JP4425829B2 - 食器洗浄機 - Google Patents
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Description
特許文献1の技術では、泡の異常発生を検知するときのフロートの高さは、洗浄槽内に洗浄水が正常水位(洗浄槽内に正常に洗浄水が給水されたときの水位)まで満たされているときに起こる泡の異常発生を検知できる高さに設定されている。従って、特許文献1の技術では、上記のように、洗浄槽内の実質的な洗浄水量が減少していると、泡の発生量が異常であるにもかかわらず、水位が全体的に低下しているためにフロートスイッチがオンせず、泡の異常発生を検知することができないことがある。また、特許文献1の技術では、洗浄槽内の実質的な洗浄水量が減少して水位が全体的に低下していると、泡の異常発生が検知されたときには、想定量を超える泡の発生量となっており、消泡に多量の水を費やす必要があり、消泡に掛かる時間も長くなってしまう。
本発明では、泡の異常発生を精度よく、且つ早期に検知することができる食器洗浄機を提供することを目的とする。
本発明では、泡が異常に発生しているか否かを判別するとき、泡に対する浮力が異なる2個のフロートの高低差を利用する。2個のフロートの浮力を異ならせるためには、フロートの形状を異ならせたり、比重の異なる2種類の素材を使用したりする手段を採用することができる。2個のフロートのうちの一方は、泡に対する浮力の大きい第1フロートであり、他方は、泡に対する浮力の小さい第2フロートである。このため、洗浄水に泡が発生した時、泡に対する浮力の大きい第1フロートは泡に対して浮き上がるが、泡に対する浮力の小さい第2フロートは泡に対してほとんど浮き上がることはないため、第1フロートと第2フロートの高低差は拡大することとなる。泡の発生量が異常とされる時の第1フロートと第2フロートの高低差を予め設定しておけば、洗浄運転中に、第1フロートと第2フロートの高低差を設定値と比較しながら監視し、泡の異常発生を検知することが可能となる。本発明によれば、第1フロートと第2フロートの高低差を利用するため、洗浄運転中で洗浄水の水位が変動していても、洗浄水の水位に関係なく泡の異常発生を検知することができる。
磁石の磁力が及ぶ距離にリードスイッチがあればリードスイッチはオンとなり、磁力が及ばない距離にリードスイッチがあればリードスイッチはオフとなる。第1フロートと第2フロートに高低差が発生していなければ、洗浄水に泡が発生していないとみなすことができ、第1フロートと第2フロートに高低差が発生していれば、洗浄水に泡が発生しているとみなすことができる。洗浄水に泡が発生していない状態であり、第1フロートと第2フロートに高低差がないときにリードスイッチがオンし、洗浄水に泡が異常発生して第1フロートと第2フロートの高低差が設定値以上となったときにリードスイッチがオフするように、磁石とリードスイッチの位置関係を調整しておけば、リードスイッチがオン状態であるかオフ状態であるかを監視することによって、容易に、且つ速やかに泡の異常発生を検知することができる。
消泡処理では、洗浄水の排水工程と洗浄槽内への給水工程が行われる。消泡処理は、洗浄槽内に異常発生した泡を除去することができるまで繰返されることが好ましい。消泡処理中に、ポンプの洗浄運転(洗浄槽内の底部から洗浄水を吸込んで洗浄槽内に噴射する運転)を行ってもよい。
洗浄運転中に泡の異常発生を検知したとき、運転が中断されて消泡処理が行われる構成であれば、泡の異常発生を解消した後、運転を再開させて食器の洗浄を完遂させることが可能となる。泡の異常発生によって食器の洗浄が未遂となってしまう不具合がない。
(形態1)2個のフロートは、同一素材で肉厚が相違する部材である。
(形態2)2個のフロートのうち、泡に対する浮力の大きいフロートの上部に磁石が取付けられており、泡に対する浮力が小さいフロートの上部にリードスイッチが取付けられている。
(形態3)リードスイッチは、磁石とリードスイッチの高さが一部でも等しい高さであるときはオンとなり、磁石とリードスイッチの高さが完全にずれたときはオフとなる。
(形態4)消泡処理では、泡が発生した洗浄水を排水し、水道水を給水し、ポンプの洗浄運転を行うという一連の動作が、泡の発生が解消されたことが検知されるまで繰返される。
図1に示すように、本実施例の食器洗浄機は、引き出し式の食器洗浄機である。扉15には、操作パネル16、排気口18が設けられている。操作パネル16には、各種のボタンやランプ等が設けられている。本体12は、図示しないローラとレールを介して、洗浄槽14をスライド可能に支持している。扉15を前方(図中左方向)へ引き出すと、扉15とともに洗浄槽14が引き出される。洗浄槽14は、上部が開放された箱状に形成されている。その内部には、洗浄ノズル20、残菜フィルタ17、食器かご61等が装着されている。洗浄ノズル20は、上段ノズル21と下段ノズル22からなるタワーノズル部23と、水平ノズル部24から構成されている。洗浄ノズル20には、複数の噴射口21a,22a,24aが形成されている。残菜フィルタ17はメッシュ状に形成されており、食器19を洗浄したときに食器19から洗い流される残菜を濾し取るために設けられている。残菜フィルタ17は、洗浄槽14から取り外すことができ、濾し取られた残菜を捨てることができる。食器カゴ61は、種々の食器(大皿、小皿、椀、コップ、はし、スプーン等)19を保持するために、各部がそれらの食器19に対応した形状に形成されている。
洗浄槽14の底面39には、洗浄ノズル20が回転可能に取付けられている。洗浄ノズル20とポンプ27の第1吐出口11は連通している。洗浄ノズル20に形成されている複数の噴射口21a,22a,24aのうちの一部の噴射口は、水を噴射したときに、洗浄ノズル20に回転モーメントを発生させる。
本体12の後方壁33の水平になっている部分には、給水ホース40が接続されている。給水ホース40の他端は、給水管88に接続される。給水ホース40と給水管88は、異物除去用フィルタ86付のパッキンを介して接続される。給水ホース40には、水道水(冷水)が直接供給されることもあるし、給湯器によって加熱された温水が供給されることもある。
後方壁33の内方には、給水弁41が取付けられている。給水弁41は、内蔵するソレノイドに駆動されて開閉する。給水弁41の入口44と給水ホース40は、第1給水流路42によって連通されている。給水弁41の出口64と洗浄槽14内は、第2給水流路43によって連通されている。
洗浄槽14の底面39には、サーミスタ55が装着されている。サーミスタ55は、洗浄槽14に洗浄水やすすぎ水が入れられているときには水の温度を検出し、洗浄水やすすぎ水が入れられていないときには空気温度を検出する。
本体12の底面57には、凹部58が形成されている。凹部58には、水漏れ検知センサ59の2本の電極が差し込まれている。洗浄槽14から外部に水が漏れ、その漏れた水が凹部58に流れ込むと、電極間が導通して水漏れ検知センサ59がオンになる。
洗浄槽14の上方には、シール蓋56が配置されている。シール蓋56は、図示しない昇降機構によって洗浄槽14と連結されている。洗浄槽14が本体12に収容されている状態では、シール蓋56は降下して洗浄槽14の上部開口部に蓋をする。洗浄槽14が本体12から引き出されると、シール蓋56は上昇して洗浄槽14の上部開口部を開放する。
ステップS10の洗浄工程では、図5に示すように、まず、ステップS20でポンプ27が排水運転されるとともに、タイマによる計時が開始される。ポンプ27の排水運転とは、ポンプ27のインペラ28が他方向に回転することによって、吸込凹部31から吸込流路32を経由して洗浄水を吸込み、その吸込んだ洗浄水を排水流路36と排水ホース34を通して外部に排出する運転状態を意味する。ステップS22でポンプ27が40秒間排水運転されたことが判別されると(YESとなると)、たとえ、洗浄槽14内に洗浄水が正常水位54まで満たされていたとしても、排水され得る限りの洗浄水が排水されたこととなる。ステップS24に進んでポンプ27の排水運転が停止される。ポンプ27の排水運転が停止されると、エア抜き経路37を通って排水経路36にエアが入り込む。
洗浄ノズル20に送り込まれた洗浄水は、噴射口21a,22a,24aから勢いよく噴出する。洗浄ノズル20は、洗浄水を噴出しながら、その噴出によって発生する回転モーメントによって回転する。噴射口21a,22a,24aから噴出する洗浄水によって、食器19が洗浄される。食器19を洗浄した洗浄水は、吸込凹部31から再びポンプ27に吸込まれる。このように、ポンプ27に吸込まれた洗浄水が洗浄ノズル20の噴射口21a,22a,24aから噴射し、再びポンプ27に吸込まれる循環が繰返される。食器19から洗い流された残菜は、残菜フィルタ17によって濾し取られる。
ヒータ30がオンされると、洗浄水の温度が上昇する。洗浄水の温度は、サーミスタ55によって検出される。
先述のように、第2水位検知器70の第1フロート74と第2フロート80は同一素材で肉厚を異ならせて形成されている。このため、第2フロート80に比して第1フロート74の方が浮力は大きく、特に、洗浄水に発生する泡に対する浮力に大きな差がある。
洗浄槽14内に泡が発生していないとき、図2に示すように、水位室72内にも泡は発生しておらず、洗浄水90の水面近傍に、第1フロート74と第2フロート80が高さを異ならせて浮いている状態となる。このとき、第1フロート74上方の磁石78と第2フロート80上方のリードスイッチ84の高さが等しくなるように形成されている。磁石78の高さとリードスイッチ84の高さが一部でも重なる位置関係であれば、リードスイッチ84はオン状態となっている。即ち、洗浄槽14内に泡が発生していなければ、洗浄水90の水位に関係なく、第2水位検知器70はオン状態となっている。
洗浄槽14内に泡が発生すると、水位経路50を経て水位室72内に泡が徐々に侵入し、洗浄水90の水面上に、泡の層92が形成されていく。泡に対する浮力が大きい第1フロート74は、泡の層92の上部に浮き、泡の層92の成長に従って洗浄水90の水面近傍から上昇する。泡に対する浮力の小さい第2フロート80は、そのまま洗浄水90の水面近傍に浮いたままである。従って、泡の層92の成長に伴って、第1フロート74上方の磁石78と第2フロート80上方のリードスイッチ84の高さの差が大きくなっていき、やがて、高さが完全にずれて図3に示す状態となる。磁石78とリードスイッチ84の高さが完全にずれる位置関係であれば、リードスイッチ84はオフ状態となる。即ち、磁石78とリードスイッチ84の高さが完全にずれる分だけ、洗浄槽14内に泡が発生すれば、洗浄水90の水位に関係なく、第2水位検知器70はオフ状態となる。
磁石78とリードスイッチ84の位置関係については、ポンプ27の洗浄運転に支障が出る泡量より若干少ない量の泡が発生したときに、磁石78とリードスイッチ84の高さが完全にずれるように調整されている。
ステップS68に進み、給水弁41が開かれる。給水弁41が開かれると、水道水が洗浄槽14に給水される。ステップS70で、第1水位検知器45がオンになったことが判別されると(YESとなると)、洗浄槽14が満水になったとみなされる。ステップS72に進んで給水弁41が閉じられ、それによって洗浄槽14への給水が終了する。
ステップS74に進み、ポンプ27の洗浄運転が再開されるとともに、タイマによる計時が行われる。ステップS76で、ポンプ27の洗浄運転が再開されてから30秒経過するまでは(YESとなるまでは)、ステップS78で、第2水位検知器70がオンとなるか否かが監視される。第2水位検知器70がオンとなれば(ステップS78でYESとなれば)、洗浄水の泡の異常発生が解消されたとみなされる。ステップS80に進み、タイマによる計時を停止し、ヒータ30をオンし、図5の洗浄工程のステップS34に戻り、ポンプ27の洗浄運転を再開する。ポンプ27の洗浄運転が再開されてから30秒経過するまでに、第2水位検知器70がオンとならなければ(ステップS76でYESであれば)、洗浄水の泡の異常発生がまだ解消されていないとみなされる。ステップS61に戻り、ステップS78で第2水位検知器70がオンとなるまで(YESとなるまで)、ステップS61からステップS78の処理が繰返される。即ち、泡の異常発生が解消されるまで、洗浄水を排水し、給水して水を入換え、ポンプ27の洗浄運転を行うという一連の動作が繰返される。
ポンプ27の洗浄運転に支障が出る泡量より若干少ない量の泡が発生したときに、磁石78とリードスイッチ84の高さが完全にずれるように調整しておくことによって、安定した洗浄能力で良好に洗浄することができるとともに、泡の異常発生をより早期に検知することができる。
本実施例の食器洗浄機の各工程の運転動作について詳細に説明したが、泡検知以外の動作については、周知技術に基づいて適宜変更することができる。洗浄工程の処理において、ポンプ27の洗浄運転中に、泡検知を行い、泡の異常発生が検知されたときに洗浄工程を中断して消泡処理を行い、泡の異常発生が解消されれば、洗浄工程を再開するという一連の処理が含まれていればよい。
本実施例では、第1フロート74と第2フロート80は、同一素材(ポリプロピレン樹脂)で肉厚が相違する部材であったが、2個のフロートの泡に対する浮力に相違があれば、素材や形状については、これに限られない。例えば、同一素材を用い、一方を縦長形状として他方を横長形状としたり、一方のフロートの内部にのみメッシュを形成したりするなどして、互いの形状を相違させることによって2個のフロートの泡に対する浮力を相違させてもよい。また、ポリプロピレン樹脂とステンレス鋼等のように比重の異なる2種類の素材を使用してもよい。
本実施例では、泡に対する浮力の大きい第1フロート74に磁石78が取付けられており、泡に対する浮力の小さい第2フロート80にリードスイッチ84が取付けられていたが、第1フロート74にリードスイッチ84が取付けられており、第2フロート80に磁石78が取付けられていてもよい。
本実施例では、第1水位検知器45において満水検知を行い、第2水位検知器70によって泡検知を行う。しかし、2つの水位検知器45,70が一体化した水位検知器によって、満水検知と泡検知の両方を行う構成であってもよい。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
14:洗浄槽
31:吸込凹部
45:第1水位検出器
46:水位室
47:フロート
48:バー
49:スイッチ
50:水位経路
70:第2水位検出器
72:水位室
74:第1フロート
76:第1バー
78:磁石
80:第2フロート
82:第2バー
84:リードスイッチ
90:洗浄水
92:泡の層
Claims (3)
- 食器を収容する洗浄槽と、
洗浄槽と連通している水位室と、
水位室内に上下動可能に配置されているとともに泡に浮く浮力に設定されている第1フロートと、
水位室内に上下動可能に配置されているとともに泡に浮かない浮力に設定されている第2フロートと、
第1フロートと第2フロートの高低差を検出する高低差検出手段とを備えていることを特徴とする食器洗浄機。 - 前記第1フロートと第2フロートのいずれか一方の上部に磁石が取付けられており、他方の上部に磁石に反応するとオンするリードスイッチが取付けられており、前記高低差検出手段は、リードスイッチがオンであると高低差が発生していないと判別し、リードスイッチがオフであると高低差が発生していると判別することを特徴する請求項1の食器洗浄機。
- 前記高低差検出手段によって高低差の発生が判別されると、運転が中断され、洗浄水の排水工程と洗浄槽内への給水工程を有する消泡処理が行われることを特徴とする請求項1又は2の食器洗浄機。
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