JP4438106B2 - フッ化ビフェニル化合物および液晶材料ないし組成物ならびに液晶素子 - Google Patents

フッ化ビフェニル化合物および液晶材料ないし組成物ならびに液晶素子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規なフッ化ビフェニル化合物、および該化合物からなる液晶材料ないしは液晶組成物、ならびに液晶素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイは、CRT(Cathode-Ray Tube、陰極線管)に比べ薄型、軽量、低電圧駆動、目に優しいなどの特徴を持ち、当初は、電卓、腕時計などに使用されたが、近年大型化、カラー化が進み、ラップトップ型コンピューターや小型テレビ等のモニターとして、あらゆる分野で使われてきている。
【0003】
現在、液晶ディスプレイに用いられている液晶は主としてネマチック液晶であるが、応答時間が数十msと長く、ディスプレイ表示面積あるいは画素数を増やすことが困難という問題点がある。それを解決するためにTFT(Thin Film Transister)やSTN(Super Twisted Nematic)方式が採用され、15インチ以上のディスプレイも商品化されるようになった。また、表示品質もデバイス構造、駆動方法の改良によりCRTに迫りつつある。しかし、CRT同等以上の表示性能を得ようとすれば、さらに液晶自体の応答速度を上げることが求められる。
【0004】
最近、応答速度の低いネマチック液晶に代わって注目されてきたのに、強誘電性液晶、及び反強誘電性液晶がある。これらの液晶は自発分極を有し、それと電界強度との積が液晶を動かすための実効エネルギーとなるため、応答時間が短く、高速化が可能となる。強誘電性液晶を数μm程度の厚みのセルに封入した表示素子(表面安定化強誘電性液晶素子)では、たとえば、N.A.Clarkらの論文( N.A.Clark and S.T.Lagerwall,Appl.Phys.Lett.,36,899(1980))に記載されているように、電場に対し2つの安定状態をとることができ、この安定状態間の電場に対するスイッチング時間は、数μ秒のオーダーで非常に短かい。反強誘電性液晶においても3つの安定状態をとり、同様な高速スイッチングが可能と考えられる。
【0005】
テレビ(カラー動画、VGA)表示では、1つの画素あたりの書き込み時間は、1/{30回/秒×640本×3}≒17μ秒となり、この表示を実現するため、応答速度が遅い従来のネマチック液晶では、アクティブマトリクス駆動(TFT方式など)やマルチライン駆動(STN方式)のような複雑な駆動方法を用いなければならなかった。これに対して応答速度が高速な強誘電性液晶あるいは反強誘電性液晶では、単純マトリクスでの駆動が使え、またディスプレイ視野角についても、ネマッチック液晶では、光学補償フィルム、特殊なデバイス構造を必要とするが、強誘電性、反強誘電性液晶では、これらを必要としない。
【0006】
しかし、強誘電性液晶開発上の問題点として、中間調表示が難しい、配向が難しい、衝撃により壊れ易い等が挙げられるほか、液晶のメモリー性による残像現象、焼き付け等の問題もある。反強誘電性液晶は、これら強誘電性液晶の問題点を解決するものとして注目されているが、まだ液晶温度範囲、応答速度、コントラストなどの総合的な性能を満足するものは得られていない。
【0007】
一方、最近、この反強誘電性液晶の中でも、電圧に対して透過光量がV字型に変化する無閾反強誘電性(TLAF)液晶が注目されおり(田中ら,第21回液晶討論会予稿集,2C18(1995);乾ら,第21回液晶討論会予稿集,2C04(1995)を参照)、従来の反強誘電性液晶の特長に加え、アナログ階調および低電圧駆動が可能であり、中間調表示も高速となるため、CRTと同等の動画表示が得られるという特徴を持つものとして期待される。
【0008】
電場に対して3つの安定状態をとる従来の反強誘電性液晶および電圧に対して透過光量がV字型に変化するTLAF液晶を表示素子に応用する場合、動作温度範囲が常温付近であり且つ動作温度幅が広いこと、電場による応答が速いこと、チルト角(液晶長軸の液晶層法線からの傾き角)が45度に近いこと、セル内での配向性が良いこと、およびスイッチングしきい値あるいは飽和電圧が適正な範囲内にあることなどが要求される。これらの条件のすべてを単一液晶で満たすことは困難であり、通常、数種類の液晶あるいは有機化合物がブレンドされて液晶材料として用いられる。
【0009】
ブレンドの際の問題点として、高速化のために高速応答性添加剤を加えた場合、反強誘電性相(SmCA*相あるいは無閾反強誘電性を示すSmCR*相)の上限温度が低下する傾向があるということである。液晶素子の実用化を考慮すると、この上限温度を低下させずに広い液晶温度幅を維持しながら、応答速度の高速化を図ることが重要となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、分子内にフッ化ビフェニル骨格を有する新規な化合物を提供することにより、特にSmCA*相、SmCR*相の温度幅の広い液晶材料ないし液晶組成物を提供することを目的とする。また、本発明の化合物を用いることにより、室温付近での応答速度が速い液晶素子を提供することを目的とする。特に、本発明の化合物のなかでも反強誘電性もしくは無閾反強誘電性を有する化合物を用いることにより、あるいは公知の反強誘電性液晶もしくは無閾反強誘電性液晶に本発明の化合物を添加した液晶組成物を用いることにより、応答速度が速く、かつチルト角の大きな液晶素子を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために検討した結果、新規なフッ化ビフェニル化合物を見出して本発明をなすに至った。
本発明によれば、次式[I]で表わされるフッ化ビフェニル化合物が提供される。
1−X−A1−Y1−A2−Y2−C*H(Q1)−Q2 [I]
(式[I]において、R1は、炭素数1から20のアルキル基、およびこれらの基中に存在する1個または2個以上の-CH2-が、-O-および/またはハロメチレン基で置換された基(-O-同士が隣接するものは除く)から選ばれる1種の基を表わし、
Xは、-O-または単結合を表わし、
1は、
【化3】
Figure 0004438106
を表わし、
2は、
【化4】
Figure 0004438106
を表わし、
1は、-CH2O-を表わし、
2は、-COO-を表わし、
1は、-CH3 -CF 3 りなる群から選ばれる基を表わし、Q2は、炭素数から10のアルキル基およびこれらの基中に存在する1個の-CH2-が、-O-で置換された基から選ばれる1種の基を表わし、
*は、不斉炭素を表わす。)
【0012】
また、本発明によれば、前記フッ化ビフェニル化合物からなる液晶材料が提供される。
【0013】
また、本発明によれば、前記材料が、反強誘電性もしくは無閾反強誘電性を有するものである液晶材料が提供される。
【0014】
た、本発明によれば、前記フッ化ビフェニル化合物を含有してなる液晶組成物が提供される。
【0015】
また、本発明によれば、前記フッ化ビフェニル化合物と他の液晶化合物および/または添加剤とを含有してなる液晶組成物が提供される。
また、本発明によれば、前記組成物が、反強誘電性もしくは無閾反強誘電性を有するものである液晶組成物が提供される。
また、本発明によれば、前記フッ化ビフェニル化合物からなる液晶材料、または前記液晶組成物を用いることを特徴とする液晶素子が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明のフッ化ビフェニル化合物および液晶材料、液晶組成物および液晶素子について、以下に具体的に説明する。
【0017】
フッ化ビフェニル化合物および液晶材料
本発明に係るフッ化ビフェニル化合物は、次式[I]で表わすことができる。
1−X−A1−Y1−A2−Y2−C*H(Q1)−Q2 [I]
式[I]において、R1は、炭素数1から20のアルキル基、およびこれらの基中に存在する1個または2個以上の-CH2-が、-O-および/またはハロメチレン基で置換された基(-O-同士が隣接するものは除く)から選ばれる1種の基である。R1の具体例としては、H(CH2)c(CH2O)d(CH2)e(CH2O)f(CH2)g(c+d+e+f+g=1〜20)で表されるアルキル基およびCqHrZ(2q+1-r)(q=1〜20、r=0〜40、Zはハロゲン)で表されるハロアルキル基などが挙げられる。液晶の特性が優れる点で、R1はH(CH2)c(CH2O)d(CH2)e(c+d+e=7〜14)であることが好ましい。
【0018】
Xは、-O-または単結合である
【0019】
1 は、
【化5】
Figure 0004438106
である
【0020】
た、A2は、
【化6】
Figure 0004438106
である。
【0021】
1は、-CH2O-であり、Y2は、-COO-である
【0022】
1は、-CH3 、-CF 3 ら選ばれる1種の基であり、Q2は、炭素数から10のアルキル基およびこれらの基中に存在する1個の-CH2-が、-O-で置換された基から選ばれる1種の基である。液晶材料としての特性を考慮すると、Q1は-CH3または-CF3が好ましい。
【0023】
*は、不斉炭素であり、該フッ化ビフェニル化合物は該不斉炭素を不斉中心とした光学活性を有する。
−C*H(Q1)−Q2の具体的な例としては、-C*H(CH3)(CH2)4H、-C*H(CH3)(CH2)5H、-C*H(CH3)(CH2)6H、-C*H(CH3)(CH2)7H、-C*H(CH3)(CH2)8H、-C*H(CF3)(CH2)4H、-C*H(CF3)(CH2)5H、-C*H(CF3)(CH2)6H、-C*H(CF3)(CH2)7H、-C*H(CF3)(CH2)8H、-C*H(CF3)(CH2)2O(CH2)H、-C*H(CF3)(CH2)2O(CH2)2H、-C*H(CF3)(CH2)2O(CH2)3H、-C*H(CF3)(CH2)3O(CH2)H、-C*H(CF3)(CH2)3O(CH2)2H、-C*H(CF3)(CH2) 3O(CH2)3H、-C*H(CF3)(CH2)4O(CH2)H、-C*H(CF3)(CH2)4O(CH2)2H、-C*H(CF3)(CH2)4O(CH2)3H、-C*H(CF3)(CH2)5O(CH2)H、-C*H(CF3)(CH2)5O(CH2)2H、-C*H(CF3)(CH2)5O(CH2)3Hなどがあげられる。
【0024】
【表1】
Figure 0004438106
【表2】
Figure 0004438106
【表3】
Figure 0004438106
【表4】
Figure 0004438106
【0025】
フッ化ビフェニル化合物の製造方法
本発明のフッ化ビフェニル化合物の製造は、公知の合成方法を組み合わせることにより可能であり、とくに限定されるものではない。製造方法の一例を以下に示す。
次のフッ化ビフェニル化合物については、下記の反応経路に従って合成することができる。
【化14】
Figure 0004438106
【0026】
まず、4'-アルキル-4-ビフェニルカルボン酸(芳香環上の水素の一つ以上がフッ素で置換されているもの)を水素化リチウムアルミニウムで還元し、4'-アルキル-4-ビフェニルメチルアルコールを得る。この場合、原料物質である4'-アルキル-4-ビフェニルカルボン酸は、カルボキシル基がアルキル基で保護されたエステルであっても同様に反応は進行する。
【0027】
次に臭化水素水と反応させることによって、4'-アルキル-4-ビフェニルメチルブロマイドを得る。そして、このものと6-ヒドロキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸エステルとを反応させることによって、本発明のフッ化ビフェニル化合物6-(4'-アルキル-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸エステルを得ることが出来る。
【0028】
6-ヒドロキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸エステルを得るには、対応する6-ベンジルオキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸(上記反応経路図中Bnはベンジル基を表わす。)とキラルアルコールとを反応させ、生成した6-ベンジルオキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸エステルを、パラジウムカーボン存在下、水素で還元する。この反応において原料物質が、4'-アルコキシ-4-ビフェニルカルボン酸(芳香環上の水素の一つ以上がフッ素で置換されているもの)であっても、反応は同様に進行する。
【0029】
また、別の製造方法として、以下に示す反応経路によっても合成できる。
【化15】
Figure 0004438106
【0030】
まず、6-ヒドロキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸を過剰のアルキルアルコール中、酸触媒によってエステル化し、6-ヒドロキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸エステルを得る。次に炭酸カリウム等の塩基触媒を用いて4-ブロモベンジルブロマイドと縮合反応させ、6-(4-ブロモベンジルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸エステルを得る。
【0031】
そしてこのものと、4-アルキルブロモベンゼンとトリアルコキシボロンとの反応で得られる4-アルキルフェニルボロン酸を、0価パラジウム触媒を用いてカップリングさせることによって、6-(4'-アルキル-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸エステルを得る。これを、水酸化カリウム等の塩基触媒を用いてエステル加水分解をし、その後ジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水縮合剤を用いて、キラルアルコールとエステル化することによって、本発明のフッ化ビフェニル化合物 6-(4'-アルキル-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸エステルを得ることが出来る。
【0032】
また前記の脱水縮合剤の代わりに、塩化チオニル等によって酸塩化物を作り、その後、トリエチルアミン等の塩基存在下、キラルアルコールとエステル化することによっても、本発明のフッ化ビフェニル化合物を得ることができる。なお、原料物質として用いる4-ブロモベンジルブロマイドおよび4-アルキルブロモベンゼンのうち、少なくともどちらか一方の芳香環水素原子の一つ以上がフッ素置換されている。
また、各工程における反応生成物の精製方法は、蒸留、再結晶、クロマトグラフィーなどの公知の方法を用いて行うことができる。
【0033】
液晶組成物
本発明に係る液晶組成物は、前記式[I]で表されるフッ化ビフェニル化合物の1種または2種以上を含有しているものである。この組成物は、常温または常温付近で、SmCA*相、SmCR*相またはSmC*相(強誘電相)を示し、その温度範囲が広い。また、これを液晶セルに充填することにより、電気光学的応答速度の速い液晶素子を提供することができる。
【0034】
本発明の液晶組成物は、前記式[I]で表されるフッ化ビフェニル化合物の2種以上の混合物で構成されているものでも良いし、他の液晶化合物および液晶以外の公知の添加剤の1種以上との混合物で構成されていてもよい。
【0035】
本発明の液晶組成物に用いられる他の液晶化合物の好適な例としては、次式[III]で表される公知の化合物が挙げられる。
3−(A3−X2)m−A4−Y3−(CH2)n−C(Z5)(Z6)R4 [III]
(式[III]において、R3およびR4は、それぞれ独立して炭素原子1から20までの直鎖状あるいは分岐状のアルキル基、またはこれらの基中に存在する1個のメチレン基が、-O-、-S-、-COO-、-OCO-、-COS-、-SCO-、-OCOO-、-CH=CH-、-CHL-(Lはハロゲン原子)、-CL2-、-C≡C-で置換された基(ただしヘテロ原子同士が隣接するものは除く)、-CN、水素原子、ハロゲン原子、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルコキシ基である。また、R3は−Y3−(CH2)n−C(Z5)(Z6)R4であってもよい。
3およびA4はそれぞれ独立して、1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基、ナフタレン-2,6-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、3,8-フェナントレン基、またはアントラセン-2,6-ジイル基、またはこれらの基中の少なくとも1つの水素原子が、ハロゲン原子あるいはアルキル基で置換された基、あるいはこれらの基中の少なくとも1つの >CH-基が、Nで置換された基、またはこれらの基中の少なくとも1つの2重結合が、2つの水素原子が付加して単結合となった基、さらには、その単結合となったもののうち、-CH2-が、-O-あるいは-S-で置換された基(ただしこれらの置換原子が隣接するものは除く)である。
2は、-COO-、-OCO-、-COS-、-SCO-、-CH=CH-、-C≡C-、ハロゲン原子が1〜4個置換したエタン-1,2-ジイル基、ハロゲン原子が1〜2個置換したエテン-1,2-ジイル基、または単結合である。
3は、-O-、-COO-、-OCO-、-COS-、-SCO-、-CH=CH-、-C≡C-、または単結合である。
5およびZ6は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルカノイルオキシ基である。また、mおよびnは、それぞれ独立して0〜4の整数である。)
上記式[III]のうちでも特に光学活性であるものが望ましい。
【0036】
それらの具体的な例を以下に示す。
【化16】
Figure 0004438106
【化17】
Figure 0004438106
【0037】
これらの公知の他の液晶化合物、特に反強誘電性液晶あるいはTLAF液晶化合物と前記式[I]で表されるフッ化ビフェニル化合物を混合することによって、それぞれ単独のものよりもSmCA*相あるいはSmCR*相の温度範囲を広く、かつ電気光学的応答速度を高速化することができる。
【0038】
本発明に関わる液晶組成物が、前記式[I]で表されるフッ化ビフェニル化合物と他の液晶化合物との混合物からなる場合、フッ化ビフェニル化合物の量は、液晶組成物の総量100重量部に対し、1〜99重量部、好ましくは5〜50重量部である。すなわち、このフッ化ビフェニル化合物は、他の液晶化合物の性質に応じて、液晶組成物の主剤としても助剤としても用いることができる。
特に前記式[I]で表わされるフッ化ビフェニル化合物を助剤として用いた液晶組成物を液晶セルに充填した液晶素子では、主剤のチルト角をほとんど低減させることなく、電気光学的応答速度を高速化することができる。
【0039】
本発明の液晶組成物には、必要に応じ、液晶組成物の反強誘電性および無閾反強誘電性を損なわない範囲内で、電導性賦与剤、寿命向上剤などの公知の添加剤が含有されていてもよい。
【0040】
液晶素子
本発明に係る液晶素子は、液晶セルを備えた液晶素子であって、液晶表示素子を包含し、前記液晶セル内部の電極間、通常、液晶セルに備えられた一対の電極付き基板の電極間に、上述の本発明の係るフッ化ビフェニル化合物からなる液晶材料、または液晶組成物が充填されている。
【0041】
上記一対の電極付き基板の一方は透明であって、他方は透明であっても不透明であっても良い。両電極付き基板が透明である場合、この液晶セルを備えた液晶素子は、透過型液晶素子として光スイッチング素子、光変調素子などに用いられる。
【0042】
また、上記一対の電極付き基板の少なくとも一方の電極面には、配向膜が設けられていても良い。なお、配向膜とは、液晶セル中でこれと接する本発明にかかる液晶材料、または液晶組成物を所定の方向に配向させる層を意味し、たとえば、電極付き基板上にポリイミド膜を形成し、このポリイミド膜の表面を所定の方向にラビングするなどしてえられる。
【0043】
さらに、上記液晶セルには、液晶セル内部の電極間距離を一定に保つため、この電極間にスぺーサが介設されている。このスペーサとしては、一定膜厚のフィルム、粒径の揃った球状粒子または太さのそろった繊維片などが用いられる。スペーサとして粒径の揃った球状粒子または太さのそろった繊維片を用いる場合、これらのスペーサは、本発明に係る液晶材料または液晶組成物と混合して用いられる。
【0044】
本発明に係る液晶素子では、液晶セル内部に充填されている本発明に係る液晶材料、または液晶組成物が、液晶セルの電極間に電圧が印加されると、電圧の極性および大きさに応じて液晶相の配向状態が変化し、それに伴って液晶セル中で液晶セルに入射した光の偏光方向が変わる。このような光の偏光方向の変化を利用して表示、光スイッチングあるいは光変調を行う場合、本発明に係る液晶素子では、通常、偏光板、偏光ビームスプリッター、1/4波長板、等の偏光制御手段が用いられる。
【0045】
以上のように、本発明に係る液晶素子は、液晶セルを備え、該液晶セルの内部の電極間に、上述したような本発明に係る液晶材料または液晶組成物が充填されておればよく、液晶素子の用途などに応じてさまざまな変形が可能である。
【0046】
本発明に係る、前記式[I]で示されるフッ化ビフェニル化合物の1種または2種以上を用いた液晶素子は、電気光学的応答速度が速く、常温で作動でき、高い電気光学的コントラストを有するなどの高画質表示素子としての特性を有する。さらに、電気光学的応答が速いことを応用して、高速光スイッチング素子や高速光変調素子として好適に用いることができる。
【0047】
【実施例】
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、下記化合物名に記載されている(R)、(S)は、それぞれ異なる旋光性を示す符号である。
【0048】
(実施例1)
《6-(4'-ノニルオキシ-3-フルオロ-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸 -1-トリフルオロメチルペンチル:
【化18】
Figure 0004438106
の合成》
【0049】
〔第1段階〕
フラスコに、4-ブロモフェノール8.76g(50.6mmol)、臭化ノナン10.5g(50.6mmol)、炭酸カリウム11.7g(84.8mmol)およびアセトニトリル60mlを加え、80℃で12時間攪拌した。冷却後、反応液を水200ml中に注ぎ、塩酸で中和し、エーテルで抽出、その有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、濃縮物をカラムクロマトグラフィーで精製する(展開溶媒:ヘキサンおよび塩化メチレン/ヘキサン混合溶液(混合比6/4))ことによって、14.6g(48.9mmol)の4-ノニルオキシブロモベンゼンを得た(収率97%)。
【0050】
〔第2段階〕
フラスコを減圧乾燥した後、窒素置換し、この中に第1段階で得られた4-ノニルオキシブロモベンゼン3.65g(12.2mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(THF)80mlに溶解して加えた。フラスコをドライアイス/イソプロピルアルコール浴で−78℃に冷却し、n-ブチルリチウムの1.59規定ヘキサン溶液9.4ml(12.2mmol)をシリンジで加えた。同温度で30分攪拌後、トリイソプロピルボレート5ml(21.8mmol)を加えた。ドライアイス/イソプロピルアルコール浴をはずし、攪拌しながら−40℃まで自然に温度を上げた。反応液を10%塩酸水溶液200mlに注ぎ、エーテル抽出を行った。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、得られた固体を、ヘキサンで再結晶することによって、2.20g(9.0mmol)の4-ノニルオキシベンゼンボロン酸を得た(収率73%)。分析結果を次に示す。
1H-NMR (CDCl3, δ, ppm) 0.89 (t, 3H, J=6.9 Hz), 1.20-1.50 (m, 12H), 1.75-1.90 (m, 2H), 4.04 (t, 2H, J=6.6 Hz), 7.00 (d, 2H, J=8.6 Hz), 8.15 (d, 2H, J=8.6 Hz).
【0051】
〔第3段階〕
フラスコに、4-ブロモ-2-フルオロベンジルブロマイド2.81g(10.5mmol)、6-ヒドロキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸エチル(合成法は特開平5−246952号公報または特開平6−25098号公報記載の方法による)2.29g(10.4mmol)、炭酸カリウム2.17g(15.7mmol)、およびアセトニトリル60mlを加え、70℃で6時間攪拌した。冷却後、反応液を水500mlに注ぎ、塩酸で中和し、析出した固体を濾別した。カラムクロマトグラフィーで精製することによって、6-(4-ブロモ2-フルオロフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸エチル4.18g(10.3mmol)を得た(収率99%)。分析結果を次に示す。
1H-NMR (CDCl3, δ, ppm) 1.28 (t, 3H, J=7.4 Hz), 1.75-1.90 (m, 1H), 2.15-2.21 (m, 1H), 2.63-2.74 (m, 1H), 2.84-2.95 (m, 5H), 4.18 (q, 2H, J=7.0 Hz), 5.04 (s, 2H), 6.69 (d, 1H, J=2.6 Hz), 6.74 (dd, 1H, J=2.6, 8.7 Hz), 7.02 (d, 1H, J=8.7 Hz), 7.25-7.41 (m, 3H).
【0052】
〔第4段階〕
フラスコに、第2段階で得られた4-ノニルオキシベンゼンボロン酸1.09 g(4.14mmol)、第3段階で得られた6-(4-ブロモ2-フルオロフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸エチル1.64g(4.03mmol)、Pd(PPh3)40.164g(0.142mmol)をジメトキシエタン20mlに溶解して加えた。この中に、炭酸カリウム1.73g(12.5mmol)を水5.9mlに溶解して加え、80℃で、6時間攪拌した。冷却後、希塩酸100mlに注ぎ、分離した油状物が徐々に固化するので、これを濾別した。フラスコに移して乾燥し、カラムクロマトグラフィーで極性不純物を取り除いた。この段階で、原料のブロモ体が10%以上残っていたので、得られた混合物に4-ノニルオキシベンゼンボロン酸0.3g(1.14mmol)、Pd(PPh3)40.06g(0.05mmol)、ジメトキシエタン20ml、炭酸カリウム0.50g(3.6mmol)、水2mlを加え、80℃で3時間攪拌した。FD−マススペクトルで原料が消失していることを確認した後、加水分解し、エーテル抽出後、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去後、カラムクロマトグラフィーで精製することによって、6-(4'-ノニルオキシ-3-フルオロ-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸エチルを1.98g得た(収率90%)。分析結果を次に示す。
1H-NMR (CDCl3, δ, ppm) 0.88 (t, 3H, J=6.9 Hz), 1.25-1.50 (m, 15H), 1.7-1.9 (m, 3H), 2.1-2.2 (m, 1H), 2.6-2.75 (m, 1H), 2.80-3.00 (m, 5H), 3.99 (t, 2H, J=6.6 Hz), 4.18 (q, 2H, J=7.0 Hz), 5.11 (s, 2H), 6.73-6.81 (m, 3H), 6.95-7.05 (m, 3H), 7.20-7.35 (m, 3H), 7.45-7.55 (m, 3H).
【0053】
〔第5段階〕
フラスコに、第4段階で得られた6-(4'-ノニルオキシ-3-フルオロ-4−ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸エチル1.98g(3.63mmol)および25mlのジメチルスルホキシドを加えた。80℃で攪拌して、エステルを完全に溶解し、ここに水酸化カリウム1.70 g(25.8mmol)を水5mlに溶解して加えた。120℃に昇温し1時間攪拌した。冷却後、1%塩酸水溶液500mlに注ぎ、析出した固体を濾別した。フラスコに、30mlのTHFで固体を懸濁させ、さらに塩酸数滴、および水数ml加え、均一溶液にした。これを再び水500mlに注ぎ、再び固体を析出させ、濾別、減圧乾燥後、トルエンで再結晶し、1.74g(3.36mmol)の6-(4'-ノニルオキシ-3-フルオロ-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸を得た(収率93%)。
【0054】
〔第6段階〕
滴下ロート、磁気回転子を備えたフラスコに第5段階で得られた6-(4'-ノニルオキシ-3-フルオロ-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸0.36g(0.70mmol)、(R)-1-トリフルオロメチルペンタノール0.14g(0.91mmol)、4-N,N-ジメチルアミノピリジン(DMAP)0.086g(0.71mmol)、およびジクロロメタン7mlを入れる。これにジクロロメタン3mlに溶解したN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)0.20g(0.97mmol)を、室温でゆっくり滴下し、同温度で一晩攪拌した。溶媒を減圧下留去し、濃縮物をカラムクロマトグラフィーで精製することによって6-(4'-ノニルオキシ-3-フルオロ-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸 (R)-1-トリフルオロメチルペンチル0.37gが得られた(収率80%)。
得られた化合物の構造は、FD−マススペクトル(m/z=656)および1H−NMRスペクトルにより同定・確認した。1H−NMRスペクトルのチャートを図1に示す。図1において、ピークに付した番号は、下記式の番号1〜15の水素原子に対応する。なお、(eq)はエカトリアル、(ax)アキシャルの立体配座を示す。
【化19】
Figure 0004438106
得られた化合物の相転移温度を、示差走査熱量計と偏光顕微鏡による観察から調べた結果を表5に示す。
【0055】
(実施例2)
《6-(4'-ノニルオキシ-3-フルオロ-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸 (R)-1-トリフルオロメチル-4-オキサ-1-ペンチル:
【化20】
Figure 0004438106
の合成》
フラスコに実施例1の第5段階で得られた6-(4'-ノニルオキシ-3-フルオロ-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸0.36g(0.70mmol)、(R)-1-トリフルオロメチル-4-オキサ-1−ペンタノール0.15g(0.92mmol)、DMAP0.084g(0.69mmol)およびジクロロメタン7mlを入れる。これにジクロロメタン3mlに溶解したDCC0.20g(0.97mmol)を、室温でゆっくり滴下し、同温度で一晩攪拌した。溶媒を減圧下留去し、濃縮物をカラムクロマトグラフィーで精製することによって6-(4'-ノニルオキシ-3-フルオロ-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2−ナフタレンカルボン酸(R)-1-トリフルオロメチル-4-オキサ-1-ペンチル0.40gが得られた(収率87%)。
【0056】
化合物の構造は、FD−マススペクトル(m/z=658)および1H−NMRにより同定・確認した。1H−NMRスペクトルのチャートを図2に示す。図2において、ピークに付した番号は、下記式の番号1〜18の水素原子に対応する。
【化21】
Figure 0004438106
得られた化合物の実施例1と同様な相転移温度測定をした結果を表5に示す。
【0057】
(実施例3)
《6-(4'-ノニルオキシ-3-フルオロ-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸 (R)-1-トリフルオロメチル-7-オキサ-1-ノニル:
【化22】
Figure 0004438106
の合成》
フラスコに実施例1の第5段階で得られた6-(4'-ノニルオキシ-3-フルオロ-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸0.37g(0.71mmol)、(R)-1-トリフルオロメチル-7-オキサ-1-ノナノール0.18g(0.83mmol)、DMAP0.083g(0.68mmol)、およびジクロロメタン7mlを入れる。これにジクロロメタン3mlに溶解したDCC0.20g(0.97mmol)を、室温でゆっくり滴下し、同温度で1晩攪拌した。溶媒を減圧下留去し、濃縮物をカラムクロマトグラフィーで精製することによって6-(4'-ノニルオキシ-3-フルオロ-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸 (R)-1-トリフルオロメチル-7-オキサ-1-ノニル 0.43 gが得られた(収率85%)。
【0058】
化合物の構造は、FD−マススペクトル(m/z=714)および1H−NMRにより同定・確認した。1H−NMRスペクトルのチャートを図3に示す。図3において、ピークに付した番号は、下記式の番号1〜18の水素原子に対応する。
【化23】
Figure 0004438106
得られた化合物の実施例1と同様な相転移温度測定結果を表5に示す。
【0059】
(実施例4)
《6-(4'-ノニルオキシ-3-フルオロ-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸 (R)-2-オクチル:
【化24】
Figure 0004438106
の合成》
フラスコに実施例1の第5段階で得られた6-(4'-ノニルオキシ-3-フルオロ-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸0.36g(0.70mmol)、(R)-2-オクタノール 0.13g(1.03mmol)、DMAP0.082g(0.68mmol)、およびジクロロメタン7mlを入れる。これにジクロロメタン3mlに溶解したDCC0.19g(0.92mmol)を、室温でゆっくり滴下し、同温度で1晩攪拌した。溶媒を減圧下留去し、濃縮物をカラムクロマトグラフィーで精製することによって6-(4'-ノニルオキシ-3-フルオロ-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸 (R)-2-オクチル0.34gが得られた(収率77%)。
【0060】
構造はFD−マススペクトル(m/z=630)および1H−NMRより同定・確認した。1H−NMRスペクトルのチャートを図4に示す。図4において、ピークに付した番号は、下記式の番号1〜17の水素原子に対応する。
【化25】
Figure 0004438106
得られた化合物の実施例1と同様な相転移温度測定の結果を表5に示す。
【0061】
(実施例5)
《6-(4'-ノニルオキシ-3'-フルオロ-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸 (R)-1-トリフルオロメチル-5-オキサ-1-ヘプチル:
【化26】
Figure 0004438106
の合成》
〔第1段階〕
磁気回転子、還流管を備えたフラスコに、2-フルオロ-4−ブロモフェノール10.3g(54.1mmol)、臭化ノナン11.3g(54.4mol)、炭酸カリウム11.5g(83.3mmol)、およびアセトニトリル60mlを加え、70℃で12時間攪拌した。冷却後、反応液を水200mlに注ぎ、塩酸で中和し、エーテルで抽出、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、濃縮物をカラムクロマトグラフィーで精製する(展開溶媒:ヘキサンおよび塩化メチレン/ヘキサン混合溶液(混合比6/4))ことにより16.7g(52.6mmol)の3-フルオロ-4-ノニルオキシブロベンゼンを得た(収率97%)。分析結果を次に示す。
1H-NMR (CDCl3, δ, ppm) 0.88 (t, 2H, J=6.9 Hz), 1.20-1.50 (m, 12H), 1.75-1.85 (m, 2H), 3.99 (t, 2H, J=6.6 Hz), 6.83 (dd, 1H, J=8.8, 8.8 Hz), 7.17 (ddd, 1H, J=1.3, 2.3, 8.8 Hz), 7.22 (dd, 1H, J=2.3, 10.6 Hz).
【0062】
〔第2段階〕
滴下ロート、磁気回転子、温度計、セプタム、窒素バブラーを備えたフラスコを減圧乾燥し、窒素雰囲気にする。この中に、第1段階で得られた3-フルオロ-4−ノニルオキシブロベンゼン1.65g(5.14mmol)を乾燥THF40mlに溶解して加えた。ドライアイス/イソプロピルアルコール浴でフラスコを−70℃に冷却し、n−ブチルリチウムの1.62規定ヘキサン溶液3.2ml(5.2mmol)をシリンジで加えた。同温度で30分攪拌後、トリイソプロピルボレート1.60g(8.53mmol)を加えた。ドライアイス/イソプロピルアルコール浴をはずし、攪拌しながら室温まで自然に温度を上げた。反応液を5%塩酸水溶液に注ぎ、析出した固体を濾別し、減圧乾燥後ヘキサンで再結晶して1.05g(3.99 mmol)の3-フルオロ-4-ノニルオキシベンゼンボロン酸を得た(収率78%)。分析結果を以下に示す。
1H-NMR (CDCl3, δ, ppm) 0.83 (dd, 3H, J=7, 7 Hz), 1.15-1.45 (m, 12H), 1.7-1.8 (m, 2H), 3.99 (t, 2H, J=6.6 Hz), 6.85-6.92 (m, 1H), 7.47-7.52 (m, 2H).
【0063】
〔第3段階〕
磁気回転子、還流管を備えたフラスコに、4-ブロモベンジルブロマイド1.29g(5.18mmol)、6-ヒドロキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-2−ナフタレンカルボン酸エチル1.10g(5.01mmol)、炭酸カリウム1.27g(9.17mmol)、およびアセトニトリル60mlを加え、70℃で12時間攪拌した。冷却後、反応液を水500mlに注ぎ、塩酸で中和し、析出した固体を濾別した。減圧乾燥後、ヘキサンで再結晶することにより6-(4-ブロモフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2−ナフタレンカルボン酸エチル1.69g(4.34mmol)を得た(収率87%)。分析結果を以下に示す。
1H-NMR (CDCl3, δ, ppm) 1.28 (t, 3H, J=7.3 Hz), 1.75-1.90 (m, 1H), 2.13-2.22 (m, 1H), 2.60-2.75 (m, 1H), 2.78-3.00 (m, 5H), 4.18 (q, 2H, J=7.3 Hz), 4.98 (s, 2H), 6.68 (d, 1H, J=2.6 Hz), 6.73 (dd, 1H, J=2.6, 8.2 Hz), 7.01 (d, 1H, J=8.2 Hz), 7.29 (d, 2H, J=6.6 Hz), 7.50 (d, 2H, J=6.6 Hz).
【0064】
〔第4段階〕
磁気回転子、還流管を備えたフラスコに、第2段階で得られた3-フルオロ-4-ノニルオキシベンゼンボロン酸0.31g(1.1mmol)、第3段階で得られた6-(4-ブロモフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸エチル0.42g(1.08mmol)、Pd(PPh3)40.093g(0.08mmol)をジメトキシエタン5mlに溶解して加えた。この中に、炭酸カリウム0.42g(3.03mmol)を水1.5mlに溶解して加え、還流下、3時間攪拌した。冷却後、水200mlに注ぎ、析出した固体を濾別した。これをカラムクロマトグラフィーで精製し、ヘキサンから再結晶することにより、6-(4'-ノニルオキシ-3'-フルオロ-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸エチルを得た(収率56%)。分析結果を以下に示す。
1H-NMR (CDCl3, δ, ppm) 0.89 (t, 3H, J=6.9 Hz), 1.2-1.6 (m, 15H), 1.7-1.9 (m, 3H), 2.1-2.2 (m, 1H), 2.60-2.75 (m, 1H), 2.80-3.00 (m, 5H), 4.07 (t, 2H, J=6.6 Hz), 4.18 (q, 2H, J=7.3 Hz), 5.05 (s, 2H), 6.72-6.80 (m, 2H), 6.98-7.04 (m, 2H), 7.27-7.35 (m, 2H), 7.47 (d, 2H, J=8.6), 7.54 (d, 2H, J=8.6).
【0065】
〔第5段階〕
磁気回転子、還流管を備えたフラスコに、第4段階で得られた6-(4'-ノニルオキシ-3'-フルオロ-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸エチル1.15g(2.1mmol)および20mlのジメチルスルホキシドを加えた。80℃で攪拌して、エステルを完全に溶解し、ここに水酸化カリウム1.51g(27mmol)を水4mlに溶解して加えた。120℃に昇温し1時間攪拌した。冷却後、5%塩酸水溶液300mlに注ぎ、析出した固体を濾別した。フラスコに、20mlのTHFで固体を懸濁させ、さらに塩酸数滴、および水数ml加え、均一溶液にした。これを水300mlに注ぎ、再び固体を析出させ、濾別、減圧乾燥後、トルエンで再結晶し、1.00g(1.94mmol)の6-(4'-ノニルオキシ-3'-フルオロ-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸を得た(収率85%)。
【0066】
〔第6段階〕
滴下ロート、磁気回転子を備えたフラスコに第5段階で得られた6-(4'-ノニルオキシ-3'-フルオロ-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2−ナフタレンカルボン酸0.33g(0.64mmol)、(R)-1-トリフルオロメチル-5-オキサ-1-ヘプタノール0.17g(0.93mmol)、DMAP0.070g(0.57mmol)、およびジクロロメタン10mlを入れる。これにジクロロメタン3mlに溶解したDCC0.22g(1.07mmol)を、室温でゆっくり滴下し、同温度で一晩攪拌した。溶媒を減圧下留去し、濃縮物をカラムクロマトグラフィーで精製することによって6-(4'-ノニルオキシ-3'-フルオロ-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸 (R)-1-トリフルオロメチル-5-オキサ-1−ヘプチル0.35g(0.51mmol)を得た(収率80%)。
【0067】
化合物の構造はFD−マススペクトル(m/z=686)および1H−NMRにより同定・確認した。1H−NMRスペクトルのチャートを図5に示す。図5において、ピークに付した番号は、下記式の番号1〜17の水素原子に対応する。
【化27】
Figure 0004438106
得られた化合物の実施例1と同様な相転移温度を表5に示す。
【0068】
(実施例6)
《6-(4'-ノニルオキシ-3'-フルオロ-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸 (R)-1-トリフルオロメチル-7-オキサ-1-ノニル:
【化28】
Figure 0004438106
の合成》
フラスコに実施例5の第5段階で得られた6-(4'-ノニルオキシ-3'-フルオロ-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸0.34g(0.65mmol)、(R)-1-トリフルオロメチル-7-オキサ-1-ノナノール0.21g(0.96mmol)、DMAP0.065g(0.54mmol)、およびジクロロメタン8mlを入れる。これにジクロロメタン5mlに溶解したDCC0.21g(1.02mmol)を、室温でゆっくり滴下し、同温度で一晩攪拌した。溶媒を減圧下留去し、濃縮物をカラムクロマトグラフィーで精製することによって6-(4'-ノニルオキシ-3'-フルオロ-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸(R)-1-トリフルオロメチル-7-オキサ-1-ノニル0.40g(0.56mmol)が得られた(収率86%)。
【0069】
化合物の構造はFD−マススペクトル(m/z=714)および1H−NMRにより同定・確認した。1H−NMRスペクトルのチャートを図6に示す。図6において、ピークに付した番号は、下記式の番号1〜18の水素原子に対応する。
【化29】
Figure 0004438106
得られた化合物の実施例1と同様な相転移温度の測定結果を表5に示す。
【0070】
(実施例7)
《6-(4'-ノニルオキシ-3'-フルオロ-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸 (R)-2-オクチル:
【化30】
Figure 0004438106
の合成》
フラスコに実施例5の第5段階で得られた6-(4'-ノニルオキシ-3'-フルオロ-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸 0.33g(0.63mmol)、(R)-2-オクタノール0.13g(1.03mmol)、DMAP0.069g(0.57mmol)、およびジクロロメタン8mlを入れる。これにジクロロメタン5mlに溶解したDCC0.20g(0.97mmol)を、室温でゆっくり滴下し、同温度で1晩攪拌した。溶媒を減圧下留去し、濃縮物をカラムクロマトグラフィーで精製することによって6-(4'-ノニルオキシ-3'-フルオロ-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸 (R)-2-オクチル0.32g(0.51mmol)が得られた(収率81%)。
【0071】
構造はFD−マススペクトル(m/z=630)および1H−NMRにより同定・確認した。1H−NMRスペクトルのチャートを図7に示す。図7において、ピークに付した番号は、下記式の番号1〜16の水素原子に対応する。
【化31】
Figure 0004438106
得られた化合物の実施例1と同様な相転移温度測定の結果を表5に示す。
【0072】
【表5】
Figure 0004438106
表中のCryは結晶を表わし、SmCA*は反強誘電性相を、SmCR*は無閾反強誘電性相を、SmC*は強誘電性相を、SmAはスメクチックA相を表わし、Isoは等方性液体を表わす。また、表中の各相の下に記した「・」の印は、その化合物が印した相を示すことを表わし、この「・」とその左側(降温時は右側)に記載された「・」との間の数字は左(降温時は右)の相から右(降温時は左)の相への転移温度(℃)を示す。「−」の印は、その化合物が印した相を示さないことを表わす。また、実施例8以降の液晶組成物に用いる公知の液晶化合物[A]の測定結果を併記する。
【0073】
(実施例8)
実施例1で得られたフッ化ビフェニル化合物と、下記式[A]で示される液晶化合物とを20/80(モル比)で混合し、得られた液晶組成物について、電気光学的特性(40℃、10Vでのスイッチング速度(τr)、飽和電圧、およびチルト角)を下記の方法で測定した。
【化32】
Figure 0004438106
【0074】
ラビング処理したポリイミド薄膜を有する、ITO電極付きの液晶セル(セルギャップ約2μm)に、上記の液晶組成物を加熱して注入する。2枚の偏光板を、偏光面が直交するように配置し、この偏光板の間に、液晶の入ったセルを挿入し液晶素子を構成する。液晶素子に±10Vの電圧を印加し、τr、飽和電圧、チルト角を測定した。操作は、まず液晶素子に電圧を印加しない状態(すなわち反強誘電性状態または無閾反強誘電性状態)で、液晶素子を透過する光の透過率が最少(ほぼ0%)になるよう、2枚の偏光板間のセル位置を調整する。この状態で、液晶素子に徐々に電圧を印加していくと透過率が上昇し、その後、透過率がほとんど上昇しない強誘電性状態となる。この透過率がほとんど上昇しなくなったときの電圧を飽和電圧とした。
τrは、強誘電性状態での光透過率を100%として±10Vの矩形波電圧を印加したとき、光透過率が0%から90%になるまでの時間とした。
【0075】
また、チルト角は次の方法で測定した。直流電圧(10Vおよび−10V)を液晶セルに印加し、プラス電圧、マイナス電圧印加時のそれぞれについて、液晶素子の光透過率が最も暗くなるよう液晶セルを2枚のクロスニコルに配置された偏光板間で回転させる。この時の回転させた角度を求め、それぞれθ1、θ2とし、次式からチルト角θを求めた。
θ=(θ1−θ2)/2
結果を表6に示す。また、得られた液晶組成物は40℃でSmCR*相を示し、その上限温度およびSmA相の上限温度の測定結果(昇温測定、以下同じ)を併記した。
【0076】
(実施例9)
実施例2で得られたフッ化ビフェニル化合物と、前記式[A]で表される液晶化合物とを20/80(モル比)で混合し、得られた液晶組成物について、実施例8と同様に電気光学的特性を測定した。結果を表6に示す。また、得られた液晶組成物は40℃でSmCR*相を示し、その上限温度およびSmA相の上限温度の測定結果を併記した。
【0077】
(実施例10)
実施例3で得られたフッ化ビフェニル化合物と、前記式[A]で表される液晶化合物とを20/80(モル比)で混合し、得られた液晶組成物について、実施例8と同様に電気光学的特性を測定した。結果を表6に示す。また、得られた液晶組成物は40℃でSmCR*相を示し、その上限温度およびSmA相の上限温度の測定結果を併記した。
【0078】
(比較例1)
下記式[B]で表される化合物と、前記式[A]で表される液晶化合物とを20/80(モル比)で混合し、得られた液晶組成物について、実施例8と同様に電気光学的特性を測定した。結果を表6に示す。また、得られた液晶組成物は40℃でSmCR*相を示し、その上限温度およびSmA相の上限温度の測定結果を併記した。
【化33】
Figure 0004438106
【0079】
【表6】
Figure 0004438106
【0080】
(実施例11)
実施例5で得られたフッ化ビフェニル化合物と、前記式[A]で表される液晶化合物とを20/80(モル比)で混合し、得られた液晶組成物について、実施例8と同様にして30℃で電気光学的特性を測定した。結果を表7に示す。また、得られた液晶組成物は30℃でSmCR*相を示し、その上限温度およびSmA相の上限温度の測定結果を併記した。
【0081】
(実施例12)
実施例6で得られたフッ化ビフェニル化合物と、上記式[A]で表される液晶化合物とを20/80(モル比)で混合し、得られた液晶組成物について、実施例8と同様にして30℃で電気光学的特性を測定した。結果を表7に示す。また得られた液晶組成物は30℃でSmCR*相を示し、その上限温度およびSmA相の上限温度の測定結果を併記した。
【0082】
(比較例2)
前記式[B]で表される化合物と、前記式[A]で表される液晶化合物とを20/80(モル比)で混合し、得られた液晶組成物について、実施例8と同様にして30℃で同様に電気光学的特性を測定した。結果を表7に示す。また得られた液晶組成物は30℃でSmCR*相を示し、その上限温度およびSmA相の上限温度の測定結果を併記した。
【0083】
【表7】
Figure 0004438106
【0084】
表6および表7からわかるように、本発明のフッ化ビフェニル化合物は、上記式[B]のフッ素系添加剤に比較しても、SmCR*相の上限温度を維持しながら、飽和電圧を下げ、チルト角を増大させ、かつ応答速度を高速化させることができることがわかる。
【0085】
【発明の効果】
本発明により上記式[I]で示される新規なフッ化ビフェニル化合物が提供される。また、本発明に係るフッ化ビフェニル化合物は、液晶材料または液晶組成物の成分として用いることができ、そのうちのいくつかは単独で液晶性を示し、反強誘電性あるいは無閾反強誘電性を示す。また反強誘電性あるいは無閾反強誘電性を示すホスト液晶に、本発明の化合物を添加することによって、反強誘電性、あるいは無閾反強誘電性の上限温度を大きく低下させることなく、しきい値もしくは飽和電圧を低減させ、また応答速度を高速化させ、かつ、チルト角も増大させることができる。さらに、本発明に係るフッ化ビフェニル化合物液晶組成物を液晶素子に用いれば、高コントラストで電気光学的応答速度が速く、CRTに近い高品位な表示性能を発現できる。この電気光学的応答が速いことを利用して、高速光スイッチング素子あるいは高速光変調素子に好適に応用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の6-(4'-ノニルオキシ-3-フルオロ-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸(R)-1-トリフルオロメチルペンチルの1H-NMRスペクトルチャート図である。
【図2】実施例2の6-(4'-ノニルオキシ-3-フルオロ-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸(R)-1-トリフルオロメチル-4-オキサ-1-ペンチルの1H-NMRスペクトルチャート図である。
【図3】実施例3の6-(4'-ノニルオキシ-3-フルオロ-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸(R)-1-トリフルオロメチル-7-オキサ-1-ノニルの1H-NMRスペクトルチャート図である。
【図4】実施例4の6-(4'-ノニルオキシ-3-フルオロ-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸(R)-2-オクチルの1H-NMRスペクトルチャート図である。
【図5】実施例5の6-(4'-ノニルオキシ-3'-フルオロ-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸(R)-1-トリフルオロメチル-5-オキサ-1-ヘプチルの1H-NMRスペクトルチャート図である。
【図6】実施例6の6-(4'-ノニルオキシ-3'-フルオロ-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸(R)-1-トリフルオロメチル-7-オキサ-1-ノニルの1H-NMRスペクトルチャート図である。
【図7】実施例7の6-(4'-ノニルオキシ-3'-フルオロ-4-ビフェニルメチルオキシ)-1,2,」3,4-テトラヒドロ-2-ナフタレンカルボン酸(R)-2-オクチル の1H-NMRスペクトルチャート図である。

Claims (7)

  1. 次式[I]で表わされるフッ化ビフェニル化合物;
    1−X−A1−Y1−A2−Y2−C*H(Q1)−Q2 [I]
    (式[I]において、R1は、炭素数1から20のアルキル基、およびこれらの基中に存在する1個または2個以上の-CH2-が、-O-および/またはハロメチレン基で置換された基(-O-同士が隣接するものは除く)から選ばれる1種の基を表わし、
    Xは、-O-または単結合を表わし、
    1は、
    Figure 0004438106
    を表わし、
    2は、
    Figure 0004438106
    を表わし、
    1は、-CH2O-を表わし、
    2は、-COO-を表わし、
    1は、-CH3 -CF 3 りなる群から選ばれる基を表わし、Q2は、炭素数から10のアルキル基およびこれらの基中に存在する1個の-CH2-が、-O-で置換された基から選ばれる1種の基を表わし、
    *は、不斉炭素を表わす。)
  2. 請求項1に記載のフッ化ビフェニル化合物からなる液晶材料。
  3. 前記材料が、反強誘電性もしくは無閾反強誘電性を有するものである請求項に記載の液晶材料。
  4. 請求項1に記載のフッ化ビフェニル化合物を含有してなる液晶組成物。
  5. 請求項1に記載のフッ化ビフェニル化合物と他の液晶化合物および/または添加剤とを含有してなる請求項に記載の液晶組成物。
  6. 前記組成物が、反強誘電性もしくは無閾反強誘電性を有するものである請求項4または5に記載の液晶組成物。
  7. 請求項2または3に記載のフッ化ビフェニル化合物からなる液晶材料、または請求項4ないし6のいずれか1項に記載の液晶組成物を用いることを特徴とする液晶素子。
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