JP4429682B2 - 光学エンジン - Google Patents
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Description
LED光源モジュール2Rを構成するLED素子22は、詳細には、通常、図8に示すように、基板21の表面に所定間隔を隔てて縦方向及び横方向に一直線上に並んで配列されており、偏光変換パネル4を構成する偏光変換素子41は、LED素子22との組み合わせ単位(単位素子ブロック9)がストライプ状となるように配列されている(例えば、特許文献1参照)。
このような光源部からの各色の光は、RGBの各色専用に設けた映像表示素子である液晶パネル6R、6G、6Bに入射する。ここで、3原色の光それぞれに対して所定の映像情報を与え、色画像合成プリズム(3色合成用ダイクロイックプリズム)7に出射する。色画像合成プリズム7は、RGB3色の光を合成し、合成した光は投映レンズ8を介してスクリーンに投映されるようになっている。
また、図8及び上記特許文献1からも判るように、LED光源モジュール2Rは実効的には面光源となるので、LED光源モジュール2Rと偏光変換素子41との組み合わせ単位(単位素子ブロック9)を従来のようにストライプ状に配列した場合には、LED光源モジュール2R内のLED素子22の実装密度を高めることが困難であり、その結果、LED光源モジュール2Rから映像表示素子(液晶パネル6)までの照明光の伝達効率が低いという問題点があった。このためLED光源モジュール2Rの発光輝度の改善が望まれていた。
前記緑色光源として、黄緑色発光ダイオード(黄緑色LEDモジュール12Y)とシアン色発光ダイオード(シアン色LEDモジュール12C)とを用い、
前記各色の光源は、発光ダイオード(LED素子122)と偏光変換素子141とを有しており、
これら発光ダイオードと偏光変換素子とを各1個組み合わせた単位(単位素子ブロック18)をチェック模様状に配列したことを特徴とする。
また、従来のように緑色発光ダイオードのみの緑色光源よりもより広帯域な緑色光源を得ることが可能となったので、より自然光に近い演色性を持ったフルカラーの光学エンジンを得ることができる。
また、発光ダイオードと偏光変換素子とを各1個組み合わせた単位をチェック模様状に配列したので、偏光変換機能を維持しつつ、従来のストライプ状の場合に比して発光ダイオードの実装密度を高めることが可能となる。その結果、光源の輝度を高めることができ、よって、照明光学系の伝達効率が改善され、この点においても明るい光学エンジンを実現することができる。
前記緑色光源として、黄緑色発光ダイオードからの光と、シアン色発光ダイオードからの光とをダイクロイックミラー16で合成することを特徴とする。
前記ダイクロイックミラーは入射角45°において波長530nm付近で反射と透過の特性が切り替わることを特徴とする。
前記偏光変換素子の前記発光ダイオード側の非入射面に、コーナーキューブプリズムシート19を設けたことを特徴とする。
前記映像表示手段は映像表示素子(赤色画像用液晶パネル22R、緑色画像用液晶パネル22G、青色用液晶パネル22B)を有しており、
この映像表示素子の周囲に、該映像表示素子を囲み、かつ、映像表示素子面と略平行となるようにコーナーキューブプリズムシートを設けたことを特徴とする。
さらに、発光ダイオードと偏光変換素子とを各1個組み合わせた単位をチェック模様状に配列することによって、偏光変換機能を維持しつつ、発光ダイオードの実装密度を高めることが可能となる。その結果、光源の輝度を高めることができ、よって、照明光学系の伝達効率が改善される。
また、偏光変換パネルの発光ダイオード側の非入射面に、コーナーキューブプリズムシートを設けたので、従来捨てられていた照明光を再活用して、照明光学系の伝達効率を改善することができる。
図1に示すように、本実施の形態の光学エンジン10は、3つの光源部11R、11G、11Bと、映像表示手段20と、投射レンズ(投射手段)30とを備えている。
レンズアレイ13は、赤色LEDモジュール12Rの発光側に配置され、赤色LEDモジュール12Rから入射する発散光を偏光変換パネル141の所定の入射面に略コリメート光として効率よく集光する。
偏光変換パネル14は、レンズアレイ13の光軸上に配置され、レンズアレイ13から入射した光を所定方向の直線偏光に変換する周知の素子である。
フィールドレンズ15は断面の大きな入射光を、映像表示手段20のより狭い入射面に絞り込むもので、偏光変換パネル14から入射した光を映像表示手段20へ出射する。
青色LEDモジュール12Bは、図2に示された発光スペクトルを示す青色LEDを複数個搭載してなるモジュールであり、ピーク波長は約470nmである。
レンズアレイ13、偏光変換パネル14及びフィールドレンズ15は上述と同様のもので、フィールドレンズ15は青色LEDモジュール12Bが出射し偏光変換パネル14を経た光を映像表示手段20へ出射する。
黄緑色LEDモジュール12Yは、図2に示された発光スペクトルを示す黄緑色LEDを複数個搭載してなるモジュールであり、ピーク波長は約560nmである。
シアン色LEDモジュール12Cは、図2に示された発光スペクトルを示すシアン色LEDを複数個搭載してなるモジュールであり、ピーク波長は約510nmである。
黄緑色LEDモジュール12Yとシアン色LEDモジュール12Cそれぞれの発光側に設けられるレンズアレイ13、13、偏光変換パネル14、14は上述と同様のものである。フィールドレンズ15、15は偏光変換パネル14、14から出射した光をダイクロイックミラー16へ出射する。このとき、フィールドレンズ15、15から出射した2本の光軸がダイクロイックミラー16で合成される。
なお、各色のLED光源モジュール12R、12B、12Y、12Cと偏光変換パネル14との組み合わせ単位については、後述する。
光吸収ダンパー17は、シアン色LEDモジュール12Cから出射した光の光軸上で、ダイクロイックミラー16のシアン色LEDモジュール12Cに対し反対側に配置する。光吸収ダンパー17は、黄緑色LEDモジュール12Yからの出射光のうちダイクロイックミラー17で反射した光、及び、シアン色LEDモジュール12Cからの出射光のうちダイクロイックミラー17を透過した光を吸収する。
また、シアン色LEDモジュール12Cから出射した光のうち波長530nm以下の成分はダイクロイックミラー16で反射し、映像表示手段20へ入射する。一方、波長530nm以上の成分はダイクロイックミラー16を透過し光吸収ダンパー17へ吸収される。
したがって、緑色光源部11Gの出射光のスペクトル分布は図4に示すようになる。これは、従来例のもの(図2の緑色光のスペクトル)と比べ、広帯域な緑色スペクトル分布が得られている。さらに、図2及び図3からわかるように、黄緑色LEDモジュール12Yとシアン色LEDモジュール12Cからの発光のうちダイクロイックミラー16で捨てられる光の割合は共に少ないので、合成結果として通常の540nm付近をピークとする単色緑色LED光源からの光量よりも多い光量を映像表示手段(後述する緑色画像用液晶パネル22G)20に照射することができ、従来に比して明るい光学エンジン10を実現することができる。
液晶パネル22R、22G、22Bそれぞれの入射側に設けられている偏光板21は、入射光の所定方向の直線偏光のみを透過するもので、コントラストが改善される。
赤色画像用液晶パネル22R、緑色画像用液晶パネル22G、青色画像用液晶パネル22Bは映像表示素子であり、偏光板21から入射した直線偏光の方向を、画素毎に印加された電圧により回転させ透過率を制御することにより、所定の映像情報を与え、3色合成用ダイクロイックプリズム23へ出射する。
図5(a)、(b)に示すように、赤色LEDモジュール12Rは、略方形状の支持基板121と、該支持基板121の表面に設けられた複数のLED素子122とを備えている。
複数のLED素子122は、支持基板121の全面にわたって縦横に所定間隔を隔てて並んで設けられている。また、横方向において互いに隣接するLED素子122、122どうしは、縦方向において若干ずれて配置され、縦方向において互いに隣接するLED素子122、122どうしは、横方向において若干ずれて配置されている。すなわち、縦方向及び横方向において、それぞれLED素子122が配置されている箇所と配置されていない箇所とが交互になっている。
また、特に、LED素子122と偏光変換素子141とを各1個組み合わせた単位(以下、単位素子ブロック18と言う。図6参照)がチェック模様状となるように配列されている(図5(c)参照)。すなわち、上下に互いに隣接する単位素子ブロック18のみが光軸に対して交互に180°回転されている。
また、図示しないが光学系のレンズホルダーの枠にもコーナーキューブプリズムシートが貼り付けられている。さらに、図示しないが、映像表示手段20の液晶パネル22R、22G、22Bの枠、すなわち映像表示素子の周囲に、該映像表示素子を囲み、かつ、液晶パネル面と略平行となるようにコーナーキューブプリズムシートが貼り付けられている。
このように、コーナーキューブプリズムシートを上述の所定箇所に設けることにより、有効照明光量において約5〜10%のアップが見られる。
赤色光源部11Rにおいて、赤色LEDモジュール12Rから出射した赤色光は、レンズアレイ13を介して偏光変換パネル14で所定方向の直線偏光に変換される。ここで予め照明光を所定方向の直線偏光に揃えると、光利用効率が飛躍的に向上する。偏光変換パネル14から出射した赤色光は、フィールドレンズ15を介して映像表示手段20へ入射する。
映像表示手段20へ入射した赤色光は、偏光板21を透過し、赤色画像用液晶パネル22Rへ入射する。液晶パネル22Rでは赤色光に赤色用映像情報を与える。映像情報を与えられた赤色光は、3色合成用ダイクロイックプリズム23へ入射する。
よって、黄緑色LEDの出射光のうち波長530nm以上の成分と、シアン色LEDの出射光のうち波長530nm以下の成分とを重ね合わせた光が、緑色光源部11Gの出射光として得られる。
3色合成用ダイクロイックプリズム23に入射したRGB3色の光は合成され、フルカラーの画像となり投射レンズ30に入射し、投射レンズ30からスクリーンに投射される。
また、各色の光源部11R、11G、11BにおいてLED素子122と偏光変換素子141とを各1個組み合わせた単位素子ブロック18がチェック模様状となるように配列されているので、偏光変換機能を維持しつつ、LED素子122の実装密度を高めることが可能となる。その結果、高輝度で、照明光学系の伝達効率が改善される。
さらに、偏光変換パネル141の入射面側の設計上光が当たらない面や、液晶パネル22R、22G、22Bの枠にコーナーキューブプリズムシート19を設けたので、従来捨てられていた照明光を再活用して、照明光学系の伝達効率が改善される。
例えば、本実施の形態では、緑色画像用液晶パネル22Gを照明するために、シアン色LEDモジュール12Cの出射光はダイクロイックミラー16で90°折り曲げて反射させ、黄緑色LEDモジュール12Yの出射光は透過させているが、逆に、シアン色LEDモジュール12Cの出射光をダイクロイックミラー16で透過させ、黄緑色LEDモジュール12Yの出射光を90°折り曲げて反射させる配置でも構わない。その場合は、2つのLEDモジュール12Y、12Cを入れ替えて、さらにダイクロイックミラー16として、波長530nm以下の光の成分は透過するが、波長530nm以上の光の成分は反射するものを使用すれば良い。
11R 赤色光源部(赤色光源)
11G 緑色光源部(緑色光源)
11B 青色光源部(青色光源)
12Y 黄緑色LEDモジュール(黄緑色発光ダイオード)
12C シアン色LEDモジュール(シアン色発光ダイオード)
16 ダイクロイックミラー
18 単位素子ブロック(組み合わせ単位)
19 コーナーキューブプリズムシート
20 映像表示手段
22R 赤色画像用液晶パネル(映像表示素子)
22G 緑色画像用液晶パネル(映像表示素子)
22B 青色画像用液晶パネル(映像表示素子)
30 投射レンズ(投射手段)
122 LED素子
141 偏光変換素子
Claims (5)
- 赤色光源と、緑色光源と、青色光源と、これら3つの光源が出射した3原色の光を合成し出射する映像表示手段と、該映像表示手段が出射した光を投射する投射手段とを有する光学エンジンであって、
前記緑色光源として、黄緑色発光ダイオードとシアン色発光ダイオードとを用い、
前記各色の光源は、発光ダイオードと偏光変換素子とを有しており、
これら発光ダイオードと偏光変換素子とを各1個組み合わせた単位をチェック模様状に配列したことを特徴とする光学エンジン。 - 前記緑色光源として、黄緑色発光ダイオードからの光と、シアン色発光ダイオードからの光とをダイクロイックミラーで合成することを特徴とする請求項1に記載の光学エンジン。
- 前記ダイクロイックミラーは入射角45°において波長530nm付近で反射と透過の特性が切り替わることを特徴とする請求項2に記載の光学エンジン。
- 前記偏光変換素子の前記発光ダイオード側の非入射面に、コーナーキューブプリズムシートを設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学エンジン。
- 前記映像表示手段は映像表示素子を有しており、
該映像表示素子の周囲に、該映像表示素子を囲むようにコーナーキューブプリズムシートを映像表示素子面と略平行に設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学エンジン。
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