004022288A2; EP1534456A2; BR0314331A; US20060104728A1; US7311478B2; PL374546A1; AU2003268304A8; IL167024A; EP1534456A4; CA2497299C; CN1678419A; JP2005537143A; WO2004022288A3; EP1534456B1; KR101041944B1; AU2003268304A1; KR20050057113A; PL209341B1; CN100588488C

Description

（関連した出願への相互参照）
本出願は、参照することによりその内容全体が本明細書中に組み込まれる、２００２年９月３日に出願された、「迅速交換工具ホルダ」という名称の、米国仮特許出願第６０／４０７，７２７号に関する。

（技術分野）
本発明は、工具ホルダに関する。本工具ホルダは、複数の切削インサートを有する本体部を含み、機械加工中に各切削インサートを回転する被加工物に個別に存在させるために、工具ホルダは回転する被加工物の機械加工中に複数の静的位置に固定可能である。１つの実施の形態において、工具ホルダは、Ｙ軸動作を伴う工作機械（ｍａｃｈｉｎｅｔｏｏｌ）に使用するために、迅速交換の特徴と、径方向に装着された工具の構成と、を含む。他の実施の形態において、工具ホルダは、Ｘ軸及びＺ軸動作を伴う工作機械に使用するために、迅速交換の特徴と、水平方向に装着された工具の構成と、を含む。さらに他の実施の形態において、工具ホルダは、複数の切削インサートを含む本体を含み、工具ホルダは、工作機械の少なくともＹ軸動作における回転及び水平移動（ｔｒａｎｓｌａｔｉｏｎ）によって、回転する被加工物の機械加工中に、複数の静的位置で固定可能である。

現在、Ｙ軸の性能（被加工物の中心線の上下）を備えるフライス盤／旋削工具は、機械のチャック内に保持された被加工物の側面で回転機械加工（フライス、穴あけ等）を実行するために利用できる。生産環境における工作機械の休止時間を最小にすることは、製造設備の成功に重大である。

歴史的には、このような休止時間の主な原因は、工作機械により使用される損傷又は磨耗した切削工具を交換するために必要な時間であった。切削工具は工具ホルダによって保持されており、一般的には、工作機械に固定された工具支持部材内に装着されている。切削工具を交換しなければならない時には、切削工具を交換するために工作機械を工具交換位置に配置する必要があり、それによって休止時間を増加させる。

さらに、固定した工具の構成を有するＸ及びＸ軸における旋削作業（ｔｕｒｎｉｎｇｏｐｅｒａｔｉｏｎ）用の従来の工具機械（ｔｏｏｌｍａｃｈｉｎｅ）は、各構成のための主要な工具ホルダ本体を購入する必要がある。すべての可能性のある望ましい構成用に固定した工具構成を購入する時には、その費用が無視できない。さらに、工具ホルダ及び／又は切削インサートの破損につながる破壊の場合には、固定した工具構成内の工具ホルダ本体全体を交換又は修理しなければならない。

本発明の１つの態様によると、本発明の発明者は、工具機械における休止時間を減らす必要を認識し、１つの工具交換によって多数の工具構成をもたらし、それによって休止時間を最小にする、フライス盤／旋削工具に使用されるために設計された工具ホルダ、特にＹ軸性能を有する工具機械を開発した。

さらに、本発明の発明者は、各望ましい工具構成用の個別の工具ホルダの購入に関連した費用を減らすＸ及びＺ軸方向に動作する旋削工具において、柔軟な工具構成を提供する必要性を認識した。

簡潔に述べると、本発明によると、複数の切削インサートを有する本体部を含み、機械加工中に各切削インサートを加工する被加工物に個別に存在させる（ｐｒｅｓｅｎｔ）ために、工具ホルダが回転する被加工物の機械加工中に複数の静的位置に固定可能である、工具ホルダが提供されている。

１つの実施の形態において、工具ホルダは、Ｙ軸動作を伴う工作機械に使用するために、迅速交換の特徴と、径方向に装着された工具の構成と、を含む。

他の実施の形態において、工具ホルダは、Ｙ軸及びＺ軸動作を伴う工作機械に使用するために、迅速交換の特徴と、水平方向に装着された工具の構成と、を含む。

工具ホルダは、本体部と、本体部に装着され各々がボアを含む支持部材アセンブリと、アクチュエータボルト及びアクチュエータナットによって各支持部材アセンブリのボア内に取外し可能に収容可能なシャンクを含むインサート収容カートリッジと、を含み、インサート収容カートリッジは切削インサートを収容するためのポケットを含み、アクチュエータボルトの回転によってインサート収容カートリッジが支持部材へ固定されるか又は支持部材から取り外されるようにする。

さらに他の実施の形態において、工具ホルダは、工作機械の少なくともＹ軸動作における回転及び水平方向の動作を有する工作機械に使用するための工具構成を含む。

工具ホルダは、本体部と、選択的な支持部材アセンブリと、インサート収容カートリッジと、を含んでいてもよい。インサートは、ほとんどの任意の適切なファスナアセンブリを使用して各支持部材アセンブリのボア内に若しくは本体部内に形成されたボア内に固定されたインサート収容カートリッジに装着されるか、又は本体部内に一体的に形成されたポケット内に装着されていてもよい。好ましい実施の形態において、カートリッジは、アクチュエータボルト及びアクチュエータナットによって、ボア内に固定されており、アクチュエータボルトの回転によって、インサート収容カートリッジが支持部材アセンブリに固定されるか又は支持部材アセンブリから取り外されるようにする。

第１の切削工具が、複数のインサート収容カートリッジのうちの１つに装着された複数の切削インサートの１つによって形成され、第１の切削工具は被加工物と係合し、第２の切削工具が複数のインサート収容カートリッジのうちの異なる１つに装着された複数の切削インサートのうちの異なる１つによって形成されている。第２の切削工具は、工具ホルダを工具ホルダの長手軸周わりに回転させることによって被加工物と係合可能であり、他の実施の形態において、工作機械の通常の切削面に少なくとも垂直な軸の回転及び水平移動によって係合可能である。

本発明のさらなる特徴並びにそこから由来する利点は、次の詳細な説明を添付の図面を参照しつつ読めば、明らかだろう。

同じ参照番号は同じ又は対応する要素を意味する図を参照すると、工具ホルダ２０が、本発明に従って示されている。工具ホルダ２０は複数のポケット３８を有する本体部３２を含み、各ポケットはその中に保持された切削インサート４０を有する。当然のことながら、ポケット３８は、図１〜２０及び２３〜２５に示すように、支持部材アセンブリ３３内に固定されるように構成されるインサート収容カートリッジ内に形成されてもよく、図２１に示すように、本体部内に形成されたボア内に適切なファスナを使用して固定されていてもよく、あるいは、ポケットは、図２２に示すように、本技術分野において周知の工具製造技術を使用して、本体部３２と一体的に形成されてもよい。

参照することによりその内容全体が本明細書中に組み込まれる米国特許第６，４１５，６９６号に記載されるように、工具ホルダ２０は、工作機械の軸締付（ｓｐｉｎｄｌｅｃｌａｍｐｉｎｇ）ユニット２３に解除可能に固定された、シャンク２２を含む（図５）。しかしながら、本発明は、それによって工具ホルダ２０が締付（ｃｌａｍｐｉｎｇ）ユニット２３に固定される手段によって限定されず、工具ホルダ２０は、本技術分野において任意の周知の手段を使用して、固定可能である。

図１〜５に示すように、支持部材アセンブリ３３は、本体部に作動的にに接続されている。各支持部材アセンブリ３３は、一般的に３６ａ−ｆで示されるように、インサート収容カートリッジを収容するためのボア３４を含む。支持部材アセンブリ３３は、形状が略同一であっても、あるいは各々異なる形状であってもよい。ボア３４は支持部材３３内に形成されており、本体部３２から突出すると共に工具ホルダ２０のＸ軸に沿って延びる長手軸Ｌに略垂直である。

図１に示す図示の実施の形態において、工具ホルダ２０は、対応する数のインサート収容カートリッジ３６ａ−ｆを収容するための、本体部３２の周囲すなわち外面に装着された、合計６つの支持部材アセンブリ３３を含む。しかしながら、当然のことながら、本発明は、支持部材アセンブリ３３及びインサート収容カートリッジ３６ａ−ｆの数によっては限定されない。本発明は、任意の望ましい数の支持要素及びインサート収容カートリッジによって実行可能であり、唯一の限定は工具ホルダ２０の本体部３２の寸法である。各インサート収容カートリッジ３６ａ−ｆは、ねじ部品等の適切な締付（ｆａｓｔｅｎｉｎｇ）手段３９によってインサート４０を関連するそれぞれのインサート収容カートリッジ３６に確実に保持するためのポケット３８を含む。

図１〜２１に示すように、カートリッジは、参照することによって本明細書中に組み込まれる米国特許第６，２７０，２９３号に示され記載されている、迅速交換の特徴を使用して、本体部３３に固定されていてもよい。米国特許第６，２７０，２９３号に示された迅速交換の特徴を使用することにより、当然のことながら、インサート収容カートリッジ３６ａ−ｆは、工具ホルダ２０から迅速かつ容易に取外し可能であり、それによって、切削インサート４０ａ−ｆを交換する時の休止時間を最小にする。詳細には、各インサート収容カートリッジ３６ａ−ｆは、円錐形の管状であってもよいシャンク４２（図１では１つのシャンクのみが示されている）を含む。各インサート収容カートリッジ３６ａ−ｆは、シャンク４２を関連するそれぞれのボア３４内に挿入することによって、本体部３２に半径方向に装着されている。支持部材アセンブリ３３は、インサート収容カートリッジ３６ａ−ｆ上の対向する当接面４６と接合可能となり得る、対向面４４を有する。面４４、４６は、互いに嵌まり合って接触するために、他の形状であってもよく、円錐形又は平面状であってもよい。

アクチュエーティングボルト４８が、インサート収容カートリッジ３６ａ−ｆを関連するそれぞれの支持部材アセンブリ３３にロックするため又はインサート収容カートリッジ３６ａ−ｆを関連するそれぞれの支持部材アセンブリ３３から排出するための工具ホルダ２０の長手軸Ｌの径方向及び略垂直の放射軸Ｒ１（図１）に沿って、本体部３２内に置かれている。アクチュエーティングボルト４８は、軸Ｒ１に沿って本体部３２を通って延びる通路５０内に位置する。インサートカートリッジ３６ａ−ｆが、迅速に、関連するそれぞれの支持部材アセンブリ３３に取付け又は取外し可能なように、アクチュエーティングナット６０は、アクチュエーティングボルト４８と協働する。シャンク４２及び関連した工具支持部材アセンブリ３３のボア３４は筒状として図示されているが、本発明は、このような形状に限定されるべきでない。シャンク４２及びボア３４は、円筒形、正方形、矩形、三角形、及びトロコイド形状（ｔｒｏｃｈｏｉｄａｌ）を含む、アクチュエーティングボルト４８を受け入れるのに十分な、任意の数の異なる形状であってもよい。さらに、シャンク４２は、ボア３４内で締りばめしてもよい。

上述のように、インサート４０ａ−ｆを固定するインサート収容カートリッジ３６は、対応するアクチュエータボルト４８を回転することによって、工具ホルダ２０の関連するそれぞれの支持部材アセンブリ３３内に迅速かつ容易に取外し又は取り付け可能であり、それにより、インサート工具の迅速な交換を提供する。さらに、個別のインサート４０ａ−ｆと関連するそれぞれのインサート収容カートリッジ３６ａ−ｆとの組合せは、異なる機械加工を実行可能である。たとえば、インサート４０ｆと関連するそれぞれのインサート収容カートリッジ３６ｆとは、図４に示すように、一般的に１２０で示された、旋削作業に使用するための旋削工具（ｔｕｒｎｉｎｇｔｏｏｌ）を形成していてもよい。

図４に示される旋削作業において、被加工物１２２は、本技術分野において既知の方法で、Ｗ方向に回転するために、チャック１２６のチャックジョー（ｃｈｕｃｋｊａｗ）１２４に装着されている。図９で最もよくわかるように、被加工物１２２は、工具ホルダ２０のＸ軸の方向（ページの内へ）において、水平軸Ｌと略平行な中心線に沿って、長手軸ＬＷを有する。つまり、被加工物１２２の長手軸ＬＷは、工具ホルダ２０のＹ軸方向において、鉛直軸Ｖと略垂直である。図４及び５で見られるように、工具ホルダ２０の水平軸Ｌは、被加工物の長手軸ＬＷと同一平面にはない。

図４に示すように、旋削作業中に旋削工具１２０が被加工物１２２と係合する時には、旋削工具１２０の鉛直軸ＶＴは工具ホルダ２０の鉛直軸Ｖと略平行であり、よって、被加工物１２２の水平軸ＬＷ（ページの内へ）と略垂直である。矢印で示すように、切削方向がＺ軸に沿っており、被加工物１２２の水平軸ＬＷ及び工具ホルダ２０の水平軸Ｌの両方に略平行であることにも留意されたい。図５に示すように、切削方向は、見る人に向う方向である（ページの外へ）。

本発明の工具ホルダ２０の他の例において、インサート４０ｂと関連するそれぞれのインサート収容カートリッジ３６ｂとは、図６及び７に示されるように、溝加工作業に使用するための、一般的に１３０で示される溝加工工具を形成できる。図６の図示された実施の形態において、溝加工工具１３０は、工具ホルダ２０のシャンク２２の先端にある外部工具として配置されている。しかしながら、当然のことながら、溝加工工具１２０は、図７に示すように、工具ホルダ２０に装着された切削工具の数によって、工具ホルダ２０のシャンク２２に近接する内部工具として配置されているか又は外部工具及び内部工具の両方である。本発明の図示された工具ホルダ２０を図４に示す旋削作業位置から略１２０°回転することによって、本発明の工具ホルダ２０は、工作機械作業において迅速な交換を提供できる。

溝加工作業において、被加工物１２２は、溝加工作業中に、工具ホルダ２０のＸ軸の方向（図６のページの内へ）において、水平軸Ｌに略平行なその中心線に沿って、長手軸ＬＷを有する。つまり、被加工物１２２の長手軸ＬＷは、溝加工作業中に、工具ホルダ２０のＹ軸の方向における、鉛直軸Ｖに、略垂直である。図６及び７からわかるように、工具ホルダ２０の水平軸Ｈは、被加工物の長手軸ＬＷと同一平面にはない。

図６に示すように、溝加工工具１３０の鉛直軸ＶＧは工具ホルダ２０の鉛直軸Ｖと略平行であり、よって、溝加工作業中に溝加工工具１３０が被加工物１２２と係合する時に、被加工物１２２の水平軸ＬＷ（ページの内へ）と略垂直になる。また、矢印で示されるように、切削方向がＹ軸に沿っており、被加工物１２２の鉛直軸ＶＷ及び工具ホルダ２０の鉛直軸Ｖの両方に略平行であることに留意されたい。図７に示すように、切削方向は、チャック１２６から見て、ページの表面に沿っている。

また、溝加工工具１３０の鉛直軸ＶＧが工具ホルダ２０の鉛直軸Ｖに略平行であり、よって、溝加工作業中に、被加工物１２２の水平軸ＬＷに略垂直であることに留意されたい。さらに、矢印で示されるように、切削方向はＹ軸に沿っており、被加工物１２２の水平軸ＬＷ及び工具ホルダ２０の水平軸Ｌの両方と略平行であることに留意されたい。

工具ホルダ２０は、種々の切削工具に迅速な交換を提供できる。他の例において、工具ホルダ２０は、一般的に１４０で示される（図４及び６）、インサート収容カートリッジ３６ｄに装着された切削インサート４０ｄの組合せを備える、ならい工具を含む。本発明によると、本発明の工具ホルダ２０に装着された他の工作機械と類似した工作機械の迅速な交換を可能にするために、ならい工具１４０は、支持部材アセンブリ３３に装着されている。当然のことながら、ならい工具１４０の鉛直軸ＶＰは、工具ホルダ２０の鉛直軸Ｖと略平行であり、よって、旋削工具及び溝加工工具１２０、１３０と同様に、ならい作業中に、被加工物１２２の水平軸ＬＷと略垂直である（ページの内へ）。

上述のように、本発明の工具ホルダ２０を備える工作機械１０は、その上に装着すべき種々の切削工具を許容する。たとえば、本発明の工具ホルダ２０は、図１〜７に示されたのと同じ種類の切削工具を受け入れることができる。しかしながら、切削インサート４０ａ−ｆは、図８に示すように、切削工具１５０を形成するために、特殊なＡＮＳＩ／ＩＳＯインサート収容カートリッジ１５２ａ−ｆ内に保持されている。本発明のこの図示の例において、支持部材アセンブリ３３は必要ではない。それは、インサート収容カートリッジ１５２ａ−ｆが、ねじ部品１５４等の周知の手段を使用して、工具ホルダ２０の本体部３２に直接装着されているからである。

図９に示される本発明の他の図示された例において、工具ホルダ２０は、チャックジョー１２４及び／又はチャック１２６の径方向（被加工物の長手軸ＬＷに沿った）に対する誤差を最小にするように、工具ホルダ２０は、工具ホルダに半径方向に装着された切削工具１６０を含んでいてもよい。本実施の形態において、工作機械１０が適切に機能するように、切削工具１６０の正確な半径方向が実現される。

図１０〜１２を参照すると、工具ホルダ２０’が、本発明の他の実施の形態によって示されている。工具ホルダ２０と同様に、工具ホルダ２０’は、その上に、取外し可能に装着された１つ以上の支持部材アセンブリ３３を備えた本体部３２を含む。支持部材アセンブリ３３は、ねじ、ボルト等の任意の適切な締付手段３５を用いることによって、本体部３２の端面３１に取外し可能に装着可能である。端面３１は面取りコーナ３１ａを含んでいてもよい。各支持部材アセンブリ３３は、一般的に３６ａ−ｄで示される、インサート収容カートリッジを収容するためのボア３４（図１２で点線で示される）を含む。支持部材アセンブリ３３は、形状が略同一であってもよく、あるいは各々異なる形状であってもよい。ボア３４は水平方向に外側に延出すると共に、工具ホルダ２０’のＹ軸に沿って延びる長手軸Ｌに略平行である。

図示された実施の形態において、工具ホルダ２０’は、対応する数のインサート収容カートリッジ３６ａ−ｄを収容するための、本体部３２の端面３１に水平方向に装着されている、合計４つの支持部材アセンブリ３３を含む。しかしながら、当然のことながら、本発明は、支持部材アセンブリ３３及びインサート収容カートリッジ３６ａ−ｄの数によっては限定されず、本発明は任意の望ましい数の支持要素及びインサート収容カートリッジを用いて実行可能であり、唯一の限定は、工具ホルダ２０’の本体部３２の寸法である。各インサート収容カートリッジ３６ａ−ｄは、ねじ部品等の適切な締付手段３９によって、インサート４０ａ−ｄを関連するそれぞれのインサート収容カートリッジ３６ａ−ｄに確実に保持するためのポケット３８を含む。

工具ホルダ２０と同様に、工具ホルダ２０’は、切削インサート４０ｂとインサート収容カートリッジ３６ｂとの組み合わせを含む旋削工具１２０、切削インサート４０ｃとインサート収容カートリッジ３６ｃとの組合せを含む溝加工工具１３０、インサート収容カートリッジ３６ａに装着された切削インサート４０ａとの組合せを含むならい工具１４０等、種々の切削工具に迅速な交換を提供出来る。本発明によると、本発明の工具ホルダ２０に装着された工作機械と類似の工作機械の迅速な交換を可能にするために、工具１２０、１３０及び１４０は、それぞれの支持部材アセンブリ３３に装着されている。例示された実施の形態において、工具ホルダ２０’は、奇数の工具１２０、１３０及び１４０を含むが、工具ホルダ２０’は、偶数の工具を含んでいてもよい。たとえば、３、５等の奇数の工具の使用は、被加工物と使用されていない工具との間に空隙を作り出す。

工具１２０、１３０及び１４０が、工具ホルダ２０内に半径方向に装着されているのではなく、本体部３２の端面３１に水平方向に装着されているので、旋削工具１２０の鉛直軸ＶＴは工具ホルダ２０’の水平軸Ｌと略平行であり、よって、図１１に示すように、旋削作業中には、被加工物の鉛直軸Ｖと略垂直である。同様に、溝加工工具１３０の鉛直軸ＸＧ及びならい工具１４０の鉛直軸ＶＰ（図１２）は、工具ホルダ２０’の水平軸Ｌと略平行であり、よって、溝加工作業中及びならい作業中は、それぞれ被加工物の鉛直軸Ｖに略垂直である。

さらに、工具ホルダ２０’の切削方向は、工具ホルダ２０のようにＹ軸に沿ってではなく、Ｘ軸及びＺ軸に沿っていることに留意されたい。さらに、奇数の工具を工具ホルダ２０’に適用すると、被加工物と直径上で正対する空隙（ｄｉａｍｅｔｒｉｃａｌｃｌｅａｒａｎｃｅ）を提供する。

図１３及び１４を参照すると、工具ホルダ２０’の他の例が、本発明によって示されている。本例では、ならい工具１４０の鉛直軸ＶＰは、工具ホルダ２０’の長手軸Ｌに対して約０〜１０°の範囲の角度１６０で外側に傾斜している。さらに、溝加工工具１３０の鉛直軸ＶＧも、工具ホルダ２０’の長手軸Ｌに対して約０〜１０°の範囲の角度１６２で外側に傾斜している。工具１３０、１４０の傾斜は、特に旋削作業中に、工具ホルダ２０’の裏面において、工具に空隙を提供する。旋削工具１２０についての鉛直軸ＶＴが傾斜しておらず長手軸Ｌと略平行であることに留意されたい。当然のことながら、各工具１２０、１３０及び１４０が傾斜する角度は互いに別個であり、異なっている。

図１４に示すように、旋削工具１２０の鉛直軸ＶＴは工具ホルダ２０の水平軸Ｌと略平行であり、よって、被加工物１２２の水平軸ＬＷ（ページの内へ）と略平行であるが、旋削作業中に旋削工具１２０が被加工物１２２と係合している時には、異なる平面にある。工具ホルダ２０’の水平軸Ｌが被加工物１２２の水平軸ＬＷと同じ平面にあることに留意すべきである。よって、インサート４０ｂの切削エッジは、被加工物１２２の水平軸ＬＷ及び中心線に沿って、適切に位置する。切削方向（見る方向に向かって）がＺ軸に沿っており、被加工物１２２の水平軸ＬＷ及び工具ホルダ２０’の水平軸Ｌの両方と略平行であることにも留意されたい。図１４からわかるように、工具１３０、１４０の傾斜は、特に旋削作業中に、工具ホルダ２０’の裏面において、工具に空隙を提供する。

図１５で示されるこのならい作業において、ならい作業中に工具ホルダ２０’が被加工物１２２と係合する時に、工具ホルダ２０’のＸ軸方向において、被加工物１２２は、水平軸Ｌと略垂直な中心線に沿って、長手軸ＬＷを有する。図１５からわかるように、工具１３０、１４０の傾斜は、ならい作業中でさえ、工具ホルダ２０’の裏面において、工具１３０に空隙を提供する。

上述のように、本発明の工具ホルダ２０、２０’は、関連するそれぞれの支持部材に装着可能な切削インサートの数によって限定されない。たとえば、図１６に示すように、工具ホルダ２０は、３つの支持部材アセンブリ３３（図１６では２つのみが視認可能である）と、インサート収容カートリッジ及び切削インサートのそれぞれの数と、を含む。たとえば、３、５、７等の支持部材アセンブリ３３の奇数の構成は、使用されていない工具１２０、１３０及び１４０に空隙を提供することが見出された。図１６に示すように、ならい工具１２０がならい作業に使用されている時には、工具１３０、１４０は適切な空隙を有する。

上述のように、本発明の工具ホルダ２０、２０’は、切削インサートを有するインサート収容カートリッジを、迅速に、関連するそれぞれの支持部材アセンブリへ装着又は取外し可能にする、迅速な交換の特徴を提供する。この特徴は、磨耗又は損傷した時にカートリッジ全体を交換する必要がある従来の工具ホルダと関連した費用を減らす。さらに、この特徴は、機械加工作業中のインサート収容カートリッジ及びそれぞれのインサートを迅速に取外し及び／又は取付可能にすることによって、インサートが磨耗又は損傷した時の休止時間を減らす。

図１７〜２２を参照すると、回転する被加工物の機械加工中に、複数の静的な位置に固定可能な、工具ホルダ２０が示されている。工具ホルダ２０は、複数のポケットを有する本体部３２を含む。各ポケット３８内に、切削インサート４０が保持されている。工具ホルダ２０は、機械加工中に各切削インサート４０を回転する被加工物に個別に存在させるために、少なくとも工作機械の通常の切削面（Ｙ軸）と垂直な軸方向への回転及び水平移動によって、固定した静的な位置の間を移動する。

図１７及び１８を参照すると、１８０°離れて２つの方向に位置する支持部材アセンブリ３３を含む、工具ホルダ２０が示されている。２つの支持部材アセンブリ３３は、切削面から等距離に位置するが、互いに１８０°離れている。他の支持部材アセンブリ３３は、切削工具及びインサート４０が、最初の２つの支持部材アセンブリの上下にあるように配列されている。これらのインサート４０にアクセスするために、工具ホルダ２０の他の側にアクセスするための軸の１８０°の割出ばかりでなく、Ｙ軸動作も必要である。

図１７及び１８に示す工具ホルダ２０は、本技術分野において周知の種類の、格納容器（ｓｔｏｒａｇｅｒｅｃｅｐｔａｃｌｅ）の間の距離が短いところでの加工への適用については、特に有用である。容器パターンは、１つの寸法において比較的狭くできる。これは、工具チェーンタイプ格納マガジン（ｔｏｏｌｃｈａｉｎｔｙｐｅｓｔｏｒａｇｅｍａｇａｚｉｎｅｓ）において空隙を作り出す。工具ホルダ２０は、垂直又は傾斜した向きのいずれかにおいて、被加工物に向けることができる。また、本工具ホルダ２０は、１８０°の主軸方向のみを有する機械に、特に有用である。

図２４に示すように、工具ホルダ２０は、カートリッジの長手軸Ｌ’が平行でないように配置された、複数のカートリッジ３６を含んでいてもよい。当然のことながら、カートリッジ３０の長手軸を図のように配列することによって、それぞれの切削エッジ間の間隔を大きくしてもよく、それにより、本体部３３当りの切削工具の数を増やす。

本明細書中で参照した文書、特許、及び特許出願は、参照することによって本明細書中に組み込まれる。

本発明は種々の実施の形態と関連して詳細に記述されているが、当然のことながら、これは説明のためのものであって、限定するものではなく、添付の請求の範囲は先行技術が許容するのと同じ程度に広く解釈されるべきである。

本発明の１つの実施の形態による工具ホルダの斜視図である。図１の工具ホルダの側面図である。図１の工具ホルダの端面図である。旋削作業を実行する図１の工具ホルダの端面図である。旋削作業を実行する図１の工具ホルダの側面図である。溝加工作業を実行する図１の工具ホルダの端面図である。被加工物を切断して見た、溝加工作業を実行する図１の工具ホルダの側面図である。特殊なＡＮＳＩ／ＩＳＯインサート収容カートリッジ内に保持された切削インサートの組合せを有する図１の工具ホルダの端面図である。正確な径方向に保持された切削インサートの組合せを有する図１の工具ホルダの端面図である。本発明の他の実施の形態による工具ホルダの斜視図である。図１０の工具ホルダの側面図である。図１０の工具ホルダの端面図である。切削工具のいくつかが工具ホルダの長手軸に対して傾斜している、図１０の工具ホルダの他の実施の形態による工具ホルダの側面図である。旋削作業を実行する図１０の工具ホルダの側面図である。ならい作業を実行する図１０の工具ホルダの側面図である。本発明の他の実施の形態によるならい作業を実行する奇数の切削インサートを有する工具ホルダの側面図である。本発明の他の実施の形態による工具ホルダの斜視図である。図１７の工具ホルダの正面図である。本発明の他の実施の形態による工具ホルダの斜視図である。図１９の工具ホルダの正面図である。本発明の他の実施の形態による工具ホルダの斜視図である。本発明の他の実施の形態による工具ホルダの斜視図である。本発明の他の実施の形態による工具ホルダの斜視図である。本発明の他の実施の形態による工具ホルダの斜視図である。本発明の他の実施の形態による工具ホルダの斜視図である。図２５の工具ホルダの平面図である。

Claims

回転する被加工物の機械加工中に、複数の静的な位置に固定可能な工具ホルダであって、前記工具ホルダが、
長手軸を有する本体部と、
前記本体部に装着され、各々がボアを含む複数の支持部材であって、前記本体部の側面に半径方向に装着された前記支持部材と、
各々が、前記各々の支持部材の前記ボア内に取外し可能に収容可能なシャンクを含み、切削インサートを収容するためのポケットを含む、複数のインサート収容カートリッジと、
を備え、
前記工具ホルダの長手軸方向に複数の支持部材が装着され、前記工具ホルダは、前記機械加工中に、各切削インサートを回転する被加工物に個別に存在させるために少なくとも前記工具ホルダの回転及び前記工具ホルダの長手軸方向の移動による割出によって、固定した静的な位置の間を移動する、
工具ホルダ。
前記インサート収容カートリッジの１つ及び対応する切削インサートが、前記インサート収容カートリッジの他の１つ及び対応する切削インサートとは異なる切削工具を形成する、請求項１に記載の工具ホルダ。
前記切削工具が、旋削工具、溝加工工具、及びならい工具のうちの１つである、請求項２に記載の工具ホルダ。
各々の前記切削インサートがすくい面を含み、各すくい面が非平行であるように、前記インサートのすくい面が配置された、請求項１に記載の工具ホルダ。