JP2009227080A - 動力出力装置やこれを備える車両および駆動装置並びにこれらの制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】二次電池の温度に応じてより適正に昇圧回路と電動機とを制御する。
【解決手段】バッテリ温度Tbが閾値Tref以上のときには、矩形波制御の範囲内でモータMG1,MG2が制御されるよう高電圧系の電圧指令Vh*を設定して昇圧回路とモータMG1,MG2を制御し(S220,S230,S260)、バッテリ温度Tbが閾値Tref未満のときには、正弦波制御の範囲内でモータMG1,MG2が制御されるよう高電圧系の電圧指令Vh*を設定して昇圧回路とモータMG1,MG2を制御する(S240〜S260)。これにより、バッテリ温度Tbが閾値Tref以上のときには、バッテリの劣化を招くことなく、高電圧系の電圧Vhを低くすることができ、バッテリ温度Tbが閾値Tref未満のときには、過大な電力によるバッテリ50の充放電を抑止し、バッテリ50の劣化を抑制することができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、動力出力装置やこれを備える車両および駆動装置並びにこれらの制御方法に関する。
従来、この種の動力出力装置としては、走行用のモータの回転速度やモータ温度,モータに要求される要求トルクに基づいてPWM駆動方式と矩形波駆動方式とのうちの一方を選択し、選択した駆動方式でモータを回転駆動するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、モータ温度が高いほど矩形波駆動方式を選択してモータを駆動することにより運転効率を向上させている。
特開2007−223452号公報
インバータのスイッチングによるモータの制御としては、一般的に、変調率が値1以下の正弦波制御モード(三角波比較によるPWM制御における三角波の振幅以下の振幅で正弦波状の出力電圧指令値を生成してPWM信号に変換)と、変調率が値1を越える過変調制御モード(三角波の振幅を越えた振幅で正弦波状の出力電圧指令値を生成してPWM信号に変換)と、矩形波の信号でインバータをスイッチングする矩形波制御モードとがあり、モータからの出力は正弦波制御モード,過変調制御モード,矩形波制御モードの順に大きくなり、モータからの出力トルクを変化させるときの応答性は正弦波制御モード,過変調制御モード,矩形波制御モードの順に悪くなる。また、モータに電力供給を行なう二次電池は、一般的に、その温度が低いときには充放電可能な最大電力が小さくなり、充放電可能な最大電力を超えて二次電池を充放電すると二次電池の劣化を促進してしまう。さらに、二次電池からの電力を昇圧してモータ駆動用のインバータに供給する昇圧回路は、インバータ側の電圧を高くするほど損失が大きくなる。これらのことから、モータと、モータを駆動するインバータと、二次電池と、二次電池からの電力を昇圧してインバータに供給する昇圧回路とを備える駆動装置では、二次電池の温度を考慮して昇圧回路による昇圧とモータの制御モードとをより適正に選択するのが好ましい。
本発明の動力出力装置やこれを備える車両および駆動装置並びにこれらの制御方法は、電動機と、電動機を駆動するインバータ回路と、二次電池と、二次電池からの電力を昇圧してインバータ回路に供給する昇圧回路とを有するものにおいて、二次電池の温度に応じてより適正に昇圧回路と電動機とを制御することを主目的とする。
本発明の動力出力装置やこれを備える車両および駆動装置並びにこれらの制御方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
前記駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、
前記内燃機関からの動力を用いて発電する発電機と、
前記発電機を駆動する発電機用インバータ回路と、
前記駆動軸に駆動用のトルクを出力する電動機と、
前記電動機を駆動する電動機用インバータ回路と、
充放電可能な二次電池と、
前記二次電池からの電力を昇圧して前記発電機用インバータ回路および前記電動機用インバータ回路に供給する昇圧回路と、
前記二次電池の温度である電池温度を検出する電池温度検出手段と、
前記駆動軸に要求される要求トルクを設定する要求トルク設定手段と、
前記設定された要求トルクに基づいて前記内燃機関の目標運転ポイントと前記発電機のトルク指令である発電機トルク指令と前記電動機のトルク指令である電動機トルク指令とを設定する目標値設定手段と、
前記検出された電池温度が所定温度未満のときには前記内燃機関が前記目標運転ポイントで運転されると共に矩形波制御を用いない範囲内で前記発電機および前記電動機が前記発電機トルク指令および前記電動機トルク指令で駆動されるよう前記昇圧回路と前記内燃機関と前記発電機用インバータ回路と前記電動機用インバータ回路とを制御し、前記検出された電池温度が前記所定温度以上のときには前記内燃機関が前記目標運転ポイントで運転されると共に矩形波制御を用いる範囲内で前記発電機および前記電動機が前記発電機トルク指令および前記電動機トルク指令で駆動されるよう前記昇圧回路と前記内燃機関と前記発電機用インバータ回路と前記電動機用インバータ回路とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の動力出力装置では、駆動軸に要求される要求トルクを設定すると共に設定した要求トルクに基づいて内燃機関の目標運転ポイントと発電機のトルク指令である発電機トルク指令と電動機のトルク指令である電動機トルク指令とを設定する。そして、二次電池の温度が所定温度未満のときには内燃機関が目標運転ポイントで運転されると共に矩形波制御を用いない範囲内で発電機および電動機が発電機トルク指令および電動機トルク指令で駆動されるよう昇圧回路と内燃機関と発電機用インバータ回路と電動機用インバータ回路とを制御する。即ち、二次電池の温度が所定温度未満のときには、発電機と電動機とを矩形波制御を用いない範囲内で駆動することにより発電機や電動機からの出力トルクを変化させるときの応答性を良好なものとし、二次電池の温度が低いために二次電池を充放電可能な最大電力が小さくなったときに対応するのである。これにより、二次電池を充放電可能な最大電力より大きな電力によって充放電するのを抑制することができる。一方、二次電池の温度が所定温度以上のときには内燃機関が目標運転ポイントで運転されると共に矩形波制御を用いる範囲内で発電機および電動機が発電機トルク指令および電動機トルク指令で駆動されるよう昇圧回路と内燃機関と発電機用インバータ回路と電動機用インバータ回路とを制御する。即ち、二次電池の温度が所定温度以上のときには、発電機と電動機とを矩形波制御を用いる範囲内で駆動することにより、昇圧回路の昇圧側の電圧を低く押さえるのである。これにより、昇圧回路やインバータ回路における損失を小さくすることができ、装置のエネルギ効率を向上させることができる。
こうした本発明の動力出力装置において、前記制御手段は、前記検出された電池温度が前記所定温度未満のときには矩形波制御を用いずに前記発電機および前記電動機を前記発電機トルク指令および前記電動機トルク指令で駆動することができる電圧であって前記二次電池側の電圧以上の電圧を目標電圧として前記昇圧回路の昇圧側の電圧が該目標電圧になるよう前記昇圧回路を制御すると共に前記内燃機関が前記目標運転ポイントで運転され且つ前記昇圧回路の昇圧側の電圧で前記発電機および前記電動機が前記発電機トルク指令および前記電動機トルク指令で駆動されるよう前記内燃機関と前記発電機用インバータ回路と前記電動機用インバータ回路とを制御し、前記検出された電池温度が前記所定温度以上のときには矩形波制御を用いれば前記発電機および前記電動機を前記発電機トルク指令および前記電動機トルク指令で駆動することができる電圧であって前記二次電池側の電圧以上の電圧を目標電圧として前記昇圧回路の昇圧側の電圧が該目標電圧になるよう前記昇圧回路を制御すると共に前記内燃機関が前記目標運転ポイントで運転され且つ前記昇圧回路の昇圧側の電圧で前記発電機および前記電動機が前記発電機トルク指令および前記電動機トルク指令で駆動されるよう前記内燃機関と前記発電機用インバータ回路と前記電動機用インバータ回路とを制御する手段であるものとすることもできる。
また、本発明の動力出力装置において、前記制御手段は、前記検出された電池温度が前記所定温度未満のときには正弦波制御の範囲内で前記発電機および前記電動機が前記発電機トルク指令および前記電動機トルク指令で駆動されるよう前記昇圧回路と前記内燃機関と前記発電機用インバータ回路と前記電動機用インバータ回路とを制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、二次電池の温度が所定温度未満のときに発電機や電動機からの出力トルクを変化させるときの応答性を更に良好なものとすることができる。
さらに、本発明の動力出力装置において、前記駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記電動機の回転軸との3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段を備えるものとすることもできる。この場合、前記目標値設定手段は、前記設定された要求トルクと所定の制約とに基づいて前記目標運転ポイントを設定し、前記内燃機関が前記目標運転ポイントで運転されるよう前記発電機トルク指令を設定し、前記発電機を前記発電機トルク指令で駆動したときに前記駆動軸に前記要求トルクが出力されるよう前記電動機トルク指令を設定する手段であるものとすることもできる。
本発明の車両は、上述のいずれかの態様の本発明の動力出力装置、即ち、基本的には、駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、前記駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、前記内燃機関からの動力を用いて発電する発電機と、前記発電機を駆動する発電機用インバータ回路と、前記駆動軸に駆動用のトルクを出力する電動機と、前記電動機を駆動する電動機用インバータ回路と、充放電可能な二次電池と、前記二次電池からの電力を昇圧して前記発電機用インバータ回路および前記電動機用インバータ回路に供給する昇圧回路と、前記二次電池の温度である電池温度を検出する電池温度検出手段と、前記駆動軸に要求される要求トルクを設定する要求トルク設定手段と、前記設定された要求トルクに基づいて前記内燃機関の目標運転ポイントと前記発電機のトルク指令である発電機トルク指令と前記電動機のトルク指令である電動機トルク指令とを設定する目標値設定手段と、前記検出された電池温度が所定温度未満のときには前記内燃機関が前記目標運転ポイントで運転されると共に矩形波制御を用いない範囲内で前記発電機および前記電動機が前記発電機トルク指令および前記電動機トルク指令で駆動されるよう前記昇圧回路と前記内燃機関と前記発電機用インバータ回路と前記電動機用インバータ回路とを制御し、前記検出された電池温度が前記所定温度以上のときには前記内燃機関が前記目標運転ポイントで運転されると共に矩形波制御を用いる範囲内で前記発電機および前記電動機が前記発電機トルク指令および前記電動機トルク指令で駆動されるよう前記昇圧回路と前記内燃機関と前記発電機用インバータ回路と前記電動機用インバータ回路とを制御する制御手段と、を備える動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に連結されてなることを要旨とする。
この本発明の車両では、上述のいずれかの態様の本発明の動力出力装置を搭載するから、本発明の動力出力装置が奏する効果、例えば、二次電池の温度が所定温度未満のときには電動機を矩形波制御を用いない範囲内で駆動することにより二次電池を充放電可能な最大電力より大きな電力によって充放電するのを抑制することができる効果や、二次電池の温度が所定温度以上のときには発電機と電動機とを矩形波制御を用いる範囲内で駆動することにより昇圧回路やインバータ回路における損失を小さくしてエネルギ効率を向上させることができる効果などと同様な効果を奏することができる。
本発明の駆動装置は、
駆動軸を駆動する駆動装置であって、
前記駆動軸に駆動用のトルクを出力する電動機と、
前記電動機を駆動する電動機用インバータ回路と、
充放電可能な二次電池と、
前記二次電池からの電力を昇圧して前記電動機用インバータ回路に供給する昇圧回路と、
前記二次電池の温度である電池温度を検出する電池温度検出手段と、
前記電動機から出力すべきトルクであるトルク指令を設定するトルク指令設定手段と、
前記検出された電池温度が所定温度未満のときには前記電動機が矩形波制御を用いない範囲内で前記トルク指令で駆動されるよう前記昇圧回路と前記電動機用インバータ回路とを制御し、前記検出された電池温度が前記所定温度以上のときには前記電動機が矩形波制御を用いる範囲内で前記トルク指令で駆動されるよう前記昇圧回路と前記電動機用インバータ回路とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の駆動装置では、二次電池の温度が所定温度未満のときには電動機が矩形波制御を用いない範囲内で駆動されるよう昇圧回路と電動機用インバータ回路とを制御する。即ち、二次電池の温度が所定温度未満のときには、電動機を矩形波制御を用いない範囲内で駆動することにより電動機からの出力トルクを変化させるときの応答性を良好なものとし、二次電池の温度が低いために二次電池を充放電可能な最大電力が小さくなったときに対応するのである。これにより、二次電池を充放電可能な最大電力より大きな電力によって充放電するのを抑制することができる。一方、二次電池の温度が所定温度以上のときには電動機が矩形波制御を用いる範囲内で駆動されるよう昇圧回路と電動機用インバータ回路とを制御する。即ち、二次電池の温度が所定温度以上のときには、電動機を矩形波制御を用いる範囲内で駆動することにより、昇圧回路の昇圧側の電圧を低く押さえるのである。これにより、昇圧回路やインバータ回路における損失を小さくすることができ、装置のエネルギ効率を向上させることができる。
こうした本発明の駆動装置において、前記制御手段は、前記検出された電池温度が前記所定温度未満のときには前記電動機を矩形波制御を用いずに前記トルク指令で駆動することができる電圧であって前記二次電池側の電圧以上の電圧を目標電圧として前記昇圧回路の昇圧側の電圧が該目標電圧になるよう前記昇圧回路を制御すると共に前記昇圧回路の昇圧側の電圧で前記電動機が前記トルク指令で駆動されるよう前記電動機用インバータ回路を制御し、前記検出された電池温度が前記所定温度以上のときには前記電動機を矩形波制御を用いれば前記トルク指令で駆動することができる電圧であって前記二次電池側の電圧以上の電圧を目標電圧として前記昇圧回路の昇圧側の電圧が該目標電圧になるよう前記昇圧回路を制御すると共に前記昇圧回路の昇圧側の電圧で前記電動機が前記トルク指令で駆動されるよう前記電動機用インバータ回路を制御する手段であるものとすることもできる。
また、本発明の駆動装置において、前記制御手段は、前記検出された電池温度が前記所定温度未満のときには前記電動機が正弦波制御の範囲内で前記トルク指令で駆動されるよう前記昇圧回路と前記電動機用インバータ回路とを制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、二次電池の温度が所定温度未満のときに電動機からの出力トルクを変化させるときの応答性を更に良好なものとすることができる。
本発明の動力出力装置の制御方法は、
駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、前記内燃機関からの動力を用いて発電する発電機と、前記発電機を駆動する発電機用インバータ回路と、前記駆動軸に駆動用のトルクを出力する電動機と、前記電動機を駆動する電動機用インバータ回路と、充放電可能な二次電池と、前記二次電池からの電力を昇圧して前記発電機用インバータ回路および前記電動機用インバータ回路に供給する昇圧回路と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
前記駆動軸に要求される要求トルクを設定すると共に該設定した要求トルクに基づいて前記内燃機関の目標運転ポイントと前記発電機のトルク指令である発電機トルク指令と前記電動機のトルク指令である電動機トルク指令とを設定し、
前記二次電池の温度が所定温度未満のときには前記内燃機関が前記目標運転ポイントで運転されると共に矩形波制御を用いない範囲内で前記発電機および前記電動機が前記発電機トルク指令および前記電動機トルク指令で駆動されるよう前記昇圧回路と前記内燃機関と前記発電機用インバータ回路と前記電動機用インバータ回路とを制御し、前記二次電池の温度が前記所定温度以上のときには前記内燃機関が前記目標運転ポイントで運転されると共に矩形波制御を用いる範囲内で前記発電機および前記電動機が前記発電機トルク指令および前記電動機トルク指令で駆動されるよう前記昇圧回路と前記内燃機関と前記発電機用インバータ回路と前記電動機用インバータ回路とを制御する、
ことを特徴とする。
この本発明の動力出力装置の制御方法では、駆動軸に要求される要求トルクを設定すると共に設定した要求トルクに基づいて内燃機関の目標運転ポイントと発電機のトルク指令である発電機トルク指令と電動機のトルク指令である電動機トルク指令とを設定する。そして、二次電池の温度が所定温度未満のときには内燃機関が目標運転ポイントで運転されると共に矩形波制御を用いない範囲内で発電機および電動機が発電機トルク指令および電動機トルク指令で駆動されるよう昇圧回路と内燃機関と発電機用インバータ回路と電動機用インバータ回路とを制御する。即ち、二次電池の温度が所定温度未満のときには、発電機と電動機とを矩形波制御を用いない範囲内で駆動することにより発電機や電動機からの出力トルクを変化させるときの応答性を良好なものとし、二次電池の温度が低いために二次電池を充放電可能な最大電力が小さくなったときに対応するのである。これにより、二次電池を充放電可能な最大電力より大きな電力によって充放電するのを抑制することができる。一方、二次電池の温度が所定温度以上のときには内燃機関が目標運転ポイントで運転されると共に矩形波制御を用いる範囲内で発電機および電動機が発電機トルク指令および電動機トルク指令で駆動されるよう昇圧回路と内燃機関と発電機用インバータ回路と電動機用インバータ回路とを制御する。即ち、二次電池の温度が所定温度以上のときには、発電機と電動機とを矩形波制御を用いる範囲内で駆動することにより、昇圧回路の昇圧側の電圧を低く押さえるのである。これにより、昇圧回路やインバータ回路における損失を小さくすることができ、装置のエネルギ効率を向上させることができる。
本発明の駆動装置の制御方法は、
駆動軸に駆動用のトルクを出力する電動機と、前記電動機を駆動する電動機用インバータ回路と、充放電可能な二次電池と、前記二次電池からの電力を昇圧して前記電動機用インバータ回路に供給する昇圧回路と、を備える駆動装置の制御方法であって、
前記二次電池の温度が所定温度未満のときには前記電動機が矩形波制御を用いない範囲内で駆動されるよう前記昇圧回路と前記電動機用インバータ回路とを制御し、前記二次電池の温度が前記所定温度以上のときには前記電動機が矩形波制御を用いる範囲内で駆動されるよう前記昇圧回路と前記電動機用インバータ回路とを制御する、
ことを特徴とする。
この本発明の駆動装置の制御方法では、二次電池の温度が所定温度未満のときには電動機が矩形波制御を用いない範囲内で駆動されるよう昇圧回路と電動機用インバータ回路とを制御する。即ち、二次電池の温度が所定温度未満のときには、電動機を矩形波制御を用いない範囲内で駆動することにより電動機からの出力トルクを変化させるときの応答性を良好なものとし、二次電池の温度が低いために二次電池を充放電可能な最大電力が小さくなったときに対応するのである。これにより、二次電池を充放電可能な最大電力より大きな電力によって充放電するのを抑制することができる。一方、二次電池の温度が所定温度以上のときには電動機が矩形波制御を用いる範囲内で駆動されるよう昇圧回路と電動機用インバータ回路とを制御する。即ち、二次電池の温度が所定温度以上のときには、電動機を矩形波制御を用いる範囲内で駆動することにより、昇圧回路の昇圧側の電圧を低く押さえるのである。これにより、昇圧回路やインバータ回路における損失を小さくすることができ、装置のエネルギ効率を向上させることができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は本発明の一実施例である動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図であり、図2はモータMG1,MG2を含む電機駆動系の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図1に示すように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに減速ギヤ35を介して接続されたモータMG2と、直流電流を交流電流に変換してモータMG1,MG2に供給可能なインバータ41,42と、バッテリ50からの電力をその電圧を変換してインバータ41,42に供給可能な昇圧回路55と、バッテリ50と昇圧回路55とに介在するシステムメインリレー56と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、例えばガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24には、エンジン22の運転状態を検出する各種センサからの信号、例えば、エンジン22のクランクシャフト26のクランク角を検出する図示しないクランクポジションセンサからのクランクポジションなどが入力されている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、エンジンECU24は、図示しないクランクポジションセンサからのクランクポジションに基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、図2に示すように、いずれも外表面に永久磁石が貼り付けられたロータと三相コイルが巻回されたステータとを備える周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42および昇圧回路55を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。実施例では、モータMG1,MG2およびインバータ41,42として、定格値として入力最大電圧Vset(例えば650V)のものを用いた。インバータ41,42は、6つのトランジスタT11〜T16,T21〜26と、トランジスタT11〜T16,T21〜T26に逆方向に並列接続された6つのダイオードD11〜D16,D21〜D26と、により構成されている。トランジスタT11〜T16,T21〜T26は、それぞれインバータ41,42が電力ライン54として共用する正極母線54aと負極母線54bとに対してソース側とシンク側になるよう2個ずつペアで配置されており、対となるトランジスタ同士の接続点の各々にモータMG1,MG2の三相コイル(U相,V相,W相)の各々が接続されている。したがって、正極母線54aと負極母線54bとの間に電圧が作用している状態で対をなすトランジスタT11〜T16,T21〜T26のオン時間の割合を制御することにより三相コイルに回転磁界を形成でき、モータMG1,MG2を回転駆動することができる。インバータ41,42は、正極母線54aと負極母線54bとを共用しているから、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータに供給することができる。なお、正極母線54aと負極母線54bとには平滑用のコンデンサ57が接続されている。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42のトランジスタT11〜T16,T21〜T26へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。また、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2も演算している。
昇圧回路55は、図2に示すように、2つのトランジスタT31,T32とトランジスタT31,T32に逆方向に並列接続された2つのダイオードD31,D32とリアクトルLとにより構成されている。2つのトランジスタT31,T32は、それぞれインバータ41,42の正極母線54aと負極母線54bとに接続されており、その接続点にリアクトルLが接続されている。また、リアクトルLと負極母線54bとにはそれぞれシステムメインリレー56を介してバッテリ50の正極端子と負極端子とが接続されている。したがって、トランジスタT31,T32をオンオフ制御することによりバッテリ50の直流電力をその電圧を昇圧してインバータ41,42に供給したり正極母線54aと負極母線54bとに作用している直流電圧を降圧してバッテリ50を充電したりすることができる。リアクトルLと負極母線54bとには平滑用のコンデンサ58が接続されている。以下、昇圧回路55より電力ライン54側を高電圧系といい、昇圧回路55よりバッテリ50側を低電圧系という。
バッテリ50は、例えば定格電圧が200Vのリチウムイオン二次電池として構成されており、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された電圧センサ51aからの端子間電圧Vb,バッテリ50の出力端子に接続された電力ラインに取り付けられた電流センサ51bからの充放電電流Ib,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51cからの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサ51bにより検出された充放電電流Ibの積算値に基づいて残容量SOCを演算したり、演算した残容量SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算している。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の残容量(SOC)に基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。図3に電池温度Tbと入出力制限Win,Woutとの関係の一例を示し、図4にバッテリ50の残容量(SOC)と入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、温度センサ55aからの昇圧回路55の温度Tup(例えば、リアクトルLの温度)や、電圧センサ57aからのコンデンサ57の電圧(以下、高電圧系の電圧VHという),電圧センサ58aからのコンデンサ58の電圧,イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、昇圧回路55のトランジスタT31,T32へのスイッチング制御信号やシステムメインリレー56への駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。なお、トルク変換運転モードと充放電運転モードは、いずれもエンジン22の運転を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するモードであり、実質的な制御における差異はないため、以下、両者を合わせてエンジン運転モードという。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作について説明する。図5は実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートであり、図6は高電圧系の電圧を制御するための電圧制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。両ルーチン共、所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される。以下、まず、駆動制御について説明し、その後、電圧制御について説明する。
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の入出力制限Win,Woutなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されたモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、バッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪63a,63bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*とエンジン22に要求される要求パワーPe*とを設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図7に要求トルク設定用マップの一例を示す。要求パワーPe*は、設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*とロスLossとの和として計算することができる。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じることによって求めたり、モータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで割ることによって求めることができる。
続いて、設定した要求パワーPe*に基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS120)。この設定は、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインと要求パワーPe*とに基づいて行なわれる。エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図8に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。
次に、設定した目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(Nm2/Gr)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいて式(2)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算する(ステップS130)。ここで、式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図9に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。式(1)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。なお、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1から出力されたトルクTm1がリングギヤ軸32aに作用するトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。また、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/(Gr・ρ) (1)
Tm1*=ρ・Te*/(1+ρ)+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt (2)
こうしてモータMG1の目標回転数Nm1*とトルク指令Tm1*とを計算すると、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと計算したモータMG1のトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tmin,Tmaxを次式(3)および式(4)により計算すると共に(ステップS140)、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρを用いてモータMG2から出力すべきトルクとしての仮モータトルクTm2tmpを式(5)により計算し(ステップS150)、計算したトルク制限Tmin,Tmaxで仮モータトルクTm2tmpを制限した値としてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS160)。このようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定することにより、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力する要求トルクTr*を、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で制限したトルクとして設定することができる。なお、式(5)は、前述した図9の共線図から容易に導き出すことができる。
Tmin=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (3)
Tmax=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (4)
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (5)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS170)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における燃料噴射制御や点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、そのときの高電圧系の電圧で正弦波制御の範囲内または矩形波制御の範囲内でモータMG1およびモータMG2がトルク指令Tm1*およびトルク指令Tm2*で駆動するようインバータ41,42のトランジスタT11〜T16,T21〜26のスイッチング制御を行なう。正弦波制御の範囲内または矩形波制御の範囲内でモータMG1およびモータMG2を制御することについては後述する。
電圧制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、バッテリ50の温度(電池温度)TbやモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*など高電圧系の電圧制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS200)。ここで、電池温度Tbは、温度センサ51cにより検出されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*は、駆動制御ルーチンにより設定されたものを用いるものとした。
こうしてデータを入力すると、入力した電池温度Tbを閾値Trefと比較する(ステップS210)。ここで、閾値Trefは、バッテリ50の性能を十分に発揮できる温度範囲の下限値やその近傍の温度を用いることができ、バッテリ50の特性などにより定めることができる。実施例では、例えば、−20℃や−10℃,0℃などの温度を用いるものとした。したがって、電池温度Tbを閾値Trefと比較する処理は、バッテリ50が性能を十分に発揮できる温度状態にあるか否かを判定する処理となる。
電池温度Tbが閾値Tref以上のときには、バッテリ50は性能を十分に発揮できる温度状態にあると判断し、トルク指令Tm1*と回転数Nm1に基づいて矩形波制御の範囲内で回転数Nm1で回転しているモータMG1をトルク指令Tm1*で駆動することができる電圧Vh1を設定すると共に(ステップS220)、トルク指令Tm2*と回転数Nm2に基づいて矩形波制御の範囲内で回転数Nm2で回転しているモータMG2をトルク指令Tm2*で駆動することができる電圧Vh2を設定し(ステップS230)、設定した電圧Vh1,Vh2のうち大きい方をバッテリ50の定格電圧である電圧Vmin(例えば、200Vや300Vなど)と高電圧系の上限電圧である電圧Vmax(例えば、500Vや600V,700Vなど)とにより上下限制限して得られる電圧を電圧指令Vh*として設定して(ステップS260)、電圧制御ルーチンを終了する。ここで、電圧Vh1,Vh2は、実施例では、矩形波制御の範囲内でモータMG1やモータMG2を制御することができる下限電圧と回転数Nm1,Nm2とトルク指令Tm1*,Tm2*との関係を予め定めて電圧設定用マップとしてROM74に記憶しておき、回転数Nm1,Nm2とトルク指令Tm1*,Tm2*とが与えられるとマップから対応する下限電圧を導出して設定するものとした。矩形波制御の範囲内でモータを駆動するときと正弦波制御の範囲内でモータを駆動するときとにおけるモータがある回転数で回転しているときのトルク指令と下限電圧との関係の一例を図10に示す。図中、実線が矩形波制御の範囲内でモータを駆動するときのトルク指令と下限電圧との関係であり、一点鎖線が正弦波制御の範囲内でモータを駆動するときのトルク指令と下限電圧との関係である。また、図中、電圧Vsin,Vrecは、同一のトルク指令が設定されたときに正弦波制御の範囲内,矩形波制御の範囲内でモータを駆動したときの下限電圧である。図示するように、トルク指令が大きくなるほど下限電圧は高くなる。これはモータで消費される電力が大きくなることに基づく。ある電圧におけるモータの回転数とトルクとモータの制御領域との関係の一例を図11に示す。図示するように、モータから同一のトルクを出力するときには、回転数が小さいときは正弦波制御領域となるから正弦波制御によりモータを駆動することができるが、回転数が大きくなると正弦波制御領域から過変調制御領域,矩形波制御領域となり、正弦波制御によってモータを駆動することができなくなり、過変調制御や矩形波制御によりモータを駆動することになる。従って、同一の回転数でモータを駆動しているときには、矩形波制御によりモータを駆動するときの電圧は、正弦波制御によりモータを駆動するときの電圧より低くなる。上述の図10で矩形波制御の範囲内でモータを駆動するとき(実線)の方が正弦波制御の範囲内でモータを駆動するとき(一点鎖線)より電圧が低くなるのは、こうした理由による。電圧指令Vh*が設定されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、高電圧系の電圧Vhが電圧指令Vh*となるよう電圧センサ57aからの検出電圧を用いてフィードバック制御により昇圧回路55のトランジスタT31〜T32をスイッチング制御する。これにより、高電圧系の電圧Vhは電圧指令Vh*とされる。このとき、モータECU40は、モータMG1については、高電圧系の電圧Vh(電圧センサ57aからの検出電圧)で回転数Nm1とトルク指令Tm1*とから正弦波制御領域,過変調制御領域,矩形波制御領域のうちいずれの制御領域に属するかによって制御モード(正弦波制御モード,過変調制御モード,矩形波制御モード)を決定し、決定した制御モードによりモータMG1が駆動されるようインバータ41のトランジスタT11〜T16をスイッチング制御し、モータMG2については、高電圧系の電圧Vh(電圧センサ57aからの検出電圧)で回転数Nm2とトルク指令Tm2*とからモータMG1のときと同様に制御モード(正弦波制御モード,過変調制御モード,矩形波制御モード)を決定し、決定した制御モードによりモータMG2が駆動されるようインバータ42のトランジスタT21〜T26をスイッチング制御する。このように、モータMG1とモータMG2とに対して個別に制御モードを決定して制御するから、モータMG1の駆動における制御モードとモータMG2の駆動における制御モードとが異なる場合も生じる。モータMG1,MG2の一方または双方が矩形波制御モードで駆動されていると、正弦波制御モードで駆動されているときに比してトルク指令Tm1*,Tm2*の変更に対する応答性が悪くなるため、トルク指令Tm1*,Tm2*の急変に対する応答性が低いことによるバッテリ50の充放電が行なわれるが、バッテリ50は性能を十分に発揮することができる温度状態にあるため、過大な電力によりバッテリ50が充放電される状態には至らない。これらのことから、バッテリ50の温度Tbが閾値Tref以上のときに矩形波制御の範囲内でモータMG1,MG2を制御することにより、バッテリ50の劣化を招くことなく、高電圧系の電圧Vhを低くすることができることになる。こうした高電圧系の電圧Vhを低くすることができるから、昇圧回路55のトランジスタT31,T32のスイッチングの損失を低減することができると共にインバータ41,42のトランジスタT11〜T16,T21〜26のスイッチングの損失を低減することができ、車両のエネルギ効率を向上させることができる。
一方、電池温度Tbが閾値Tref未満のときには、バッテリ50は性能を十分に発揮することができない温度状態にあると判断し、トルク指令Tm1*と回転数Nm1に基づいて正弦波制御の範囲内で回転数Nm1で回転しているモータMG1をトルク指令Tm1*で駆動することができる電圧Vh1を設定すると共に(ステップS240)、トルク指令Tm2*と回転数Nm2に基づいて正弦波制御の範囲内で回転数Nm2で回転しているモータMG2をトルク指令Tm2*で駆動することができる電圧Vh2を設定し(ステップS250)、設定した電圧Vh1,Vh2のうち大きい方をバッテリ50の定格電圧である電圧Vminと高電圧系の上限電圧である電圧Vmaxとにより上下限制限して得られる電圧を電圧指令Vh*として設定して(ステップS260)、電圧制御ルーチンを終了する。ここで、電圧Vh1,Vh2は、実施例では、正弦波制御の範囲内でモータMG1やモータMG2を制御することができる下限電圧と回転数Nm1,Nm2とトルク指令Tm1*,Tm2*との関係を予め定めて電圧設定用マップとしてROM74に記憶しておき、回転数Nm1,Nm2とトルク指令Tm1*,Tm2*とが与えられるとマップから対応する下限電圧を導出して設定するものとした。電圧Vh1,Vh2は、上述の図10から解るように、正弦波制御の範囲内でモータを駆動するとき(一点鎖線)の方が矩形波制御の範囲内でモータを駆動するとき(実線)より高い値となる。電圧指令Vh*が設定されると、電池温度Tbが閾値Tref以上のときと同様に、昇圧回路55のトランジスタT31,T32のスイッチング制御により、高電圧系の電圧Vhは電圧指令Vh*とされる。このとき、モータECU40は、モータMG1,MG2がいずれも正弦波制御モードによりトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のトランジスタT11〜T16,T21〜26をスイッチング制御する。モータMG1,MG2は共に正弦波制御モードで駆動されるから、トルク指令Tm1*,Tm2*の変更に対する応答性は高いものとなる。したがって、トルク指令Tm1*,Tm2*の急変にも十分に追従できるから、バッテリ50が性能を十分に発揮することができる温度状態にないときでも、過大な電力によってバッテリ50を充放電することはない。これらのことから、バッテリ50の温度Tbが閾値Tref未満のときに正弦波制御の範囲内でモータMG1,MG2を制御することにより、過大な電力によるバッテリ50の充放電を抑止し、バッテリ50の劣化を抑制することができることになる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、バッテリ50の温度Tbが閾値Tref以上のときには、エンジン22が目標回転数Ne*,目標トルクTe*で運転されると共に矩形波制御の範囲内でモータMG1,MG2が制御されて要求トルクTr*が駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されて走行するよう昇圧回路55やエンジン22,モータMG1,MG2を制御することにより、バッテリ50の劣化を招くことなく、高電圧系の電圧Vhを低くすることができる。この結果、昇圧回路55のトランジスタT31,T32のスイッチングの損失を低減することができると共にインバータ41,42のトランジスタT11〜T16,T21〜26のスイッチングの損失を低減することができ、車両のエネルギ効率を向上させることができる。一方、バッテリ50の温度Tbが閾値Tref未満のときには、エンジン22が目標回転数Ne*,目標トルクTe*で運転されると共に正弦波制御の範囲内でモータMG1,MG2が制御されて要求トルクTr*が駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されて走行するよう昇圧回路55やエンジン22,モータMG1,MG2を制御することにより、過大な電力によるバッテリ50の充放電を抑止し、バッテリ50の劣化を抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、バッテリ50の温度Tbが閾値Tref未満のときには、正弦波制御の範囲内でモータMG1,MG2を制御するものとしたが、過変調制御の範囲内でモータMG1,MG2を制御するものとしても構わない。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図12の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図12における車輪64a,64bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪63a,63bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図13の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪63a,63bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。また、図14の変形例のハイブリッド自動車320に例示するように、駆動輪63a,63bに接続された駆動軸に変速機330(無段変速機や有段の自動変速機など)を介して接続されたモータMGと、クラッチ329を介してモータMGの回転軸と接続されたエンジン22とを備えるものとしてもよい。さらに、図15の変形例のハイブリッド自動車420に例示するように、エンジン22からの動力をオートマチックトランスミッション430によって変速して駆動輪63a,63bに連結された駆動軸に出力すると共にモータMGからの動力を駆動輪63a,63bとは異なる車輪64a,64b側の車軸に出力するものとしてもよい。あるいは、図16の変形例のハイブリッド自動車520に例示するように、エンジン22からの動力により発電する発電機530と、この発電機530やバッテリ50からの電力により駆動輪63a,63bの車軸側に動力を出力するモータMGとを備える、いわゆるシリーズハイブリッド車の形態としてもよい。
実施例では、エンジンとモータとを搭載するハイブリッド自動車の形態を用いて本発明の一実施形態を説明したが、本発明を自動車以外のハイブリッド車に適用するものとしても構わない。また、車両に搭載された動力出力装置の形態や車両に搭載されない動力出力装置の形態としてもよい。さらに、動力出力装置の制御方法の形態としてもよい。
また、本発明を、図17の変形例の電気自動車620のように、駆動輪663a,663bに連結された駆動軸に動力を出力するモータMGと、モータMGを駆動するインバータ640と、バッテリ650と、バッテリ650からの電力を昇圧してインバータ640に供給する昇圧回路655と、バッテリ650の温度を検出する温度センサ651cからの電池温度Tbに基づいてインバータ640や昇圧回路655を制御するCPU672,ROM674,RAM676を有する電子制御ユニット670と、を備える電気自動車に適用するものとしてもよい。この場合、駆動制御としては図18に例示する駆動制御ルーチンを用い、電圧制御としては図19に例示する電圧制御ルーチンを用いればよい。以下、簡単に説明する。
駆動制御ルーチンでは、電子制御ユニット670は、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度AccやモータMGの回転数Nm,車速センサ88からの車速V,バッテリ650の入出力制限Win,Woutなどのデータを入力し(ステップS300)、アクセル開度Accと車速Vと図7に例示した要求トルク設定用マップとを用いて要求トルクTr*を設定する(ステップS310)。そして、バッテリ650の入出力制限Win,WoutをモータMGの回転数Nmで除してトルク制限Tmin,Tmaxを計算し(ステップS320)、要求トルクTr*をトルク制限Tmin,Tmaxで制限してモータMGのトルク指令Tm*を設定し(ステップS330)、モータMGがトルク指令Tm*で駆動するようインバータ640のスイッチング素子をスイッチング制御して(ステップS340)、駆動制御ルーチンを終了する。
電圧制御ルーチンでは、電子制御ユニット670は、温度センサ651cからのバッテリ650の温度(電池温度)TbやモータMGの回転数Nm,トルク指令Tm*を入力し(ステップS400)、電池温度Tbを閾値Trefと比較する(ステップS410)。そして、電池温度Tbが閾値Tref以上のときには、バッテリ50は性能を十分に発揮できる温度状態にあると判断し、トルク指令Tm*と回転数Nmに基づいて矩形波制御の範囲内で回転数Nmで回転しているモータMGをトルク指令Tm*で駆動することができる電圧Vh1を設定し(ステップS420)、設定した電圧Vh1をバッテリ50の定格電圧である電圧Vmin(例えば、200V)と高電圧系の上限電圧である電圧Vmax(例えば、500Vや600V,700Vなど)とにより上下限制限して得られる電圧を電圧指令Vh*として設定して(ステップS440)、電圧制御ルーチンを終了する。一方、電池温度Tbが閾値Tref未満のときには、バッテリ50は性能を十分に発揮できる温度状態にないと判断し、トルク指令Tm*と回転数Nmに基づいて正弦波制御の範囲内で回転数Nmで回転しているモータMGをトルク指令Tm*で駆動することができる電圧Vh1を設定し(ステップS430)、設定した電圧Vh1をバッテリ50の定格電圧である電圧Vminと高電圧系の上限電圧である電圧Vmaxとにより上下限制限して得られる電圧を電圧指令Vh*として設定して(ステップS440)、電圧制御ルーチンを終了する。
以上の説明から、変形例の電気自動車620では、バッテリ650の温度Tbが閾値Tref以上のときには、矩形波制御の範囲内でモータMGが制御されて要求トルクTr*が駆動輪663a,663bに連結された駆動軸に出力されて走行するよう昇圧回路655やモータMGのインバータ640のスイッチング素子を制御し、バッテリ650の温度Tbが閾値Tref未満のときには、正弦波制御の範囲内でモータMGが制御されて要求トルクTr*が駆動軸に出力されて走行するよう昇圧回路655やモータMGのインバータ640のスイッチング素子を制御する。このため、バッテリ650の温度Tbが閾値Tref以上のときには、バッテリ650の劣化を招くことなく、高電圧系の電圧Vhを低くすることができ、この結果、昇圧回路655のスイッチング素子のスイッチングの損失を低減することができると共にインバータ640のスイッチング素子のスイッチングの損失を低減することができ、車両のエネルギ効率を向上させることができる。一方、バッテリ650の温度Tbが閾値Tref未満のときには、過大な電力によるバッテリ650の充放電を抑止し、バッテリ650の劣化を抑制することができる。
変形例では、電気自動車620として説明したが、こうした電気自動車に搭載される駆動装置の形態としてもよいし、自動車に搭載されない駆動装置の形態としてもよい。さらに、駆動装置の制御方法の形態としても構わない。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。動力出力装置としては、実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、モータMG1が「発電機」に相当し、インバータ41が「発電機用インバータ回路」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、インバータ42が「電動機用インバータ回路」に相当し、バッテリ50が「二次電池」に相当し、昇圧回路55が「昇圧回路」に相当し、温度センサ51cが「電池温度検出手段」に相当し、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定する図5の駆動制御ルーチンのステップS110の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「要求トルク設定手段」に相当し、要求トルクTr*から計算される要求パワーPe*に基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定し、エンジン22を目標回転数Ne*,目標トルクTe*で運転すると共に要求トルクTr*を駆動軸としてリングギヤ軸32aに出力するようモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定する図5のステップS110〜S160の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「目標値設定手段」に相当する。そして、バッテリ50の温度Tbが閾値Tref未満のときには、エンジン22が目標回転数Ne*,目標トルクTe*で運転されると共に正弦波制御の範囲内でモータMG1,MG2が制御されて要求トルクTr*が駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されて走行するよう電圧指令Vh*を設定して昇圧回路55を制御する図6の電圧制御ルーチンのステップS210,S240〜S260を実行し、バッテリ50の温度Tbが閾値Tref以上のときには、エンジン22が目標回転数Ne*,目標トルクTe*で運転されると共に矩形波制御の範囲内でモータMG1,MG2が制御されて要求トルクTr*が駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されて走行するよう電圧指令Vh*を設定して昇圧回路55を制御する図6の電圧制御ルーチンのステップS210〜S230,S260を実行し、バッテリ50の温度Tbに拘わらずに設定した目標回転数Ne*,目標トルクTe*,トルク指令Tm1*,Tm2*をエンジンECU24やモータECU40に送信する図5の駆動制御ルーチンのステップS170を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70と、目標回転数Ne*,目標トルクTe*を受信して目標回転数Ne*,目標トルクTe*でエンジン22が運転されるよう吸入空気量制御や燃料噴射制御や点火制御などを行なうエンジンECU24と、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信してバッテリ50の温度Tbが閾値Tref未満のときには正弦波制御モードでモータMG1,MG2をトルク指令Tm1*,Tm2*で制御し、バッテリ50の温度Tbが閾値Tref以上のときには矩形波制御の範囲内でモータMG1,MG2をトルク指令Tm1*,Tm2*で制御するモータECU40とが「制御手段」に相当する。
ここで、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、駆動軸に動力を出力可能なものであれば、水素エンジンなど如何なるタイプの内燃機関でとしても構わない。「発電機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG1に限定されるものではなく、誘導電動機など、内燃機関の動力を用いて発電するものであれば如何なるタイプの発電機としても構わない。「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、駆動軸に駆動用のトルクを出力するものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「二次電池」としては、リチウムイオン二次電池としてのバッテリ50に限定されるものではなく、ニッケル水素電池や鉛蓄電池など種々のタイプの二次電池を用いることができる。「昇圧回路」としては、昇圧回路55に限定されるものではなく、二次電池からの電力を昇圧して発電機用インバータ回路および電動機用インバータ回路に供給するものであれば如何なるものとしても構わない。「要求トルク設定手段」としては、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定するものに限定されるものではなく、アクセル開度Accだけに基づいて要求トルクを設定するものや走行経路が予め設定されているものにあっては走行経路における走行位置に基づいて要求トルクを設定するものなど、駆動軸に要求される要求トルクを設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「目標値設定手段」としては、要求トルクTr*から計算される要求パワーPe*に基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定し、エンジン22を目標回転数Ne*,目標トルクTe*で運転すると共に要求トルクTr*を駆動軸としてリングギヤ軸32aに出力するようモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定するものに限定されるものではなく、要求トルクに基づいて内燃機関の目標運転ポイントと発電機のトルク指令である発電機トルク指令と電動機のトルク指令である電動機トルク指令とを設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「制御手段」としては、ハイブリッド用電子制御ユニット70とエンジンECU24とモータECU40とからなる組み合わせに限定されるものではなく単一の電子制御ユニットにより構成されるなどとしてもよい。また、「制御手段」としては、バッテリ50の温度Tbが閾値Tref未満のときには、エンジン22が目標回転数Ne*,目標トルクTe*で運転されると共に正弦波制御の範囲内でモータMG1,MG2が制御されて要求トルクTr*が駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されて走行するよう昇圧回路55とエンジン22とモータMG1,MG2を制御し、バッテリ50の温度Tbが閾値Tref以上のときには、エンジン22が目標回転数Ne*,目標トルクTe*で運転されると共に矩形波制御の範囲内でモータMG1,MG2が制御されて要求トルクTr*が駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されて走行するよう昇圧回路55とエンジン22とモータMG1,MG2を制御するものに限定されるものではなく、電池温度が所定温度未満のときには内燃機関が目標運転ポイントで運転されると共に矩形波制御を用いない範囲内で発電機および電動機が発電機トルク指令および電動機トルク指令で駆動されるよう昇圧回路と内燃機関と発電機用インバータ回路と電動機用インバータ回路とを制御し、電池温度が所定温度以上のときには内燃機関が目標運転ポイントで運転されると共に矩形波制御を用いる範囲内で発電機および電動機が発電機トルク指令および電動機トルク指令で駆動されるよう昇圧回路と内燃機関と発電機用インバータ回路と電動機用インバータ回路とを制御するものであれば如何なるものとしても構わない。
駆動装置としては、変形例の電気自動車650に搭載された駆動装置が相当し、モータMGが「電動機」に相当し、インバータ640が「電動機用インバータ回路」に相当し、バッテリ650が「二次電池」に相当し、昇圧回路655が「昇圧回路」に相当し、温度センサ651cが「電池温度検出手段」に相当し、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定すると共にこの要求トルクTr*をバッテリ650の入出力制限Win,Woutによるトルク制限Tmin,Tmaxにより制限してトルク指令Tm*を設定する図18の駆動制御ルーチンのステップS300〜S330の処理を実行する電子制御ユニット670が「トルク指令設定手段」に相当する。そして、バッテリ650の温度Tbが閾値Tref未満のときには、正弦波制御の範囲内でモータMGが制御されて要求トルクTr*が駆動軸に出力されて走行するよう昇圧回路655やモータMGのインバータ640のスイッチング素子を制御し、バッテリ650の温度Tbが閾値Tref以上のときには、矩形波制御の範囲内でモータMGが制御されて要求トルクTr*が駆動輪663a,663bに連結された駆動軸に出力されて走行するよう昇圧回路655やモータMGのインバータ640のスイッチング素子を制御する図18の駆動制御ルーチンのステップS340の処理と図19の電圧制御ルーチンの各ステップを実行する電子制御ユニット670が「制御手段」に相当する。
ここで、「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMGに限定されるものではなく、誘導電動機など、駆動軸に駆動用のトルクを出力するものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「二次電池」としては、リチウムイオン二次電池としてのバッテリ650に限定されるものではなく、ニッケル水素電池や鉛蓄電池など種々のタイプの二次電池を用いることができる。「昇圧回路」としては、昇圧回路655に限定されるものではなく、二次電池からの電力を昇圧して発電機用インバータ回路および電動機用インバータ回路に供給するものであれば如何なるものとしても構わない。「トルク指令設定手段」としては、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定すると共にこの要求トルクTr*をバッテリ650の入出力制限Win,Woutによるトルク制限Tmin,Tmaxにより制限してトルク指令Tm*を設定するものに限定されるものではなく、電動機から出力すべきトルクであるトルク指令を設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「制御手段」としては、バッテリ650の温度Tbが閾値Tref未満のときには、正弦波制御の範囲内でモータMGが制御されて要求トルクTr*が駆動軸に出力されて走行するよう昇圧回路655やモータMGのインバータ640のスイッチング素子を制御し、バッテリ650の温度Tbが閾値Tref以上のときには、矩形波制御の範囲内でモータMGが制御されて要求トルクTr*が駆動輪663a,663bに連結された駆動軸に出力されて走行するよう昇圧回路655やモータMGのインバータ640のスイッチング素子を制御するものに限定されるものではなく、電池温度が所定温度未満のときには電動機が矩形波制御を用いない範囲内でトルク指令で駆動されるよう昇圧回路と電動機用インバータ回路とを制御し、電池温度が所定温度以上のときには電動機が矩形波制御を用いる範囲内でトルク指令で駆動されるよう昇圧回路と電動機用インバータ回路とを制御するものであれば如何なるものとしても構わない。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、動力出力装置や駆動装置を製造する産業あるいは動力出力装置や駆動装置を搭載する自動車を製造する産業などに利用可能である。
本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 モータMG1,MG2を含む電機駆動系の構成の概略を示す構成図である。 バッテリ50における電池温度Tbと入出力制限Win,Woutとの関係の一例を示す説明図である。 バッテリ50の残容量(SOC)と入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す説明図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される電圧制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定する様子を示す説明図である。 動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 矩形波制御の範囲内でモータを駆動するときと正弦波制御の範囲内でモータを駆動するときとにおけるモータがある回転数で回転しているときのトルク指令と下限電圧との関係の一例を示す説明図である。 ある電圧におけるモータの回転数とトルクとモータの制御領域との関係の一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車320の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車420の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車520の構成の概略を示す構成図である。 変形例の電気自動車620の構成の概略を示す構成図である。 変形例の電子制御ユニット670により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 変形例の電子制御ユニット670により実行される電圧制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
符号の説明
20,120,220,320,420,520 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51a,57a,58a 電圧センサ、51b 電流センサ、51c 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、54a 正極母線、54b 負極母線、55 昇圧回路、55a 温度センサ、56 システムメインリレー、57,58 コンデンサ、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ、234 アウターロータ、329 クラッチ、330 変速機、430 オートマチックトランスミッション、530 発電機、620 電気自動車、640 インバータ、650 バッテリ、651c 温度センサ、655 昇圧回路、663a,663b 駆動輪、670 電子制御ユニット、672 CPU、674 ROM、676 RAM、MG,MG1,MG2 モータ、D11〜D16,D21〜D26,D31,D32 ダイオード、T11〜T16,T21〜T26,T31,T32 トランジスタ、L リアクトル。

Claims (11)

  1. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    前記駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、
    前記内燃機関からの動力を用いて発電する発電機と、
    前記発電機を駆動する発電機用インバータ回路と、
    前記駆動軸に駆動用のトルクを出力する電動機と、
    前記電動機を駆動する電動機用インバータ回路と、
    充放電可能な二次電池と、
    前記二次電池からの電力を昇圧して前記発電機用インバータ回路および前記電動機用インバータ回路に供給する昇圧回路と、
    前記二次電池の温度である電池温度を検出する電池温度検出手段と、
    前記駆動軸に要求される要求トルクを設定する要求トルク設定手段と、
    前記設定された要求トルクに基づいて前記内燃機関の目標運転ポイントと前記発電機のトルク指令である発電機トルク指令と前記電動機のトルク指令である電動機トルク指令とを設定する目標値設定手段と、
    前記検出された電池温度が所定温度未満のときには前記内燃機関が前記目標運転ポイントで運転されると共に矩形波制御を用いない範囲内で前記発電機および前記電動機が前記発電機トルク指令および前記電動機トルク指令で駆動されるよう前記昇圧回路と前記内燃機関と前記発電機用インバータ回路と前記電動機用インバータ回路とを制御し、前記検出された電池温度が前記所定温度以上のときには前記内燃機関が前記目標運転ポイントで運転されると共に矩形波制御を用いる範囲内で前記発電機および前記電動機が前記発電機トルク指令および前記電動機トルク指令で駆動されるよう前記昇圧回路と前記内燃機関と前記発電機用インバータ回路と前記電動機用インバータ回路とを制御する制御手段と、
    を備える動力出力装置。
  2. 前記制御手段は、前記検出された電池温度が前記所定温度未満のときには矩形波制御を用いずに前記発電機および前記電動機を前記発電機トルク指令および前記電動機トルク指令で駆動することができる電圧であって前記二次電池側の電圧以上の電圧を目標電圧として前記昇圧回路の昇圧側の電圧が該目標電圧になるよう前記昇圧回路を制御すると共に前記内燃機関が前記目標運転ポイントで運転され且つ前記昇圧回路の昇圧側の電圧で前記発電機および前記電動機が前記発電機トルク指令および前記電動機トルク指令で駆動されるよう前記内燃機関と前記発電機用インバータ回路と前記電動機用インバータ回路とを制御し、前記検出された電池温度が前記所定温度以上のときには矩形波制御を用いれば前記発電機および前記電動機を前記発電機トルク指令および前記電動機トルク指令で駆動することができる電圧であって前記二次電池側の電圧以上の電圧を目標電圧として前記昇圧回路の昇圧側の電圧が該目標電圧になるよう前記昇圧回路を制御すると共に前記内燃機関が前記目標運転ポイントで運転され且つ前記昇圧回路の昇圧側の電圧で前記発電機および前記電動機が前記発電機トルク指令および前記電動機トルク指令で駆動されるよう前記内燃機関と前記発電機用インバータ回路と前記電動機用インバータ回路とを制御する手段である請求項1記載の動力出力装置。
  3. 前記制御手段は、前記検出された電池温度が前記所定温度未満のときには正弦波制御の範囲内で前記発電機および前記電動機が前記発電機トルク指令および前記電動機トルク指令で駆動されるよう前記昇圧回路と前記内燃機関と前記発電機用インバータ回路と前記電動機用インバータ回路とを制御する手段である請求項1または2記載の動力出力装置。
  4. 前記駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記電動機の回転軸との3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段を備える請求項1ないし3のいずれか1つの請求項に記載の動力出力装置。
  5. 前記目標値設定手段は、前記設定された要求トルクと所定の制約とに基づいて前記目標運転ポイントを設定し、前記内燃機関が前記目標運転ポイントで運転されるよう前記発電機トルク指令を設定し、前記発電機を前記発電機トルク指令で駆動したときに前記駆動軸に前記要求トルクが出力されるよう前記電動機トルク指令を設定する手段である請求項4記載の動力出力装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1つの請求項に記載の動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に連結されてなる車両。
  7. 駆動軸を駆動する駆動装置であって、
    前記駆動軸に駆動用のトルクを出力する電動機と、
    前記電動機を駆動する電動機用インバータ回路と、
    充放電可能な二次電池と、
    前記二次電池からの電力を昇圧して前記電動機用インバータ回路に供給する昇圧回路と、
    前記二次電池の温度である電池温度を検出する電池温度検出手段と、
    前記電動機から出力すべきトルクであるトルク指令を設定するトルク指令設定手段と、
    前記検出された電池温度が所定温度未満のときには前記電動機が矩形波制御を用いない範囲内で前記トルク指令で駆動されるよう前記昇圧回路と前記電動機用インバータ回路とを制御し、前記検出された電池温度が前記所定温度以上のときには前記電動機が矩形波制御を用いる範囲内で前記トルク指令で駆動されるよう前記昇圧回路と前記電動機用インバータ回路とを制御する制御手段と、
    を備える駆動装置。
  8. 前記制御手段は、前記検出された電池温度が前記所定温度未満のときには前記電動機を矩形波制御を用いずに前記トルク指令で駆動することができる電圧であって前記二次電池側の電圧以上の電圧を目標電圧として前記昇圧回路の昇圧側の電圧が該目標電圧になるよう前記昇圧回路を制御すると共に前記昇圧回路の昇圧側の電圧で前記電動機が前記トルク指令で駆動されるよう前記電動機用インバータ回路を制御し、前記検出された電池温度が前記所定温度以上のときには前記電動機を矩形波制御を用いれば前記トルク指令で駆動することができる電圧であって前記二次電池側の電圧以上の電圧を目標電圧として前記昇圧回路の昇圧側の電圧が該目標電圧になるよう前記昇圧回路を制御すると共に前記昇圧回路の昇圧側の電圧で前記電動機が前記トルク指令で駆動されるよう前記電動機用インバータ回路を制御する手段である請求項7記載の駆動装置。
  9. 前記制御手段は、前記検出された電池温度が前記所定温度未満のときには前記電動機が正弦波制御の範囲内で前記トルク指令で駆動されるよう前記昇圧回路と前記電動機用インバータ回路とを制御する手段である請求項7または8記載の駆動装置。
  10. 駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、前記内燃機関からの動力を用いて発電する発電機と、前記発電機を駆動する発電機用インバータ回路と、前記駆動軸に駆動用のトルクを出力する電動機と、前記電動機を駆動する電動機用インバータ回路と、充放電可能な二次電池と、前記二次電池からの電力を昇圧して前記発電機用インバータ回路および前記電動機用インバータ回路に供給する昇圧回路と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
    前記駆動軸に要求される要求トルクを設定すると共に該設定した要求トルクに基づいて前記内燃機関の目標運転ポイントと前記発電機のトルク指令である発電機トルク指令と前記電動機のトルク指令である電動機トルク指令とを設定し、
    前記二次電池の温度が所定温度未満のときには前記内燃機関が前記目標運転ポイントで運転されると共に矩形波制御を用いない範囲内で前記発電機および前記電動機が前記発電機トルク指令および前記電動機トルク指令で駆動されるよう前記昇圧回路と前記内燃機関と前記発電機用インバータ回路と前記電動機用インバータ回路とを制御し、前記二次電池の温度が前記所定温度以上のときには前記内燃機関が前記目標運転ポイントで運転されると共に矩形波制御を用いる範囲内で前記発電機および前記電動機が前記発電機トルク指令および前記電動機トルク指令で駆動されるよう前記昇圧回路と前記内燃機関と前記発電機用インバータ回路と前記電動機用インバータ回路とを制御する、
    ことを特徴とする動力出力装置の制御方法。
  11. 駆動軸に駆動用のトルクを出力する電動機と、前記電動機を駆動する電動機用インバータ回路と、充放電可能な二次電池と、前記二次電池からの電力を昇圧して前記電動機用インバータ回路に供給する昇圧回路と、を備える駆動装置の制御方法であって、
    前記二次電池の温度が所定温度未満のときには前記電動機が矩形波制御を用いない範囲内で駆動されるよう前記昇圧回路と前記電動機用インバータ回路とを制御し、前記二次電池の温度が前記所定温度以上のときには前記電動機が矩形波制御を用いる範囲内で駆動されるよう前記昇圧回路と前記電動機用インバータ回路とを制御する、
    ことを特徴とする駆動装置の制御方法。
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