JP4423705B2 - 低誘電率重合体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フッ素含有化合物で末端を封止した低誘電率重合体等に関する。
【0002】
【従来の技術】
大規模集積回路(LSI)は、微細加工技術の進歩を反映して、高集積化、多機能化、高性能化の一途をたどっている。その結果、回路抵抗や配線間のコンデンサー容量(以下、それぞれ「寄生抵抗」、「寄生容量」という.)が増大して、消費電力が増大するだけでなく、遅延時間も増大して、デバイスの信号スピードが低下する大きな要因となっている。そのため、寄生抵抗や寄生容量を下げることが求められており、その解決策の一つとして、配線の周辺を低誘電率の層間絶縁膜で被うことにより、寄生容量を下げて、デバイスの高速化に対応しようとしている。具体的には、従来の層間絶縁膜に用いられている酸化ケイ素膜を、より誘電率の小さい有機膜に替える試みがなされている。しかし、層間絶縁膜には、低誘電性とともに、実装基板製造時の薄膜形成工程や、チィップ接続、ピン付け等の後工程に耐えられる優れた耐熱性を有することが必要である。代表的な低誘電性有機材料としてポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂が知られているが、この樹脂の場合耐熱性が不十分である。また、耐熱性の有機材料としてポリイミドが知られているが、従来のポリイミドの比誘電率は3〜3.5程度であり、低誘電性の面で満足できない。すなわち、十分な高耐熱性と低誘電性とを同時に兼ね備えた絶縁材料は、未だ見出されていないのが現状である。
【0003】
またフッ素系化合物を用いた分子末端を封止する手段として、特開平10−110031号公報があるが、優れた撥水性を有する樹脂を目的としており、さらに分子末端を封止している化合物が、酸化合物であり、これは、酸化合物の製造方法が困難であるため、多種のフッ素基を有する化合物が容易に製造できないことを問題としており、層間絶縁膜としてさらに期待されている低誘電率を得られるものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる問題を解決せしめ、優れた耐熱性と低誘電性と同時に兼ね備えた絶縁材料として有用な低誘電率重合体組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリアミド酸またはポリイミドの分子末端を一般式(1)で表されるフッ素含有アミン化合物で封止した低誘電率重合体である。
【0006】
【化2】
【0007】
(一般式(1)において、Rはトリフルオロメチル基、または3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ基を示す。nは1〜5の整数を示す。nが2以上の場合、Rは1種または2種以上を混在させてもよい。)
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明について、詳細に説明する。発明者らは、フッ素含有アミン化合物を末端封止剤として用いて合成したポリイミドが、良好な耐熱性と低誘電率に優れていることを見出し、完成するに至った。
【0009】
本発明における一般式(1)で表されるフッ素含有アミン化合物のRはトリフルオロメチル基、または3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ基を示している。nは1〜5の整数である。またnが2以上の整数の場合、Rは1種または2種以上を混在させてもよい。
【0010】
本発明で使用するフッ素含有アミン化合物の具体例としては、2−トリフルオロメチルアニリン、3−トリフルオロメチルアニリン、4−トリフルオロメチルアニリン、2,3−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、2,4−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、2,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、2,6−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、3,4−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、2,3,4−トリス(トリフルオロメチル)アニリン、2,3,5−トリス(トリフルオロメチル)アニリン、2,3,6−トリス(トリフルオロメチル)アニリン、2,4,5−トリス(トリフルオロメチル)アニリン、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)アニリン、3,4,5−トリス(トリフルオロメチル)アニリン、2,3,4,5−テトラキス(トリフルオロメチル)アニリン、2,4,5,6−テトラキス(トリフルオロメチル)アニリン、2,3,5,6−テトラキス(トリフルオロメチル)アニリン、ペンタキス(トリフルオロメチル)アニリン、4−アミノ−2,3’,5’−トリス(トリフルオロメチル)ビフェニルエーテル、2,4−ビス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ)アニリン等を挙げることができる。
【0011】
本発明のポリアミド酸は、芳香族ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物とを有機溶媒中で重縮合させ、その中に末端封止剤を投入し反応させることによって製造することができる。末端封止剤は芳香族ジアミンと酸無水物を重縮合させる前に投入し反応させても良いし、重縮合中に投入し反応させても良い。
【0012】
本発明のポリアミド酸を製造するに当たり、芳香族ジアミン化合物は、1種もしくは2種類以上を混合して使用することができ、また、テトラカルボン酸二無水物も1種もしくは2種類以上を混合して使用することができる。また、ゲル化しない範囲においてトリアミン、テトラアミンを混合することもできる。
【0013】
本発明で用いる芳香族ジアミンの好ましい具体例としては、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ベンジジン、3,3’−ジアミノジフェニルエ−テル、3,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシジベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェニル)スルホン、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェニル)スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エ−テル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エ−テル、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エ−テル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(4−アミノ−6−フルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(4−アミノ−6−メチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(4−アミノ−6−シアノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,4−ジアミノ−(2−トリフルオロメチル)フェノキシベンゼン、2,4−ジアミノ−(3−トリフルオロメチル)フェノキシベンゼン、2,4−ジアミノ−(4−トリフルオロメチル)フェノキシベンゼン、2,4−ジアミノ−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)]フェノキシベンゼン、2,4−ジアミノ−[2,6−ビス(トリフルオロメチル)]フェノキシベンゼン、2,4−ジアミノ−[2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)]フェノキシベンゼン、2,5−ジアミノ−(2−トリフルオロメチル)フェノキシベンゼン、2,5−ジアミノ−(3−トリフルオロメチル)フェノキシベンゼン、2,5−ジアミノ−(4−トリフルオロメチル)フェノキシベンゼン、2,5−ジアミノ−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)]フェノキシベンゼン、2,5−ジアミノ−[2,6−ビス(トリフルオロメチル)]フェノキシベンゼン、2,5−ジアミノ−[2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)]フェノキシベンゼン、3,5−ジアミノ−(2−トリフルオロメチル)フェノキシベンゼン、3,5−ジアミノ−(3−トリフルオロメチル)フェノキシベンゼン、3,5−ジアミノ−(4−トリフルオロメチル)フェノキシベンゼン、3,5−ジアミノ−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)]フェノキシベンゼン、3,5−ジアミノ−[2,6−ビス(トリフルオロメチル)]フェノキシベンゼン、3,5−ジアミノ−[2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)]フェノキシベンゼン、2,4−ジアミノ−1,5−ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)]フェノキシベンゼン、2,4−ジアミノ−1,5−ビス[2,6−ビス(トリフルオロメチル)]フェノキシベンゼン、2,4−ジアミノ−1,5−ビス[2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)]フェノキシベンゼンジアミノポリシロキサン4,4’−ジアミノ−3”−トリフルオロメチルトリフェニルアミン、4,4’−ジアミノ−3”,5”−ビス(トリフルオロメチル)トリフェニルアミン、4,4’−ジアミノ−2,2’,3”,5”−テトラキス(トリフルオロメチル)トリフェニルアミンなどが挙げられる。これらは1種または2種以上混合して使用される。
【0014】
本発明で用いるテトラカルボン酸二無水物の好ましい具体例としては、ピロメリット酸二無水物、3−フルオロピロメリット酸二無水物、3,6−ジフルオロピロメリット酸二無水物、3,6−ビス(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3”,4,4”−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3”’,4,4”’−クァテルフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3””,4,4””−キンクフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、メチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,1−エチニリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、2,2−プロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,2−エチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,3−トリメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,4−テトラメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,5−ペンタメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、ジフルオロメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,1,2,2−テトラフルオロ−1,2−エチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1,3−トリメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロ−1,4−テトラメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロ−1,5−ペンタメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、チオ−4,4’−ジフタル酸二無水物、スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルシロキサン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ベンゼン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,3−ビス[2−(3,4−ジカルボキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン二無水物、1,4−ビス[2−(3,4−ジカルボキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン二無水物、ビス[3−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]メタン二無水物、ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]メタン二無水物、2,2−ビス[3−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、2,2−ビス[3−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジメチルシラン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物、2,3,6,7,−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6,−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ビス(3,4−ジイカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、カルボニル−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、メチレン−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、1,2−エチレン−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、1,1エチニリデン−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、2,2−プロピリデン−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−プロピリデン−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、オキシ−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、チオ−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、スルホニル−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、2,2’−ジフルオロ−3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、5,5’−ジフルオロ−3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、6,6’−ジフルオロ−3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロ−3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、6,6’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)−3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)−3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、5,5’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)−3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサキス(トリフルオロメチル)−3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’−ジフルオロオキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ジフルオロオキシ)−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ジフルオロオキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロオキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ビス(トリフルオロメチル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサキス(トリフルオロメチル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’−ジフルオロスルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ジフルオロスルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ジフルオロスルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロスルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ビス(トリフルオロメチル)スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロスルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサキス(トリフルオロメチル)スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’−ジフルオロ−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ジフルオロ−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ジフルオロ−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロ−2,2−パーフルオロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ジフルオロ−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサキス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物9−フェニル−9−(トリフルオロメチル)キサンテン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、9,9−ビス(トリフルオロメチル)キサンテン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、9,9−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシ)フェニル〕フルオレン二無水物および、9,9−ビス〔4−(2,3−ジカルボキシ)フェニル〕フルオレン二無水物等を挙げることができる。
【0015】
芳香族ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物との重縮合反応は、通常、有機溶媒中で行われる。有機溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、N,N−ジエチルメトキシアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ピリジン、ピコリン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチル尿素、m−クレゾール、ガンマブチロラクトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等をあげることができる。これらの有機溶媒は1種でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0016】
前記重縮合反応における反応原料の濃度は、通常、2〜50重量%、好ましくは5〜30重量%であり、反応温度は、通常、60℃以下、好ましくは50℃以下である。反応圧力は特に限定されず、通常、常圧で実施することができる。また反応時間は、通常、0.5〜24時間である。このような重縮合反応により、ポリアミド酸を得ることができる。
【0017】
本発明におけるポリアミド酸を主体としたポリマーは、上記に記載した芳香族ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物とを重縮合させることで得られるが、その構造は直鎖状でも、分岐(枝分かれ)状のいずれでも構わない。本発明の最も特徴であるフッ素含有アミノ化合物でより多くの末端を封止し、低誘電率を得る点を考慮すれば、分岐状ポリマーは直鎖状のポリマーより末端数が多いので、フッ素含有化合物をより多く導入できるので、直鎖状ポリマーより分岐状ポリマーのほうが好ましい。
【0018】
本発明において、分岐状構造をポリマー中に作るために3価から4価の基を用いる。このような化合物としては下記一般式(2)に示したようなものが好ましい。しかしながら、これ以外の3価から4価の基を使用することもできる。また枝分かれを得る場合、基が3価以下となると枝分かれが得られないので好ましくない。また、基が5価以上となるとゲル化するおそれがあるので好ましくない。
【0019】
【化3】
【0020】
(一般式(2)に示した構造式において、Tは炭素数1〜6のアルキレン基、酸素原子、硫黄原子またはNHより選ばれる。)
分岐状ポリマーを構成するための3価から4価の基は、ポリマー成分中の5モル%から60モル%配合されていることが好ましい。さらに好ましくは10モル%から50モル%である。5モル%より少ないと、得られるポリマーが線状ポリマーの性質に近づき、60モル%より多いと反応中にゲル化するおそれがある。
【0021】
本発明に用いる分岐状ポリマーは、2価のモノマーのみで重合した直鎖状のポリマーに較べると末端数が多いので、末端基を多く導入できるメリットがある。さらに、本発明の低誘電率重合体組成物は、最初に枝分かれ基と2価の基を反応させることが可能で、この操作を繰り返すことで、例えば一般式(3)に示したような放射状の枝分かれポリマーに近いものが得られると推定される。このような適度な枝分かれで広がりを有したポリマーは、2価のモノマーのみで重合した直鎖状のポリマーに較べるとポリマー鎖同士がお互いに近づきあうことがなくなり、単位体積当たりのポリマーの体積分率を小さくすることができる。このような体積分率の小さいポリマーは体積分率の大きなポリマーより誘電率が低下する傾向にある。これは、絶縁体の中で誘電率の最も小さいものは真空であり、次いで空気であるためである。
【0022】
【化4】
【0023】
(ここでmは1から100までの整数。R0、R2、・・R2mは3価から6価の有機基、ケイ素原子含有基、R1、R3、・・R2m+1は2価の基、nは1から100までの整数、r0は3から6までの整数、r2、・・r2mは2から5までの整数を表す。またRsは末端封止基を示している。)
本発明のポリイミドは、ポリアミド酸を脱水して閉環してイミド化することにより、製造することができる。前記イミド化に際しては、加熱イミド化、または、化学イミド化を採用することができる。前記加熱イミド化法としては、例えば、(a)ポリアミド酸溶液をガラス、金属等の表面平滑な基板上に流延して加熱する方法、あるいは、(b)ポリアミド酸溶液をそのまま加熱する方法が適用される。これらの方法におけるポリアミド酸の溶媒としては、例えば、ポリアミド酸の製造に使用されるものと同様の有機溶媒を挙げることができる。前記(a)の加熱イミド化法では、ポリアミド酸を基板上に流延して形成された薄膜を、常圧下または減圧下で加熱することにより、フィルム状のポリイミドを得ることができる。この場合の温度は通常、100〜400℃、好ましくは150〜350℃であり、反応中に徐々にまたは段階的に温度を上げることが好ましい。また、前記(b)の加熱イミド化法では、ポリアミド酸溶液を加熱することにより、ポリイミドが粉末ないし、溶液として得られる。この場合の加熱温度は、通常、80〜300℃、好ましくは、100〜250℃である。また、(b)の加熱イミド化法に際しては、副生する水の除去を容易とするため、水と共沸し、特に反応系外で水と容易に分離しうる成分、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素を存在させることもできる。さらに、(b)の加熱イミド化法に際しては、脱水閉環を促進させるため、第三級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−i−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン等の脂肪族第三級アミン類、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン等の芳香族第三級アミン類、ピリジン、キノリン、イソキノリン等の複素環式第三級アミン類等の触媒をポリアミド酸100重量部当たり、例えば10〜400重量部用いることもできる。
【0024】
次に、前記化学イミド化法としては、例えば、(c)ポリアミド酸を脱水環化させる閉環剤を用い、溶液状態でポリイミド化する方法が採用され、ポリイミドが粉末あるいは溶液として得られる。この方法で使用される溶媒としても、例えば、ポリアミド酸の製造に使用されるものと同様の有機溶媒を挙げることができる。(c)の化学イミド化方法に使用される閉環剤としては、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸のような無水物等を挙げることができる。これらの閉環剤は、1種または2種類以上を混合して使用することができ、その使用量は、前記一般式(2)で表される繰り返し単位1モル当たり通常2〜200モル、好ましくは2〜100モルである。(c)の化学イミド化における反応温度は、通常、0〜200℃である。なお、化学イミド化法においても、前記加熱イミド化法の場合と同様に第三級アミンを触媒として使用することができる。前記加熱イミド化法または化学イミド化法によりポリイミドが粉末として得られた場合は、濾過、噴霧乾燥、水蒸気蒸留等の適宜の方法により、ポリイミド粉末を媒体から回収することができる。本発明のポリイミドのイミド化率は、50%以上、好ましくは90%以上である。
【0025】
ポリイミドは、低誘電率、低屈折率でかつ耐熱性に優れ、その誘電率(1kHz)は、3.0以下、好ましくは2.8未満、さらに好ましくは2.7以下、屈折率(膜面に対して平行方向(TE))は1.6以下であり、イミド化後の5%重量減少温度は通常400℃以上、好ましくは500℃以上である。しかも、本発明のポリイミドは、各種溶剤に対する溶解性にも優れている。したがって、本発明のポリイミドは、特にLSIにおける層間絶縁膜として極めて好適に使用することができるほか、一般の絶縁材料、耐熱性材料としても有用である。本発明のポリイミドから層間絶縁膜を形成する際には、その前駆体物質である前記ポリアミド酸のワニスあるいはペースト、該ポリイミドのフィルム等が使用される。前記層間絶縁膜の形成法を例示すると、下記の通りである。
【0026】
(イ)ポリアミド酸のワニスをデバイスの層間に流延し、ワニス中の過剰の溶媒を過熱下および/または減圧下で除去して、該ポリアミド酸の薄膜を形成した後、例えば、100〜400℃、常圧下または加圧下で、該ポリアミド酸を脱水閉環してイミド化する方法、(ロ)フィルム状のポリイミドをデバイスの層間に配置し、例えば、100〜400℃、常圧または加圧下で圧着する方法がある。また、ポリイミドをフィルム状で取得する方法としては、例えば、(ハ)予め離型処理した基板、例えばガラス、テフロン、ポリエステル等の基板上に、ポリアミド酸のワニスを流延し、徐々に加熱して溶媒を除去しつつ脱水閉環し、イミド化する方法、(ニ)ポリイミドの粉末を、プレス成形、射出成形等の適宜の方法によりフィルム状に形成する方法等を採用することができる。本発明のポリイミドを層間絶縁膜として使用する場合の具体例としては、半導体の多層配線の層間絶縁膜、多層プリント基板のリジット板やフレキソ印刷等の層間絶縁膜、パッケージやMCM基板等の層間絶縁膜等を挙げることができる。また、本発明のポリアミド酸あるいは本発明のポリイミドワニスを基板上に流延した後、加熱し、乾燥することによって、厚さ数十〜数百μmのポリイミドのドライフィルムを得ることもできる。このようなドライフィルムは多くの用途、例えば、半導体のパッシベーション膜(ストレスバッファー膜)、α線遮断膜等として使用することもできる。さらに、本発明のポリイミドの前記以外の用途としては、ダイボンディング用接着剤、リードオンチップ(LOC)用接着剤、多層リードフレーム用接着フィルム等を挙げることができる。
【0027】
【実施例】
以下本発明をより詳細に説明するために、実施例および比較例をあげて説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
【0028】
特性の測定方法
重量平均分子量の測定
ゲルパーミネーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、ポリスチレン換算にて重量平均分子量(Mw)を測定した。
膜厚の測定
シリコンウエハーに製膜した膜に傷を付け、その傷の深さを測定し、その深さを膜の厚さとした。
【0029】
比誘電率の測定
ポリイミド膜の1kHzにおける静電容量を横川ヒューレットパッカード製のLCRメーター4284Aを用いて測定し、次の式により比誘電率(ε)を求めた。
ε=C・d/ε0・S
但し、Cは静電容量、dは試料膜厚、ε0は真空中の誘電率、Sは上部電極面積である。
5%重量減少温度(Td5)の測定
熱天秤を用い、窒素中、昇温速度10℃/分で加熱して、5%重量減少を示した温度を測定した。
【0030】
実施例1
窒素雰囲気下において、2,2’−ビストリフルオロメチル−4,4’−ジアミノジフェニル(TFMB)2.88g(9mmol)をNMP25.0gに溶解し、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)4.44g(10mmol)と3,5−ビストリフルオロメチルアニリン0.46g(2mmol)をNMP6.1gとともに加え、50℃で4時間撹拌することで目的のポリアミド酸のワニスを得た。このポリマーのMwは41500であった。
【0031】
ポリイミドの製造
前述ポリアミド酸溶液を住友電工社製四弗化エチレン樹脂製フィルター(ポアサイズ0.5μm)を用いて濾過した。つぎに、この溶液を6×6cmのAl基板上およびシリコンウエハー上に回転塗布し、ついで、ホットプレート(大日本スクリーン社製SKW−636)を用いて、80℃で3分、120℃で3分プリベークし、さらにオーブン(光洋リンドバーグ製イナートオーブン)を用いて、140℃で0.5時間、350℃で1時間加熱することにより、ポリイミド膜を得た。その後、Al基板上に形成したこのポリイミド膜上にマスクをしてAlを真空蒸着し、上部電極を形成して比誘電率(ε)測定試料とした。その結果、ε=2.68であった。
【0032】
次に、シリコンウエハー上に形成したポリイミド膜を用いて、5%重量減少温度(Td5)を測定した。その結果、Td5=538℃であり、高い耐熱性を有することが確認された。
【0033】
実施例2
窒素雰囲気下において、枝分かれ成分である1,3,5−トリアミノピリミジン(TAPym)0.625g(5mmol)をm−クレゾール(mCR)170gに溶解させた。ここに6FDA6.66g(15mmol)をmCR12gとともに加えて、60℃で30分攪拌した。続いて、TFMB4.80g(15mmol)をmCR5gとともに加えて、60℃で15分、180℃で1時間攪拌した。その後、6FDA6.66g(15mmol)をmCR5gとともに加え、60分で30分攪拌した。ついでTAPym1.87g(15mmol)をmCR28gとともに加えて溶解した後、60℃で15分、180℃で1時間攪拌した。その後、6FDA13.32g(30mmol)をmCR10gとともに加え、60分で30分攪拌した。続いて、TFMB9.61g(30mmol)をmCR5gとともに加えて、60℃で15分、180℃で1時間攪拌した。この溶液を室温に戻し、メタノールと水(=8:2)の混合溶液2lに投入して析出させた。この析出物を濾取し、NMPに溶解させ、メタノール0.5lに再沈澱させ白色固体を得た。この析出物を濾取し、減圧乾燥機DP32(ヤマト社製)を用いて50℃で一晩乾燥させ、アミン末端の分岐状ポリマー(ポリマーA)を40g得た。このポリマーのMwは5700であった。
【0034】
このポリマ−Aを4g(理想的なデンドリマー換算で0.459mmol)をmCR20gに溶解させた。ここに6FDA1.23g(2.76mmol)と末端封止剤として3−トリフルオロアニリン0.44g(2.76mmol)をmCR12gとともに加えて、60℃で30分攪拌した。続いて180℃で1時間攪拌した。この溶液を室温に戻し、メタノールと水(=8:2)の混合溶液0.5lに投入して析出させた。この析出物を濾取しNMPに溶解させ、メタノール0.5lに再沈澱させ白色固体を得た。この析出物を濾取し、減圧乾燥機DP32(ヤマト社製)を用いて50℃で一晩乾燥させ、4.5gの目的の分岐状ポリマーを得た。このポリマーのMwは9700であった。実施例1と同様にして、ポリマーの比誘電率(ε)および5%重量減少温度(Td5)を測定した。その結果、ε=2.75であり低い値であった。Td5=530℃であり、高い耐熱性を有することが確認された。
【0035】
実施例3〜6
枝分かれ成分、末端封止剤を表1に示すとおりとした以外は実施例2と同様にして目的の分岐状ポリマーを重合し、実施例1と同様にして各ポリマーの重量平均分子量(Mw)、比誘電率(ε)および5%重量減少温度(Td5)を測定した。これらの結果を表1に示した。
【0036】
実施例7
窒素雰囲気下において、枝分かれ成分である1,3,5−トリアミノピリミジン(TAPym)0.625g(5mmol)をm−クレゾール(mCR)170gに溶解させた。ここに6FDA6.66g(15mmol)をmCR12gとともに加えて、60℃で30分攪拌した。続いて、4,4’−ジアミノ−2,2’,3”,5”−テトラキス(トリフルオロメチル)トリフェニルアミン(DTTT)8.21g(15mmol)をmCR5gとともに加えて、60℃で15分、180℃で1時間攪拌した。その後、6FDA6.66g(15mmol)をmCR5gとともに加え、60分で30分攪拌した。ついでTAPym1.87g(15mmol)をmCR28gとともに加えて溶解した後、60℃で15分、180℃で1時間攪拌した。その後、6FDA13.32g(30mmol)をmCR10gとともに加え、60分で30分攪拌した。続いて、DTTT16.42g(30mmol)をmCR5gとともに加えて、60℃で15分、180℃で1時間攪拌した。その後、6FDA13.32g(30mmol)と3,5−ビストリフルオロメチルアニリン6.87g(30mmol)をmCR10gとともに加え、60℃で15分、180℃で1時間攪拌した。この溶液を室温に戻し、メタノールと水(=8:2)の混合溶液2lに投入して析出させた。この析出物を濾取しNMPに溶解させ、メタノール0.5lに再沈澱させ白色固体を得た。この析出物を濾取し、減圧乾燥機DP32(ヤマト社製)を用いて50℃で一晩乾燥させ、アミン末端の分岐状ポリマーを59.1g得た。このポリマーのMwは11200であった。
【0037】
実施例1と同様にして、ポリマーの比誘電率(ε)および5%重量減少温度(Td5)を測定した。その結果、ε=2.56であり低い値であった。Td5=532℃であり、高い耐熱性を有することが確認された。
【0038】
比較例1
窒素雰囲気下において、2,2’−ビストリフルオロメチル−4,4’−ジアミノジフェニル(TFMB)3.20g(10mmol)をNMP25.0gに溶解し、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)4.44g(10mmol)をNMP6.1gとともに加え、50℃で4時間撹拌することで目的のポリマーのワニスを得た。このポリマーのMwは120000であった。実施例1と同様にして、ポリマーの比誘電率(ε)および5%重量減少温度(Td5)を測定した。その結果、ε=2.8であり、フッ素含有化合物で末端封止したポリマーより比誘電率が大きくなった。Td5=540℃であった。
【0039】
比較例2
末端封止剤をアニリンとした以外は実施例2と同様にして目的のポリマーを重合した。このポリマーのMwは11900であった。、実施例1と同様にしてポリマーの比誘電率(ε)、および5%重量減少温度(Td5)を測定した。その結果、ε=2.82であり、実施例より比誘電率が大きくなった。Td5=539℃であった。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】
本発明によると低誘電率に優れ、かつ、従来の耐熱性を充分持ち得た樹脂組成物を得ることができた。
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