JP4429602B2 - ナノ粒子の相間移動 - Google Patents
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Description
先行技術
本発明は、コロイド、特にナノ粒子の相間移動に関し、ならびにナノ粒子を用いた均一系触媒反応および不均一系触媒反応に関する。
【0002】
現在のバイオテクノロジー、ナノテクノロジー、コロイドおよび表面科学、触媒反応、エレクトロニクス、固体状態物理学および材料科学の分野における、コロイドおよび特に非常に小さなコロイド、いわゆるナノ粒子の広範な使用は、現在の研究および開発において中心的な位置を占める。以下では、用語「コロイド」は、用語「ナノ粒子」と同義的に使用される。なぜなら、後者は、非常に小さなコロイドの特定の場合をいうにすぎないからである。本発明は、少なくとも、1000ナノメーターから0.1ナノメーターのサイズ範囲のコロイドに適用されうる。しかし、それぞれのコロイドの特定の使用は、例えば、粒子が狭いノズルを介してコロイドとしてスプレーされる場合、しばしば、特定のサイズ、相対的に小さいサイズを必要とする。
【0003】
合成有機調製法は、多くの適用およびナノ粒子の輸送のために適切であるようである比較的高い濃度で、所望の形態学、大きさおよび形状のナノ粒子材料を製造するための公知の様式で使用され得る。
【0004】
しかし、これらの粒子の適用の大部分は、該粒子が、水性媒体、すなわち、水溶液または水と混和しうる溶液、例えばアルコールの溶液中に存在することが必要となる。
【0005】
しかし、水中での直接合成は、低濃度のナノ粒子のみを導く。なぜなら、それらは比較的高い濃度では沈殿するからである。特に、かかる直接合成は、第1に、イオン性相互作用の発生による問題を被る。これらの問題は、通常、低反応物濃度、例えば、5×10-4Mにより解消される。J.Turkevich, P.C. Stevensen, J. Hillier, Diskuss. Faraday Society. 1951, SS.参照。第2に、合成のために必要とされる安定剤を後に除去するのが困難でありうる。対照的に、かかる粒子は、予測可能なサイズおよび形状を有する開始物質に関して1Mまでの比較的高い濃度で有機溶媒中で調製されうる。これは、例えば、M.Green, P. Obrian, Chem. Commun. 1999, 2235, またはM.P.Pileni, New J. Chem. 1998, 22, 693に開示されている。これらの粒子はまた、水溶液中で合成されたものと比べて改善された単分散性を示す。しかし、それらは、水とは混和せず、それらの使用を制限する。
【0006】
しかし、溶解したナノ粒子は、多くの適用に必要である。なぜならば、凝集形態では、それらは、基材に容易に適用されるそれらの能力を失うだけでなく、多くのそれらの有利な化学的特性および物理的特性を失うからである。
【0007】
溶液中の高濃度のナノ粒子は、適用の分野に依存して、多くの理由のために特に好ましい。高濃度の一般的な利点は、高濃度のナノ粒子を有する溶液が、低濃度を有する溶液と比べて移動のためにわずかな重量を有することである。
【0008】
前述の関係は、有機溶媒中でコロイドまたはナノ粒子を合成すること、および引き続いてそれらを水性または類似した使用に適した溶液に移動させることの好ましさを示唆する。この場合、相間移動は、有機出発溶液から本質的に無機標的溶液、特に水性標的溶液への間で起こる。かかる相間移動方法は、Liu, H., Toshima, N.: "Transferring Colloidal Metal Particles from an Organic To an Aqueous Medium and vice versa by Ligand Coordination", Journal of the Chemical Society, Chemical Communications, Number 16, 1992, pp.1095 〜1096の両方の方向に開示されている。この刊行物は、ジフェニルホスフィノベンゼンスルホン酸ナトリウム(DPPS)、水溶性ホスフィン配位子でのナノ粒子の共有結合的な被覆を開示する。かかる共有結合は、本発明の目的のために、「不可逆的」であると明示される。なぜなら、これは困難さを伴ってのみ再び壊されうるからである。
【0009】
しかし、この共有結合は、配位子とナノ粒子との間の強固な結合の結果として粒子表面の化学を永続的に変化させる。さらに、かかるDPPS−被覆ナノ粒子の可能な応用は限定される。なぜなら、DPPS分子が、多くの適用のために外殻として望ましくないからである。しかし、DPPS配位子は、大いなる困難さを伴ってのみナノ粒子表面から再び除去されうる。さらに、一工程相間移動において良好な収量が得られうる標的溶液中のナノ粒子の最大濃度は、比較的低い。なぜなら、良好な移動収量は、「Liuプロセス」では至適化である水溶液中で固定されたDPPS濃度で達成されるだけであるからである。これらは、ナノ粒子に関する多くの適用のために、許容され得ない欠点であるか、または許容することが困難な欠点である。
【0010】
それゆえ、可能である場合、ナノ粒子の将来の使用の面から限定されることなく、有機溶液中のナノ粒子の合成における濃度に類似する大きさの濃度の水溶液中のナノ粒子を得ることができることが特に望ましい。
【0011】
発明の利点
本発明により開示される第一の主要な側面は、有機出発溶液から標的溶液に無機コロイド、特にナノ粒子を移動させるための物質の使用であり、ここで標的溶液は、無機溶液、特に水溶性の無機溶液または水溶性化合物、特にアルコールを0%〜100%の濃度で含む無機溶液であり、該物質は、
a)コロイドの表面に化学的に結合することができる少なくとも1つの成分Y(12)、
b)有機溶液から無機溶液へのコロイドの相間移動が達成されるようにコロイドの表面特性を化学的に変化させる少なくとも1つの成分X(16)、および
c)少なくとも成分Y(12)および成分X(16)を連結することができ、かつ成分Y(12)および成分X(16)がそれぞれの化学的親和性に基づいてそれらの化学的作用を示すことができるような十分に大きい分子サイズを有する少なくとも1つのスペーサー成分Z(14)
を含有する。
【0012】
この使用は、相間移動のために使用される前記物質が、ナノ粒子の将来の使用のために同時に機能的であるように選ばれることを特徴とする。
【0013】
標的溶液はまた、0%〜100%の濃度で、水溶性化合物、特にアルコールを含む溶液でありうる。
【0014】
本発明の基本的思想は、従って、相間移動のため、ならびにまたナノ粒子の将来の使用を考慮してその成分X、YおよびZの所望の化学機能に従ってそれを構成するための両方で、相間移動反応体、すなわち、前述の意味で「物質」を選択することである。
【0015】
従って、反応体のための物質の一般的クラスがあり、このクラスは、本明細書中以下では「MM」と省略し、上記成分を含む。反応体物質の添加は、有機相から無機相への単一工程プロセスでのナノ粒子の容易な移動を生じる。これは、その濃度が添加された水の量に依存するナノ粒子の水溶液を作製する。移動は、例えば、混合物の撹拌または振盪の形態におけるエネルギーの導入により加速されうる。水の量が有機溶媒の量に等しい場合、水中の濃度は、所望されるように、相間移動の前の有機溶媒中のそれと同じぐらい高い。
【0016】
有利なことに、有機相からの無機相の単純な分離は、十分な時間後に引き続いて行われる。なぜなら、通常、より密度の高い無機相が有機相から容易に分離されうるからである。
【0017】
従属する請求項は、本発明のそれぞれの主題の有利な態様および改良を提供する。
【0018】
相間移動が起こった後に反応物の成分Yをナノ粒子から容易に脱離することを可能にするために、ナノ粒子表面とそこに結合される相間移動物質の成分Yとの間に可逆的な結合を使用することが提案される。本発明の目的のために、「可逆的」結合は、本質的に主としてファンデルワールス力による結合のタイプを本質的に意味する。従って、少なくともナノ粒子への強固な共有結合またはイオン結合は、ナノ粒子表面10から殻分子を容易に除去できることを損なわないようにここでは除外されるべきである。
【0019】
特に、この目的のために、例えば、水溶液中の市販の4−ジメチルアミノピリジン(本明細書中以下では、省略してDMAPと呼ばれる)が十分な量で有機溶液に添加される。その環形状の結果として、ピリジンは、同時にスペーサー成分Zおよび結合成分Yを表す。環中の窒素原子は、ナノ粒子表面に結合する。これは、ほとんどの場合には、水溶液中のナノ粒子を安定化させるのに十分であるにも関わらず、比較的弱いタイプの結合である。
【0020】
出発溶液の量と比べて最大量未満に維持する注意を払うことを必要としない最小量のDMAPの単純な添加は、前述のLiuらの先行技術と比べて有利である。ナノ粒子の周りのDMAP殻分子は、任意の理由により必要である場合、相間移動が起こった後に、例えば、トルエンによって再び容易に洗い落とされうる。かかる理由は、例えば、触媒目的のために活性形態で利用可能でなければならない非常に大きな遊離ナノ粒子表面積の作製、または電流が金属ナノ粒子の層を通ってほとんどないような抵抗で流れなければならない場合でありうる。ここでは、殻分子はそうでなければ抵抗を増大する。なぜなら金属ナノ粒子が触れないからである。
【0021】
一方で、多くの適用で所望されるように、相間移動が起こった後に、殻分子とナノ粒子表面との間に非常に安定な結合が必要とされる場合、物質は、本発明に従って、効率的に不可逆的なタイプの結合が得られるように選ばれる。これは、例えば、ナノ粒子表面とMMの結合成分Yとの間の共有結合により達成されうる。この目的のために好ましい物質は、メルカプトウンデカン酸(MUA)である。
【0022】
上記から直接導きうるように、有機合成に基づくナノ粒子またはコロイドに関する先行技術の調製方法は、多くの利点を達成するために該合成に続いて本発明の最初の主要な側面による相間移動方法により非常に一般的に補充されうる。
【0023】
前述のMM物質は、以下の一般的な化学式:
X−−−−Z−−−−−Y
を有する。
【0024】
この一般式は、有機スペーサーZ、そこに結合した親水性成分XおよびZに同様に結合した成分Yを含み、コロイドまたはナノ粒子の表面に結合しうる。かかる物質の例は、4−ジメチルアミノピリジンおよび前述の濃縮された11−メルカプトウンデカン酸(MUA)トルエン溶液である。
【0025】
成分Xは、前述の意味の相間移動が起こりうるようにコロイドまたはナノ粒子の表面特性を化学的に変化させるように選ばれる。これは、官能基であるか、官能基を含むことが有利でありうる。特に、ナノ粒子表面から離れた位置にある成分Xは、ナノ粒子のさらなる使用のためにそれを特に好適にする反応性を有するように意図的に選ばれうる。例えば、これは、生物に由来する分子、例えば、特定のタンパク質に結合されて、担体としてのタンパク質とともに癌細胞に輸送されうる。付着の後、次いで、癌細胞は、標的様式でナノ粒子の物理的特性または化学的特性を利用することによる標的効果により攻撃されうる。述べられうる例は、照射により標的様式でナノ粒子の温度を増大させ、その結果、ナノ粒子は、この方法で無害にされ得る癌細胞への熱伝達によりそれらのエネルギーを移動させる。
【0026】
スペーサー成分(単数または複数)Zは、少なくとも成分Yおよび成分X(16)を連結することができなくてはならず、かつこれは、成分YおよびXがそれぞれの化学的親和性に基づいてそれらの化学的作用を示すことができるように十分に大きい分子サイズを有さねばならない。多原子化合物、例えば、環状化合物は、3つの成分の内の2つの機能、または3つの成分の機能の全てさえも発揮することができる。
【0027】
この方法では、先行技術の最も最近の進歩、すなわち、有機相中でナノ粒子として実質的に全ての関連する材料を合成しうることは、今や、経済的に有利な様式で直接利用されうる。なぜなら、それは、安定剤としてMMを用いて非常に高い濃度で水溶液中に維持することができるからである。この濃度はまた、例えば、水の一部を留去することにより、または比較的少量の水中の溶液としてMMを添加することにより増大させることができる。
【0028】
成分Xは、好ましくは、相間移動をもたらすのに十分に大きい、水に対する親和性を有する親水性特性を有する。
【0029】
この方法では、コロイドの場合、0.1nm〜1000nmまたはそれより大きな直径を有し、非水性溶媒中での無機塩または無機塩の混合物の反応により得られた無機コロイド、特にナノ粒子は、それらに吸収されるMMと呼ばれる物質の十分な量により、水溶液またはアルコール溶液に移動されうる。
【0030】
本発明により使用される物質における成分Yとしてチオールおよび成分Xとしてカルボン酸の使用は有利である。
【0031】
成分Yが、例えば、MMとして脂肪族化合物とともにMUAを使用する場合のように、コロイド表面に共有結合を形成するように選ばれる場合、多くの適用、例えば、塗料、インク等で望ましい、安定な、永続的な結合が得られる。
【0032】
成分Yが、ナノ粒子表面に非共有結合を形成する場合、これは、ナノ粒子の表面が永続的ではなく一時的にだけ修飾されるという利点を有する。これは、例えば、共役結合を有するDMAPの使用により達成されうる。洗浄は、相間移動が起こった後にナノ粒子表面を無修飾型で再び露出させることができる。従って、例えば、隣接するナノ粒子は、金属ナノ粒子が使用される場合、電流を伝導しうる。さらに、ナノ粒子の洗浄された表面は、例えば、触媒作用において、その効率を増大させる有利な様式で利用されうる。
【0033】
本発明によるこの特定の手段の化学作用は、例えばナノ粒子の周りの金硫化物の殻の形成のような先行技術におけるケースのような共有結合によりナノ粒子を修飾することなく、ナノ粒子、例えば、金属ナノ粒子または貴金属ナノ粒子、金、銀、イリジウム、白金、パラジウムの表面へのMMの適用により作製される。本発明により使用される分子の例としては、水に容易に結合する親水性部分、ナノ粒子に結合するさらなる部分およびそれらの間に位置するスペーサーを本質的に含む。前述のDMAPは、かかる分子の例である。
【0034】
その最も広い形態では、コロイドおよび特にナノ粒子のための本発明の相間移動方法は以下の通りである:
【0035】
有機開始溶液から標的溶液に、コロイド、特にナノ粒子を移動させるための方法であって、標的溶液が、無機溶液、特に水溶性の無機溶液であるか、または0%〜100%の濃度で水溶性化合物、特にアルコールを含む溶液である、方法が開示され、特許請求の範囲に記載される。これは、以下の工程により特徴づけられる:
【0036】
a)前述の請求項のいずれかに記載される予め選ばれた物質の十分量を有機開始溶液に添加すること、
b)有機相から無機相にナノ粒子を移動させること、
c)有機相から無機相を分離すること。
この方法では、高ナノ粒子濃度が標的溶液中に得られ、濃度は最初に存在するかまたは開始溶液に添加された標的溶液の量に依存する。
【0037】
本発明により使用されるMM物質、すなわち、例えば、DMAPまたはMUAが、水溶液または水溶性化合物を0%〜100%の濃度で含む溶液として予め決定された濃度で添加される場合、方法は、それぞれの作製要件を満たしうる。特に、非常に高い濃度のナノ粒子を有する水溶液が作製されうる。
【0038】
添加されるMM基材の量が、溶液中のナノ粒子の周りに単層を形成するのに十分に大きい場合、特にMM基材がMUAの場合、高い安定性のナノ粒子が得られる。
【0039】
ナノ粒子に結合したMM分子の数に対するナノ粒子の表面原子の数の比は、好ましくは、0.1〜10の範囲であり、より好ましくは約1である。
【0040】
この方法で、金属コロイド、特に金属ナノ粒子、およびコロイドまたは合金のナノ粒子を移動することができる。
【0041】
金、銀、イリジウム、白金、パラジウム、ニッケル、鉄、ロジウム、ルテニウムまたは金属酸化物、特に酸化鉄、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化スズ、各場合において、所望の効果、例えば、長期にわたって安定な着色剤かまたは他の所望の物理的特性または化学的特性、例えば、電気特性、磁気特性または他の特性を有する被覆を生じる。
【0042】
希土類元素を含む半導体ナノ粒子および無機ナノ粒子もまた移動されうる。
【0043】
さらなる工程:
標的溶液の溶媒からのコロイド、特にナノ粒子を分離し、粒子、特にナノ粒子を含む粉体またはスラリーを得ることにより、種々のタイプのさらなる処理のために標的溶液の液体形態の好ましい代替物でありうるさらなる状態のナノ粒子を得ることができる。
【0044】
MMは、溶液中でナノ粒子の周りに単層を形成するのに十分に多い量で有利に添加される。従って、この相は、ナノ粒子の表面を被覆するのに必要とされる数のMM分子を含む。しかし、大量のMMは、本発明の目的に対して有害ではない。金ナノ粒子が使用される場合、ナノ粒子に結合したMM分子の数に対するナノ粒子の表面原子の数の比は、好ましくは0.1〜10の範囲であり、より好ましくは約1である。
【0045】
高濃度の貴金属ナノ粒子:
本発明によれば、貴金属コロイドは、水溶液として、およびナノ粒子の将来の使用に特に適合しうる形態で使用されうる。これは、移動コストを減少させる。なぜなら、達成できる濃度が、今日の水中の濃度に比べて106 〜109 倍増大しうる。結果として、ナノ粒子を含む溶液の移動重量は、化学活性を維持しながら同じ率で減少する。しかし、用語「高」濃度はまた、例えば、現在市販されているような現在得られうる水中の濃度の106 倍未満である濃度をいうためにも使用される。
【0046】
この方法では、長期間安定な水ベースの変色しない着色剤が作製されうる。口紅、自動車両の塗料およびさらに印刷インクが、これらの特性から相当に役立ちうる。
【0047】
このようにかかるインクは、本発明により製造された場合、印刷されうる。なぜなら、本発明により製造された着色剤は、小さなサイズの色付与ナノ粒子の結果として印刷機、例えば、インクジェットプリンターの非常に微細なノズルをもはやブロックしないからである。本発明の塗料または表面被覆は、先行技術のものより大きなミクロンサイズの色素粒子を有する塗料と比べてその表面および内部構造に関して大いに細密である。結果として、塗料は、多くの適用分野に対して初めて適切になる。なぜなら、塗料層は、その均一な構造のために、もはや容易にははげ落ちないからである。
【0048】
標的溶液または粉体もしくはスラリーの少なくとも以下の使用が、本発明に含まれる:
【0049】
巨視体の表面の選択的な被覆、または塗料/インクとして、特に印刷用インクとして、または表面被覆、または生物に由来する分子に付着させるため、特に生体マーカーとして;
【0050】
支持体に適用され、予め決定された磁気特性を有する構造体の作製のため;
【0051】
支持体に適用され、予め決定された電気特性を有する構造体の作製のため;
【0052】
ゾルゲル法;または
コロイド、特にナノ粒子の少なくとも1つの層を有する支持粒子を被覆するための標的溶液の使用、この目的のために支持粒子とナノ粒子のコロイドとの間に十分な親和性が存在する。このプロセス工程は、支持粒子を含む支持溶液と標的溶液とを混合することの1つでありうる。あるいは、支持粒子は、標的溶液に別の形態で混合されうる。
【0053】
さらなる工程は、適切な(有機)溶媒で洗浄することによりMM物質の残留物を除去するために行われうる。
【0054】
本発明の水溶液の多くの使用のために、例えば、自動車両分野における表面被覆のために、水溶液は、例えば、先行技術によるインクジェット方法によるスプレーにより最初にそのまま、または他の成分と混合して、支持小粒子(ビーズ)に適用され得、より後の工程では、表面被覆のための成分として、1つまたはそれより多くの他の成分に添加され、これとともに習慣的な様式で適用され得、均一に分散された状態で、被覆対象に適用され得る。ビーズにスプレーすることは、それ自体先行技術、例えば、パール効果または金属表面被覆において公知である。
【0055】
前述の支持粒子(ビーズ)は、容易な取り扱いやすさのために、水性高濃度溶液からナノ粒子とともに提供される場合、特許請求の範囲の独立した主題である。それらのサイズは、原理的には、特定の場合において選択された先行技術の塗料適用プロセスに依存する。次いで、かかる支持粒子は、ナノ粒子の所望の機能に従って工業的に使用される。
【0056】
機能化殻を有するナノ粒子は、0.02ミクロンまたはそれより大きいサイズを有する特に小さい支持体に特に有利に適用されうる。支持体およびナノ粒子を含む系の所望のさらなる使用に応じて、これは、次いで、ナノ粒子上の殻を脱離するように洗浄され(例えば、MUAの場合には、使用されるべきである)、または例えば、トルエンで洗浄することにより比較的容易に除去されうる(DMAPの場合に適切である)。
【0057】
このタイプの特に有用なナノ粒子は、貴金属、特に金(Au)、それらが、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)または酸化ケイ素等のポリ電解質被覆球体に適用される場合、次いで、塩化ヒドロキシルアンモニウムおよびテトラクロロ金(III )酸(非電着性金属析出めっき)を含む溶液で処理されて、可逆的に結合したMM物質、例えば、DMAPまたはその残留物を除去し、球体のコア上に干渉性金属殻または金殻を形成する。次いで、かかる球体/表面は、広範な工業的適用または医学的適用、例えば、前述のような光通信学、癌治療、薬学、触媒反応に有利に使用されうる。本発明によれば、高負荷のナノ粒子を有する球体は、単一吸着工程で作製され得、高レベルの均一性の殻を生じる。ここでもまた、特定の適用に従って各場合において、相当の利点が本発明により達成される。
【0058】
本発明のさらなる独立した主題は、本発明によりナノ粒子が水溶液から導入された着色剤液体を含む。
【0059】
さらに、本発明は、原色赤を作製するための金ナノ粒子、原色黄を作製するための銀ナノ粒子および原色青を作製するためのイリジウムナノ粒子を用いる、混合色を作製するための原色セットの水溶液を有利に提供する。適切な量の原色を用ることにより、それゆえ、慣習の様式で全ての混合色を、例えば、イリジウムナノ粒子(青)および銀ナノ粒子(黄)を含む水溶液またはビーズを混合することにより混色緑を作製することが可能である。
【0060】
金属ナノ粒子が本発明の方法において移動される場合、これは、広範な方法最終産物のために、それぞれの所望の金属を含む高度に濃縮されたナノ粒子溶液を生じる。例えば、鉄溶液および白金溶液が調製される場合、磁気を与えることが出来るか、または永久磁石性または電気的に活性な構造体、例えば、導電体トラック、を製造するためのスプレー可能な液体作製するために寄与され得、スプレーされうるか、そうでなければ、例えば、非常に細密な構造のデータ記憶媒体が「印刷」されうる基板に適用されうる。次いで、これらは、適切な小さなサイズの誘導ヘッドにより公知の様式で読み取られるかまたは書き込まれうる。
【0061】
本発明の第2の主要な側面によれば、発明の原理は、触媒反応、慣習的な分野、例えば、ポリマー作製で適用されうる均一系または不均一系触媒反応を行うために直接的に適用され得、従って、工業的に行われる多くの化学プロセスおよび日常生活で生じるプロセスのために非常に重要である。
【0062】
この側面によれば、例えば、有機溶液として有機反応混合物に添加されうる貴金属ナノ粒子が触媒として作用する。これらは、反応液体において均一に(均一に)分散し、それらがCeolite、炭素等の支持分子に適切に結合した不均一系触媒反応よりも何倍も高い触媒効率を示す結果として、Ceolite等の支持分子に結合しない。
【0063】
次いで、基礎的な反応を行うことが可能であり、ここで、触媒作用は、生じるように有利もたらされる。なぜなら、支持分子の内部に隠れたままであるために触媒の大部分が化学的に不活性なままである不均一触媒と比べていまや何倍もの表面積、例えば、6ナノメートルナノ粒子について1g当たり200m2 が触媒的に活性である。
【0064】
反応が完了した後、触媒は、反応混合物から有利に再び除去されることができなければならない。これは、水および本発明の物質を添加することにより達成される。次いで、ナノ粒子は、上記のように、有機相から水に戻され、従って、有利に完全に回収されうる。同時に、反応混合物は、有利に触媒を含まない。
【0065】
不均一系触媒反応プロセスに適切な基材、例えば、Ceoliteまたは炭素へのナノ粒子の適用は、本発明に従って得られ得た高濃度のナノ粒子、例えば、金粒子または白金粒子を有する水溶液を用いて、より容易な様式で、例えば、本発明の水溶液が添加される場合にナノ粒子溶液の蒸発をともなうことなく、ほとんどの親水性支持材料に適用されうるナノ粒子により本発明によって改善されうる。これは、工業的に使用される触媒を製造することをより容易にし、より安価にする。
【0066】
本発明の相間移動プロセスは、関連する特許出願PCT/DE−00/03130に開示されている全てのナノ粒子に適用可能である。この方法では、本発明の方法は、記載の特許出願の開示と有利な様式で組み合わせられ得、当業者に知られている利点を生じる。
【0067】
本発明を説明する実施例を図面に示し、以下の記載においてより詳細に述べる。
【0068】
実施例の記載
図1は、金ナノ粒子の表面10の中心部を概略的に示す図である。表面は、例示的にかつ単に概略的に八角形として示した平滑な輪郭を有する線で示している。表面を理想化した形態で平滑な表面として示すが、個々の金原子で構成されている。
【0069】
表面10に結合した8個のDMAP分子を概略的に示す。これらのうち、1個だけ(最上部)を簡略化の目的のためにより詳細に示す。相間移動したナノ粒子の大きさに依存して、図の平面上には、当然、より多数の相当な殻分子が整列している。以下の記載は、ナノ粒子(図の平面外に位置するものも含む)に結合している他のDMAP殻分子にも同様に当てはまる。
【0070】
ピリジン環の環内窒素(N)原子12は、本発明に使用されるDMAP分子の構成成分Yとして、ナノ粒子表面10に結合する。ピリジン環14自体は、上部に示した親水性ジメチルアミン16に対するスペーサーZとして作用し、MM分子の構成成分Xを形成する。
【0071】
化学作用がナノ粒子の表面へのDMAP分子の適用によりもたらされるため、該ナノ粒子の表面の少なくとも大部分は、あまり大きすぎない隙間を有する単層形態のかかる分子により占有される。隙間が存在しないか、またはDMAP分子が非常に多いと、これは所望の作用を損なわない。
【0072】
したがって、この実施例において、先行技術の場合、例えばナノ粒子の周囲に硫化金の殻を形成する場合と同様に、容易に除去可能な層が、個々のナノ粒子のそれぞれの周囲に該粒子の表面を改変することなく形成される。
【0073】
図2は、2mL容エッペンドルフ・チューブ内の移動前(右側)および移動後(左側)の2相混合物中の金粒子の写真を示す。上相はトルエンであり、下相は水である。有機相においても無機相においてもナノ粒子の凝集が起こっていないことが図から明白にわかる。
【0074】
図3は、水中に移動した後の、図2の金ナノ粒子の透過型電子顕微鏡写真を示す。この場合もまた、相間移動中において、ナノ粒子の凝集も大きさ、形状、形態の変化も生じていないことが明白にわかる。
【0075】
相間移動から6ヵ月後でさえ、移動した粒子は、分解の徴候も凝集の徴候も示さない。したがって、粒子は永続的に安定であると考えられうる。有利なことには、このプロセスは、沈殿形成も溶媒交換も必要とせず、該プロセスにより移動した粒子は、共有結合した配位子によって安定化されない。後の用途を考慮して、これはチオール安定化粒子との重要な相違である。ナノ粒子のこのような濃縮水溶液の利用可能性は、細胞標識、不均一系および均一系触媒反応、固相状態物理学に対する新たな可能性、ならびにコロイド状結晶の分野における適用の新たな可能性を開く。
【0076】
また、表面を変化させる目的で、表面のコートを行なうことが原理的に可能であり、その結果、ナノ粒子の一定の所望の性質またはナノ粒子内に存在する要素の一定の所望の性質が得られる。
【0077】
以下に記載するように、均一系および不均一系触媒反応の分野にさらなる適用性が存在する。ナノ粒子は、水溶液中または、例えばアルコール高含有溶液中での微分散体として存在することから工業的に容易に入手可能であるため、これらは、例えば支持体粒子すなわちビーズにも適用されうる。好適な支持体粒子は、使用されるナノ粒子の大きさの約2倍(均一な粒径分布の場合)、すなわち約1ナノメートルから、肉眼範囲、すなわち数ミリメートルの範囲の大きさを有する。
【0078】
本発明には、コロイド状結晶および光通信学の分野、所望の光学的格子特性を得るための電気通信用光学的導波管の分野への工業的適用の可能性がある。
【0079】
相間移動したナノ粒子の調製のための工程を以下に示す。
【0080】
以下に記載する実施例に必要な原料化学物質はすべて、そのまま使用し、シグマ−アルドリッチ社から商品として入手可能である。使用した水は、使用前にミリポア精製システムに通し、この処理後、水は18MΩcmより大きな抵抗値を有する。UV/VIS試料を溶融シリカセル(Hellmar、SUPRASIL、パス長−1.000cm)に入れ、複光束分光計(CARY 4E、Varian)を用いて測定した。
【0081】
すべてのスペクトルから溶媒のスペクトルをひく。沈降を必要とした試料を、上向きに立てることができる2mL容エッペンドルフ・チューブ(3K30、SIGMA Laboratory Centrifuges)内で遠心分離する。TEM測定(Philips CM70、加速電圧=120kV)用の試料を、標準的なカーボン層を備えた銅グリッドに負荷し、試験前に乾燥させる。吸光光学器(Beckmann Optima XL−I)を用いる超遠心分離により、またはTEM分析により粒径分布を測定する。TEM分析用試料は、カーボンコート銅グリッド上にこの溶液を1滴置き、風乾することにより調製される。
【0082】
粒子は、Hayat,M.A.(Academic PressInc.、サンディエゴ、米国、1989)、またはGoia,D.V.およびMatijevic,E.単分散型コロイド状金の粒径の調整。Colloids Surf.A 146,139−152(1999)、またはGreen,M.およびO’Brien,P.単離されたナノメートル粒子としての半導体の調製における最近の進歩:量子ドットへの新たな道。Chem.Commun.,2235−2241(1999)において公表された方法により合成される。疑いの余地がある場合、これらの情報源の開示を調査しうる。
【0083】
1)
4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)水溶液1ミリリットルを、次に本発明に従って、例えば金、銀、イリジウム、白金、パラジウム、ロジウムまたはルテニウムを含有するナノ粒子混合物のアリコート1ミリリットルに添加し、トルエン中で合成し、テトラアルキルアンモニウム塩法により安定化する。その反応溶液中において、より多くのナノ粒子も同様に良好に1ミリリットルの水中に移動させることができ、これにより、後にアンモニウム塩の再利用が可能となる。有機系/水系境界を介する直接的な相間移動は、さらなる作用をなんら必要とすることなく、1時間から3時間の時間内に完了する。より速やかな相間移動は、例えば、遠心分離、振盪、撹拌の使用、すなわちエネルギーの導入により達成されうる。このことは、後の使用(分析、写真撮影)のために約1000倍に希釈しうる高濃度のナノ粒子を与える。
【0084】
2)
濃縮11−メルカプトウンデカン酸(MUA)/トルエン溶液100マイクロリットルを、上述のような、すなわち、例えば、金、銀、パラジウム、イリジウムなどを含有するナノ粒子混合物のアリコート1ミリリットルに添加し、トルエン中で合成し、テトラアルキルアンモニウム塩法により安定化するか、または米国特許第5,147,841号明細書に開示されているようなWilcoxon−AOT法により合成するが、事前の精製は必要でない。相間移動触媒の吸着は、溶液の赤色シフト、続く粒子の凝集および沈殿により生じた濁りの発生として裸眼で観察できる。コートした粒子は、有機溶液から注意深く遠心分離しうるか、または沈降させるために一晩放置しうるかのいずれかでありうる。2アリコートの開始溶液、続いて1アリコートのメタノールで沈殿を洗浄すると、反応のすべての副生成物および過剰の相間移動触媒が除去される。この後、メタノールで洗浄する。
【0085】
塩基性の水中で沈殿を注意深く振盪すると、安定で透明なナノ粒子溶液が得られる。該粒子は固体として水に添加されるため、任意の濃度の溶液を作製することができる。
【0086】
MUAを用いて行う相間移動は、例えば、粉末またはスラリーとして保存した場合、長期間安定な沈殿を生じる。このことは、特にMUA分子がナノ粒子を完全に覆っているためにナノ粒子が別のナノ粒子と接触できない場合にあてはまる。したがって、凝集も集塊も可能でない。
【0087】
3)
メルカプトプロピルトリメトキシシラン10マイクロリットルを、上述の方法によって調製されうる金ナノ粒子混合物のアリコート1ミリリットルに添加し、予め精製せずに、トルエン中で合成するか、または米国特許第5,147,841号明細書のWilcoxon−AOT法により合成する。相間移動触媒の吸着は、溶液の赤色シフト、続く粒子の凝集および沈殿により生じた濁りの発生として裸眼で観察できる。コートした粒子は、有機溶液から注意深く遠心分離しうるか、または一晩沈降させうるかのいずれかである。2アリコートの開始溶液、続いて1アリコートのメタノールで沈殿を洗浄すると、反応のすべての副生成物および過剰の相間移動触媒が除去される。
【0088】
相間移動触媒を有機系ナノ粒子溶液に、1×10-6〜100重量%の金属濃度で、特に1mg/mlの金属を1×10-6〜100重量%の濃度で、特に等容量の0.01M水溶液で添加する。これにより、有機溶液から水への完全な相間移動がもたらされる。
【0089】
上記の記載からわかるように、本発明により開示される有機溶液から水溶液へのナノ粒子の相間移動は、上記2つの例により達成されうる。また、必要とされる結合特性を有すれば、他の物質を使用することも可能である。上記図1に関する記載を参照のこと。
【0090】
本発明の相間移動プロセスは、金、銀、イリジウム、白金、パラジウム、ニッケル、鉄、金属酸化物、特に酸化鉄、酸化亜鉛、二酸化チタンおよび酸化錫のナノ粒子などの金属ナノ粒子に対して有利に使用することができ、ロジウムおよびルテニウムのナノ粒子に対しても有利に使用することができる。このようにして、水溶液中に存在し、かつ長期間安定な着色剤を有利に得ることができる。したがって、これらはまた、有機溶液中におけるかかるナノ粒子の使用が環境上の理由または健康上の問題あるいはその他の理由により通常は除外される用途にも使用することができる。上述のプロセスは、電子顕微鏡検査における材料のマーキングにも同様に使用することができる。
【0091】
半導体ナノ粒子も同様に移動させうる。
【0092】
以下の適用および利点が可能となる。
【0093】
生物学的適用、特に生体標識、蛍光による発光効果の発生、および同時に提出された上記特許出願に開示された他の適用
【0094】
ナノ粒子の種類に関係なく、有機液の代わりに水にナノ粒子を溶解することから恩恵が得られうる、環境保護に関連するすべての適用
【0095】
さらに、本発明の方法により得られる、任意の無機系、特に水溶性の溶液を使用することができ、多様に経済的に活用しうる。特に、塗料、塗料成分、印刷インクもしくは表面コーティング組成物として、または表面コーティングの構成成分として使用することができる。ナノ粒子を含有する印刷インクをインクジェットプリンターの微細なノズルを通過させなければならない場合、ナノ粒子の特別な微細性およびその狭い粒径分布から利点が得られうる。したがって、本発明によれば、かかるノズルは詰まらない。
【0096】
かかるナノ粒子を含有する塗料/インク、または類似の表面コーティングを、ノズルの通過以外で基材に塗布する場合、ナノ粒子の狭い粒径分布および小粒子径により、ミクロン範囲の粒径を有する着色性粒子の場合よりも脆化しにくい塗膜層もしくは表面コーティングがもたらされる。
【0097】
金属ナノ粒子の完全な相間移動が達成される。図2を参照のこと。また、このことは、本発明による完全な相間移動が起こるさらなる実施例において示される。かかる結果は、図4ffに示される。ここでは、以下の実験装置を使用した。
【0098】
ナノ粒子の合成:金属塩化物の水溶液30ミリリットル(HAuCl4 またはNa2 PdCl4 、30ミリリットル)を、25mM臭化テトラオクチルアンモニウムのトルエン溶液(80ml)に添加した。金属塩のトルエン相への移動は、数秒以内に明白に視覚的に認識できた。新たに調製した0.4MのNaBH4 溶液(25ml)を撹拌混合物に添加した結果、還元が直ちに開始された。30分後、二相に分離し、トルエン相を0.1M H2 SO4 、0.1M NaOHで洗浄し、水で3回洗浄した。最後に無水NaSO4 で乾燥させた。初期の高解像度TEM解析により、同様にして調製したナノ粒子は結晶性であり、キャップされた八面体形態を有することが示された。
【0099】
相間移動:0.1MのDMAP溶液1mlを、ナノ粒子混合物のアリコート(1ml)に添加した。このDMAP濃度は、完全で自発的なナノ粒子の相間移動を実施するのに充分であることがわかった。より大容量の反応溶液(0.5lまで)から水(1ml)へのナノ粒子の移動、およびテトラアルキルアンモニウム塩の回収も可能であることは注目すべきである。有機/水系界面を介する直接的な相間移動は、撹拌または振盪の必要なく、進行して1時間以内に完了した。
【0100】
さらにまた、粒子を沈殿させるためにDMAPを直接トルエン溶液に添加することも可能である。次いで、これらを水中に再懸濁させる。相間移動は、クロロホルム中で合成された同様の粒子を用いても良好であったが、他の有機系安定化剤、例えば、5,14−ジエチル−8,11−ジオキソ−7,12−ジオキサオクタデカン−2−スルホン酸ナトリウム(Na AOT)または臭化ドデシルジメチルアンモニウムを用いて合成を行った粒子を用いた場合は良好ではなかった。
【0101】
すべての試薬は、シグマ−アルドリッチ社から購入し、さらなる前処理をせずに使用した。UV/VisスペクトルをCary社のUV/Vis分光分析器(4E型)で、解像度0.2ナノメートルで記録した。ナノ粒子のゼータ電位を、Malvern社のゼータ測定器4を用いて測定し、5つの定常状態の測定値の平均をとった。Smoluchowskiの関係により移動度を電気泳動電位に変換した。フィリップス社のCM12顕微鏡を用い、120kVでTEM検査を行なった。20℃での解析的超遠心分離により測定した沈降速度から粒径分布を算出した。検出のための吸光測定器を備えたベックマン−コールター社の超遠心分離器Optima XL−1を用いて測定を行った。直径12ミリメートルのチタン「自家製」二重セクター中間片を使用した。解析的超遠心分離において、ナノ粒子の希釈試料を一定の遠心力に供する。実験開始時、細胞の半径上を固定波長でスキャンすると、一定の吸光値が得られ、これは、細胞の容積に対してコロイドの一定の分散を示す。実験の際、粒子の時間依存的な沈降の後に、局所コロイド濃度の半径方向スキャンを行いうる。実験の際の粒子の分画により、様々な時点で行なった沈降係数の分布を、一連の半径方向スキャンから算出することができる。このようにして、粒径がオングストローム範囲の場合であっても、溶媒の密度および該溶液の粘度の両方、ならびに粒子の粒径分布および密度も測定することができる。
【0102】
図4は、左から右に向かって、各場合において、相間移動の前後の、対にした5つの異なるナノ粒子溶液を示す。粒子は試料容器内で暗い色に見える。すべての原色が生じるが、もちろん、このような白黒には見えない。
【0103】
各場合において、上述のようにして、MUAを用いて反応混合物(トルエン)から水中に相間移動を行なった。実施例A、Bにより銀ナノ粒子の移動が示され、C、Dにより金ナノ粒子の移動が示され、E、Fにより白金ナノ粒子の移動が示され、G、Hにより、異なる方法で作製されたさらなる金ナノ粒子の移動が示され、I、Jによりパラジウムナノ粒子の移動が示された。
【0104】
溶解した金ナノ粒子のUV/Visスペクトルを相間移動の前後に記録し、可逆的または不可逆的に関わらず粒子の凝集、綿状沈殿または凝集およびナノ粒子の環境の誘電率における変化もまた、光学的スペクトルにおいて公知のように観察されうる。トルエンにおいて、表面プラズモンバンドの最大は、図5に示すように、波長518ナノメートルにおいてであった。相間移動後、バンドは、512ナノメートルに6ナノメートルの青色シフトを受けた。このシフトは、1.47から1.33への媒体の反射率の変化と移動中の吸着分子の置換との併合作用に基づくものであろう。任意の形態の粒子凝集は、赤色シフトおよびプラズモン吸収バンドをもたらしうる。このようにして得られるUV/Visスペクトルは、水溶液中に良好に分散された金ナノ粒子を与えることを明白に示した。パラジウムナノ粒子は、DMAP誘導性相間移動が、強い表面プラズモン吸収バンドを有さなかったため、UV/Vis実験を行わなかった。
【0105】
図6は、透過型電子顕微鏡検査(TEM)の結果を示す。TEMでは、相間移動後の金ナノ粒子およびパラジウムナノ粒子の形態において、視覚により認識可能な差を示されなかった。これは、顕微鏡写真からわかり、上側領域のAはトルエン合成金ナノ粒子を示し、顕微鏡写真Bは、DMAPの添加により行われた水中への移動後1ヶ月の試料を示す。
【0106】
トルエン溶液および水溶液の両方における金ナノ粒子試料の顕微鏡写真の解析は、標準偏差(SD)が0.7である5.5ナノメートルの平均ナノ粒子直径を示した。これらの図は、153個の粒子にもとづくものであり、115個の粒子の計測から、0.8のSDが得られた。
【0107】
パラジウムナノ粒子は、計測された145個の粒子について4.5ナノメートルの平均径および0.9のSDを与え、122個の粒子について4.8ナノメートルの直径および1.2のSDを与えた。これは、図7に示されており、この場合、トルエン中で合成されたパラジウムナノ粒子は上側領域Aに示されており、領域BはDMAPの添加により行なわれた水中への移動後の同じ試料を示す。
【0108】
エネルギー分散X線蛍光解析(X線のエネルギー分散解析、EDAX)は、水相中に移動してTEMグリッド上で乾燥した粒子上に臭化物イオンが存在しないことを示す。臭化物イオンはテトラアルキルアンモニウムイオンの対イオンであることも述べるべきである。しかしながら、微量の有機塩がなお粒子表面上に吸着されうる。
【0109】
パラジウムナノ粒子のEDAXスペクトルを図8に示し、「合成時」を上部に、水中への相間移動後を下部に示す。
【0110】
また、TEMにより得られたナノ粒子の形態に関する情報は乾燥状態と関連するため、溶液中のナノ粒子の粒径分布を得るため、解析的超遠心分離(AU)により測定を行った。
【0111】
金ナノ粒子試料のAU解析は、トルエン中では5.1nmの平均径(SD=1.1)を示し、水中では5.2nmの平均径(SD=1.1)を示した。パラジウムナノ粒子のAU解析は、それぞれ、2.8nm(SD=1.5)および3.1nm(SD=1.6)の直径を示した。これらの結果は、TEMにより測定した値と充分一致し、移動の結果、ナノ粒子の有意な凝集は生じていなかったことを再度確認するものである。
【0112】
DMAP安定化粒子の安定性を、塩濃度とpHの関数として調べた。すべての試料(Au、Pd、pH10.5)は、少なくとも6ヶ月の間、3MNaCl溶液中において安定であった(金については514nm)。マイクロ電気泳動による水溶液(pH10.5)中におけるDMAP安定化ナノ粒子のゼータ電位の測定は、+25mVの平均値(3つの異なる移動実験の試料での5つの測定値から)を与えた。これは、粒子表面が正に帯電していることを示す。粒子は、希釈酸(1mM HCl、pH3)の段階的添加によりpHを10.5から3.0に下げたとき、綿状沈殿した粒子は増加するが(視覚的に観察しうる;バックグラウンド情報を参照のこと)、7から12のpH範囲でコロイド(ゼータ電位が約35mV)として安定である。pHの低下は、プロトン化されており、したがって、もはや安定化させるためにナノ粒子の表面に結合することができない環内窒素原子の大部分をもたらすはずであるため、この観察は、相間移動の仮定のメカニズムと一致する(スキーム1参照のこと)。その結果、ナノ粒子表面の領域は「脱保護」され、これは、可逆的な凝集をもたらす。粒子の綿状沈殿の程度の減少(これは、プラズモン吸収バンドのピークにおける青色シフトにより認識されうる)は、希釈塩基(1mM、NaOH)の添加により達成され、再度、pHをその元の値(pH10.5)に上げた。凝集した粒子の分離は、すぐには起こらず、数日後にしか検出されえなかった。しかしながら、現象は、常に反復可能であった。単純な酸−塩基平衡に基づいて期待されうるように、帯電DMAP分子の割合が減るため(pH=9.6)、希釈塩基の添加により溶液のpHをpH13より上に増加させると、粒子の凝集がもたらされた。
【0113】
有機相から水相への金属ナノ粒子の自発的移動のメカニズムのよりよい理解を得るため、種々の化合物の有効性を試験した。これらは各場合おいて、0.1M水溶液として、金ナノ粒子溶液のアリコートに添加した。ピリジンおよび4−アミノピリジンによりトルエン中に懸濁された粒子の即座の凝集がもたらされ、これは、赤から青への色変化および続く沈殿形成により認識されえた。DMAPが存在する容器でのみ、水相へのナノ粒子の移動が起こった。他の試料の場合では、形成された沈殿をトルエンと水との界面で回収した。これらの結果は、相間移動を引き起こすために、電子供与性(弱塩基性)基に結合した第三級(強塩基性)アミノ基が必要であることを示す。安定化分子(DMAP)と金属ナノ粒子の表面との間に強い共有結合が形成されなかったことを示すため、水相をトルエンで数回洗浄した。水相中のDMAP含量は、粒子が最終的に凝集を形成するまで抽出回数の増加とともに継続的に減少した。この結果は、DMAPが粒子表面から離脱したことを示す。共有結合した分子は、溶媒での簡単な洗浄では除去され得ない。
【0114】
DMAP分子の存在下でのナノ粒子の自発的な相間移動の可能なメカニズムを図9のスキーム1に示す。トルエン中のナノ粒子の分散体へのDMAP水溶液の添加は、混合物の水相とトルエン相との間のDMAPの分配をもたらし(これは、有機相の薄層クロマトグラフィーにより確認した)、ナノ粒子の表面上のDMAPの物理的収着をもたらした。酸−塩基平衡の簡単な計算により、DMAP分子の98%が0.1M水溶液中で遊離塩基として存在することが示された。本発明者らは、先に平面金基材に関して記載したように、DMAP分子は、環内窒素原子を介して金属表面の原子と不安定なドナー−アクセプター複合体を形成すると仮定し、ついで、表面上の電荷が水相内への移動に必要であり、これは、特に、ナノ粒子の表面から離れた位置の環外窒素原子をプロトン化することにより達成されうる。
【0115】
図10は、経時的な相間移動の進行を示す写真を示す。トルエン溶液から0.1M DMAP溶液への金ナノ粒子の移動:左上は相間移動の開始直後であり、その右横は1分後であり、ナノ粒子の移動の開始を明白に見ることができる。左下の写真は、10分後のものであり、移動はさらに進行しており、右下の写真は、1時間後のものであり、相間移動は事実上完了している。
【0116】
本明細書に記載する方法は、有機溶媒(本発明の場合はトルエン)から水中への高効率での金およびパラジウムナノ粒子の移動の一般的な方法である。
【0117】
この方法は、少なくとも3つの利点を提供する。
第1は、高度希釈と時間を要する透析精製プロセスを必要とするヒドロゾル合成法に置き換わるものであることである。
【0118】
第2は、有機溶媒中での合成が、水中で形成される粒子よりもかなり優れた単分散性を有する高濃度のナノ粒子を与えることである。本明細書に記載された方法により、水溶液に基づく実験を行う研究者がかかる粒子を得ることが可能となる。
【0119】
第3は、有機相からのナノ粒子の移動が、沈殿の形成なしに起こるため、高価なアンモニウム塩の回収が可能である。
【0120】
さらにまた、水分散性の金属ナノ粒子は、固体として単離することができ、これは、粒子の高濃度溶液が必要とされる場合、例えば、コロイド上結晶の分野における適用に重要である。
【0121】
不均一系触媒反応において慣用的に使用されるような、負に帯電した基材に対するDMAP粒子の期待される強い親和性は、同様に、さらなる検討に値する。
【0122】
発明のさらなる非常に広範囲の局面によれば、上述の相間移動プロセスにより得られたような、無機溶液、特に水溶性の無機溶液はまた、触媒反応後の液体中における均一系触媒として使用されるナノ粒子を回収するために極めて一般的に有利に使用しうる。例えば、金ナノ粒子は触媒として反応混合物に導入され、その後、金ナノ粒子により触媒される化学反応が行われる。触媒、すなわち、この場合、金ナノ粒子は、本発明に従って、反応混合物からもう一度除去されうる。
【0123】
これは、好ましくは水中の溶液中での、上述の一般式を有する物質の1つの添加、すなわち、例えば、4−ジメチルアミノピリジンにより、達成されうる。
【0124】
上述のように、この物質は、水中への触媒の移動をもたらす。次いで、ナノ粒子を含有した水は、反応ゾーンから取り出すことができる。これにより、先行技術の場合のように、触媒が、例えばセオライトまたは炭素分子に結合した場合の何倍も高い触媒の触媒効率を達成することが可能であるという利点が与えられる。触媒分子が反応混合物中に均一に分散されており、その表面の事実上すべてが触媒反応に利用可能であるため、この効率の段階変化は一定数の触媒分子に対する触媒的に活性な表面積の大きな増加により引き起こされる。この理由のため、同じ効果に対して、必要とされる触媒はずっと少なく、このことは、特に貴金属ナノ粒子が非常に高価であるため、コストを激減させる。例えば、セオライトが触媒支持体として使用される先行技術の触媒プロセスにおいて、触媒の実質的な部分が支持体分子の内部で不活性のままである結果、触媒的に作用しうる露出した表面を有しないために、潜在的に活性な触媒表面の大部分が失われることも注目されうる。
【0125】
本明細書に示された均一系触媒反応プロセスのさらなる利点は、上述の本発明の原理を利用することにより、反応の完了後、ほぼ100%の程度まで触媒を回収できることである。また、この触媒の再利用は簡単に行うことができる。これもまた、コストのかなりの低減に貢献する。
【0126】
本発明のプロセスの変形例は、無機溶液、特に水溶性の無機溶液から有機溶液中へのナノ粒子の移動プロセスを提供する。かかる場合では、例えば有機溶液中で純粋なナノ粒子を得るため、ナノ粒子を上述のようにして、本発明の第1の主要な局面において提案したようにして水中に移動させ、選択的に分取することができる。次いで、副生成物が「混在した」有機溶媒は、単離された形態で存在し、廃棄しうるか、別の用途に流用する。この後、以下の2つの工程、すなわち水の除去および新鮮で混在物のない有機溶媒のナノ粒子への添加を行う。
【0127】
この変形例は、本質的に2つの工程を含む。
【0128】
a) 無機系溶媒の含量が減少したナノ粒子を得るための一部の無機系溶媒の除去
b) ナノ粒子への有機溶媒の添加
【0129】
これらの本質的なプロセスの工程は、例えば、かかるナノ粒子が有機溶液中で調製された後に新鮮な有機溶液中での精製されたナノ粒子の再利用のために用いられ得るが、該プロセスにおいて、ナノ粒子に加えて不要な副生成物もまた形成されうる。
【0130】
本明細書に開示された本発明の教示のさらなる態様において、以下の3つの先行技術で公知の異なる種類の触媒が、触媒プロセスの一部として本発明の工程である相間移動を用いることにより改良されうる。3種類とは以下の通りである。
【0131】
1. 均一系触媒
2. 不均一系触媒、および
3. 混合相触媒
【0132】
均一系触媒について
均一系触媒という用語は、触媒、本発明の場合はコロイドまたはナノ粒子が反応溶液中に分散される触媒反応を述べるために用いられる。これは、反応溶液中においてナノ粒子の全表面が出発材料にとって利用可能であるという利点を有する。次いで、反応は、粒子表面上または粒子表面付近で起こる。したがって、反応生成物は同一の溶液中にナノ粒子として存在する。これは、ナノ粒子が、公知の分離技術、例えば濾過を用いると簡単に溶液から除去されえないため、先行技術の様式で行なう均一系触媒反応の利点である。本発明は2つの代替例を提供する。
【0133】
a) 有機溶媒中に存在するナノ粒子は、有機溶媒中で均一系触媒として使用されうる。反応が起こった後、ナノ粒子は、次いで、本発明の相間移動プロセスを用いて溶液から除去されうる。
【0134】
b) 有機溶媒中に存在するナノ粒子は、最初に、本発明の相間移動プロセスを用い、ある種のアルコール含量を伴う、または伴わない水中に移動させる。次いで、かかる水溶性溶媒中において均一系触媒反応に使用されうる。水溶液中に移動された粒子もまた、水中で作製された粒子と比較して改良された性質を有する。例えば、それらは、溶液中で補助触媒を必要としない。
【0135】
不均一系触媒について
上述のように、均一系触媒の主な不都合点は、(生成物を再利用または精製するために)反応混合物から触媒を分離するのが困難であるということである。しかしながら、触媒が、100ナノメートルを超える大きさを有するより大きな物体に固定されていれば、分離はかなり簡単になる。先行技術で公知の支持体は、ミクロン範囲の粒径を有する。本発明は、以下のようにして不均一系触媒反応を改良しうる。
【0136】
有機溶媒中で合成されたナノ粒子は、本発明の相間移動プロセスを用いて水中に移動させうる。相間移動したナノ粒子に対して親和性を有するように選択された支持体化合物を、ナノ粒子が存在する溶液に添加することは、該支持体化合物に結合した粒子をもたらす。次いで、先行技術で公知のように、支持体化合物を洗浄し、および/または通常の方法で、触媒反応において使用するための準備をする。触媒反応の完了後、支持体に付着したナノ粒子を次いで、再利用又は分離のための公知の技術を用いて反応混合物から除去することができる。
【0137】
混合相触媒について
あるいはまた、触媒反応は、異なる相が混合されており、これらのうちの一方にナノ粒子が触媒として存在する場合にも起こりうる。ここで、「相」は、1つ以上の固体、気体または親水性もしくは疎水性の液体である。これら相の2つが混合されている場合、それらは経時的に分離する。ナノ粒子は、次いで、上述のようにして触媒として使用され得、本発明の相間移動プロセスは3通りの異なる様式で使用されうる。
【0138】
1. 反応後に触媒を分取するため、例えば、疎水性または親水性の液体の混合物中
【0139】
2. 例えば固体/気体混合物中で後に使用する固相触媒を形成するために相間移動を使用する、または
【0140】
3. 別の相との界面、例えば、適当な混合物における、親水性の液体と固体との界面で、または疎水性の液体と親水性の液体との界面で後に反応しうる水溶性ナノ粒子を形成するため
【0141】
3相、すなわち、固体、液体および気体のすべての混合形態もまた対応する様式において可能である。
【0142】
本発明を好ましい態様に関して記載したが、本発明は、それらに限定されず、種々の様式で変形されうる。特に、提供された定量的なデータは例示のためのみに提供され、本発明の範囲を制限するものではない。
【0143】
例えば、本発明の相間移動プロセスにおいて使用されるMM成分は、(ある割合のアルコールとともに、またはなしで)水溶液としてのみならず、単離された非溶解形態で添加されうる。添加は、例えば粉末またはスラリーの形態で第3の相として開始溶液に直接行うか、または所定量の目的溶液の添加の後に行う。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、例示としてDMAP構造を有する結合MM分子を有するナノ粒子を概略的に示す図である。
【図2】 図2は、2mL容エッペンドルフ・チューブ内の移動前(右側)および移動後(左側)の2相混合物中の金粒子の写真を示す図である。
【図3】 図3は、水中に移動した後の、図1の金ナノ粒子の透過型電子顕微鏡写真を示す図である。
【図4】 図4は、各場合において、MMとしてMUAを用いる相間移動の前後の5つの異なるナノ粒子試料のペア(A,B)、(C,D)、・・・の写真を示す図である。
【図5】 図5は、トルエン中(実線)および移動後(点線)の金ナノ粒子のUV/VISスペクトルを示す図である。
【図6】 図6は、トルエン中(A)での調製後および移動後1ヶ月の金ナノ粒子の透過型電子顕微鏡写真を示す図である。
【図7】 図7は、トルエン中(A)、およびMとしてDMAPにより行なわれた水中への移動後のパラジウムナノ粒子の透過型電子顕微鏡写真を示す図である。
【図8】 図8は、合成時(上)および水中への移動後(下)のパラジウムナノ粒子のEDAXスペクトルを示す図である。
【図9】 図9は、DMAP、R=C8 H17の添加によるトルエンから水中への金ナノ粒子およびパラジウムナノ粒子の相間移動のメカニズム(スキーム1)の概略を示す図である。
【図10】 図10は、金ナノ粒子のトルエンから0.1M DMAP溶液への相間移動を時間の関数として説明する写真を示す図である。
Claims (20)
- 疎水性成分Y(12) 、親水性成分X(16) および有機分子成分Z(14) を含有し、該成分X およびY を結びつけた相間移動触媒を使用して有機相から該有機相とは混和できない水相またはアルコール相に無機コロイド粒子を移動する方法であって、
i)該疎水性成分Y(12) が弱塩基性基を含み、該親水性成分が強塩基性第三級アミノ基を含み、該基が該有機成分Z(14) を介して結合されているか、あるいは
ii)該相間移動触媒がメルカプトプロピルトリメトキシシランである
ことを特徴とする、方法。 - 選択肢i)による前記相間移動触媒が4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)である、請求項1記載の方法。
- 結合している相間移動触媒分子の数に対するコロイド粒子の表面原子の数の比が、0.1 〜10の範囲である、請求項1または2記載の方法。
- 前記比が1 である、請求項3記載の方法。
- 前記コロイド粒子が金属コロイド、金属酸化物コロイド、および合金コロイドからなる群の少なくとも1つである、請求項1〜4いずれか記載の方法。
- 前記金属が金、銀、イリジウム、白金、パラジウム、ニッケル、鉄、ロジウム、およびルテニウムの群の少なくとも1つである、請求項5記載の方法。
- 前記金属酸化物が酸化鉄、酸化亜鉛、二酸化チタンおよび酸化スズの群の少なくとも1つである、請求項5記載の方法。
- 前記コロイド粒子が半導体ナノ粒子である、請求項1〜4いずれか記載の方法。
- 前記コロイド粒子が希土類元素を含む無機ナノ粒子である、請求項1〜4いずれか記載の方法。
- 前記水相が水溶性成分を含有する、請求項1〜9いずれか記載の方法。
- 前記相間移動が完了した後、前記水相またはアルコール相が前記有機相から分離される、請求項1〜10いずれか記載の方法。
- 請求項11記載の方法により得られ得る水相またはアルコール相。
- 金インクである請求項12記載の水相またはアルコール相。
- 巨視的物質の表面を選択的に被覆するための方法における請求項12記載の水相またはアルコール相の使用。
- 担体粒子を選択的に被覆するための方法における請求項12記載の水相またはアルコール相の使用。
- 生物に由来する分子をマークするための方法における請求項12記載の水相またはアルコール相の使用。
- a)塗料、または
b)印刷用インク、または
c)ワニス
としての色素溶液として、あるいはその成分としての請求項12記載の水相またはアルコール相の使用。 - 均一系、不均一系または混合相触媒を用いる触媒反応プロセスにおける請求項12記載の水相またはアルコール相の使用。
- 溶媒が前記水相またはアルコール相から除去され、それにより粉末または該粉末を含むスラリーが得られる工程を含む、請求項14〜18いずれか記載の使用。
- 前記粉末または前記スラリーが前記相間移動触媒を除去するために溶媒で洗浄される、請求項19記載の使用。
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