JP4419590B2 - 印刷装置及び印刷方法 - Google Patents
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Description
インクジェットプリンタが連続して印刷処理を行うと、駆動信号発生器が発熱する。この発熱により、駆動信号発生器が高温になると、インクジェットプリンタが故障するおそれがある。
そこで、駆動信号発生器からの駆動信号の発生を待機させることが行われている。
そこで、本発明は、待機処理時のインクの蒸発を抑制することを目的とする。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
前記素子を駆動するための駆動信号を発生する駆動信号発生器と、
前記吐出口を覆うためのキャップと、
を備え、
複数の媒体を連続印刷する前記ジョブに従って前記印刷装置が前記複数の媒体を印刷する際に、前記印刷装置が各媒体への前記インクの吐出を終える毎に、
前記駆動信号発生器は前記駆動信号の発生を待機し、
前記キャップは前記吐出口を覆う
ことを特徴とする印刷装置。
このような印刷装置によれば、待機処理時のインクの蒸発を抑制することができる。
複数の媒体を連続印刷する前記ジョブに従って前記印刷装置が前記複数の媒体を印刷する際に、前記印刷装置が各媒体への前記インクの吐出を終える毎に、
前記素子を駆動するための駆動信号の発生を待機させ、
前記吐出口をキャップで覆う
ことを特徴とする印刷方法。
このような印刷方法によれば、待機処理時のインクの蒸発を抑制することができる。
次に、印刷システム(コンピュータシステム)の実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、以下の実施形態の記載には、コンピュータプログラム、及び、コンピュータプログラムを記録した記録媒体等に関する実施形態も含まれている。
また、アプリケーションプログラムからプリンタドライバが受け取った画像データに対応する印刷データを、ジョブと呼ぶ。ジョブの内容が、紙1枚分の印刷データである場合もあれば、複数枚分の印刷データである場合もある。ジョブが複数枚分の印刷データである場合、プリンタは、複数の紙に対して連続印刷を行うことになる。
<プリンタドライバについて>
コンピュータ110では、コンピュータに搭載されたオペレーティングシステムの下、ビデオドライバやアプリケーションプログラムやプリンタドライバなどのコンピュータプログラムが動作している。ビデオドライバは、アプリケーションプログラムやプリンタドライバからの表示命令に従って、例えばユーザインターフェース等を表示装置120に表示する機能を有する。アプリケーションプログラムは、例えば、画像編集などを行う機能を有し、画像に関するデータ(画像データ)を作成する。ユーザは、アプリケーションプログラムのユーザインターフェースを介して、アプリケーションプログラムにより編集した画像を印刷する指示を与えることができる。アプリケーションプログラムは、印刷の指示を受けると、プリンタドライバに画像データを出力する。
図2は、プリンタドライバのユーザインターフェースの説明図である。このプリンタドライバのユーザインターフェースは、ビデオドライバを介して、表示装置に表示される。ユーザーは、入力装置130を用いて、プリンタドライバの各種の設定を行うことができる。
また、ユーザーは、この画面上から、印刷に用いられる印刷用紙を選択することができる。例えば、ユーザーは、印刷用紙として、普通紙や光沢紙を選択することができる。紙の種類(紙種)が異なれば、インクの滲み方や乾き方も異なるため、印刷に適したインク量も異なる。そのため、プリンタドライバは、選択された紙種に応じて、画像データを印刷データに変換する。
ユーザーが選択した印刷モードや印刷用紙の種類に応じて、印刷の解像度(印刷するときのドットの間隔)が決定される。また、ユーザーが選択した印刷モードや印刷用紙の種類に応じて、後述するキャリッジの移動速度や、吐出用駆動信号COMの種類が決定される。この決定内容は、印刷データのコマンドデータとしてプリンタに送信される。
このように、プリンタドライバは、ユーザインターフェースを介して設定された条件に従って、画像データを印刷データに変換する。
<インクジェットプリンタの構成について>
図3は、本実施形態のプリンタの全体構成のブロック図である。また、図4は、本実施形態のプリンタの全体構成の概略図である。また、図5は、本実施形態のプリンタの全体構成の横断面図である。以下、本実施形態のプリンタの基本的な構成について説明する。
本実施形態のプリンタは、更にキャップユニット70を備えている。図6は、キャップユニットを上から見た図である。図7は、キャップユニットを横から見た図である。これらの図と図4を用いて、キャップユニット70について説明する。
キャリッジ31がホームポジションから図中の左側に移動すると、スライダ72がバネ753の復元力を受けて移動する。この移動の際にも、ガイド機構73及び回転機構74によって許容される方向にスライダ72が移動する。このスライダ72の移動により、キャップ71が左方向に移動しつつ下降し、キャップ71がヘッド41から外れる。
図8は、ヘッドの駆動を行う構成要素の説明図である。図9は、駆動信号発生器の電気回路の概略説明図である。図10は、駆動信号発生器が発生する複数の駆動信号の説明図である。図11は、画素データと、レベルシフタの出力信号及び圧電素子への入力信号との関係の説明図である。既に説明した構成要素については、同じ符号を付しているので、説明を省略する。
また、駆動信号発生器641は、非吐出用駆動信号を発生することができる。この非吐出用駆動信号は、インクを吐出しないように圧電素子411を駆動するための駆動信号である。非吐出用駆動信号は、吐出用駆動信号COMと比較して、電圧が低い。そのため、駆動信号発生器641が非吐出用駆動信号を発生するときの消費電力は、駆動信号発生器641が吐出用駆動信号COMを発生するときの消費電力と比較して、少ない。
シフトレジスタ421は、クロック65からクロック信号CKを受信するとともに、ユニット制御回路64から信号SIを受信する。ユニット制御回路から送信される印刷信号SIは、ノズル♯1〜ノズル♯180に対応する180個の画素データを示す信号である。本実施形態では、1画素について2ビット分の画素データが割り当てられ、1度に180個のノズルがインクを吐出するので、印刷信号SIには、360ビット分の信号が含まれている。各シフトレジスタは、印刷信号SI中の画素データのうち、担当するノズルに対応する画素データを受信する。
ラッチ回路422にラッチされた画素データは、デコーダ423に入力される。デコーダ423は、2ビット分の画素データをパルス選択データ(パルス選択信号)に変換する。駆動信号発生器の発生する吐出用駆動信号がCOM1である場合、デコーダ423は、画素データ「00」をパルス選択データ「1000000」に変換する。同様に、デコーダ424は、画素データ「01」をパルス選択データ「0000100」に、画素データ「10」をパルス選択データ「0001100」に、画素データ「11」をパルス選択データ「0111111」に、変換する。なお、デコーダ423が2ビットの画素データを7ビットのパルス選択データに変換するのは、吐出用駆動信号COM1が7つの波形から構成されているからである。吐出用駆動信号COMを構成する波形の数が変われば、パルス選択データのビット数も変わることになる。
図11の点線のタイミングで、チェンジ信号CHがユニット制御回路からヘッド駆動回路に入力されている(不図示)。レベルシフタ424は、点線のタイミングで送られてくるチェンジ信号CHに応じて、LレベルとHレベルの出力を切り換える。
また、画素データが「01」〜「11」の場合、吐出用駆動信号COM1の中央部の波形が圧電素子へ入力される。画素データが大きいほど、圧電素子へ入力される波形の数が多くなり、吐出される液滴の量が多くなり、紙に形成されるドットが大きくなる。
プリンタは、以上の動作により、画素データが「00」の場合はドットを形成せず、画素データが「01」の場合は小ドットを形成し、画素データが「10」の場合は中ドットを形成し、画素データが「11」の場合は大ドットを形成する。
上記の説明では、1つの画素へ1つのドットを形成するための動作しか説明していないが、実際には、キャリッジ31の移動中にヘッド41はインク滴を断続的に吐出するので、上記の動作が連続的に繰り返される。
既に説明した通り、駆動信号発生器は、2つのトランジスタQ1及びQ2を有する。この2つのトランジスタは、吐出用駆動信号COMを発生するときに、発熱する。この発熱によって、トランジスタ自身の温度が高温になると、トランジスタが破壊されるおそれがある。そこで、高温によるトランジスタの破壊を回避すべく、温度センサを設け、コントローラ60がトランジスタの温度を管理している。
2つのトランジスタQ1及びQ2は、基板とヒートシンクに挟まれるように設けられている。ヒートシンクはトランジスタと接触しており、トランジスタが発熱すると、その熱がヒートシンクに伝熱されて、外部へ放熱される。
ヒートシンクを小型化すれば、トランジスタから発生する熱の放出量が小さくなり、トランジスタの温度が高温になりやすくなる。しかし、トランジスタの温度を適正に制御できれば、トランジスタが破壊される温度を見極めることができるので、ヒートシンクの小型化を図ることができる。そして、ヒートシンクを小型化できれば、プリンタ全体の小型化を図ることもできる。そこで、本実施形態では、トランジスタの温度を制御するため、温度センサ55が基板上に設けられている。
一方、トランジスタを構成する半導体には接合部というポイントがあり、この部分で熱が発生する。発生した熱は、トランジスタ本体を熱伝導して外に逃げていく。そして、トランジスタ毎に接合部に許容される最高温度が決められており、この温度をジャンクション温度(あるいは接合部温度)という。このジャンクション温度が125℃以上になると、熱によりトランジスタが破壊される。
そこで、ジャンクション温度とケースの温度(温度センサ55の検出温度)との関係が問題となる。
Tj = Rθjc×P + Tp
この式から理解される通り、ケース温度Tpが同じであっても、消費電力Pが大きい場合は、消費電力Pが小さい場合と比較して、ジャンクション温度Tjが高くなる。言い換えれば、温度センサ55の検出結果が同じであっても、トランジスタの消費電力が大きいのであれば、トランジスタが破壊されやすい状態になる。
<印刷処理について>
図13は、印刷処理のフロー図である。以下に説明される各処理は、コントローラ60が、メモリ63内に格納されたプログラムに従って、各ユニットを制御することにより実行される。このプログラムは、各処理を実行するためのコードを有する。
また、図14A〜図14Cは、待機条件を示す表である。図14Aの表はCOM1の待機条件を示し、図14Bの表はCOM2の待機条件を示し、図14Cの表はCOM3の待機条件を示す。各待機条件は、温度センサ55の検出温度と、吐出用駆動信号の発生を待機する待機時間との関係を示している。これらの3つの待機条件は、メモリ63内に格納されている。
本実施形態では、印刷データ中のコマンドデータとして、駆動信号指定データがある。駆動信号指定データは、3種類の吐出用駆動信号COM1〜COM3のいずれの吐出用駆動信号を印刷時に用いるかを指定するための情報である。ここでは、駆動信号指定データが、吐出用駆動信号COM1を指定しているものとして、説明を進める。
ドット形成処理の間、コントローラ60は、駆動信号発生器641を利用して、駆動信号指定データにより指定された吐出用駆動信号COM1を連続して発生させる。このとき、2つのトランジスタQ1及びQ2が発熱する。
搬送処理の間、コントローラ60は、駆動信号発生器641を利用して、非吐出用駆動信号を発生させる。圧電素子が非吐出用駆動信号によってチャンバ412を振動させることにより、チャンバ内のインクが撹拌されるので、ノズル内のインクの固化を抑制することができる。なお、コントローラ60は、次のドット形成処理が開始されるまでの間、駆動信号発生器641から非吐出用駆動信号を発生させ続けている。
そして、フラッシング処理後、コントローラ60は、更に次の紙の印刷を行うため、印刷を続行する。ジョブの示す枚数をプリンタが印刷し終えるまで、コントローラ60は、上記のS103〜S113の動作を繰り返す。
温度センサ55の検出温度が60℃以上65℃未満の場合、プリンタは、1枚印刷する毎に、30秒間の待機処理を行うことになる。このため、プリンタが待機処理を行うようになった後、連続印刷の速度が遅くなる。
なお、温度センサ55の検出温度が−20℃よりも低い場合も、想定されている使用環境ではないので、コントローラ60は、印刷処理を停止させ、エラー処理を行う。
コントローラ60は、ジョブの示す印刷内容を終えるまで(S108でYES)、上記のS104〜S113の動作を繰り返し、連続印刷を行う。
図15は、印刷処理を続けたときのジャンクション温度Tjの時間変化のグラフである。グラフの縦軸は温度(℃)を示し、横軸は時間を示す。なお、横軸の時間軸は、数十枚〜数百枚を印刷する程度の時間軸である。
待機処理を行わない場合、印刷処理を続けると、ジャンクション温度Tjが上昇し続ける。そして、印刷処理をしばらく続けると、ジャンクション温度が125℃に達し、トランジスタが破壊され、プリンタが故障する。
一方、本実施形態のように待機処理を行えば、ジャンクション温度Tjが高くなると(ケース温度が約60℃になると)、プリンタは、待機処理を行うようになる。この結果、連続印刷の速度が遅くなるが、ジャンクション温度の上昇が抑えられる。
図16は、最初から待機時間を60秒としたときのジャンクション温度Tjの温度変化のグラフである。最初から待機時間を60秒とした場合、本実施形態と比較して、ジャンクション温度Tjの上昇が最初から抑えられることになる。
しかし、この場合、ジャンクション温度Tjが低いときにも、待機時間を60秒とする待機処理が行われるので、1枚当たりの印刷速度が遅くなる。
一方、本実施形態では、温度検出センサ55の検出温度が60℃に達するまでの間、待機処理が行われないので、最初から待機時間を60秒とした場合と比較して、プリンタの印刷速度が速い。また、本実施形態では、温度検出センサ55の検出温度が65℃に達するまでの間、待機処理が30秒なので、最初から待機時間を60秒とした場合と比較して、プリンタの印刷速度が速い。
本実施形態では、最初から待機時間を60秒とした場合と比較して、ジャンクション温度Tjが高くなる。しかし、本実施形態でも、ジャンクション温度Tjは125℃を越えないので、トランジスタの破壊を回避することができる。
図17は、吐出用駆動信号の種類によらず同じ待機条件としたとき(比較例)のジャンクション温度Tjの温度変化のグラフである。ここでは比較のため、COM2の吐出用駆動信号でプリンタが印刷を行うときも、COM1の待機条件(図14A)で待機処理が行われる(本来ならば、COM2の吐出用駆動信号でプリンタが印刷を行うとき、COM2の待機条件で待機処理が行われる。)。
そこで、本実施形態では、吐出用駆動信号COMの種類に応じて、待機条件を変えている。例えば、COM2の吐出用駆動信号でプリンタが印刷するとき、COM1の待機条件とは異なる待機条件(図14B参照)で待機処理が行われる。
これにより、COM2の吐出用駆動信号でプリンタが印刷するとき、温度検出センサ55の検出温度が70℃に達するまでの間、待機処理が行われない。この結果、温度検出センサ55の検出温度が60℃から70℃までの間、本実施形態のプリンタは、上記の比較例よりも、印刷速度が速い。
また、本実施形態では、温度検出センサ55の検出温度が70℃から75℃までの間、待機時間は20秒に設定される。このため、本実施形態は、待機時間が30秒の場合と比較して、連続印刷の速度が速い。
また、本実施形態では、温度検出センサ55の検出温度が80℃になるまで、印刷処理が続行される。このため、本実施形態は、70℃で印刷処理が停止される場合と比較して、連続印刷できる枚数が多い。
上記の実施形態は、主としてプリンタについて記載されているが、その中には、印刷装置、記録装置、液体の吐出装置、印刷方法、記録方法、液体の吐出方法、印刷システム、記録システム、コンピュータシステム、プログラム、プログラムを記憶した記憶媒体、表示画面、画面表示方法、印刷物の製造方法、等の開示が含まれていることは言うまでもない。
プリンタが1枚印刷する毎に待機処理を行う場合、吐出用駆動信号COMの種類が同じであっても、紙の大きさに応じて待機時間を変更しても良い。例えば、A4サイズの紙を複数印刷する場合の待機時間は、A5サイズの紙を複数印刷する場合の待機時間よりも、長くなる。紙が大きければ、1枚印刷する間に蓄積される熱量が多くなるからである。したがって、この場合、プリンタのメモリ63は、図14A〜図14Cのような表を、紙の種類に応じて格納する。
この実施形態は、1枚印刷する毎に待機処理を行うので、A4紙やB5紙などのカット紙の印刷処理に用いることが望ましい。そして、紙が大きくなるほど、待機時間が長くなるように設定されることが望ましい。例えば、プリンタがA4紙を印刷する場合、A5紙の場合よりも、待機時間が長くなるように設定される。
前述の実施形態では、プリンタは、待機時間を段階的に変えていた(例えば、30秒から60秒)が、これに限られるものではない。また、前述の実施形態では、プリンタは、吐出用駆動信号の種類に応じて待機時間を変えていたが、これに限られるものではない。
その後、コントローラ60は、1枚印刷する毎に温度を検出する(S109)。そして、設定された閾値を検出温度が越えていなければ(S110でYES)、待機処理を行わない。一方、設定された閾値を検出温度が越えていれば(S110でNO)、予め設定された待機時間(例えば60秒)で待機処理を行う(S112)。そして、待機処理後、フラッシング処理(S113)を行う。
このようにしても、待機処理時にヘッド41をキャップで覆うので、前述の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、このようにしても、待機処理後にフラッシング動作を行うので、前述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
前述の実施形態では、プリンタは、待機処理後、次の紙の印刷前に、フラッシング処理を行っていた。しかし、待機処理後に行われるクリーニング処理(ノズルの目詰まりを予防・回復する処理)は、これに限られるものではない。例えば、インク吸引処理であっても良い。
前述の実施形態は、プリンタの実施形態だったので、染料インク又は顔料インクをノズルから吐出していた。しかし、ノズルから吐出する液体は、このようなインクに限られるものではない。例えば、金属材料、有機材料(特に高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、電子インク、加工液、遺伝子溶液などを含む液体(水も含む)をノズルから吐出しても良い。このような液体を対象物に向かって直接的に吐出すれば、省材料、省工程、コストダウンを図ることができる。
前述の実施形態では、圧電素子を用いてインクを吐出していた。しかし、液体を吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
(1)前述のプリンタ(印刷装置)は、ジョブを受信し、ジョブに従って圧電素子を駆動してインクをノズル(吐出口)から紙(媒体)に吐出し、紙に印刷を行うものである。そして、このプリンタは、圧電素子を駆動するための吐出用駆動信号を発生する駆動信号発生器641を備えている。
連続印刷するジョブをプリンタが実行すると、駆動信号発生器(詳しくはトランジスタの接合部)が発熱する。この発熱が蓄積されると、駆動信号発生器が高温になり、プリンタが故障するおそれがある。そこで、プリンタが1枚印刷する毎に(各媒体へインクの吐出を終える毎に)、駆動信号発生器は、吐出用駆動信号の発生を待機している。
1枚印刷する毎に待機処理を行う場合、ドット形成処理毎に待機処理を行う場合と比較して、駆動信号発生器に蓄積される熱が多いため、待機処理の待機時間が長くなる。しかし、待機処理が長時間になると、ノズルからのインクの蒸発により、インクの粘度が増し、印刷時に吐出不良となるおそれがある。
そこで、前述のプリンタ(印刷装置)は、ノズル(吐出口)を覆うためのキャップ71を備えている。そして、待機処理のときに、キャップ71がノズルを覆うことにしている。これにより、インクの蒸発を防ぐことができるので、インクの目詰まりを回避して、吐出不良による画質の劣化を防ぐことができる。
待機処理の間、駆動信号が発生しないので、圧電素子を微振動させること(ノズルからインクを吐出できない程度に圧電素子を駆動すること)もできない。そのため、キャップ71がノズルを覆っても、ノズルにインクが目詰まりするおそれがある。前述のプリンタは、フラッシング処理を行うことにより、たとえ待機処理の間にインクの目詰まりが生じても、次の紙の印刷前に目詰まりを回復することができる。
待機処理の間、吐出用駆動信号が発生しないので、圧電素子を微振動させること(ノズルからインクを吐出できない程度に圧電素子を駆動すること)もできない。そのため、キャップ71がノズルを覆っても、ノズルにインクが目詰まりするおそれがある。前述のプリンタは、インク吸引処理を行うことにより、たとえ待機処理の間にインクの目詰まりが生じても、次の紙の印刷前に目詰まりを回復することができる。
したがって、前述のプリンタでは、駆動信号発生器の温度が上昇しても良い範囲で、印刷速度を速くすることができる。
そこで、前述のプリンタは、吐出用駆動信号の種類に基づいて、待機処理を行う。これにより、印刷速度の速い安価なプリンタを提供することができる。
消費電力が大きい吐出用駆動信号COM1は、大きいドットを形成するのに向いている。本実施形態では、吐出用駆動信号COM1は、360dpiの解像度の印刷時に用いられる。印刷媒体が普通紙の場合、吐出用駆動信号COM1が採用される。一方、消費電力が小さい吐出用駆動信号COM3は、小さいドットを形成するのに向いている。本実施形態では、吐出用駆動信号COM3は、1440dpiの解像度の印刷時に用いられる。印刷媒体が専用紙の場合、吐出用駆動信号COM3が採用される。
普通紙に印刷する場合、大ドット(画素データが「11」)により画素を塗りつぶすことが多い。このため、吐出用駆動信号COM1を用いた普通紙印刷では、消費電力がより多くなる。一方、専用紙に印刷する場合、大ドットよりも小ドット(画素データが「01」)を吐出する方が多い。このため、吐出用駆動信号COM3を用いた専用紙印刷では、消費電力がより少なくなる。
このように、消費電力の異なる複数の吐出用駆動信号COM1〜COM3を発生可能なプリンタに、上記の実施形態を実現させれば、印刷速度の速い安価なプリンタを提供することができる。
20 搬送ユニット、21 給紙ローラ、22 搬送モータ(PFモータ)、
23 搬送ローラ、24 プラテン、25 排紙ローラ、
30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、
32 キャリッジモータ(CRモータ)、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、411 圧電素子、412 チャンバ、
42 ヘッド駆動回路、421 シフトレジスタ、422 ラッチ回路、
423 デコーダ、424 レベルシフタ、425 スイッチ、
50 検出器群、51 リニア式エンコーダ、52 ロータリー式エンコーダ、
53 紙検出センサ、54 光学センサ、55 温度センサ、
60 コントローラ、61 インターフェース部、62 CPU、
63 メモリ、64 ユニット制御回路、641 駆動信号発生器、
70 キャップユニット、71 キャップ、72 スライダ、73 ガイド機構、
74 回転機構、75 復元機構、
Q1・Q2 トランジスタ、
100 印刷システム、110 コンピュータ、
120 表示装置、
130 入力装置、130A キーボード、130B マウス、
140 記録再生装置、
140A フレキシブルディスクドライブ装置、
140B CD−ROMドライブ装置
Claims (9)
- ジョブを受信し、前記ジョブに従って素子を駆動してインクを吐出口から媒体に吐出し、前記媒体に印刷を行う印刷装置であって、
前記素子を駆動するための駆動信号を発生する駆動信号発生器と、
前記吐出口を覆うためのキャップと、
前記駆動信号発生器の温度を検出するためのセンサと、
を備え、
前記駆動信号発生器は、消費電力がそれぞれ異なる複数の種類の前記駆動信号を発生可能であり、
消費電力の大きい前記駆動信号ほど、閾値が低い温度に決定され、
複数の媒体を連続印刷する前記ジョブに従って前記印刷装置が前記複数の媒体を印刷する際に、前記印刷装置が各媒体への前記インクの吐出を終える毎に、前記センサの検出結果が前記閾値を超えていれば、前記駆動信号発生器からの前記駆動信号の発生を待機するとともに、前記キャップが前記吐出口を覆う
ことを特徴とする印刷装置。 - 請求項1に記載の印刷装置であって、
前記駆動信号発生器が前記駆動信号の発生を待機した後、前記印刷装置が次の前記媒体に印刷を行う前に、前記吐出口からインクを空吐出させることを特徴とする印刷装置。 - 請求項2に記載の印刷装置であって、
前記キャップは、前記吐出口から空吐出されたインクを受けることを特徴とする印刷装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記駆動信号発生器が前記駆動信号の発生を待機した後、前記印刷装置が次の前記媒体に印刷を行う前に、前記吐出口からインクを吸引することを特徴とする印刷装置。 - 請求項4に記載の印刷装置であって、
前記インクを吸引するとき、前記キャップと前記吐出口との間を負圧にすることを特徴とする印刷装置。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記印刷装置の電源をOFFにしたとき、前記キャップが前記吐出口を覆うことを特徴とする印刷装置。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記センサの検出結果に基づいて、前記駆動信号発生器からの前記駆動信号の発生を待機させる待機時間を決定することを特徴とする印刷装置。 - 請求項7に記載の印刷装置であって、
前記センサが高い温度を検出するほど、前記待機時間が長くなることを特徴とする印刷装置。 - ジョブを受信し、前記ジョブに従って素子を駆動してインクを吐出口から媒体に吐出し、前記媒体に印刷を行う印刷方法であって、
駆動信号発生器が、消費電力がそれぞれ異なる複数の種類の駆動信号からいずれかの駆動信号を発生し、
消費電力の大きい前記駆動信号ほど閾値が低い温度に決定されるように、前記駆動信号発生器が発生する前記駆動信号に基づいて閾値を決定し、
前記駆動信号発生器の温度を検出し、
複数の媒体を連続印刷する前記ジョブに従って前記印刷装置が前記複数の媒体を印刷する際に、前記印刷装置が各媒体への前記インクの吐出を終える毎に、前記駆動信号発生器の温度が前記閾値を超えていれば、前記駆動信号発生器からの前記駆動信号の発生を待機するとともに、前記吐出口をキャップで覆う
ことを特徴とする印刷方法。
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