JP4416421B2 - ガイドワイヤおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガイドワイヤ、特に血管のような体腔内にカテーテルを導入する際に用いられるガイドワイヤおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガイドワイヤは、例えばPTCA術(Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty:経皮的冠状動脈血管形成術)のような、外科的手術が困難な部位の治療、または人体への低侵襲を目的とした治療、心臓血管造影などの検査に用いられるカテーテルの目的部位への誘導などに使用される。
PTCA術に用いられるガイドワイヤは、ガイドワイヤの先端をバルーンカテーテルの先端より突出させた状態にて、バルーンカテーテルと共に目的部位である血管狭窄部付近まで挿入され、バルーンカテーテルの先端部を血管狭窄部付近まで誘導するために使用される。
特に、バルーンカテーテルを血管に挿入するために用いるガイドワイヤーについては、複雑に湾曲している血管内を進入する必要があるため、曲げに対する十分な柔軟性および復元性、また基端部における操作を先端側に確実に伝達するための押し込み性およびトルク伝達性(これらを合わせて操作性とする)、耐キンク性等が要求される。このようなカテーテルに使用されるガイドワイヤとしては、細い芯材の周りに曲げに対する柔軟性を有するコイルを配置することにより先端部に適度な柔軟性を有するものとしたガイドワイヤや、芯材にNi−Ti等の超弾性線材を用いることにより柔軟性および復元性を有するものとしたガイドワイヤが提案されている。
【0003】
しかしながら、従来のガイドワイヤは、芯材が実質的に1種の材料から構成されているため、ガイドワイヤの操作性を高めるために芯材に比較的弾性率の高い材料を用いた場合、ガイドワイヤの先端部の柔軟性は失われ、逆に、ガイドワイヤの先端部の柔軟性を得るために芯材に比較的弾性率の低い材料を用いると、ガイドワイヤの基端側における操作性が失われる。このように、必要とされる柔軟性および操作性を、1種の芯材で満たすことは困難とされていた。
そこで、上記問題点を解決するため、芯材にNi−Ti合金線を用い、その先端側と基端側とに異なった条件で熱処理を施し、先端部の柔軟性を高め、基端側の剛性を高めたガイドワイヤが提案されている(特許文献1)。しかし、このような熱処理による柔軟性の制御には限界があり、先端部では十分な柔軟性が得られても、基端側では必ずしも満足する剛性が得られない。
また、先端側に配置された可撓性を有するワイヤと、基端側に配置された剛性が高いワイヤと、第1のワイヤと第2のワイヤとを接続し溝およびスリットを有する管状の接続部材とからなり、接続部材は先端側から基端側に向かって徐々に剛性が高くなるガイドワイヤが提案されている(特許文献2)。このガイドワイヤは、十分な効果を備えるが、より物性の変化がなだらかであり、かつ、より確実に基端部からのトルク伝達力、押し込み力を先端側に伝達できるとともに、柔軟な先端部を備えるものが求められている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−14792号公報
【特許文献2】
特開平10−118005号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、上記問題点を解決するものであり、十分に柔軟な先端部を有するとともにトルク伝達性および押し込み性をより高めたガイドワイヤおよびその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 第1の金属材料により形成された先端側部分と、前記第1の金属材料より剛性の高い第2の金属材料により形成された基端側部分と、前記先端側部分と前記基端側部分との間に設けられた中間部分とを備え、該中間部分は、前記第1の金属材料のみで形成された第1の金属部材からなる先端部と、前記第2の金属材料のみで形成された第2の金属部材からなる基端部と、前記第1の金属材料粉末と前記第2の金属材料粉末の混合物から形成され、かつ、前記先端部側から前記基端部側に向かって段階的に前記第1の金属材料含有率が低下しかつ前記第2の金属材料含有率が高くなり緩やかに剛性が先端部側から基端部側に向かって高くなる複数の層からなる傾斜物性部とからなり、さらに、前記中間部分は、前記第1の金属部材と前記第2の金属部材間に前記傾斜物性部を形成する前記第1の金属材料粉末と前記第2の金属材料粉末の混合物が充填された状態にて焼結されることにより形成された焼結体であり、さらに、前記中間部分は、前記第1の金属部材からなる先端部にて前記先端側部分に接合され、かつ、前記第2の金属部材からなる基端部にて前記基端側部分に接合されているガイドワイヤ。
【0007】
(2) 前記第1の金属材料は、Ni−Ti系合金であり、前記第2の金属材料は、ステンレス鋼である(1)に記載のガイドワイヤ。
(3) 前記中間部分の前記第1の金属部材からなる先端部は、前記先端側部分に溶接により接合されており、前記中間部分の前記第2の金属部材からなる基端部は、前記基端側部分に溶接により接合されている(1)または(2)に記載のガイドワイヤ。
【0008】
上記目的を達成するものは、以下のものである。
) 第1の金属材料により形成された先端側部分と、前記第1の金属材料より剛性の高い第2の金属材料により形成された基端側部分と、前記先端側部分と前記基端側部分との間に設けられた中間部分とを備えるガイドワイヤの製造方法であって、該製造方法は、前記第1の金属材料を用いて作製された先端側部分形成用線材および前記第2の金属材料を用いて作製された基端側部分形成用線材を準備する工程と、型内の一方側に前記第2の金属材料のみで形成された第2の金属部材を配置した後、前記第1の金属材料粉末および前記第2の金属材料粉末の混合物からなりかつ一方側から他方側に向かって段階的に第1の金属材料粉末の含有率が高くなりかつ前記第2の金属材料粉末の含有率が低くなるように前記型内に複数の層を形成するように傾斜物性部形成用金属粉末を充填し、その後前記第1の金属材料のみで形成された第1の金属部材を配置する金属部材配置および金属粉末充填工程と、前記金属粉末充填物を前記第1および第2の金属部材とともに焼結して傾斜物性部を備える中間部分形成用部材を作製する工程と、該中間部分形成用部材の前記第2の金属部材側への前記基端側部分形成用線材の接合および該中間部分形成用部材の前記第1の金属部材側への前記先端側部分形成用線材の接合を行う接合工程とを備えることを特徴とするガイドワイヤの製造方法。
【0009】
(5) 前記金属粉末充填工程は、前記第2の金属部材と前記第1の金属部材間により前記金属粉末充填物が押圧されるように行うものである(4)に記載のガイドワイヤの製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例であるガイドワイヤを添付図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一の実施例であるガイドワイヤの正面図である。
本発明のガイドワイヤ1は、第1の金属材料により形成された先端側部分2と、第1の金属材料より剛性の高い第2の金属材料により形成された基端側部分3と、先端側部分2と基端側部分3との間に設けられ、第1の金属材料と第2の金属材料との混合物により形成された中間部分4とを備える。中間部分は、先端側から他端側に向かって第1の金属材料含有率が低下しかつ第2の金属材料含有率が高くなる傾斜物性部4を備えている。
【0011】
ガイドワイヤ1は、カテーテル(図示せず)のルーメン内に挿入して使用される医療用ガイドワイヤである。図1に示すように、ガイドワイヤ1は、先端側部分2と、基端側部分3と、先端側部分2と基端側部分3の間に配置された傾斜物性部4を備える中間部分を有している。先端側部分2は、基端側部分に比べて柔軟なものとなっている。ガイドワイヤの全長は、特に限定されないが、200〜5000mm程度であるのが好ましい。また、ガイドワイヤの先端側の細径部を除く部分の外径は、0.2〜1.2mm程度であることが好ましい。
先端側部分2は、この実施例のガイドワイヤ1では、図1に示すように、基端側に形成された円柱状部21と、円柱状部21の前方に形成された細径部を備える。細径部は、先端に向かって縮径する第1のテーパー部22と、第1のテーパー部22の前方に形成された円柱状部23と、円柱状部23の前方に形成された先端に向かって緩やかに縮径する第2のテーパー部24と、第2のテーパー部24の前方に形成されたほぼ円柱状部25からなる。
【0012】
このような構成により、先端側部分2の剛性は先端に向かって徐々に小さくなるため、ガイドワイヤ1の血管への追従性、安全性が向上するとともに、折れ曲がり等が生じにくくなる。なお、本発明の実施例では、先端に向かって縮径するテーパー部が2か所設けられているが、3か所以上設けられていてもよく、また、1か所のみでもよい。さらには、テーパー部を備えないものであってもよい。また、円柱状部(細径部)25の先端部は、丸く作製されていることが好ましい。また、先端側部分2のテーパー部22およびテーパー部24の外径は先端に向かって一定の割合で減少している。このため、剛性(曲げ剛性、ねじり剛性)の変化が緩やかなものとなっている。先端側部分2の長さは、20〜1000mm程度、特に、50〜200mm程度であることが好ましい。また、先端側部分2の基端部の外径は、中間部分(傾斜物性部)4及び基端側部分3の外径とほぼ同じであることが好ましい。なお、先端側部分2は、全体がほぼ同じ外径となっているものでもよく、全体が、先端側に向かってテーパー状に縮径するものであってもよい。
【0013】
先端側部分2は、第1の金属材料を用いて作製されている。第1の金属材料としては、後述する第2の金属材料より低剛性の材料が用いられる。第1の金属材料としては、例えば、超弾性金属等の擬弾性を示す金属が好ましい。また、ステンレス鋼(例えば、SUS304、SUS303、SUS316、SUS316L、SUS316J1、SUS316J1L、SUS405、SUS430、SUS434、SUS444、SUS429、SUS430F、SUS302等)も使用することができる。
第1の金属材料としては、Ni−Ti系合金が好適である。より好ましくは、擬弾性を示すNi−Ti系合金である。先端側部分をこのような合金により形成することにより、先端側部分は、柔軟部となる。第1の金属材料として擬弾性を示しうる金属材料(擬弾性合金ともいう)を使用すれば、十分な柔軟性および復元性を有するため、複雑に湾曲、屈曲する血管に対して高い追従性および操作性を得ることができる。また、擬弾性合金の高い復元性により、先端側部分2を繰り返し湾曲、屈曲変形させても曲がり癖が付かないため、曲がり癖が付くことによるガイドワイヤ1の操作性の低下を防止することができる。
【0014】
なお、擬弾性合金には、引張りによる応力−ひずみ曲線がいずれの形状のものも含み、As、Af、Ms、Mf等の変態点が顕著に測定できるものも、できないものも含み、応力により大きく変形(歪)し、応力の除去により元の形状にほぼ戻るものは全て含まれる。
擬弾性を示しうる金属材料としては、Ni−Ti系合金、Cu−Zn合金、Cu−Zn−X合金(Xは、Be、Si、Sn、Al、Gaのうちの少なくとも1種)、Ni−Al合金等が挙げられる。具体的には、49〜52原子%NiのNi−Ti合金等のNi−Ti系合金、38.5〜41.5重量%ZnのCu−Zn合金、1〜10重量%XのCu−Zn−X合金(Xは、Be、Si、Sn、Al、Gaのうちの少なくとも1種)、36〜38原子%AlのNi−Al合金等が好ましい。第1の金属材料としては、特に、Ni−Ti系合金が好ましい。
【0015】
基端側部分3は、ほぼ同一外径の線状部である。基端側部分3は、第1の金属材料よりも剛性の高い第2の金属材料を用いて作製されている。基端側部分3は、先端側部分2より高い剛性(縦弾性率、横弾性率、体積弾性率、降伏点、最大応力)を有する材料で構成されていることが好ましい。高い剛性を有する第2の金属材料を用いて基端側部分3を作製することにより、ガイドワイヤ1は操作性(押し込み性およびトルク伝達性)に優れたものとなる。
第2の金属材料としては、ステンレス鋼(例えば、SUS304、SUS303、SUS316、SUS316L、SUS316J1、SUS316J1L、SUS405、SUS430、SUS434、SUS444、SUS429、SUS430F、SUS302等)、ピアノ線、高炭素鋼、コバルト系合金などの各種金属材料が使用できる。特に、ステンレス鋼やコバルト系合金が好ましい。
基端側部分3の長さは、20〜4800mm、特に、50〜1500mm程度であることが好ましい。また、基端側部分3の外径は、先端側部分2の先端側の細径部を除く部分、傾斜物性部4とほぼ同じであることが好ましく、0.2〜1.6mm、特に、0.3〜1.0mm程度であることが好ましい。
【0016】
中間部分4は、円柱形状の線状部である。中間部分4は、先端側部分2と基端側部分3の間に設けられ、上述した第1の金属材料と第2の金属材料の混合物を用いて作製された傾斜物性部を備えている。図1に示す実施例において、傾斜物性部4は、軸方向に先端側から基端側に向かって段階的に第2の金属材料の含有率が高くなっている。具体的に、傾斜物性部4は、先端側から基端側に向かって第2の金属材料の含有率が段階的に高くなっている傾斜物性部形成層4b、4c、4d、4e、4f、4g、4h、4i、4jが順次形成されている。また、第2の金属材料含有率は、先端側から基端側に向かって一定の割合で高くなっていることが好ましい。これにより、ガイドワイヤ1の先端側から基端側に向かって緩やかに剛性が高くなるので、トルク伝達性、押し込み性がより向上する。
【0017】
また、本発明の実施例の傾斜物性部形成層4b〜4jの第1の金属材料と第2の金属材料の重量比率は、例えば、90:10、80:20、70:30、60:40、50:50、40:60、30:70、20:80、10:90である。本発明の傾斜物性部形成層は、第2の金属材料の含有率が基端側に向かって一定の割合で高くなっている9種の形成層により形成されているが、これに限定されるものではなく、第2の金属材料の含有率が一定の割合で高くなる10層以上の形成層から形成されていてもよく、また、8層以下の形成層により形成されていてもよい。また、第2の金属材料含有率は、全体にわたって一定の割合で段階的に高くなるものでなくてもよく、基端側にいくにつれて、増加の割合が高くなるものまたは低くなるものであってもよい。
【0018】
また、中間部分4の先端部は、第1の金属材料により作製されていることが好ましい。本発明の実施例では、形成層4bの先端側に第2の金属材料を含有しない第1の金属材料で作製された層4aが形成されている。このような構成にすることにより、中間部分4の先端と先端側部分2との接合が容易となる。
また、中間部分4の基端部は、第2の金属材料により作製されていることが好ましい。本発明の実施例では、形成層4jの基端側に第1の金属材料を含有しない第2の金属材料で作製された層4kが形成されている。このようにすることにより、中間部分4の基端と基端側部分3との接合が容易となる。
このように、傾斜物性部4を有することにより、中央部分から先端側に向かってなめらかに剛性が低下するため、ガイドワイヤ1は操作性(押し込み性及びトルク伝達性)に優れたものとなる。
【0019】
そして、ガイドワイヤ1は、上述した先端側部分2の基端と中間部分4の先端、基端側部分3の先端と中間部分4の基端を接合することにより、一体に作製されている。接合としては、レーザーを用いたスポット溶接、バッドシーム溶接等の突き合わせ抵抗溶接などが挙げられるが、特に、抵抗溶接が好ましい。
なお、ガイドワイヤ1としては、上述したような接合により形成されるものに限定されるものではない。ガイドワイヤ1としては、上述したような先端側部分2、傾斜物性部を備える中間部分4および基端側部分3を備えかつ、接合部を備えない一体物であってもよい。このようにすることにより、中間部分から先端側に向かってよりなめらかに剛性が低下するため、ガイドワイヤ1は操作性(押し込み性及びトルク伝達性)に優れたものとなる。
【0020】
次に、本発明の他の実施例であるガイドワイヤを添付図面を用いて説明する。
図2は、本発明の他の実施例であるガイドワイヤの正面図である。
ガイドワイヤ10とガイドワイヤ1の相違点は、傾斜物性部を備える中間部分14の構成のみである。以下、相違点を中心に説明する。
ガイドワイヤ10は、図2に示すように、先端側部分2と基端側部分3と傾斜物性部を有する中間部分14からなる。先端側部分2と基端側部分3は上述したものと同様であるので、上述の説明を参照する。
中間部分14は、先端側部分2と基端側部分3の間に設けられ第1の金属材料と第2の金属材料の混合物を用いて作製されたものであり、先端側から基端側に向かって第2の金属材料含有率が高くなっている。特に、この実施例では、傾斜物性部の第2の金属材料含有率は、先端側から基端側に向かって連続的に、言い換えれば徐々に高くなっている。この実施例では、第2の金属材料含有率は一定の割合で連続的に高くなっている。また、第2の金属材料含有率は、全体にわたって一定の割合で連続的に高くなるものでなくてもよく、基端側に行くにつれて、増加の割合が高くなるものまたは低くなるものであってもよい。
【0021】
また、上述したように中間部分14の先端部は、第1の金属材料により作製されていることが好ましい。具体的には、この実施例においては、中間部分14の先端部には第2の金属材料を含まない第1の金属材料で作製された層4aが形成されている。このような構成にすることにより、中間部分14の先端と先端側部分2との接合が容易となる。また、上述したように中間部分14の基端部は、第2の金属材料により作製されていることが好ましい。具体的には、この実施例では、傾斜物性部14の基端には、第1の金属材料を含まない第2の金属材料で作製された層4kが形成されている。このような構成にすることにより、中間部分14の基端と基端側部分3との接合が容易となる。
【0022】
そして、ガイドワイヤ10は、先端側部分2の基端と中間部分14の先端、基端側部分3の先端と中間部分14の基端を接合することにより一体に作製されている。接合は、上述した方法により行われることが好ましい。
また、ガイドワイヤ10としては、上述したような接合により形成されるものに限定されるものではない。ガイドワイヤ10としては、上述したような先端側部分2、傾斜物性部を備える中間部分14および基端側部分3を備えかつ、接合部を備えない一体物であってもよい。ガイドワイヤがこのような接合部を備えない一体物であれば、全体として物性の急激な変化点がなく、良好な操作性を有するものとなる。
【0023】
また、ガイドワイヤは、外面が樹脂により被覆されていてもよい。樹脂としては、熱可塑性樹脂が望ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのオレフィン系樹脂もしくはそれらのポリオレフィン系エラストマー、フッ素系樹脂もしくは軟質フッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルもしくはポリエステル系エラストマー、メタクリル樹脂、ポリフェニレンオキサイド、変性ポリフェニレンエーテル、ポリウレタンもしくはポリウレタン系エラストマー、ポリアミドもしくはポリアミド系エラストマー、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリスチレン、スチレンブタジエン共重合体などのスチレン系樹脂もしくはスチレン系エラストマー、熱可塑性ポリイミド、ポリ塩化ビニルなどが使用できる。また、これらの樹脂をベースとしたポリマーアロイあるいはポリマーブレンドを用いることも可能である。さらには、天然ゴム、イソプレンゴム、シリコンゴムなどのゴムも使用できる。特に、熱可塑性樹脂が好適である。また、樹脂被膜は、ガイドワイヤの湾曲の妨げにならない程度に柔軟であり、外表面は凹凸のない滑らかな表面となっていることが好ましい。
【0024】
さらに、樹脂被膜の外面には、ヘパリン、ウロキナーゼ等の抗凝固剤、ウレタンとシリコーンのブロック共重合体(登録商標 アブコサン)、ヒドロキシエチルメタクリレート−スチレン共重合体等の抗血栓材料をコーティングしてもよい。
また、樹脂被膜の表面に低摩擦物質を固定してもよい。低摩擦物質の固定は、先端部分のみに行うもの、または後端部分を除き行うものとしてもよい。低摩擦物質としては、湿潤とは無関係に低摩擦表面を有する疎水性物質、例えば、フッ素樹脂やシリコーン樹脂、及び湿潤時に潤滑性を有する物質(潤滑性物質)が使用される。後者の具体的な例としては、水溶性高分子物質またはその誘導体がある。潤滑性物質は、上記合成樹脂の表面に共有結合またはイオン結合により固定されている。そして、この潤滑性物質は、原則として鎖状で架橋のない高分子物質であり、−OH、−CONH、−COOH、−NH、−COO、−SO3−などの親水性基を有している。さらに、潤滑性物質は、湿潤時(例えば、血液接触時)に含水し潤滑性を発現するものである。
【0025】
具体的には、天然水溶性高分子物質として、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプンなどのデンプン系、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース系、タンニン、リグニン系、アルギン酸、アラビアゴムヘパリン、キチン、キトサンなどの多糖類、ゼラチン、カゼインなどのタンパク質などが考えられる。合成水溶性高分子物質としては、ポリビニルアルコール、ポリアルキレンオキサイド系として、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレングリコール系として、ポリエチレングリコール、アクリル酸系として、ポリアクリル酸ソーダ、無水マレイン酸系として、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体、メチルビニルエーテル無水マレイン酸ソーダ、メチルビニルエーテル無水マレイン酸アンモニウム塩、無水マレイン酸エチルエステル共重合体、フタル酸系として、ポリヒドロキシエチルフタル酸エステル、水溶性ポリエステルとして、ポリジメチロールプロピオン酸エステル、アクリルアミド系として、ポリアクリルアミド加水分解物、ポリアクリルアミド四級化物、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリエチレンスルホネート、水溶性ナイロンなどが考えられる。好ましくは、無水マレイン酸系であり、特に無水マレイン酸エチルエステル共重合体が好適である。
【0026】
次に、本発明の他の実施例であるガイドワイヤを添付図面を用いて説明する。
図3は、本発明の他の実施例であるガイドワイヤの正面図、図4は、図3に示したガイドワイヤの先端部拡大断面図である。
本発明のガイドワイヤ20とガイドワイヤ1の相違点は、ガイドワイヤ20の先端部にコイル部26を有する点のみである。以下、相違点を中心に説明する。
ガイドワイヤ20は、図3に示すように、ワイヤ部30とコイル部26からなる。ワイヤ部30については、上述したガイドワイヤ1と同じであるため、説明を省略する。また、本発明のワイヤ部30の代わりに上述したガイドワイヤ10をワイヤ部としてもよい。また、ガイドワイヤとしては、上述したような接合により形成されるもの、上述したような接合部を備えない一体物のいずれであってもよい。
ガイドワイヤ20は、図3、図4に示すように、ガイドワイヤ20の先端部を被覆するように設けられたコイル部26を備えている。
【0027】
コイル部2は、線材(細線)を螺旋状に巻回してなる部材により作製され、先端側部分2の先端側の細径部を被覆するように設置されている。コイル部26は、先端側部分2の先端部がコイル部26の内側に接触しないように配置されていることが好ましい。実施例では、先端側部分2の先端側の細径部は、コイル部26の中心部に挿通され、コイル部26の内側に接触していない。
コイル部26の構成材料としては、金属製材料であることが好ましい。金属製材料としては、例えば、ステンレス鋼、超弾性合金、コバルト系合金や、金、白金、タングステン等の貴金属またはこれらを含む合金等が挙げられる。また、コイル部は、高造影性材料で作製されていることが好ましい。高造影性材料としては、上述した金、白金、タングステン等の貴金属等であることが好ましい。このように、コイルを高造影性材料で作製することにより、X線造影、超音波造影などで先端部の位置を確認しつつ生体内に挿入可能となる。また、コイル部26は、その先端側と基端側とを異なる材料で構成しても良い。例えば、コイル部は、先端側部分を高造影性材料により作製して、基端側部分をステンレス鋼などのX線による造影性が高くない材料で作製したものであってもよい。
【0028】
また、コイル部26は、先端部および基端部において、ガイドワイヤ20の先端側部分2に固定されている。また、コイル部26は、先端部および基端部の間においても先端側部分2に固定されていることが好ましい。固定は、ろう付け、半田付け等のろう接、溶接、接着剤を用いた接着により行われていることが好ましい。本発明の実施例においては、コイル部26は、先端部、基端部および先端部と基端部の間の先端寄りの位置において、それぞれ固定材料27、28、29(半田、ろう)を用いて先端側部分2に固定されている。また、先端部における固定材料27の先端面は、血管内壁の損傷を防止するため、丸みを帯びるように作製されていることが好ましい。
【0029】
コイル部26の全長は、特に限定されないが、5〜500mm、特に、10〜200mmであることが好ましい。また、コイル部26は、柔軟部の先端側の細径部全体を被覆することが好ましい。また、コイル線径は、0.01〜0.1mm、特に、0.02〜0.04mmであることが好ましい。
また、ガイドワイヤ20の先端部をコイル部26で被覆することにより、先端側部分2の外部に対する接触面積が減少するため、摺動抵抗を小さくすることができ、よって、ガイドワイヤ20の操作性が向上する。
また、このガイドワイヤは、外面が樹脂により被覆されていてもよい。特に、コイル部分を除く部分の外面を樹脂により被覆することが好ましい。樹脂としては、上述したものが使用できる。
【0030】
次に、本発明の一の実施例であるガイドワイヤの製造方法について説明する。
図5は、本発明の一の実施例であるガイドワイヤの製造方法を説明する説明図である。
本発明のガイドワイヤ1の製造方法は、第1の金属材料により形成された先端側部分2と、第1の金属材料より剛性の高い第2の金属材料により形成された基端側部分3と、先端側部分と基端側部分との間に設けられ、第1の金属材料と第2の金属材料との混合物により形成された中間部分4とを備えるガイドワイヤの製造方法である。
【0031】
本発明の製造方法は、第1の金属材料を用いて作製された先端側部分形成用線材31および第2の金属材料を用いて作製された基端側部分形成用線材32を準備する工程と、第1の金属材料粉末および第2の金属材料粉末を、一方側から他方側に向かって第1の金属材料粉末の含有率が高くなり、かつ第2の金属材料粉末の含有率が低くなるように型内に充填する金属粉末充填工程と、金属粉末充填物を焼結して傾斜物性部を備える中間部分形成用部材35を作製する工程と、中間部分形成用部材35の一方側への基端側部分形成用線材32の接合および中間部分形成用部材35の他方側への先端側部分形成用線材31の接合を行う接合工程とを行うものである。
【0032】
先端側部分形成用線材31は、上述した第1の金属材料を用いて公知の方法により作製される。第1の金属材料としては、上述したものが用いられる。特に、Ni−Ti系合金であることが好ましく、特に、Ni−Ti系の擬弾性合金が好ましい。先端側部分形成用線材31は、予め上述した形状に加工しておくことが好ましい。
基端側部分形成用線材32は、上述した第2の金属材料を用いて公知の方法により作製される。第2の金属材料としては、上述したものが用いられる。特に、ステンレス鋼、特に、SUS304Lを使用することが好ましい。基端側部分形成用線材32は、公知の方法により作製することが好ましい。
【0033】
次に、第1の金属材料粉末および第2の金属材料粉末を、一方側から他方側に向かって第1の金属材料粉末の含有率が高くなり、かつ第2の金属材料粉末の含有率が低くなるように型内に充填する金属粉末充填工程について説明する。
この金属粉末充填工程は、例えば、充填物中における第1の金属材料の含有率が段階的に増加するとともに第2の金属材料の含有率が段階的に低下する複数の層を形成するように第1の金属材料粉末および第2の金属材料粉末を充填するものである。
【0034】
この金属粉末充填工程では、第1の金属材料および第2の金属材料を混合して、第1の金属材料と第2の金属材料の含有率を変化させた複数の混合物を調製する混合物調製工程が行われる。混合物調製工程は、第1の金属材料の含有率を段階的に増加させるとともに、第2の金属材料の含有率を段階的に低下させた複数の混合物を調製するものである。まず、第1の金属材料の粉末と、第2の金属材料の粉末を準備する。第1の金属材料としては、上述したものが使用される。好ましくは、Ni−Ti系合金であり、特に、Ni−Ti系合金の擬弾性合金が好ましい。また、第1の金属材料としては、先端側部分形成用線材の形成に用いられた第1の金属材料と同じものが用いられる。第2の金属材料としては、上述したものが使用される。好ましくは、ステンレス鋼であり、特に、SUS304Lが好ましい。また、第2の金属材料としては、基端側部分形成用線材の形成に用いられた第2の金属材料と同じものが用いられる。
【0035】
上述した第1の金属材料の粉末と第2の金属材料の粉末を混合して、第1の金属材料と第2の金属材料の重量比率が、10:90(第1層30b)、20:80(第2層30c)、30:70(第3層30d)、40:60(第4層30e)、50:50(第5層30f)、60:40(第6層30g)、70:30(第7層30h)、80:20(第8層30i)、90:10(第9層30j)となる9種の金属粉末混合物を調製する。このように、第1の金属材料および第2の金属材料の含有率が、一定の割合で変化させた複数の混合物を調製することが好ましい。また、準備される金属粉末混合物としては、第1の金属材料および第2の金属材料の含有率を一定の割合で変化させた10種以上のものを準備してもよく、また、8種以下のものを準備してもよい。また、準備される金属粉末混合物としては、第1の金属材料および第2の金属材料の含有率が一定の割合で変化しない複数の混合物を準備してもよい。
【0036】
次に、混合物を一方側から他方側に向かって、段階的に第1の金属材料粉末の含有率が低くなり、かつ第2の金属材料粉末の含有率が高くなるように型内に充填する工程が行われる。具体的には、型内に、下層から上層(もしくは上層から下層)に向かって第1の金属材料の含有率が高くなりかつ第2の金属材料の含有率が低くなるように、上記のように準備した混合物を順次積層する。
具体的には、上記9種の混合物を、図5に示すように、焼結チャンバー(型)内37aに下側(傾斜物性部4の基端側)から上側(傾斜物性部4の先端側)に向かって第2の金属材料の含有率が低くなるように順番に積層する。言い換えると、混合物の積層物は、第2の金属材料の含有率が低くなる順に第1層30b、第2層30c、第3層30d、第4層30e、第5層30f、第6層30g、第7層30h、第8層30i、第9層30jの順に積層する。
【0037】
また、この金属粉末充填工程は、型内の一方側に第2の金属材料により形成された第2の金属部材30aが配置され、型内の他方側に第1の金属材料により形成された第1の金属部材30kが配置され、両金属部材間により前記充填物が押圧されるようにするものであることが好ましい。
具体的には、この金属粉末混合物の充填工程において、混合物の積層物の一方側(図5でいう下側、第2の金属材料含有率が高い側)に第2の金属材料により作製された第2の金属部材30aを配置し、他方側(図5でいう上側、第1の金属材料含有率が高い側)に第1の金属材料により作製された第1の金属部材30kを配置することが好ましい。第1の金属材料および第2の金属材料としては、上述したものと同じである。
【0038】
特に、第1の金属部材の金属材料としては、先端側部分形成用線材の形成および金属粉末混合物に用いられている第1の金属材料と同じものが用いられる。また、第2の金属部材の金属材料としては、基端側部分形成用線材の形成および金属粉末混合物に用いられている第2の金属材料と同じものが用いられる。上述のような2つの金属部材を用いることにより、金属粉末充填物の圧縮が容易となるとともに、形成される中間部分形成用線材34の両端部の強度も高くなる。さらに、中間部分形成形成用線材34の一端と基端側部分形成用線材32との接合および中間部分形成用線材34の他端と先端側部分形成用線材31との接合が容易となる。
【0039】
次に、積層物を焼結して傾斜物性を有する中間部分形成用部材を作製する工程について説明する。
焼結は、ホットプレス焼結法、放電プラズマ焼結法、通電加熱焼結法、熱間等方加圧焼結法(HIP)等の加圧焼結法により行われることが好ましい。特に、より効率的かつ粉体粒子間の強固な結合を得るために、ホットプレス法と放電プラズマ焼結法の併用、または放電プラズマ焼結法を使用することが好ましい。
図示する焼結装置は、放電プラズマ焼結装置36であり、焼結チャンバー37と、チャンバー37の両端から混合物の積層物を加圧する加圧機構38を有している。なお、焼結装置としては、ホットプレス装置であってよい。上述した積層物は、各層それぞれが、直径(シリンダー内径)5〜100mm、特に、20〜50mmであることが好ましく、厚さ、1〜20mm、特に、1〜5mmであることが好ましく、9層合計で10〜150mm、特に、10〜30mmであることが好ましい。
【0040】
そして、混合物30b〜30j、第1の金属部材30kおよび第2の金属部材30aを放電プラズマ焼結法により焼結して中間部分形成用部材34を作製した。焼結温度としては、1000〜1600℃、特に、1200〜1500℃であることが好ましく、プレス圧は、30〜50MPa、特に、30〜40MPaであることが好ましい。焼結時間としては、10〜20分、特に、15〜20分であることが好ましい。
次に、焼結により作製された中間部分形成用部材34の一部を長軸方向に長さ10〜100mm、外径、0.35〜0.65mm程度の細長い円柱状にくりぬき、これを研磨し、外径、0.2〜0.5mm程度の傾斜物性部を備える中間部分形成用線材35を得た。くりぬきは、放電ワイヤーカット、レーザー切断などを用いて行うことが好ましく、研磨は、円筒研削盤などを用いて行うことが好ましい。
【0041】
そして、上述した基端側部分形成用線材32の先端を中間部分形成用線材35の一端に接合し、先端側部分形成用線材31の基端を中間部分形成用線材35の他端に接合して、先端側部分2と基端側部分3と傾斜物性部を備える中間部分4を有するガイドワイヤ1を作製した。接合方法としては、レーザーを用いたスポット溶接、バッドシーム溶接等の突き合わせ抵抗溶接などが挙げられる。特に、抵抗溶接が好ましい。
以上のような製造方法により、十分に柔軟な先端部を有するとともに基端部からの操作性をより高めたガイドワイヤを容易に作製することができる。
【0042】
次に、本発明の他の実施例であるガイドワイヤ10の製造方法について説明する。
図6は、本発明の他の実施例であるガイドワイヤの製造方法について説明する説明図である。本発明の他の実施例であるガイドワイヤ10の製造方法と、上述したガイドワイヤ1の製造方法の相違点は、金属粉末充填工程のみである。その他については、上述したガイドワイヤの製造方法と同じである。以下、相違点のみを説明する。
この実施例のガイドワイヤの製造方法では、金属粉末充填工程は、充填物中における第1の金属材料の含有率が連続的に増加するとともに第2の金属材料の含有率が連続的に低下するように第1の金属材料粉末および第2の金属材料粉末を充填するものである。
【0043】
先端側部分形成用線材を準備する工程、基端側部分形成用線材を準備する工程、焼成工程、接合工程については、上述したのと同様であるため、説明を省略する。
金属粉末充填工程は、第1の金属材料および第2の金属材料を混合して、第1の金属粉末の含有率および第2の金属粉末の含有率を連続的に変化させた混合物を調製するものであり、積層工程は、混合物を一端側から他端側に向かって、第1の金属材料の含有率が高くなり、第2の金属材料の含有率が低くなるように充填するものである。
この実施例のガイドワイヤ10の製造方法では、図6に示すような製造用装置が使用される。製造用装置は、第1の金属材料を連続的かつ可変的に供給可能な第1の金属材料供給装置41、第2の金属材料を連続的かつ可変的に供給可能な第2の金属材料供給装置42、供給された第1の金属材料および第2の金属材料を混合するとともに混合物を焼結チャンバー37に供給する混合装置43を備える。さらに、この装置においても、上述した焼結チャンバー37と、加圧機構38が使用される。
【0044】
以下、金属粉末充填工程について、具体的に説明する。
まず、第1の金属材料の粉末と、第2の金属材料の粉末を準備する。第1の金属材料としては、上述したものが使用される。好ましくは、Ni−Ti系合金であり、特に、Ni−Ti系合金の擬弾性合金が好ましい。また、第1の金属材料としては、先端側部分形成用線材の形成に用いられた第1の金属材料と同じものが用いられる。第2の金属材料としては、上述したものが使用される。好ましくは、ステンレス鋼であり、特に、SUS304Lが好ましい。また、第2の金属材料としては、基端側部分形成用線材の形成に用いられた第2の金属材料と同じものが用いられる。
【0045】
まず、第1の金属粉末と第2の金属粉末をそれぞれの供給装置41、42に投入する。供給装置41、42は、時間経過に基づいて連続的に供給量を変化させることが可能なものとなっている。図6に示す実施例のように、第2の金属材料の含有率が高い側から焼結チャンバー内37aに充填していく場合には、第2の金属材料の供給量は、100g〜0g/分程度の割合で連続的に低下し、第1の金属材料の供給量は、0g〜100g/分程度の割合で連続的に増加する。また、本発明の実施例では、第2の金属材料、第1の金属材料の供給量は、一定の割合で増減するものである。なお、第2の金属材料、第1の金属材料の供給量は、一定の割合で増減するものでなくてもよい。例えば、図6に示す実施例の場合において、最初、第1の金属材料の一定時間に対する増加率が少なく、時間が経過するにつれ、第1の金属材料の増加率が大きくなっていくものであってもよい。
【0046】
上述したように供給された第2の金属材料および第1の金属材料は、混合装置43に投入され、均一に混合後、焼結チャンバー37に投入される。調製から混合、混合から焼結チャンバー37への積層は連続的に行われることが好ましい。焼結チャンバー内37aには第2の金属材料の含有率が時間経過につれて一定の割合で低下する第1の金属材料と第2の金属材料の混合物が積層される。第1の金属材料と第2の金属材料の混合物の積層物45は、直径(シリンダー内径)5〜100mm、厚さ10〜150mmとなるように積層されている。
【0047】
また、金属粉末充填工程においても、上述した製造方法と同様に、混合物の充填物の一端側(図6でいう下側)に第2の金属材料により作製された第2の金属部材30aを配置し、他端側(図6でいう上側)に第1の金属材料により作製された第1の金属部材30kを配置することが好ましい。第1の金属材料および第2の金属材料としては、上述したものと同じである。特に、第1の金属部材の金属材料としては、先端側部分形成用線材の形成および金属粉末混合物に用いられている第1の金属材料と同じものが用いられる。また、第2の金属部材の金属材料としては、基端側部分形成用線材の形成および金属粉末混合物に用いられている第2の金属材料と同じものが用いられる。
そして、充填物45、第1の金属部材30k、第2の金属部材30aの焼結は、上述したように行われる。
以上のような製造方法により、十分に柔軟な先端部を有するとともに基端部からの操作性をより高めたガイドワイヤを容易に作製することができる。
図7は、本発明の他の実施例であるガイドワイヤの製造方法を説明する説明図である。
【0048】
次に、本発明の他の実施例のガイドワイヤの製造方法について説明する。
この実施例のガイドワイヤの製造方法は、上述したものと同様に、第1の金属材料により形成された先端側部分と、第1の金属材料より剛性の高い第2の金属材料により形成された基端側部分と、先端側部分と基端側部分との間に設けられ、第1の金属材料と第2の金属材料との混合物により形成された中間部分とを備えるガイドワイヤの製造方法である。
そして、この発明の製造方法は、ガイドワイヤを形成する金属粉体を含有する形成材料混練物を連続的に線状に押し出す形成材料混練物押出工程と、押し出された線状体を焼結する焼成工程とを備える。そして、形成材料混練物押出工程は、第1の金属粉体を含有する材料を線状に押し出す先端側部分形成用材料押出期間と、第2の金属粉体を含有する材料を線状に押し出す基端側部分形成用材料押出期間と、先端側部分形成用材料押出期間と基端側部分形成用材料押出期間の間であって両期間と連続して行われる第1の金属粉末と第2の金属粉末を含有する材料を押し出す中間部分形成用材料押出期間を有する。さらに、この中間部分形成用材料押出期間では、基端側部分形成用材料押出期間側に近づくに従って、中間部分形成用材料中の第1の金属粉体含有量が低下しかつ第2の金属粉体含有量が増加するように行われる。
【0049】
本発明のガイドワイヤの製造方法では、形成材料混練物を連続供給しながら行う成形材料押出成形工程、押出成形物からバインダーを除去するバインダー除去工程、バインダーが除去された押出成形物を焼成する焼成工程、および焼成された線状体を巻き取る巻き取り工程を備えている。
本発明のガイドワイヤの製造方法では、例えば、図7に示すような製造装置50が使用される。
この製造装置50は、第1の金属粉末含有材料供給部61と、第2の金属粉末含有材料供給部62と、加圧機構(例えば、油圧シリンダ)63を備える押出機60と、バインダー除去炉65と、焼成炉66と、巻取機67を備えている。さらに、製造装置50は、第1の金属粉末含有材料供給部61と、第2の金属粉末含有材料供給部62と、加圧機構63を制御する制御部68を備えている。
【0050】
最初に、第1の金属粉末含有材料および第2の金属粉末含有材料を準備する。第1の金属粉末および第2の金属粉末としては、上述したものが使用される。金属粉末の平均粒径としては、10〜30μm程度のものが好適である。そして、第1の金属粉末とバインダーを混練することにより第1の金属粉末含有材料が作製される。同様に、第2の金属粉末とバインダーを混練することにより第2の金属粉末含有材料が作製される。バインダーとしては、各種有機バインダーを用いることができる。バインダーとしては、例えば、パラフィンワックスが好適である。さらに、金属粉末含有材料中には、成形助剤を添加してもよい。成形助剤としては、油剤、ポリエチレンなどが使用される。そして、第1および第2の金属粉末含有材料は、ペレット化することが好ましい。このようにすることにより、供給部への投入が容易となる。
【0051】
そして、上記のように準備した第1の金属粉末含有材料を供給部61に投入し、第2の金属粉末含有材料を供給部62に投入し、製造装置50を作動させ、形成材料混練物を連続供給しながら成形材料を押出成形する。
そして、形成材料混練物押出工程は、第1の金属粉体を含有する材料を線状に押し出す先端側部分形成用材料押出期間と、第2の金属粉体を含有する材料を線状に押し出す基端側部分形成用材料押出期間と、先端側部分形成用材料押出期間と基端側部分形成用材料押出期間の間であって両期間と連続して行われる第1の金属粉末と第2の金属粉末を含有する材料を押し出す中間部分形成用材料押出期間を有する。さらに、この中間部分形成用材料押出期間では、基端側部分形成用材料押出期間側に近づくに従って、中間部分形成用材料中の第1の金属粉体含有量が低下しかつ第2の金属粉体含有量が増加するように行われる。
【0052】
具体的には、制御部68は、第1の金属粉末含有材料供給部61および第2の金属粉末含有材料供給部62を制御する機能を備えており、例えば、製造装置の作動開始直後は、第1の金属粉末含有材料供給部61のみより材料が押出機60に供給されるように制御する。これにより、押出機60より押し出される吐出物70は、第1の金属粉末材料を含有するが第2の金属材料を含有しないものとなる。このようにして、第1の金属粉体を含有する材料を線状に押し出す先端側部分形成用材料押出期間が実行される。なお、この先端側部分成形用材料押出期間において、時間当たりの材料吐出量を調製することまたは押出機のダイスもしくはノズルを調製することなどにより、吐出物70の外径が部分的に異なるものとしてもよい。吐出物70の外径の変化パターンとしては、上述した図1のガイドワイヤにおいて説明したものが好適である。
【0053】
そして、所定長の吐出部70が押し出されると、制御部68は、第1の金属粉末含有材料供給部61および第2の金属粉末含有材料供給部62を制御し、第1の金属粉末含有材料の供給量を連続的(いわゆる徐々に)もしくは段階的に低下させるとともに、第2の金属粉末含有材料の供給量を連続的(いわゆる徐々に)もしくは段階的に増加させる。なお、押出機に供給された第1の金属粉末含有材料および第2の金属粉末含有材料は、押出機内に混練された後、吐出される。このようにして、第1の金属粉末と第2の金属粉末を含有する材料を押し出す中間部分形成用材料押出期間が実行されるとともに、この中間部分形成用材料押出期間では、中間部分形成用材料中の第1の金属粉体含有量が低下しかつ第2の金属粉体含有量が増加する。具体的には、中間部分形成材料押出期間に移行すると、時間の経過とともに、第1の金属含有材料の供給量が低下し、第2の金属含有材料の吐出量が増加し、形成時間を経過すると、第1の金属含有材料の吐出量が0となり、中間部分形成材料押出期間は終了する。なお、この中間部分形成用材料押出期間における時間当たりの材料吐出量は、先端側部分成形用材料押出期間の終了時における時間当たりの材料吐出量と同じであることが好ましい。
【0054】
そして、所定長の材料混練物70が押し出されると、制御部68は、第1の金属粉末含有材料供給部61および第2の金属粉末含有材料供給部62を制御し、第1の金属粉末含有材料の供給量を停止し、第2の金属粉末含有材料のみの供給を行う。そして、所定長の第2の金属粉末含有材料による吐出物70が押し出されると、制御部68は、第2の金属粉末含有材料の供給量を停止する。このようにして、第2の金属粉末を含有する材料を押し出す基端側部分形成用材料押出期間が実行される。
そして、バインダー除去工程が行われる。具体的には、押出機より押し出された吐出物70は、バインダー除去炉65に進入し、このバインダー除去炉65を通過する間に、バインダーが除去される。バインダー除去工程は、加熱工程である。そして、このバインダー除去工程は、除去炉進入時の温度と除去炉内での最大加熱温度にある程度の差異があるように行われる。つまり、除去炉の入り口では、温度が低く、進行方向に向かうに従って温度が高くなる。なお、除去炉としては、中間部から出口側は、同じ温度であってもよい。除去炉内の温度差は、100〜600℃程度が好ましい。このように、初期温度を低くすることにより、バインダーの急激な消失を防止できる。また、バインダー除去時間(除去炉内に進入してから排出されるまでの時間)としては、10〜20分、特に、10〜15分であることが好ましい。
【0055】
次に、焼成工程が行われる。具体的には、バインダー除去炉65より排出された吐出物70は、焼成炉66に進入し、このバインダー焼成炉を通過する間に、焼成される。焼成工程における加熱、いわゆる焼結温度としては、1000〜1600℃で行うことが好ましい。また、焼結時間(焼成炉内に進入してから排出されるまでの時間)としては、10〜20分、特に、10〜15分であることが好ましい。
次に、巻き取り工程が行われる。具体的には、焼成炉66より排出される焼成物(ワイヤ)は、巻取機67に巻き取られる。巻取機67としては、ドラムが用いられる。このようにして、ガイドワイヤが製造される。なお、必ずしも巻取工程は行わなくてもよい。
この製造方法によれば、ガイドワイヤとして、先端側部分2、傾斜物性部を備える中間部分14および基端側部分3を備えかつ、接合部を備えない一体物のものが形成される。
【0056】
なお、上述した実施例では、そして、形成材料混練物押出工程は、先端側部分形成用材料押出期間を行い、次に、中間部分形成用材料押出期間を行い、最後に、基端側部分形成用材料押出期間を行うものとなっている。しかし、これに限定されるものではなく、基端側部分形成用材料押出期間を行い、次に、中間部分形成用材料押出期間を行い、最後に、先端側部分形成用材料押出期間を行うものであってもよい。この場合には、中間部分形成用材料押出期間は、先端側部分形成用材料押出期間側に近づくに従って、中間部分形成用材料中の第1の金属粉体含有量が増加しかつ第2の金属粉体含有量が低下するように行われるものとなる。
そして、このようにして製造されたガイドワイヤには、外面を樹脂により被覆する、樹脂被覆工程を行うことが好ましい。樹脂としては、上述したものが使用でき、被覆方法としては、樹脂溶液への浸漬、ガイドワイヤを加熱ダイスに挿通するとともに樹脂を供給することなど公知の方法により行うことができる。
【0057】
【実施例】
(実施例1)
ステンレス鋼(SUS304L)製の長さ500mm、外径0.35mmの線材を準備した。また、Ni−Ti合金製の長さ500mm、外径0.35mmの線材を準備し、Ni−Ti合金製の線材の先端部をガイドワイヤの先端部形状に加工した。
次に、ステンレス鋼粉末(SUS304L粉末:株式会社高純度化学研究所、製品番号FEA01PB:平均粒径75μm)と、Ni−Ti合金パウダー(株式会社高純度化学研究所、製品番号NIA11PB:平均粒径75μm)を準備した。そして、これらを、SUS304L:Ni−Ti合金の重量比率を、90:10、80:20、70:30、60:40、50:50、40:60、30:70、20:80、10:90として秤量後、混合して9種の混合物を調製した。
【0058】
そして、直径20mm、厚さ30mmのSUS304L製の円柱材を、焼結装置(住友石炭鉱業株式会社製放電プラズマ焼結装置、SPS−511S)の焼結チャンバー内に配置し、その上から、上述した9種の混合物を、SUS304Lの含有率が低下する順に、直径20mm、各混合物の厚さが5mm(計45mm)となるように積層する。その後、混合物の積層物の上に、直径20mm、厚さ30mmのニッケル・チタニウム合金の円柱材を配置した。
次に、放電プラズマ焼結装置を用いて圧力約40MPa、焼結温度約1300℃にて約15分間焼結し、焼結体を得た。そして、焼結体を放電ワイヤカットを用いて、長さ50mm、外径0.5mmの、細長い円柱状にくりぬき、これを円筒研削盤で研磨して、長さ30mm、外径0.35mmの傾斜物性部用線材を得た。
そして、上述した、Ni−Ti合金製の線材の基端と、中間部分形成用線材のNi−Ti合金含有率が高い側、傾斜物性部用線材のSUS304L含有率が高い側と、SUS304L製の線材とを抵抗溶接器を用いて接合し本発明のガイドワイヤを得た。
【0059】
(実施例2)
ステンレス鋼(SUS304L)製の長さ500mm、外径0.35mmの線材を準備した。また、Ni−Ti合金製の長さ500mm、外径0.35mmの線材を準備し、Ni−Ti合金製の線材の先端部をガイドワイヤの先端部形状に加工した。
次に、ステンレス鋼粉末(SUS304L粉末:株式会社高純度化学研究所、製品番号FEA01PB:平均粒径75μm)と、Ni−Ti合金パウダー(株式会社高純度化学研究所、製品番号NIA11PB:平均粒径75μm)を準備した。これらを、それぞれ専用の粉体定量供給装置(K−トロン社製ロス・イン・ウェイト式フィーダ、KCL24KQX2)を用いて、SUS304Lの初期供給量2g/分、Ni−Ti合金パウダーの初期供給量0.2g/分から、SUS304Lパウダーが0.2g/分の割合で連続的に低下するように、Ni−Ti合金パウダーが0.2g/分の割合で連続的に増加するように供給する。供給は、連続的に第2の金属材料の含有率が変化する混合層の厚さが、20mmになるまで行われる。
【0060】
次に、供給装置からの混合粉体を、粉体攪拌混合装置に投入し、均一に混合後、焼結チャンバー内に投入、積層し、2種類の粉体の混合組成が連続的に変化している粉末積層体を得た。粉末積層体の両端には、実施例1のように、SUS304L製の円柱材、Ni−Ti合金製の円柱材が配置されている。
次に、放電プラズマ焼結装置により圧力約40MPa、焼結温度約1300℃にて約15分間焼結し、焼結体を得た。そして、焼結体を放電ワイヤカットを用いて、長さ50mm、外径0.5mmの、細長い円柱状にくりぬき、これを円筒研削盤で研磨して、長さ30mm、外径0.35mmの傾斜物性部用線材を得た。
そして、上述した、Ni−Ti合金製の線材の基端と、中間部分形成用線材のNi−Ti合金含有率が高い側、傾斜物性部用線材のSUS304L含有率が高い側と、SUS304L製の線材とを抵抗溶接器を用いて接合し本発明のガイドワイヤを得た。
【0061】
【発明の効果】
本発明のガイドワイヤは、第1の金属材料により形成された先端側部分と、前記第1の金属材料より剛性の高い第2の金属材料により形成された基端側部分と、前記先端側部分と前記基端側部分との間に設けられ、前記第1の金属材料と前記第2の金属材料との混合物により形成された中間部分とを備え、該中間部分は、先端側から他端側に向かって前記第2の金属材料含有率が高くなっている傾斜物性部となっている。
このため、基端側部分は十分な剛性を備え、先端側部分はある程度の可撓性を有し、全体としてトルク伝達性および押し込み性が高いものとなる。
そして、前記傾斜物性部の前記第2の金属材料の含有率は、先端側から基端側に向かって段階的に高くなるようにすれば、傾斜物性部の物性変化がなだらかなものとなり、物性の急激な変化がなくなるので、ガイドワイヤの操作性が良好なものとなる。
【0062】
また、前記傾斜物性部の前記第2の金属材料の含有率は、先端側から基端側に向かって連続的に高くなるものであれば、傾斜物性部の物性変化がよりなだらかなものとなり、物性の急激な変化がなくなるので、ガイドワイヤの操作性が良好なものとなる。
また、前記第1の金属材料は、Ni−Ti系合金であれば、先端側部分は十分な弾性および柔軟性を備えるものとなり、中間部分も良好な傾斜物性を有するものとなる。
また、前記第2の金属材料は、ステンレス鋼であれば、基端側部分は十分な剛性を備え、操作性も良好なものとなる。
また、前記ガイドワイヤは、該ガイドワイヤの先端部を被覆するように設けられたコイル部を備えているものであれば、目的部位への挿入がより容易となる。
【0063】
また、前記コイル部は、造影性材料にて形成されているものであれば、X線造影または超音波造影により先端部の確認が容易となる。
また、前記傾斜物性部の前記一端部は、前記第1の金属材料のみにより形成され、前記他端部は、前記第2の金属材料のみにより形成されているものであれば、先端側部分および後端部分との物性の連続性が担保されるとともに、接合により連結する場合には、その接合が容易なものとなる。
また、ガイドワイヤが、接合部を備えない一体物であれば、全体として物性の急激な変化点がなく、良好な操作性を有するものとなる。
【0064】
また、本発明のガイドワイヤの製造方法は、前記第1の金属材料を用いて作製された先端側部分形成用線材および前記第2の金属材料を用いて作製された基端側部分形成用線材を準備する工程と、前記第1の金属材料粉末および前記第2の金属材料粉末を、一方側から他方側に向かって第1の金属材料粉末の含有率が高くなり、かつ前記第2の金属材料粉末の含有率が低くなるように型内に充填する金属粉末充填工程と、該金属粉末充填物を焼結して傾斜物性部を備える中間部分形成用部材を作製する工程と、該中間部分形成用部材の一方側への前記基端側部分形成用線材の接合および該中間部分形成用部材の他方側への前記先端側部分形成用線材の接合を行う接合工程とを備えるものである。このため、上述したような傾斜物性部を有するガイドワイヤを容易かつ確実に製造することができる。
また、前記金属粉末充填工程が、該充填物中における前記第1の金属材料の含有率が段階的に増加するとともに第2の金属材料の含有率が段階的に低下する複数の層を形成するように前記第1の金属材料粉末および前記第2の金属材料粉末を充填するものであれば、なだらかな物性変化を有する傾斜物性部を備えるガイドワイヤを容易に製造することができる。
【0065】
また、前記金属粉末充填工程が、該充填物中における前記第1の金属材料の含有率が連続的に増加するとともに第2の金属材料の含有率が連続的に低下するように前記第1の金属材料粉末および前記第2の金属材料粉末を充填するものであれば、よりなだらかな物性変化を有する傾斜物性部を備えるガイドワイヤを容易に製造することができる。
また、本発明のガイドワイヤの製造方法は、該ガイドワイヤを形成する金属粉体を含有する形成材料混練物を連続的に線状に押し出す形成材料混練物押出工程と、押し出された線状体を焼結する焼成工程とを備えるとともに、前記形成材料混練物押出工程は、前記第1の金属粉体を含有する材料を線状に押し出す先端側部分形成用材料押出期間と、前記第2の金属粉体を含有する材料を線状に押し出す基端側部分形成用材料押出期間と、前記先端側部分形成用材料押出期間と前記基端側部分形成用材料押出期間の間であって両期間と連続して行われる前記第1の金属粉末と前記第2の金属粉末を含有する材料を押し出す中間部分形成用材料押出期間を有するとともに、該中間部分形成用材料押出期間では、前記基端側部分形成用材料押出期間側に近づくに従って、中間部分形成用材料中の第1の金属粉体含有量が低下しかつ第2の金属粉体含有量が増加するように行うものである。このため、上述したような傾斜物性部を有するガイドワイヤを容易かつ確実に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一の実施例であるガイドワイヤの正面図である。
【図2】図2は、本発明の他の実施例であるガイドワイヤの正面図である。
【図3】図3、本発明の他の実施例であるガイドワイヤの正面図である。
【図4】図4は、図3に示すガイドワイヤの先端部拡大断面図である。
【図5】図5は、本発明の一の実施例であるガイドワイヤの製造方法を説明する説明図である。
【図6】図6は、本発明の他の実施例であるガイドワイヤの製造方法を説明する説明図である。
【図7】図7は、本発明の他の実施例であるガイドワイヤの製造方法を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 ガイドワイヤ
2 先端側部分
3 基端側部分
4 中間部分

Claims (5)

  1. 第1の金属材料により形成された先端側部分と、前記第1の金属材料より剛性の高い第2の金属材料により形成された基端側部分と、前記先端側部分と前記基端側部分との間に設けられた中間部分とを備え、該中間部分は、前記第1の金属材料のみで形成された第1の金属部材からなる先端部と、前記第2の金属材料のみで形成された第2の金属部材からなる基端部と、前記第1の金属材料粉末と前記第2の金属材料粉末の混合物から形成され、かつ、前記先端部側から前記基端部側に向かって段階的に前記第1の金属材料含有率が低下しかつ前記第2の金属材料含有率が高くなり緩やかに剛性が先端部側から基端部側に向かって高くなる複数の層からなる傾斜物性部とからなり、さらに、前記中間部分は、前記第1の金属部材と前記第2の金属部材間に前記傾斜物性部を形成する前記第1の金属材料粉末と前記第2の金属材料粉末の混合物が充填された状態にて焼結されることにより形成された焼結体であり、さらに、前記中間部分は、前記第1の金属部材からなる先端部にて前記先端側部分に接合され、かつ、前記第2の金属部材からなる基端部にて前記基端側部分に接合されていることを特徴とするガイドワイヤ。
  2. 前記第1の金属材料は、Ni−Ti系合金であり、前記第2の金属材料は、ステンレス鋼である請求項1に記載のガイドワイヤ。
  3. 前記中間部分の前記第1の金属部材からなる先端部は、前記先端側部分に溶接により接合されており、前記中間部分の前記第2の金属部材からなる基端部は、前記基端側部分に溶接により接合されている請求項1または2に記載のガイドワイヤ。
  4. 第1の金属材料により形成された先端側部分と、前記第1の金属材料より剛性の高い第2の金属材料により形成された基端側部分と、前記先端側部分と前記基端側部分との間に設けられた中間部分とを備えるガイドワイヤの製造方法であって、該製造方法は、前記第1の金属材料を用いて作製された先端側部分形成用線材および前記第2の金属材料を用いて作製された基端側部分形成用線材を準備する工程と、型内の一方側に前記第2の金属材料のみで形成された第2の金属部材を配置した後、前記第1の金属材料粉末および前記第2の金属材料粉末の混合物からなりかつ一方側から他方側に向かって段階的に第1の金属材料粉末の含有率が高くなりかつ前記第2の金属材料粉末の含有率が低くなるように前記型内に複数の層を形成するように傾斜物性部形成用金属粉末を充填し、その後前記第1の金属材料のみで形成された第1の金属部材を配置する金属部材配置および金属粉末充填工程と、前記金属粉末充填物を前記第1および第2の金属部材とともに焼結して傾斜物性部を備える中間部分形成用部材を作製する工程と、該中間部分形成用部材の前記第2の金属部材側への前記基端側部分形成用線材の接合および該中間部分形成用部材の前記第1の金属部材側への前記先端側部分形成用線材の接合を行う接合工程とを備えることを特徴とするガイドワイヤの製造方法。
  5. 前記金属粉末充填工程は、前記第2の金属部材と前記第1の金属部材間により前記金属粉末充填物が押圧されるように行うものである請求項4に記載のガイドワイヤの製造方法。
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