JP4419626B2 - 溶射用粉末、複合皮膜とその製造方法 - Google Patents

溶射用粉末、複合皮膜とその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、新規の溶射用粉末、複合皮膜とその製造方法に関する。
各種部材の表面処理法として、溶射法が広く用いられている。被溶射基材としては、例えば、材木から、陶器、セメント、金属に至るまで多岐にわたっている。また、その目的用途も、耐磨耗性、耐食性、断熱性、表面改質、肉盛り、機能皮膜の付与等に広がっている。
また、溶射法においては、各種複合皮膜の形成も容易であり、例えば、セラミックと金属との複合皮膜が広く知られているが、樹脂と無機材料との複合皮膜についても良く知られている。例えば、特開昭58−13666号公報には、樹脂上への溶射のため、ナイロンやエポキシを混合した溶射粒子が提案されている。また、特開平1−298144号公報には、アルミニウムとポリエステルの粒子をプラズマ溶射し、アブレーダブルな皮膜を形成する方法が開示されている。更には、特開平9−314032号公報には、低温の溶射により、樹脂粒子のみを溶解し、無機物粒子が溶解しない条件で溶射を行う方法が具体的に示されている。
しかしながら、上記各特許文献に記載の方法は、水環境下での耐食、耐磨耗に優れた皮膜作製法として提案されているが、樹脂含有量が多く、無機物の含有量が低いため、特定の用途においては十分な性能が得られないことがある。具体的には、無機物粒子の光学特性を生かす複合皮膜では、例えば、皮膜内での光散乱を考えると、通常、樹脂と無機物粒子の屈折率差が大きいため、樹脂量が増大すると共に膜内での光散乱が起きやすくなる。あるいは、樹脂自体が光を吸収する場合もあり、無機物粒子の特性を十分に引き出すことが難しくなる。
一方、無機物粒子の光学特性を生かした複合皮膜を用いて、特に無機物粒子からなる蛍光体層皮膜から直接画像を取り出す方法が提案されている。この方法として、被写体を透過した放射線を(輝尽性)蛍光体に吸収せしめ、しかる後、この蛍光体を、例えば、光または熱エネルギーで励起することにより、この蛍光体が上記吸収により蓄積している放射線エネルギーを蛍光として放射せしめ、この蛍光を検出し画像化する方法がある。
具体的には、例えば、米国特許第3,859,527号及び特開昭55−12144号公報などに記載されているような蛍光体を用いる放射線画像変換方法が知られている。
この方法は、蛍光体を含有する放射線画像変換パネルを使用するもので、この放射線画像変換パネルの蛍光体層に被写体を透過した放射線を当てて、被写体各部の放射線透過密度に対応する放射線エネルギーを蓄積させて、その後、蛍光体を可視光線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系列的に励起することにより、蛍光体中に蓄積されている放射線エネルギーを輝尽発光として放出させ、この光の強弱による信号を、例えば、光電変換して、電気信号を得て、この信号をハロゲン化銀写真感光材料などの記録材料、CRTなどの表示装置上に可視像として再生するものである。
上記の放射線画像の再生方法によれば、従来の放射線写真フィルムと増感紙との組合せによる放射線写真法と比較して、はるかに少ない被曝線量で、かつ情報量の豊富な放射線画像を得ることができるという利点を有している。
このように蛍光体は、放射線を照射した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であるが、実用的には、波長が400〜900nmの範囲にある励起光によって、300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す蛍光体が一般的に利用される。
これらの蛍光体を使用した放射線画像変換パネルは、放射線画像情報を蓄積した後、励起光の走査によって蓄積エネルギーを放出するので、走査後に再度放射線画像の蓄積を行うことができ、繰り返し使用が可能である。つまり従来の放射線写真法では、一回の撮影ごとに放射線写真フィルムを消費するのに対して、この放射線画像変換方法では放射線画像変換パネルを繰り返し使用するので、資源保護、経済効率の面からも有利である。
放射線画像変換パネルは、走査される励起光が膜内で散乱しにくいことが好ましい。そのためには、蛍光体の密度が高くし、粒子間距離を小さくすることが求められる。しかしながら、蛍光体粒子を溶剤とバインダーと共にスラリー状にして塗布、乾燥して製膜すると、空隙が増大して粒子間隔が大きくなる。そのため光散乱による鮮鋭性の劣化は免れない。
上記課題に対し、基材表面に粉末蛍光体粒子をプラズマ溶射して蛍光発光機能を有する皮膜の形成方法(例えば、特許文献1参照。)や、支持体上に溶射層及び気相堆積法により形成された輝尽性蛍光体層を形成する方法(例えば、特許文献2参照。)がそれぞれ提案されている。
一方、低融点ガラスなどの低融点無機材料を溶射する方法の1つとして、プラズマディスプレーの製造に低融点ガラスを溶射する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、蛍光体を含む皮膜形成方法として、上記特許文献1及び2で提案されている方法では、いずれも蛍光体を溶融状態で溶射、製膜するため、基材上に形成される蛍光体粒子の形状や粒径分布を制御することが難しく、期待される機能が得られない場合が多い。例えば、微量元素で賦活された蛍光体粒子は、溶融することでその元素分布が変化し期待される賦活能力が得られなくなる。蛍光体が溶融しない温度では、溶射そのものが不可能となるため、製膜ができないという問題点を抱えている。
特開昭63−169370号公報 特開平1−131500号公報 特開2003−77390号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、蛍光体粒子の性質を損なうことなく溶射、製膜できる複合皮膜の製造方法と溶射用粉末の提供と、更に、蛍光体を用い、鮮鋭性及び輝度の高い複合皮膜を提供する。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
少なくとも、蛍光体粉末と該蛍光体粉末よりも融点が低い無機物質とから構成されており、該蛍光体粉末は溶融せず、かつ該蛍光体粉末より融点の低い無機物質が溶融ないし半溶融する条件で溶射して複合皮膜の製造する方法に用いられる溶射用粉末であって、該無機物質が五酸化バナジウムまたは低融点ガラスであることを特徴とする溶射用粉末。
(請求項2)
前記蛍光体粉末よりも融点の低い無機物質が、励起エネルギー線または蛍光体の発光を吸収しないことを特徴とする請求項1に記載の溶射用粉末。
(請求項3)
請求項1または2に記載の溶射用粉末を溶射して複合皮膜を製造する方法であって、該溶射用粉末を、蛍光体粉末が溶融せず、かつ蛍光体より融点の低い無機物質が溶融ないし半溶融する条件で溶射することを特徴とする複合皮膜の製造方法。
(請求項4)
請求項3に記載の複合皮膜の製造方法により製造されたことを特徴とする複合皮膜。
本発明によれば、蛍光体粒子の性質を損なうことなく溶射、製膜できる複合皮膜の製造方法と溶射用粉末の提供と、更に、蛍光体を用い、鮮鋭性及び輝度の高い複合皮膜を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、少なくとも、蛍光体粉末と該蛍光体粉末よりも融点が低い無機物質とから構成されており、該蛍光体粉末は溶融せず、かつ該蛍光体粉末より融点の低い無機物質が溶融ないし半溶融する条件で溶射して複合皮膜の製造する方法に用いられる溶射用粉末であって、該無機物質が五酸化バナジウムまたは低融点ガラスである溶射用粉末と、蛍光体粉末が溶融せず、かつ蛍光体より融点の低い無機物質が溶融ないし半溶融する条件で溶射する複合皮膜の製造方法及び複合皮膜により、蛍光体粒子の性質を損なうことなく溶射、製膜できる複合皮膜の製造方法と溶射用粉末の提供と、該蛍光体を用いて、鮮鋭性及び輝度の高い複合皮膜を実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
すなわち、低融点ガラスのような低融点の無機物質を蛍光体粉末と混合溶射するとき、低融点の無機物質のみ溶融し、蛍光体粉末は溶融しない温度条件で溶射することにより、厳密に粒子形状条件を制御して作製された蛍光体粉末は、初期の状態を維持したままで、溶融した低融点の無機物質、例えば、低融点ガラスをバインダーとして製膜することができる。従来より、前述の特許文献に示したように、蛍光体粉末が溶融するような条件で溶射する例は知られているが、この様な方法では、蛍光体の初期状態に変化が生じるため、期待通りの性能を実現することが困難となるが、本発明の複合皮膜の製造方法においては、本来の蛍光体粒子の特性を維持した状態で、安定した性能が得られる。
本発明の複合皮膜の製造方法により得られる複合皮膜は、例えば、輝尽性蛍光体を用いる放射線画像変換パネルの他、プラズマディスプレイ(PDP)、電界放射ディスプレイ(FED)のように真空紫外光による強い励起条件下で用いられる蛍光体に適用することにより、性能の劣化が少く、安定した性能が維持できる。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明の溶射用粉末は、少なくとも、蛍光体粉末と該蛍光体粉末よりも融点が低い無機物質とから構成されていることを特徴とする。
本発明において適用できる蛍光体粉末としては、従来公知のあらゆる蛍光体を挙げることができ、その一例を以下に示すが、本発明ではこれらの蛍光体にのみ限定されるものではない。
本発明に適用できる無機蛍光体の組成は、例えば、特開昭50−6410号、同61−65226号、同64−22987号、同64−60671号、特開平1−168911号等に記載されており、特に制限はないが、結晶母体であるY22S、Zn2SiO4、Ca5(PO43Cl等に代表される金属酸化物及びZnS、SrS、CaS等に代表される硫化物に、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb等の希土類金属のイオンやAg、Al、Mn、Sb等の金属のイオンを賦活剤または共賦活剤として組み合わせたものが好ましい。
結晶母体の好ましい例としては、例えば、ZnS、Y22S、Y3Al512、Y2SiO5、Zn2SiO4、Y23、BaMgAl1017、BaAl1219、(Ba,Sr,Mg)O・aAl23、(Y,Gd)BO3、YO3、(Zn,Cd)S、SrGa24、SrS、GaS、SnO2、Ca10(PO46(F,Cl)2、(Ba,Sr)(Mg、Mn)Al1017、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO46Cl2、(La,Ce)PO4、CeMgAl1119、GdMgB510、Sr227、Sr4Al1425等が挙げられる。
以上の結晶母体及び賦活剤または共賦活剤は、同族の元素と一部置き換えたものでも構わないし、とくに元素組成に制限はない。
以下に、無機蛍光体の具体的化合物を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
〔青色発光無機蛍光化合物〕
(BL−1) Sr227:Sn4+
(BL−2) Sr4Al1425:Eu2+
(BL−3) BaMgAl1017:Eu2+
(BL−4) SrGa24:Ce3+
(BL−5) CaGa24:Ce3+
(BL−6) (Ba,Sr)(Mg,Mn)Al1017:Eu2+
(BL−7) (Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO46Cl2:Eu2+
(BL−8) ZnS:Ag
(BL−9) CaWO4
(BL−10) Y2SiO5:Ce3+
(BL−11) ZnS:Ag,Ga,Cl
(BL−12) Ca259Cl:Eu2+
(BL−13) BaMgAl1423:Eu2+
(BL−14) BaMgAl1017:Eu2+,Tb3+,Sm2+
(BL−15) BaMgAl1423:Sm2+
(BL−16) Ba2Mg2Al1222:Eu2+
(BL−17) Ba2Mg4Al818:Eu2+
(BL−18) Ba3Mg5Al1835:Eu2+
(BL−19) (Ba,Sr,Ca)(Mg,Zn,Mn)Al1017:Eu2+
〔緑色発光無機蛍光体〕
(GL−1) (Ba,Mg)Al1627:Eu2+,Mn2+
(GL−2) Sr4Al1425:Eu2+
(GL−3) (Sr,Ba)Al2Si28:Eu2+
(GL−4) (Ba,Mg)2SiO4:Eu2+
(GL−5) Y2SiO5:Ce3+,Tb3+
(GL−6) Sr227−Sr225:Eu2+
(GL−7) (Ba,Ca,Mg)5(PO43Cl:Eu2+
(GL−8) Sr2Si38−2SrCl2:Eu2+
(GL−9) Zr2SiO4,MgAl1119:Ce3+,Tb3+
(GL−10) Ba2SiO4:Eu2+
(GL−11) ZnS:Cu,Al
(GL−12) (Zn,Cd)S:Cu,Al
(GL−13) ZnS:Cu,Au,Al
(GL−14) Zn2SiO4:Mn2+
(GL−15) ZnS:Ag,Cu
(GL−16) (Zn,Cd)S:Cu
(GL−17) ZnS:Cu
(GL−18) Gd22S:Tb3+
(GL−19) La22S:Tb3+
(GL−20) Y2SiO5:Ce3+,Tb3+
(GL−21) Zn2GeO4:Mn2+
(GL−22) CeMgAl1119:Tb3+
(GL−23) SrGa24:Eu2+
(GL−24) ZnS:Cu,Co
(GL−25) MgO・nB23:Ce3+,Tb3+
(GL−26) LaOBr:Tb3+,Tm3+
(GL−27) La22S:Tb3+
(GL−28) SrGa24:Eu2+,Tb3+,Sm2+
〔赤色発光無機蛍光体〕
(RL−1) Y22S:Eu3+
(RL−2) (Ba,Mg)2SiO4:Eu3+
(RL−3) Ca28(SiO462:Eu3+
(RL−4) LiY9(SiO462:Eu3+
(RL−5) (Ba,Mg)Al1627:Eu3+
(RL−6) (Ba,Ca,Mg)5(PO43Cl:Eu3+
(RL−7) YVO4:Eu3+
(RL−8) YVO4:Eu3+,Bi3+
(RL−9) CaS:Eu3+
(RL−10) Y23:Eu3+
(RL−11) 3.5MgO,0.5MgF2GeO2:Mn4+
(RL−12) YAlO3:Eu3+
(RL−13) YBO3:Eu3+
(RL−14) (Y,Gd)BO3:Eu3+
また、X線画像変換パネルに用いられる輝尽性蛍光体の例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)特開昭55−12145号に記載されている(Ba1-X,M(II)X)FX:yA、(式中、M(II)はMg、Ca、Sr、ZnおよびCdのうちの少なくとも一つ、XはCl、Br、およびIのうち少なくとも一つ、AはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、およびErのうちの少なくとも一つ、そしては、0≦x≦0.6、yは、0≦y≦0.2である)の組成式で表される希土類元素賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物蛍光体;また、この蛍光体には以下のような添加物が含まれていてもよい。
a)特開昭56−74175号に記載されている、X′、BeX″、M(III)X′″3、式中、X′、X″、およびX′″はそれぞれCl、BrおよびIの少なくとも一種であり、M(III)は三価金属である
b)特開昭55−160078号に記載されているBeO、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、Al23、Y23、La23、In23、SiO2、TiO2、ZrO2、GeO2、SnO2、Nb25、Ta25およびThO2などの金属酸化物
c)特開昭56−116777号に記載されているZr、Sc
d)特開昭57−23673号に記載されているB
e)特開昭57−23675号に記載されているAs、Si
f)特開昭58−206678号に記載されているM・L、式中、MはLi、Na、K、Rb、およびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、LはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga、In、およびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属である
g)特開昭59−27980号に記載されているテトラフルオロホウ酸化合物の焼成物;特開昭59−27289号に記載されているヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロチタン酸およびヘキサフルオロジルコニウム酸の一価もしくは二価金属の塩の焼成物;特開昭59−56479号に記載されているNaX′、式中、X′はCl、BrおよびIのうちの少なくとも一種である
h)特開昭59−56480号に記載されているV、Cr、Mn、Fe、CoおよびNiなどの遷移金属;特開昭59−75200号に記載されているM(I)X′、M′(II)X″2、M(III)X′″3、A、式中、M(I)はLi、Na、K、Rb、およびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、M′(II)はBeおよびMgからなる群より選ばれる少なくとも一種の二価金属を表し、M(III)はAl、Ga、In、およびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり、Aは金属酸化物であり、X′、X″、およびX′″はそれぞれF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである
i)特開昭60−101173号に記載されているM(I)X′、式中、M(I)はRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、X′はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである
j)特開昭61−23679号に記載されているM(II)′X′2・M(II)′X″2、式中、M(II)′はBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;X′およびX″はそれぞれCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであって、かつX′≠X″である;更に、特開昭61−264084号明細書に記載されているLnX″3、式中、LnはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり;X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである。
(2)特開昭60−84381号に記載されているM(II)X2・aM(II)X′2:xEu2+(式中、M(II)はBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XおよびX′はCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであって、かつX≠X′であり;そしてaは0.1≦a≦10.0、xは0<x≦0.2である)の組成式で表される二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属ハロゲン化物蛍光体;また、この蛍光体には以下のような添加物が含まれていてもよい。
a)特開昭60−166379号に記載されているM(I)X′、式中、M(I)はRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;X′はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである
b)特開昭60−221483号に記載されているKX″、MgX′″2、M(III)X″″3、式中、M(III)はSc、Y、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり;X″、X′″およびX″″はいずれもF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである
c)特開昭60−228592号に記載されているB、特開昭60−228593号に記載されているSiO2、P25等の酸化物、特開昭61−120882号に記載されているLiX″、NaX″、式中、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである
d)特開昭61−120883号に記載されているSiO;特開昭61−120885号に記載されているSnX″2、式中、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである
e)特開昭61−235486号に記載されているCsX″、SnX′″2、式中、X″およびX′″はそれぞれF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである;更に、特開昭61−235487号に記載されているCsX″、Ln3+、式中、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;LnはSc、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素である
(3)特開昭55−12144号に記載されているLnOX:xA(式中、LnはLa、Y、Gd、およびLuのうち少なくとも一つ;XはCl、Br、およびIのうち少なくとも一つ;AはCeおよびTbのうち少なくとも一つ;xは、0<x<0.1である)の組成式で表される希土類元素賦活希土類オキシハライド蛍光体。
(4)特開昭58−69281号に記載されているM(II)OX:xCe(式中、M(II)はPr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の酸化金属であり;XはCl、Br、およびIのうち少なくとも一つであり;xは0<x<0.1である)の組成式で表されるセリウム賦活三価金属オキシハライド蛍光体。
(5)特開昭62−25189号明細書に記載されているM(I)X:xBi(式中、M(I)はRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてxは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表されるビスマス賦活アルカリ金属ハロゲン化物蛍光体。
(6)特開昭60−141783号に記載されているM(II)5(PO43X:xEu2+(式中、M(II)はCa、SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XはF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属ハロリン酸塩蛍光体。
(7)特開昭60−157099号に記載されているM(II)2BO3X:xEu2+(式中、M(II)はCa、SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属ハロホウ酸塩蛍光体。
(8)特開昭60−157100号に記載されているM(II)2(PO43X:xEu2+(式中、M(II)はCa、SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XはCl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属ハロリン酸塩蛍光体。
(9)特開昭60−217354号に記載されているM(II)HX:xEu2+(式中、M(II)はCa、SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属水素化ハロゲン化物蛍光体。
(10)特開昭61−21173号に記載されているLnX3・aLn′X′3:xCe3+、(式中、LnおよびLn′はそれぞれY、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり;XおよびX′はそれぞれF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであって、かつX≠X′であり;そしてaは0.1<a≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表されるセリウム賦活希土類複合ハロゲン化物蛍光体。
(11)特開昭61−21182号に記載されているLnX3・aM(I)X′3:xCe3+、(式中、LnはY、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり;M(I)はLi、Na、K、CsおよびRbからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;XおよびX′はそれぞれCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてaは0<a≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表されるセリウム賦活希土類複合ハロゲン化物系蛍光体。
(12)特開昭61−40390号に記載されているLnPO4・aLnX3:xCe3+、(式中、LnはY、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり;XはF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてaは0.1≦a≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表されるセリウム賦活希土類ハロ燐酸塩蛍光体。
(13)特開昭61−236888号明細書に記載されているCsX:aRbX′:xEu2+、(式中、XおよびX′はそれぞれCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてaは0<a≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム賦活ハロゲン化セシウム・ルビジウム蛍光体。
(14)特開昭61−236890号に記載されているM(II)X2・aM(I)X′:xEu2+、(式中、M(II)はBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;M(I)はLi、RbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;XおよびX′はそれぞれCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてaは0.1≦a≦20.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム賦活複合ハロゲン化物蛍光体。
上記の輝尽性蛍光体のうちで、輝尽性蛍光体粒子がヨウ素を含有していることが好ましく、例えば、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する希土類元素賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体、およびヨウ素を含有するビスマス賦活アルカリ金属ハロゲン化物系蛍光体は、高輝度の輝尽発光を示すため好ましく、特には輝尽性蛍光体がEu付加BaFI化合物であることが好ましい。
本発明の溶射用粉末においては、上記説明した蛍光体粉末と共に、蛍光体粉末よりも融点が低い無機物質を用い、該無機物質が五酸化バナジウムまたは低融点ガラスであることを特徴とする。
本発明に係る無機物質としては、励起エネルギー線または蛍光体の発光を吸収しないことが好ましい。この様な観点から、特に、低融点で溶融するガラスは融点が低い上、少なくとも可視光領域では透明であるものが多い、すなわち蛍光体の励起エネルギー線や発光を吸収しないことが多いので、これを用いることが好ましい。
低融点ガラスとしては、例えば、旭テクノグラス製のASFガラス(シール用低融点ガラス、モールド用粉末ガラス等)、ATGガラス(CRT、蛍光表示管、PDP用ガラス、低温シール用無鉛フリットなど)、日本電気硝子社製の、粉末ガラス等が挙げられる。成分としては、PbO、B23、ZnO、SiO2、Al33、BaO、Li2O、SnO、P25などの混合物あるいは化合物である。軟化点は、組成によっては300℃程度まで下げることが可能であり、多くの蛍光体が溶融しない条件でガラスだけを溶融させて溶射することが可能である。
本発明の複合皮膜の製造方法においては、溶射用粉末における蛍光体粉末と無機物質との混合物の質量比は、任意に設定することができるが、蛍光体粉末の含有量を50質量%以上とすることが好ましく、更に好ましくは60質量%以上であり、この条件で溶射用混合物を溶射することにより、極めて蛍光体粒子の形状が整った均質の複合皮膜を形成することができる。
本発明の複合皮膜の製造方法に適用できる溶射法としては、特に制限はなく、例えば、プラズマ溶射法、減圧溶射法、高速フレーム溶射法(HVOF)、アーク溶射法、ガス炎溶射法など、各種の方法を挙げることができるが、複合膜の緻密度を上げる観点で減圧溶射や、HVOFなども好ましく用いられる。
ガス炎溶射法は、主燃焼ガスとして、例えば、プロパンガス、プロピレンガス、ブタンガス、エタンガス、水素ガスまたは灯油を用い、助燃ガスとして酸素または空気を用い、火炎温度200〜1200℃、火炎速度80〜200m/秒に制御されたガス炎で溶射原料を溶射することにより実施される。好ましくは被溶射基材の表面を中心線表面粗さRaとして1〜15μmに粗面化し、且つ被溶射基材を70〜250℃に予熱した後に溶射を行ない成膜することが好ましい。
一方、特開2003−328138号公報には、マイクロプラズマ装置を用いたプロセスが提案されている。この提案されているプロセスは、微小なプラズマを発生させることができ、数十ミクロンメーターのオーダーでプラズマスプレー出射が可能であり、これまでとは違った製造プロセスの構築に寄与できる。すなわち、溶射によって微細な加工を行う時には、マスクやフォトリソグラフィーなどの方法を併用する必要があったが、本発明の複合皮膜の製造方法を用いることにより、プラズマ溶射で上記方法を併用することなく、微細な加工が加工となるため、上記プラズマスプレー出射方法を適用することも、好ましい態様の1つである。
形成する複合皮膜の膜厚は、目的とする皮膜の物性、例えば、蛍光体の種類、無機物質と蛍光体との混合比などによって異なるが、通常は10〜1000μmであり、より好ましくは10〜500μmである。
本発明の複合皮膜は、様々な分野への適用が可能であり、その適用の一例について、以下に説明する。
本発明の複合皮膜を適用できる一例は、放射線画像変換パネルある。
放射線画像変換パネルは輝尽性蛍光体層を有し、被写体を透過した放射線を当て、被写体各部の放射線透過密度に対応する放射線エネルギーを蓄積させ、その後、輝尽性蛍光体層に含まれる輝尽性蛍光体を可視光線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系列的に励起することにより、該輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射線エネルギーを輝尽発光として放出させ、この光の強弱による信号を、例えば、光電変換した電気信号として取り出し、この信号をハロゲン化銀写真感光材料などの既存の画像記録材料、あるいはCRTなどに代表される画像表示装置上に、可視像として再生する方法である。励起波長、吸光度の測定は、励起波長及び蛍光波長を各々走査可能な、分光蛍光光度計によって容易に測定できる。
本発明の複合皮膜を、輝尽性蛍光体を用いた放射線画像変換パネルに用いる場合、支持体としては、各種高分子材料、ガラス、金属等が用いられる。特に、情報記録材料としての取り扱い上、可撓性のあるシートあるいはウェブに加工できるものが好適であり、この点からいえば、例えば、セルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィルム、アルミニウム、鉄、銅、クロム等の金属シートあるいは該親水性微粒子の被覆層を有する金属シートが好ましい。
また、これら支持体の膜厚は、用いる支持体の材質等によって異なるが、一般的には3〜1000μmであり、取り扱い易さの観点からは、80〜500μmであることが好ましい。
これらの支持体の表面は、滑面であってもよいし、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目的で、マット面としてもよい。支持体上に輝尽性蛍光体層が塗設された蛍光体シートは、所定の大きさに断裁される。断裁にあたっては、一般のどのような方法でも可能であるが、作業性、精度の面から化粧断裁機、打ち抜き機等が望ましい。
本発明において、放射線画像変換パネルには、輝尽性蛍光体層の表面を物理的、化学的に保護するための保護膜(保護フィルムともいう)を設けることが好ましく、それらの構成は目的、用途などに応じて適宜選択することができる。
本発明において、放射線画像変換パネルに設ける保護層としては、ASTMD−1003に記載の方法により測定したヘイズ率が、5%以上60%未満の励起光吸収層を備えたポリエステルフィルム、ポリメタクリレートフィルム、ニトロセルロースフィルム、セルロースアセテートフィルム等が使用できるが、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルム等の延伸加工されたフィルムが、透明性、強さの面で保護層として好ましく、更には、これらのポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルム上に金属酸化物、窒化珪素などの薄膜を蒸着した蒸着フィルムが防湿性の面からより好ましい。
保護層で用いるフィルムのヘイズ率は、使用する樹脂フィルムのヘイズ率を選択することで容易に調整でき、また任意のヘイズ率を有する樹脂フィルムは工業的に容易に入手することができる。放射線画像変換パネルの保護フィルムとしては、光学的に透明度の非常に高いものが想定されている。そのような透明度の高い保護フィルム材料として、ヘイズ値が2〜3%の範囲にある各種のプラスチックフィルムが市販されている。本発明の効果を得るために好ましいヘイズ率としては5%以上60%未満であり、さらに好ましくは10%以上50%未満である。ヘイズ率が5%未満では、画像ムラや線状ノイズを解消する効果が低く、また60%以上では鮮鋭性の向上効果が損なわれ、好ましくない。
本発明において、保護層で用いるフィルムは、必要とされる防湿性にあわせて、樹脂フィルムや樹脂フィルムに金属酸化物などを蒸着した蒸着フィルムを複数枚積層することで最適な防湿性とすることができ、輝尽性蛍光体の吸湿劣化防止を考慮して、透湿度は少なくとも50g/m2・day以下であることが好ましい。樹脂フィルムの積層方法としては、特に制限はなく、公知のいずれの方法を用いても良い。
また、積層された樹脂フィルム間に励起光吸収層を設けることによって、励起光吸収層が物理的な衝撃や化学的な変質から保護され安定したプレート性能が長期間維持でき好ましい。また、励起光吸収層は複数箇所設けてもよいし、積層する為の接着剤層に色剤を含有して、励起光吸収層としても良い。
保護フィルムは、輝尽性蛍光体層に接着層を介して密着していても良いが、蛍光体面を被覆するように設けられた構造(以下、封止または封止構造ともいう)であることがより好ましい。蛍光体プレートを封止するにあたっては、公知のいずれの方法でもよいが、防湿性保護フィルムの蛍光体シートに接する側の最外層樹脂層を熱融着性を有する樹脂フィルムとすることは、防湿性保護フィルムが融着可能となり蛍光体シートの封止作業が効率化される点で、好ましい形態の1つである。さらには、蛍光体シートの上下に防湿性保護フィルムを配置し、その周縁が前記蛍光体シートの周縁より外側にある領域で、上下の防湿性保護フィルムをインパルスシーラー等で加熱、融着して封止構造とすることで、蛍光体シートの外周部からの水分進入も阻止でき好ましい。また、さらには、支持体面側の防湿性保護フィルムが1層以上のアルミフィルムをラミネートしてなる積層防湿フィルムとすることで、より確実に水分の進入を低減でき、またこの封止方法は作業的にも容易であり好ましい。上記インパルスシーラーで加熱融着する方法においては、減圧環境下で加熱融着することが、蛍光体シートの防湿性保護フィルム内での位置ずれ防止や大気中の湿気を排除する意味でより好ましい。
防湿性保護フィルムの蛍光体面が接する側の熱融着性を有する最外層の樹脂層と蛍光体面は、接着していないことが好ましい。ここでいう接着していない状態とは、微視的には蛍光体面と防湿性保護フィルムとが点接触していても、光学的、力学的には殆ど蛍光体面と防湿性保護フィルムは不連続体として扱える状態のことである。また、上記の熱融着性を有する樹脂フィルムとは、一般に使用されるインパルスシーラーで融着可能な樹脂フィルムのことで、例えば、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)やポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム等を挙げることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
次いで、本発明の複合皮膜を適用できる一例として、プラズマディスプレイパネル(PDP)が挙げられる。
PDPは、小さい奥行きで大画面を実現することが可能であって、既に40インチ(102cm)クラスの製品も開発されている。PDPは一般的に、表面に電極を配したフロントカバープレートとバックプレートとが、電極を対向した状態で平行に配され、両プレート間の間隙は隔壁で仕切られ、隔壁と隔壁との間の溝に赤,緑,青の蛍光体層が形成されると共に放電ガスが封入された構成であって、その製造は、隔壁を配設したバックプレートの溝に蛍光体層を形成し、その上にフロントカバープレートを重ねて放電ガスを封入することによって行う。そして、駆動回路で電極に印加して駆動を行うようになっている。
PDPの発光原理は、基本的に蛍光灯と同様であって、駆動回路が電極に印加して放電すると放電ガスから紫外線が放出される。この紫外線が、パネル内に配置された蛍光体層の蛍光体粒子(赤、緑、青)に当たることで励起発光する。
図1、プラズマディスプレイパネルの構成の一例を示す概略分解斜視図であり、図1のa)は、プラズマディスプレイパネルの構成の概略斜視図であり、図1のb)は前面板の分解斜視図であり、図1のc)は背面板の分解斜視図である。また、図2は、図1のA−A′に沿った拡大概略断面図である。
図中、1はPDPを示す。PDPは前面板1aと、背面板1bとを有している。前面板1aは透明放電電極2とバス放電電極3とから構成される複数の放電電極4を有し、これらの放電電極4の上を誘電体層5で覆い、更に誘電体層5の表面に保護層6を有している。
背面板1bは、アドレス電極7と、アドレス電極7の上を覆う誘電体層8と、誘電体層8の上にアドレス電極7の両側に位置するように複数の隔壁9を有している。10は、前面板1aと、背面板1bと複数の隔壁9とで囲まれたセルを示し、セル10の内側に面する隔壁9の側面とセル10の底面に蛍光体層11が設けられている。
前面板1aに設けられる放電電極4は帯状に形成し、所定間隔をあけて互いに平行に、かつ、規則的に配置されている。これらの放電電極4は、前面板1aの前面ガラス12から背面ガラス13まで連続して設けられており、各放電電極4はそれぞれパネル駆動回路(不図示)に接続し、所望の放電電極4に電圧を印加することが可能となっている。
背面板1bに設けらているアドレス電極7も帯状に形成し、所定間隔毎に設けられている。アドレス電極7は背面板1bの中央部で分割し、それぞれをパネル駆動回路(不図示)に接続されており、このパネル駆動回路により、所望のアドレス電極7に電圧を印加することが可能となっている。
放電電極4とアドレス電極7とは、互いに直交しマトリックス状(不図示)となるように形成されており、この放電電極4とアドレス電極7とが交差する点で選択的に放電させることにより所望の情報が表示可能となっている。
放電電極4とアドレス電極7とは、銀、金、銅、クロム、ニッケル、白金等の金属から形成することができる。尚、放電電極4については、前面板1aに設けるものであり、蛍光体からの発光を透過する必要があることから、ITO、SnO2、ZnO等の導電性金属酸化物からなる幅広の透明電極(透明放電電極2)の上に幅細の銀又はCr−Cu−Cr電極(バス放電電極3)を積層させた組み合わせ電極を用いることが好ましい。
尚、前面ガラス12、背面ガラス13は、例えば、ソーダライムガラス等から形成することが好ましい。
前面板1aに設けられている誘電体層5は、前面板1aの放電電極4が配された表面全体を覆うように設けられている。この誘電体層5は誘電物質からなり、一般に、鉛系低融点ガラスから形成することが多い。この他に、ビスマス系低融点ガラス、あるいは鉛系低融点ガラスとビスマス系低融点ガラスの積層物等で誘電体層5を形成しても良い。
保護層6は誘電体層5の表面を全体的に覆うようにして設けられており、保護層6は、酸化マグネシウム(MgO)からなる薄層が好ましい。
背面板1bに設けられている誘電体層8は、背面板1bのアドレス電極7が配された表面全体を覆うように設けられている。この誘電体層8についても、誘電体層5と同様に、鉛系低融点ガラスや、ビスマス系低融点ガラス、あるいは鉛系低融点ガラスとビスマス系低融点ガラスの積層物等から構成することができる。さらに、これらの誘電物質にTiO2粒子を混合し、可視光反射層としての働きも兼ねるようにすると好ましい。可視光反射層としても機能させると、蛍光体層11からの背面板1b側に発光しても、これを前面板1側に反射して、前面板1aを透過する光を増やし、輝度を向上させることができる。
誘電体層8の上面に、隔壁9を背面板1b側から前面板1a側に突出するように設ける。隔壁9は、ガラス材料等の誘電物質から形成する。
次に、このように作製した前面板1aを背面板1b上に設けられた隔壁9上に封着用シールガラスを用いて張り合わせる。これにより隔壁9によって、前面板1aと背面板1bとの間の空間に所定形状に複数区画されたセル10が形成される。セル10の内側に、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかに発光する蛍光体層11がR、G、Bの順に規則正しく設けられている。
次いで、セル10内を高真空(例えば、8×10-7Torr)に排気した後、希ガスを主体とする放電ガスを所定の圧力(例えば、500〜800Torr)で封入することによって、PDPが製造されている。放電ガスとしては、特にNeを主放電ガスとし、これに放電により紫外線を発生するXeを混合した混合ガスを用いると好ましい。特に、混合ガスにおけるXeの含有量を5体積%以上とすることが好ましい。
以上のような構成からなる小さなセル10に、電圧を加えると、電極(+と−)の間でガス放電が起こり、紫外線が発生し、その紫外線が、赤(R)、緑(G)、青(B)のセルに当たることで、蛍光体が光り、可視光線を発光するという仕組みである。このように、発生する紫外線は、真空紫外光と呼ばれ、波長の短い紫外線である。
近年、上述したようなPDPにおいては、ディスプレイの高品位化に対する要求が高まるにつれて、PDPにおいても微細なセル構造のものが望まれている。例えば、従来のNTSCではセル数が640×480で、40インチクラスではセルピッチが0.43mm×1.29mm、1セル面積が約0.55mm2であったが、フルスペックのハイビジョンテレビの画素レベルでは、画素数が1920×1125となり、42インチ(107cm)クラスでのセルピッチは0.15mm×0.48mm、1セルの面積は0.072mm2の細かさとなる。
この様な微細な構造を有するセルにおいて、蛍光体層の形成方法としては、スクリーン印刷法で蛍光体ペーストを隔壁間の凹部に充填して焼成する方法、所望のパターンでインク液を絶縁基板上に付着させるインクジェット方法等が用いられてきたが、蛍光体ペーストの粘度等の印刷条件を調整するなどしてプレートの表面及び隔壁の側面に蛍光体ペーストを適量づつ付着させる必要があるが、好適な印刷条件に調整することは難しく、実際にはなかなか隔壁の側面に蛍光体ペーストが付着しにくいという問題がある。
上記方法に対し、溶射方法による本発明の複合皮膜の製造方法を、セル部の蛍光体層形成に適用することにより、蛍光体粒子の特性を生かし、均一で高性能の複合皮膜を形成することができ、好ましい。
PDPなどでは、励起エネルギー線としては紫外光、発光は可視光領域なので、蛍光体より融点の低い物質はこれらの励起エネルギー線や発光を吸収しないことが好ましい。
より具体的には、励起エネルギー線の吸光度は、同じ蛍光体に対して30%以下が好ましく、さらに好ましくは、10%以下である。
次いで、本発明の複合皮膜を適用できる電解放出ディスプレー(FED)について説明する。
電解放出ディスプレー(FED)は、固体表面に強い電場が印加されると、固体表面に閉じ込められていた電子が、表面のポテンシャル障壁が低くなるためトンネル効果で真空中に飛び出しやすくなる性質を利用している。この現象は「電界放出(field emission)」と呼ばれる。
この現象を観測するには、非常に強い電圧を固体にかけなくてはならない。しかし電圧をかける面積が小さくなればその分だけ電場が集中するので、金属針のようにとがらせたものなら小さい電圧で済む。そのため「電界放出型電子源」には、先端の鋭くとがったものが用いられている。
図3は、電解放出ディスプレー(FED)の構成の一例を示す概略断面図である。
図3において、アノードガラスシート21とカソードカラスシート22が支持枠23を挟んで封着されている。アノードガラスシート21の中央部には、アノード電極としてメタルバック24が設けられている。また、カソードカラスシート22上には、ゲート電極25が間隔を置いて配置され、その間に先端が鋭くとがった三角錐型のマイクロティップ26が設けられている。
アノードガラスシート21とカソードカラスシート22とで形成される空間は、真空状態に維持され、カソード(陰極)からは、電界放出によって電子が放たれる。このときの電子は、カソードとゲートケート電極の間の電圧の差によって生じる。
真空中に放出された電子27は、アノード電極(陽極)の方向に向かって進み、途中で蛍光体層28に衝突して可視光29を放つ。こうして、R、G、Bの三つの蛍光体28から構成されるユニットから発せられた可視光29が、ディスプレイの1ピクセルに相当する。
従来のFEDでは、電子放出源にマイクロティップが使われてきた。1ピクセルを構成するのに必要なマイクロティップの数は一つではなく、数千個規模のマイクロティップ・アレイが使われている。このマイクロティップの材料には、シリコンやモリブデンが使われている。Spindtタイプの他にも、電子放出源に効率のよいダイヤモンド薄膜(負の親和力をもつ)を利用したものもある。
アノードとカソードの距離は200μmと小さく、結果としてCRTに比べて薄型でフラットなディスプレイが可能になる。また、原理はCRTに似ているので、発色がよく画像も鮮明である。
上記のような構成からなる電解放出ディスプレー(FED)において、電子の衝突により可視光を発する蛍光体層28の形成に、溶射方法による本発明の複合皮膜の製造方法を適用することが、蛍光体粒子の特性を生かし、均一で高性能の複合皮膜からなる蛍光体層を形成することができ好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
本発明の複合皮膜を、放射線画像変換パネルに適用した一例を、以下に示す。
《蛍光体シートの作製》
〔蛍光体シート1の作製:本発明〕
(蛍光体Aの調製)
ユーロピウム賦活弗化ヨウ化バリウムの蛍光体前駆体を合成するために、BaI2水溶液(3.6mol/L)2780mlとEuI3水溶液(0.15mol/L)27mlとを反応器に入れた。この反応器中の反応母液を撹拌しながら83℃で保温した。次いで、弗化アンモニウム水溶液(8mol/L)322mlを反応母液中にローラーポンプを用いて注入し、沈澱物を生成させた。注入終了後も保温と撹拌を2時間続けて、沈澱物の熟成を行なった。
次に、沈澱物をろ別した後、エタノールにより洗浄及び真空乾燥させてユーロピウム賦活弗化ヨウ化バリウムの結晶を得た。焼成時の焼結により粒子形状の変化、粒子間融着による粒子サイズ分布の変化を防止するために、アルミナの超微粒子粉体を0.2質量%添加し、ミキサーで充分撹拌して結晶表面にアルミナの超微粒子粉体を均一に付着させた。これを石英ボートに充填して、チューブ炉を用いて水素ガス雰囲気下で、850℃で2時間焼成し、乳鉢解砕後、分級して平均粒径9μmの蛍光体Aを調製した。
(溶射用粉末1の調製)
軟化点640℃、粒径18μmの低融点粉末ガラスASF1400(旭テクノグラス製、融点640℃)の10質量%と、蛍光体粒子として上記調製した蛍光体Aの90質量%とを混合して、溶射用粉末1を調製した。
(溶射による蛍光体層形成)
被溶射基材としては、1.0mm厚のアルミ板を使用し、アルミナグリット(粒度#20)を圧力0.5MPaで吹き付け、ブラスト処理を行なった後、170℃に予備加熱した。
次いで、低温ガス炎溶射法に従って、下記溶射条件にてアルミ板上に、上記調製した溶射用粉末1の溶射を行って、蛍光体シート1を作製した。
〈溶射条件〉
燃焼ガス:酸素ガス(圧力=350kPa)、プロパンガス(圧力=450kPa)、空気(圧力=700kPa)
フレーム温度:700℃
フレーム速度:250m/秒
溶射距離:350mm
溶射原料粉末供給量:50g/分
複合皮膜の膜厚:210μm
なお、上記フレーム温度は、蛍光体は溶融せず、低融点ガラスのみが溶融する温度である。
〔蛍光体シート2の作製:本発明〕
上記蛍光体シート1の作製において、溶射用粉末1の調製に用いた低融点粉末ガラスASF1400に代えて、V25(融点660℃)の黄色粉末を用いて溶射用粉末2を調製し、これを用いて蛍光体層を形成した以外は同様にして、蛍光体シート2を作製した。
なお、フレーム温度700℃は、蛍光体は溶融せず、V25のみが溶融する温度である。
〔蛍光体シート3の作製:比較例〕
上記蛍光体シート1の作製において、溶射用粉末1の調製に用いた低融点粉末ガラスASF1400を除いて、蛍光体Aのみの構成とし、これを用いて下記の溶射条件で、溶射して、蛍光体単独からなる蛍光体層を形成して、蛍光体シート3を作製した。
〈溶射条件〉
燃焼ガス:酸素ガス(圧力=1.2MPa)、水素ガス(圧力=1MPa)、空気(圧力=700kPa)
フレーム温度:2700℃
フレーム速度:2100m/秒
溶射距離:225mm
溶射原料粉末供給量:80g/分
なお、上記フレーム温度は、蛍光体Aが溶融する温度である。
〔溶射用粉末の633nmにおける吸光度の測定〕
上記蛍光体シート1〜3の作製に用いた各溶射用粉末について、積分球式分光光度径を用いて反射スペクトルを測定し、633nmにおける吸光度を、蛍光体Aの吸光度を100とした強度比として求めた。
《防湿性保護フィルムの作製》
上記作製した各蛍光体シートの蛍光体層面側に設ける下記構成(A)からなる保護フィルムを作製した。
構成(A)
NY15///VMPET12///VMPET12///PET12///CPP20
NY:ナイロン
PET:ポリエチレンテレフタレート
CPP:キャステングポリプロピレン
VMPET:アルミナ蒸着PET(市販品:東洋メタライジング社製)
各樹脂フィルムの後ろに記載の数字は、樹脂層の膜厚(μm)を表し、「///」は、ドライラミネーション接着層で、接着剤層の厚みが3.0μmであることを意味する。使用したドライラミネーション用の接着剤は、2液反応型のウレタン系接着剤を用いた。
また、蛍光体シートの支持体であるアルミ板の裏面側に設ける保護フィルムとして、CPP30μm/アルミフィルム9μm/ポリエチレンテレフタレート(PET)188μmから構成されるドライラミネートフィルムを作製した。また、この場合の接着剤層の厚みは1.5μmで2液反応型のウレタン系接着剤を使用した。
《放射線画像変換パネルの作製》
上記作製した各蛍光体シートを、各々一辺が20cmの正方形に断裁した後、上記作製した各防湿性保護フィルムを用いて、減圧下で周縁部をインパルスシーラを用いて融着、封止して、放射線画像変換パネルを作製した。尚、融着部から蛍光体シート周縁部までの距離は1mmとなるように融着した。融着に使用したインパルスシーラーのヒーターは3mm幅のものを使用した。
《放射線画像変換パネルの評価》
以上のようにして作製した各放射線画像変換パネルを用いて、以下に示す方法に従って、輝度及び鮮鋭性評価を行った。
〔輝度の測定〕
輝度の測定は、各放射線画像変換パネルについて、管電圧80kVpのX線を照射した後、パネルをHe−Neレーザー光(633nm)で操作して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を受光器(分光輝度S−5の光電子像倍管)で受光して、その強度を測定して、これを輝度と定義した。輝度は、放射線画像変換パネル3の輝度を100とした相対輝度で表した。
以上により得られた結果を、表1に示す。
Figure 0004419626
表1に記載の結果より明らかなように、蛍光体粉末と、蛍光体粉末よりも融点が低い無機物質とから構成されている溶射用粉末を用いて作製した放射線画像変換パネルは、比較例に対し高い輝度を有していることが分かる。更に、無機物質としては、実質的に励起エネルギー線または蛍光体の発光を吸収しない材料を用いることにより、その効果がより高められていることが分かる。
実施例2
《蛍光体膜の作製》
〔蛍光体膜Aの作製:本発明〕
市販のZn2SiO4:Mn蛍光体を、ボールミルで解砕し、平均粒径を8μmにしたものと、旭テクノグラス社製のKF9079(軟化点336℃)とを質量比70:30で混合して溶射用粉体を調製した。次いで、この溶射用粉体を、実施例1に記載の蛍光体シート1の作製で用いた溶射条件と同様にして、ガラス板上に溶射して蛍光体膜Aを作製した。このとき、蛍光体は溶融せず、旭テクノグラス社製のKF9079のみが溶融した。
〔蛍光体膜Bの作製:比較例〕
上記蛍光体膜Aの作製において、実施例1に記載の蛍光体シート1の作製で用いた溶射条件に代えて、プラズマ溶射装置(エアロプラズマ社製、APS7050)を用いて、プラズマ溶射(プラズマ出力18kW、溶射距離200mm)で行った以外は同様にして、
蛍光体膜Bを作製した。このとき、蛍光体Aと旭テクノグラス社製のKF9079は共に溶融した状態で蛍光体膜を形成していた。
《蛍光体膜の評価》
上記作製した各蛍光体膜について、下記の方法に従って発光特性の評価を行い、得られた結果を、表2に示す。
ガラス板上に各蛍光体膜を有する各試料を3cm角に切断した後、空冷式真空紫外光源ユニット L8998(浜松ホトニクス社製)を用いて、波長160nmの真空紫外線を照射し、その際の発光輝度を調べた。発光輝度は、蛍光体膜Bを有する試料の輝度を100としたときの相対値として求めた。
Figure 0004419626
表2に記載の結果より明らかなように、蛍光体粉末と、蛍光体粉末よりも融点が低い無機物質とから構成されている溶射用粉末を用いて作製した蛍光体膜は、比較例に対し高い輝度を有していることが分かる。
プラズマディスプレイパネルの構成の一例を示す概略分解斜視図である。 図1のプラズマディスプレイパネルのA−A′に沿った拡大概略断面図である。 電解放出ディスプレー(FED)の構成の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 プラズマディスプレイパネル(PDP)
1a 前面板
1b 背面板
2 透明放電電極
3 バス放電電極
4 放電電極
5、8 誘電体層
6 保護層
7 アドレス電極
9 隔壁
10 セル
11、28 蛍光体層
12 前面ガラス
13 背面ガラス
21 アノードガラスシート
22 カソードカラスシート
23 支持枠
24 メタルバック
25 ゲート電極
26 イクロティップ

Claims (4)

  1. 少なくとも、蛍光体粉末と該蛍光体粉末よりも融点が低い無機物質とから構成されており、該蛍光体粉末は溶融せず、かつ該蛍光体粉末より融点の低い無機物質が溶融ないし半溶融する条件で溶射して複合皮膜の製造する方法に用いられる溶射用粉末であって、該無機物質が五酸化バナジウムまたは低融点ガラスであることを特徴とする溶射用粉末。
  2. 前記蛍光体粉末よりも融点の低い無機物質が、励起エネルギー線または蛍光体の発光を吸収しないことを特徴とする請求項1に記載の溶射用粉末。
  3. 請求項1または2に記載の溶射用粉末を溶射して複合皮膜を製造する方法であって、該溶射用粉末を、蛍光体粉末が溶融せず、かつ蛍光体より融点の低い無機物質が溶融ないし半溶融する条件で溶射することを特徴とする複合皮膜の製造方法。
  4. 請求項3に記載の複合皮膜の製造方法により製造されたことを特徴とする複合皮膜。
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