JP4414908B2 - 車体のフロアパネル - Google Patents
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Description
本発明は、例えば燃料タンク等、床下に設けられた付属機器にアクセスするための点検口を備える車体のフロアパネルに関するものである。
自動車の燃料タンクは、リアシートの下方など、床下に配設されるが、燃料タンクに設けられるバルブ類やポンプ等の付属機器の保守・整備性を確保するために、着脱自在な蓋で閉じた点検口をフロアパネルに設けることがある。
他方、車体のフロアパネルには、車体の捩れや振動抑制、側面衝突時の衝撃からの車室の保護などを目的として、車体幅方向に延びる強度部材（クロスメンバ）が設けられている（特許文献１を参照されたい）。
特開２００１−２４７０５８号公報
しかるに、フロアパネルの所要の剛性を確保するためにクロスメンバを設ける場合、クロスメンバの位置を優先すると、燃料タンクなどの床下設置機器に対する点検口の位置に制約が及び、燃料タンクの形状や付属機器の位置がクロスメンバの位置に制約される。この反対に、点検口の位置を優先すると、クロスメンバの位置が制限され、高効率な強度増強が困難となる。即ち、点検口の適正配置による床下設置機器の保守整備性の確保と、クロスメンバの適正配置による車体剛性の確保とを両立することは困難であった。
本発明は、このような従来技術の課題を解決すべく案出されたものであり、その主な目的は、例えば燃料タンク等、床下に設置された付属機器の保守整備性の確保と車体剛性の確保とを高次元に両立し得る車体のフロアパネルを提供することにある。
このような目的を達成するために本発明は、床下に設置された付属機器にアクセスするために、反復着脱自在にボルトを用いて固定される蓋によって塞がれる点検口４を備える車体のフロアパネル（リアフロアパネル１）において、車体の幅方向に延在するクロスメンバを、前記点検口の左右両脇から車体の外側方へ向けて延設された一対のサイドクロスメンバ６・７と、前記点検口の上方を横切るセンタクロスメンバ８とに分断し、前記各サイドクロスメンバおよび前記センタクロスメンバは、断面形状が台形をなし、前記各サイドクロスメンバは、下端縁をフロアパネル本体上に結合することによって閉断面を形成し、かつその両端部を閉じるようにし、前記センタクロスメンバは、開断面構造をなし、その両端部が、前記各サイドクロスメンバの閉じられた前記両端部の内側端の上面に重ね合わされた状態で、当該両端部の内側端に対してボルトにて反復着脱可能に結合されていることを特徴とするものとした。
このような本発明によれば、点検口の上方を横切る位置にクロスメンバを架設することができるので、フロアパネルの側面衝突時の変形モードを配慮した適切な位置にクロスメンバを設けることができる上、床下に設置された付属機器を点検する際には、クロスメンバにおける点検口の上方を横切る部分を取り外すことができるので、点検作業に支障をきたさずに済む。従って、フロアパネル並びに床下設置機器の設計の自由度を高める上に大きな効果が得られる。
以下に添付の図面を参照して本発明について詳細に説明する。
図１は、本発明が適用されたリアフロアパネル１の一例であり、車室後部のリアシート取付部２から、トランクルームのスペアタイヤ格納部３へかけての部分に適用したものを例示している。
このリアフロアパネル１は、鋼板のプレス成形で形成されており、図には一部のみを示したが、車幅方向のビード並びに前後方向のビードを始めとする凹凸を形成した立体的構成とすることにより、所要の剛性の確保が図られている。
リアフロアパネル１の上面視の略中心位置には、図２に併せて示したように、床下に設置される燃料タンクの付属機器取付部（図示せず）にアクセスするための点検口４が開設されている。この点検口４は、反復着脱自在なように、ボルトＢ１を用いて固定される蓋５で通常は塞がれている。
側方衝突時の車体変形を抑制するなどの目的のために、リアフロアパネル１の上面の適所には、クロスメンバが車体幅方向に延設されている。このクロスメンバは、点検口４の左右両脇から車体の外側方へ向けて延設された一対のサイドクロスメンバ６・７と、点検口４の上方を横切るセンタクロスメンバ８とからなり、左右に分割された両サイドクロスメンバ６・７の内側端とセンタクロスメンバ８の両端とがボルトＢ２にて結合されている。これにより、センタクロスメンバ８は反復着脱可能に構成されている。
各クロスメンバ６〜８は、断面形状が台形をなし、左右のサイドクロスメンバ６・７はその両端部が閉じられており、下端縁に設けられたフランジ９をリアフロアパネル１上にスポット溶接などで結合することによって閉断面を形成している。また左右のサイドクロスメンバ６・７のリアフロアパネル１に対する付け根の部分には、丸棒材から曲成したチャイルドシート用アンカーロッド１０が結合されている。
センタクロスメンバ８は、開断面構造をなし、左右のサイドクロスメンバ６・７の内側端の上面にその両端部を重ね合わせ、且つチャイルドシート用アンカーロッド１０の結合部にその一部を重ねてボルト止めされている。これにより、チャイルドシート用アンカーロッド１０の結合強度の増強にも貢献している。
このように、本発明の車体フロアパネルの構成によれば、点検口４の上方を横切る位置に着脱自在なセンタクロスメンバ８を架設するものとしたので、床下に設置された付属機器を点検する際にはセンタクロスメンバ８を取り外せば良いので、リアフロアパネル１の剛性を確保した上で、点検口４からの床下設置機器へのアクセス性を確保し得る。従って、点検口４の位置の設定自由度とリアフロアパネル１の剛性確保とを高次元に両立することができる。
１ リアフロアパネル
４ 点検口
６・７ サイドクロスメンバ
８ センタクロスメンバ
４ 点検口
６・７ サイドクロスメンバ
８ センタクロスメンバ
Claims (1)
- 床下に設置された付属機器にアクセスするために、反復着脱自在にボルトを用いて固定される蓋によって塞がれる点検口を備える車体のフロアパネルであって、
車体の幅方向に延在するクロスメンバを、前記点検口の左右両脇から車体の外側方へ向けて延設された一対のサイドクロスメンバと、前記点検口の上方を横切るセンタクロスメンバとに分断し、
前記各サイドクロスメンバおよび前記センタクロスメンバは、断面形状が台形をなし、 前記各サイドクロスメンバは、下端縁をフロアパネル本体上に結合することによって閉断面を形成し、かつその両端部を閉じるようにし、
前記センタクロスメンバは、開断面構造をなし、その両端部が、前記各サイドクロスメンバの閉じられた前記両端部の内側端の上面に重ね合わされた状態で、当該両端部の内側端に対してボルトにて反復着脱可能に結合されていることを特徴とする車体のフロアパネル。
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