JP4417055B2 - 工具長を測定する前の工具の洗浄方法および工具の洗浄装置 - Google Patents

工具長を測定する前の工具の洗浄方法および工具の洗浄装置 Download PDF

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Description

本発明は、工作機械の技術分野に属する。具体的には、工具長をレーザ測定器によって測定する前に工具を洗浄する工具の洗浄方法に関する。また、工具長をレーザ測定器によって測定する前に工具を洗浄することができる洗浄装置に関する。
金属材料でなる被加工物を回転する工具で切削加工、研削加工、ないしは研磨加工する工作機械が知られている。例えば、切削加工をする工作機械は、エンドミルやドリルのような工具を10,000rpm/min以上の高速で回転させて工具と被加工物を接触させる。最近は、100,000rpm/minという“超高速”と言える回転数で工具を回転させる切削機械もある。このような工作機械においては、工具の摩耗が激しいため、より耐摩耗性の高い工具を使用している。しかしながら、高硬度の金属材料でなる被加工物であるときは、工具の摩耗による加工精度への影響は避けがたいものになる。
近年は、加工時間の短縮と同時に数μm前後の僅かな誤差範囲を許容値とする極めて高い加工精度が要求されることが当たり前になりつつある。したがって、工具の僅かな摩耗によって、要求される加工精度を得ることができないという事態が頻繁に生じる。そうかといって、僅かな加工毎に工具を交換することは適切ではない。そこで、ある程度の加工した後に工具長ないしは工具径を測定して、工具が摩耗した値だけ工具の相対移動軌跡を補正して加工する方法が行なわれる。工具長または工具径の測定は、接触方式と非接触方式に分類することができる。何れの方式においても、工具に付着する切削粉やゴミが測定誤差を発生させる。そのため、工具に付着している切削粉やゴミは、測定前に取り除かれている必要がある。
工具に付着した切削粉やゴミを除去するために、工具長または工具径の測定前にエアまたはクーラントを洗浄媒体として工具に噴射する方法が知られている。このような工具の洗浄方法は、例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示されている。特許文献1は、接触方式の測定方法における工具の洗浄方法を開示している。特許文献2は、レーザ測定器による非接触方式の測定方法における工具の洗浄方法を開示している。また、特許文献3は、レーザ測定器による非接触方式の測定方法における工具の洗浄方法であり、洗浄媒体としてエアとクーラントとを使用することを開示している。
特許第2760986号公報(第2頁第4欄、第1図) 特開2001−277077号公報(第5頁第8欄) 特開2003−103437号公報
ところで、レーザ測定器によって工具を測定する場合、工具の測定位置にオイルミスト等の油が付着していると、誤測定が発生することが見出された。その原因として、油膜によって発光器から工具に照射されるレーザ光が屈折したり、乱反射することが考えられるが正確には明らかにされていない。しかしながら、その原因如何に関わらず、油膜が除去されることによってレーザ測定器が本来有する測定精度の劣化を防ぐことができること、特に工具長を測定するときの測定精度が保持されることが、繰返しの実験によって明らかにできた。それゆえ、工具に付着した油膜を効果的に除去することが望まれる。また、測定前に工具を洗浄する場合は、可能な限り作業者の手を煩わせないことが期待される。
従前から、エアによる工具の洗浄方法は、エアの噴出圧力を相当強くしても工具に付着した切削粉やゴミを除去する上で不十分であることが知られている。したがって、好ましくは、クーラントによる工具の洗浄方法が選択される。しかしながら、クーラントが水性液であるときは、工具に付着した油膜を取り除くことはできない。クーラントが油性液であるときは、粘性のある油脂を除去するのに適していない上に、そもそもクーラントが油膜を形成してしまう。特に、縦型のマシニングセンタのような工作機械では、測定位置である工具の先端にクーラントが溜まって残り、正確な測定を全くできなくなる可能性が高い。したがって、クーラントを洗浄液として使用する工具の洗浄方法は、切削粉やゴミを洗い流すことに有効ではあるが、油の除去には適さない。なお、クーラントを使用しない、いわゆる乾式の切削機械の場合は、使用済みのクーラントを処理する装置を具備していないので、工具をクーラントで洗浄することは不適である。
本発明は、上記課題に鑑みて、レーザ測定器によって工具長を測定できる工作機械において、測定前に工具に付着した油を効果的に除去できる新規で好適な工具の洗浄方法および洗浄装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の工具の洗浄方法は、基本的には、工具の工具長をレーザ測定器によって測定するために工具を洗浄する工具の洗浄方法において、測定を行なう前に揮発性または速乾性の脱脂洗浄剤を気密に封入した容器(70)から上記脱脂洗浄剤を霧状にして縦に配置した工具(2)に噴射して工具(2)を上記脱脂洗浄剤によって洗浄して油膜を除去するようにする。好ましくは、上記脱脂洗浄剤を1秒以上5秒以下噴射する。
また、本発明の工具の洗浄方法は、工具の工具長をレーザ測定器によって測定するために工具を洗浄する工具の洗浄方法において、測定を行なう前に揮発性または速乾性の脱脂洗浄剤を気密に封入したタンク(71)から上記脱脂洗浄剤を吸い上げて、縦に配置した工具(2)に上記脱脂洗浄剤を所定の圧力に制御された圧縮空気の力によりノズル(91)から霧状に噴射させて工具(2)を洗浄して工具長を測定するようにする。
そして、本発明の工具の洗浄方法は、工具長を測定する前の工具の洗浄方法において、工具(2)を洗浄する洗浄装置(10)の噴霧器(90)を工作機械本機または自動工具交換装置(ATC, Automatically Tool Changer)に取り付ける工程と、レーザ測定器と離れて機械に取り付けた噴霧器(90)のノズル(91)の制御上の位置を制御装置(1)に設定する工程と、予め定められた時点で加工を中断する工程と、ノズル(91)に所定の間隙をもって対向配置されるように設定されたノズル(91)の制御上の位置に工具(2)を相対移動させる工程と、ノズル(91)から縦に配置した工具(2)の少なくとも測定位置に揮発性または速乾性の脱脂洗浄剤を水平方向に噴霧する工程と、工具(2)をレーザ測定器(3)のセンサ(SE)が設けられた所定の位置に相対移動させる工程と、工具(2)の工具長をレーザ測定器(3)によって測定する工程と、を含んでなるものとする。
また、本発明の工具の洗浄装置は、工具の工具長をレーザ測定器によって測定するために工具を洗浄する工具の洗浄装置において、エア供給源(20)と、エア供給源(20)からの空気を所定の圧力に圧縮するエアレギュレータ(40)と、揮発性または速乾性の脱脂洗浄剤を封入した気密容器(70)と、気密容器(70)から上記脱脂洗浄剤を汲み上げてエアレギュレータ(40)からの圧縮された空気または気密容器(70)に封入された圧縮ガスとともに送り出す送出装置(60)と、レーザ測定器(3)と離れて設置され送出装置(60)から上記脱脂洗浄剤を霧状にして縦に配置した工具(2)に水平方向に噴射する噴霧器(90)と、エアレギュレータ(40)からの圧縮空気の供給を制限する電磁弁(50)と、噴霧器(90)のノズル(91)の制御上の位置を設定する設定装置を含み予め設定されているタイミングで加工を一時中断させノズル(91)の制御上の位置に工具(2)を相対移動させてノズル(91)に所定の間隙をもって対向配置されノズル(91)の先端から水平方向に離れた所定の位置に位置決めした後に電磁弁(50)を開いてノズル(91)から工具(2)に脱脂洗浄剤を噴射させ所定時間後に電磁弁(50)を閉じて脱脂洗浄剤の噴霧を停止するように制御する制御装置(1)と、を備えてなる。
また、本発明の工具の洗浄装置は、工具の工具長をレーザ測定器によって測定するために工具を洗浄する工具の洗浄装置において、エア供給源(20)と、エア供給源(20)からの空気を所定の圧力に圧縮するエアレギュレータ(40)と、揮発性または速乾性の脱脂洗浄剤を貯留する気密にされたタンク(71)と、圧縮空気の作用によって気密容器(70)から上記脱脂洗浄剤を吸い上げてその脱脂洗浄剤を圧縮空気とともに送り出すバキューム装置(61)と、レーザ測定器(3)と離れて設置されバキューム装置(61)からの圧縮空気の圧力で脱脂洗浄剤を霧状にして縦に配置した工具(2)に水平方向に噴射する噴霧器(90)と、エアレギュレータ(40)からの圧縮空気の供給を制限する電磁弁(50)と、噴霧器(90)のノズル(91)の制御上の位置を設定する設定装置を含み予め設定されているタイミングで加工を一時中断させノズル(91)の制御上の位置に工具(2)を相対移動させてノズル(91)に所定の間隙をもって対向配置されノズル(91)の先端から水平方向に離れた所定の位置に位置決めした後に電磁弁(50)を開いてノズル(91)から工具(2)に脱脂洗浄剤を噴射させ所定時間後に電磁弁(50)を閉じて脱脂洗浄剤の噴霧を停止するように制御する制御装置(1)と、を備えてなる。
また、本発明の工具の洗浄装置は、工具の工具長をレーザ測定器によって測定するために工具を洗浄する工具の洗浄装置において、エア供給源(20)と、エア供給源(20)からの空気を所定の圧力に圧縮するエアレギュレータ(40)と、エアレギュレータ(40)からの圧縮空気によって作動するエアシリンダ(62)と、レーザ測定器(3)と離れて設置され揮発性または速乾性の脱脂洗浄剤を圧縮ガスとともに封入しエアシリンダ(62)のシリンダによってノズル(91)が押圧されることにより上記脱脂洗浄剤を霧状にして縦に配置した工具(2)に水平方向に噴射するスプレー缶(72)でなる噴霧器(90)と、エアレギュレータ(40)からの圧縮空気の供給を制限する電磁弁(50)と、噴霧器(90)のノズル(91)の制御上の位置を設定する設定装置を含み予め設定されているタイミングで加工を一時中断させノズル(91)の制御上の位置に工具(2)を相対移動させてノズル(91)に所定の間隙をもって対向配置されノズル(91)の先端から水平方向に離れた所定の位置に位置決めした後に電磁弁(50)を開いてノズル(91)から工具(2)に脱脂洗浄剤を噴射させ所定時間後に電磁弁(50)を閉じて脱脂洗浄剤の噴霧を停止するように制御する制御装置(1)と、を備えてなる。なお、上記符号は便宜上付したものであり、本発明が対応する図面に開示された実施の形態に制限されるものではない。
本発明の工具の洗浄方法は、レーザ測定器によって工具長を測定する前に、揮発性または速乾性の脱脂洗浄剤を工具を洗浄する媒体として用いてその脱脂洗浄剤を縦方向に配置した工具の測定位置に霧状に噴射する。したがって、例えば下向きに配置された工具に噴射された脱脂洗浄剤によって、工具の測定位置に付着した油は切削粉と一緒に測定位置から確実に洗い流され、脱脂洗浄剤は固まらずに速やかに揮発あるいは乾燥する。そのため、粘性のある油が工具の測定位置から洗い流されて除去されるとともに脱脂洗浄剤自体が測定の妨害にならない。また、脱脂洗浄剤を所定の圧力の空気または圧縮ガスと混合して供給するので、噴出器から霧状に供給される脱脂洗浄剤は、勢いよく工具の測定位置全域にわたって短時間に必要十分に塗布される。したがって、切削粉が吹き飛ばされるとともに供給される脱脂洗浄剤が必要以上多くならない。そのため、切削粉が測定位置に残りにくく、また工具の先端に流された液が溜まって残らない。その結果、油膜によるレーザ測定器の誤測定を防止することができ、作業効率を低下させることなく、高い加工精度を維持することができるという優れた効果が得られる。
本発明の工具の洗浄装置は、縦方向に配置された工具に揮発性または速乾性の脱脂洗浄剤を霧状に噴出して塗布する構成である。したがって、例えば下向きに配置された工具に噴射された脱脂洗浄剤によって、工具の測定位置に付着した油は切削粉と一緒に測定位置から確実に洗い流され、脱脂洗浄剤は固まらずに速やかに揮発あるいは乾燥する。そのため、粘性のある油が工具の測定位置から洗い流されて除去されるとともに脱脂洗浄剤自体が測定の妨害にならない。また、脱脂洗浄剤を所定の圧力の空気または圧縮ガスと混合して供給することができるので、噴出器から霧状に供給される脱脂洗浄剤は、勢いよく工具の測定位置全域にわたって短時間に必要十分に塗布される。そのため、切削粉が測定位置に残りにくく、また工具の先端に流された液が溜まって残らない。その結果、本発明の工具の洗浄装置によれば、油膜によるレーザ測定器の誤測定を防止することができ、作業効率を低下させることなく、高い加工精度を維持することができるという優れた効果が得られる。
脱脂洗浄剤を貯留するタンクのような気密の貯留槽から脱脂洗浄剤を吸い上げて送り出し、圧縮空気の噴出力で脱脂洗浄剤を工具に供給する構成とするときは、電力を消費するポンプや圧縮ガスが封入されたボンベを用いずに脱脂洗浄剤を霧状に噴射することができる。したがって、コストパフォーマンスに優れるなどの効果を有する。また、制御装置による制御が可能であるから、作業者の手を煩わせることがなく、油膜によるレーザ測定器の誤測定を防止することができる。その結果、作業者の負担がより軽減され、作業効率を低下させることなく、高い加工精度を維持することができるという優れた効果が得られる。
また、スプレー缶のような容器に封入された脱脂洗浄剤をシリンダによってスプレー缶のノズルを押圧することによって圧縮ガスの噴出力で脱脂洗浄剤を工具に供給する構成とするときは、市販のスプレー缶をそのまま利用することができる。また、制御装置による制御が可能であるから、作業者の手を煩わせることがなく、油膜によるレーザ測定器の誤測定を防止することができる。その結果、作業者の負担がより軽減され、作業効率を低下させることなく、高い加工精度を維持することができるという優れた効果が得られる。
図1に、本発明の工具の洗浄装置の好適な形態が示される。図1に例示される工作機械は、スピンドルが設けられた加工ヘッドによって工具を鉛直方向に往復移動させ、サドルおよびテーブルによって被加工物を水平2軸方向に移動させる構造の縦型のマシニングセンタである。図1は、本発明の洗浄装置と直接関係しない切削機械本機の具体的な装置を省略している。図1に示される実施の形態と全体の構成を異にする工作機械に適用するときは、軸の名称や工具の移動方向、あるいは工具の種類などを置き換える必要があるが、本発明の洗浄装置を設置することができる。また、図1は、レーザ測定器のセンサと洗浄装置の噴霧器が並べられて示されているが、実際は離れて設置される。
数値制御装置1は、工具2の洗浄と工具長の測定を行なって相対位置の補正を行なう制御装置の例である。数値制御装置1は、発光器と受光器を有するセンサSEを含むレーザ測定器3からの測長信号から工具長と工具径の測定データを得る。そして、数値制御装置1は、測定データと新品のときの工具2の工具長および工具径のデータとを比較して、工具2の摩耗量のデータを計算する。新品のときに取り付けられた工具2の工具長および工具径のデータは、数値制御装置1に含まれる図示しない設定装置によって予め設定されている。また、測定された測定データと計算された摩耗量のデータは、数値制御装置1に含まれる図示しない記憶装置に記憶される。
また、数値制御装置1は、測定された1以上の工具2の摩耗量のデータから工具の相対移動の補正値を計算する。加工プログラムに基づいて演算されている工具の相対移動軌跡上の位置データは、計算された補正値によって補正される。補正された位置のデータは、移動制御装置4に出力される。数値制御装置1は、摩耗量のデータが許容値を超えたときは、その工具の使用を禁止する警報を出力し、あるいは図示しない自動工具交換装置を動作させて新しい工具と交換する。移動制御装置4は、数値制御装置1から出力される位置データに基づいて加工ヘッド5を移動させるサーボモータ6(実施の形態は、交流同期型のリニアモータを採用した)とスピンドルを回転させるインダクションモータ7を制御する。
移動制御装置4は、リニアスケールのような位置検出器8で検出されるフィードバック信号に基づいて少なくともサーボモータ6を制御して加工ヘッド5の位置決めをする。また、移動制御装置4は、ロータリエンコーダのような回転検出器からの信号を得て回転速度を検出する速度検出器9で得られるフィードバック信号に基づいてスピンドルの回転を制御することができる。移動制御装置4は、サーボモータ6と同じように、図1に示されていないサドルおよびテーブルをそれぞれ移動させる複数のサーボモータを同期あるいは独立して制御する。
洗浄装置10は、揮発性または速乾性の脱脂洗浄剤が混入された圧縮空気やガスの混合気体の圧力によって脱脂洗浄剤を霧状にして工具2に向けて水平に噴射する。実施の形態のように、縦型のマシニングセンタは、工具2が先端を下側にした下向きに取り付けられるので、そのままの状態で工具2が縦に配置されている。したがって、工具2に垂直の方向から噴射された脱脂洗浄剤は、測定位置に付着している油を切削粉と一緒に工具2の先端の方に洗い流して除去する。一方、脱脂洗浄剤は、霧状に供給されているから脱脂洗浄剤自体が液膜や液溜まりを作らないで速やかに揮発あるいは乾燥する。なお、工具2が縦に配置されていないと脱脂洗浄剤に融和した油が流されずにそのまま測定位置に残ってしまう虞れがあるので、工具2が横向きに配置されているときは、工具2を縦に配置する。このように、実施の形態の洗浄装置は、縦に配置された工具の測定位置に脱脂洗浄剤を霧状に水平に噴射する構成であるので、工具の測定位置から確実に油を除去することができる。
本発明に適応する脱脂洗浄剤は、工具から油脂を除去することができる揮発性または速乾性を有するものに限定される。この種の脱脂洗浄剤としては、芳香族炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エーテル類、その他混合の炭化水素系の溶剤があり、例えばメタノールのような速乾性のあるものやアセトンのような強脱脂で揮発性の高い溶剤などがよく知られているが、本発明の洗浄方法および洗浄装置には、脂肪族炭化水素類を主成分とする溶剤を主体とする脱脂洗浄剤が好適である。より具体的な脱脂洗浄剤は、工具に付着する油脂を除くことに適する揮発性または速乾性の脱脂洗浄剤が数多く市販されているので、適応できる脱脂洗浄剤の主成分と作用を発売元で確かめることができ、効果を試験的に実施することで簡単に確認できるので、使用者によって適宜のものが選定され採用される。ただし、有機溶剤が主体の脱脂洗浄剤は、そのほとんどが可燃性であり、人体に少なからず影響を及ぼすものも多くあるので、関係法律に従い使用法を厳守し、取扱いに十分に注意を要する。
なお、上記有機溶剤以外でも工具に付着した油脂の脱脂効果がある揮発性または速乾性を有する脱脂洗浄剤を使用することができる。一方、法律上使用が禁止されるか著しく制限され、金属製工具から油脂を洗い流す効果が小さく(例えば樹脂のみに脱脂洗浄効果があるもの)、あるいは揮発性または速乾性がない脱脂洗浄剤は適用されない。例えば、石鹸類や合成洗剤類、界面活性剤を主成分とする洗浄剤は、速乾性がないか、工具に付着した油脂を容易に除去することができないので除外される。
洗浄装置10は、エア源20、エアレギュレータ40、電磁弁50、送出装置60、気密容器70、噴霧器90を含む。噴霧器90は、図1に示されるように、導管93を含むノズル91と取付台92とで構成される。その他の絞り弁や逆止弁などの回路中に設けられる部材の説明は省略される。実施の形態の洗浄装置10は、脱脂洗浄剤を気体を含んで勢いよく噴霧することができる。したがって、脱脂洗浄剤は、工具の測定位置に短時間で広範囲に行き渡るとと同時に工具に付着している切削粉やゴミを吹き飛ばして除去する。そのため、油を洗い流す効果が大きく、1回の洗浄に用いられる脱脂洗浄剤の量を少なくすることができる。
エア源20は、コンプレッサのような大気を加圧して送り出す装置である。エアレギュレータ40は、エア源20からの空気を圧縮して、所定の圧力に制御された圧縮空気を供給する。電磁弁50は、少なくとも、圧縮空気の流れを電磁開閉することによって制御するための入出力を有する制御弁である。電磁弁50は、数値制御装置1によって図示しない開閉制御器を通して開閉が制御される。送出装置60は、所定の流量で液状の脱脂洗浄剤を汲み上げるとともに圧縮空気を導入して脱脂洗浄剤と混合し、脱脂洗浄剤を圧縮空気とともに噴霧器90へ送り出す。気密容器70は、気密にされた室に気体とともに液状の脱脂洗浄剤を貯留する。気密容器70は、例えば、タンク、ボンベ、缶である。フィルタ30は、圧縮空気からゴミや塵を取り除くためのものである。スピードコントローラ80は、噴霧器に供給する脱脂洗浄剤が混合された圧縮空気の流速を制御する。
噴霧器90は、導管93を含むノズル91を有する。導管93が固定されている取付台92は、下面にマグネットが設けられていて、図示しないテーブルあるいはテーブルに設けられている定盤に噴霧器90を設置させる。取付台92は、脱脂洗浄剤が圧縮空気やガスに混入された混合気体が導入されるマニホールドになっている。ノズル91は、1以上の微細な孔が設けられている。したがって、噴出される脱脂洗浄剤は、ノズルから吐出するときに空気またはガスの圧力から急激に開放されるため霧状になる。微細な孔は、先端が下側になるよう下向きに配置された工具2の取付方向に対してほぼ直角の方向に向けられている。好ましくは、微細な孔の開口部の形状を、噴出される霧状の脱脂洗浄剤が幅広に噴射するように形成して、脱脂洗浄剤が一カ所に固まり難いようにする。
工具2の工具長をレーザ測定器3によって測定する前に、上述した洗浄装置10を作動することによって、脱脂洗浄剤を気密容器70から脱脂洗浄剤を霧状にして工具2に垂直の方向から噴射して工具2を脱脂洗浄剤と気体によって洗浄する。すでに述べたとおり、実施の形態の洗浄装置の構成は、短時間での油脂の除去を可能にしている。したがって、工具の測定位置のみに脱脂洗浄剤を噴霧する時間は、2秒〜5秒で十分である。1秒以下の短時間では脱脂洗浄剤の量が足りず、油脂が洗い流されないので、効果が不十分である。十数秒以上の長時間では供給される脱脂洗浄剤が多い割には油脂の洗浄効果は低い。特に、脱脂洗浄剤が引火点の低いものや有害物質を含むものは、可能な限り噴霧時間を短くして使用する脱脂洗浄剤の量を少なくするべきである。工具の測定位置は、工具長を測定する場合は、工具の先端であり、工具長と工具径の両方を測定する場合は、工具の先端から数mmの位置が測定位置である。少なくとも工具の測定位置に脱脂洗浄剤を噴霧するので、誤測定の原因になる油膜を確実に除去することができる。
次に、図2を参照して、本発明の工具の洗浄装置を使用した洗浄方法の好ましい具体的な実施の形態を説明する。洗浄装置は、図1に示される洗浄装置10を使用する。まず、予め噴霧器90を加工の邪魔にならない位置に設置し、送出装置60との間をフレキシブルホースで接続しておく(S1)。好ましくは、噴霧器90をテーブルあるいは定盤上の特定の設定された位置に取り付ける。また、予めエアレギュレータ40などの装置の設定値を適値に設定しておく(S2)。例えば、エアレギュレータ40は、1〜2kg/cm2程度に設定する。それから、ノズル91の制御上の位置を数値制御装置1の図示しない設定装置によって設定する(S3)。このとき、上述されているように、噴霧器90が特定の設定された位置に取り付けられているいるときは、作業者の入力なしにノズル91の制御上の位置が設定できる。
次に、例えば、NCプログラムのような加工プログラムにレーザ測定器3による工具長ないしは工具径を測定する“測定工程”と、測定前に工具を洗浄する“洗浄工程”の実行をプログラムしておく(S4)。このステップは、実質的に、工具2の洗浄と工具長等の測定をいつ実行させるかを設定する。洗浄工程と測定工程をいつ実行させるかは、特定サイクルで行なうようにすることができる。例えば、荒加工や仕上加工といった繰返しの加工工程の終了後に行なうようにする。また、加工時間で設定することができる。ただし、加工時間で設定するときは、上記加工工程における加工の最中に加工が中断されないようにすることが要求される。
上述したセッティングを行なってから、加工を行なう前に洗浄装置10を起動する(S5)。工具2の洗浄の準備が整ったら、加工を始める(S6)。一連の加工は、ステップS4で予め設定されているタイミングで一時中断される(S7)。加工を休止したら、工具2の洗浄を行なうために、テーブルなどの移動体を移動させて、ノズル91に所定の間隙をもって対向配置されるように工具2を相対移動させる(S8)。工具2の測定位置のみを洗浄するときは、工具2のサイズと単位時間に噴射される脱脂洗浄剤の量に依存して、ノズル91の先端から水平方向におよそ5cm〜20cm程度離れた位置に工具2の先端を位置決めする。なお、実施の形態は、縦型のマシニングセンタであるので、すでに工具2が、先端が下側になるように下方向に配置されており、工具2をそのまま3軸方向に相対移動させればよいが、工具2が縦に配置されていない場合は、工具2を縦方向に配置されるように回転移動させることが必要である。
工具2が所定の位置に位置決めされたら、電磁弁50を開いて圧縮空気を送出装置60に供給して脱脂洗浄剤と混合し、脱脂洗浄剤が含まれる圧縮空気を噴霧器90に送り出して、ノズル91から脱脂洗浄剤を工具2に霧状に噴射する(S9)。このとき、工具2を加工時の回転数で回転させながら上昇させることによって工具2の表面全体に脱脂洗浄剤を噴霧することができる(S10)。ただし、すでに述べられているように、少なくともレーザ測定器3がレーザ光を照射する特定される工具2の測定位置に脱脂洗浄剤が噴射されて油膜が除去されればよいので、この工程は省略できる。
脱脂洗浄剤を噴霧してから所定時間後に、電磁弁50を閉じて脱脂洗浄剤の噴霧を停止する(S11)。実施の形態として、工具2の測定位置のみに脱脂洗浄剤を噴霧する好適な時間として2秒〜5秒が設定される。ステップS10を洗浄工程に組み入れて、工具2をノズル91に対して移動させて工具2の全面に脱脂洗浄剤を噴霧するときは、工具2の全長全周にわたって相対移動を完了したときに脱脂洗浄剤の噴霧を停止する。実施の形態の洗浄方法は、加圧された気体と一緒に脱脂洗浄剤を放出することで、加工粉やゴミを吹き飛ばすとともに、短時間で工具2の測定位置の全域に脱脂洗浄剤を供給して効果的に測定位置に付着している油脂と残りの加工粉を洗い流す。
洗浄工程後、工具2を所定のレーザ測定器3のセンサSEが取り付けられている位置に移動させて(S12)、加工時と同じ回転数で工具2を回転させて所定時間アイドリングを行なってから、工具長ないしは工具径を測定する(S13)。アイドリングは必須ではないものの、測定誤差をなくす上で行なっておくとよい。少なくとも、工具2の洗浄を終えてセンサSEに工具2が移動されるまでには、工具2の表面に吹きかけられた脱脂洗浄剤が乾燥して除かれる。このように、工具2をレーザ測定器3によって測定するときは、工具2の測定位置に付着していた油脂は取り除かれているので、誤測定の虞れがほとんどなくなっている。測定結果は、工具長と工具径の補正値を計算して、次の加工の工具2の相対移動軌跡上の位置を補正するために使われる(S14)。また、異常に工具2が摩耗しているときは、その情報を警報や自動工具交換に利用することができる。なお、補正値の計算と補正値に基づく位置の補正の方式は任意である。工具2の測定後は、休止している加工を再開する(S15)。
本発明の洗浄方法は、圧縮空気を利用して工具に付着した加工粉を吹き飛ばし、あるいはクーラントを利用して工具に付着した加工粉やゴミを洗い流す洗浄方法と組み合わせて実施することができる。クーラントで工具を洗浄するときは、先にクーラントで洗浄してから脱脂洗浄剤によって洗浄することが要求される。特に、油性のクーラントを用いる場合は、クーラントが工具から滴下しないまま測定位置である工具の先端に溜まることがあるから、本発明の洗浄方法を用いることによって、優れた工具の洗浄の効果を得ることが期待できる。
本発明の洗浄装置は、噴霧器の設置場所が限定されない。例えば、噴霧器を自動工具交換装置に取り付けることができる。また、本発明の洗浄方法における工具の洗浄工程は、工具を加工に使用した後かつレーザ測定器による工具長の測定前であることが前提である。したがって、例えば、一旦加工に使用してマガジンに待機されている工具を待機中に洗浄しておくようにすることができる。
図3に、別の実施の形態が示されている。図3に示される実施の形態は、図1に示される基本的な構成と同じである。図3は、図1と同じように、本発明の洗浄装置と直接関係しない切削機械本機の具体的な装置を省略している。図3に示される洗浄装置11は、送出装置がバキューム装置61であり、気密容器が貯留槽であるタンク71である。図1に示される部材と同じ符号が付されている部材は、基本的に同一である。
バキューム装置61は、具体的には、エアレギュレータ40から供給される圧縮空気の作用によってタンク71から脱脂洗浄剤を吸い上げて脱脂洗浄剤を圧縮空気とともに送り出す。バキューム装置61に導入される圧縮空気の圧力は、バキューム室内の圧力と大気との間に圧力差を生じさせる。気密にされたタンク71内に貯留されている液状の脱脂洗浄剤の中にバキューム装置61のバキューム室に接続する細管が導入されている。したがって、上記圧力差によってバキューム室に脱脂洗浄剤が吸い上げられる。このとき、バキューム室の一方に管路が開放されているので、圧縮空気はこの開放された管路の方向に逃げ出す。したがって、吸い上げられた脱脂洗浄剤は、圧縮空気と混合してバキューム室からバキューム装置61の外に導出される。バキューム装置61から送り出されてくる脱脂洗浄剤と圧縮空気の混合体は、スピードコントローラ80で流速が調整されて、噴霧器90に至る。
送出装置としてのバキューム装置61と気密容器としてのタンク71の構成は、別の構成に置き換えることができる。例えば、図示しないが、気密容器に封入された脱脂洗浄剤を真空ポンプなどのようなポンプを使用して汲み上げて、混合器で圧縮空気と混合してから送り出すようにする構成にすることができる。ただし、洗浄装置は、工作機械における付属装置であるので、特段の事情がない限り、構成はより簡単であることが望まれる。実施の形態の構成は、電力を消費するポンプやガスが封入されたボンベを用いずに脱脂洗浄剤を霧状に噴射することができる。
数値制御装置1から図示しない開閉制御器を通して制御信号を送り、電磁弁50を開く。エアレギュレータ40からの圧縮空気の作用でタンク71から所定の流量で脱脂洗浄剤が吸い上げられて圧縮空気と脱脂洗浄剤が混合する。脱脂洗浄剤を混合した所定の圧力に制御された圧縮空気がノズル91から解放されると、脱脂洗浄剤は、水平方向に霧状に噴射される。このように、レーザ測定器3による測定を行なう前に、脱脂洗浄剤を気密に封入したタンク71から脱脂洗浄剤を吸い上げて、脱脂洗浄剤を所定の圧力に制御された圧縮空気の力によりノズル91から霧状に噴射させることによって工具2を脱脂洗浄することができるので、工具2に付着した油膜が効果的に除去される。
図4に、別の実施の形態が示されている。図4に示される洗浄装置は、図1に示される基本的な構成と同じである。図4は、図3と同じように、本発明の洗浄装置と直接関係しない切削機械本機の具体的な装置を省略している。図4に示される洗浄装置12は、送出装置がシリンダ62であり、噴霧器を兼用する気密容器としてスプレー缶72を設けている。図1に示される部材と同じ符号が付されている部材は、基本的に同一である。
スプレー缶72には、脱脂洗浄剤と一緒に圧縮ガス(イソヘキサン、プロパン等)が封入されている。スプレー缶72は、市販の脱脂洗浄剤のスプレー缶を利用している。購入したスプレー缶をそのまま使用することもできるが、好ましくは、スプレー缶72のノズルを工具に脱脂洗浄剤を噴霧するのに適した専用のノズル91に交換する。スプレー缶72に取り付けられたノズル91が押されると、スプレー缶72に設けられた管を押し込んで流路を開放する。スプレー缶72は、機械に取り付けることができるマグネット台座に設けられた留め具94に押し入れることで装着される。
洗浄装置12は、電磁弁50の開閉を数値制御装置1で制御してスピードコントローラ80で流速が制御された圧縮空気でエアシリンダ62を動作させる。エアシリンダ62のシリンダが押し出されると、シリンダがノズル91を押圧する。ノズル91が押されると、ノズル91につながるスプレー缶72の管が押し込まれて流路が開放する。流路が開放されると、圧縮ガスが圧縮空気の役割を果たし、ガスの圧力によってノズル91から脱脂洗浄剤が噴射される。したがって、この実施の形態は、市販のスプレー缶を利用できる利点がある。
図5に、別の実施の形態が示されている。図5に示される洗浄装置は、図1に示される基本的な構成と同じである。図5に示される洗浄装置は、図1と図4に示される洗浄装置が組み合わされたような態様である。具体的には、洗浄装置13は、図4に示される洗浄装置と同じように送出装置がシリンダ62であり、気密容器がスプレー缶72である。また、図1に示される洗浄装置と同じように噴霧器90が設置される。スプレー缶72と噴霧器90との間は、フレキシブルホースで接続される。スプレー缶72には、脱脂洗浄剤と一緒にガスが封入されている。スプレー缶72は、市販の脱脂洗浄剤のスプレー缶を利用できる。市販のスプレー缶72は、一般に脱脂洗浄剤を噴霧するノズルが設けられているので、脱脂洗浄剤を霧状に噴射しない専用のノズル95に交換する。
電磁弁50の開閉を数値制御装置1で制御してスピードコントローラ80で流速が制御された圧縮空気でエアシリンダ62を動作させる。エアシリンダ62のシリンダが押し出されると、シリンダがスプレー缶72のノズル95を押圧する。ノズル95が押されると、ノズル95につながるスプレー缶72の管が押し込まれて流路が開放し、圧縮ガスの圧力によって脱脂洗浄剤がフレキシブルホースを通して噴霧器90に供給される。したがって、この実施の形態は、市販のスプレー缶をノズルを交換するだけで使用できる利点がある。
図6に、油脂が付着していない工具と、油膜のある工具と、油脂が付着している工具を本発明の工具の洗浄方法で脱脂洗浄したときとを、それぞれレーザ測長器で測定してレーザ測長器の測定誤差を比較した結果が示されている。使用した工作機械は「MC430L」縦型マシニングセンタ(ソディック社製)、工具はφ6mmおよびφ2mmの超硬エンドミル、レーザ測長器は「P67.0634−014」測長器(ブルム社製)である。また、使用した脱脂洗浄剤は商品名「バイトルクリーン」(販売元ケイ・エッチ・エス社)であり、イソオクタン(2,2,4−トリメチルペンタン)系有機溶剤(脂肪族炭化水素類)である。なお、すでに述べられているが、本発明で使用される脱脂洗浄剤は、工具の表面に付着している油脂を除去してから速やかに揮発あるいは乾燥して液膜や液溜まりを残さないものに限定される。
スピンドル回転数10,000rpm/minで回転させてオイルミストを意図的に30分間噴射させ、熱変位によるばらつきを除外するためにアイドリングを30分間行なってから、レーザ測定器によって工具長の測定を連続して10回行なった。また、図2に示されるような洗浄方法で、工具を縦に配置して、測定位置である工具の先端から2mmの位置におよそ15cm水平方向に離れた位置から霧状の上記脱脂洗浄剤を3秒間噴射した。そして、同じようにしてアイドリングを30分間行なってから、レーザ測定器によって工具長の測定を連続して10回行なった。工具長の測定において、φ6mmの超鋼製エンドミルで平均17μm、φ2mmの超鋼製エンドミルで平均26μmの測定誤差が発生するとき、実施例の洗浄方法によって測定誤差が1μmに満たない程度に解消された。
本発明の工具長を測定する前の工具の洗浄方法および工具の洗浄装置は、金属材料でなる被加工物を回転する工具で切削加工、研削加工、研磨加工する工作機械に関わる技術分野において実施することができる。本発明は、レーザ測定器で工具を測長して工具長を測定するときに、誤測定の原因の1つと考えられる工具の測定位置に付着した油脂を効果的に除去して誤測定を防止する。
本発明の工具の洗浄装置の好適な実施の形態を示す簡略されたブロック図である。 本発明の工具の洗浄方法のプロセスの一例を示すフローチャートである。 本発明の別の実施の形態の洗浄装置を示す簡略されたブロック図である。 本発明の別の実施の形態の洗浄装置を示す簡略されたブロック図である。 本発明の別の実施の形態の洗浄装置を示す簡略されたブロック図である。 本発明の実施例の効果を示す比較表である。
符号の説明
1 数値制御装置
2 工具
3 レーザ測定器
20 エア源
40 エアレギュレータ
50 電磁弁
60 送出装置
70 気密容器
90 噴霧器
91 ノズル

Claims (4)

  1. 工具長を測定する前の工具の洗浄方法において、工具を洗浄する洗浄装置の噴霧器を工作機械本機または自動工具交換装置に取り付ける工程と、レーザ測定器と離れて機械に取り付けた噴霧器のノズルの制御上の位置を制御装置に設定する工程と、予め定められた時点で加工を中断する工程と、前記ノズルに所定の間隙をもって対向配置されるように前記設定されたノズルの制御上の位置に前記工具を相対移動させる工程と、前記ノズルから縦に配置した前記工具の少なくとも測定位置に揮発性または速乾性の脱脂洗浄剤を水平方向に噴霧する工程と、前記工具をレーザ測定器のセンサが設けられた所定の位置に相対移動させる工程と、前記工具の工具長を前記レーザ測定器によって測定する工程と、を含んでなる工具長を測定する前の工具の洗浄方法。
  2. 工具の工具長をレーザ測定器によって測定するために前記工具を洗浄する工具の洗浄装置において、エア供給源と、前記エア供給源からの空気を所定の圧力に圧縮するエアレギュレータと、揮発性または速乾性の脱脂洗浄剤を封入した気密容器と、前記気密容器から前記脱脂洗浄剤を汲み上げて前記エアレギュレータからの圧縮された空気または前記気密容器に封入されたガスとともに送り出す送出装置と、前記レーザ測定器と離れて設置され前記送出装置から前記脱脂洗浄剤を霧状にして縦に配置した前記工具に水平方向に噴射する噴霧器と、前記エアレギュレータからの前記圧縮空気の供給を制限する電磁弁と、前記噴霧器のノズルの制御上の位置を設定する設定装置を含み予め設定されているタイミングで加工を一時中断させ前記ノズルの制御上の位置に前記工具を相対移動させて前記ノズルに所定の間隙をもって対向配置され前記ノズルの先端から水平方向に離れた所定の位置に位置決めした後に前記電磁弁を開いて前記ノズルから前記工具に前記脱脂洗浄剤を噴射させ所定時間後に前記電磁弁を閉じて前記脱脂洗浄剤の噴霧を停止するように制御する制御装置と、を備えてなる工具の洗浄装置。
  3. 工具の工具長をレーザ測定器によって測定するために前記工具を洗浄する工具の洗浄装置において、エア供給源と、前記エア供給源からの空気を所定の圧力に圧縮するエアレギュレータと、揮発性または速乾性の脱脂洗浄剤を貯留する気密にされたタンクと、前記圧縮空気の作用によって前記気密容器から前記脱脂洗浄剤を吸い上げて前記脱脂洗浄剤を前記圧縮空気とともに送り出すバキューム装置と、前記レーザ測定器と離れて設置され前記バキューム装置からの圧縮空気の圧力で前記脱脂洗浄剤を霧状にして縦に配置した前記工具に水平方向に噴射する噴霧器と、前記エアレギュレータからの前記圧縮空気の供給を制限する電磁弁と、前記噴霧器のノズルの制御上の位置を設定する設定装置を含み予め設定されているタイミングで加工を一時中断させ前記ノズルの制御上の位置に前記工具を相対移動させて前記ノズルに所定の間隙をもって対向配置され前記ノズルの先端から水平方向に離れた所定の位置に位置決めした後に前記電磁弁を開いて前記ノズルから前記工具に前記脱脂洗浄剤を噴射させ所定時間後に前記電磁弁を閉じて前記脱脂洗浄剤の噴霧を停止するように制御する制御装置と、を備えてなる工具の洗浄装置。
  4. 工具の工具長をレーザ測定器によって測定するために前記工具を洗浄する工具の洗浄装置において、エア供給源と、前記エア供給源からの空気を所定の圧力に圧縮するエアレギュレータと、前記エアレギュレータからの圧縮空気によって作動するエアシリンダと、前記レーザ測定器と離れて設置され揮発性または速乾性の脱脂洗浄剤をガスとともに封入し前記エアシリンダのシリンダによってノズルが押圧されることにより前記脱脂洗浄剤を霧状にして縦に配置した前記工具に水平方向に噴射するスプレー缶でなる噴霧器と、前記エアレギュレータからの前記圧縮空気の供給を制限する電磁弁と、前記噴霧器のノズルの制御上の位置を設定する設定装置を含み予め設定されているタイミングで加工を一時中断させ前記ノズルの制御上の位置に前記工具を相対移動させて前記ノズルに所定の間隙をもって対向配置され前記ノズルの先端から水平方向に離れた所定の位置に位置決めした後に前記電磁弁を開いて前記ノズルから前記工具に前記脱脂洗浄剤を噴射させ所定時間後に前記電磁弁を閉じて前記脱脂洗浄剤の噴霧を停止するように制御する制御装置と、を備えてなる工具の洗浄装置。
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