JP4426763B2 - 共焦点顕微鏡 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、共焦点顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
共焦点顕微鏡は従来の所謂結像型顕微鏡に比較して、面内分解能や軸上分解能(焦点深度)が2〜3割向上し、且つ試料のピンボケ像ノイズや光学系のフレアー等が無く、高コントラストで3次元画像が容易に得られるため、多くの分野(特に工業分野や生物・蛍光観察)で広く使用されるようになっている。
【0003】
従来型共焦点顕微鏡の代表例には、回転するニポウディスクで光ビームを機械的に走査し、2次元検出器で受光する方式がある(例えば特許文献1参照)。
【0004】
この方式では、回転するニポウディスク上に形成された透光用の複数のピンホールが所定間隔で螺旋状に配列されている。光源から出射された光が反射鏡とレンズにより構成される光学系で平行光線となり、そのピンホールの一つに照射される。照射光の一部はピンホールを透過後、対物レンズを透して試料に照射される。ニポウディスクの回転に伴ってピンホールがビームを横切り、ピンホール透過光は試料の弧状の領域を走査する。更に、ニポウディスクが回転することで、螺旋状に配置されたピンホールを透過した光が、次々と試料の別の領域を弧状に走査する。その結果、ピンホール透過光で試料を2次元走査することができる。その試料からの反射光を2次元検出器等で検出する。
【0005】
【特許文献1】
特開平9-329748号公報「共焦点顕微鏡」
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の共焦点顕微鏡は、結像型顕微鏡と比べて、機械的な光ビーム走査系が必要となるため、装置が大型化するという問題点があった。
【0007】
この発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたもので、小型化が可能な共焦点顕微鏡を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題の解決のため、請求項1に係る発明は、
光を出射することが可能な複数の出射画素が2次元的に配置された出射手段と、
前記出射手段の前記複数の出射画素に対応する複数の受光画素が2次元的に配置された受光手段と、
前記出射手段から出射した光を試料に照射し、前記試料面からの戻り光を前記受光手段に集光する共焦点光学系と、
前記複数の出射画素のうちの1つの画素又は互いに隣合う複数の画素群を少なくとも2ヶ所について機能出射画素として設定するとともに、前記機能出射画素以外の出射画素を遊休出射画素とし、かつ、前記機能出射画素の間には前記遊休出射画素が挟まれるように設定し、前記複数の受光画素のうち、少なくとも2ヶ所の前記機能出射画素に対応する受光画素を機能受光画素として設定するとともに、前記機能出射画素から光を出射させ前記機能出射画素に対応する前記機能受光画素で前記戻り光を受光させる処理を行ない、その後、前記処理を、前記機能出射画素と前記機能出射画素に対応する受光画素の組合せを異なる組合せに変更しながら順次繰り返して複数回行うことにより前記試料の像を得る制御手段と
を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、
請求項1記載の共焦点顕微鏡であって、
前記少なくとも2つの機能出射画素の間隔及び前記少なくとも2つの機能出射画素に対応する少なくとも2つの機能受光画素の間隔が、それぞれのエアリーディスク径の10倍を越え100倍以内であることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、
請求項1記載の共焦点顕微鏡であって、
前記制御手段は、前記少なくとも2つの機能出射画素の間隔及び前記少なくとも2つの機能出射画素に対応する少なくとも2つの機能受光画素の間隔を、前記試料面の凹凸の段差が大きいほど大きく設定することを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、
請求項1記載の共焦点顕微鏡であって、
前記制御手段は、前記少なくとも2つの機能出射画素の間隔及び前記少なくとも2つの機能出射画素に対応する少なくとも2つの機能受光画素の画素単位の間隔を、
(試料の凹凸の段差)/(2.44x焦点深度)
より大きく設定することを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明は、
請求項1記載の共焦点顕微鏡であって、
前記制御手段は、使用対物レンズの瞳径に依存するエアリーディスク径に応じて、前記機能出射画素及び前記機能受光画素を構成する画素数を変化させることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、
請求項1記載の共焦点顕微鏡であって、
前記制御手段は、前記機能出射画素から光を出射させ前記機能受光画素で前記戻り光を受光させる処理を、前記複数の出射画素のうちの異なる組み合わせの出射画素で設定された機能出射画素について複数回行う際に、複数回設定される前記機能出射画素どうしの中心間の距離を、1出射画素分あるいは前記機能出射画素を構成している縦方向あるいは横方向の出射画素数分以下に設定することを特徴とする。
【0013】
請求項7に係る発明は、
請求項1記載の共焦点顕微鏡であって、
前記制御手段は、複数の前記機能出射画素及び前記受光機能画素の配置を正方配置又は六方配置又は全有効画面の縦横比に等しい比率の矩形配置又は全有効画面の縦横比に等しい比率の交互配置とすることを特徴とする。
【0014】
請求項8に係る発明は、
請求項1記載の共焦点顕微鏡であって、
前記制御手段は、前記機能出射画素から光を出射させ前記機能受光画素で前記戻り光を受光させる処理を、前記複数の出射画素のうちの異なる出射画素で設定された機能出射画素について複数回行うことにより前記試料の像を得る際に、間引き走査及び補間により前記試料の画像を構成することを特徴とする。
【0015】
請求項9に係る発明は、
請求項1記載の共焦点顕微鏡であって、
前記共焦点光学系は、
最大歪曲収差および最大倍率色収差を前記受光画素寸法の1/5以下に補正したコリメータレンズ、第1対物レンズ及び第2対物レンズとを有することを特徴とする。
【0016】
請求項10に係る発明は、
請求項9記載の共焦点顕微鏡であって、
前記第1対物レンズ及び第2対物レンズは、最大主光線傾斜角が焦点深度内でのずれ量を前記受光画素の寸法の1/5以内になるような角度に補正してあることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態について説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る共焦点顕微鏡の概略構成図である。
【0019】
この共焦点顕微鏡は、光源11、単色フィルタ12及び集光レンズ13を有する照明系1と、2次元シャッタアレイ21、コリメータレンズ22、ビームスプリッタ23及び無限遠系対物レンズ24(有限系対物レンズも構成可能である)を有する送光系2と、第2対物レンズ31及び2次元検出器32を有する受光系3と、2次元シャッタアレイ21及び2次元検出器32を制御する制御装置40を有する制御系4と、を備えている。
【0020】
ここで、2次元シャッタアレイ21はコリメータレンズ22の焦点位置にある。2次元シャッタアレイ21は、本実施形態では、2次元のデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)で構成されており、照明系1からの光を反射して出射する複数の画素を有する。2次元シャッタアレイ21の画素を出射画素と呼ぶ。また、その1つ乃至複数の連続した出射画素が光を、コリメータレンズ22に出射している場合に、その出射画素を機能出射画素211と呼び、光を出射していない場合を遊休出射画素212と呼ぶことにする。
【0021】
2次元シャッタアレイ21を高速2次元液晶シャッタ(透過系)等に代替することも可能である。
【0022】
光源11としてレーザや通常の高輝度光源(例えば、水銀灯、メタルハライド)等が使用可能である。なお、2次元シャッタアレイ21に2次元デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を利用した場合、光源11にDMDに同期するパルス発信のレーザやLEDのアレイを利用してもよい。この場合には、DMDのミラーパターン変更に合わせてパルス状の光信号を間欠的に送ればよく(機能画素211に照射する)、照射を続ける他の光源と比べて、光利用効率が向上する。
【0023】
なお、2次元レーザダイオード(LD)アレイを使用する場合は、2次元シャッタアレイ21と照明系1を省略でき、より小型・軽量・効率的な装置になる。
【0024】
2次元検出器32は、第2対物レンズ31の焦点位置にある。2次元検出器32は、2次元シャタアレイ21内の複数の出射画素に対応する複数の受光画素を有する。受光画素の受光機能が働いている1つ乃至複数の連続した画素を機能受光画素321呼び、受光機能が働いていない画素を遊休受光画素322と呼ぶこととする。
【0025】
コリメータレンズ22、ビームスプリッタ23、対物レンズ24、及び第2対物レンズ31からなる光学系は、2次元シャタアレイ21の機能出射画素211、試料25、及び2次元検出器32上の機能受光画素321に対して、共焦点光学系となっている。すなわち、共焦点光学系は照明系がコリメータレンズ22、結像系が第2対物レンズ31で構成され、ビームスプリッタ23と対物レンズ24とは照明系、結像系で共用され、対物レンズ24の焦点位置に試料を配置する。
【0026】
次に、上記構成の共焦点顕微鏡の動作を説明する。
【0027】
光源11から出射した光は、単色フィルタ12を透過後、集光レンズ13により、2次元シャッタアレイ21に集光される。2次元シャッタアレイ21上の機能出射画素211で反射された光は、コリメータレンズ22によって平行光線へと変換され、ビームスプリッタ23を透過した後、対物レンズ24に至る。対物レンズ24に入射した光は試料25に照射される。
【0028】
試料25からの反射光は対物レンズ24により平行光線となり、ビームスプリッタ23で反射された後、第2対物レンズ31に到達する。試料25からの反射光は、2次元検出器32の機能受光画素321によって、機能出射画素211に対応する共焦点画像として検出される。本実施例の共焦点顕微鏡において、機能出射画素は出射共焦点ピンホール、機能受光画素は受光共焦点ピンホールとして機能している。以下、本明細書では、単に「機能画素」と記した場合は、機能出射画素、機能受光画素の両方を指すものとする。
【0029】
試料25全体の画像を得るために、制御装置40が搭載された制御用ソフトウエアを通して、共役な位置にある機能画素211及び321に対して、以下のような操作を行なう。
【0030】
制御装置40は、2次元シャッタアレイ21内の出射画素のうちの複数の画素を機能させ、送光系2に対して送光する。一方、制御装置40は、2次元検出器32内の受光画素から、送光した2次元シャッタアレイ21内の複数の画素に対応する受光画素を選ぶ。そして、選ばれた複数の受光画素を機能させて受光させ、複数の出射画素に対応する試料25の像を得る。したがって、一回の走査で、複数点の試料25に対する共焦点画像情報が得られる。この処理(同時多点処理と呼ぶ)を全ての画素を覆うまで複数回行ない、試料25全体の像を得る。
【0031】
上記構成で全出射画素に対応する共焦点画像を得るためには、まず、2次元シャッタアレイ21及び2次元検出器32の使用領域及び画素形状は互いに相似形で且つ使用領域内同一画素数となっていることが好ましい。更に2次元シャッタアレイ21の各出射画素からの出射光が2次元検出器32の対応する各受光画素に入射する様に、コリメータレンズ22の焦点距離すなわち倍率と、第2対物レンズ31の焦点距離即ち倍率とを決定する。
【0032】
2次元シャッタアレイ21の最適な機能画素寸法(画素に内接する円の直径即ち最適共焦点ピンホール径)は、良く知られている様に、像が高解像度、高感度、高効率となるために、エアリーディスク径と略同一とすることが望ましい。画素寸法がエアリーディスク径を越えると解像が低下し、エアリーディスク径より小さいと感度や効率が低下するからである。そこでこの最適な画素寸法になるように、逆に対物レンズ24の物体側開口数(NA)と焦点距離とから、コリメータレンズ22の焦点距離すなわち倍率を決定する。
【0033】
上記のような構成によって、大型高価な機械的なビーム走査機構を除去し、量産効果による安価な2次元シャッタアレイ(例えば、DMD)21や2次元検出器32を使用することにより、装置全体を小型・軽量・安価にできる。また、多点走査方式の撮像により、TV(ビデオ)レート(毎秒30画像)以上の高速走査・撮像を実現する。そして機械的なビーム走査機構が不用のため、直線や回転走査に伴うノイズ、走査光強度むらや画像歪が無く、低倍率・高開口数対物レンズの使用も可能になる。更に、最適共焦点ピンホール径を制御装置40に備わる制御用ソフトウエアにより迅速に変更可能なため、瞳径(=2x焦点距離x開口数)が異なり従ってエアリーディスク径の異なる種々の対物レンズの使用が可能で使用範囲が大幅に拡大する、という効果がある。
【0034】
図2は、2次元シャッタアレイ21と2次元検出器32との同期多点走査の際に使われるM個の機能画素パターン(1〜M)を、時間軸に沿って並べた図である。以下では機能出射画素と機能受光画素は常に同一形状・配置で同期して機能するため、まとめて機能画素と呼ぶことにする。
【0035】
多点走査では、(総画素数/機能画素数)の機能画素パターン数(M)がある。1画像全体は、多点走査を機能画素パターン数だけ繰り返すことにより得られる。例えば、総画素数が100万画素の場合、機能画素数が1万画素であれば、100回の走査で1画像を得られる。多点走査の機能画素の等間隔配列は機能画素単位の機能画素間隔を横方向、縦方向をそれぞれPx、Py=機能画素間隔/機能画素(自然数)とし、縦列のずれ量をD=縦列のずれ/機能画素(ゼロ、自然数)として表示できる(図7参照)。1画像を構成する機能画素パターン数はPx・Pyであり、機能画素数は総画素数/機能画素パターン数(M)となる。全画面は1つの機能画素を含むPx・Pyの走査範囲の繰り返しとなるため、これを単位走査範囲と呼ぶ。縦列のずれDは縦列の単位走査範囲の横ずれでもある。(図3〜6参照)種々の機能画素配列のうち、便宜的にPx=Py=P、D=0を正方配置と呼び(図3参照)、Pxが偶数で、Py=Px・sin(π/3)〜最近自然数、D=Px/2を六方配置と呼ぶ(図4参照)。また全有効画面の正方画素の縦横方向の画素数をTy,Txとすると、縦横比Ty:Tx=Py:Px、D=0を全有効画面比例の矩形配置と呼び(図5参照)、Ty:Tx=Py:Px,D=Px/2〜最近自然数を全有効画面比例の交互配置と呼ぶ(図6参照)事にする。
【0036】
以下図3〜6に、本実施形態に係る共焦点顕微鏡の、全有効画面形状、機能画素の間隔及び配置と走査例を示す。以下の例では簡単のため少ない画素数で説明するが、現実の装置構成では2次元シャッタアレイと2次元検出器の画素数は通常Tx〜Ty〜1000 程度であり、機能画素間隔もPx,Py=10〜100程度である。
【0037】
図3は、機能画素(共焦点ピンホール)パターンと走査方式の具体例を、時間の経過と共に表示している。この図では全有効画面Tx・Ty=12x12画素、正方配置Px=Py、機能画素間隔P=6、D=0の例で機能画素数は4である。PxP=36パターンの走査で1画像が取得できる。多点走査では相対的な機能画素の配置を保ったまま時間と共に機能画素の位置をずらして撮像する。細い実線で示される部分は1つの機能画素を含む単位走査範囲で、全ての機能画素はそれぞれの単位走査範囲内を1回走査する事により1画像が構成される。3Aは1画素ずらしながら走査する順次走査、3Bは2画素ずらしならが走査し、1画素ずらして再度走査する飛び越し走査、3Cは2画素ずらしながら走査し、不足画像を補間処理する間引き走査、3Dは斜めに1画素ずらしながら走査し、不足画像を補間する間引き走査を示している。特に、間引き走査は動態の高速撮像や3次元画像の撮像等の時に有効である。即ち、先ず1〜数画素の間引き撮像を行い、後にまとめて補間処理で画像を完成すれば、順次走査より2〜数倍の撮像速度が実現できる。
【0038】
図4は全画面Tx・Ty=12x12画素、六方配置、機能画素間隔P=6、D=3の例である。全有効画面の面積が細い実線で示される単位走査範囲の面積の倍数でないため機能画素数が走査途中で4〜6と変化する。1画像はPx・Py=PxP・sin(π/3)〜6x5=30機能画素パターンで構成される。4A〜4Dは順次走査、1画素飛び越し走査、間引き走査を示している。六方配置は同一間隔の正方配置より像の対称性が良く(後述)、また機能画素パターン数が少なく高速撮像が可能である。
【0039】
図5は全有効画面Ty・Tx=9x12画素、全画面比例の縦横比Py:Px=3:4、D=0の矩形配置の例で、機能画素数は9x12/3x4=9である。1画像はPx・Py=12機能画素パターンで構成される。5A〜5Dは順次走査、1画素飛び越し走査、間引き走査を示している。全有効画面比例の矩形配置は画像取得・処理が容易であるが、画像の対称性は低い(後述)。
【0040】
図6は全有効画面Ty・Tx=9x12画素、全画面比例の縦横比Py:Px=3:4、D=Px/2=2の交互配置の例で、機能画素は9x12/3x4=9である。1画像はPx・Py=12の走査パターンで構成される。6A〜6Dは順次走査、1画素飛び越し走査、間引き走査を示している。全画面比例の配置のため画像取得・処理が容易であり、同一間隔の矩形配置に比較して画像の対称性が高い(後述)。
【0041】
以下図7〜11に、本実施形態に係る共焦点顕微鏡の、出射画素の寸法、機能出射画素の間隔、配置例及び特徴を示す。
【0042】
多点走査では同時に多数の機能画素が存在し、試料凹凸によるそれらのピンボケ像がノイズとなる(後述)。 機能画素間の距離が方向により異なると像のノイズ即ちコントラストに方向性が出る。この像の対称性は次式Sで概略評価できる。
【0043】
S=最小・最大コントラスト比=最大・最小ノイズ比=(最小間隔/最大間隔)2正方配置ではS=P2/(P2+P2)=0.5、六方配置では全方向の間隔は一定でS={(Px/2)2+(Pxsin(π/3))2)/Px2=1 従って六方配置は方向によるコントラストの違いの無い対称性の良い配置である。像の対称性の影響は機能画素間隔Pが小さく、低コントラスト試料の観察の場合に大きいが、逆の場合は無視できる。
【0044】
図7は全有効画面Ty・Tx=27x48画素、ハイビジョン方式の全有効画面相似の交互配置の例であり、実用上の効果が期待できる。縦横比はTy:Tx=Py:Px=9:16、D=Px/2=8、機能画素数は27x48/9x16=9である。1画像はPx・Py=144の機能画素パターンで構成される。図中の機能画素間の2つの矢印と数式は最短・最長の機能画素(共焦点ピンホール)間隔を示しており、像の対称性はS=(D2+Py2)/Px2〜0.57となる。
【0045】
図8は2x2画素からなる機能画素でTVやビデオの全有効画面(Ty・Tx=36x48)相似の3:4矩形配置(Py=6,Px=8,D=0)の例であり、実用上の効果を期待できる。機能画素(共焦点ピンホール径)は2x2画素構成で中大瞳径の対物レンズ使用に適している。矩形配置のため像の対称性はS=Py2/(Px2+Py2)=0.36 で低い。
【0046】
多点走査では1機能画素が1画素で構成される場合は1機能画素(1画素)ピッチで走査するが、1機能画素が2x2画素構成のように複数画素から構成される場合には、走査ピッチを1画素から1機能画素(2画素)まで可変制御できる。1機能画素ピッチより細かいピッチの走査では解像は向上するが、走査パターン数はPx・Pyより多くなり、撮像時間も長くなる。通常は良好な解像を達成するために最小エアリーディスク径に相当する機能画素を2x2画素構成とし、1画素ピッチで走査する。この場合1機能画素(2画素)ピッチの走査に比較して解像は2倍程度になるが、走査パターン数は4倍、撮像時間も4倍になる。この機能画素の走査ピッチは目的や試料によりソフトウエアで容易に選択・制御可能である。
【0047】
一般に共焦点ピンホール(機能画素)の最適径はエアリーディスク径程度である(既述)。波長をλ、屈折率をn、対物レンズの開口角をθ、開口数をNA=nsinθ、倍率をβとすると、像側開口数はNA'=n'sinθ'=NA/βとなり、像側(機能画素側)エアリーディスク径は2δ=1.22λ/NA'=1.22λxβ/NAとなる。倍率や種別の異なる対物レンズを使用すると像側開口数(瞳径)が大きく変化するため、エアリーディス径も変化する。対物レンズの倍率と開口数を倍率x/開口数と表示すると、現実の対物レンズは5x/0.25、10x/0.3、100x/0.9等であり、それぞれNA'=0.05、0.03、0.009 となり、エアリーディスク径も5倍規準でそれぞれ1、3.3、5.6程度と大きく異なる。従って多種類の対物レンズを使用する場合、最適共焦点ピンホール径をそのエアリーディスク径にあわせるため1つの機能画素を構成する画素の数を増減させる必要がある。具体的には5x/0.25の対物レンズの機能画素を2x2画素構成とした場合(走査ピッチは1画素)、10x/0.3の機能画素は3x3画素構成、100x/0.9の機能画素は11x11画素構成の様にする。
【0048】
特に、従来像側開口数が小さい対物レンズと同時使用が困難であった低倍率・中開口数対物レンズにより、試料の広範囲を高解像力で観察・計測でき、効率が向上する。即ち、同じ開口数で倍率が2倍違う対物レンズを比較すると、倍率が半分の対物レンズでは4倍広い範囲を観察・計測でき、効率が4倍になる。
【0049】
プリント配線板、回折光学素子やMEMS(Micro Electro Mechanical System)等の微小部品の3次元形状検査では、共焦点顕微鏡により手動で設計データとその3次元形状検査結果を比較して微小部品形状の良否を判定している。一般的な検査工程ではこの種の部品は形状・大きさが多種多様であるため、部品の種類に応じて像側開口数の異なる多種の対物レンズに切り替えて使用する必要がある。しかし従来のニポウディスクによる方式では、ニポウディスクに形成されたピンホール径の変更は容易でない。従って従来型の共焦点顕微鏡では限定された範囲の対物レンズのみしか有効に使用できない。
【0050】
本実施形態の共焦点顕微鏡では、機能画素の寸法(最適共焦点ピンホール径)を制御装置40のソフトの制御により機能画素の構成画素数を増減するだけで変更・選択できるので、多種類の対物レンズ使用に対して迅速に対応できる。特に低倍率中開口数対物レンズを組み合わせることで、種々の微小部品の形状をこれまでより迅速且つ効率的に、しかもコントラストを制御して(後述)、検査することができる。更に、3次元CADデータ化した設計データと、本発明の共焦点顕微鏡による3次元形状測定結果との比較を自動化することにより比較検査過程全体を迅速・効率化できる。
【0051】
図9は5x5画素構成で全有効画面Tx・Ty=45x45画素、正方配置(Px=Py)の例である。機能画素間隔P=5、D=0より1画像はPxP=25機能画素パターンで構成される。像の対称性S=P2/(P2+P2)=0.5 100x/0.9の対物レンズの様に瞳径の小さな対物レンズに適した例である。
【0052】
図10は3x3画素構成で全有効画面Tx=Ty=45x45画素、六方配置の例である。機能画素間隔Px=6、Py=Px・sin(π/3)〜5(最近自然数)、D=Px/2=3より1画像はPx・Py=30機能画素パターンで構成される。像の対称性S=(D2+Py2)/Px2=0.94で理想的な六方配置の1より低いが実用上は問題が無い程度である。 50x/0.8の対物レンズの様に瞳径の比較的小さな対物レンズに適した例である。
【0053】
図11は全有効画面Tx・Ty=15x15画素構成の場合の他の機能画素配列の例であり、上段は点配置即ち点走査共焦点顕微鏡で、撮像時間がかかるが最高コントラスト・最高画質が得られる。機能画素間隔はPx=Py=P=Tx=Ty=15である。中段は水平多線配置で、線走査共焦点顕微鏡より高速撮像が可能である。機能画素間隔はPx=1,Py=5であり、像の対称性S=Px2/Py2<0.04は最低である。下段は全てを機能画素にした場合即ち結像型顕微鏡の場合で、最高の撮像速度が実現できるが像のコントラストは最低である。機能画素間隔はPx=Py=P=1である。本実施形態においては、機能画素の配置はハードを変更せずに制御装置40に備わる制御用ソフトウエアで目的や試料により、点、線、多点走査及び結像型(非光走査)などの走査方式の選択・制御が可能である。
【0054】
多点走査では同時に多数の機能画素が存在するため、機能画素の間隔や配置により受光ノイズが増減する。配置による像の対称性は既述したが、以下では機能画素間隔とノイズの関連及び実用上の最適な機能画素間隔範囲について説明する。
【0055】
図12は、ある時間の2次元検出器の断面図であり、機能画素間隔とピンボケ像による光量クロストークの関係を図示している。厚い試料や凹凸の大きい試料の場合は、ピンボケ像による隣接機能画素に漏れる光量クロストークが現れる。ピンボケ像が隣接する機能画素にまで及ぶと光量ノイズとなり、コントラストが低下する。隣接している遊休画素への漏れは検出されないため無視できる。以下では簡単のため、結像型(P=1)を基準に取り、機能画素は正方配置(Px=Py=P)の場合を考える。像側焦点深度はDOF'=±λ/(2NA'2) 、実寸の機能画素間隔はPr=Px1.22λ/NA'、n'=1,tanθ'〜sinθ'=NA'、図12より、隣接機能画素へ漏れないボケ量(光軸上距離)はηP'=Px1.22xλ/NA'2=Px2.44xDOF'となる。これに相当する試料凹凸(ピンボケノイズの無い試料凹凸量)をηPとすれば、ηPP'/β2、NA=β・NA'より、機能画素間隔Pに比例する次式が成立する。
【0056】
ηP=Px1.22xλ/NA2=Px2.44xDOF〜Px2xDOF
例えば、結像型(P=1)ではη1=1.22xλ/NA2=2.44xDOF、点走査共焦点(P=Tx=Ty)ではηTx=Tx・2.44xDOFだが、機能画素がただ1つなので隣接画素からの漏れ光は無く凹凸に拠らず常にηTx=∞となり、ピンボケノイズは無い。また、試料凹凸をηとし、η>ηPの場合、ピンボケノイズ(光量)は光量が保存する事からP2に反比例する。更に、機能画素間隔Pを以下の様に制御すればピンボケノイズの無い撮像ができる。
【0057】
P>η/(2.44xDOF)=η'/(2.44xDOF')
具体的な凹凸が未知の試料の場合、最初は機能画素間隔Pを小さくして高速撮像をし、その後機能画素間隔Pを大きくして撮像するのが効率的である。
【0058】
機能画素間隔Pと像のコントラストCには、以下の関係がある。I0を照射光量とすれば、ピンボケ像によるノイズはNF∝I0/P2;η>ηP、NF=0;η<ηP光学系の反射によるフレアーノイズはNO∝ I0/P2、総合した像のノイズは次式になる。
【0059】
N= NF +NO∝ I0/P2
像のコントラストCは、像強度をI∝I0とすれば、N/I<<1の場合、次式になる。
【0060】
C=(I−N)/(I+N)∝1−2N/I∝1−2/P2
すなわち、機能画素間隔Pが大きい(機能画素の数が少ない)ほど、多点走査共焦点光学系のノイズやフレアーも減少し、コントラストCは増加することになる。
【0061】
一方、撮像速度Vはパターン数P2に反比例するため、次式になる。
【0062】
V∝I0/P2
光利用効率Eは、多点走査方式の場合には2次元シャッタアレイ全体に一様に光を照射し、機能出射画素のみ光を利用するため、次式になる。
【0063】
E∝1/P2
結像型(P=1)ではコントラストCは最小であり、撮像速度Vと光利用効率Eは最大である。Pの増加に伴ってコントラストは増加していくが、撮像速度と光利用効率は2乗で減少する。以上より、ピンボケノイズの無い試料凹凸、像のコントラストと撮像速度、光利用効率のバランスを取ることが好ましい。
【0064】
具体例として、P=10(10x10=100画素当たり1個を機能画素として使用の場合)、20x/0.75対物レンズ、可視光の中心波長λ=550nmの場合、上式より無ノイズ凹凸はη〜0.012mmとなり、焦点深度(凹凸の垂直分解能)DOF=±λ/(2NA2)=0.49μmの24倍程度、空間分解能δ=0.61λ/NA=0.45μmの27倍程度である。無ノイズ凹凸を超える凹凸の試料の場合でも、結像型(P=1)に比較したピンボケノイズは1/P2=1/100になり、隣接する機能画素にもれる光量は僅かで十分共焦点光学系として機能する。また撮像時間も長くなく実用的である。
【0065】
一方、P=100(100x100=10000画素当たり1個を機能画素として使用の場合)では、同じ20x/0.75の対物レンズ、波長λ=550nmを利用した場合に、無ノイズ凹凸はη〜0.12mmとP=10の場合に比較して10倍大きくなる。つまり像の分解能は同じだが、10倍厚い試料凹凸までノイズ無く撮像できる。またこの厚さを超える凹凸の試料でも、ノイズは結像型に比べて1/10000、P=10の場合に比較して1/100となる。よって、極低コントラスト試料(反射率や透過率の差が僅かな試料)の撮像が可能になる。このようにP=100の場合に、像のコントラストは大幅に向上する。しかし、撮像時間がP=10の場合と比較して100倍かかり、光利用効率もP=10の場合と比較して1/100程度と低くなる。このため最初に2次元や3次元試料の全体を高速に撮像し(P=10)、その後必要と思われる部分のみ再度高コントラスト・高画質のP=100で時間をかけて撮像する場合や、また予め低コントラスト試料と解っているものに対してP=100で撮像時間を掛けてノイズを低減した高コントラスト撮像する場合などが想定される。これ以上の機能画素間隔P>100では、更に高コントラスト撮像になるが撮像速度と光利用効率が一層低下し(<1/10000)、実用的でなくなる。もちろん本実施形態において、凹凸や厚さが既知の試料は上記機能画素間隔P=10〜100の範囲を超えて、最適な機能画素間隔Pに変えることも、必要に応じて可能である。いずれの場合でも、機能画素間隔Pの変更は、制御装置40に備わる制御用ソフトウエアにより容易に実効可能である。
【0066】
以上より、目的や試料により機能画素間隔Pの値を変えることで、高速撮像(P=10:低コントラスト撮像を許容)、標準撮像(P〜30)、高コントラスト撮像(P=100:低速撮像を許容)を選択することができる。また2次元や3次元試料で全体を先ず高速撮像(P=10)し、次に必要部分のみを高コントラスト・高画質撮像(P=100)を再度行うこと等もできる。従って、実用的な機能画素間隔はP=10〜100程度で目的や試料により使い分ける事が適当である。
【0067】
以上説明したように、本実施形態の多点走査共焦点顕微鏡では、ソフトウエアにより機能画素寸法(1つの機能画素を構成する画素数)で最適解像・効率と使用対物レンズの選択・制御が、走査ピッチで解像の選択・制御が、機能画素間隔で撮像速度、コントラスト(ノイズ)、光利用効率の制御が、機能画素配置で像の対称性の制御が、順次や間引き等の走査方法で撮像速度の制御が出来、目的や試料形態によりこれらを迅速・容易に変更・選択・使用が可能である。具体的には、機能画素の大きさをエアリーディスク径程度、構成画素数を2x2、走査ピッチを1画素とし、その間隔をエアリーディスク径の10〜100倍程度としたことで、目的や試料により最適な撮像速度、光利用効率、高解像や高コントラストの画像が選択できる。またプリント配線板、回折光学素子やMEMS(Micro Electro Mechanical System)等の微小部品の様に厚さや凹凸が既知の試料では機能画素間隔をP>η/(2.44xDOF) とすることにより、ピンボケ像ノイズをゼロにした高コントラストで効率的撮像ができる。そして、機能画素の配置を六方配置、正方(四方)配置、矩形配置又は交互配置としたり、間引き走査・補間処理をすることで対称性の良い画像の撮像やより迅速・効率的な撮像ができる。更に、機能画素間隔を大きく制御することにより、撮像速度の制御、点走査から多点走査を経て結像型顕微鏡まで任意の撮像方式が選択・使用できる。以上の説明では、まとめて機能画素の大きさや配置について説明したが、機能出射画素の大きさや配置を変えた場合、機能受光画素の大きさや配置もそれに伴って変えることは言うまでもない。
【0068】
次に、図13及び図14で本実施形態の光学系に対する要件を説明する。本実施形態では、多点走査のため、画面全域に渡って光学像が満足すべき条件が加わる。2次元シャッタアレイ21上の機能出射画素が2次元検出器32上に形成する像と、2次元検出器32上の対応する機能受光画素との位置がずれると受光量が低下し、ピンボケによる強度低下と区別がつかなくなり、取得画像の立体的な歪や像強度の忠実度に影響する。これを避けるため位置ずれの許容規準として、80%以上の受光量確保のためにずれ面積が20%以下にする事を要件とすると、像位置のずれは最大でも画素寸法の1/5以下に抑える必要がある。像位置のずれは、光学系のテレセントリック性による縦(光軸)方向ずれ(図13)と歪曲収差、倍率色収差などの収差による横(像面内)方向ずれ(図14)がある。勿論光学系の他の収差は通常の顕微鏡用と同様に良好に補正されているとしている。
【0069】
図13は、テレセントリックで無い事による試料凹凸やピンボケに依存する本実施形態に係る機能出射画素の像の機能受光画素位置からのずれを示す。対物レンズ24や第2対物レンズ31がテレセントリックでない場合、画面周辺部でピントずれや試料凹凸に伴い、機能出射画素の像が対応する機能受光画素からずれて受光強度が低下する、強度低下を前述の許容規準以内にする為には焦点深度内でのピンボケ像位置の最大ずれ量を画素寸法(エアリーディスク径)の1/5以下に抑える必要がある。即ち、テレセントリック性を示す最大主光線傾斜角ω’はDOF'x tanω'〜λω'/(2NA'2)<2δ/5=1.22λ/(5NA') より、次式になる。
【0070】
第2対物レンズの最大主光線傾斜角ω'<2・NA'/5
対物レンズは反射光利用のため半分となり、次式になる。
【0071】
対物レンズの最大主光線傾斜角ω<NA/5
どちらも開口数が小さい程よりテレセントリック性が必要となる。例えば、通常像側開口数が最小の100x/0.9対物レンズを使用した場合、対物レンズは主光線傾斜角ω<0.9/5=0.18rad〜10°(非テレセントリック)。像側開口数が0.009なので、第2対物レンズの主光線傾斜角ω'<0.009x2/5=3.6mrad〜12’(テレセントリック)となる。この条件を満たすように、対物レンズ24と第2対物レンズ31をテレセントリックにする。実際にはずれ要因は以下の面内のずれなどもあるため、テレセントリック性単独のずれはより少なくする事が望ましい。
【0072】
図14は、像面内での像位置のずれ即ち2次元シャタアレイ21と2次元検出器32との間の、倍率誤差、歪曲収差、倍率色収差及び配置誤差等による、機能出射画素像のずれを示している。前述の様に80%以上の受光強度を得るための条件は、2次元シャタアレイ21の機能出射画素の光学系による像と2次元検出器32の機能受光画素の最大ずれ量は画素寸法の1/5以下で、次式になる。
最大歪曲収差<画素寸法/(5x最大画面半径)
最大倍率色収差<画素寸法/5
これらの条件を達成する様にコリメータレンズ22、対物レンズ24と第2対物レンズ31などの光学系の倍率色収差と歪曲収差を補正する。例えば、全有効画面が1000x1000画素の場合、最大歪曲収差<1/{5x(√2x1000/2)}〜0.03%程度以下となる。これは、従来の顕微鏡対物レンズの1/10程度の歪曲収差量である。実際には、ずれの要因が倍率誤差、歪曲収差、倍率色収差及び配置誤差など複数あるため、個々の単独要因によるずれは画素寸法/5より少なくする事が望まれる。尚、もちろん単色使用の場合には倍率色収差の条件は不要になる。
【0073】
図15は、短波長光源11、励起フィルタ26、ダイクロイックミラー27、吸収フィルタ33で構成される共焦点蛍光顕微鏡の例である。光源11にレーザなどの単色光使用の場合励起フィルタ26は不用となる。ダイクロイックミラー27の代りに45度のノッチフィルタを使用しても良い。
【0074】
図16は、偏光子28、ノマルスキープリズム29、波長板34、検光子35とからなる共焦点偏光顕微鏡と微分干渉顕微鏡の例である。ノマルスキープリズム29は微分干渉顕微鏡に使用する。偏光子28、検光子35の代りに偏光ビームスプリッタを使用しても良い。
【0075】
なお、2次元検出器32と2次元シャッタアレイ21との同期走査を行う際に、例えば、2次元検出器32の同期走査を2次元シャッタアレイ21より遅らせることにより、動態計測、蛍光寿命、蛍光偏光解消の計測などが可能となる。
【0076】
尚、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。例えば、上記の一実施形態において、新たな構成要素を加えることで、カラー、位相差等の各種方式の共焦点顕微鏡も実現が容易となる。
【0077】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、小型化された共焦点顕微鏡を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る共焦点顕微鏡の構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る共焦点顕微鏡の多点走査(2次元シャッタアレイ21と2次元検出器32との同期走査)における機能画素パターンを示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る共焦点顕微鏡における機能画素パターン(正方配置)と多点走査の走査方式を説明するための図である。
【図4】本発明の実施形態に係る共焦点顕微鏡における機能画素パターン(六方配置)と多点走査の走査方式を説明するための図である。
【図5】本発明の実施形態に係る共焦点顕微鏡における機能画素パターン(矩形配置)と多点走査の走査方式を説明するための図である。
【図6】本発明の実施形態に係る共焦点顕微鏡における機能画素パターン(交互配置)と多点走査の走査方式を説明するための図である。
【図7】本発明の実施形態に係る共焦点顕微鏡における全有効画面の縦横比例の交互配置を説明するための図である。
【図8】本発明の実施形態に係る共焦点顕微鏡における2x2画素構成の機能画素で全有効画面の縦横比例の矩形配置を説明するための図である。
【図9】本発明の実施形態に係る共焦点顕微鏡における3x3画素構成の機能画素で間隔5の正方配置を説明するための図である。
【図10】本発明の実施形態に係る共焦点顕微鏡における5x5画素構成の機能画素で間隔6の六方配置を説明するための図である。
【図11】本発明の実施形態に係る共焦点顕微鏡におけるその他の機能画素の配置例を示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係る共焦点顕微鏡における機能画素間隔とピンボケ像によるクロストークを説明するための図である。
【図13】本発明の実施形態に係る共焦点顕微鏡における共焦点光学系のテレセントリック性と像位置のずれとの関係を説明する図である。
【図14】本発明の実施形態に係る共焦点顕微鏡における2次元シャッタアレイと2次元検出器との間の像のずれを説明する図である。
【図15】本発明の別の実施形態に係る共焦点顕微鏡の構成図である。
【図16】本発明の別の実施形態に係る共焦点顕微鏡の構成図である。
【符号の説明】
1…照明系、2…送光系、3…受光系、4…制御系、11…光源、12…淡色フィルタ、13…集光レンズ、21…2次元シャッタアレイ、22…コリメータレンズ、23…ビームスプリッタ、24…対物レンズ、25…試料、26…励起フィルタ、27…ダイクロイックミラー、28…偏光子、29…ノマルスキープリズム、31…第2対物レンズ、32…2次元検出器、33…吸収フィルタ、34…波長板、35…検光子、40…制御装置、211…機能出射画素(シャッタ)、212…遊休出射画素(シャッタ)、321…機能受光画素(センサ)、322…遊休受光画素(センサ)。

Claims (10)

  1. 光を出射することが可能な複数の出射画素が2次元的に配置された出射手段と、
    前記出射手段の前記複数の出射画素に対応する複数の受光画素が2次元的に配置された受光手段と、
    前記出射手段から出射した光を試料に照射し、前記試料面からの戻り光を前記受光手段に集光する共焦点光学系と、
    前記複数の出射画素のうちの1つの画素又は互いに隣合う複数の画素群を少なくとも2ヶ所について機能出射画素として設定するとともに、前記機能出射画素以外の出射画素を遊休出射画素とし、かつ、前記機能出射画素の間には前記遊休出射画素が挟まれるように設定し、前記複数の受光画素のうち、少なくとも2ヶ所の前記機能出射画素に対応する受光画素を機能受光画素として設定するとともに、前記機能出射画素から光を出射させ前記機能出射画素に対応する前記機能受光画素で前記戻り光を受光させる処理を行ない、その後、前記処理を、前記機能出射画素と前記機能出射画素に対応する受光画素の組合せを異なる組合せに変更しながら順次繰り返して複数回行うことにより前記試料の像を得る制御手段と
    を備えることを特徴とする共焦点顕微鏡。
  2. 請求項1記載の共焦点顕微鏡であって、
    前記少なくとも2つの機能出射画素の間隔及び前記少なくとも2つの機能出射画素に対応する少なくとも2つの機能受光画素の間隔が、それぞれのエアリーディスク径の10倍を越え100倍以内であることを特徴とする共焦点顕微鏡。
  3. 請求項1記載の共焦点顕微鏡であって、
    前記制御手段は、前記少なくとも2つの機能出射画素の間隔及び前記少なくとも2つの機能出射画素に対応する少なくとも2つの機能受光画素の間隔を、前記試料面の凹凸の段差が大きいほど大きく設定することを特徴とする共焦点顕微鏡。
  4. 請求項1記載の共焦点顕微鏡であって、
    前記制御手段は、前記少なくとも2つの機能出射画素の間隔及び前記少なくとも2つの機能出射画素に対応する少なくとも2つの機能受光画素の画素単位の間隔を、
    (試料の凹凸の段差)/(2.44x焦点深度)
    より大きく設定することを特徴とする共焦点顕微鏡。
  5. 請求項1記載の共焦点顕微鏡であって、
    前記制御手段は、使用対物レンズの瞳径に依存するエアリーディスク径に応じて、前記機能出射画素及び前記機能受光画素を構成する画素数を変化させることを特徴とする共焦点顕微鏡。
  6. 請求項1記載の共焦点顕微鏡であって、
    前記制御手段は、前記機能出射画素から光を出射させ前記機能受光画素で前記戻り光を受光させる処理を、前記複数の出射画素のうちの異なる組み合わせの出射画素で設定された機能出射画素について複数回行う際に、複数回設定される前記機能出射画素どうしの中心間の距離を、1出射画素分あるいは前記機能出射画素を構成している縦方向あるいは横方向の出射画素数分以下に設定することを特徴とする共焦点顕微鏡。
  7. 請求項1記載の共焦点顕微鏡であって、
    前記制御手段は、複数の前記機能出射画素及び前記受光機能画素の配置を正方配置又は六方配置又は全有効画面の縦横比に等しい比率の矩形配置又は全有効画面の縦横比に等しい比率の交互配置とすることを特徴とする共焦点顕微鏡。
  8. 請求項1記載の共焦点顕微鏡であって、
    前記制御手段は、前記機能出射画素から光を出射させ前記機能受光画素で前記戻り光を受光させる処理を、前記複数の出射画素のうちの異なる出射画素で設定された機能出射画素について複数回行うことにより前記試料の像を得る際に、間引き走査及び補間により前記試料の画像を構成することを特徴とする共焦点顕微鏡。
  9. 請求項1記載の共焦点顕微鏡であって、
    前記共焦点光学系は、最大歪曲収差および最大倍率色収差を前記受光画素寸法の1/5以下に補正したコリメータレンズ、第1対物レンズ及び第2対物レンズとを有することを特徴とする共焦点顕微鏡。
  10. 請求項9記載の共焦点顕微鏡であって、
    前記第1対物レンズ及び前記第2対物レンズは、最大主光線傾斜角が焦点深度内でのずれ量を前記受光画素の寸法の1/5以内になるような角度に補正してあることを特徴とする共焦点顕微鏡。
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