JP4426371B2 - 麺類用中華麺臭の付与剤、および麺類への中華麺臭の付与または増強方法 - Google Patents

麺類用中華麺臭の付与剤、および麺類への中華麺臭の付与または増強方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4426371B2
JP4426371B2 JP2004137000A JP2004137000A JP4426371B2 JP 4426371 B2 JP4426371 B2 JP 4426371B2 JP 2004137000 A JP2004137000 A JP 2004137000A JP 2004137000 A JP2004137000 A JP 2004137000A JP 4426371 B2 JP4426371 B2 JP 4426371B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
noodles
noodle
egg
odor
chinese
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004137000A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005318803A (ja
Inventor
良夫 延安
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissin Foods Holdings Co Ltd
Original Assignee
Nissin Foods Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissin Foods Holdings Co Ltd filed Critical Nissin Foods Holdings Co Ltd
Priority to JP2004137000A priority Critical patent/JP4426371B2/ja
Publication of JP2005318803A publication Critical patent/JP2005318803A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4426371B2 publication Critical patent/JP4426371B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Noodles (AREA)
  • Seasonings (AREA)

Description

本発明は、麺類に適用される中華麺臭の付与剤に関する。また、本発明は、麺類の製造方法、特に中華麺臭の付与または増強された麺類の製造方法に関する。
中華麺は小麦粉等原料粉にかんすいを添加して製造されるもので、かんすいの添加によって中華麺らしいこしを与え、同時に独特の中華麺臭が付与される。しかし、麺類のうち、即席麺、とりわけ油揚げ麺においては、かんすいを生中華麺の場合に比較して極めて少量しか添加することができない。これは、かんすいを生中華麺並に添加して麺pHをアルカリ性にすると、油揚げ処理という高温での処理によってかん焼けと呼ばれる現象が起き、麺は褐変してえぐ味が生じ、特異な焦げ臭が発生してしまうためである。従って、通常市販されている生中華麺に比較して、油揚げ麺の場合はかんすいの添加量を約1/10以下程度に抑える必要があり、中華麺臭は生麺を調理して喫食する場合に比べて非常に弱く、本格的な中華麺らしい風味に欠ける欠点があった。
また、生又はα化処理した麺を包装体に密封包装して100℃以上の高温高圧で殺菌処理した、いわゆるレトルト麺の場合や、密封包装せずに麺を100℃以上の高温高圧で殺菌処理した後にこれを無菌的に密封包装した麺類においても、麺線が高温にさらされるため、即席油揚げ麺の油揚げ処理と同様に、麺原料にかんすいを添加するとかん焼けが生じ、麺は褐変してえぐ味が生じ、臭いも特異な焦げ臭が生じる。従って、このような高温高圧での殺菌処理工程を含む麺類においても、かん焼けを抑えるために、かんすいの添加量を抑える必要があり、やはり中華麺臭は非常に弱く、本格的な中華麺らしい風味に欠ける欠点があった。
そこで、前記のような各麺類において、中華麺臭を付与する方法として、中華麺臭、またはそれに類似する臭いを有する物質をかんすいの代わりに使用する方法が考えられる。このような代替かんすいとしては、特許文献1、特許文献2、特許文献3のものが知られている。しかし、これらのものはいずれもかんすい(アルカリ剤)にアミノ酸や小麦粉等を加熱反応させることによって製造されたもので、原料にかんすい自体を含んでいるために、これを麺原料に加えるとやはり高温での加熱処理時にかん焼けを起こす。従って、このような代替かんすいは、高温での加熱処理後に使用する必要があり、主として消費者が調理喫食する時点でスープに添加する形態を取らざるを得ず、この場合、麺自体が中華麺臭を有するものでないため、中華麺臭は不充分かつ不自然であった。
また、前述のレトルト麺等高温高圧での殺菌処理を行う麺においては、この処理によってかん焼けが生じるので、高温高圧での殺菌処理を行った後に包装体中にかんすいを含むアルカリ溶液を添加して、殺菌処理後に麺線にかんすいを吸着させ、かん焼けを防止しようとする方法が特許文献4、特許文献5に記載されている。しかし、このような水分含量の高いウェットな麺の場合、高温高圧での殺菌処理の後にアルカリ溶液を処理しても、室温での保存中に継時的に麺線が褐変し、やはり、異臭が生じて中華麺臭をほとんど感じることができなくなる(これを保存褐変という)。そこで、高温高圧での殺菌処理工程を有する密封包装麺においては、殺菌処理後の麺線pHを、あまり高くない特定の範囲に留めるようにアルカリ溶液を処理し、かつ、包装体中の酸素濃度を低くすることで中華麺臭を増強する方法と、包装体中にアスコルビン酸を添加する方法がそれぞれ、特許文献6、特許文献7に記載されている。しかし、これら特許文献6、7の方法を用いても、生麺を調理した時のような充分な中華麺臭を得るには至らず、さらに有効な方法が望まれていた。
なお、本発明は、麺類に中華麺臭を付与または増強することを目的とし、その解決策に中華麺臭の付与剤として、卵と油脂を混合および加熱処理した後、これから油脂不溶成分を除いて得られた油脂分(調味油の一種で、エッグオイルと呼ばれることもある)を用いるものであるが、このような製法による油脂に関する先行技術としては、特許文献8が知られている。しかし、特許文献8にはこのような調味油を麺原料に添加しようという発想はなく、ましてこれが麺類において中華麺臭の発現という効果を有することは全く予期できない。また、卵由来の油脂状物質として「卵黄油」と呼ばれる物があるが、これは卵黄からアルコール等の有機溶媒を用いて油脂分を抽出して製造されるもので、本発明の油脂分(エッグオイル)とは異なる。
特開昭63-137655号公報 特開平5-30937号公報 特開平7-227244号公報 特開平8-38084号公報 特開平8-112070号公報 特開2002-262795号公報 特開2002-262796号公報 特開2003-210108号公報
以上のような問題点に対して本発明の課題とするところは、麺原料に添加しても後の加熱工程等で褐変、変質することがない、従来にない中華麺臭の付与剤と、それを用いた麺類の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上掲の課題を解決するために中華麺における中華麺臭が、茹で卵等が有する硫化水素臭的な臭いにやや近いことに着目して、多数の卵由来の加工品についてかんすいの代替品とならないかどうか検討した。その結果、全卵粉末、卵白粉末、卵黄粉末やこれらの酵素分解物等を麺原料に添加した場合には、中華麺臭と呼べる臭いは得られなかったが、卵と油脂を混合して加熱処理した後、これから油脂不溶成分を除いて得られた油脂分(以下、本発明ではこのようにして得た油脂分を「エッグオイル」と呼称する)を麺原料に添加することで、中華麺臭の付与又は増強された麺類が得られることを知見して本発明を完成した。
すなわち、本発明は、上掲の課題を解決すべく発明されたものであり、その要旨とするところは、麺類に中華麺臭を付与または増強するのに有効な麺類用中華麺臭の付与剤であって、卵と油脂を混合および加熱処理した後、油脂不溶成分を除いて得られた油脂分(エッグオイル)を含む、またはこれを有効成分とすることを特徴とする。
また、前記加熱処理における加熱条件としては、卵を油脂と混合して110〜170℃の温度で加熱処理するのが好ましく、このような処理によって得られたエッグオイルが好ましい。110℃より温度が低いと中華麺臭が弱く、170℃より高いと焦げたような異質な臭いが強くなる。なお、原料とする卵は、液卵が好ましく、卵白や卵黄のみでも使用可能であるが、中華麺臭により近く、強い香りを得るには、液卵全卵(生卵を割卵した卵白と卵黄の両方を含むもの)を使用するのが最も好ましい。また、原料として使用する油脂(卵と反応させる油脂)としては、ラードを使用したものが最も良好な風味が得られ好ましい。なお、混合、加熱処理したものから油脂不溶成分を除いて油脂分を得る方法としては、ろ紙やフィルターによるろ過が好ましく、その他遠心分離等の方法も採用できる。
また、本発明は中華麺臭の付与または増強された麺類の製造方法であり、卵と油脂を混合および加熱処理した後、油脂不溶成分を取り除いて得られた油脂分(エッグオイル)を麺原料に添加する工程を含むことを特徴とする麺類の製造方法である。特に好ましい麺類としては、かんすいを添加すると高温での処理によってかん焼けを起こしやすい麺類、すなわち即席油揚げ麺やレトルト麺に有効である。また、麺線が水分含量の高いウェットな状態で長期保存されるために、かんすいを添加すると保存褐変を起こし易いレトルト麺や、高温高圧での殺菌処理をした麺を無菌的に密封包装した麺においても特に有効である。また、本発明は麺類に中華麺臭を付与又は増強する効果を有するものであるため、麺類の種類としては、ラーメンや焼きそば等、中華麺に適用するのが好ましい。
なお、前記高温高圧での殺菌処理をした麺を無菌的に密封包装した麺類(アセプテックと呼ばれるものの一種)における本発明の製造方法としては、具体的に次の製造工程によるものが好ましい。すなわち、A:卵と油脂を混合および加熱処理した後、油脂不溶成分を除いて得られた油脂分(エッグオイル)を、小麦粉等原料粉に練り水とともに添加し、さらに必要に応じて副原料を添加し、混練して麺生地を作成する工程、B:麺生地を圧延して麺帯とした後切り出すか、または麺生地をダイから押出して生麺線を得る工程、C:生麺線をそのままかまたはα化処理した後に、湿熱下120℃で4分以上またはこれと同等の殺菌効力で、高温高圧で殺菌処理する工程、D:殺菌処理後麺線に無菌的にアルカリ剤を吸収させる工程、E:アルカリ剤を吸収させつつ、または吸収させた麺線を無菌的に包装体に密封包装する工程、F:包装体ごと二次加熱処理し、麺線pHをアルカリ性に調整する工程、のA〜Fの各工程を有する麺類の製造方法による。
この製造方法によれば、ウェットな状態でありながら長期保存が可能で、しかも中華麺臭を有する麺を得ることができる。なお、前記工程Cの殺菌処理によってもかん焼けしない程度の少量のアルカリ剤(かんすい)を、工程Aにおいて副原料として添加しておくのが、本発明のエッグオイルの添加による効果と併せた相乗効果が期待できて好ましい。また、前記工程Fにおける二次加熱処理後の麺線pHが、保存褐変を起こさないアルカリ性のpHの範囲、すなわちpH8.1〜9.7に留まるように、工程AまたはDにおいてアルカリ剤(かんすい)の量を調整して添加しておくのが、本発明のエッグオイルの添加による効果との相乗効果が期待できて好ましい。
また、前記各麺類の製造方法において、卵と油脂を混合および加熱処理したものから油脂不溶成分を除いて得られた油脂分(エッグオイル)の添加量としては、麺原料粉1kgに対して10〜50gが特に好ましい。
本発明の麺類用中華麺臭の付与剤によれば、麺類において中華麺臭を付与または増強することができる。この中華麺臭の付与剤は、卵と油脂を加熱処理することによって得られるものであるため、従来の代替かんすいと違ってかんすいの成分を含まず、従って、麺製造工程の原料混練時に原料に添加しても、後の加熱工程や保存時において、かん焼けや保存褐変を生じることが無く、麺線自体が中華麺臭を有する本格的な麺とすることができる。
特に、高温での加熱工程によって褐変しやすく、そのためにかんすいの添加量を少量に抑制する必要があった即席油揚げ麺やレトルト麺、あるいは、水分含量が高い状態で長期保存されるために保存褐変を起こしやすく、かんすいの添加量を抑制する必要のあったレトルト麺や高温高圧で殺菌処理した麺を無菌的に密封包装した麺において、中華麺臭を付与、増強できる点で有利である。
また、本発明の麺類の製造方法によれば、麺線に中華麺臭を付与または増強することができる。方法としては、麺原料にエッグオイル(本発明における中華麺臭の付与剤の構成成分)を添加して製麺する方法であり、原料に添加することで麺線中に均一かつ正確量添加することができる。なお、エッグオイルはその一般的な使用方法である炒め調理に使用する場合には、中華麺臭とは異なる風味を持つものであり、本発明における中華麺臭の付与または増強効果は、製麺工程において麺原料粉に添加することで得られる特別な効果である。また、中華麺臭を得るための添加量としては、麺原料粉1kg当たりのエッグオイルの量として、好ましくは10〜100g、特に好ましくは10〜50g添加するのが良い。10g以下では効果が弱く、100g以上では製麺性が悪くなる傾向が見られる。
以下、具体的に麺類の製造工程に従って本発明を説明する。
本発明で用いられる、卵と油脂を混合および加熱処理した後、これから油脂不溶成分を除いて得られた油脂分、すなわち、本発明でいうエッグオイルとしては、主に業務用に調味油として流通しているものがある。流通している商品としては商品名「たまごゆ(太陽化学(株)製)」等があり、これらのものは一般に卵入りチャーハン等炒め調理する食品の香味付け及び調理油として用いられるものである。しかし、臭いとしては炒めた卵臭を付与するもので、通常使用されるチャーハン等に用いた場合の風味は中華麺臭と呼べるものではない。
本発明者らの実験によると、このようなエッグオイルが中華麺臭を有するための条件としては、麺原料にエッグオイルを添加して製麺することと、エッグオイルの製造方法において、油脂と卵を混合して反応させる時の加熱温度が重要で、加熱温度は110〜170℃、特に好ましくは130〜150℃で加熱処理したものが良好である。110℃以下では臭いが弱く、170℃以上では焦げ臭のような異質な臭いが付与される。また、油脂に混合する卵は、液卵全卵(生卵を割卵して得た液卵で卵白と卵黄の両方を含むもの)が最も良く、掻き混ぜて溶き卵状にして油脂と混合するのが良い。しかし、卵白のみや卵黄のみのものでも強くはないが、中華麺臭に近似する風味の付与または増強効果が得られる。市販されているエッグオイルには、卵黄またはその加工物のみを卵由来の原料として製造されたものもあり、このようなものでも中華麺臭は得られるが、若干鶏小屋的で異質な風味があり、全卵を用いたものの方が中華麺臭に近く、かつ強く好ましい。
また、エッグオイルの調製時に使用する油脂としては、それ自身があまり臭いを有さない固形脂であるのが好ましく、特にラードを用いた場合が最も中華麺臭に近い香気が得られる。油脂と卵(全卵液卵の場合)の配合比率は卵:油=1:4〜3:2程度、特に好ましくは2:3程度が良い。このように、卵と油脂をよく混合して、または混合しながら加熱処理し、次いで油脂不溶成分を取り除く。混合および加熱処理は、加熱した油脂に卵を入れ、さらに掻き混ぜながら加熱処理するのが好ましく、数分以上、好ましくは1時間以上加熱して反応させる。反応させた油脂は、油脂が液体の状態において油脂分を回収してエッグオイルとするが、油脂分の回収方法としては、ろ紙、フィルター等を用いてろ過する方法が好ましく、その他の方法としては、静置して、あるいは遠心分離等によって不溶分を取り除く。
本発明の中華麺臭の付与剤としては、前述のようにして調製されたエッグオイルを、そのまま本発明の中華麺臭付与剤とすることもできるが、前記のエッグオイルに増量剤や乳化剤、あるいはトコフェロール等抗酸化剤等を添加して、これを本発明の中華麺臭の付与剤とすることもできる。なお、このようにして製造した本発明の中華麺臭の付与剤は、原料油脂の由来によって固形である場合と、液体である場合があり、本発明ではいずれの形態のものも使用することができる。
本発明では、上述の中華麺臭の付与剤(エッグオイルのみからなるか又はエッグオイルを成分として含むもの)を麺原料に添加する。添加方法は中華麺臭の付与剤が固形脂である場合には溶かして、液脂である場合にはそのままで、小麦粉等原料粉に少量ずつ滴下するか、霧状に噴霧して均一になるように添加する。あるいは、乳化剤等を使用して練り水に懸濁させる等の処理を行った後、練り水と共に原料に添加することもできる。また、褐変を起こさない程度に麺原料にかんすいを添加しても良い。かんすいとしては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムを主体とするものが一般的で、添加量としては即席油揚げ麺の場合で、例えば原料小麦粉1kg当たり2g程度以下の量を添加することができる。また、かんすいと一緒に又は別工程で、必要に応じて食塩、増粘類、調味料等の副原料を、前記練り水に溶かすか、練り水と別に添加しても良く、これらを原料粉、練り水とともによく混練して麺生地を調製する。
上記のようにして調製した麺生地は、複合機や圧延ローラ等を用いて圧延して麺帯とした後、切り出して麺線とするか、エクストルーダー等で押出して生麺線とする。生麺として販売される場合には、この麺線を茹でて調理すれば喫食でき、また、乾麺とする場合にはこの麺線を乾燥処理し、喫食時にはこれを茹で調理して喫食する。これら生麺や乾麺の場合については、製造工程において高温での加熱処理を行わないので、かんすいの添加量を多くすることができ、本発明の中華麺臭の付与剤を使用しなくとも自然な中華麺臭を得ることができるが、本発明の中華麺臭の付与剤を原料に添加することで、中華麺臭をより強化することもできる。
また、製品を茹で麺、または蒸し麺とする場合には、このような生麺または乾麺を茹でまたは蒸してα化処理する。茹で又は蒸しの条件は通常100℃以下であり、加熱時間も短いので、かん焼け(褐変)はほとんど起こらず、やはり本発明の中華麺臭の付与剤を添加しなくとも中華麺臭を得ることができるが、生麺同様に本発明の中華麺臭の付与剤を原料に添加しておけば中華麺臭を増強することができる。
即席麺の場合、上記生麺や乾麺を蒸煮または茹でてα化した後、必要に応じて着味処理し、油揚げ麺の場合にはフライ用リテーナに1食分づつ投入して150〜160℃程度の食用油で約2分程度油揚げ処理する。一方、熱風乾燥麺の場合には、蒸煮または茹でた麺を通常80〜100℃程度で60分程度乾燥処理するが、80〜100℃での熱風乾燥に代えて、低温で長時間かけて乾燥することもできる。また、α化した麺を一旦凍結させて減圧下で乾燥する凍結乾燥法によって即席麺化することもできる。上記いずれの即席麺においても、本発明の中華麺臭の付与剤を原料に添加することによって、中華麺臭を付与、増強することができる。しかし特に、即席麺が即席油揚げ麺の場合は、油揚げ処理という高温での処理工程を製造工程中に有するために、生麺並みの量のかんすいを添加するとかん焼けを起し、かんすいの添加量を非常に少なくする必要があったが、本発明の中華麺臭の付与剤を原料に添加することで、かん焼けせずに、中華麺臭を付与、または増強することができる。
レトルト麺の場合、上記生麺線等をそのまま、または蒸煮、もしくは茹でてα化処理し、包装体(レトルトパウチ等)に密封包装して100℃以上の高温高圧で殺菌処理する。通常、常温での長期保存(数ヶ月以上)を可能にするためには、食中毒菌の芽胞をほぼ完全に死滅させるための条件であるF0値=4に近い、品温120℃4分以上に相当する高温高圧での処理で殺菌処理する(安全を見て通常はF0値=10以上の負荷を掛ける)。この殺菌条件は非常に過酷であるため、原料へのかんすいの添加量を非常に少なく抑えなければかん焼けする。従って、従来は中華麺臭を有するレトルト麺の製造は困難であったが、原料に本発明の中華麺臭の付与剤を添加すれば、中華麺臭を有するレトルト麺を得ることができる。
なお、本発明の中華麺臭の付与剤の添加だけでは中華麺臭が充分で無い場合には、麺原料にかん焼けしない程度の少量のかんすいを添加するか、長期間の保存中に褐変を起こさない程度の量のかんすいを、前記加熱殺菌処理以降の工程で密封包装体内の麺に添加、吸着させるのが良い。後者の方法としては、無菌のアルカリ溶液(かんすいを含む)を、滅菌した注射器等を用いてレトルト処理後の包装体内に注射し、注射穴を塞ぎ、包装体内に添加したアルカリ溶液を麺線に吸収させた後、約100℃以下の温度で二次加熱処理(80〜100℃程度で30〜60分程度が良い)する。
ただし、このように高温高圧での殺菌処理の後にアルカリ溶液を麺線に吸着させる方法は、pHが高すぎると室温で長期間保存することによって麺線は保存褐変を起こす。従って、保存褐変が起こりにくい範囲で添加できるかんすいの量としては、本発明者らの実験によると、添加後約100℃以下での加熱処理後の麺線pHが8.1〜9.7になる量に抑える必要がある。従って、レトルト麺において中華麺臭を付与する場合、レトルト処理の後にアルカリ溶液(かんすい)を添加して二次加熱処理する方法と、原料にエッグオイルを添加しておく本発明の方法の、両技術を組み合わせて用いることが特に好ましい。また、特開2002-262795号(特許文献6)のように、酸素透過性の低い包装体を用いて包装体内の酸素濃度を低くして充填する方法や、特開2002-262796号(特許文献7)のように、アスコルビン酸を添加する方法も組み合わせて用いるのに有効である。
なお、麺線を密封包装後高温高圧で殺菌処理する、前記のいわゆるレトルト麺の場合には、麺線が崩壊して団子状になったり、麺質が極端に悪化する等の問題がある。そこで、麺線を密封包装せずに高温高圧で殺菌処理し、その後無菌的に密封包装する技術もあり、本発明はこのような麺類にも好ましく利用できる。密封包装せずに殺菌処理することで麺線の昇温、降温に要する時間を短縮でき、麺線に与える熱負荷を低減することができ、レトルト麺に比べてはるかに良好な麺質の長期保存麺が得られる。具体的には、前述の生または蒸煮もしくは茹でた麺を、蓋のないトレーや包装体に開口状態で入れ、これをレトルト殺菌庫で高温高圧で殺菌処理する。高温高圧で殺菌処理した麺は無菌的に無菌庫内に排出するか、蒸気殺菌庫内において無菌状態を維持したまま滅菌済みの包装体に無菌的に密封する。このような麺の場合にも高温高圧での殺菌工程を含むために、中華麺臭が感じられるほど麺原料にかんすいを入れておくことができないが、本発明の中華麺臭の付与剤は高温高圧での殺菌処理においても褐変が生じないので、本発明はこのような麺においても特に有効である。
また、このように高温高圧で殺菌処理した後無菌的に密封包装する麺においても、前記レトルト麺の場合と同様、殺菌処理後の例えば密封包装時に、殺菌処理した麺と一緒に包装体内に無菌のアルカリ溶液(かんすいを含む)を添加して密封するか、殺菌処理した麺に別途滅菌したアルカリ溶液を吸着させた後に密封包装して、これを100℃以下(好ましくは80〜100℃で30〜60分程度がよい)で二次加熱処理する方法を採ることもでき、中華麺臭をさらに増強したい場合には特に好ましい。なお、この場合も、レトルト麺同様に保存褐変を防止する観点から、アルカリ溶液の添加量を、100℃以下での加熱処理後の麺線pHが8.1〜9.7になる範囲に留めておくのがよい。また、前記のレトルト麺の場合と同様に、特開2002-262795号(特許文献6)、特開2002-262796号(特許文献7)等の方法も併用することが好ましい。
以上のように、本発明の中華麺臭の付与剤を麺原料に添加すれば、あるいは本発明の麺類の製造方法によれば、いずれの麺類の場合においても中華麺臭を付与または増強することができる。特に、高温での加熱処理工程を有することによって褐変が起こるため、かんすいの添加量を抑える必要があった即席油揚げ麺やレトルト麺において、また、室温での長期間の保存中に保存褐変が起こるためにかんすいの添加量を抑える必要のあったレトルト麺や高温高圧での殺菌処理後無菌的に密封包装する水分含量の高い麺類において、中華麺臭を付与または増強するのに有効である。なお、本発明において特に有効な中華麺臭の付与剤の添加量としては、いずれの麺の場合でも、原料粉1kg当たりエッグオイルの量で10〜100g、好ましくは10〜50gを麺原料に添加する。10g以下では中華麺臭は充分に付与されにくく、100g以上添加すると、製麺性が悪くなる傾向がある。
本発明を実験例、実施例に基づいて、以下に具体的に説明するが、本発明は、これら実験例、実施例の開示に基づいて限定的に解釈されるべきでない。
[実験例1](各種卵由来物添加による中華麺臭の比較)
小麦粉950gと澱粉50gを主原料粉とし、これに下記各種卵由来品20gを均一になるように粉体混合し、かんすい(炭酸ナトリウム:炭酸カリウム=2:1)1.5g、ポリリン酸ナトリウム1g、クチナシ色素1gを溶解した練り水350mlを加えてミキサーで15分間混練してドウを形成した。これを圧延機で1.5mmに圧延し、角刃20番で切り出して麺線とし、約2分間蒸し器で蒸して、次いで1食分110gずつにカットした。カットした麺線を0.5%乳酸水溶液20gとともにステンレス製の開口カップに充填した。
次いで、麺を充填した開口カップを蒸気殺菌庫に入れて庫内の空気を一旦真空ポンプで排出し、ほぼ真空状態とした後、加熱蒸気を注入して品温130℃で2分間(F0≒14)高温高圧で加熱殺菌を行った。殺菌終了後直ちに庫内の蒸気を排出して急速冷却し、滅菌した無菌のクリーンブース内に蒸気殺菌庫から無菌性を維持したまま開口カップごと排出した。
前記クリーンブース内において滅菌した酸素非透性のアルミナ蒸着パウチ(サイズ140×160mm)内に、前記の殺菌した麺と3%炭酸Na、3%アスコルビン酸Na溶液20gを添加して熱シールして密封包装し、85℃60分間加熱処理した。この時の麺のpHを測定したところ、いずれのサンプルも約9であり、製品重量は約150gであった。この包装麺(高温高圧で殺菌処理後無菌的に密封包装したウェットなタイプの麺で、室温で数ヶ月以上の保存が可能)を室内にて一日保存した後、包装体より麺塊を丼型容器に移し、熱湯300mlを加えて箸でほぐし、パネラー5人にて試食し官能試験を行った。
本実験例1で使用した卵由来品は、下記に記載の製法によって製造したエッグオイルの他、全卵粉末(太陽化学(株)製商品名「サンキララTW」)、卵白粉末(第一化成(株)製「NS−1」)、卵黄粉末(太陽化学(株)製「サンキララTY」)、全卵酵素分解物粉末(太陽化学(株)製「エグレートパウダー」)、卵白酵素分解物粉末(太陽化学(株)製「プロフィックス」)、卵黄酵素分解物粉末(太陽化学(株)製「ヨークレートパウダー」)と、対照品としてこれらを添加していないものを作成し、各卵由来品を添加したものと比較とした。結果は表1に示すが、表の通りエッグオイルのみ中華麺臭的な風味が増強された。
エッグオイルの製造方法: フライパンにて加熱・融解させた100℃の市販のラード150g中に、生卵を割卵して得た液卵全卵を溶き卵状に掻き混ぜたもの100gを投入し、焦げないように加熱・撹拌を行った。ゆっくり加熱し、約100分間かけてラードの温度が130℃に達した時点で加熱を終了し、油分のみを濾紙で濾過して回収しエッグオイルを得た。
Figure 0004426371
[実験例2](エッグオイルの卵の由来に関する比較)
実験例1でエッグオイルに中華麺臭増強の効果が見られたので、実験例1に記載のエッグオイルの製造方法において、液卵全卵に代えて卵白液、卵黄液を原料として、前記エッグオイルと同様に抽出油を作成し、それぞれ各20gを麺原料に添加して、実施例1と同じ製法で包装麺を得、実施例1同様に無添加の対照品と比較した。結果は表2に示す通り、液卵全卵を用いて製造したエッグオイルに強い中華麺臭が認められたが、卵白液を原料とするものでは若干中華麺臭的な風味が増強された程度、卵黄液を原料とするものでは多少増強されたものの若干鶏小屋的な異臭が感じられた。
Figure 0004426371
[実験例3](エッグオイルの抽出時温度の違いによる比較)
前記実験例2より、原料を液卵全卵とするのが良いことが判ったので、卵と抽出油の反応温度(加熱温度=到達温度)を変えてエッグオイルを作成する場合の好ましい反応温度を検討した。エッグオイルを原料に添加する以降の工程は実験例1と同じ製法で包装麺を得、実験例1同様に無添加の対照品と比較した。結果は表3に記す通り、反応温度が110〜170℃、特に130〜150℃で反応させたエッグオイルが良好であった。
Figure 0004426371
[実施例1](エッグオイルの添加量による効果の比較)
実験例1と同じエッグオイルを用い、その麺原料への添加量を5gから100gまで段階的に変更し、実験例1と同じ製法で包装麺を得、実験例1同様に無添加の対照品と比較した。結果は表4に記す通り、20gが最も良好で、原料粉1kg当たり10〜50gの範囲で添加するのが良いと思われた。また、製麺性については100g添加でやや悪くなる傾向が見られた。
Figure 0004426371
[実施例2](即席油揚げ麺での製造例)
小麦粉1kgを主原料粉とし、これにかんすい(炭酸ナトリウム:炭酸カリウム=2:1)2g、食塩10gを溶解した練り水330mlと実験例1のエッグオイル20gを加えてミキサーで15分間混練してドウを形成した。これを圧延機で1.0mmに圧延し、丸刃22番で切り出して麺線とし、約2分間蒸し器で蒸して、次いで1食分110gずつにカットした。カットした麺線を13cm×12cm×深さ3cmの金属製のフライリテーナーに充填した後、150℃に熱したパーム油中で約2分間フライし油揚げ麺とした。
この油揚げ麺を、冷却した後熱湯500mlにて鍋炊き3分調理した後、パネラー5人にて試食を行った。その結果、エッグオイルを添加した製品は添加しない製品と比べて、中華麺臭の感じられる良好な即席油揚げ麺であった。

Claims (3)

  1. 卵と油脂を混合および加熱処理した後、油脂不溶成分を除いて得られた油脂分を含むこと特徴とする麺類用中華麺臭の付与剤。
  2. 前記加熱処理の温度が110〜170℃であることを特徴とする請求項1記載の中華麺臭の付与剤。
  3. 卵と油脂を混合および加熱処理した後、油脂不溶成分を除いて得られた油脂分を、麺原料に添加することを特徴とする麺類の中華麺臭の付与または増強方法。
JP2004137000A 2004-05-06 2004-05-06 麺類用中華麺臭の付与剤、および麺類への中華麺臭の付与または増強方法 Expired - Fee Related JP4426371B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004137000A JP4426371B2 (ja) 2004-05-06 2004-05-06 麺類用中華麺臭の付与剤、および麺類への中華麺臭の付与または増強方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004137000A JP4426371B2 (ja) 2004-05-06 2004-05-06 麺類用中華麺臭の付与剤、および麺類への中華麺臭の付与または増強方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005318803A JP2005318803A (ja) 2005-11-17
JP4426371B2 true JP4426371B2 (ja) 2010-03-03

Family

ID=35466547

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004137000A Expired - Fee Related JP4426371B2 (ja) 2004-05-06 2004-05-06 麺類用中華麺臭の付与剤、および麺類への中華麺臭の付与または増強方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4426371B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101753210B1 (ko) * 2010-07-01 2017-07-04 토요 수이산 가부시키가이샤 건면 및 그 제조방법
JP5389874B2 (ja) * 2010-08-20 2014-01-15 日清食品ホールディングス株式会社 ノンフライ即席麺の製造方法
JP6253232B2 (ja) * 2012-12-28 2017-12-27 太陽化学株式会社 油ちょう食品用劣化臭防止剤及び油ちょう食品
JP6913041B2 (ja) * 2018-02-05 2021-08-04 日清食品ホールディングス株式会社 中華麺用フレーバー及びその製造方法、並びに該中華麺用フレーバーを含有する中華麺及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005318803A (ja) 2005-11-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6140328B2 (ja) 不快臭の消臭方法、並びに、食感の改善方法
JP7139160B2 (ja) 食品組成物及びその製造方法
JP4426371B2 (ja) 麺類用中華麺臭の付与剤、および麺類への中華麺臭の付与または増強方法
KR101903453B1 (ko) 제품 고사리육개장 제조방법
JP4402319B2 (ja) 麺類の褐変防止方法
JP6472985B2 (ja) キノコ含有乳化ソースの製造方法
JP7028447B2 (ja) 密封容器入り調理肉様加熱殺菌加工食品及びその製造方法、並びに密封容器入り調理肉様加熱殺菌加工食品表面の結着及びべたつき防止方法
JP6913041B2 (ja) 中華麺用フレーバー及びその製造方法、並びに該中華麺用フレーバーを含有する中華麺及びその製造方法
JPS59143561A (ja) 食品の風味改良剤
JP2002262796A (ja) 包装麺類およびその製造方法
JP2002325550A (ja) 香味増強素材、これを含む調理食品又は調理食品用基材
JP2006223236A (ja) 玉ねぎ茶の製造方法及び玉ねぎ茶
JP3783044B2 (ja) 包あん食品及びその製法
JP6705183B2 (ja) 高炭水化物含量の野菜を含む冷凍食品
KR101299703B1 (ko) 감태를 이용한 샤브샤브 육수 제조방법 및 이를 이용한 샤브샤브 제조방법
JP6647781B2 (ja) ハーブ含有食品
RU2194409C2 (ru) Способ производства мясоовощных консервов
KR101904099B1 (ko) 제품 몸국 제조방법
JP3051822B2 (ja) 肉類含有食品の製造方法
JP2001204414A (ja) 包装麺類およびその製造方法
RU2188552C1 (ru) Способ производства мясоовощных консервов
CN108402428A (zh) 一种炒制泡菜的生产工艺
RU2193320C2 (ru) Способ производства мясоовощных консервов
RU2194393C2 (ru) Способ производства мясоовощных консервов
RU2194394C2 (ru) Способ производства мясоовощных консервов

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070502

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090610

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090805

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091111

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4426371

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121218

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121218

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151218

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees