しかし、従来の装置では、快適範囲の範囲内にあるか否かが表示されるが、室内の空気環境を調和する空調機を室内の空気環境が快適になるように操作するのは利用者であるため、利用者に負担をかけることがある。すなわち、ナビゲートされた内容を確認する必要があり、ナビゲートされた内容に基づき空調機を設定する必要があることがある。
そこで、本発明の課題は、利用者に意識させずに室内の空気環境を自動的に快適化することができる環境制御装置を提供することにある。
第1発明に係る環境制御装置は、検知部、判定部、第3記憶部、生成部、および送信部を備える。検知部は、室内の温度、室内の露点との温度差、室内の湿度、室内の気圧、室内の気流、室内の有害物質の濃度、室内の埃の濃度、および室内のマイナスイオン濃度のうち、少なくとも室内の温度および室内の露点との温度差を含む2つ以上の空気環境因子を検知する。判定部は、空気環境因子の情報に基づき、室内の空気環境が快適範囲の範囲内であるか否かを判定する。第3記憶部は、室内の温度が快適範囲よりも低い条件と、設定温度に関する第1制御信号とを関連付けて記憶するととともに、室内の露点との温度差が快適範囲外にある条件と、風量、除湿量および換気量の少なくとも1つに関する第2制御信号とを関連付けて記憶する。生成部は、少なくとも判定部が判定した結果の情報、空気環境因子の情報、および空気環境因子の優先順位の情報に基づいて室内の空気環境が快適範囲の範囲内になるような制御信号を生成する。送信部は、空調機に制御信号を送信する。空調機は、室内の空気環境を調和する。生成部は、室内の温度および室内の露点との温度差を含む複数の空気環境因子の情報を第3記憶部に照合して第1制御信号および第2制御信号を含む複数の制御信号を選択した後に、室内の温度が室内の露点との温度差よりも高く設定されている優先順位の情報に基づいて複数の制御信号から第2制御信号を選択せず、1の制御信号として第1制御信号を選択する。
この環境制御装置では、検知部が、室内の温度、室内の露点との温度差、室内の湿度、室内の気圧、室内の気流、室内の有害物質の濃度、室内の埃の濃度、および室内のマイナスイオン濃度のうち少なくとも2つ以上の空気環境因子を検知する。次いで、判定部が、空気環境因子の情報に基づき、室内の空気環境が快適範囲の範囲内であるか否かを判定する。続いて、生成部が、少なくとも判定部が判定した結果の情報、空気環境因子の情報、および空気環境因子の優先順位の情報に基づいて室内の空気環境が快適範囲の範囲内になるような制御信号を生成する。そして、送信部が、空調機に制御信号を送信する。このため、この環境制御装置では、快適範囲について利用者に意識させずに、室内の空気環境が快適範囲の範囲内になるように空調機を制御することができる。このため、この環境制御装置では、利用者に意識させずに室内の空気環境を自動的に快適化することができる。
なお、空調機は、例えば、通常の空気調和機だけでなく、例えば、冷房機器、暖房機器、換気機器、除湿機、加湿機、空気清浄機なども含む。また、有害物質は、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、アレルゲン、ダニ、カビ、ホルムアルデヒド、有機化合物、VOC(Volatile Organic Compounds;揮発性有機化合物)及び環境ホルモンの少なくとも1つである。
第2発明に係る環境制御装置は、第1発明に係る環境制御装置であって、入力部および決定部をさらに備える。入力部には、室内の空気環境に対する快適感が入力される。決定部は、快適感の情報に基づいて、室内の空気環境の快適範囲を決定する。
この環境制御装置では、入力部に、室内の空気環境に対する快適感が入力される。そして、決定部が、快適感の情報に基づいて、室内の空気環境の快適範囲を決定する。このため、この環境制御装置では、室内の空気環境の快適範囲が利用者の快適感の情報に基づいて決定される。したがって、この環境制御装置では、快適範囲を利用者ごとに決定することができる。この結果、この環境制御装置では、利用者の好みに合わせて室内の空気環境を快適化することができる。
第3発明に係る環境制御装置は、第2発明に係る環境制御装置であって、第1記憶部をさらに備える。第1記憶部は、決定部が決めた快適範囲を記憶する。
この環境制御装置では、第1記憶部が、決定部が決めた快適範囲を記憶する。このため、この環境制御装置では、決定部が決めた快適範囲の情報を参照することができる。このため、この環境制御装置では、室内の空気環境が利用者の好みにあった快適範囲の範囲内になるような制御信号を生成することができる。
第4発明に係る環境制御装置は、第1発明から第3発明のいずれかに係る環境制御装置であって、演算部をさらに備える。演算部は、空調機が室内の空気環境を調和するのに要するエネルギー量を演算する。生成部は、少なくとも判定部が判定した結果の情報に基づき、エネルギー量が所定の目標上限値を超えないように、室内の空気環境が快適範囲の範囲内になるような制御信号を生成する。
この環境制御装置では、演算部が、空調機が室内の空気環境を調和するのに要するエネルギー量を演算する。次いで、判定部が、エネルギー量の情報を受け取り、エネルギー量が所定の目標上限値を超えているか否かをさらに判定することができる。そして、生成部が、少なくとも判定部が判定した結果の情報に基づき、エネルギー量が所定の目標上限値を超えないように、室内の空気環境が快適範囲の範囲内になるような制御信号を生成する。このため、この環境制御装置では、エネルギー量が目標上限値を超えないようにしつつ室内の空気環境が快適範囲の範囲内になるように空調機を制御することができる。したがって、この環境制御装置では、省エネルギー化を図りながら室内の空気環境を快適化することができる。
第5発明に係る環境制御装置は、第1発明から第4発明のいずれかに係る環境制御装置であって、第2記憶部をさらに備える。第2記憶部には、空気環境の快適範囲の情報が記憶される。判定部は、空気環境因子の数値情報が快適範囲の情報の範囲内にあるか否かを判定する。
第6発明に係る環境制御装置は、第1発明から第5発明のいずれかに係る環境制御装置であって、生成部は、室内の空気環境が快適範囲の範囲外であると判定部が判定した場合に、空気環境因子の情報および空気環境因子の優先順位の情報に基づいて室内の空気環境が快適範囲の範囲内になるような制御信号を生成する。
また、請求項1から6に係る第1発明から第6発明には直接的には関連しないが、同様の課題を解決するための手段として以下の発明も考え得る。
第7発明に係る環境制御装置は、検知部、判定部、生成部、および送信部を備える。検知部は、室内の温度、室内の露点との温度差、室内の湿度、室内の気圧、室内の気流、室内の有害物質の濃度、室内の埃の濃度、および室内のマイナスイオン濃度のうち少なくとも2つ以上の空気環境因子を検知する。判定部は、空気環境因子の情報に基づき、室内の空気環境が快適範囲の範囲内であるか否かを判定する。生成部は、少なくとも判定部が判定した結果の情報、空気環境因子の情報、および空気環境因子の優先順位の情報に基づいて室内の空気環境が快適範囲の範囲内になるような制御信号を生成する。送信部は、空調機に制御信号を送信する。空調機は、室内の空気環境を調和する。
この環境制御装置では、検知部が、室内の温度、室内の露点との温度差、室内の湿度、室内の気圧、室内の気流、室内の有害物質の濃度、室内の埃の濃度、および室内のマイナスイオン濃度のうち少なくとも2つ以上の空気環境因子を検知する。次いで、判定部が、空気環境因子の情報に基づき、室内の空気環境が快適範囲の範囲内であるか否かを判定する。続いて、生成部が、少なくとも判定部が判定した結果の情報、空気環境因子の情報、および空気環境因子の優先順位の情報に基づいて室内の空気環境が快適範囲の範囲内になるような制御信号を生成する。そして、送信部が、空調機に制御信号を送信する。このため、この環境制御装置では、快適範囲について利用者に意識させずに、室内の空気環境が快適範囲の範囲内になるように空調機を制御することができる。このため、この環境制御装置では、利用者に意識させずに室内の空気環境を自動的に快適化することができる。
なお、空調機は、例えば、通常の空気調和機だけでなく、例えば、冷房機器、暖房機器、換気機器、除湿機、加湿機、空気清浄機なども含む。また、有害物質は、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、アレルゲン、ダニ、カビ、ホルムアルデヒド、有機化合物、VOC(Volatile Organic Compounds;揮発性有機化合物)及び環境ホルモンの少なくとも1つである。
第8発明に係る環境制御システムは、環境制御装置および空調機を備える。環境制御装置は、検知部、判定部、生成部、および送信部を有する。検知部は、室内の温度、室内の露点との温度差、室内の湿度、室内の気圧、室内の気流、室内の有害物質の濃度、室内の埃の濃度、および室内のマイナスイオン濃度のうち少なくとも2つ以上の空気環境因子を検知する。判定部は、空気環境因子の情報に基づき、室内の空気環境が快適範囲の範囲内であるか否かを判定する。生成部は、少なくとも判定部が判定した結果の情報、空気環境因子の情報、および空気環境因子の優先順位の情報に基づいて室内の空気環境が快適範囲の範囲内になるような制御信号を生成する。送信部は、制御信号を送信する。空調機は、制御信号に従って室内の空気環境を調和する。
この環境制御システムでは、環境制御装置において、検知部が、室内の温度、室内の露点との温度差、室内の湿度、室内の気圧、室内の気流、室内の有害物質の濃度、室内の埃の濃度、および室内のマイナスイオン濃度のうち少なくとも2つ以上の空気環境因子を検知する。次いで、判定部が、空気環境因子の情報に基づき、室内の空気環境が快適範囲の範囲内であるか否かを判定する。続いて、生成部が、少なくとも判定部が判定した結果の情報、空気環境因子の情報、および空気環境因子の優先順位の情報に基づいて室内の空気環境が快適範囲の範囲内になるような制御信号を生成する。そして、送信部が、制御信号を送信する。すると、空調機は、制御信号に従って室内の空気環境を調和する。このため、この環境制御システムでは、快適範囲について利用者に意識させずに、室内の空気環境が快適範囲の範囲内になるように空調機が制御するようにすることができる。このため、この環境制御システムでは、利用者に意識させずに室内の空気環境を自動的に快適化することができる。
なお、空調機は、例えば、通常の空気調和機だけでなく、例えば、冷房機器、暖房機器、換気機器、除湿機、加湿機、空気清浄機なども含む。
第9発明に係る環境制御システムは、環境制御装置および空調機を備える。環境制御装置は、検知部、判定部、および送信部を備える。検知部は、室内の温度、室内の露点との温度差、室内の湿度、室内の気圧、室内の気流、室内の有害物質の濃度、室内の埃の濃度、および室内のマイナスイオン濃度のうち少なくとも2つ以上の空気環境因子を検知する。判定部は、空気環境因子の情報に基づき、室内の空気環境が快適範囲の範囲内であるか否かを判定する。送信部は、判定部が判定した結果を送信する。空調機は、生成部を有し、室内の空気環境を調和する。生成部は、少なくとも判定部が判定した結果の情報、空気環境因子の情報、および空気環境因子の優先順位の情報に基づいて室内の空気環境が快適範囲の範囲内になるような制御信号を生成する。
この環境制御システムでは、環境制御装置において、検知部が、室内の温度、室内の露点との温度差、室内の湿度、室内の気圧、室内の気流、室内の有害物質の濃度、室内の埃の濃度、および室内のマイナスイオン濃度のうち少なくとも2つ以上の空気環境因子を検知する。次いで、判定部が、空気環境因子の情報に基づき、室内の空気環境が快適範囲の範囲内であるか否かを判定する。続いて、送信部が、判定部が判定した結果を送信する。そして、空調機において、生成部が、少なくとも判定部が判定した結果の情報、空気環境因子の情報、および空気環境因子の優先順位の情報に基づいて室内の空気環境が快適範囲の範囲内になるような制御信号を生成する。このため、この環境制御システムでは、快適範囲について利用者に意識させずに、室内の空気環境が快適範囲の範囲内になるように空調機を制御することができる。したがって、この環境制御システムでは、利用者に意識させずに室内の空気環境を自動的に快適化することができる。
なお、空調機は、例えば、通常の空気調和機だけでなく、例えば、冷房機器、暖房機器、換気機器、除湿機、加湿機、空気清浄機なども含む。
第10発明に係る環境制御方法は、第7発明に係る環境制御装置を用いて室内の空気環境を制御する環境制御方法であって、検知ステップ、判定ステップ、生成ステップ、および送信ステップを備える。検知ステップでは、検知部に対して、室内の温度、室内の露点との温度差、室内の湿度、室内の気圧、室内の気流、室内の有害物質の濃度、室内の埃の濃度及び室内のマイナスイオン濃度のうち少なくとも2つ以上の空気環境因子室内の空気環境を検知させる。判定ステップでは、検知ステップにおいて検知された室内の空気環境の情報に基づいて室内の空気環境が快適範囲の範囲内であるか否かを判定部に判定させる。生成ステップでは、少なくとも判定ステップで判定部により判定された結果の情報、空気環境因子の情報、および空気環境因子の優先順位の情報に基づいて室内の空気環境が快適範囲の範囲内になるような制御信号を生成部に生成させる。送信ステップでは、送信部に、室内の空気環境を調和する空調機へ制御信号を送信させる。
この環境制御方法が実施されると、検知ステップで、検知部が、室内の温度、室内の露点との温度差、室内の湿度、室内の気圧、室内の気流、室内の有害物質の濃度、室内の埃の濃度及び室内のマイナスイオン濃度のうち少なくとも2つ以上の空気環境因子室内の空気環境を検知する。次いで、判定ステップで、検知ステップにおいて検知された室内の空気環境の情報に基づいて室内の空気環境が快適範囲の範囲内であるか否かを判定部が判定する。続いて、生成ステップで、少なくとも判定ステップで判定部により判定された結果の情報、空気環境因子の情報、および空気環境因子の優先順位の情報に基づいて室内の空気環境が快適範囲の範囲内になるような制御信号を生成部が生成する。そして、送信ステップで、送信部が、室内の空気環境を調和する空調機へ制御信号を送信する。このため、この環境制御方法が実施されれば、快適範囲について利用者に意識させずに、室内の空気環境が快適範囲の範囲内になるように空調機を制御することができる。このため、この環境制御方法が実施されれば、利用者に意識させずに室内の空気環境を自動的に快適化することができる。
なお、空調機は、例えば、通常の空気調和機だけでなく、例えば、冷房機器、暖房機器、換気機器、除湿機、加湿機、空気清浄機なども含む。
第11発明に係る環境制御プログラムは、第7発明に係る環境制御装置を動作させて室内の空気環境を制御する環境制御プログラムであって、検知ステップ、判定ステップ、生成ステップ、および送信ステップを備える。検知ステップでは、検知部に対して、室内の温度、室内の露点との温度差、室内の湿度、室内の気圧、室内の気流、室内の有害物質の濃度、室内の埃の濃度及び室内のマイナスイオン濃度のうち少なくとも2つ以上の空気環境因子室内の空気環境を検知させる。判定ステップでは、検知ステップにおいて検知された室内の空気環境の情報に基づいて室内の空気環境が快適範囲の範囲内であるか否かを判定部に判定させる。生成ステップでは、少なくとも判定ステップで判定部により判定された結果の情報、空気環境因子の情報、および空気環境因子の優先順位の情報に基づいて室内の空気環境が快適範囲の範囲内になるような制御信号を生成部に生成させる。送信ステップでは、送信部に、室内の空気環境を調和する空調機へ制御信号を送信させる。
この環境制御プログラムが実行されると、検知ステップで、検知部が、室内の温度、室内の露点との温度差、室内の湿度、室内の気圧、室内の気流、室内の有害物質の濃度、室内の埃の濃度及び室内のマイナスイオン濃度のうち少なくとも2つ以上の空気環境因子室内の空気環境を検知する。次いで、判定ステップで、検知ステップにおいて検知された室内の空気環境の情報に基づいて室内の空気環境が快適範囲の範囲内であるか否かを判定部が判定する。続いて、生成ステップで、少なくとも判定ステップで判定部により判定された結果の情報、空気環境因子の情報、および空気環境因子の優先順位の情報に基づいて室内の空気環境が快適範囲の範囲内になるような制御信号を生成部が生成する。そして、送信ステップで、送信部が、室内の空気環境を調和する空調機へ制御信号を送信する。このため、この環境制御プログラムが実行されれば、快適範囲について利用者に意識させずに、室内の空気環境が快適範囲の範囲内になるように空調機を制御することができる。このため、この環境制御プログラムが実行されれば、利用者に意識させずに室内の空気環境を自動的に快適化することができる。
なお、空調機は、例えば、通常の空気調和機だけでなく、例えば、冷房機器、暖房機器、換気機器、除湿機、加湿機、空気清浄機なども含む。
第1発明に係る環境制御装置では、快適範囲について利用者に意識させずに、室内の空気環境が快適範囲の範囲内になるように空調機を制御することができる。このため、この環境制御装置では、利用者に意識させずに室内の空気環境を自動的に快適化することができる。
第2発明に係る環境制御装置では、室内の空気環境の快適範囲が利用者の快適感の情報に基づいて決定される。したがって、この環境制御装置では、快適範囲を利用者ごとに決定することができる。この結果、この環境制御装置では、利用者の好みに合わせて室内の空気環境を快適化することができる。
第3発明に係る環境制御装置では、室内の空気環境が利用者の好みにあった快適範囲の範囲内になるような制御信号を生成することができる。
第4発明に係る環境制御装置では、エネルギー量が目標上限値を超えないようにしつつ室内の空気環境が快適範囲の範囲内になるように空調機を制御することができる。したがって、この環境制御装置では、省エネルギー化を図りながら室内の空気環境を快適化することができる。
第8発明に係る環境制御システムでは、快適範囲について利用者に意識させずに、室内の空気環境が快適範囲の範囲内になるように空調機が制御するようにすることができる。このため、この環境制御システムでは、利用者に意識させずに室内の空気環境を自動的に快適化することができる。
第9発明に係る環境制御システムでは、快適範囲について利用者に意識させずに、室内の空気環境が快適範囲の範囲内になるように空調機を制御することができる。したがって、この環境制御システムでは、利用者に意識させずに室内の空気環境を自動的に快適化することができる。
第10発明に係る環境制御方法が実施されれば、快適範囲について利用者に意識させずに、室内の空気環境が快適範囲の範囲内になるように空調機を制御することができる。このため、この環境制御方法が実施されれば、利用者に意識させずに室内の空気環境を自動的に快適化することができる。
第11発明に係る環境制御プログラムが実行されれば、快適範囲について利用者に意識させずに、室内の空気環境が快適範囲の範囲内になるように空調機を制御することができる。このため、この環境制御プログラムが実行されれば、利用者に意識させずに室内の空気環境を自動的に快適化することができる。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る環境制御システム1の概念図を図1に示す。また、本発明の第1実施形態に係る環境制御システム1の構成要素の構成図を図2に示す。図1に示す環境制御システム1は、主として室内RMの空調環境を制御するためのシステムである。
<環境制御システム1の全体構成>
図1に示す環境制御システム1は、主として環境制御装置10と空調機20とを備える。環境制御装置10は、室内RMに設置され、持ち運びが可能である。環境制御装置10は、例えば、ぴちょんくん(登録商標)の外形を備えている。空調機20は、主として室内RM(図1参照)の空気環境を調和する。
<環境制御装置10の構成>
図1に示す環境制御装置10は、図2に示すように、主として、検知部11,判定部12,生成部13,送信部14及び記憶部15を備える。記憶部15には、主として快適範囲情報18と制御情報19とが記憶されている。
図2に示す検知部11が、室内RM(図1参照)の空気環境を検知する。判定部12が、室内RM(図1参照)の空気環境の情報を検知部11から受け取る。判定部12が、記憶部15を参照し、快適範囲情報18を取得する。判定部12が、室内RM(図1参照)の空気環境の情報と快適範囲情報18とに基づき、室内RM(図1参照)の空気環境が快適範囲の範囲内であるか否かを判定する。生成部13が、判定部12が判定した結果の情報と室内RM(図1参照)の空気環境の情報とを、判定部12から受け取る。ここで、判定部12が判定した結果の情報は、室内RM(図1参照)の空気環境が快適範囲の範囲内であるか否かの情報である。生成部13が、記憶部15を参照し、制御情報19を取得する。生成部13が、判定部12が判定した結果の情報と室内RM(図1参照)の空気環境の情報とに基づき、室内RM(図1参照)の空気環境が快適範囲の範囲内になるような制御信号を生成する。送信部14が、制御信号の情報を生成部13から受け取る。送信部14が、判定部12が判定した結果の情報に基づき、制御信号を無線回線経由で空調機20へ送信する。
<空調機20の構成>
図1に示す空調機20は、図2に示すように、主として受信部21と環境提供部22とを備える。
図2に示す受信部21が、制御信号を無線回線経由で環境制御装置10から受信する。環境提供部22が、制御信号を受信部21から受け取る。環境提供部22が、制御信号に基づき、室内RM(図1参照)に空調環境を提供する。
<快適範囲情報18の構成>
図2に示す快適範囲情報18は、どのような場合に室内RM(図1参照)の空気環境が快適範囲の範囲内であるのかを示す情報である。快適範囲情報18は、例えば、図4に示す情報である。快適範囲情報18は、図4に示すように、主として、環境欄181,下限欄182及び上限欄183を備える。図4に示す快適範囲情報18を参照することにより、例えば、温度の快適範囲が20℃〜26℃であることが分かる。あるいは、例えば、湿度の快適範囲が40%〜70%であることが分かる。あるいは、例えば、露点との温度差の快適範囲が4℃以上であることが分かる。ここで、露点との温度差とは、
露点との温度差=(室内の温度)−(露点温度) (1)
の式で求められる。あるいは、例えば、埃の濃度の快適範囲が0.10mg/m3以下であることが分かる。
<制御情報19の構成>
図2に示す制御情報19は、生成部13が生成する制御信号の内容の候補となる情報である。制御情報19は、例えば、図5に示す情報である。制御情報19は、図5に示すように、主として環境欄191,下限欄192,上限欄193及び制御内容欄194を備える。図5に示す制御情報19を参照することにより、例えば、温度が27℃以上のときに「設定温度を24℃で自動運転」する制御信号を生成すべきであることが分かる。あるいは、例えば、温度が19℃以下のときに「設定温度を24℃で自動運転」する制御信号を生成すべきであることが分かる。あるいは、例えば、露点との温度差が4℃以上のときに「風量「弱」で除湿運転」する制御信号を生成すべきであることが分かる。あるいは、例えば、露点との温度差が0℃〜4℃のときに「風量「強」で除湿運転」する制御信号を生成すべきであることが分かる。あるいは、例えば、露点との温度差が0℃以下のときに「風量「強」で換気運転」する制御信号を生成すべきであることが分かる。あるいは、例えば、埃の濃度が0.15mg/m3以上のときに「風量「強」で空気清浄運転」する制御信号を生成すべきであることが分かる。あるいは、例えば、埃の濃度が0.10mg/m3〜0.15mg/m3のときに「風量「弱」で空気清浄運転」する制御信号を生成すべきであることが分かる。
<環境制御システム1が室内RMの空気環境を制御する処理の流れ>
図1に示す環境制御システム1が室内RMの空気環境を制御する処理の流れを、図3に示すフローチャートを用いて説明する。
図3に示すステップS1では、図1に示す室内RMの空気環境が検知される。すなわち、図2に示す検知部11により、室内RM(図1参照)の空気環境が検知される。
図3に示すステップS2では、図1に示す室内RMの空気環境が快適範囲の範囲内であるか否かが判断される。すなわち、図2に示す環境制御装置10の判定部12により、室内RM(図1参照)の空気環境の情報が検知部11から受け取られる。判定部12により、記憶部15が参照され、快適範囲情報18が取得される。判定部12により、室内RM(図1参照)の空気環境の情報と快適範囲情報18とに基づき、室内RM(図1参照)の空気環境が快適範囲の範囲内であるか否かが判定される。快適範囲の範囲内であると判断された場合、ステップS1へ進められ、快適範囲の範囲内でないと判断された場合、ステップS3へ進められる。
図3に示すステップS3では、制御信号が生成される。すなわち、図2に示す環境制御装置10の生成部13により、判定部12が判定した結果の情報と室内RM(図1参照)の空気環境の情報とが、判定部12から受け取られる。ここで、判定部12が判定した結果の情報は、室内RM(図1参照)の空気環境が快適範囲の範囲内であるか否かの情報である。生成部13により、記憶部15が参照され、制御情報19が取得される。生成部13により、判定部12が判定した結果の情報と室内RM(図1参照)の空気環境の情報とに基づき、室内RM(図1参照)の空気環境が快適範囲の範囲内になるような制御信号が生成される。
図3に示すステップS4では、制御信号が送信される。すなわち、図2に示す環境制御装置10の送信部14により、制御信号の情報が生成部13から受け取られる。送信部14により、判定部12が判定した結果の情報に基づき、制御信号が無線回線経由で空調機20へ送信される。図2に示す空調機20の受信部21により、制御信号が無線回線経由で環境制御装置10から受信される。環境提供部22により、制御信号が受信部21から受け取られる。
図3に示すステップS5では、空調環境が提供される。すなわち、図2に示す空調機20の環境提供部22により、制御信号に基づき、室内RM(図1参照)に空調環境が提供される。
<環境制御システム1に関する特徴>
(1)
ここでは、図2に示す検知部11が、室内RM(図1参照)の空気環境を検知する。判定部12が、室内RM(図1参照)の空気環境の情報を検知部11から受け取る。判定部12が、室内RM(図1参照)の空気環境の情報と快適範囲情報18とに基づき、室内RM(図1参照)の空気環境が快適範囲の範囲内であるか否かを判定する。生成部13が、判定部12が判定した結果の情報と室内RM(図1参照)の空気環境の情報とを判定部12から受け取る。生成部13が、判定部12が判定した結果の情報と室内RM(図1参照)の空気環境の情報とに基づき、室内RM(図1参照)の空気環境が快適範囲の範囲内になるような制御信号を生成する。送信部14が、制御信号の情報を生成部13から受け取る。送信部14が、判定部12が判定した結果の情報に基づき、空調機20に、室内RM(図1参照)の空気環境が快適範囲の範囲内になるような制御信号を無線回線経由で送信する。これにより、室内RM(図1参照)の空気環境が快適範囲の範囲内になるような制御信号を空調機20が無線回線経由で受信する。
したがって、室内RM(図1参照)の空気環境が快適範囲の範囲内になるような制御信号を空調機20に送信するので、快適範囲について利用者(図示せず)に意識させずに、室内RM(図1参照)の空気環境が快適範囲の範囲内になるように空調機20を制御することが可能である。このため、利用者(図示せず)に意識させずに室内RM(図1参照)の空気環境を自動的に快適化することが可能である。
(2)
ここでは、図1に示す室内RMの空気環境が、室内RMの温度、室内RMの露点との温度差、室内RMの湿度及び室内の埃の濃度である(図4参照)。図2に示す検知部11が、室内RM(図1参照)の空気環境を検知する。判定部12が、室内RM(図1参照)の空気環境の情報を検知部11から受け取る。判定部12が、室内RM(図1参照)の空気環境の情報と快適範囲情報18とに基づき、室内RM(図1参照)の空気環境が快適範囲の範囲内であるか否かを判定する。生成部13が、判定部12が判定した結果の情報と室内RM(図1参照)の空気環境の情報とを判定部12から受け取る。生成部13が、判定部12が判定した結果の情報と室内RM(図1参照)の空気環境の情報とに基づき、室内RM(図1参照)の空気環境が快適範囲の範囲内になるような制御信号を生成する。送信部14が、制御信号の情報を生成部13から受け取る。送信部14が、判定部12が判定した結果の情報に基づき、空調機20に、室内RM(図1参照)の空気環境が快適範囲の範囲内になるような制御信号を送信する。これにより、室内RM(図1参照)の空気環境が快適範囲の範囲内になるような制御信号を空調機20が受信する。
したがって、図1に示す室内RMの空気環境が快適範囲の範囲内であるか否かを詳細に判定することが可能であるので、室内RMの空気環境が快適範囲の範囲内になるように空調機20を詳細に制御することが可能である。
<第1実施形態の変形例>
(A)図1に示す室内RMの空気環境は、室内RMの温度、室内RMの露点との温度差、室内RMの湿度、室内RMの気圧、室内RMの気流、室内RMの有害物質の濃度、室内RMの埃の濃度及び室内RMのマイナスイオン濃度のうち少なくとも1つであってもよい。ここで、有害物質は、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、アレルゲン、ダニ、カビ、ホルムアルデヒド、有機化合物、VOC(Volatile Organic Compounds;揮発性有機化合物)及び環境ホルモンの少なくとも1つであってもよい。図2に示す検知部11は、室内RMの温度、室内RMの湿度及び室内RMの気圧を測定し、これらから室内RMの露点温度を求め、室内RMの露点との温度差を求めることにより、室内RMの露点との温度差を検知してもよい。また、図2に示す検知部11が室内RMの温度、室内RMの湿度及び室内RMの気圧を検知し、これらの情報に基づいて判定部12が、天気を予測して、その予測した天気も考慮して室内RMの空気環境が快適範囲の範囲内であるか否かを判定してもよい。また、生成部13が天気の予想も考慮して制御信号を生成してもよい。この場合、図1に示す室内RMの空気環境が快適範囲の範囲内であるか否かをさらに詳細に判定することができ、室内RMの空気環境が快適範囲の範囲内になるように空調機20をさらに詳細に制御することができる。
検知部12で検知された室内RMの空気環境の情報は、記憶部15に蓄積されてもよい。さらに、記憶部15に記憶された室内RMの空気環境の情報が分析されてもよい。これにより、室内RMの空気環境の変化を予想して、室内RMの空気環境が快適範囲の範囲内になるように空調機20を制御することができる。
図2に示す生成部13は、判定部12が判定した結果の情報のみに基づいて、室内RM(図1参照)の空気環境が快適範囲の範囲内になるような制御信号を生成してもよい。この場合、図5に示す下限欄192と上限欄193とは無くてもよい。制御内容欄194には、快適範囲を高い方に外れたのか低い方に外れたのかにかかわらず快適範囲を外れた場合にナビゲートされるべき内容が記憶されていてもよい。
(B)図1に示す室内RMの空気環境は、室内RMの温度、室内RMの露点との温度差、室内RMの湿度、室内RMの気圧、室内RMの気流、室内RMの有害物質の濃度、室内RMの埃の濃度及び室内RMのマイナスイオン濃度のうち少なくとも2つ以上であってもよい。ここで、有害物質は、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、アレルゲン、ダニ、カビ、ホルムアルデヒド、有機化合物、VOC(Volatile Organic Compounds;揮発性有機化合物)及び環境ホルモンの少なくとも1つであってもよい。この場合、図2に示す判定部12が、室内RM(図1参照)の複数の空気環境に優先順位を付けて、室内RM(図1参照)の空気環境の情報と快適範囲情報18とに基づき、室内RM(図1参照)の空気環境が快適範囲の範囲内であるか否かを判定してもよい。例えば、優先順位が室内RM(図1参照)の温度、室内RM(図1参照)の露点との温度差の順である場合、判定部12は、室内RM(図1参照)の温度が快適範囲の範囲内にあれば、室内RM(図1参照)の露点との温度差が快適範囲の範囲内でなくても室内RM(図1参照)の空気環境が快適範囲の範囲内であると判定する。これにより、室内RM(図1参照)の空気環境のうち重要なもの(例えば、室内RM(図1参照)の温度)を優先的に快適化することができる。
(C)図1に示す室内RMの空気環境は、室内RMの温度、室内RMの露点との温度差、室内RMの湿度、室内RMの気圧、室内RMの気流、室内RMの有害物質の濃度、室内RMの埃の濃度及び室内RMのマイナスイオン濃度のうち少なくとも2つ以上であってもよい。ここで、有害物質は、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、アレルゲン、ダニ、カビ、ホルムアルデヒド、有機化合物、VOC(Volatile Organic Compounds;揮発性有機化合物)及び環境ホルモンの少なくとも1つであってもよい。この場合、図2に示す生成部13は、室内RM(図1参照)の複数の空気環境に優先順位を付けて、判定部12が判定した結果の情報と室内RM(図1参照)の空気環境の情報とに基づき、室内RM(図1参照)の空気環境が快適範囲の範囲内になるような制御信号を生成してもよい。例えば、優先順位が室内RM(図1参照)の温度、室内RM(図1参照)の露点との温度差の順である場合を考える。図5に示すように、室内RM(図1参照)の温度が19℃以下であれば、「設定温度を24℃で自動運転」する制御信号が生成されることになる。一方、室内RM(図1参照)の露点との温度差が0℃以下であれば、「風量「強」で換気運転」する制御信号が生成されることになる。この場合、室内RM(図1参照)の温度が快適範囲よりも低いにもかかわらず強制的に換気を行ってしまうと室内RM(図1参照)の温度が快適範囲よりもさらに低くなってしまう。そこで、生成部13は、「風量「強」で換気運転」という制御内容は採用せずに、「設定温度を24℃で自動運転」という制御内容のみに基づいて制御信号を生成する。したがって、複数の空気環境に優先順位を付けて室内RM(図1参照)の空気環境が快適範囲の範囲内になるような制御信号を生成するので、複数の制御内容がある場合にそれらを調整して制御信号を生成することができる。
(D)図2に示す生成部13が生成する制御信号の内容は、空調機20の運転モード、空調機20の設定温度、空調機20の設定湿度、空調機20の設定風量、空調機20の設定風向、空調機20の除湿量、空調機20の加湿量、空調機20の換気量及び空調機20の空気清浄能力の少なくとも1つについてのものであってもよい。したがって、空調機20の運転モード、空調機20の設定温度、空調機20の設定湿度、空調機20の設定風量、空調機20の設定風向、空調機20の除湿量、空調機20の加湿量、空調機20の換気量及び空調機20の空気清浄能力の少なくとも1つについての制御信号を生成することができるので、室内RM(図1参照)の空気環境を詳細に快適化することができる。
(E)図1に示す環境制御装置10は、図2に示すように、決定部16と入力部17とをさらに備えていてもよい。すなわち、入力部17に、室内RM(図1参照)の空気環境に対する快適感が入力される。決定部16が、快適感の情報を入力部17から受け取る。決定部16が、快適感の情報に基づいて、室内RM(図1参照)の空気環境の快適範囲を決定する。記憶部15が、決定部16が決めた快適範囲の情報を決定部16から受け取る。記憶部15が、決定部16が決めた快適範囲を記憶する。すなわち、決定部16が、決めた快適範囲の情報に基づいて、記憶部15の快適範囲情報18をデフォルトの情報から書き換える。
入力部17には、例えば、図1に示す環境制御装置10(ぴちょんくん)のおでこ34が押されることにより快適であることが入力されてもよいし、環境制御装置10(ぴちょんくん)の手32が握られることにより快適であることが入力されてもよいし、環境制御装置10(ぴちょんくん)のお腹33が押されることにより快適であることが入力されてもよい。あるいは、入力部17には、例えば、「快適だ」という音声がマイクなどの音声装置を介して入力されてもよい。これらの点で第1実施形態と異なる。
また、図1に示す環境制御システム1が室内RMの空気環境を制御する処理の流れが、図6に示すように、次の点で第1実施形態と異なる。なお、図6に示すフローチャートにおいて、図3に示す処理と同様の処理は同じ記号で示し説明を省略する。
図6に示すステップS11では、図1に示す環境制御装置10の利用者(図示せず)により室内RM(図1参照)の空気環境が快適であるか否かが判断される。快適であると判断された場合、ステップS12へ進められ、快適でないと判断された場合、ステップS1へ進められる。
図6に示すステップS12では、図1に示す環境制御装置10の利用者(図示せず)により室内RM(図1参照)の空気環境について快適感が入力される。すなわち、図2に示す環境制御装置10の入力部17に、室内RM(図1参照)の空気環境に対する快適感が入力される。決定部16により、快適感の情報が入力部17から受け取られる。
図6に示すステップS13では、図1に示す室内RMの空気環境が検知される。すなわち、図2に示す環境制御装置10の検知部11により、室内RM(図1参照)の空気環境が検知される。決定部16により、室内RM(図1参照)の空気環境の情報が検知部11から受け取られる。
図6に示すステップS14では、図1に示す室内RMの空気環境の快適範囲が決定される。すなわち、図2に示す決定部16により、快適感の情報に基づいて、室内RM(図1参照)の空気環境の快適範囲が決定される。例えば、室内RM(図1参照)の温度が21℃であるときに快適であるとされた場合、室内RM(図1参照)の温度の快適範囲である20℃〜26℃(図4参照)の幅はそのままで範囲の中心が23℃から21℃へとシフトされ、室内RM(図1参照)の温度の快適範囲が18℃〜24℃と決められる。
図6に示すステップS15では、図1に示す室内RMの空気環境の快適範囲が記憶される。すなわち、図2に示す記憶部15により、決定部16が決めた快適範囲の情報が決定部16から受け取られる。記憶部15により、決定部16が決めた快適範囲が記憶される。すなわち、記憶部15により、決定部16が決めた快適範囲の情報に基づいて、快適範囲情報18がデフォルトの情報から書き換えられる。
したがって、図1に示す室内RMの空気環境の快適範囲が利用者(図示せず)の快適感の情報に基づいて決定されるので、快適範囲を利用者(図示せず)ごとに決定することができる。このため、利用者(図示せず)の好みに合わせて室内RMの空気環境を快適化することができる。また、決定部16(図2参照)が決めた快適範囲を記憶しているので、決定部16(図2参照)が決めた快適範囲の情報を参照することができる。このため、室内RMの空気環境が利用者(図示せず)の好みにあった快適範囲の範囲内になるような制御信号を生成することができる。
なお、図6に示すステップS15は無くてもよい。この場合、図2に示す入力部17に快適感が入力されたときのみ快適範囲が変更され、それ以外のときは快適範囲情報18がデフォルトの快適範囲の情報とされてもよい。この場合、快適範囲情報18は、書き換えられずデフォルトの情報のままである。決定部16が決定した快適範囲の情報が、記憶部15を経由せずに判定部12へ渡されることになる。
また、図6に示すステップS11で快適でないと判断された場合、図2に示す入力部17には、不快である旨が入力されてもよい。この場合、決定部16により、不快であるとされた空気環境が外れるように、室内RM(図1参照)の空気環境の快適範囲が決定されてもよい。
(F)図1に示す環境制御装置10は、図2に示すように、演算部18をさらに備えていてもよい。この場合、演算部18が、室内RM(図1参照)の空気環境の情報を判定部12から受け取る。演算部18が、空調機20が室内RM(図1参照)の空気環境を調和するのに要するエネルギー量を演算する。ここで、エネルギー量は電力量である。判定部12が、エネルギー量の情報を演算部18から受け取り、エネルギー量が所定の目標上限値を超えているか否かをさらに判定する。生成部13が、エネルギー量が所定の目標上限値を超えているか否かの情報を判定部12から受け取る。生成部13が、エネルギー量が所定の目標上限値を超えている旨の情報を受け取った場合、制御内容を変更して制御信号を変更する。すなわち、生成部13が、判定部が判定した結果の情報に基づき、エネルギー量が所定の目標上限値を超えないように、室内の空気環境が快適範囲の範囲内になるような制御信号を生成する。これらの点で第1実施形態と異なる。
また、図1に示す環境制御システム1が室内RMの空気環境を制御する処理の流れが、図7に示すように、次の点で第1実施形態と異なる。なお、図7に示すフローチャートにおいて、図3に示す処理と同様の処理は同じ記号で示し説明を省略する。
図7に示すステップS21では、エネルギー量が演算される。すなわち、図2に示す環境制御装置10の演算部18により、室内RM(図1参照)の空気環境の情報が判定部12から受け取られる。演算部18により、空調機20が室内RM(図1参照)の空気環境を調和するのに要するエネルギー量が演算される。判定部12により、エネルギー量の情報が演算部18から受け取られる。
図7に示すステップS22では、エネルギー量が所定の目標上限値を超えているか否かが図2に示す判定部12により判定される。エネルギー量が所定の目標上限値を超えていると判定された場合、図7に示すステップS23へ進められ、エネルギー量が所定の目標上限値を超えていないと判定された場合、ステップS4へ進められる。
図7に示すステップS23では、制御信号が変更される。すなわち、図2に示す環境制御装置10の生成部13により、エネルギー量が所定の目標上限値を超えている旨の情報が受け取られる。生成部13により、制御内容が変更されて、制御信号が変更される。
したがって、エネルギー量が目標上限値を超えないようにしつつ図1に示す室内RMの空気環境が快適範囲の範囲内になるように空調機20を制御することができるので、省エネルギー化を図りながら室内RMの空気環境を快適化することができる。
なお、図7に示すステップS22の判定は、生成部13により行われてもよい。この場合、図7に示すステップS21で、生成部13により、エネルギー量の情報が演算部18から受け取られることになる。エネルギー量は、例えば、電力量、ガス量、水の量及び石油類(ガソリンなど)の量の少なくとも1つであってもよい。
(G)図8に示すように環境制御システム1aは、環境制御装置10aと空調機20aとを備えていてもよい。図9に示すように、環境制御装置10aが、生成部13(図2参照)を備えていなくてもよい。空調機20aが、制御部23aを備えていてもよい。この場合、送信部14が、判定部12aが判定した結果の情報を判定部12aから受け取る。送信部14が、空調機20aに、判定部12aが判定した結果の情報を無線回線経由で送信する。空調機20aの受信部21は、判定部12aが判定した結果の情報を無線回線経由で環境制御装置10aから受信する。空調機20aの制御部23aが、判定部12aが判定した結果の情報を受信部21から受け取り、室内RM(図8参照)の空気環境が快適範囲の範囲内になるような制御信号を生成する。環境提供部22が、制御部23aから制御信号を受け取り、制御信号に基づいて室内RM(図8参照)に空調環境を提供する。これらの点で第1実施形態と異なる。
また、図8に示す環境制御システム1aが室内RMの空気環境を制御する処理の流れが、図10に示すように、次の点で第1実施形態と異なる。なお、図10に示すフローチャートにおいて、図3に示す処理と同様の処理は同じ記号で示し説明を省略する。
図10に示すステップS31では、判定結果の情報が送信される。すなわち、図9に示す環境制御装置10aの送信部14により、判定部12aが判定した結果の情報が判定部12aから受け取られる。送信部14により、空調機20aに、判定部12aが判定した結果の情報が無線回線経由で送信される。
図10に示すステップS32では、制御信号が生成される。すなわち、図9に示す空調機20aの受信部21により、判定部12aが判定した結果の情報が無線回線経由で環境制御装置10aから受信される。空調機20aの制御部23aにより、判定部12aが判定した結果の情報が受信部21から受け取られ、室内RM(図8参照)の空気環境が快適範囲の範囲内になるような制御信号が生成される。環境提供部22により、制御部23aから制御信号が受け取られる。
したがって、図8に示す室内RMの空気環境が快適範囲の範囲内であるか否かの情報を空調機20aに送信するので、室内RMの空気環境が快適範囲の範囲内になるような制御信号を空調機20aが決めることが可能である。このため、快適範囲について利用者に意識させずに、室内RMの空気環境が快適範囲の範囲内になるように空調機20aが制御するようにすることが可能である。この結果、利用者に意識させずに室内RMの空気環境を自動的に快適化することが可能である。
(H)第1実施形態の変形例(G)において、環境制御装置10aは、演算部18をさらに備えていてもよい。この場合、演算部18が、空調機20aが室内RM(図8参照)の空気環境を調和するのに要するエネルギー量を演算する。判定部12aが、エネルギー量の情報を演算部18から受け取る。判定部12aが、室内RM(図8参照)の空気環境の情報に基づき、エネルギー量が所定の目標上限値を超えているか否かと、室内RM(図8参照)の空気環境が快適範囲の範囲内であるか否かとを判定する。これらの点で第1実施形態の変形例(G)と異なる。したがって、エネルギー量が目標上限値を超えないようにしつつ室内RM(図8参照)の空気環境が快適範囲の範囲内になるように空調機20aが制御するようにすることができるので、省エネルギー化を図りながら室内RM(図8参照)の空気環境を快適化することができる。
(I)図1に示す環境制御装置10から空調機20へは無線回線経由で情報が送信されるが、「無線」として、赤外線が用いられてもよいし、電波が用いられてもよい。環境制御装置10から空調機20へは、無線回線経由で情報が送信される代わりに、有線回線経由で情報が送信されてもよい。有線回線経由で情報が送信される場合、環境制御装置10が持ち運びされるときに環境制御装置10と有線回線との接続が切断されてもよい。このとき、さらに環境制御装置10と空調機20とは無線回線により接続されてもよい。空調機20は、例えば、通常の空気調和機だけでなく、例えば、冷房機器、暖房機器、換気機器、除湿機、加湿機、空気清浄機などであってもよい。空調機20は、複数あってもよい。空調機は、例えば、通常の空気調和機、冷房機器、暖房機器、換気機器、除湿機、加湿機及び空気清浄機の少なくとも1つ以上であってもよい。環境制御装置10の外形は、ぴちょんくんでなくてもよい。例えば、動物のぬいぐるみであってもよいし、折りたたみのいすやテーブルのようなものであってもよいし、絵などを入れる額縁のようなものであってもよいし、電気スタンドや筆箱など、持ち運び可能なものであればどのようなものであってもよい。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る環境制御システム100の概念図を図11に示す。また、本発明の第2実施形態に係る環境制御システム100の各構成要素の構成図を図12に示す。図11,図12において、図1,図2の環境制御システム1の構成要素と同様の構成要素は同じ番号で示してある。図11に示す環境制御システム100は、主として室内RMの空調環境を制御するためのシステムである。環境制御装置110は、室内RMに設置され、持ち運びが可能である。
この環境制御システム100は、図11,図12に示すように、基本的な構造は第1実施形態と同様であり各構成要素は図2と同様であるが、図11に示すように、環境制御装置10がノートパソコンなどの携帯情報端末である点で第1実施形態と異なる。
室内RM(図11参照)の空気環境が快適範囲の範囲内になるような制御信号を空調機20に送信するので、快適範囲について利用者に意識させずに、空気環境が快適範囲の範囲内になるように空調機20を制御することが可能である点は、第1実施形態と同様である。したがって、このような環境制御システム100によっても、利用者に意識させずに室内RM(図11参照)の空気環境を自動的に快適化することが可能である。
<第2実施形態の変形例>
(A)図12に示す入力部117は、図11に示すキーボード132であってもよい。この場合、室内RMの空気環境に対する快適感として詳細な情報が入力され得る。また、環境制御装置110は、ノートパソコン以外の携帯情報端末であってもよい。例えば、携帯電話であってもよいし、電子手帳であってもよいし、持ち運び可能なものであればどのようなものであってもよい。
(B)図13に示すように環境制御システム100aは、環境制御装置110aと空調機20aとを備えていてもよい。図14に示すように、環境制御装置110aが、生成部13(図12参照)を備えていなくてもよい。空調機20aが、制御部23aを備えていてもよい。この場合、送信部14が、判定部12aが判定した結果の情報を判定部12aから受け取る。送信部14が、空調機20aに、判定部12aが判定した結果の情報を無線回線経由で送信する。空調機20aの受信部21は、判定部12aが判定した結果の情報を無線回線経由で環境制御装置110aから受信する。空調機20aの制御部23aが、判定部12aが判定した結果の情報を受信部21から受け取り、室内RM(図13参照)の空気環境が快適範囲の範囲内になるような制御信号を生成する。環境提供部22が、制御部23aから制御信号を受け取り、制御信号に基づいて室内RM(図13参照)に空調環境を提供する。これらの点で第1実施形態と異なる。
また、図13に示す環境制御システム100aが室内RMの空気環境を制御する処理の流れは、第1実施形態の変形例(G)と同様である(図10参照)。
したがって、図13に示す室内RMの空気環境が快適範囲の範囲内であるか否かの情報を空調機20aに送信するので、室内RMの空気環境が快適範囲の範囲内になるような制御信号を空調機20aが決めることが可能である。このため、快適範囲について利用者に意識させずに、室内RMの空気環境が快適範囲の範囲内になるように空調機20aが制御するようにすることが可能である。この結果、利用者に意識させずに室内RMの空気環境を自動的に快適化することが可能である。
(C)第2実施形態の変形例(B)において、図13に示す環境制御装置110aは、図14に示すように、演算部18をさらに備えていてもよい。この場合、演算部18が、空調機20aが室内RM(図13参照)の空気環境を調和するのに要するエネルギー量を演算する。判定部12aが、エネルギー量の情報を演算部18から受け取る。判定部12aが、室内RM(図13参照)の空気環境の情報に基づき、エネルギー量が所定の目標上限値を超えているか否かと、室内RM(図13参照)の空気環境が快適範囲の範囲内であるか否かとを判定する。これらの点で第2実施形態の変形例(B)と異なる。したがって、エネルギー量が目標上限値を超えないようにしつつ室内RM(図13参照)の空気環境が快適範囲の範囲内になるように空調機20aが制御するようにすることができるので、省エネルギー化を図りながら室内RM(図13参照)の空気環境を快適化することができる。