JP4438192B2 - ワンウェイクラッチ支持構造 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ワンウェイクラッチに関し、特に、その自動変速機への組付けに適する支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
ワンウェイクラッチは、アウタレースとインナーレースとの間にリテーナに支持させて多数のロック部材(スプラグ、ローラ等)を配し、その両側にエンドベアリングを配して両レース間の同心性を保つ構成とされる。ワンウェイクラッチは、機械要素として種々の用途に用いられるが、中でも自動変速機において、変速機構を構成するプラネタリギヤの回転要素を変速機ケースに係止する手段として用いる場合、湿式多板構成の摩擦係合要素と異なり、回転要素にかかるトルクの反転により変速機ケースへの係止状態を自動的に解除することができるため、異なる回転要素の一方を係合させると同時に他方を解放させる変速操作を行なう際に解放側となる係止手段として用いて有効なものである。
【0003】
従来、こうしたワンウェイクラッチを変速機に組込み支持する構造の例として、特開平10−231863号公報に開示の技術がある。この例では、アウターレースをケース側に、またインナーレースを回転部材側にそれぞれ嵌合支持させる際に、アウターレースとケースとの嵌合部には所定の遊隙を設け、インナーレースと回転部材との嵌合部は遊隙を詰めた密な嵌合とすることで、インナーレースと嵌合する回転部材の振れ回りによる径方向への動き(回転による偏心等)をワンウェイクラッチのインナーレース、エンドベアリング及びアウターレースと伝わる動きとして、最終的にアウターレースとケースの間の遊隙で吸収し、たとえインナーレースが回転部材の振れ回りにより径方向に動いたとしても、ワンウェイクラッチの正常な稼動を保証している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術の支持構造では、非回転部材であるアウターレースの自重がエンドベアリングで支持される構造となるため、特に変速機の高容量化などによりケースが大径化し、それに嵌合させるワンウェイクラッチが大径化した場合、アウターレースの重量もそれに応じて大きくなるため、エンドベアリングにかかる面圧が大きくなってしまう。更に、インナーレースにはプラネタリギヤに連なる回転部材がほぼ遊びなしに連結されているため、インナーレースのみならず、それに連結された他の回転部材の径方向の振れ回りの慣性力もエンドベアリングで受けることとなり、その面圧が一層大きくなってしまう。
【0005】
このような事情に鑑み、本発明は、ワンウェイクラッチのエンドベアリングにかかる負荷を軽減することで、その耐久性を確保することができるワンウェイクラッチ支持構造を提供することを主たる目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明は、アウターレースとインナーレースの間にエンドベアリングを配したワンウェイクラッチのアウターレースとインナーレースのうち、いずれか一方のレースを静止部材に嵌合し、他方のレースを回転部材に嵌合したワンウェイクラッチの支持構造において、前記一方のレースと前記静止部材との嵌合部の径方向の遊隙を、前記他方のレースと前記回転部材との嵌合部の径方向の遊隙より小さくしたことを特徴とする。
【0007】
上記の構成において、一方のレースが静止部材に径方向に当接支持された構成とすると更に有効である。
【0008】
また、上記の構成において、一方のレースは、アウターレースであり、他方のレースは、インナーレースである構成とすると更に有効である。
【0009】
また、上記の構成において、一方のレースの静止部材との嵌合部の両端をスナップリングで固定した構成とするのも有効である。
【0010】
また、上記の構成において、一方のレースと静止部材との嵌合はスプライン嵌合とされ、一方のレースのスプラインの歯底部と、静止部材のスプラインの歯山部とが当接する構成とするのも有効である。
【0011】
また、上記の構成において、インナーレースは、エンドベアリングに潤滑油を供給するための油路を有する構成とすることもできる。
【0012】
【作用及び発明の効果】
本発明の請求項1記載の構成では、アウターレースとインナーレースのうち、静止部材に連結している側の嵌合部の径方向の遊隙を小さくし、常時静止している側のレースの大きな径方向移動を静止部材で規制して、大きな径方向荷重負荷がエンドベアリングに加わらなくしたので、エンドベアリングにかかる面圧を小さくすることができ、ワンウェイクラッチの耐久性を向上させられる。また、他方のレースと嵌合する回転部材の径方向の動きが他方のレースとの嵌合部の遊隙で吸収されるため、回転部材に作用する径方向の慣性力による荷重が他方のレースに作用しないため、エンドベアリングに作用する面圧を小さくすることができ、ワンウェイクラッチの耐久性が向上する。
【0013】
次に、請求項2記載の構成では、一方のレースが静止部材に径方向に当接支持されることで、一方のレースにかかる径方向荷重負荷のみならずその自重も静止部材に支持されるため、エンドベアリングに加わる面圧を一層小さくすることができる。
【0014】
また、請求項3記載の構成では、エンドベアリングは、アウターレースより内周側にあることで質量の小さなインナーレースを支持すればよい構造となるため、エンドベアリングに作用する面圧を更に小さくできる。
【0015】
また、請求項4記載の構成では、一方のレースの静止部材との嵌合部の両端をスナップリングで固定することで、一方のレースの傾きを防止できるため、エンドベアリングにかかる面圧を低減できる。
【0016】
また、請求項5記載の構成では、緊密な嵌合のために精度が必要となる一方のレースと静止部材との当接部を、静止部材側をスプラインの歯山部とすることで、加工の容易な歯山部を切削するだけでよいので、ケースの加工工数が低減できる。
【0017】
また、請求項6記載の構成では、エンドベアリングの摺動面に潤滑油を確実に供給できるため、ワンウェイクラッチの耐久性が向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿い、本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の第1実施形態に係るワンウェイクラッチ支持構造を適用した自動変速機の部分半截側断面図である。図に示すように、ワンウェイクラッチは、アウターレース1とインナーレース2との間にリテーナ3に支持させて多数のロック部材(スプラグ、ローラ等)4を配し、その両側にエンドベアリング5A,5Bを配して両レース1,2間の同心性を保つ構成とされる。そして、アウターレース1とインナーレース2のうち、一方のレース(本形態において、アウターレース)1を静止部材8としての自動変速機のケースに嵌合し、他方のレース(本形態において、インナーレース)2を、回転部材9としての図示しないプラネタリギヤのキャリア軸に嵌合した構成とされている。
【0019】
本発明の特徴に従い、一方のレースとしてのアウターレース1と変速機のケース8との嵌合部の遊隙を、他方のレースとしてのインナーレース2と回転部材9との嵌合部の遊隙より小さく設定されている。図2は両レース1,2のケース8及び回転部材9に対する嵌合部を軸横断方向部分断面図で対比して示す。この形態では、アウターレース1とケース8との嵌合はスプライン嵌合とされ、アウターレース1のスプライン10の歯底部11と、ケース8のスプライン80の歯山部81とが当接する構成とされている。これにより、アウターレース1がケース8に径方向に当接支持され、嵌合部の遊隙は、実質上無くされている。
【0020】
また、図1に示すように、アウターレース1のケース8との嵌合部1cの両端を、ケース8のスプライン80の端部付近に嵌めたスナップリング6と、嵌合部1cと図示しない摩擦係合要素のセパレータプレートとの間に嵌めた、セパレータプレートの軸方向移動規制手段を兼ねるスナップリング7で固定している。更に、インナーレース2は、エンドベアリング5に潤滑油を供給するための油路21を有する。
【0021】
更に詳述すると、図1に示すように、アウターレース1は、それに本来必要とされる径方向肉厚の輪状部1aと、該輪状部1aをそれに対して軸方向にオフセットした位置でケース8の内周に固定するために、傾斜したフランジからなる延長部1bを介してケース8との嵌合部1cまで延長した構成とされ、全体として軸方向長さに比して径方向寸法の大きな比較的大形の部品とされている。嵌合部1cはその外周に、図2に示すように、矩形歯のスプライン10を備える構成とされている。このスプライン10の歯は、鍛造素材に対する外周面の切削加工となるため、加工が容易なことから、歯底11側を精密仕上げしてケース8のスプライン80の歯山81との当接面としている。これに対してケース8のスプライン80は、ダイキャスト成形された抜き勾配を持つスプラインの内周面加工となるため、特に歯底側の精密仕上げが困難であることから、旋削加工が可能な歯山81側を精密仕上げしてアウターレース1のスプライン10の歯底11との当接面としている。
【0022】
一方、インナーレース2側は、中空軸状の回転部材9の外周に直接嵌合されるところから、必要とされる径方向肉厚の輪状部のみで構成され、その外周側の一方をエンドベアリング5Aの支持面としての余裕を持たせ、他方を隣接部材と当接するストッパとすべく軸方向両側に若干延長されている。また、輪状部の内周面の軸方向略中央部には、その内周側に嵌められた回転部材9の潤滑油路からの油の供給を可能とすべく、輪状部の内周をスプライン20の溝より深い油溝22が周方向に形成され、油溝22の底から径方向に3種類の油孔が形成されている。軸に直交して径方向に延びる中央の油孔23は、ロック部材4に油を供給するための油孔であり、軸に傾斜して径方向に延びる油孔21は、エンドベアリング5A,5Bの内周面とインナーレース2の輪状部の外周面との摺動面に油を供給するための油孔である。輪状部の内周面には、油溝22により2つに分割されてはいるが、回転部材9との連結のために互いに軸方向に整列する内周スプライン20が形成されている。このスプライン20の歯は、図2に示すように、インボリュート歯とされ、回転部材9の同種形状の外周スプライン90の歯との間に径方向、周方向共に所定の遊隙を保つ嵌合とされている。
【0023】
ロック部材4の両側でアウタレース1とインナレース2との間に配設されたエンドベアリング5A,5Bは、銅合金等からなる軸受材で構成され、コスト低減のために断面コ字状の同一形状の環状部材をリテーナ3を挟んで向かい合わせに配した構成とされている。そして、エンドベアリング5A,5Bの内外周面は、それぞれアウタレース1とインナレース2の内外周面に摺接し、内側面をリテーナ3に当接させて内側への移動を拘束し、アウタレース1の輪状部1aの外周面に嵌合固定した止めリング12A,12Bにより外側面を当接させて外側への移動を拘束されている。
【0024】
こうした構成からなる支持構造では、アウターレース1とインナーレース2のうち、ケース8に連結している側の嵌合部の遊隙を小さくし、常時静止している側のアウターレース1の大きな径方向移動をケース8との間の遊隙の詰めで規制して、大きな径方向荷重負荷がエンドベアリング5A,5Bに加わらなくしたので、エンドベアリング5A,5Bにかかる面圧を小さくすることができ、それによりワンウェイクラッチの耐久性を向上させられる。また、インナーレース2と嵌合する回転部材9の径方向の動きがインナーレース2との嵌合部の遊隙で吸収されるため、回転部材9に作用する径方向の慣性力がインナーレース2に作用しないため、エンドベアリング5A,5Bに作用する面圧を小さくすることができ、ワンウェイクラッチの耐久性が向上する。
【0025】
また、アウターレース1とケース8との嵌合部の遊隙を実質上無くすことで、アウターレース1にかかる径方向荷重負荷のみならずその自重もスプラインの当接部を介してケース8に支持されるため、エンドベアリング5A,5Bに加わる面圧を一層小さくすることができる。しかも、エンドベアリング5A,5Bは、アウターレース1より内周側にあることで質量の小さなインナーレース2を支持すればよい構造となるため、エンドベアリング5A,5Bに作用する面圧を更に小さくできる。
【0026】
また、アウターレース1のケース8との嵌合部の両端をスナップリング6,7で固定することで、軸方向長さに比して径方向寸法が大きいことで傾斜しやすいアウターレース1の傾きを防止できるため、この構成によってもエンドベアリング5A,5Bに作用する面圧を低減できる。なお、図示の形態では、スナップリング6,7は共に平板状のものとされているが、これらのうち、少なくとも一方のものをテーパードスナップリングとして、アウターレース1の嵌合部1cとスナップリング6,7との間の遊隙を無くす構成を採ることで、傾き防止効果を一層向上させることもできる。
【0027】
また、緊密な嵌合のために精度が必要となるアウターレース1とケース8との当接部を、そのケース側のものについてスプライン80の歯山部81とすることで、加工の容易な歯山部81を切削するだけでよくしているので、ケース8の加工工数が低減できる。
【0028】
また、回転部材9に嵌合させたインナーレース2にスプライン溝より深い油溝22を設け、この溝に潤滑油を供給するための油路21を連通させたので、油溝22が油溜めとして機能し、回転部材9が回転することでエンドベアリング5A,5Bにかかる負荷が大きい時に、遠心力でエンドベアリング5A,5Bの摺動面に潤滑油を確実に供給できるため、ワンウェイクラッチの耐久性が向上する。
【0029】
ところで、前記第1実施形態では、アウターレース1とインナーレース2のうち、アウターレース1を静止部材8に嵌合し、インナーレース2を回転部材9に嵌合した構成としているが、この関係は、逆配置とすることもできる。そこで、次に、こうした形態を採る第2実施形態を説明する。
【0030】
図3は第2実施形態に係るワンウェイクラッチ支持構造を適用した自動変速機の部分半截側断面図である。図に示すように、この形態では、ワンウェイクラッチのインナーレース2が、変速機のケースに固定された油圧サーボのシリンダを静止部材8としてそれに嵌合され、ブレーキのハブを兼ねるアウターレース1が回転部材9としてのプラネタリギヤセットのキャリアフランジに嵌合されている。この場合も、静止部材との嵌合部であるインナーレース2とシリンダ8との嵌合部の遊隙が、回転部材9との嵌合部であるアウターレース1とキャリアフランジとの嵌合部の遊隙より小さくされている。
【0031】
更に詳述すると、アウターレース1は、径方向への延長部の無い輪状部1aのみで構成され、ブレーキのハブを兼ねることから、軸方向に長い比較的大形の部品とされている。このアウターレース1の嵌合部1cは、輪状部1aの外周側から軸方向一方側に延びる部分とされ、その内周に、図2に示す第1実施形態における回転部材との嵌合部と同様の山形歯のスプラインを備える構成とされている。そして、この形態の場合、アウターレース1の外周面には、ブレーキの摩擦材を軸方向摺動自在に支持するスプラインが形成されている。アウターレース1の軸方向移動は、スプライン10を横断する環状溝に嵌合させたスナップリング6’とアウターレース1の端面との間に挟み込んだキャリアフランジへの当接で規制される構成とされている。
【0032】
インナーレース2側は、油圧サーボのシリンダの中空軸状部の内周面に嵌合されるところから、必要とされる径方向肉厚の輪状部2aの内周側から軸方向一方側に伸びる延長部を嵌合部2cとし、その外周面にスプライン20を形成した構成とされている。この場合のスプライン20は、図2に示す第1実施形態における静止部材との嵌合部と同様に、矩形歯とされている。このスプライン20の歯は、鍛造素材に対する外周面の切削加工となるため、加工が容易なことから、歯底側を精密仕上げしてシリンダのスプライン80の歯山との当接面としている。これに対して油圧サーボのシリンダのスプライン80は、内周面加工となるため、歯底側に比して精密仕上げが容易な歯山側を精密仕上げしてインナーレース2のスプライン20の歯底との当接面としている。なお、この配置の場合、インナーレース2の内周側を通る回転部材の潤滑油溝からの油の供給を可能とすべく、輪状部2aには、軸に対して傾斜して径方向に延びる油孔23が、ロック部材4に油を供給するために設けられている。
【0033】
この場合もエンドベアリング5A,5Bは、コスト低減のために断面コ字状の同一形状の環状部材をリテーナ3を挟んで向かい合わせに配した構成とされ、エンドベアリング5A,5Bの内外周面は、それぞれアウターレース1とインナレース2の内外周面に摺接し、内側面をリテーナ3に当接させて内側への移動を拘束されている点は第1実施形態の場合と同様であるが、外側への移動は、アウターレース1の内周側に嵌合させたスナップリング13と、キャリアフランジに固定したストッパ92とで規制している。
【0034】
こうした第2実施形態においても、アウターレース1とインナーレース2のうち、静止部材に連結しているインナーレース2側の嵌合部の遊隙を小さくし、常時静止している側のインナーレース2の大きな径方向移動を静止部材8で支持するようにして、大きな径方向荷重負荷がエンドベアリング5A,5Bに加わらなくし、エンドベアリングにかかる面圧を小さくして、ワンウェイクラッチの耐久性を向上させている。また、アウターレース1と嵌合するキャリアフランジ9の径方向の動きがアウターレース1との嵌合部のスプライン10,90間の遊隙で吸収されるため、キャリアフランジに作用する径方向の慣性力がアウターレース1に作用しなくなり、エンドベアリング5A,5Bに作用する面圧を小さくすることができ、ワンウェイクラッチの耐久性が向上する。
【0035】
また、インナーレース2と油圧サーボのシリンダ8との嵌合部の遊隙を実質上無くした場合は、インナーレース2にかかる径方向荷重負荷のみならずその自重もシリンダ8に支持されるため、エンドベアリング5A,5Bに加わる面圧を一層小さくすることができる。
【0036】
また、緊密な嵌合のために精度が必要となるインナーレース2とシリンダ8との当接部を、シリンダ8側をスプライン80の歯山部とすることで、加工の容易な歯山部を切削するだけでよくしているので、シリンダ8の加工工数が低減できる。なお、この実施形態において、インナーレース2のスプライン20は、図2に示す第1実施形態における静止部材との嵌合部と同様に矩形歯とした場合を説明したが、このスプライン20及び油圧サーボシリンダのスプライン80を図4に示すようなインボリユート歯とし、歯側面20b,80b同士が当接するようにしても良い。この場合、インナーレース2のスプライン20はブローチ加工、油圧サーボシリンダのスプライン80はホブ又はギヤシェーパで加工を行うことによって、比較的容易に高い加工精度を確保することができる。
【0037】
以上、本発明を2つの実施形態に基づき詳説したが、本発明は他の種々の異なる形態で実施することができる。また、本発明は、自動変速機に限らず他の種々のものに適用可能であるが、センターサポートを廃することで軸支持スパンが長くなり、それにより回転部材の振れ回りが大きくなることを避けられない構成の自動変速機に用いて特に有効なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るワンウェイクラッチ支持構造を適用した自動変速機の部分半截側断面図である。
【図2】ワンウェイクラッチのアウター及びインナーレースの静止部材及び回転部材への嵌合部を対比して示す軸横断方向部分断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態を示す図1と同様の部分の半截側断面図である。
【図4】第2実施形態のワンウェイクラッチのインナーレースと静止部材のスプライン嵌合部の変形例を示す軸横断方向部分断面図である。
【符号の説明】
1 アウターレース
10 スプライン
10a 歯底部
2 インナーレース
21 油路
5A,5B エンドベアリング
6,7 スナップリング
8 ケース、油圧サーボシリンダ(静止部材)
80 スプライン
80a 歯山部
9 キャリア軸、キャリアフランジ(回転部材)
Claims (6)
- アウターレースとインナーレースの間にエンドベアリングを配したワンウェイクラッチのアウターレースとインナーレースのうち、いずれか一方のレースを静止部材に嵌合し、他方のレースを回転部材に嵌合したワンウェイクラッチの支持構造において、
前記一方のレースと前記静止部材との嵌合部の径方向の遊隙を、前記他方のレースと前記回転部材との嵌合部の径方向の遊隙より小さくしたことを特徴とするワンウェイクラッチ支持構造。 - 前記一方のレースは、前記静止部材に径方向に当接支持された、請求項1記載のワンウェイクラッチ支持構造。
- 前記一方のレースは、アウターレースであり、前記他方のレースは、インナーレースである、請求項1又は2記載のワンウェイクラッチ支持構造。
- 前記一方のレースの前記静止部材との嵌合部の両端をスナップリングで固定した、請求項1、2又は3記載のワンウェイクラッチ支持構造。
- 前記一方のレースと前記静止部材との嵌合はスプライン嵌合とされ、
前記一方のレースのスプラインの歯底部と、前記静止部材のスプラインの歯山部とが当接する、請求項2〜4のいずれか1項記載のワンウェイクラッチ支持構造。 - 前記インナーレースは、前記エンドベアリングに潤滑油を供給するための油路を有する、請求項1〜5のいずれか1項記載のワンウェイクラッチ支持構造。
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