JP4429692B2 - 半導体ウエハの保護用粘着テープ及びこれを用いた半導体ウエハの製造方法 - Google Patents

半導体ウエハの保護用粘着テープ及びこれを用いた半導体ウエハの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ICカードやスマートカード等に適用される半導体ウエハの薄膜化研削加工における、半導体ウエハの薄膜化研削および薄膜化したウエハの搬送等に用いる半導体ウエハの保護用粘着テープ、及び、これを用いて半導体ウエハを製造する方法に関するものである。
半導体ウエハとしては、シリコンおよびガリウム−砒素等の化合物半導体が一般的に良く知られており、なかでもシリコンが多用されている。このシリコンウエハは、単結晶引き上げ法によって得られた高純度シリコンのインゴットから500〜1000μm程度厚さにスライスされ製造されている。このように製造されたシリコンウエハを、種々の方法により加工することで多数の集積回路パターンがウエハ上に形成される。次いで、この回路パターンが形成されたウエハは、各種デバイスに適応した或いは各種実装方式に適応したパッケージに封止されるに当たり、先ず所定の厚さに薄くする為、ウエハ裏面をバックサイドグラインダーと呼ばれる装置により研削加工し薄膜化する。更には、必要に応じて研削加工時の破砕層など研削歪を除去する目的で、ケミカルエッチング、CMP(ケミカル・メカニカル・ポリッシング)等に代表されるストレスリリーフ処理を行う場合もある。
その際、研削加工およびストレスリリーフ処理における研削ダスト或いはケミカルによる汚染から防ぐことおよび研削加工時の衝撃によりウエハ自体の破損を防ぐことを目的、回路パターンが形成された半導体ウエハの表面に保護用粘着テープを貼り合わせる。ウエハ裏面の研削加工終了後は、当該ウエハ表面に貼り合わされた保護用粘着テープを、紫外線硬化型粘着テープの場合は予め紫外線照射を行った後に、それ以外の保護用粘着テープは特別な後処理の必要は無く、剥離してウエハカセットに収納した後、ダイシング工程に搬送される。
ところで、これら従来のウエハ裏面研削加工方式では、裏面研削後のウエハ厚さが300μm以上と厚い場合には、当該ウエハの研削加工によるウエハ自体の反り或いは撓みが生じ難い。そのため、研削加工後のウエハは研削加工を施さないウエハ同様に平坦な形状のウエハであることから、研削加工後のウエハ形状のまま次工程への搬送ができると共にこれをウエハカセットに収納することも可能であった。
一方、近年のモバイル機器への実装用途拡大に伴い、スタック型CSP(チップ・サイズ・パッケージ)に代表される様な、三次元高密度実装型パッケージが急速に普及している。これに応じてチップ面積とパッケージ投影面積の同一化とパッケージ厚さの薄膜化に伴い、実装されるチップ自体の薄膜化、即ち半導体ウエハ自体の厚さを、25〜100μmと極端に薄くしなければならなくなった。 しかし、この様に薄膜化したウエハは、そのままでは研削加工後に、研削加工前の平坦な形状を保持することが難しい。すなわち、研削加工後に著しい反り・撓みが発生し、ウエハの端部が反り上がる等の変形が発生し易くなる。このような変形により、次工程へウエハを搬送する為の吸着アームでの真空吸着エラーが生じ易い、また、ウエハカセットへの収納時ウエハが撓んでいるので収納自体が出来ないなどの問題が発生していた。
これらの問題点を解決する方法として、特開2002−69396号公報には基材フィルムとして外層に低弾性率のフィルム、内層に高弾性率のフィルムからなる粘着テープを用いて半導体ウエハの裏面研削を行い、反りの抑制及び搬送を可能にする方法が開示されている。これによると、内層が貯蔵弾性の高いフィルムにより形成されているため、半導体ウエハが薄層化され剛性が低下した場合であっても、その反りを防止することができる。また、表裏両面の最外層が貯蔵弾性率が低いフィルムにより形成されているため、その柔軟性により、半導体ウエハの回路形成面の凹凸段差が大きい場合であっても、その段差を充分に吸収することができ、ウエハ裏面の研削等における応力等を吸収することができる。更に、基材フィルム層が、貯蔵弾性率及び厚みにおいて、厚み方向に実質的に対称の層構造をなすために、半導体ウエハが、薄層化され、且つ、回路保護膜の残留応力等により反りが発生した場合であっても、それを矯正することができる。
特開2002−69396号公報(第3頁)
しかしながら、上述した粘着テープでは、薄膜化したウエハ形状の保持・搬送は可能であるとしても、ウエハの薄膜化研削加工終了後にウエハからテープを剥離する際、非常に薄く脆いウエハからテープを剥離することは非常に困難であり、ウエハの破損が生じ易いという問題が生じている。
本発明は、これら薄膜化したウエハの形状保持および搬送に於ける性能を維持すると共に、薄膜研削後の破損し易いウエハからのテープ剥離を容易とした、半導体ウエハ薄膜化研削加工時の表面保護用粘着テープを提供すること、及び、これを用いて半導体ウエハを製造する方法を提供することを目的とする。
請求項1に係る半導体ウエハの保護用粘着テープは、2つの基材フィルムとその間に形成されたウエハ形状保持層とを有する支持体の一方の基材フィルムの外表面上に粘着剤層が形成されてなる保護用粘着テープであって、保護用粘着テープの雰囲気温度がウエハ形状保持層の軟化点を越える温度と室温との間で変化することにより、ウエハ形状保持層が可逆的に軟化−硬化の変化するもので、前記ウエハ形状保持層は、第一次溶融転移温度が少なくとも室温(23℃)より高い側鎖結晶性のポリマーを含有して成ることを特徴とするものである。
請求項2に係る半導体ウエハの保護用粘着テープにおいて、前記ウエハ形状保持層冷却により硬化てウエハの形状保持性まり熱により軟化て剥離性ものであることを特徴とするものである。
請求項3に係る半導体ウエハの保護用粘着テープにおいて、前記ウエハ形状保持層の軟化点は30〜100℃の範囲であることを特徴とするものである。
請求項に記載の半導体ウエハの保護用粘着テープにおいて、基材フィルムは、紫外線透過性を有するポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンープロピレン共重合体、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマーのいずれかのα−オレフィンの単独重合体または共重合体、或いはこれらの混合物、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートのいずれかのエンジニアリングプラスチック、ポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテン−もしくはペンテン系共重合体いずれかの熱可塑性エラストマーのいずれかから成るものであることを特徴とするものである。
請求項に係る半導体ウエハの保護用粘着テープにおいて、前記粘着剤層は紫外線硬化型の粘着剤であることを特徴とするものである。
請求項に係る半導体ウエハの保護用粘着テープにおいて、前記粘着剤層は、少なくとも2−エチルヘキシルアクリレートとn−ブチルアクリレートとの共重合体から成るアクリル系粘着剤100重量部に対して、紫外線硬化性の炭素−炭素二重結合を有する(メタ)アクリレート化合物5〜200重量部と光開始剤および光増感剤とを含有してなることを特徴とするものである。
本発明の半導体ウエハの保護用粘着テープは、ICカードやスマートカード等に適用され、著しく薄膜化した半導体ウエハの研削および搬送において特にその効果が顕著であり、加温条件の違いで軟化−硬化変化を可逆的に生起させることができるウエハ形状保持層を有することで、薄膜化した半導体ウエハの平坦形状を保持し、なおかつ保護用粘着テープからのウエハの剥離が容易であり、収納及び剥離の不具合を引き起こすことを効果的に防止できる。しかも既存のライン、装置をそのまま用いた薄膜化半導体ウエハの製造が可能である。
本発明に係る半導体ウエハの保護用粘着テープは、図1に示すように複数の基材フィルム3からなる支持体1上に粘着剤層2が形成され、基材フィルム3の間に雰囲気温度により可逆的に軟化−硬化変化するウエハ形状保持層4が形成されている。すなわち図1に示したように、粘着剤層2、および基材フィルム3、ウエハ形状保持層4、基材フィルム3からなる支持体1の四層構造をなしている。
可逆的に軟化−硬化変化するウエハ形状保持層4は、加熱或いは冷却と言った温度差を与えることにより、可逆的に硬度が変化する、すなわち柔軟な状態から硬化して薄膜化したウエハの形状保持性る性質を有する、ウエハ形状保持層4を有して成ることを特徴とするものである。
本発明における保護用粘着テープのウエハ形状保持層4は、好ましくは室温(23℃)に冷却することにより薄膜化したウエハの形状保持性が高まるように硬化(硬質化)する性質を有する。このウエハ形状保持層4は、可逆的に、軟化−硬化の変化を起こす材料よりなる。軟化点は、用途、使用方法などにより若干異なるが、好ましくは30〜100℃の範囲で選択され、より好ましくは40〜60℃の範囲で選択されるが、要は所定温度を境に軟化−硬化を起こせばよく、この温度範囲とは異なる温度を選択してもよい。
また、このウエハ形状保持層4は、第一次溶融転移温度が少なくとも室温(23℃)より高い側鎖結晶性のポリマーを含有して成るものである。本発明において、第一次溶融転移温度とは、加熱前は秩序ある序列に配列に整合されているポリマーの特定の部分が加熱されることによって無秩序な状態となる温度をいう。
これらのウエハ形状保持層4の厚さは、硬化時にその層厚でウエハ形状を保持できる厚さであれば特に制限はないが、好ましくは10〜200μm、より好ましくは30〜100μmである。
本発明の保護用粘着テープに於ける基材フィルム3には、通常プラスチック、ゴム等が好ましく用いられる。基材フィルム3については、粘着剤層2に放射線硬化型の粘着剤を使用する場合には、放射線透過性のものを、紫外線照射によって硬化させる場合は、光透過性の良いものを選択する。この様な基材フィルム3としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンープロピレン共重合体、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマーのいずれかのα−オレフィンの単独重合体または共重合体、或いはこれらの混合物、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートのいずれかのエンジニアリングプラスチック、ポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテン−もしくはペンテン系共重合体のいずれかの熱可塑性エラストマーがあげられ、基材フィルムの要求特性に応じて任意に選ぶことができる。
これらの基材フィルムは、従来公知の押出し法を用いて製造できるが、種々の樹脂を積層して得られる基材フィルムの場合には、共押出し法、ラミネート法などで製造され、この際通常のラミネートフィルムの製法に於いて普通に行われている様に、樹脂と樹脂の間に接着層を設けても良い。この様な基材フィルムの厚さは、強・伸度特性、放射線透過性の観点から30〜200μmが適当である。
また基材フィルム3の種類は同一でも良いが、それぞれ異なっても良い。基材フィルム3の種類が異なる場合は、粘着剤層2から遠ざかるほど、熱収縮率が小さくなっていくようにするのが好ましい。このようにすることで、ウエハ形状保持層4の硬度による保持に加え、各基材フィルム3の収縮率の差異によっても、ウエハの反りに対して反発を持たせることができるようになる。そのため、カセット収納時の反りを一層抑制することができる。
本発明に係る半導体ウエハの保護用粘着テープの機能を発揮させるためには、転移点を超える温度まで加熱され、又、加熱された状態から転移点よりも低い温度に冷却されることが必要である。ここで、必要な場合には、半導体ウエハの保護用粘着テープがその温度まで加熱されたことを目視で確認できるようテープ自身が発色、または変色するようにすることもできる。
本発明に係る半導体ウエハの保護用粘着テープを用いて、半導体ウエハ表面への保護用粘着テープへの貼付、ウエハの裏面研削加工、運搬、ウエハの保護用粘着テープからの剥離を行う場合以下のような利点がある。
すなわち、運搬時には、テープが硬化するので、ウエハの研削加工後にウエハの剛性が低下した場合であっても、その反りを防止することができる。また、ウエハの保護用粘着テープからの剥離を行うときはテープが軟化するので、既存の保護用粘着テープ剥離装置にてウエハを吸着した状態で保護用粘着テープを180度方向に屈曲させた状態で剥離することができる。
支持体1上に設けられる粘着剤層2としては、薄膜化研削加工終了後のウエハから保護用粘着テープを剥離する際に、当該ウエハへの破損やウエハ表面への粘着剤残留による汚染などの不具合を生じないものであれば、特に制限は無いが、放射線、好ましくは紫外線硬化により粘着剤が三次元網状化を呈し、粘着力が低下すると共に剥離した後のウエハ表面に粘着剤などの残留物が生じ難い、紫外線硬化型の粘着剤を使用するのが好ましい。
この様な紫外線硬化型粘着剤としては、所望の紫外線硬化性を示す限り特に制限は無いが、例えば、2−エチルヘキシルアクリレートとn−ブチルアクリレートとの共重合体から成るアクリル系粘着剤100重量部に対して、紫外線硬化性の炭素−炭素二重結合を有する(メタ)アクリレート化合物5〜200重量部とを含有し、光開始剤および光増感剤、その他従来公知の粘着付与剤、軟化剤、酸化防止剤、等を配合してなる組成をあげることができる。この支持体1上に設けられる放射線硬化性粘着剤層2の厚さは、パターン面への密着性を良好とする為、通常10〜200μmが適当である。
本発明の半導体ウエハの保護用粘着テープを用いて製造された半導体ウエハはICカードやスマートカード等に適用される。
この半導体用ウエハの薄膜化研削加工は、例えば次の工程からなる。
(a)ウエハ研磨前に、半導体ウエハの表面に保護用粘着テープを貼合する工程(b)半導体ウエハの裏面研削加工終了後に研削装置から半導体ウエハを取り出す前に当該保護用粘着テープをウエハの形状を平坦形状のまま保持しうる硬度に硬化させる工程(c)当該保護用粘着テープに半導体ウエハを貼り合せたまま搬送する工程
本発明においては上記の工程(a)においては、ウエハ形状保持層4の軟化点よりも高い温度以上に加熱しながら保護用粘着テープを貼合することが好ましい。また、上記の工程(b)においては、研削時の発熱による加熱状態から室温にまで冷却する過程でウエハ形状保持層4が硬化することにより、保護用粘着テープが硬化するようにするのが好ましい。
更には、これら形状保持層4として、紫外線硬化型樹脂などの化学反応により硬質化する樹脂を併用した場合は、上記工程(a)と(b)の中間工程として紫外線硬化樹脂などを紫外線照射など予め所定の方法で硬質化させる工程を行う事が好ましい。
次に本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
厚さ100μmのエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)のフィルム上に、厚さ30μmの約50℃に第一次溶融転移温度(第一次溶融転移温度:加熱前は秩序ある序列に配列に整合されているポリマーの特定の部分が加熱されることによって無秩序な状態となる温度)を有する側鎖結晶性のポリマーから成る樹脂層(炭素数10以上の直鎖状アルキル基を側鎖とするアクリル酸エステルを主成分とするポリマー)を塗布したものを一組作成した。そして、これらの樹脂層の面同士を2枚貼り合わせることにより、ウエハ形状保持層4が形成される。また、貼り合わせによりウエハ形状保持層4は、基材フィルム3となる2枚のエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)のフィルムに挟まれることになり、支持体1が形成される。2枚の基材フィルム3のうちいずれかの面に粘着剤層2として、厚さ30μmの紫外線硬化性の粘着剤を塗布し、保護用粘着テープを調製した。作製した保護粘着テープは、図1に示したように、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)のフィルムからなる基材フィルム3(基材1)、側鎖結晶性のポリマーから成るウエハ形状保持層4及びエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)のフィルムからなる基材フィルム3(基材2)の三層からなる支持体1、紫外線硬化性の粘着剤からなる粘着剤層2の4層構造をなしている(図1では最上層が基材1となる基材フィルム3である。)。
この保護用粘着テープに回路パターンの形成された、直径8インチの半導体ウエハ表面に、既存の保護用粘着テープ貼合装置(日東電工社製 DR8500II)を用いて50℃に加熱した状態で貼合後、バックサイドグラインダー(ディスコ社製 DFG850)を使用して、ウエハ裏面側を研削することにより、当該ウエハ厚さを50μmに仕上げた。次いで、バックサイドグラインダーのウエハ吸着固定ステージ上に於いて第一時溶融転移温度以下となる室温(23℃)まで冷却し、ウエハ形状保持層4を薄膜化したウエハ形状を保持し得る硬度に硬化させた後、次工程への搬送性として、ウエハカセットへの収納可否とウエハの破損有無を確認した。更に、既存の保護用テープ剥離装置(日東電工社製 HR8500II)を用いて、貼着した保護用粘着テープに紫外線を500mJ/cm2照射した後、保護用テープを50℃に加熱し軟化させた状態で薄膜化したウエハを剥離し、その剥離性として剥離のし易さおよび薄膜化したウエハの破損などの有無を試験した。その結果を下記表1に示した。
(実施例2)
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、並びに、厚さ100μmのエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)のフィルム上に、ウエハ形状保持層として約50℃に第一次溶融転移温度を有する側鎖結晶性のポリマーから成る実施例1と同様のアクリル酸エステルを主成分とするポリマーからなる樹脂層をそれぞれ30μmの厚さに塗布し、これらを貼り合わせたものを作成し支持体1を形成した。この支持体1のエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルム側に、粘着剤層2として厚さ30μmの2−エチルヘキシルアクリレートとn−ブチルアクリレートとの共重合体から成るアクリル系粘着剤を塗布し、保護用粘着テープを調製した。作製した保護用粘着テープは、図1に示したように、ポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルムからなる基材フィルム3(基材1)、側鎖結晶性のポリマーから成るウエハ形状保持層4及びエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)のフィルムからなる基材フィルム3(基材2)の三層からなる支持体1、紫外線硬化性の粘着剤からなる粘着剤層2の4層構造をなしている。なお、ポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルムからなる基材フィルム3(基材1)の熱収縮率は、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)のフィルムからなる基材フィルム3(基材2)の熱収縮率よりも小さい。この保護用粘着テープを実施例1と同様に半導体ウエハ表面に貼合したのち、実施例1と同様に薄膜研削加工処理後のウエハ搬送性と剥離性を試験した。その結果を下記表1に示した。
(実施例3)
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、ウエハ形状保持層4として約40℃に第一次溶融転移温度を有する側鎖結晶性のポリマーから成る実施例1と同様のアクリル酸エステルを主成分とするポリマーからなる樹脂層を50μmの厚さに塗布し、また厚さ100μmのエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)のフィルム上に、熱変色性組成物を内包させたマイクロカプセル形態の可逆熱変色性顔料(パイロットインキ株式会社製「メタモカラー」(登録商標))3μmを塗布し、これらを貼り合わせたものを作成し支持体1を形成した。この支持体1のエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルム側に、粘着剤層2として厚さ30μmの2−エチルヘキシルアクリレートとn−ブチルアクリレートとの共重合体から成るアクリル系粘着剤を塗布し、保護用粘着テープを調製した。作製した保護用粘着テープは、ウエハ形状保持層4の第一次溶融転移温度を超える45℃で青色に変色し、転移が完了したことを目視により確認可能であった。この保護用粘着テープを実施例1と同様に半導体ウエハ表面に貼合したのち、実施例1と同様に薄膜研削加工処理後のウエハ搬送性と剥離性を試験した。その結果を下記表1に示した。
(比較例1)
実施例1に於いて、側鎖結晶性のポリマーから成る樹脂層の代わりに2−エチルヘキシルアクリレートとn−ブチルアクリレートとの共重合体から成るアクリル系粘着剤を用いた以外は、実施例1と同様の保護用粘着テープを調製し、薄膜研削加工処理後のウエハ搬送性と剥離性を試験した。その結果を下記表1に示した。
(比較例2)
実施例1に於いて、厚さ100μmのエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)のフィルム(基材1)上に、実施例1と同様の側鎖結晶性のポリマーから成る樹脂層を60μmの厚さに塗布したのち、貼り合わせを行わずに、側鎖結晶性のポリマーから成る樹脂層上に直接厚さ30μmの2−エチルヘキシルアクリレートとn−ブチルアクリレートとの共重合体から成るアクリル系粘着剤を塗布した保護用粘着テープを調製し、薄膜研削加工処理後のウエハ搬送性と剥離性を試験した。その結果を下記表1に示した。
(比較例3)
実施例2に於いて、粘着剤をエチレン酢酸ビニル共重合体フィルム(EVA)側でなく、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)側に塗布した他は、実施例2同様の保護用粘着テープを調製し、薄膜研削加工処理後のウエハ搬送性と剥離性を試験した。その結果を下記表1に示した。
なお以下各試験の評価基準は次の通りである。
(1)薄膜研削性
○: ウエハの破損及びマイクロクラックの発生が無い。
×: ウエハの破損或いはマイクロクラックの発生が有る。
(2)BG装置内搬送性
○: 真空吸着アームで吸着でき搬送可能。
×: 真空吸着アームでの吸着エラー発生。
(3)ウエハカセット収納性
○: 良好に収納が出来、且つ上下段のウエハに接触しない。
×: 良好に収納が出来ない或いは収納後ウエハの撓みにより上下段の
ウエハに接触する。
(4)既存剥離装置適合性
○: ウエハにダメージ無く剥離ができる。
×: ウエハからの剥離が出来ない或いは剥離後のウエハにダメージあり。
Figure 0004429692
上記表1の比較例1では、ウエハ形状保持層4の代わりに通常の粘着剤を適用したため、薄膜ウエハからの剥離が非常に困難であった。また比較例2のように、貼り合わせを行なわずに基材フィルムを1層のみとした場合は、裏面研削後の反りが大きい状態であった。また、比較例3のように基材フィルムAの熱収縮率が基材フィルムBの熱収縮率よりも大きくなるように配置した場合についても、比較例2と同様に裏面研削後のウエハの反りが大きい状態となった。
これに対し、本発明の方法による実施例1及び実施例2では、薄膜研削性、BG装置内搬送性、ウエハカセット収納性、既存剥離装置適合性のいずれも良好であり、薄膜化半導体ウエハの製造を効率的に実現できる。
本発明の粘着テープは、半導体ウエハ研削加工時の保護用粘着テープとして使用でき、薄膜化したウエハであっても反りを低減し、ウエハからのテープ剥離が容易である半導体ウエハ研削加工時の保護用粘着テープとして使用できる。
本発明のウエハ保護用粘着テープの一例を示す断面図である。
1 支持体
2 粘着剤層
3 基材フィルム
4 ウエハ形状保持層

Claims (6)

  1. つの基材フィルムとその間に形成されたウエハ形状保持層とを有する支持体の一方の基材フィルムの外表面上に粘着剤層が形成されてなる保護用粘着テープであって、保護用粘着テープの雰囲気温度がウエハ形状保持層の軟化点を越える温度と室温との間で変化することにより、ウエハ形状保持層が可逆的に軟化−硬化の変化するもので、前記ウエハ形状保持層は、第一次溶融転移温度が少なくとも室温(23℃)より高い側鎖結晶性のポリマーを含有して成ることを特徴とする半導体ウエハの保護用粘着テープ。
  2. 前記ウエハ形状保持層冷却により硬化てウエハの形状保持性まり熱により軟化て剥離性ものであることを特徴とする請求項1に記載の半導体ウエハの保護用粘着テープ。
  3. 前記ウエハ形状保持層の軟化点は30〜100℃の範囲であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体ウエハの保護用粘着テープ。
  4. 基材フィルムは、紫外線透過性を有するポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンープロピレン共重合体、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマーのいずれかのα−オレフィンの単独重合体または共重合体、或いはこれらの混合物、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートのいずれかのエンジニアリングプラスチック、ポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテン−もしくはペンテン系共重合体のいずれかの熱可塑性エラストマーのいずれかから成るものであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の半導体ウエハの保護用粘着テープ。
  5. 前記粘着剤層は紫外線硬化型の粘着剤であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の半導体ウエハの保護用粘着テープ。
  6. 前記粘着剤層は、少なくとも2−エチルヘキシルアクリレートとn−ブチルアクリレートとの共重合体から成るアクリル系粘着剤100重量部に対して、紫外線硬化性の炭素−炭素二重結合を有する(メタ)アクリレート化合物5〜200重量部と光開始剤および光増感剤とを含有してなることを特徴とする請求項に記載の半導体ウエハ保護用粘着テープ。
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