JP4432116B2 - 荷台用カバー装置 - Google Patents

Description

本発明は、車両の後方に設けられ上部が開口した荷台と、該荷台に開閉自在に設けられたテイルゲートとを備えた車両に用いられ、前記荷台を覆い着脱自在に設けられるカバー部材を有する荷台用カバー装置に関するものである。

従来、側壁面及び前端部、後端部を有するピックアップトラックのベッドを覆うためのカバーにおいて、該カバーは、複数枚のカバーパネルと、トラックのベッドの後端部に隣接するトラックベッド領域を覆うため前記側壁面を横切って延在する後部カバーパネルと、前記後端部領域を覆うための第２のカバーパネルとを設け、前記後部パネルは前方に突出する溝状のヒンジ部分を有し、前記第２のパネルの後方に突出するヒンジ部分と前記後部パネルの前方に突出するヒンジ部分とが互いに連結して該パネル管の蝶着部を提供し、前記パネルカバーを前記トラックのベッドの側壁面に対して取り外し自在に選択的に固定する各パネルに対する固定機構を設け、以って一枚のカバーパネルを前記トラックのベッド上の所定位置に固定されると、他のパネルは下側のトラックのベッド領域を露呈するため前記蝶着部の周囲に枢動して動くことができ、また、パネルをトラックの側面壁に固定する固定機構を有することを特徴とするピックアップトラックのベッド用カバーが知られている（例えば特許文献１）。
特開昭６４−５６２８１号公報

しかしながら、上述の従来技術は、ピックアップトラックの後端部が固定機構を備え、パネルを設置する前に閉鎖され、パネルが各々の固定機構を側壁面に係合させ固定することによりベッド内を閉鎖し盗難を予防できるものであるため、後端部が固定機構を備えていないピックアップトラックにおいては、パネルを固定したのみでは後端部が固定されず、盗難対策を図ることができないという問題点がある。

そこで本発明は、上記のような問題点を鑑みなされたもので、トラックがテイルゲートに固定手段を備えていない場合においても、トラックにおける荷台を施錠することができる荷台用カバー装置を提供することを目的とする。

上記目的を達成するために、請求項１に係る発明は、車両の後方に設けられ上部が開口した荷台と、該荷台に開閉自在に設けられたテイルゲートとを備えた車両に用いられ、前記荷台を覆い着脱自在に設けられるカバー部材を有する荷台用カバー装置において、前記カバー部材を前記荷台に係脱可能に固定する第１固定部材と、前記テイルゲートを前記カバー部材に係脱可能に固定する第２固定部材とを備え、前記第１固定部材は前記カバー部材の内側に設けられており、前記第１固定部材のレバーは前記カバー部材の内側に設けられており、前記テイルゲートは前記テイルゲートを左右方向に開閉自在にするヒンジ部材が一側に設けられており、前記第２固定部材は、前記ヒンジ部材の反対側に設けられ、前記テイルゲートを前記カバー部材に対し施錠する施錠装置を有し、前記施錠装置が前記カバー部材に設けられていることを特徴とする。

また、請求項２に係る発明は、請求項１において、前記第２固定部材は、雄部材と前記テイルゲートの内壁に設けられる雌部材とを有し、前記雄部材は、前記雌部材に係合する雄ブラケットが雄用付勢部材により前記カバー部材の裏面に当接した状態に保持されてなり、前記施錠手段によって前記雄ブラケットを押すことにより前記雌部材に前記雄ブラケットを係合させて施錠することを特徴とする。

本発明の請求項１記載の発明によれば、前記荷台に、前記カバー部材を係脱可能に固定する第１固定部材と、前記テイルゲートを係脱可能に固定する第２固定部材とを備えることにより、カバー部材が荷台に固定されると共に、テイルゲートを固定することができるので、車両がテイルゲートに固定手段を備えていない場合においても、車両における荷台を施錠することができる。

また、前記テイルゲートは前記テイルゲートを開閉自在にするヒンジ部材が一側に設けられており、前記第２固定部材は、前記ヒンジ部材の反対側に形成されることとしたことにより、上下開きだけでなく、横開きのテイルゲートにおいても施錠することができる。また、第２固定部材をヒンジ部材から離れた位置に設けることにより第２固定部材に作用する荷重を小さくできるので、第２固定部材を小型化することができると共に、破損を防止し確実に施錠することができる。

以下図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。

図１に示す荷台用カバー装置１は、車両の後方に設けられ上部が開口した荷台３と、該荷台３に開閉自在に設けられたテイルゲート４とを備えた車両２に用いられる。

前記荷台３の外側はサイドパネル５で囲まれている。このサイドパネル５の内側には、長尺状の支持部材６が設けられる。前記支持部材６上に前記荷台３を覆うカバー部材７を有する荷台用カバー装置１が載置される。

荷台用カバー装置１は、前記荷台を覆い着脱自在に設けられるカバー部材７と、前記荷台３にカバー部材７を固定するロック手段とからなる。

前記カバー部材７は、複数に分割された矩形状の板部材で、カバー部材７の略中央部に設けられている回動支持部材９により上方に向けて屈曲自在に構成されている。前記ロック手段は、前記カバー部材７を前記荷台３に係脱可能に固定する第１固定部材10と、前記テイルゲート４を前記カバー部材７に係脱可能に固定する第２固定部材11とからなる。前記第１固定部材10は、前記カバー部材７の後方、両側端部に設けられている。前記第２固定部材11は、前記カバー部材７に設けられた雄部材12とテイルゲート４に設けられた雌部材13とにより構成される。

前記テイルゲート４は、テイルゲート４を後方へ開放する上下開きを可能とさせる第１の支軸部材15がテイルゲート４の下端に設けられている。また、図２に示すようにテイルゲート４には、テイルゲート４を左右のいずれかへ開放する横開きを可能とさせるヒンジ部材である第２の支軸部材16がテイルゲート４の側方の一側に設けられている。尚、前記第２固定部材11は、前記第２の支軸部材16の反対側、すなわち前記テイルゲート４に設けられた第２の支軸部材16が設けられていない他側に設けられる。

図３は、第１固定部材10を示す斜視図である。前記第１固定部材10は、レバー17と、このレバー17をカバー部材７の裏面に回動自在に固定する支軸固定部18とからなる。荷台３のサイドパネル５内側には、ベッドレール19が設けられている。

図４は第２固定部材11を構成する雄部材12を示す斜視図である。前記雄部材12は、係合部材21と雄用付勢部材22とからなる。前記係合部材21は、第１のベースブラケット23と、雄ブラケット24とからなる。

第１のベースブラケット23は、矩形状の板部材であり、カバー部材７の裏面にボルト25で固定される。雄ブラケット24は、先端に係合部26を有し、基端において前記第１のベースブラケット23と第１のヒンジ27によって回動自在に連結されている。前記係合部26は、下方に突出して形成される。

前記雄用付勢部材22は、Ｔ字形の板部材であり、前記係合部材21の後方においてカバー部材７の裏面にボルト25で固定される基部30を基端に備え、先端に設けられた付勢片31と、この付勢片31を上方に付勢する付勢部32を備える。前記雄用付勢部材22は、横長の矩形部材である前記基部30の略中央から縦長形状の矩形部材が斜め下方に伸び、緩やかな円弧状に形成された前記付勢部32が設けられ、この付勢部32の先に直線状の付勢片31が一体的に形成されている。

図５は、施錠装置35を示す斜視図である。施錠装置35は、キーボックス36と、該キーボックス36内に設けられたプッシュ式のキーシリンダ37と、該プッシュ式のキーシリンダ37内に設けられる上下方向に摺動自在の中筒38と、該中筒38を突出させ又は収納させるキー39と、前記施錠装置35を上方から覆い前記キーボックス36に係合する蓋体40とからなる。このように構成された施錠装置35は、図６に示すように、前記雄部材12の上方に設置され、カバー部材７に固設されている。

図７は、第２固定部材11を構成する雌部材13を示す斜視図である。前記雌部材13は、第２のベースブラケット42と雌ブラケット43と固定部材44と雌用付勢部材45とからなる。

図８は、雌部材13の側面図であり、（ａ）は使用状態、（ｂ）不使用状態を示す図である。第２のベースブラケット42は、テイルゲート４の内壁に沿って延びるベース47と、ベース47の略中央を垂直に切り起して形成された固定部48と、ベース47から直角に曲げ形成された当接部49と、テイルゲート４に狭持される屈曲部50と、前記ベース47と略平行に立設された立設部51とにより構成される。

前記固定部材44は、板状部材で構成され、先端でテイルゲート４にボルト25で固定され、基端には、前記第２のベースブラケット42が挿通する貫通穴52が設けられている。

雌ブラケット43は、略矩形状の板部材で、先端側を斜め方向に曲げ形成することにより空間を形成した指掛部54と、板部材の略中央に形成された受部55と、垂直に切り起して形成されたストッパ部56と、基端側において円弧状に湾曲形成された後端部57とにより構成される。この雌ブラケット43は、基端において前記固定部材44と第２のヒンジ58によって回動自在に連結されている。

雌用付勢部材45は、断面が略Ｓ字形の板状弾性部材であり、前記第２のベースブラケット42に設けられた固定部48にリベット61などにより固定される底部62を基端に備え、先端に設けられた弾性片63と、この弾性片63をストッパ部56の表面に向かって付勢する弾性部64とを備える。雌用付勢部材45は、前記固定部62から略垂直方向に立上形成されると共に、弾性部64がＳ字形に形成され、この弾性部64の先に直線状に形成され前記第２のヒンジ58側へやや傾斜した前記弾性片63が設けられる。

次に上記構成について図を参照して説明する。

まず、第１固定部材10によりカバー部材７が荷台３に固定される場合について説明する。図１に示すように、カバー部材７は荷台３のサイドパネル５に設けられた支持部材６上に載置する。支持部材６上にカバー部材７を載置した後、図３に示すように、カバー部材７裏面に設けられた第１固定部材10のレバー17を回動し、ベッドレール19にレバー17先端を係合させる。レバー17先端がベッドレール19に係合するとカバー部材７が荷台３のサイドパネル５に固定される。

次いで、第２固定部材11によりテイルゲート４が荷台３に固定される場合について説明する。

まず、図９に示すように、畳んだ状態の雌ブラケット43を使用状態にする。すなわち、テイルゲート４に設けられた第２固定部材11を構成する雌部材13において、雌ブラケット43の指掛部54が上方に持ち上げられる。指掛部54が上方に持ち上げられると、雌ブラケット43が第２のヒンジ58を中心に回動し引き起こされる。雌ブラケット43が引き起こされると、図８（ａ）に示すように、雌ブラケット43に形成されたストッパ部56が、第２のベースブラケット42に固定された雌用付勢部材45に設けられた付勢片63に当接する。さらに雌ブラケット43が引き起こされると、雌ブラケット43の基端側に形成された後端部57が、第２のベースブラケット42に設けられた立設部51に当接し、雌ブラケット43の回動が制止される。基端部が立設部51に当接すると、雌ブラケット43は中央に形成された受部55が略垂直方向に開口した状態で固定される。雌ブラケット43は、雌用付勢部材45に設けられた付勢片63とストッパ部56が面接触し、付勢片63がストッパ部56に押付けられているので、接触面に摩擦力が生じ、この摩擦力により雌ブラケット43が倒れるのを防止できる。さらに、固定部材44がテイルゲート４にボルト25で固定されており、第２のベースブラケット42が当接部49で前記固定部材44により固定されているので、荷物を荷台３から引き出す際に、荷物が雌ブラケット43に引っ掛っても、テイルゲート４から雌部材13が外れてしまうことを防止できる（図８（ｂ））。また、不使用時には、図９に示すように、雌ブラケット43をテイルゲート４表面と略平行に畳んでおけるので、荷台３への荷物の出し入れなどの際、邪魔になることを防ぐことができる。また、雌ブラケット43は、畳んだ状態で先端に向かって斜方に傾斜し、先端がテイルゲート４の内壁表面に接するように形成されているので、荷物を荷台３から引き出す際、荷物が雌ブラケット43上に乗り上げることができ、荷物を傷つけることなく、円滑に荷物を引き出すことができる。

次いで、図10に示すように、雌ブラケット43を起した状態のままテイルゲート４が閉じられる。雌ブラケット43を起した状態のままテイルゲート４が閉じられると、図11に示すように、キーシリンダ37にキー39が差し込まれ、中筒38が突出する。中筒38が突出すると、図12に示すように、中筒38は雄ブラケット24に当接し、雄用付勢部材22に抗して雄ブラケット24を押し下げる。中筒38が雄ブラケット24を押し下げると、雄ブラケット24の先端に形成された下方に突出した係合部26が、雌ブラケット43に形成された受部55に係合する。これにより、第２固定部材11によりテイルゲート４がカバー部材７に固定される。

このように、テイルゲート４が、荷台３のサイドパネル５に独立して固定される施錠手段を有しない場合であっても、カバー部材７を第１固定部材10により荷台３に固定し、テイルゲート４を第２固定部材11によりにカバー部材７に固定することにより、荷台３を確実に施錠することができる。

さらに、図13に示すように、施錠装置35のキーシリンダ37からキー39が抜かれ、蓋体40が被せられる。こうすることにより、キーシリンダ37の防水をはかり、さらに異物の混入などによる不具合を防止できる。

上記のように雄ブラケット24は、不使用時には、雄用付勢部材22により、上方すなわちカバー部材７の裏面に当接した状態に保持されているので、荷台３をカバー部材７で覆った状態で荷物を出し入れする場合にも雄部材12が邪魔になることがない。また、雄ブラケット24は付勢部32材によりカバー部材７に押付けられ、カバー部材７に一体化されているので、回動支持部材９によりカバー部材７を上方に向かって屈曲させることができる。さらに、第２の固定部材44は、第２の支軸部材16が設けられていない他側に設けることとしたことにより、上下開きおよび横開きの両方において施錠を可能とすることができる。

上記のように本実施形態では、車両１の後方に設けられ上部が開口した荷台３と、該荷台３に開閉自在に設けられたテイルゲート４とを備えた車両１に用いられ、前記荷台３を覆い着脱自在に設けられるカバー部材７を有する荷台用カバー装置１において、前記カバー部材７を前記荷台３に係脱可能に固定する第１固定部材10と、前記テイルゲート４を前記カバー部材７に係脱可能に固定する第２固定部材11とを備え、前記第１固定部材10は前記カバー部材７の内側に設けられており、前記第２固定部材11は前記テイルゲート４を前記カバー部材７に対し施錠する施錠装置35を備えることにより、カバー部材７が荷台３にロックされると共に、テイルゲート４をロックすることができるので、車両１がテイルゲート４に固定手段を備えていない場合においても、車両１における荷台３を施錠することができる。

また、前記テイルゲート４は前記テイルゲート４を開閉自在にする第２の支軸部材16が一側に設けられており、前記第２固定部材11は、前記第２の支軸部材16の反対側に設けられることにより、第２固定部材11が第２の支軸部材16から離れた位置にあるので、第２固定部材11に作用する荷重を小さくできるので、第２固定部材11を小型化することができると共に、破損を防止し確実に施錠することができる。

本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。

本発明に係る車両の斜視図であり、テイルゲートを上下開きした状態を示す図である。 本発明に係る車両の斜視図であり、テイルゲートを横開きした状態を示す図である。 本発明に係る車両のカバー部材に設けられる第１固定部材を示す斜視図である。 本発明に係る車両の荷台に設けられる第２固定部材の雄部材を示す斜視図である。 本発明に係る車両のカバー部材に設けられる施錠装置を示す斜視図である。 本発明に係る車両のカバー部材の縦断面図である。 本発明に係る車両の荷台に設けられる第２固定部材の雌部材を示す斜視図であり、使用状態を示す図である。 本発明に係る車両の荷台に設けられる第２固定部材の雌部材を示す側面図であり、（ａ）は使用状態、（ｂ）不使用状態を示す図である。 本発明に係る車両の荷台に設けられる第２固定部材の雌部材を示す斜視図であり、畳んだ状態を示す図である。 本発明に係る車両の荷台に設けられる第２固定部材の雌部材を示す側面図であり、施錠前の状態を示す図である。 本発明に係る車両のカバー部材に設けられる施錠装置を示す斜視図であり、施錠した状態を示す図である。 本発明に係る車両の荷台に設けられる第２固定部材の雌部材を示す側面図であり、施錠後の状態を示す図である。 本発明に係る車両のカバー部材に設けられる施錠装置を示す斜視図であり、蓋体を閉じる状態を示す図である。

１ 荷台用カバー装置
２ 車両
３ 荷台
４ テイルゲート
７ カバー部材
８ 荷台用カバー装置
10 第１固定部材
11 第２固定部材
16 第２の支軸部材（ヒンジ部材）
35 施錠装置

Claims (2)

1. 車両の後方に設けられ上部が開口した荷台と、該荷台に開閉自在に設けられたテイルゲートとを備えた車両に用いられ、前記荷台を覆い着脱自在に設けられるカバー部材を有する荷台用カバー装置において、
   前記カバー部材を前記荷台に係脱可能に固定する第１固定部材と、
   前記テイルゲートを前記カバー部材に係脱可能に固定する第２固定部材と
   を備え、
   前記第１固定部材は前記カバー部材の内側に設けられており、
   前記第１固定部材のレバーは前記カバー部材の内側に設けられており、
   前記テイルゲートは前記テイルゲートを左右方向に開閉自在にするヒンジ部材が一側に設けられており、
   前記第２固定部材は、前記ヒンジ部材の反対側に設けられ、前記テイルゲートを前記カバー部材に対し施錠する施錠装置を有し、
   前記施錠装置が前記カバー部材に設けられている
   ことを特徴とする荷台用カバー装置。
2. 前記第２固定部材は、雄部材と前記テイルゲートの内壁に設けられる雌部材とを有し、
   前記雄部材は、前記雌部材に係合する雄ブラケットが雄用付勢部材により前記カバー部材の裏面に当接した状態に保持されてなり、
   前記施錠手段によって前記雄ブラケットを押すことにより前記雌部材に前記雄ブラケットを係合させて施錠する
   ことを特徴とする請求項１記載の荷台用カバー装置。

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