JP4430405B2 - 流体ディスペンサポンプ - Google Patents

Description

本発明は、手動駆動式流体ディスペンサポンプおよび、こうしたポンプを有する流体ディスペンサ装置に関する。

公知の形では、流体ディスペンサポンプは、一般的にポンプ本体を有し、当該ポンプ本体の中には、ピストンが休止位置と投与位置との間をスライド移動するよう設置されている。前記ポンプ本体は筒状になっており、ピストンの終端位置すなわち休止位置と投与位置とは、たとえば受け台手段などの様々な手段によって規定されている。ポンプが駆動される際、ポンプ室は流体で満たされており、ピストンがポンプ本体内で移動する間にピストンにかかる耐漏洩圧迫は、漏洩の危険を防ぐため、きわめて重くなっている。したがって、ポンプは、ピストンが投与位置へ移動する間、無視できない強さの径方向の力をピストンに加えなければならない。残念ながら、ほとんどのポンプは不規則な間隔をおいて使用され、また、ポンプはほとんどの時間を休止位置で費やす。径方向の強い力は、ピストンが休止位置にある際もピストンに加わっているため、最終的にはピストンの密封リップを損傷させたり変形させたりする可能性があり、不都合である。損傷や変形が生じれば、ピストンの耐漏洩性は低下し、それによってポンプは正常に動かなくなるかもしれない。さらに、特定のポンプでは第２のピストンが使用されており、当該第２のピストンもまたポンプ本体の中でその休止位置と投与位置との間を移動するように設置されている。第２のピストンは一般的に、ポンプ本体のうち直径の小さな部分をスライド移動するように設置されている。そのようなタイプのポンプでは、第２のピストンは、ポンプ室の入口弁および／または出口弁を形成しているか、あるいはそれらに何らかの形で接続されている。上に説明した例と同様に、ポンプ本体は筒状であり、第２のピストンはポンプ本体の前記筒状の部分で休止位置と投与位置との間を耐漏洩形態でスライド移動するように設置されている。第２のピストンに関しては、投与位置から休止位置に戻る時、すなわち、一般的に言えば、ポンプ室に貯蔵された流体が放出される段階において危険がある。それは、弁の開閉が前記ピストンによって制御されている場合、前記放出によってポンプ室内部に生じる吸引力のため、ポンプの入口弁が早く開いたり、あるいはポンプ室の出口弁が早く閉じたりする、というものである。そのような問題を解決するため、ポンプ本体によって第２のピストンに加えられる径方向の力を増加させるための構成を設けることもできる。しかし、それを行うと、ポンプを駆動するためにより大きな駆動力が必要となる。このようなポンプ室の弁の不正常な動作は、投与される流体の分量あるいは「ドーズ」が不均一になる結果を招きかねない。なぜなら、前記弁が開閉するタイミングはもはや、正確にあらかじめ決められたものではなく、ポンプが駆動されるたびに再現されるものでもないからである。

本発明は、上記の問題を有しない手動駆動式ディスペンサポンプを提供することを目的とする。
本発明はそこで、ポンプの複数のピストンに各々の休止位置と投与位置との間で加えられる径方向の力を様々に変化させることを可能とする、というディスペンサポンプを提供することを目的とする。

本発明はまた、１ドーズ分の分量の流体が、正確に放出され、しかもポンプが駆動されるたびに毎回同じように放出されることを保証する、という流体ディスペンサポンプを提供することを目的とする。
本発明はまた、製造および組み立てが簡単かつ安価であるようなディスペンサを提供することを目的とする。

そこで、本発明は、ポンプ本体と、前記ポンプ本体の中で休止位置と投与位置との間を耐漏洩様態でスライド移動するよう設置された少なくとも１つのピストンとを有する手動駆動式流体ディスペンサポンプであって、特徴となるのは、ポンプ本体の少なくとも一部分は円錐状になっており、そのため前記休止位置と前記投与位置との間で前記少なくとも１つのピストンに加えられる径方向の力を変化させる点である、という前記ポンプを提供する。

また、効果的な構成として、前記ピストンは、ポンプ本体部分の中で休止位置と投与位置との間をスライド移動するよう設置されており、休止位置において前記ピストンと協働する前記ポンプ本体部分の内径は、投与位置において前記ピストンと協働する前記ポンプ本体部分の内径よりも大きくなっており、そのため、ポンプ本体によって前記ピストンに加えられる径方向の力は、休止位置において小さくなることとする。

また、効果的な構成として、前記ポンプ本体部分は、ピストンの休止位置と投与位置との間で円錐状になっていることとする。
また、効果的な構成として、前記ポンプ本体部分は、円錐状の部分および少なくとも１つの筒状の部分を持っていることとする
また、効果的な構成として、前記ポンプ本体部分は、前記ピストンの投与位置から前記ピストンの休止位置に向かっては筒状となっており、前記ピストンの休止位置の手前に円錐状の部分を有していることとする。

また、効果的な構成として、前記ピストンは、ポンプ本体部分の中で休止位置と投与位置との間をスライド移動するよう設置されており、休止位置において前記ピストンと協働する前記ポンプ本体部分の内径は、投与位置において前記ピストンと協働する前記ポンプ本体部分の内径よりも小さくなっており、そのため、ポンプ本体によって前記ピストンに加えられる径方向の力は、休止位置で大きくなることとする。

また、効果的な構成として、前記ポンプ本体部分は、前記ピストンの休止位置と投与位置との間で円錐状になっていることとする。
また、効果的な構成として、前記ポンプ本体部分は、少なくとも１つの円錐状の部分と少なくとも１つの筒状の部分とを有していることとする。
また、本発明の効果的な実施の形態において、ポンプ本体は、第１のポンプ本体部分および第２のポンプ本体部分を有し、第１のピストンは、前記第１のポンプ本体部分の中を耐漏洩様態でスライド移動するよう設置されており、第２のピストンは、前記第２のポンプ本体部分の中を耐漏洩様態でスライド移動するよう設置されており、前記第１および第２のポンプ本体部分のうち少なくとも１つは、少なくとも部分的に円錐状となっており、それによって、前記第１のピストンおよび／または前記第２のピストンに加えられる径方向の力を変化させることとする。

また、効果的な構成として、前記第１のポンプ本体部分の内径は、第１のピストンの投与位置にあたる所よりも休止位置にあたる所の方が大きくなっており、前記第２のポンプ本体部分の内径は、第２のピストンの投与位置にあたる所よりも休止位置にあたる所の方が小さくなっていることとする。
また、本発明は、上記のポンプを有する流体ディスペンサ装置を提供する。

本発明に関する他の特徴および効果については、非限定的な例として示す添付図面を参照しながら、以下の詳細な説明を読めば、さらに明らかになるだろう。
図１は、ポンプ本体１０を有するポンプを示しており、当該ポンプ本体の中には、第１のピストン５０および第２のピストン５５が各々の休止位置と投与位置との間をスライド移動するよう設置されている。以下、本発明について、この特定のポンプに関連付けて説明する。ただし、理解されると考えるが、本発明は図１に示すポンプに限定されるものではない。それどころか、本発明は、少なくとも１つのピストンがポンプ本体の中でスライド移動するように設置されている流体ディスペンサポンプであればどんなものにでも適用できる。さらに厳密に言えば、図１に示すポンプにおいて、本発明は、２つの別個のポンプ本体部分を有し、それら本体部分は２つのピストンを備え、当該ピストンの各々が本発明を実施している。しかし、本発明は、ピストンを１つだけを持つポンプ、あるいは２つのピストンを持つが、そのうち１つだけが本発明を組み込んで、ポンプ本体の中でスライド移動するよう設置されている、というポンプにも問題なく適用することが可能である。

そうして、図１に示すポンプは、第１のポンプ本体部分１１および第２の本体部分１２を備えたポンプ本体１０を有し、当該第１のポンプ本体部分１１の中には第１のピストン５０がスライド移動するよう設置され、当該第２のポンプ本体部分１２の中には第２のピストン５５がスライド移動するよう設置されている。第２のポンプ本体部分１２の内径は、第１のポンプ本体部分１１の内径に比べて小さくしてもよい。したがって、第２のピストン５５の外径は、第１のピストン５０の外径に比べて小さくしてもよい。ポンプ室２０は、前記ピストン５０とピストン５５との間に規定されており、前記ポンプ室には、入口弁３０および出口弁４０が備えられている。効果的な構成として、第１のピストン５０は、好ましくは中空となった駆動ロッド６０（流体を放出するための放出チャネル６１が組み込まれたもの）に一体化する形で連結してもよい。リターンスプリング７０は一般的にポンプ本体１０の中に配置され、効果的な構成として、第２のピストン５５と協働して、ポンプの駆動が完了するたびにポンプを自動的にその休止位置に戻す。フェルール８０は、ポンプ本体１０の上側エッジに取り付けられて第１のピストン５０の休止位置を規定し、ポンプ本体１０の反対側のエッジにはディップ管９０が組み付けられて、容器（図示せず）の底に向かって延びている、という形にしてもよい。図１に示すポンプは、固定リング１によって容器（図示せず）に組み付けることにすればよく、当該固定リングはどんな種類であってもよいが、具体的には、ネジ留め、スナップ留め、クランプ留めなどの種類がある。一般的に、密封ガスケット５が、前記固定リング１と容器（図示せず）のネックとの間に挿入される。

本発明において、ポンプ本体の少なくとも一部分は、少なくとも部分的に円錐台形となるよう構成し、それによって、前記ポンプ本体１０から前記第１のピストン５０および／または前記第２のピストン５５に加えられる径方向の力を加減する。
図２および図３は、本発明に関する２つの変形例としての実施の形態を示す図であり、これら変形例は、第１のピストン５０がスライド移動するよう設置されている第１のポンプ本体部分１１に適用される。図２および図３に示すように、第１のピストン５０の休止位置にあたる所の第１のポンプ本体部分１１の内径は、第１のピストン５０の投与位置にあたる所の第１のポンプ本体部分１１の内径よりも大きくなっている。このような第１のポンプ本体部分１１の内径の変化は、図２に示すように、前記第１のポンプ本体部分１１を、前記休止位置と前記投与位置との間で円錐台形の形とすることによって得られる。また、変形例においては、以下のようになる。円筒状の部分を、第１のピストン５０の投与位置から休止位置に向かって延びている形で設け、第１のピストン５０の休止位置（図３に示す位置）に達する前の段階では、第１のポンプ本体部分１１は、小さな円錐台形の部分１３を備えているという形にしてもよい。図２および図３に示すように、一般的に第１のピストン５０は、２つの密封リップ（すなわち、下側密封リップ５１および上側密封リップ５２）を備えている。本発明によれば、第１のピストン５０、さらに詳しく言えば当該第１のピストンの密封リップ５１、５２が受ける径方向の力は、ピストンが休止位置にある際は弱くなる。これにより、前記密封リップ５１、５２に加えられる力を緩和することが可能となり、そのため、ピストンの寿命、したがってポンプの寿命を長くすることができる。

図４は、第２のピストン５５がスライド移動するよう設置されている第２のポンプ本体部分１２を示す。この場合の状況は上記の状況とは逆であり、第２のピストン５５の休止位置における第２のポンプ本体部分１２の内径が、前記第２のピストン５５の投与位置における第２のポンプ本体部分１２の内径よりも小さくなっている。この内径の変化は、第２のポンプ本体部分１２を第２のピストン５５の休止位置と投与位置との間で、円錐台形の形とすることによって得られる。また変形例として、円錐台形の部分を複数設ける代わりに、筒状の部分を連続して複数設けることができる。図４に示す実施の形態では、第２のピストン５５がその投与位置から休止位置まで戻るにつれて、第２のピストン５５にかかる径方向の力が次第に増加していくようにすることが目的となっている。図２および図３を参照しながら説明した、第１のポンプ本体部分１１に関連する例においては、径方向の力を次第に増加あるいは減少させる必要はない。むしろ第１のピストン５０の休止位置において、径方向の力を小さくしたいという要望だけがある。図３に示す変形例は、第１のピストン５０の休止位置の直前に配置され、筒状の部分と筒状の部分を接続する小さな円錐台形の部分を備えるため、第１のピストン５０に対しては充分可能である。その一方、第２のピストン５５に対しては、この径方向の力を次第に変化させるようにすることの方が効果的である。第２のポンプ本体部分１２に適用される本発明は、ポンプ室２０の入口弁３０あるいは出口弁４０が正常に働かなくなる危険を小さくすることを可能にする。このような不正常な動作は、流体が放出される際にポンプ室２０内部で生成される吸引力が原因で、第２のピストン５５がその休止位置に向かって上に戻る速度があまりに速くなる場合に起こり得る。第２のピストン５５にかかる摩擦力を次第に増加させることによって、本発明は、ポンプの駆動に必要な力を増加させることなく、ほとんど完全にこの危険を取り除く。こうして、ポンプが駆動される度に投与される１ドーズ分の分量が、一定、正確、かつ再現できるものとなることが保証できる。同様に、第２のピストン５５がその休止位置に向かって上に戻っていく間に摩擦力が増加することにより、当該ピストンの動きは遅くなり、そのことはポンプ室２０に貯蔵された１ドーズ分の流体を投与するにあたっても、次の１ドーズ分を容器（図示せず）から取り込むにあたっても、効果的である。したがってポンプの信頼性は向上する。

図１に示す実施の形態で、ポンプ本体が直径の異なった２つのポンプ本体部分で構成され、各々に、ピストンがスライド移動するよう設置されている場合、本発明を両方のポンプ本体部分に適用することができ、それら部分の内部の形状は曲線状になる。そのようにすると内径は先ず、ポンプ本体の上側エッジから始まって、第１のポンプ本体部分１１と第２のポンプ本体部分１２との接合点に向って先細りとなり、次にそこから内径は、ポンプ本体の下側に向って再び大きくなっていく。

ここまで、本発明に関して、様々な実施の形態に関連付けて説明してきたが、理解すべき点として、当業者であれば、添付の図面によって規定される本発明の範囲を逸脱しない形で、いかなる変更を施すことも可能であろう。

本発明の効果的な実施の形態におけるポンプを示す概略斜視図である。 本発明の第１の変形例の実施の形態におけるポンプの詳細を拡大して示す図である。 図２と同様の図であり、本発明の第２の変形例の実施の形態を示す図である。 本発明の別の実施の形態の詳細を拡大して示す図である。

Claims (1)

1. ポンプ本体（１０）を有する手動駆動式流体ディスペンサポンプであって、
   ポンプ本体（１０）は、手動操作される側の第１のポンプ本体部分（１１）と手動操作の結果作動する第２のポンプ本体部分（１２）を有し、
   第１ポンプ本体部分（１１）は、非操作時は休止位置にあり、手動操作により投与位置に向かって耐漏洩様態でスライド移動する第１のピストン（５０）を有し、
   第２ポンプ本体部分（１２）は、第１のピストンが休止位置にあるときは休止位置にあり、休止位置と投与位置との間を耐漏洩様態でスライド移動する第２のピストン（５５）を有し
   第１のポンプ本体部分（１１）と第２のポンプ本体部分（１２）との位置関係は、第１のピストン（５０）と第２のピストン（５５）のスライド方向が平行で、かつ第１のピストン（５０）の休止位置から投与位置に向かう移動方向の前方に第２のピストン（５５）が設置されている関係にあり、
   さらに、第１ピストン（５０）と第２のピストン（５５）とポンプ壁体とによってポンプチャンバ（２０）が形成されており、
   前記第１のピストン（５０）にはポンプチャンバ（２０）と通じる流体排出通路（６１）が形成されるとともに、第１ピストン（５０）の流体排出通路（６１）を臨む口部を弁座として開弁閉弁可能な出口弁（４０）が設けられ、
   この出口弁（４０）に対して前記第２のピストン（５５）が、一定長だけ移動を許容される状態で係合されており、
   前記出口弁が閉弁している状態にあるとき、手動操作によって第１のピストン（５０）を休止位置から投与位置方向へスライド移動させて、ポンプチャンバ（２０）を加圧すると、それによって第２のピストン（５５）が休止位置から投与位置方向へスライド駆動され、一定長スライドすると、出口弁（４０）との係合により、出口弁（４０）を引っ張り開弁する構成であり、
   前記一方のポンプ本体部分（１２）は、当該ポンプ本体部分の中にあるピストン（５５）の休止位置と投与位置との間にあたる部分において円錐台形となっており、
   休止位置において前記ピストン（５５）と協働する前記ポンプ本体部分（１２）の内径は、投与位置において前記ピストン（５５）と協働する前記ポンプ本体部分（１２）の内径よりも小さくなっており、そのためポンプ本体（１０）によって前記ピストン（５５）に加えられる径方向の力は、休止位置で大きくなること
   を特徴とする流体デイスペンサポンプ

Images