JP4435971B2 - 冷却ユニットおよび建物の冷却構造 - Google Patents

冷却ユニットおよび建物の冷却構造 Download PDF

Info

Publication number
JP4435971B2
JP4435971B2 JP2000378412A JP2000378412A JP4435971B2 JP 4435971 B2 JP4435971 B2 JP 4435971B2 JP 2000378412 A JP2000378412 A JP 2000378412A JP 2000378412 A JP2000378412 A JP 2000378412A JP 4435971 B2 JP4435971 B2 JP 4435971B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
main body
cooling unit
cooling
water
shelf
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000378412A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002180608A (ja
Inventor
千尋 河村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Mitsui Construction Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Mitsui Construction Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Mitsui Construction Co Ltd filed Critical Sumitomo Mitsui Construction Co Ltd
Priority to JP2000378412A priority Critical patent/JP4435971B2/ja
Publication of JP2002180608A publication Critical patent/JP2002180608A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4435971B2 publication Critical patent/JP4435971B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Building Environments (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、冷却ユニットおよびこれを用いた建物の冷却構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マンションやオフィスビル等の建物においては、その屋上スラブへの日射により、屋上空間や階下(最上階)の室内空間が高温になりやすい。
【0003】
これに対し、特開平8−85907号公報に開示されているような保水性舗装ブロック(すなわち、透水性の舗装ブロック本体をプラスチック製の容器状保水タンクで支持するとともに、舗装ブロック本体から容器状保水タンク内に不織布を垂下させたもの)を屋上スラブに複数個配置するようにすれば、これら保水性舗装ブロックにより屋上スラブへの直射日光の照射を防止することができ、また各透水性ブロックからの水の蒸発による気化潜熱で屋上スラブの上面近傍の空気を冷却することが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような保水性舗装ブロックを用いた冷却構造においては、容器状保水タンクの底面がその全域にわたって屋上スラブと接触しているため、次のような問題がある。
【0005】
すなわち、各透水性ブロックからの水の蒸発による気化潜熱で屋上スラブの上面近傍の空気を冷却しても、屋上スラブの容器状保水タンクが載置されている部分に関しては、冷却された空気を接触させることができないので、屋上スラブを効果的に冷却することができないという問題がある。特に、屋上スラブへの直射日光の照射防止を図るためには、保水性舗装ブロックをできるだけ近づけて配置することが好ましいが、このように配置した場合、冷却された空気と屋上スラブとの接触面積が非常に小さくなるため、屋上スラブをほどんど冷却することができなくなってしまうという問題がある。
【0006】
さらに、容器状保水タンクの水がすべて蒸発してしまった後は、全く冷却機能を発揮することができなくなってしまうという問題もある。
【0007】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、屋外スラブを効率的かつ安定的に冷却することができる冷却ユニットおよび建物の冷却構造を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、所定構造の冷却ユニットを用いることにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0009】
すなわち、本願第1の発明に係る冷却ユニットは、
上面に貯水用凹陥部が形成された本体部分および該本体部分から下方へ突出する複数の支持脚部からなる容器と、この容器の貯水用凹陥部に収容された保水性ブロックと、を備えてなる冷却ユニットであって、
上記各支持脚部が、上記本体部分の下面各辺に形成されており、
上記本体部分の各角隅部に、面取り部が形成されており、
上記本体部分の下方空間と外部空間とが、上記各面取り部の下方における上記各支持脚部相互間に位置する隙間を介して連通するように構成されている、ことを特徴とするものである。
【0010】
上記「容器」の材質は特に限定されるものではなく、例えば、コンクリート製、プラスチック製、金属製、セラミックス製等が採用可能である。
【0011】
上記「貯水用凹陥部」は、貯水可能でかつ保水性ブロックを収容し得るものであれば、その具体的形状等は特に限定されるものではない。
【0012】
上記「複数の支持脚部」は、本体部分から下方へ突出するものであれば、その形状、形成本数等の具体的構成は特に限定されるものではない。
【0013】
上記「保水性ブロック」とは、その組織内部に体積の50%以上の体積の水を保持可能なブロックを意味するものであって、その材質、形状等の具体的構成は特に限定されるものではない。
【0014】
一方、本願第2の発明に係る冷却ユニットは、
上面に貯水用凹陥部が形成された本体部分および該本体部分から下方へ突出する複数の支持脚部からなる支柱部材と、この支柱部材の周面部の複数箇所において該支柱部材に支持されるとともに上面に貯水用凹陥部が形成された複数の棚状部材と、を備えてなることを特徴とするものである。
【0015】
上記「貯水用凹陥部」は、貯水可能なものであれば、その具体的形状等は特に限定されるものではない。
【0016】
上記「複数の支持脚部」は、本体部分から下方へ突出するものであれば、その形状、形成本数等の具体的構成は特に限定されるものではない。
【0017】
上記「支柱部材」は、その周面部に複数の棚状部材を支持可能で、かつこれら棚状部材を支持した状態で自立可能なものであれば、その具体的形状は特に限定されるものはなく、例えば、角錐、円錐、角柱、円柱等の形状が採用可能であり、その際、中実、中空いずれの構造も採用可能である。
【0018】
上記各「棚状部材」についても、その形状、形成枚数、配置等の具体的構成は特に限定されるものではない。また、これら各「棚状部材」に対する支柱部材の支持構造についても特に限定されるものではなく、支柱部材の周面部に棚状部材を係合させて支持するもの、支柱部材の周面部に形成された挿入孔に棚状部材を挿入して支持するもの、支柱部材の周面部に所定の固定具で棚状部材を固定して支持するもの等が採用可能である。
【0019】
上記「支柱部材」および各「棚状部材」の材質は特に限定されるものではなく、例えば、コンクリート製、プラスチック製、金属製、セラミックス製等が採用可能である。
【0020】
さらに、本願発明に係る建物の冷却構造は、
建物の屋外スラブに設けられる冷却構造であって、
上記屋外スラブの上面に、本願第1または第2の発明に係る冷却ユニットが複数個配置されてなる、ことを特徴とするものである。
【0021】
上記「屋外スラブ」とは、少なくともその上面が屋外に暴露されるスラブを意味するものであって、屋上スラブがこれに含まれることはもちろんであるが、ルーフバルコニーや通常のバルコニーを構成するスラブ等もこれに含まれる。
【0022】
上記複数個の冷却ユニットの屋外スラブの上面における「配置」の具体的方法は特に限定されるものではなく、屋外スラブの種類、広さ、輪郭形状等に応じて適宜設定すればよい。
【0023】
【発明の作用効果】
上記構成に示すように、本願第1の発明に係る冷却ユニットは、上面に貯水用凹陥部が形成された本体部分および該本体部分から下方へ突出する複数の支持脚部からなる容器と、この容器の貯水用凹陥部に収容された保水性ブロックとを備えた構成となっているので、これを屋外スラブの上面に複数個配置することにより、次のような作用効果を得ることができる。
【0024】
すなわち、各冷却ユニットの容器には、その本体部分から下方へ突出する複数の支持脚部が形成されているので、本体部分と屋外スラブとの間には通風空間が形成されることとなる。このため、屋外スラブへの日照を遮った状態で通風による空冷作用で屋外スラブを冷却することができる。
【0025】
また、屋外スラブに降水(降雨または散水)があると、各冷却ユニットの容器の貯水用凹陥部に水が溜まり、同時に各冷却ユニットの保水性ブロックにも水が保持される。その後、日照等により各保水性ブロックの表面温度が上がると、該保水性ブロックに保持された水がその表面から蒸発し、この蒸発の際の気化潜熱により屋外スラブの上面近傍の空気が冷却される。この冷却された空気は相対的に重いので下降して上記通風空間に流れ込み、これにより屋外スラブが一層効率的に冷却される。
【0026】
その際、各保水性ブロックの表面で蒸発した水分は、毛細管現象により貯水用凹陥部の貯留水から順次供給されるので、長時間にわたって高効率の冷却作用を維持することができる。
【0027】
一方、本願第2の発明に係る冷却ユニットは、上面に貯水用凹陥部が形成された本体部分および該本体部分から下方へ突出する複数の支持脚部からなる支柱部材と、この支柱部材の周面部の複数箇所において該支柱部材に支持されるとともに上面に貯水用凹陥部が形成された複数の棚状部材とを備えた構成となっているので、これを屋外スラブの上面に複数個配置することにより、次のような作用効果を得ることができる。
【0028】
すなわち、各冷却ユニットの支柱部材には、その本体部分から下方へ突出する複数の支持脚部が形成されているので、本体部分と屋外スラブとの間および棚状部材と屋外スラブとの間には通風空間が形成されることとなる。このため、屋外スラブへの日照を遮った状態で通風による空冷作用で屋外スラブを冷却することができる。
【0029】
また、屋外スラブに降水(降雨または散水)があると、各冷却ユニットの各貯水用凹陥部に水が溜まる。その後、日照等により各貯水用凹陥部に溜まった水が蒸発し、この蒸発の際の気化潜熱により屋外スラブの上面近傍の空気が冷却される。この冷却された空気は相対的に重いので下降して上記通風空間に流れ込み、これにより屋外スラブが一層効率的に冷却される。
【0030】
その際、貯水用凹陥部は、各冷却ユニットにおける支柱部材および複数の棚状部材の各々に形成されているので、冷却効率を十分に高めることができる。
【0031】
このように本願発明に係る冷却ユニットは、遮光および通風による屋外スラブの冷却作用を常に維持した上で、貯水用凹陥部に水が溜まっている状態では、その気化潜熱により屋外スラブの冷却作用を一層高めることができる。
【0032】
したがって本願発明によれば、屋外スラブを効率的かつ安定的に冷却することができ、これにより屋外スラブの下方空間の冷却を十分に行うことができる。
【0033】
特に、本願発明に係る冷却ユニットを、断熱性能が劣る既存の建物の屋外スラブの上面に配置することにより、その熱環境を大幅に改善することができる。
【0034】
本願第2の発明に係る冷却ユニットにおいて、複数の棚状部材の配置等が特に限定されないことは上述したとおりであるが、これら複数の棚状部材のうち少なくとも一部の棚状部材が、互いに高さ違いでかつ平面視において部分的に重複するように配置された構成とすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0035】
すなわち、棚状部材の貯水用凹陥部の開口面積を広く確保することができるので、該貯水用凹陥部に溜まった水の蒸発量を増大させることができ、これにより冷却効率を一層高めることができる。また、屋外スラブへの日照をより効果的に遮ることができるので、この点においても冷却効率を高めることができる。
【0036】
また、各棚状部材の支柱部材に対する支持は、各棚状部材を支柱部材と一体的に形成すること等により行われる構成としてもよいが、複数の棚状部材のうち少なくとも一部の棚状部材が支柱部材に対して着脱可能に支持された構成とすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0037】
すなわち、棚状部材を適宜取り外すことにより、屋外スラブの輪郭形状等に応じた冷却ユニットの配置を容易に実現することができる。また、既存の建物において、冷却ユニットを屋上等へ運搬する際、棚状部材を適宜取り外すことにより、エレベータ等を利用した運搬を容易に行うことができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本願発明の実施形態について説明する。
【0039】
まず、本願発明の第1実施形態について説明する。
【0040】
図1は、本実施形態に係る冷却ユニットを分解して示す斜視図であり、図2は、この冷却ユニットを備えた建物の冷却構造を示す側断面図および平面図である。
【0041】
これらの図に示すように、本実施形態に係る建物の冷却構造は、鉄筋コンクリート造の既存の建物の屋上スラブ10(屋外スラブ)に設けられる冷却構造であって、屋上スラブ10の上面に複数の冷却ユニット20が縦横に互いに密接した状態で敷き詰められてなっている。
【0042】
図1に示すように、各冷却ユニット20は、上面に貯水用凹陥部22aが形成された本体部分22bおよび該本体部分22bから下方へ突出する複数(4本)の支持脚部22cからなるコンクリート製の容器22と、この容器22の貯水用凹陥部22aに収容された保水性ブロック24とからなっている。
【0043】
容器22の本体部分22bは、四隅に面取り部22dを有する枡形に形成されており、貯水用凹陥部22aは略直方体形状に形成されている。支持脚部22cは、本体部分22bの下面各辺に各々形成されている。そしてこれにより、各面取り部22dの下方に位置する四隅の隙間26を介して、本体部分22bの下方空間28と外部空間とを連通させるようになっている。
【0044】
保水性ブロック24は、貯水用凹陥部22aよりも僅かに小さい平面形状を有するとともに、貯水用凹陥部22aの深さよりもある程度大きい寸法の高さを有する略直方体形状に形成されており、その下面には複数の正方形のタイル状の突起部24aが格子状配置で形成されている。
【0045】
この保水性ブロック24は、ごみや下水汚泥等の焼却灰溶融スラグあるいは瓦、タイル、コンクリート等の建設廃材を細かく破砕してなる骨材に、無機質糊材および焼結バインダを添加して、プレス成形および焼成を行うことにより、製造されるようになっている。その際、骨材の平均粒径やプレス成形圧を適当な値に設定することにより、ミクロン単位の多数の空隙が互いに連通するように形成された空隙率50%以上の(すなわち保水性ブロック24の組織内部にその体積の50%以上の体積の水を保持可能な)ブロックを得るようになっている。
【0046】
図3に示すように、屋上スラブ10の上面に敷き詰められた各冷却ユニット20相互間には、菱形隙間30が形成される。これら各菱形隙間30は、4つの冷却ユニット20の容器22の面取り部22dに囲まれた空間であって、これら各菱形隙間30および該菱形隙間30を囲む各面取り部22dの下方の隙間26を介して、各冷却ユニット20の容器22における本体部分12cの下方空間28と外部空間とを連通させるようになっている。
【0047】
次に本実施形態の作用について説明する。
【0048】
本実施形態に係る冷却ユニット20は、上面に貯水用凹陥部22aが形成された本体部分22bおよび該本体部分22bから下方へ突出する複数の支持脚部22cからなる容器22と、この容器22の貯水用凹陥部22aに収容された保水性ブロック24とからなっているので、これを屋上スラブ10の上面に複数個配置することにより、次のような作用効果を得ることができる。
【0049】
すなわち、各冷却ユニット20の容器22には、その本体部分22bから下方へ突出する複数の支持脚部22cが形成されているので、本体部分22bと屋上スラブ10との間の本体部分12cの下方空間28を通風空間として形成することができる。このため、屋上スラブ10への日照を遮った状態で通風による空冷作用で屋上スラブ10を冷却することができる。
【0050】
また、屋上スラブ10に降水(降雨または散水)があると、各冷却ユニット20の容器22の貯水用凹陥部22aに水Wが溜まり、同時に各冷却ユニット20の保水性ブロック24にも水Wが保持される。その後、日照等により各保水性ブロック24の表面温度が上がると、該保水性ブロック24に保持された水Wがその表面から蒸発し、この蒸発の際の気化潜熱により屋上スラブ10の上面近傍の空気が冷却される。この冷却された空気は相対的に重いので下降して本体部分22bと屋上スラブ10との間の通風空間に流れ込み、これにより屋上スラブ10が一層効率的に冷却される。
【0051】
その際、各保水性ブロック24の表面で蒸発した水分は、毛細管現象により貯水用凹陥部22aの貯留水Wから順次供給されるので、長時間にわたって高効率の冷却作用を維持することができる。
【0052】
このように本実施形態に係る冷却ユニットは、遮光および通風による屋上スラブ10の冷却作用を常に維持した上で、貯水用凹陥部22aに水Wが溜まっている状態では、その気化潜熱により屋上スラブ10の冷却作用を一層高めることができる。
【0053】
したがって本実施形態によれば、屋上スラブ10を効率的かつ安定的に冷却することができ、これにより屋上スラブ10の下方空間の冷却を十分に行うことができる。
【0054】
特に本実施形態においては、各冷却ユニット20の容器22の本体部分22bの四隅に面取り部22dが形成されており、支持脚部22cが本体部分22bの下面各辺に各々形成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0055】
すなわち、屋上スラブ10の上面に複数の冷却ユニット20が縦横に敷き詰められた状態で、各冷却ユニット20相互間に菱形隙間30が各々形成されるので、これら各菱形隙間30および該菱形隙間30を囲む各面取り部22dの下方の隙間26を介して、各冷却ユニット20の容器22における本体部分12cの下方空間28と外部空間とを確実に連通させることができる。そしてこれにより各冷却ユニット20の下方空間28を通風空間として極めて有効に活用することができる。
【0056】
また本実施形態においては、各冷却ユニット20の保水性ブロック24の上面が平面状に形成されているので、屋上スラブ10の上面における歩行を容易に可能とすることができる。
【0057】
さらに本実施形態においては、各冷却ユニット20の容器22の本体部分22bが複数の支持脚部22cにより屋上スラブ10から持ち上げられているので、屋上スラブ10における各冷却ユニット20の本体部分22の下方部位が乾燥状態に維持される。このため、これら冷却ユニット20を既存の建物の屋上スラブ10に配置して水Wを溜めても、これが新たな漏水の原因となってしまうようなことはない。
【0058】
なお、既存の建物の屋根面が不陸である場合には、各冷却ユニット20を平面視において略三角形に形成するようにすれば、より安定した状態で敷き並べることが可能となる。
【0059】
ところで本実施形態に係る冷却ユニット20は、その容器22がプラスチック等に比して熱容量の大きなコンクリートで構成されているので、その貯水用凹陥部22aの貯留水Wからの熱伝導により容器22の冷却を図ることができ、これにより屋上スラブ10の冷却作用を一層高めることができる。また、このように容器22をコンクリート製とすることにより、ある程度の重量が確保されるので、屋上スラブ10に配置しても風等により飛ばされてしまうのを防止することができる。
【0060】
次に、本願発明の第2実施形態について説明する。
【0061】
図4は、本実施形態に係る冷却ユニットを一部分解して示す斜視図であり、図5は、この冷却ユニットを示す平面図であり、図6は、この冷却ユニットの使用状態を示す斜視図である。また、図7は、この冷却ユニットを備えた建物の冷却構造を示す側断面図である。
【0062】
これらの図に示すように、本実施形態に係る建物の冷却構造も、第1実施形態と同様、鉄筋コンクリート造の建物の屋上スラブ10に設けられる冷却構造であって、屋上スラブ10の上面に複数の冷却ユニット40が縦横に互いに密接した状態で配置されてなっている。
【0063】
各冷却ユニット40は、上面に貯水用凹陥部42aが形成された本体部分42bおよび該本体部分42bから下方へ突出する複数(4本)の支持脚部42cからなるコンクリート製の支柱部材42と、この支柱部材42の周面部の複数箇所において該支柱部材42に支持されるとともに上面に貯水用凹陥部44Aa、44Baが形成された複数のコンクリート製の棚状部材44A、44Bとを備えた構成となっている。
【0064】
支柱部材42の本体部分42bは角錐台状に形成されており、貯水用凹陥部42aは浅い直方体形状に形成されている。支持脚部22cは本体部分42bの下面の四隅に各々形成されている。そしてこれにより、各支持脚部22c相互間に形成される隙間46を介して、本体部分42bの下方空間48と外部空間とを連通させるようになっている。
【0065】
支柱部材42の周面部42dには、そのコーナ部を水平方向に跨ぐようにしてL字状のスリット42e1、42e2が形成されている。スリット42e1は、比較的高い位置において互いに対向する1対のコーナ部に各々形成されており、スリット42e2は、比較的低い位置において互いに対向する残り1対のコーナ部に各々形成されている。そして、棚状部材44Aは、その一部がスリット42e1に挿入されることにより支柱部材42に支持され、棚状部材44Bは、その一部がスリット42e2に挿入されることにより支柱部材42に支持されている。
【0066】
図4に示すように、棚状部材44Aは、正方形の一部が欠けた平面形状を有する底面部44Abと、この底面部44Abの外周形状に沿って全周にわたって上方へ立ち上がる周縁フランジ部44Acとからなり、これにより底面部44Abの上面の略全域において貯水用凹陥部44Aaを形成している。棚状部材44Aの周縁フランジ部44Acにおける高さは、スリット42e1の上下幅より僅かに小さい寸法に設定されている。そして、棚状部材44Aは、その切欠き部44Adをスリット42e1に向けるようにして該スリット42e1に挿入され、その周縁フランジ部44Acにおいてスリット42e1の両端面に当接するようになっている。
【0067】
棚状部材44Bも、棚状部材44Aと同様、底面部44Bbと周縁フランジ部44Bcとからなり、底面部44Bbの上面の略全域において貯水用凹陥部44Baを形成している。
【0068】
図5に示すように、各冷却ユニット40は、平面視において、1対の棚状部材44Aと1対の棚状部材44Bとで、支柱部材42の平面投影面積よりも大きい正方形の輪郭形状を形成するように構成されている。その際、これら棚状部材44Aおよび棚状部材44Bが、平面視において部分的に重複するサイズに形成されている。
【0069】
次に本実施形態の作用について説明する。
【0070】
本実施形態に係る冷却ユニット40は、上面に貯水用凹陥部42aが形成された本体部分42bおよび該本体部分42bから下方へ突出する複数の支持脚部42cからなる支柱部材42と、この支柱部材42の周面部の複数箇所において該支柱部材42に支持されるとともに上面に貯水用凹陥部44Aa、44Baが形成された複数の棚状部材44A、44Bとからなっているので、これを屋上スラブ10の上面に複数個配置することにより、次のような作用効果を得ることができる。
【0071】
すなわち、各冷却ユニット40の支柱部材42には、その本体部分42bから下方へ突出する複数の支持脚部42cが形成されているので、支柱部材42の本体部分42bと屋上スラブ10との間および棚状部材44A、44Bと屋上スラブ10との間に通風空間が形成されることとなる。このため、屋上スラブ10への日照を遮った状態で通風による空冷作用で屋上スラブ10を冷却することができる。
【0072】
また、屋上スラブ10に降水(降雨または散水)があると、各冷却ユニット40の貯水用凹陥部42a、44Aa、44Baに水Wが溜まる。その後、日照等により貯水用凹陥部42a、44Aa、44Baに溜まった水Wが蒸発し、この蒸発の際の気化潜熱により屋上スラブ10の上面近傍の空気が冷却される。この冷却された空気は相対的に重いので下降して上記通風空間に流れ込み、これにより屋上スラブ10が一層効率的に冷却される。
【0073】
その際、貯水用凹陥部42a、44Aa、44Baは、各冷却ユニット40における支柱部材42および複数の棚状部材44A、44Bの各々に形成されているので、冷却効率を十分に高めることができる。
【0074】
このように本実施形態に係る冷却ユニット40は、遮光および通風による屋上スラブ10の冷却作用を常に維持した上で、貯水用凹陥部42a、44Aa、44Baに水Wが溜まっている状態では、その気化潜熱により屋上スラブ10の冷却作用を一層高めることができる。
【0075】
したがって本実施形態によれば、屋上スラブ10を効率的にかつ長時間にわたって安定的に冷却することができる。そしてこれにより、屋上スラブ10の下方空間の冷却を十分に行うことができる。
【0076】
特に本実施形態に係る冷却ユニット40は、1対の棚状部材44Aと他の1対の棚状部材44Bとが、互いに高さ違いでかつ平面視において部分的に重複するように配置されているので、各貯水用凹陥部44A、44Bの開口面積を広く確保することができる。このため各貯水用凹陥部44A、44Bに溜まった水Wの蒸発量を増大させることができ、これにより冷却効率を一層高めることができる。また、屋上スラブ10への日照をより効果的に遮ることができるので、この点においても冷却効率を高めることができる。
【0077】
また本実施形態に係る冷却ユニット40は、各棚状部材44A、44Bが支柱部材42に対して着脱可能に支持されているので、これら棚状部材44A、44Bのうち一部を適宜取り外すことにより、屋上スラブ10の輪郭形状等に応じた冷却ユニット40の配置を容易に実現することができる。また、既存の建物において、冷却ユニット40を屋上等へ運搬する際、棚状部材44A、44Bを適宜取り外すことにより、エレベータ等を利用した運搬を容易に行うことができる。
【0078】
なお本実施形態に係る冷却ユニット40においても、各貯水用凹陥部44A、44Bに第1実施形態の保水性ブロック24と同様の保水性ブロックが収容された構成とすることが可能である。このような構成を採用することにより、屋上スラブ10の上面近傍の空気を一層効率的に冷却することが可能となる。
【0079】
上記各実施形態においては、建物の屋上スラブ10に設けられる冷却構造について説明したが、ルーフバルコニーや通常のバルコニーを構成するスラブ等についても、上記各実施形態と同様の冷却構造を採用することによりこれらと同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1実施形態に係る冷却ユニットを分解して示す斜視図
【図2】上記冷却ユニットを備えた建物の冷却構造を示す側断面図
【図3】上記冷却構造を示す平面図
【図4】本願発明の第2実施形態に係る冷却ユニットを一部分解して示す斜視図
【図5】上記冷却ユニットを示す平面図
【図6】上記冷却ユニットの使用状態を示す斜視図
【図7】上記冷却ユニットを備えた建物の冷却構造を示す側断面図
【符号の説明】
10 屋上スラブ(屋外スラブ)
20 冷却ユニット
22 容器
22a 貯水用凹陥部
22b 本体部分
22c 支持脚部
22d 面取り部
24 保水性ブロック
26 隙間
28 下方空間
30 菱形隙間
40 冷却ユニット
42 支柱部材
42a 貯水用凹陥部
42b 本体部分
42c 支持脚部
42d 周面部
42e1、42e2 スリット
44A、44B 棚状部材
44Aa、44Ba 貯水用凹陥部
44Ab、44Bb 底面部
44Ac、44Bc 周縁フランジ部
44Bd 切欠き部
46 隙間
48 下方空間
W 貯留水

Claims (5)

  1. 上面に貯水用凹陥部が形成された本体部分および該本体部分から下方へ突出する複数の支持脚部からなる容器と、この容器の貯水用凹陥部に収容された保水性ブロックと、を備えてなる冷却ユニットであって、
    上記各支持脚部が、上記本体部分の下面各辺に形成されており、
    上記本体部分の各角隅部に、面取り部が形成されており、
    上記本体部分の下方空間と外部空間とが、上記各面取り部の下方における上記各支持脚部相互間に位置する隙間を介して連通するように構成されている、ことを特徴とする冷却ユニット。
  2. 上面に貯水用凹陥部が形成された本体部分および該本体部分から下方へ突出する複数の支持脚部からなる支柱部材と、この支柱部材の周面部の複数箇所において該支柱部材に支持されるとともに上面に貯水用凹陥部が形成された複数の棚状部材と、を備えてなることを特徴とする冷却ユニット。
  3. 上記複数の棚状部材のうち少なくとも一部の棚状部材が、互いに高さ違いでかつ平面視において部分的に重複するように配置されている、ことを特徴とする請求項2記載の冷却ユニット。
  4. 上記複数の棚状部材のうち少なくとも一部の棚状部材が、上記支柱部材に対して着脱可能に支持されている、ことを特徴とする請求項2または3記載の冷却ユニット。
  5. 建物の屋外スラブに設けられる冷却構造であって、
    上記屋外スラブの上面に、請求項1〜4いずれか記載の冷却ユニットが複数個配置されてなる、ことを特徴とする建物の冷却構造。
JP2000378412A 2000-12-13 2000-12-13 冷却ユニットおよび建物の冷却構造 Expired - Fee Related JP4435971B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000378412A JP4435971B2 (ja) 2000-12-13 2000-12-13 冷却ユニットおよび建物の冷却構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000378412A JP4435971B2 (ja) 2000-12-13 2000-12-13 冷却ユニットおよび建物の冷却構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002180608A JP2002180608A (ja) 2002-06-26
JP4435971B2 true JP4435971B2 (ja) 2010-03-24

Family

ID=18846988

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000378412A Expired - Fee Related JP4435971B2 (ja) 2000-12-13 2000-12-13 冷却ユニットおよび建物の冷却構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4435971B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5315514B2 (ja) * 2007-02-15 2013-10-16 国立大学法人京都大学 日よけおよびその製造方法
KR100841012B1 (ko) 2007-10-26 2008-06-24 (주)월드비텍 증발 기능을 가진 건물용 타일
JP5574211B2 (ja) * 2008-08-06 2014-08-20 株式会社 ジプコン 建物屋上の通気放熱方法および多脚構造体
JP5614943B2 (ja) * 2009-04-17 2014-10-29 鹿島建設株式会社 構造物
JP5340328B2 (ja) * 2011-02-07 2013-11-13 中国電力株式会社 建物最上階部分の室内空調設備の負荷低減方法
JP6130123B2 (ja) * 2012-10-23 2017-05-17 田島ルーフィング株式会社 防水層構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002180608A (ja) 2002-06-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4435971B2 (ja) 冷却ユニットおよび建物の冷却構造
JP5559074B2 (ja) 自立型保水壁
US9476602B2 (en) Cooling system for a building with low energy consumption
JP4953401B1 (ja) ソーラーパネル用基礎及びその基礎を使用したソーラーパネルユニット
KR200455094Y1 (ko) 초박형 식생유니트
JP2002180562A (ja) 建物の冷却構造
JP3847723B2 (ja) 緑化設備
KR20020062391A (ko) 유리온돌을 이용한 악세스 플로어형 바닥구조 및 그시공방법
KR20090001622U (ko) 인공지반녹화용 컨테이너 및 이를 갖는 인공지반녹화용모듈
CN207727597U (zh) 一种林业防护用护坡装置
JP5715398B2 (ja) 保水設備
FI76613B (fi) Foerfarande och formelement foer att aostadkomma en vaerme- och vattenisolerande oevergaong mellan en av betong gjutbar grundplatta och avgraensande omraode.
JP2010281177A (ja) 保水構造体
JP2002206349A (ja) 環境負荷軽減建造物
JP4165367B2 (ja) 湿潤性システム
JP6245922B2 (ja) 保水性壁体
CN221192808U (zh) 装配式保水基层结构
JP5298839B2 (ja) 太陽電池装置
JP2005304310A (ja) 植栽設備
KR102447523B1 (ko) 수분 공급이 용이한 담쟁이 화분
KR200238707Y1 (ko) 유리온돌을 이용한 악세스 플로어형 바닥구조
JP2001064903A (ja) 施工部材及び施工部材の施工方法
CN212087178U (zh) 一种模块式屋面植被绿化隔热装置
JP2006161410A (ja) 建物の冷却構造
JP5922380B2 (ja) 建築物の床下構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20070710

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090811

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20090825

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20091015

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091222

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091225

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 3

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130108

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees