JP4437706B2 - 海水シャーベット氷の製氷システム - Google Patents

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本発明は、魚介類等など生鮮食品の鮮度保持に有効な海水を使ったシャーベット氷の製氷システムに関し、詳しくは、凝縮器の冷却水に海洋深層水を使用して高効率の冷却設備を実現するとともに、連続製氷運転を可能とし、氷含有率の高いシャーベット氷の取り出し、搬送を可能とし、かつ生鮮食品の鮮度保持に有効な塩分濃度の調整を容易にしたものである。
漁港には、鮮度の良い海産物を各地に届けるために、冷蔵、冷凍、冷水、製氷等の設備が欠かせないものとなっている。いずれの設備も魚介類を低温保管、低温流通することが目的であり、冷凍機が必要不可欠である。しかし近年の省エネ推進、設備投資縮小、設備維持縮小の中で、低温保管、低温流通を実現するためには、高効率の冷却設備が必要となってきている。
従来の冷却設備は、冷凍機凝縮器が空冷方式か市水水冷方式であるが、市水水冷方式の場合、冷却搭、市水配管の設置により、設備面積が大きく、設置費用が高くなるため、空冷方式が主流である。
また海水(表層水)を汲み上げて海水水冷方式も可能であるが、海水を汲み上げるポンプ動力、海水用配管、ろ過装置等の設備費用が高いことと、表層水の通年平均温度が市水とほぼ同等、もしくはそれ以上であり、市水水冷方式と凝縮能力がほぼ同等であることを考慮すると、海水水冷方式は高効率とは言い難い。
そこで現在海洋深層水が未利用エネルギとして注目されており、海洋深層水の特徴を生かした事業化が急速に展開されている。その中には、冷蔵、冷凍、冷水、製氷等の設備も含まれているが、海洋深層水を利用した冷蔵、冷凍、冷水、製氷等の設備が実現されるためには、高効率の冷却設備が必要である。
一方本出願人等が先に出願した特開2002−115945号公報に開示されているように、海水、特に海洋深層水を使用したシャーベット氷が生鮮食品の鮮度保持に効果的であることはすでに知られている。
本発明者等は、シャーベット氷製氷設備の冷凍機凝縮器の冷却水として海洋深層水を利用し、省エネルギ性に関する試験を行なった。その結果、従来の冷却設備の主流である空冷凝縮器を用いた製氷システムに対して、冷凍機動力で36%削減し、成績係数(=冷凍能力/冷凍機動力)で58%の向上を達成し、高効率の製氷設備実現の見通しを得た(海洋深層水冷却方式は11℃の深層水を使い、空冷方式は温度27℃の外気を使い、冷凍能力はいずれの方式も7.7kwで試験を実施)。
従来の製氷方式は、掻き取り方式が主流である。たとえば本出願人が先に出願した特許文献1(特開2002−115945号公報)には、生鮮食品の生産、収穫、漁獲より流通段階までの間の少なくとも一つの過程にて行なう氷蔵(低温度でかつ非凍結状態で貯蔵する方法)において、海水以下の略0.5〜略2.5%の塩分濃度をもつスラリー状氷を使用したため、同塩分濃度に対応した−1℃以下の当該食品の氷点に近いチルド温度帯(氷結晶を析出しない)を形成させて、当該食品のチルド温度帯における定温氷蔵を可能とさせ、浸透圧の影響を抑制するとともに、好適なチルド冷蔵ができ、早期急速冷却が可能となり、生鮮食品の鮮度保持をより効果的に行なうことができることが開示されている。
ここで急速冷却の手段として、冷熱を供給する熱交換器の伝熱面への塩含有水の急速噴射により、伝熱面上にフレーク状氷を形成させる瞬間的自己凍結を行ない、伝熱面上に形成したフレーク状氷を掻き取る掻き取り方式を実施することが開示されている。
また特許文献2(特開2004−53142号公報)には、掻き取り方式として、貯槽の上部に砕氷機を設け、同砕氷機は下部が開口する縦筒状のシリンダを備え、同シリンダの外側には冷媒が供給される冷却手段用のジャケットを設け、シリンダ内には外周面に多数の吹出し孔を有するスプレー管をシリンダの内周面に沿って設け、スプレー管には砕氷機外の貯液タンクから媒体液が供給されて、スプレー管の媒体液は噴出し孔からシリンダの内周面に噴出され、シリンダの上部蓋にはモータを設けてあり、同モータによりシリンダの縦中心軸線で高速回転させられる駆動軸をシリンダ内に設け、この駆動軸に、シリンダの内面に生成された薄氷を媒体液とともに掻き取るスクレーパカッタを設けた氷水製造装置が開示されている。
特開2002−115945号公報 特開2004−53142号公報
しかるに特許文献1及び特許文献2に開示されたような掻き取り方式で製氷を行なった場合、塩分濃度がおおよそ1.5重量%以下になると、掻き取り面に形成される氷が硬く掻き取ることができない上に、掻き取り刃の磨耗が激しく、さらには掻き取り刃を駆動させる動力が非常に大きくなる問題があった。
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、前記従来技術の問題点を解消するために、過冷却製氷方式を採用するとともに、海洋深層水の低温安定性(年間を通じて2〜10℃)を利用して、冷却設備の冷凍機凝縮器を海洋深層水を用いた冷却方式にすることにより、高効率な冷却設備を実現することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、冷媒を圧縮して高圧化する圧縮機と、同圧縮機で圧縮された冷媒を海洋深層水を冷却媒体として凝縮する凝縮器と、同凝縮器で凝縮した冷媒を膨張させる膨張手段と、膨張した冷媒と海水とを熱交換して同冷媒の蒸発潜熱により同海水を過冷却する過冷却器と、過冷却解除手段を具備し、同過冷却器との間で前記海水を循環させながらシャーベット氷をつくる製氷タンクと、同製氷タンクで製氷した海水シャーベット氷を貯留する1個以上の貯氷タンクと、同製氷タンク及び同貯氷タンク間を連絡する循環管路とを備えたことを特徴とする。
本発明においては、前記の圧縮機、凝縮器、膨張手段、及び過冷却器で冷凍サイクルを構成し、同過冷却器で冷媒の蒸発潜熱により海水を過冷却する。
まずは製氷タンク及び貯氷タンクに海水、好ましくは海洋深層水を注入する。次に製氷タンク及び過冷却器間で海水を循環するとともに、製氷タンク及び貯氷タンク間でも海水を循環する。海水が循環されていくにつれて、海水は過冷却器により次第に冷却され、製氷、貯氷工程が開始される(好ましくは、この間製氷タンク内の攪拌器は常時回転させ、貯氷タンク内の攪拌器は常時停止しておく)。
製氷が開始されると、製氷タンク内の氷水が貯氷タンク内に送り込まれ、貯氷タンク内の海水が製氷タンクに送り込まれる。製氷タンク内の氷水の氷含有量は常時5重量%以下に保持され、貯氷タンクの氷含有量は常時上昇していく。目標とする氷含有率に達すると、製氷タンク及び貯氷タンク間の循環が止められ、往復配管が閉められる。
次に好ましくは、貯氷タンク内の攪拌器を稼動させ、シャーベット氷取り出しポンプにより、シャーベット氷を取り出す。
貯氷タンクがすべて目標となる氷含有量に達した場合は、製氷タンクでの製氷も終了する。
なお過冷却解除手段の具体例として、重力エネルギを有する過冷却水の衝突により氷粒を製造する衝突板、又は過冷却水を固体粒若しくは気泡粒との衝突により氷粒を製造する水中解除部がある。
また好ましくは、前記製氷タンク及び前記貯氷タンクの内部に攪拌器を設け、これらタンク内でのシャーベット氷の凝集、凝固をなくし、またこれらタンクからの排出をスムーズに行なうとともに、これらタンクを連絡する循環管路での閉塞、あるいは製氷タンクと過冷却器とを結ぶ循環管路内での閉塞を防止する。
また好ましくは、海水として海洋深層水、すなわち海面下約200m以下の深さの光のほとんど届かない深層冷海水(2〜5℃)又は湧昇流により形成された水深域の深層冷海水を使用する。さらに好ましくは、貯氷タンクを2個以上設置し、それぞれの貯氷タンクで異なった氷含有率の海水シャーベット氷を貯氷するように運転する。
本発明によれば、冷媒を圧縮して高圧化する圧縮機と、同圧縮機で圧縮された冷媒を海洋深層水を冷却媒体として凝縮する凝縮器と、同凝縮器で凝縮した冷媒を膨張させる膨張手段と、膨張した冷媒と海水とを熱交換して同冷媒の蒸発潜熱により同海水を過冷却する過冷却器と、過冷却解除手段を具備し、同過冷却器との間で前記海水を循環させながらシャーベット氷をつくる製氷タンクと、同製氷タンクで製氷した海水シャーベット氷を貯留する1個以上の貯氷タンクと、同製氷タンク及び同貯氷タンク間を連絡する循環管路とを備えたことにより、連続製氷運転が可能となり、さらには複数個の貯氷タンクを設けた場合、それぞれ異なった氷含有率の海水又は海洋深層水のシャーベット氷を貯氷することも可能となる。
製氷タンクの底部付近にシャーベット氷が凝集、又は凝固したり、氷含有率を40重量%以上とした場合、過冷却器内で氷による閉塞が発生するおそれがある。
本発明では、製氷タンク内の氷含有率を常時5重量%以下に抑える運転を行なうことにより、前記問題点を効果的に解消することができる。なお貯氷タンク内では、好ましくは攪拌器を設け、同タンク内での凝集、凝固を防止する。
特許文献1に開示されているように、海水シャーベット氷の利点として、通常の海水の塩分濃度以下の略0.5〜略2.5%の塩分濃度をもつスラリー状氷を使用することにより、同塩分濃度に対応した−1℃以下の当該食品の氷点に近いチルド温度帯(氷結晶を析出しない)を形成させて、当該食品のチルド温度帯における定温氷蔵を可能とさせ、浸透圧の影響を抑制するとともに、好適なチルド冷蔵ができ、早期急速冷却が可能となり、生鮮食品の鮮度保持をより効果的に行なうことができる利点がある。
また特許文献1には、塩分濃度を約1.0〜1.5重量%前後に調整することにより、この塩分濃度に対応する−5〜−1℃の氷点温度をもつシャーベット氷を生成でき、このシャーベット氷は、タンパク質の流出防止、及び目の白濁化を防止できる点から、特に魚体の鮮度保持に有効であることが開示されている。
また海水として、海洋深層水を使用することにより、次のような利点がある。
(1)深層水を原水とするため、清浄性が確保でき、生物学的に清浄な深層水により、安全な衛生管理が可能である。
(2)塩分濃度の調整が容易である。
(3)製氷効率を上げることができる。
また魚介類の鮮度保持には、氷含有率の高いシャーベット氷であることが望ましい。本発明によれば、前述のように、システム内でシャーベット氷の凝固、凝集、又は閉塞等を生じることなく、貯氷タンク内に氷含水率の高いシャーベット氷を貯留することが容易であり、貯氷タンク内に、好ましくは攪拌器を設け、同攪拌器を稼動させて、シャーベット氷の凝固、凝集を防止しながら、取り出しポンプによりシャーベット氷を取り出すことができる。
また海水を製氷タンク及び貯氷タンクの間で循環させながら、塩分濃度の調整を行いつつ、貯氷タンク内で所望の氷含有率に合わせていく操作を行なうことによって、目標とする塩分濃度を含んだシャーベット氷の製造が可能となる。
さらに貯氷タンク内でシャーベット氷を絶えず循環、攪拌させることによって、流動性が良く、生鮮食品を傷付けない、柔らかなシャーベット氷を取り出すことができる。
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は本発明の第1実施例に係る、海洋深層水を用いたシャーベット氷の製氷システムを示す系統図である。
図1において、1は、CO等の自然冷媒を用いた冷凍サイクルの冷凍機本体を構成する圧縮機、2は圧縮機1の駆動モータである。3は、冷却水として海洋深層水oを用いた水冷凝縮器であり、導入される海洋深層水oは11℃の温度に保持されている。cは冷媒の循環ラインであり、CO等の冷媒は水冷凝縮器3で凝縮された後、膨張弁4を経て減圧され、過冷却器5で、製氷タンク6から送られてくる海洋深層水oから蒸発潜熱を奪い、海洋深層水oを過冷却する。7は海洋深層水oを過冷却器5と製氷タンク6との間で循環させる循環ポンプである。
8は、製氷タンク6内に設けられた攪拌羽根で、製氷タンク6の上部に設けられた駆動モータ8aにより回転駆動される。9は、製氷タンク6内のシャーベット氷面の上方に設けられた過冷却解除板で、過冷却器5で過冷却された海洋深層水がこの解除板9に衝突することにより、過冷却が解除され、氷粒となって落下する。
なお過冷却解除板9の代わりに、過冷却水を水中に種氷又は気体を供給し、これらとの衝突により氷粒を製造する水中解除部を設けてもよい。
10は、大型の貯氷タンクで、好ましくは2個以上設置され、製氷が開始されると、製氷タンク6との間で循環ラインsを通りシャーベット氷が循環される。11は貯氷タンク10の内部を攪拌する攪拌羽根、11aは攪拌羽根11の駆動モータである。また12及び13は、循環ラインsに設けられた循環ポンプである。14は貯氷タンク10から柔らかいシャーベット氷を取り出し、生鮮食品fの氷蔵に供する取り出しホース、15は取り出しポンプである。
かかる装置において、次の手順で、シャーベット氷の製氷及び取り出しを行なう。
(1)製氷タンク6及び貯氷タンク10に海洋深層水oを注入する。
(2)製氷タンク6→循環ポンプ7→過冷却器5→過冷却解除板9→製氷タンク6の順で海洋深層水oを循環する。
(3)製氷タンク6→循環ポンプ13→貯氷タンク10→循環ポンプ12→製氷タンク6の順で海洋深層水oを循環する(往復の流量は同等)。
(4)海洋深層水oが冷却され、製氷、貯氷を開始する(製氷タンク6内の攪拌羽根8は常時回転させ、貯氷タンク10内の攪拌羽根11は常時停止する)。
(5)製氷タンク6内の氷水が貯氷タンク10へ送り込まれ、貯氷タンク10内の海洋深層水oが製氷タンク6に送り込まれる。
(6)製氷タンク6内の氷含有率は常時5重量%以下とし、貯氷タンク10内の氷含有率は常時上昇する。
(7)目標とする氷含有率に達すると、製氷タンク6及び貯氷タンク10の循環ポンプ7,12,13が停止し、循環ラインw及びsが閉じられる。
(8)貯氷タンク10内の攪拌羽根11が回転し、シャーベット氷取り出しポンプ15により、シャーベット氷を取り出し、ホース14で生鮮食品fの氷蔵に供する。
(9)製氷タンク6側は、別の貯氷タンク10に対して前記(3)〜(6)が行なわれる。
(10)貯氷タンク10がすべて目標とする氷含有率に達した場合は、製氷タンク6での製氷も終了する。
このように、本実施例では、貯氷タンク10を設けることにより、連続製氷運転が可能となり、さらには数個の貯氷タンク10を設けることにより、それぞれ異なった氷含有率のシャーベット氷を貯氷することが可能となる。
また海洋深層水のシャーベット氷をつくることにより、清浄性が確保でき、また塩分濃度の調整が容易であるため、冷却対象となる生鮮食品に適した冷蔵温度に設定することが容易であり、効果的鮮度保持を図ることができる。
また本実施例によれば、貯氷タンク10内でシャーベット氷を十分攪拌して取り出すことができるので、冷却食品に対してやさしい感触を保つことができ、冷却食品に傷を付けるおそれはない。特に魚介類の鮮度保持には、氷含有率の高いシャーベット氷であることが望ましい。
本実施例によれば、製氷タンク6内又は貯氷タンク10内等での凝固、凝集、閉塞等を起すことなく、氷含有率の高いシャーベット氷をつくることができる。
なおシャーベット氷の取り出し方法については、貯氷タンク10内で目標とする氷含有率に達すると、貯氷タンク10内で攪拌羽根11が回転し、取り出しポンプ15によりシャーベット氷を取り出すことを基本とするが、次のような取り出し方法も採用可能である。
図2〜6は、シャーベット氷の各種取り出し方法を示す説明図である。
(1)図2に示すように、大型貯氷タンク10の側面又は下部に配管16を付設して、スラリーポンプ21で取り出し、販売機22を介し送給する(攪拌羽根11は常時回転させる)。
(2)図3に示すように、大型貯氷タンク10の側面又は下部からスラリーポンプ21で常にループ配管17内にシャーベット氷を循環させておき、必要なときにバルブ23を開け、販売機22を介し送給する(攪拌羽根11は常時回転させる。バルブ23が何点設置してもよい)。
(3)図4に示すように、大型貯氷タンク10を高い位置に設置し、タンク側面又は下部に配管18を付設して、自重による取り出しを行なう。この場合、大型貯氷タンク10内の攪拌羽根11でタンクのシャーベット氷が均一に攪拌されている必要がある。
(4)図5に示すように、大型貯氷タンク10を高い位置に設置し、タンク側面又は下部に配管18を付設して、自重による取り出しを行ない、距離が離れている場所への搬送は、ベルトコンベア又はシュータ24で行なう。この場合、大型貯氷タンク10内の攪拌羽根11でタンクのシャーベット氷が均一に攪拌されている必要がある。
(5)図6で示すように、大型貯氷タンク10からバケットコンベア25でシャーベット氷をすくい、距離が離れている場所への搬送は、ベルトコンベア又はシュータ24で行なう。この場合、バケットコンベア25でシャーベット氷が攪拌されるため、貯氷タンク10内の攪拌器は不要である。
次にシャーベット氷の販売方法について説明する。図7〜9は、シャーベット氷の各種販売方法を示す説明図である。
まず図2に示すように、スラリーポンプ21を有する場合のシャーベット氷の取り出し方法例においては、販売機22に設けられた図示せざる販売ボタンを押すと、図7に示すように、貯氷タンク10よりスラリーポンプ21でシャーベット氷を取り出し、計量タンク31へ搬送する。
また図3〜5に示すように、開閉バルブ23を有する取り出し方法例においては、販売機22に設けられた図示せざる販売ボタンを押すと、図8に示すように、バルブ23が開いて、シャーベット氷を取り出し、計量タンク31に搬送する。
その後前記両販売方法とも、計量タンク31で重量を測定し(たとえば計量タンク31に取り付けた図示せざるロードセルで測定)、定重量(たとえば100kg)に達したら、スラリーポンプ21又はバルブ23が開いて、図示せざる下部仕切り弁が開いて、氷受けボックスにシャーベット氷を排出する。
さらに別な販売方法の例を図9に基づいて説明する。まず図2に示すように、スラリーポンプ21を有する場合のシャーベット氷の取り出し方法例においては、販売機22に設けられた図示せざる販売ボタンを押すと、スラリーポンプ21を稼動させて貯氷タンク10よりシャーベット氷を取り出し、質量流量計41でカウントする。
また図3〜5に示すように、開閉バルブ23を有する取り出し方法例においては、販売機22に設けられた図示せざる販売ボタンを押すと、図8に示すように、バルブ23が開いて、シャーベット氷を取り出し、質量流量計41でカウントする。
その後前記両販売方法とも、必要量に達したら、スラリーポンプ21又はバルブ23が閉じる。
また図6に示す取り出し方法では、販売機に取り付けられた販売ボタンを押すと(プリペイドカード支払制)、必要量に達するまでバケットコンベア25が回転を続け、必要量に達したら回転終了となる等の販売方法が考えられる。
水産物の鮮度保持においては、シャーベット氷を使用することにより、従来氷(真水板氷、海水板氷)よりも魚介類の細部にまでやさしく包み込むため冷却効果が高く、魚介類を傷つけることがない長所がある。また特許文献1に記載されているように、魚介類の鮮度保持を行なうには、それぞれの魚介類に最適な塩分濃度を含んだ氷を使用することにより、効果の高まることが確認されている。
しかし目標とする塩分濃度を含んだシャーベット氷の製造は困難であり、真水シャーベット氷のみ又は真水に海水を混合して使用せざるを得ないのが現状であった。
これに対し、本発明の製氷システムにより、目標とする塩分濃度を含んだシャーベット氷の製造が可能となった。過冷却解除方式で製氷を行なうと、掻き取り方式での製氷と比べ、瞬間的な急速凍結となり、塩分濃度を含んだシャーベット氷の製造が可能である。またその製氷原理から真水から海水(深層水)100%の範囲で全く同様に製氷可能である。製造された塩分濃度を含んだシャーベット氷は、大型貯氷タンク内で十分に攪拌することにより、そのタンクから均一な塩分濃度でかつ均一な氷含有率での取り出しが可能である。
図10は、使用した海水の塩分濃度と同海水から製氷したシャーベット氷の塩分濃度との関係を示す線図である。
図10に示すように、調整海水の塩分濃度は、シャーベット氷形成後もその塩分濃度をほぼ維持可能であることを確認した。これにより、もし1.0重量%のシャーベット氷が必要な場合は、ろ過、殺菌された海水又は海洋深層水を汲み上げた後、ろ過、殺菌された真水を混合し、本発明システムを用いた連続製氷を行い、かつ貯氷タンク10内の氷含有率を目標値に合わせるようにした製氷過程を行なうことにより、目標とする塩分濃度を含んだシャーベット氷の製造が可能となる。
また海洋深層水ならば、ミネラル成分等もシャーベット氷内に含まれることになり、魚介類の鮮度保持に極めて有効である。
本発明によれば、生鮮食品の鮮度保持に有効なシャーベット氷を製造するに際し、凝縮器の冷却水に海洋深層水を使用して高効率の冷却設備を実現するとともに、連続製氷運転を可能とし、氷含有率の高いシャーベット氷の取り出し、搬送を可能とし、かつ生鮮食品の鮮度保持に有効な塩分濃度の調整を容易にした海水シャーベット氷の製氷システムを提供できる。
本発明の第1実施例に係る、海洋深層水を用いたシャーベット氷の製氷システムを示す系統図である。 前記第1実施例におけるシャーベット氷の取り出し方法の一例を示す説明図である。 前記第1実施例におけるシャーベット氷の取り出し方法の別の例を示す説明図である。 前記第1実施例におけるシャーベット氷の取り出し方法のさらに別の例を示す説明図である。 前記第1実施例におけるシャーベット氷の取り出し方法のさらに別の例を示す説明図である。 前記第1実施例におけるシャーベット氷の取り出し方法のさらに別の例を示す説明図である。 前記第1実施例におけるシャーベット氷の販売方法の一例を示す説明図である。 前記第1実施例におけるシャーベット氷の販売方法の別の例を示す説明図である。 前記第1実施例におけるシャーベット氷の販売方法のさらに別の例を示す説明図である。 使用した海水の塩分濃度と同海水から製氷したシャーベット氷の塩分濃度との関係を示す線図である。
符号の説明
1 圧縮機
2 駆動モータ
3 水冷凝縮器
4 膨張弁
5 過冷却器
6 製氷タンク
7,12,13 循環ポンプ
8,11 攪拌羽根
8a,11a 駆動モータ
9 過冷却解除板
10 大型貯氷タンク
14 取り出しホース
15 取り出しポンプ
21 スラリーポンプ
22 販売機
23 開閉バルブ
24 ベルトコンベア又はシュータ
25 バケットコンベア
31 計量タンク
41 質量流量計
c 冷媒ライン
o 海洋深層水
s,w 海洋深層水循環ライン
f 生鮮食品

Claims (5)

  1. 冷媒を圧縮して高圧化する圧縮機と、同圧縮機で圧縮された冷媒を海洋深層水を冷却媒体として凝縮する凝縮器と、同凝縮器で凝縮した冷媒を膨張させる膨張手段と、膨張した冷媒と海水とを熱交換して同冷媒の蒸発潜熱により同海水を過冷却する過冷却器と、過冷却解除手段を具備し、同過冷却器との間で前記海水を循環させながらシャーベット氷をつくる製氷タンクと、同製氷タンクで製氷した海水シャーベット氷を貯留する1個以上の貯氷タンクと、同製氷タンク及び同貯氷タンク間を連絡する循環管路とを備えたことを特徴とする海水シャーベット氷の製氷システム。
  2. 前記過冷却解除手段が重力エネルギを有する過冷却水の衝突により氷粒を製造する衝突板、又は過冷却水を固体粒若しくは気泡粒との衝突により氷粒を製造する水中解除部であることを特徴とする請求項1記載の海水シャーベット氷の製氷システム。
  3. 前記製氷タンクの内部及び前記貯氷タンクの内部に攪拌手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の海水シャーベット氷の製氷システム。
  4. 前記海水が海洋深層水であることを特徴とする請求項1記載の海水シャーベット氷の製氷システム。
  5. 前記貯氷タンクを2個以上設置し、それぞれの貯氷タンクで異なった氷含有率の海水シャーベット氷を貯氷するように運転することを特徴とする請求項1記載の海水シャーベット氷の製氷システム。
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