JP4419613B2 - 動力出力装置の異常検出装置およびその異常検出方法 - Google Patents

動力出力装置の異常検出装置およびその異常検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、動力出力装置の異常検出装置およびその異常検出方法に関し、詳しくは、電動機と該電動機を含む電気駆動手段と電力のやり取りが可能な蓄電手段とを備える動力出力装置の異常検出装置およびその異常検出方法に関する。
従来、この種の動力出力装置の異常検出装置としては、二つの回転電機における電力収支とこの二つの回転電機と電力をやり取りするバッテリに入出力される電力とに基づいて装置の異常を判定するものが提案されている(特許文献1参照)。この装置では、二つの回転電機のトルク指令値と回転数とに基づいて演算される電力収支と、バッテリを流れる電流と端子間電圧とに基づくバッテリ電力との偏差が予め定められた閾値よりも大きいときに装置の異常と判定している。なお、回転電機の制御は、トルク指令値に基づいてPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成してインバータのスイッチング素子をスイッチング制御することにより行なわれている。
特開平11−18213号公報
上述の動力出力装置の異常検出装置では、出力応答性や安定性等が異なる複数の制御モード、例えば、PWM制御における正弦波制御モードや過変調制御モード、矩形波制御モードなどの複数の制御モードを回転電機の動作状態に応じて切り替えて制御する場合、装置の異常を誤判定することがないよう適切に対処することが求められる。
本発明の動力出力装置の異常検出装置およびその異常検出方法は、動力出力装置の異常をより正確に検出することを目的とする。
本発明の動力出力装置の異常検出装置およびその異常検出方法は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の動力出力装置の異常検出装置は、
電動機と、該電動機を含む電気駆動手段と電力のやり取りが可能な蓄電手段とを備える動力出力装置の異常検出装置であって、
駆動要求に基づいて前記電気駆動手段に入出力される電力の収支を演算する電力収支演算手段と、
前記蓄電手段に入出力される電力を検出する電力検出手段と、
前記電動機を制御可能な複数の制御モードのうち設定されている制御モードに基づいて前記演算された電力の収支と前記検出された電力とが一致するとみなせる許容誤差を設定する許容誤差設定手段と、
前記演算された電力の収支と前記検出された電力と前記設定された許容誤差とに基づいて前記動力出力装置の異常判定を行なう異常判定手段と
を備えることを要旨とする。
この本発明の動力出力装置の異常検出装置では、駆動要求に基づいて電動機を含む電気駆動手段に入出力される電力の収支を演算すると共に電気駆動手段と電力をやり取りする蓄電手段に入出力される電力を検出し、電動機を制御可能な複数の制御モードのうち設定されている制御モードに基づいて電気駆動手段に入出力される電力の収支と蓄電手段に入出力される電力とが一致するとみなせる許容誤差を設定し、電気駆動手段に入出力される電力の収支と蓄電手段に入出力される電力と設定した許容誤差とに基づいて動力出力装置の異常を判定する。したがって、複数の制御モードのうち設定されている制御モードに基づいて許容誤差を設定するから、設定されている制御モードに拘わらず動力出力装置の異常をより正確に検出することができる。ここで、「電気駆動手段」には、電動機の他、蓄電手段の充放電を伴って駆動する補機類なども含まれる。
こうした本発明の動力出力装置の異常検出装置において、前記許容誤差設定手段は、前記複数の制御モードのうち前記電動機を制御した際の出力応答性が高い制御モードほど小さな許容誤差を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、制御モードの出力応答性に応じてより正確に動力出力装置の異常を検出することができる。この態様の本発明の動力出力装置の異常検出装置において、前記許容誤差設定手段は、前記制御モードの設定が前記出力応答性の低い側から高い側に変更されたとき、該制御モードの設定が変更されてから所定時間を経過するまでは変更前の制御モードに基づく許容誤差を維持し、前記所定時間を経過したときに変更後の制御モードに基づいて許容誤差を設定する手段であるものとすることもできるし、前記異常判定手段は、前記制御モードの設定が変更されたとき、該設定が変更されてから所定時間を経過するまでは前記異常判定を行なわない手段であるものとすることもできる。こうすれば、制御モードの設定が変更された直後の異常の誤判定を防止することができる。
また、本発明の動力出力装置の異常検出装置において、前記異常判定手段は、前記演算された電力の収支に対する前記検出された電力の割合と前記設定された許容誤差とに基づいて前記異常判定を行なう手段であるものとすることもできる。この態様の本発明の動力出力装置の異常検出装置において、前記異常判定手段は、前記演算された電力の収支が値0を含む所定範囲内にあるときには、前記異常判定を行なわない手段であるものとすることもできる。こうすれば、動力出力装置の異常の誤判定を防止することができる。
さらに、本発明の動力出力装置の異常検出装置において、前記異常判定手段は、前記演算された電力の収支と前記検出された電力とのズレが所定時間に亘って連続して前記設定された許容誤差を超えているときに異常と判定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、異常の誤判定をより確実に防止することができる。
あるいは、本発明の動力出力装置の異常検出装置において、前記電気駆動手段は、駆動軸に動力を出力するための発電可能な少なくとも二つの電動機を含む手段であるものとすることもできる。この態様の本発明の動力出力装置の異常検出装置において、前記動力出力装置は、内燃機関と、該内燃機関の出力軸と駆動軸と第3の回転軸の3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力が決定されると残余の1軸に入出力される動力が決定される3軸式動力入出力手段と、前記少なくとも二つの電動機のうちの一つとして前記第3の回転軸に動力を入出力する回転軸用電動機と、前記少なくとも二つの電動機のうちの一つとして前記駆動軸に動力を入出力する駆動軸用電動機と、を備え、前記電気駆動手段は、前記回転軸用電動機と前記駆動軸用電動機とを含む手段であるものとすることもできるし、前記動力出力装置は、内燃機関と、前記少なくとも二つの電動機のうちの一つとして前記内燃機関の出力軸に接続された第1の回転子と駆動軸に接続された第2の回転子とを有し電磁的な作用により該第1の回転子と該第2の回転子とを相対的に回転させる対回転子電動機と、前記少なくとも二つの電動機のうちの一つとして前記駆動軸に動力を入出力する駆動軸用電動機と、を備え、前記電気駆動手段は、前記対回転子電動機と前記駆動軸用電動機とを含む手段であるものとすることもできる。
また、本発明の動力出力装置の異常検出装置において、前記電動機は、PWMにより制御され、前記複数の制御モードは、正弦波制御モード,過変調制御モード,矩形波制御モードのうちの少なくとも二つのモードを含むものとすることもできる。
本発明の動力出力装置の異常検出方法は、
電動機と、該電動機を含む電気駆動手段と電力のやり取りが可能な蓄電手段とを備える動力出力装置の異常検出方法であって、
(a)駆動要求に基づいて前記電気駆動手段に入出力される電力の収支を演算し、
(b)前記蓄電手段に入出力される電力を検出し、
(c)前記電動機を制御可能な複数の制御モードのうち設定されている制御モードに基づいて前記演算された電力の収支が前記検出された電力に一致するとみなせる許容誤差を設定し、
(d)前記演算された電力の収支と前記検出された電力と前記設定された許容誤差とに基づいて前記動力出力装置の異常判定を行なう
ことを要旨とする。
この本発明の動力出力装置の異常検出方法によれば、駆動要求に基づいて電動機を含む電気駆動手段に入出力される電力の収支を演算すると共に電気駆動手段と電力をやり取りする蓄電手段に入出力される電力を検出し、電動機を制御可能な複数の制御モードのうち設定されている制御モードに基づいて電気駆動手段に入出力される電力の収支と蓄電手段に入出力される電力とが一致するとみなせる許容誤差を設定し、電気駆動手段に入出力される電力の収支と蓄電手段に入出力される電力と設定した許容誤差とに基づいて動力出力装置の異常を判定する。したがって、複数の制御モードのうち設定されている制御モードに基づいて許容誤差を設定するから、設定されている制御モードに拘わらず動力出力装置の異常をより正確に検出することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態としての動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、動力出力装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号(PWM信号)が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた電流センサ51aからの充放電電流Ib,バッテリ50の端子間に取り付けられた電圧センサ51bからの端子間電圧Vb、バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度などが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサ51aにより検出された充放電電流Ibの積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。また、ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、警告灯89への点灯信号などが出力ポートを介して出力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、実施例の異常検出装置による動力出力装置の異常を検出する動作について説明する。説明の都合上、まず、実施例の異常検出装置による異常検出動作について説明する前にハイブリッド自動車20の基本的な動作について説明する。図2は、実施例のハイブリッド自動車20のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、8msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の残容量SOCなどのデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転数センサ43,44により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、残容量SOCは、バッテリ50の充放電電流Ibに基づいてバッテリECU52により演算されたものを通信により入力するものとした。
続いて、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪39a,39bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*を設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図3に要求トルク設定用のマップの一例を示す。
そして、設定した要求トルクTr*に基づいてエンジン22から出力すべきエンジン要求パワーPe*を設定する(ステップS120)。ここで、エンジン要求パワーPe*は、実行トルクT*にリングギヤの回転数Nr(=Nm2/Gr)を乗じたものにバッテリ50の充放電要求量Pb*とロスLossを加えたものとして計算することができる。なお、充放電要求量Pb*は、バッテリ50の残容量(SOC)やアクセル開度Accなどによって設定することができる。
エンジン要求パワーPe*を設定すると、設定したエンジン要求パワーPe*に基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する処理を行なう(ステップS130)。この処理は、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインとエンジン要求パワーPe*とに基づいて目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定することにより行なう。エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図4に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインと目標パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。
そして、設定した目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(=Nm2/Gr)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいて次式(2)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算する(ステップS140)。動力分配統合機構30の各回転要素の回転数とトルクの力学的な関係を示す共線図を図5に示す。図中、左のS軸はサンギヤ31の回転数を示し、C軸はキャリア34の回転数を示し、R軸はリングギヤ32(リングギヤ軸32a)の回転数Nrを示す。前述したように、サンギヤ31の回転数はモータMG1の回転数Nm1でありキャリア34の回転数はエンジン22の回転数Neであるから、モータMG1の目標回転数Nm1*はリングギヤ軸32aの回転数Nrとエンジン22の目標回転数Ne*と動力分配統合機構30のギヤ比ρとに基づいて式(1)により計算することができる。したがって、モータMG1が目標回転数Nm1*で回転するようトルク指令値Tm1*を設定してモータMG1を駆動制御することにより、エンジン22の目標回転数Ne*で回転させることができる。ここで、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「KP」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「KI」は積分項のゲインである。
Figure 0004419613
モータMG1の目標回転数Nm1*とトルク指令Tm1*とを計算すると、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρと変速機60の現在のギヤ比Grとを用いて要求トルクTr*をリングギヤ軸32aに作用させるためにモータMG2から出力すべきトルクとしてのトルク指令Tm2*を次式(3)により計算する(ステップS150)。
Figure 0004419613
モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、トルク指令Tm1*,Tm2と回転数Nm1,Nm2とに基づいてモータMG1,MG2の制御モードを設定する(ステップS160)。ここで、制御モードは、実施例では、変調率が値1以下の正弦波制御モード(三角波比較によるPWM制御における三角波の振幅以下の振幅で正弦波状の出力電圧指令値を生成してPWM信号に変換)と、変調率が値1を越える過変調制御モード(三角波の振幅を越えた振幅で正弦波状の出力電圧指令値を生成してPWM信号に変換)と、矩形波の信号でインバータ41,42をスイッチングする矩形波制御モードとがあり、モータMG1,MG2の回転数とトルクとにより制御モードを判定する制御モード判定用マップによりいずれかを選択して設定するものとした。制御モード判定用マップの一例を図6に示す。
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*、モータMG1,MG2の各制御モードCm1,Cm2を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*と制御モードCm1,Cm2についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS170)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における燃料噴射制御や点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*と制御モードCm1,Cm2を受信したモータECU40は、制御モードCm1をもってトルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共に制御モードCmをもってトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
次に、実施例の異常検出装置の動作について説明する。図7は、ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される異常検出処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、8msec毎)に繰り返し実行される。実施例の異常検出装置は、電流センサ51aと、電圧センサ51bと、回転位置検出センサ43,44と、警告灯89と、ハイブリッド用電子制御ユニット70とから構成されている。
異常検出処理ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、図2の駆動制御ルーチンのステップS140,S150で設定されたモータMG1,MG2のトルク指令値Tm1*,Tm2*やモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2、バッテリ50の充放電電流Ib,端子間電圧Vbなどのデータを入力し(ステップS200)、入力したトルク指令値Tm1*,Tm2*に回転数Nm1,Nm2をそれぞれ乗じてモータMG1,MG2のモータパワーPm1,Pm2を計算する(ステップS210)。ここで、充放電電流Ibと端子間電圧Vbは、それぞれ電流センサ51aにより検出されたものと電圧センサ51bにより検出されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。
続いて、異常検出許可条件が成立しているか否かを判定する(ステップS220)。異常検出許可条件は、モータMG1,MG2の状態が異常を検出するのに適した状態であるか否かを判定するためのものであり、例えば、回転数Nm1,Nm2が所定回転数未満か否か、モータパワーPm1の絶対値とモータパワーPm2の絶対値との和が所定値よりも大きいか否か、モータパワーPm1とモータパワーPm2との和に対するモータパワーPm1の割合とモータパワーPm2の割合のいずれかが所定範囲内にあるか否かを判定することにより行なわれる。異常検出許可条件が成立していないと判定されると、異常判定を行なうことなく、後述する異常カウンタCを値0に設定して(ステップS230)、本ルーチンを終了する。
異常検出許可条件が成立していると判定されると、計算したモータパワーPm1,Pm2の和の絶対値が所定値Prefよりも大きいか否かを判定し(ステップS240)、モータパワーPm1,Pm2の和の絶対値が所定値Prefよりも大きいと判定されると、モータパワーPm1,Pm2と充放電電流Ib,端子間電圧Vbとに基づいて次式(4)によりパワー実行率Aを計算する処理を行なう(ステップS250)。ここで、パワー実行率Aは、動力出力装置、特に、モータMG1,MG2の異常を判定するために計算されるものであり、式(4)から解るように、モータMG1,MG2により入出力される電力の収支に対するバッテリ50に入出力される電力の割合として計算される。モータパワーPm1,Pm2の和の絶対値が所定値Prefよりも大きくない(所定値Pref未満)と判定されると、上述したパワー実行率Aを計算することなく、異常カウンタCを値0に設定して(ステップS230)、本ルーチンを終了する。このように、モータパワーPm1,Pm2の和の絶対値が所定値Prefよりも大きくないときにパワー実行率Aを計算しないのは、パワー実行率Aの分母として計算されるモータパワーPm1,Pm2が値0に近いほどそこに含まれる誤差の影響がパワー実行率Aに大きく現れ、パワー実行率Aに基づいて動力出力装置の異常を判定する際に誤判定する可能性が大きくなることに基づいている。したがって、所定値Prefは、こうした誤判定の可能性が大きくならないよう値0近傍の値に定めらる。
Figure 0004419613
こうしてパワー実行率Aを計算すると、次に、モータMG1,MG2にそれぞれ設定されている制御モードCm1,Cm2に基づいて許容範囲を設定し(ステップS260)、ステップS250で計算したパワー実行率Aが設定した許容範囲内にあるか否かを判定し(ステップS270)、パワー実行率Aが許容範囲内にあると判定されると、動力出力装置に異常は生じていないと判断して、異常カウンタCを値0に設定して(ステップS230)、本ルーチンを終了し、パワー実行率Aが許容範囲内にないと判定されると、異常カウンタCを値1だけインクリメントすると共に(ステップS280)、異常カウンタCの値が閾値Crefよりも大きいか否かを判定し(ステップS290)、異常カウンタCの値が閾値Crefよりも大きいと判定されると、動力出力装置に異常が生じていると判断し、警告灯89を点灯して(ステップS300)、本ルーチンを終了する。ここで、閾値Crefは、パワー実行率Aが許容範囲内にない状態が連続して生じたときに異常と判定するタイミングを定めるために設定されるものである。なお、異常カウンタCの値が閾値Cref以下と判定されると、未だ異常を判定すべき時期にはないと判断して、そのまま本ルーチンを終了する。ステップS260における許容範囲は、図8に例示する許容範囲設定処理ルーチンの実行により設定される。以下、この許容範囲設定処理ルーチンについて説明する。
許容判定設定処理ルーチンが実行されると、まず、制御モードCmを入力する処理を行なう(ステップS400)。ここで、制御モードCm1の入力は、例えば、モータMG1,MG2にそれぞれ設定されている制御モードCm1,Cm2のうち出力応答性が悪い方の制御モードを読み込むことにより行なわれる。実施例では、正弦波制御モードから過変調制御モード,矩形波制御モードに向かうほど出力応答性が悪くなっていくから、モータMG1,MG2の制御モードCm1,Cm2としてそれぞれ正弦波制御モード,矩形波制御モードが設定されているときには、矩形波制御モードを制御モードCmとして入力し、モータMG1,MG2の制御モードCm1,Cm2としてそれぞれ過変調制御モード,正弦波制御モードが設定されているときには、過変調制御モードを制御モードCmとして入力するのである。このように、モータMG1,MG2に設定されている制御モードCm1,Cm2のうち出力応答性が悪い方の制御モードを制御モードCmとして入力して許容範囲を設定することにより、この許容範囲を用いて異常を判定する際の誤判定を防止している。
制御モードCmを入力すると、入力した制御モードCmと前回のこのルーチンの実行により入力した制御モード(前回Cm)とが一致するか否か、即ち、制御モードCmの切替が発生したか否かを判定し(ステップS410)、切替が発生していると判定されると、その切替が矩形波制御モードから過変調制御モードへの切替か過変調制御モードから正弦波制御モードへの切替かのいずれかであるか否かを判定する(ステップS460)。否定的な判定のとき、即ち、正弦波制御モードから過変調制御モードへの切替か過変調制御モードから矩形波制御モードへの切替かのいずれかであるときには、フラグFを値0に設定すると共に(ステップS440)、ステップS400で入力した制御モードCmに基づいて許容範囲を設定して(ステップS450)、本ルーチンを終了する。ここで、フラグFは、矩形波制御モードから過変調制御モードへの切替か過変調制御モードから正弦波制御モードへの切替かのいずれかの制御モードCmの切替が行なわれたかを示すフラグである。許容範囲は、狭い順に、正弦波制御モード,過変調制御モード,矩形波制御モードとなるように設定される。モータMG1,MG2により設定される制御モードにおける出力応答性は、正弦波制御モードが最も良く過変調制御モード,矩形波制御モードに移行するにつれて悪くなっていく。出力応答性が悪いとトルク指令値Tm1*,Tm2*と回転数Nm1,Nm2とから計算されるモータMG1,MG2から入出力される電力の収支(モータパワーPm1,Pm2の和)とトルク指令値Tm1*,Tm2*に基づいて実際にモータMG1,MG2を制御したときにバッテリ50から入出力される電力との間に生じるズレが大きくなるから、パワー実行率Aが値1よりも小さくなったり大きくなったりする。したがって、狭い順に正弦波制御モード,過変調制御モード,矩形波制御モードとなるように許容範囲を設定すれば、出力応答性が良い正弦波制御モードでは比較的狭い許容範囲が設定されるから異常の判定精度を向上させることができ、出力応答性が悪い過変調制御モードや矩形波制御モードでは比較的広い許容範囲が設定されるから異常の誤判定を防止することができるのである。なお、許容範囲は、制御モードCmにより広狭される他、モータMG1,MG2の駆動効率やモータMG1,MG2を制御した際に減磁分などによって具体的な範囲が定められる。
ステップS460で制御モードCmの切替が矩形波制御モードから過変調制御モードへの切替か過変調制御モードから正弦波制御モードへの切替かのいずれかであると判定されると、フラグFを値1に設定すると共に(ステップS470)、切替前の制御モードに基づいて許容範囲を設定して(ステップS480)、本ルーチンを終了する。即ち、制御モードCmの切替が矩形波制御モードから過変調制御モードへの切替であるときには、切替前の矩形波制御モードに基づいて許容範囲を設定し、過変調制御モードから正弦波制御モードへの切替であるときには、切替前の過変調制御モードに基づいて許容範囲を設定するのである。その後、本ルーチンが繰り返し実行されてステップS410で制御モードCmの切替が発生していないと判定されると共にステップS420でフラグFが値1と判定されると、制御モードCmの切替が矩形波制御モードから過変調制御モードへの切替または過変調制御モードから正弦波制御モードへの切替がなされてから所定時間trefが経過したか否かを判定し(ステップS430)、所定時間trefが経過するまで切替前の制御モードCmに基づいて許容範囲を設定し(ステップS480)、所定時間trefが経過したときにフラグFを値0に設定すると共に(ステップS440)、ステップS400で入力した制御モードCm、即ち切替後の制御モードに基づいて許容範囲を設定する(ステップS450)。このように、制御モードCmの切替が矩形波制御モードから過変調制御モードへの切替か過変調制御モードから正弦波制御モードへの切替かのいずれか、即ち、出力応答性が悪い制御モードから良い制御モードへ切替が行なわれたときには、切替が発生してから所定時間trefが経過するまでは切替前の制御モードCmに基づいて広い許容範囲を設定し、所定時間trefが経過したときに切替後の制御モードCmに基づいて狭い許容範囲を設定するのである。したがって、こうした制御モードの切替の際における切替後の制御モードの制御が安定するまで広い許容範囲を保持することになるから、切替前後における異常の誤判定を防止することができる。
なお、ステップS410で制御モードCmの切替が発生しておらず、ステップS420でフラグFが値0と判定されると、フラグFを値0に設定すると共に(ステップS440)、ステップS400で入力した制御モードCmに基づいて許容範囲を設定する処理を行なって(ステップS450)、本ルーチンを終了する。
図9に、パワー実行率Aと制御モードCmと許容範囲の時間的な変化の様子を示す。時刻t1に制御モードCmが正弦波制御モードから過変調制御モードに切り替えられ、更に、時刻t2に過変調制御モードから矩形波制御モードに切り替えられると、いずれの切替も出力応答性が悪い制御モードから良い制御モードへの切替ではないから、切替後直ちに広い許容範囲に変更される。その後、時刻t3に制御モードCmが矩形波制御モードから過変調制御モードに切り替えられると、出力応答性が悪い制御モードから良い制御モードへの切替であるから、切替前の制御モード(矩形波制御モード)に基づく許容範囲を保持しながら所定時間trefが経過するのを待つ。図9の例では、この所定時間trefが経過する前に更に時刻t4に過変調制御モードから正弦波制御モードに切り替えられているから、そのまま許容範囲を保持しながら、更に、その切替から所定時間trefが経過するまで待ち、所定時間trefが経過したときに、切替後の制御モード(正弦波制御モード)における許容範囲に設定が変更される。
以上説明した実施例の異常検出装置によれば、トルク指令値Tm1*,Tm2*と回転数Nm1,Nm2とから求められるモータパワーPm1,Pm2の和に対するバッテリ50の充放電電力(=Ib×Vb)の割合としてパワー実行率Aを計算すると共にモータMG1,MG2に設定されている制御モードCmに基づいて許容範囲を設定して、パワー実行率Aが設定した許容範囲内にあるか否かにより動力出力装置(モータMG1,MG2)の異常を判定するから、設定されている制御モードに拘わらずより正確に異常判定を行なうことができる。しかも、モータパワーPm1,Pm2の和の絶対値が所定値Pref以下(値0近傍)でモータパワーPm1,Pm2の和に含まれる誤差がパワー実行率Aに与える影響が大きいときには、こうした異常判定を行なわないから、異常の誤判定をより確実に防止することができる。
また、実施例の異常検出装置によれば、出力応答性が良い制御モードから悪い制御モードへ切替、即ち、矩形波制御モードから過変調制御モードへ切替または過変調制御モードから正弦波制御モードへ切替が行なわれたとき、切替前の制御モードに基づく許容範囲を保持しておき所定時間trefが経過したときに切替後の制御モードに基づく許容範囲に変更するから、制御モードの切替前後の異常の誤判定を防止することができる。
実施例の異常検出装置では、出力応答性が良い制御モードから悪い制御モードへ切替が行なわれたときに切替前の制御モードに基づく許容範囲を保持しておき所定時間trefを経過したときに切替後に基づく許容範囲に変更するものとしたが、こうした制御モードの切替が行なわれたときには所定時間trefが経過するまでは異常判定そのものを行なわないものとしてもよい。
実施例の異常検出装置では、モータMG1,MG2に設定されている制御モードCm1,Cm2のうち出力応答性が悪い方の制御モードCmを用いて許容範囲を設定するものとしたが、制御モードCm1,Cm2の両方を用いて許容範囲を設定するものとしてもよい。この場合、制御モードCm1,Cm2の各組み合わせと許容範囲とを関係付けて記憶しておき、現在設定されている制御モードCm1,Cm2に基づいて対応する許容範囲を選択して設定すればよい。
実施例の異常検出装置では、過変調制御モードと矩形波制御モードとで異なる許容範囲を設定したが、同一の許容範囲を設定するものとしてもよい。
実施例の異常検出装置では、バッテリ50から入出力される電力(=Ib×Vb)とモータMG1,MG2のモータパワーPm1,Pm2とに基づいて異常判定を行なうものとしたが、モータMG1,MG2以外にバッテリ50の充放電を伴って駆動する機器(例えば、エアーコンディショナなどの補機類)が設けられているときには、この機器の駆動に要求される電力をモータパワーPm1,Pm2の和に加えて異常判定を行なうものとしてもよい。
実施例の異常検出装置では、バッテリ50から入出力される電力(=Ib×Vb)をモータMG1,MG2のモータパワーPm1,Pm2の和で除することによりパワー実行率Aを計算してこれと許容範囲とを比較して異常判定を行なったが、単にバッテリ50から入出力される電力(=Ib×Vb)とモータMG1,MG2のモータパワーPm1,Pm2の和との偏差が許容範囲内にあるか否かに基づいて異常判定を行なうものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、正弦波制御モードと過変調制御モードと矩形波制御モードの3つの制御モードをモータMG1,MG2の状態(トルクと回転数)に基づいて選択してモータMG1,MG2の制御を行なうものとしたが、正弦波制御モードと過変調制御モードの2つを選択してモータMG1,MG2の制御を行なうものとしてもよいし、正弦波制御モードと矩形波制御モードの2つを選択してモータMG1,MG2の制御を行なうものとしてもよい。これを異常判定装置に適用する場合、2つの制御モードのうち設定されている制御モードに基づいて許容範囲を選択して異常を判定すればよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22からの動力とモータMG1からの動力とを動力分配統合機構30を介してリングギヤ軸32aに出力すると共にモータMG2からの動力を減速機35を介してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図10の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、更に、モータMG3からの動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図10における車輪64a,64bに接続された車軸)に出力するものとしてもよい。この構成を異常検出装置に適用する場合、モータMG1,MG2のモータパワーPm1,Pm2に更にモータMG3のモータパワーPm3を加算したものとバッテリ50に入出力される電力とに基づいて異常判定を行なうものとすればよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪63a,63bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図11の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪63a,63bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
実施例では、PWM制御における正弦波制御モードと過変調制御モードと矩形波制御モードとを選択してモータMG1,MG2を制御するハイブリッド自動車に適用して説明したが、これに限られず、出力応答性が異なる複数の制御モードを切り替えて蓄電装置の充放電を伴ってモータを制御可能なものであれば、如何なる装置にも適用可能である。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明の一実施形態としての異常検出装置を備えるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 実施例のハイブリッド自動車20のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を示す説明図である。 動力分配統合機構30の各回転要素のトルクと回転数の力学的な関係を示す説明図である。 制御モード設定用マップの一例を示す説明図である。 実施例の異常検出装置により実行される異常検出処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 実施例の異常検出装置により実行される許容範囲設定処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 パワー実行率Aと制御モードと許容範囲の時間変化の様子を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35,135 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、51a 電流センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b,64a,64b 駆動輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、89 警告灯、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ 234 アウターロータ、MG1,MG2,MG3 モータ。

Claims (10)

  1. 電動機と、該電動機を含む電気駆動手段と電力のやり取りが可能な蓄電手段とを備える動力出力装置の異常検出装置であって、
    駆動要求に基づいて前記電気駆動手段に入出力される電力の収支を演算する電力収支演算手段と、
    前記蓄電手段に入出力される電力を検出する電力検出手段と、
    前記演算された電力の収支と前記検出された電力とが一致するとみなせる許容誤差として前記電動機を制御可能な複数の制御モードのうち設定されている制御モードが前記電動機を制御した際の出力応答性が高い制御モードほど小さな許容誤差を設定する許容誤差設定手段と、
    前記演算された電力の収支と前記検出された電力と前記設定された許容誤差とに基づいて前記動力出力装置の異常判定を行なう異常判定手段と
    を備え、
    前記許容誤差設定手段は、前記制御モードの設定が前記出力応答性の低い側から高い側に変更されたとき、該制御モードの設定が変更されてから所定時間を経過するまでは変更前の制御モードに基づく許容誤差を維持し、前記所定時間を経過したときに変更後の制御モードに基づいて許容誤差を設定する手段である
    ことを特徴とする動力出力装置の異常検出装置。
  2. 前記異常判定手段は、前記制御モードの設定が変更されたとき、該設定が変更されてから所定時間を経過するまでは前記異常判定を行なわない手段である請求項記載の動力出力装置の異常検出装置。
  3. 前記異常判定手段は、前記演算された電力の収支に対する前記検出された電力の割合と前記設定された許容誤差とに基づいて前記異常判定を行なう手段である請求項1または2記載の動力出力装置の異常検出装置。
  4. 前記異常判定手段は、前記演算された電力の収支が値0を含む所定範囲内にあるときには、前記異常判定を行なわない手段である請求項記載の動力出力装置の異常検出装置。
  5. 前記異常判定手段は、前記演算された電力の収支と前記検出された電力とのズレが所定時間に亘って連続して前記設定された許容誤差を超えているときに異常と判定する手段である請求項1ないしいずれか1項に記載の動力出力装置の異常検出装置。
  6. 前記電気駆動手段は、駆動軸に動力を出力するための発電可能な少なくとも二つの電動機を含む手段である請求項1ないしいずれか1項に記載の動力出力装置の異常検出装置。
  7. 請求項記載の動力出力装置の異常検出装置であって、
    前記動力出力装置は、内燃機関と、該内燃機関の出力軸と駆動軸と第3の回転軸の3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力が決定されると残余の1軸に入出力される動力が決定される3軸式動力入出力手段と、前記少なくとも二つの電動機のうちの一つとして前記第3の回転軸に動力を入出力する回転軸用電動機と、前記少なくとも二つの電動機のうちの一つとして前記駆動軸に動力を入出力する駆動軸用電動機と、を備え、
    前記電気駆動手段は、前記回転軸用電動機と前記駆動軸用電動機とを含む手段である
    動力出力装置の異常検出装置。
  8. 請求項記載の動力出力装置の異常検出装置であって、
    前記動力出力装置は、内燃機関と、前記少なくとも二つの電動機のうちの一つとして前記内燃機関の出力軸に接続された第1の回転子と駆動軸に接続された第2の回転子とを有し電磁的な作用により該第1の回転子と該第2の回転子とを相対的に回転させる対回転子電動機と、前記少なくとも二つの電動機のうちの一つとして前記駆動軸に動力を入出力する駆動軸用電動機と、を備え、
    前記電気駆動手段は、前記対回転子電動機と前記駆動軸用電動機とを含む手段である
    動力出力装置の異常検出装置。
  9. 請求項1ないしいずれか1項に記載の動力出力装置の異常検出装置であって、
    前記電動機は、PWMにより制御され、
    前記複数の制御モードは、正弦波制御モード,過変調制御モード,矩形波制御モードのうちの少なくとも二つのモードを含む
    動力出力装置の異常検出装置。
  10. 電動機と、該電動機を含む電気駆動手段と電力のやり取りが可能な蓄電手段とを備える動力出力装置の異常検出方法であって、
    (a)駆動要求に基づいて前記電気駆動手段に入出力される電力の収支を演算し、
    (b)前記蓄電手段に入出力される電力を検出し、
    (c)前記演算された電力の収支と前記検出された電力とが一致するとみなせる許容誤差として前記電動機を制御可能な複数の制御モードのうち設定されている制御モードが前記電動機を制御した際の出力応答性が高い制御モードほど小さな許容誤差を設定し、
    (d)前記演算された電力の収支と前記検出された電力と前記設定された許容誤差とに基づいて前記動力出力装置の異常判定を行ない、
    前記ステップ(c)は、前記制御モードの設定が前記出力応答性の低い側から高い側に変更されたとき、該制御モードの設定が変更されてから所定時間を経過するまでは変更前の制御モードに基づく許容誤差を維持し、前記所定時間を経過したときに変更後の制御モードに基づいて許容誤差を設定する
    ことを特徴とする動力出力装置の異常検出方法。
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