JP4413353B2 - 固体レーザ発振器の電源制御方法およびその装置 - Google Patents

固体レーザ発振器の電源制御方法およびその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体レーザ発振器の電源制御方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、YAGレーザ発振器、ルビーレーザ発振器、ガラスレーザ発振器等の固体レーザ発振器においてはYAGロッド、ルビーロッド、Ndガラスなどの励起媒体(レーザロッド)に熱レンズ効果という現象が顕著に発生する。
【0003】
例えば、YAGレーザ発振器においてYAGロッドを励起ランプの励起光により励起する場合に、励起ランプの光量が大きければ大きいほど、熱レンズ効果の程度が大きくなる。換言すれば、励起ランプの光量は励起ランプに印加する電力(印加電力)に比例するので、この印加電力が大きいほど熱レンズ効果が大きくなるのである。
【0004】
また、熱レンズ効果はYAGロッドに蓄熱される熱の影響で発生するものなので、図4に示されているように励起ランプに印加電力を投入するとすぐに安定するものではなく、徐々にYAGロッドが暖められるため、ゆっくりと現象として現れてくるものである。
【0005】
また、熱レンズ効果が発生すると、伝播用の光ファイバに入射するレーザビームの状態が変化する。例えば、熱レンズ効果が発生していない状態ではレーザビームのビーム品質が良いために、集光したときのビームスポット径が小さくなり、逆に熱レンズ効果が発生している状態ではビームスポット径が大きくなる。
【0006】
また、熱レンズ効果が発生していない場合と発生している場合とでは、レーザビームの径が最も小さくなる点としてのビームスポット(ビームウェスト;焦光点)の位置も変化してしまうのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の固体レーザ発振器の電源制御方法においては、図5を参照するに、光ファイバ101にレーザビームLBを入射調整する際には、熱レンズ効果の現象のために上述したように印加電力のパワーが小さいとき、換言すれば熱レンズ効果が小さいときには、図5(A)に示されているように、ビームウェストが光ファイバ101の入射端面103にあり、かつビームスポット径Sが非常に小さいものである。
【0008】
逆に印加電力のパワーが大きいとき、換言すれば熱レンズ効果が大きいときには、図5(B)に示されているように、ビームウェスト(焦光点)が光ファイバ101の入射端面103より中に入った位置にあり、かつビームスポット径Sが大きい。
【0009】
上記のような入射調整が行われている場合で、印加電力のパワーが小さい状態(熱レンズ効果が小さい状態)から急激にパワーを大きな状態に変化させたときには、熱レンズ効果が安定するまでに時間がかかるためにビームスポット径Sが小さい状態で大きなパワーが光ファイバ101の端面103に照射されることになる。
【0010】
すなわち、光ファイバ101の端面103にパワー密度の高いレーザビームLBが照射されることになる。
【0011】
したがって、光ファイバ101の入射端面103における耐光強度を上回るパワー密度の高いレーザビームLBが照射されると、光ファイバ101の入射端面103は破損(焼け)してしまうという問題点があった。
【0012】
従来は、上記理由により光ファイバ101の端面103の焼損を防ぐために、レーザビームLBが光ファイバ101に入射されているときにはレーザビームLBの強さを一定に保っていた。しかし、この方法ではレーザビームLBの出力を変えられないことになるので、レーザビームLBを使用して加工するシステムにおいて加工品質の低下等を招いていた。
【0013】
また、上記理由による光ファイバ101の端面103の焼けを防ぐための他の方法としては、光ファイバ101の入射端面103の面積を大きくしてビームスポット径Sが大きいままのレーザビームLBを光ファイバ101に入射するように調整しており、高いパワー密度のレーザビームLBが光ファイバ101の端面103に照射されないようにしている。
【0014】
しかし、この方法では、光ファイバ101の入射端面103の面積を大きく取るので、光ファイバ101自体が太くなるためにコストアップなどにつながるという問題点があった。
【0015】
本発明は上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、光ファイバのコストを上げることなく、光ファイバの入射端面の破損(焼け)を起こさないで、レーザビームのパワーを変化させることのできる固体レーザ発振器の電源制御方法およびその装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述のごとき問題に鑑みてなされたもので、レーザ電源からの印加電圧により励起光を照射する励起ランプと、この励起ランプからの励起光を吸収してレーザ発振するレーザロッドと、前記レーザロッドの一端面に対向するリアミラーと前記レーザロッドの他端面に対向する出力ミラーとを備えた光共振器と、上記光共振器から発振されたレーザビームを集光して光ファイバの端面に入射する集光レンズと、前記出力ミラーと集光レンズとの間に備えた開閉自在なシャッタとを備えた構成の固体レーザ発振器の電源制御方法であって、前記光ファイバの端面に照射されるレーザビームのビームスポット径は、前記レーザロッドに蓄熱される熱の影響で発生する熱レンズ効果の程度が大きい程大きくなることを利用し、前記レーザロッドにレーザ電源の最大印加電力を印加してもレーザビームが光ファイバの入射端面を破損しない熱レンズ効果の状態を保持する電力スレッシュホールド点の印加電力を予め求め、前記光ファイバに入射されるレーザビームを開閉自在な前記シャッタを開けた状態においてレーザ電源による印加電力を変更する際に、この印加電力が前記電力スレッシュホールド点を下側へ超えるとき、前記印加電力の出力指令を前記電力スレッシュホールド点に固定するか、又は警報装置に通報して前記シャッタを閉じることを特徴とするものである。
【0017】
したがって、レーザロッドに印加される印加電力が予め求めた電力スレッシュホールド点を超えるときに、印加電力の出力指令が電力スレッシュホールド点に固定されて制限を加えられたり、シャッタが閉じられることにより、光ファイバ端面の焼損が回避され、しかも光ファイバのコストを上げることなくレーザパワーは減少、増加されて調整される。
【0018】
また、レーザ電源からの印加電圧により励起光を照射する励起ランプと、この励起ランプからの励起光を吸収してレーザ発振するレーザロッドと、前記レーザロッドの一端面に対向するリアミラーと前記レーザロッドの他端面に対向する出力ミラーとを備えた光共振器と、上記光共振器から発振されたレーザビームを集光して光ファイバの端面に入射する集光レンズと、前記出力ミラーと集光レンズとの間に備えた開閉自在なシャッタとを備えた構成の固体レーザ発振器の電源制御方法であって、前記光ファイバの端面に照射されるレーザビームのビームスポット径は、前記レーザロッドに蓄熱される熱の影響で発生する熱レンズ効果の程度が大きい程大きくなることを利用し、前記レーザロッドにレーザ電源の最大印加電力を印加してもレーザビームが光ファイバの入射端面を破損しない熱レンズ効果の状態を保持する電力スレッシュホールド点の印加電力を予め求め、前記光ファイバに入射されるレーザビームを開閉自在な前記シャッタを開けた状態においてレーザ電源による印加電力を変更する際に、この印加電力が前記電力スレッシュホールド点を一旦下回った後に、規定時間以上経過後再び前記電力スレッシュホールド点を上側へ超える印加電力の出力指令が与えられたときは、この出力指令を前記電力スレッシュホールド点に固定するか、又は警報装置に通報して前記シャッタを閉じることを特徴とするものである。
【0019】
したがって、印加電力の出力指令が電力スレッシュホールド点を一旦下回ったとしても、規定時間より少ない時間内に再び電力スレッシュホールド点を上回るのであれば、熱レンズ効果の程度が熱レンズスレッシュホールド点を下回る前に再び上昇するので、光ファイバの入射端面が破損されない。一方、規定時間以上経過した後に再び電力スレッシュホールド点を超えようとした場合は破損してしまう。しかし、このときは印加電力の出力指令が電力スレッシュホールド点に固定されるか、あるいはアラームとして外部へ出力されてシャッタが閉じられるので、光ファイバの入射端面は破損されない。
【0020】
また、レーザ電源からの印加電圧により励起光を照射する励起ランプと、この励起ランプからの励起光を吸収してレーザ発振するレーザロッドと、前記レーザロッドの一端面に対向するリアミラーと前記レーザロッドの他端面に対向する出力ミラーとを備えた光共振器と、上記光共振器から発振されたレーザビームを集光して光ファイバの端面に入射する集光レンズと、前記出力ミラーと集光レンズとの間に備えた開閉自在なシャッタとを備えた構成の固体レーザ発振器の電源制御方法であって、前記光ファイバの端面に照射されるレーザビームのビームスポット径は、前記レーザロッドに蓄熱される熱の影響で発生する熱レンズ効果の程度が大きい程大きくなることを利用し、前記レーザロッドに与えられる印加電力の出力指令に基づいて現時点の熱レンズ効果の程度と、この現時点の熱レンズ効果に対応する光ファイバの入射端面を破損しない最大許容印加電力とを計算で求め、前記固体レーザ発振器から光ファイバに入射されるレーザビームを開閉自在な前記シャッタを開けた状態においてレーザ電源による印加電力を変更する際に、上記の計算で求めた最大許容印加電力よりも大きな印加電力の出力指令が与えられた場合は、実際の出力指令を上記の計算で求めた最大許容印加電力に固定するか、又は、アラームとして前記シャッタを閉じることを特徴とするものである。
【0021】
したがって、実際にレーザ電源に与えられる出力指令は現時点の熱レンズ効果の程度に対する最大許容印加電力を超えないので、光ファイバ端面が焼損されることはない。しかも、光ファイバのコストを上げることなくレーザパワーは減少、増加されて調整される。
【0022】
また、レーザ電源からの印加電力により励起光を照射する励起ランプと、この励起ランプからの励起光を吸収してレーザ発振するレーザロッドと、前記レーザロッドの一端面に対向するリアミラーと前記レーザロッドの他端面に対向する出力ミラーとを備えた光共振器と、上記光共振器から発振されたレーザビームを集光して光ファイバの端面に入射する集光レンズと、前記出力ミラーと集光レンズとの間に備えた開閉自在なシャッタとを備えた構成の固体レーザ発振器の電源制御装置であって、前記光ファイバの端面に照射されるレーザビームのビームスポット径は、前記レーザロッドに蓄熱される熱の影響で発生する熱レンズ効果の程度が大きいほど大きくなることを利用するために、前記レーザ電源へ印加する電力を制御する電源制御部は、前記レーザロッドにレーザ電源の最大印加電力を印加してもレーザビームが光ファイバの入射端面を破損しない熱レンズ効果の状態を保持する電力スレッシュホールド点の印加電力を予め記憶するメモリと、レーザビームの出力指令に基づいてレーザロッドに印加する印加電力を計算する印加電力演算処理部と、この印加電力演算処理部で計算された印加電力に基づいてレーザロッドで発生する熱レンズ効果を予測計算する熱レンズ効果演算処理部と、前記シャッタを開けた状態において印加電力を変更する際に、この印加電力が前記電力スレッシュホールド点を下側へ超えるとき、前記印加電力の出力指令を前記電力スレッシュホールド点に固定するか、又は警報装置に通報して前記シャッタを閉じる指令を与える出力良否判定部と、を備えていることを特徴とするものである。
【0023】
したがって、請求項1記載の作用と同様であり、レーザロッドに印加される印加電力が予め求めた電力スレッシュホールド点を超えるときに、印加電力の出力指令が電力スレッシュホールド点に固定されて制限を加えられたり、シャッタが閉じられることにより、光ファイバ端面の焼損が回避され、しかも光ファイバのコストを上げることなくレーザパワーは減少、増加されて調整される。
【0024】
また、レーザ電源からの印加電力により励起光を照射する励起ランプと、この励起ランプからの励起光を吸収してレーザ発振するレーザロッドと、前記レーザロッドの一端面に対向するリアミラーと前記レーザロッドの他端面に対向する出力ミラーとを備えた光共振器と、上記光共振器から発振されたレーザビームを集光して光ファイバの端面に入射する集光レンズと、前記出力ミラーと集光レンズとの間に備えた開閉自在なシャッタとを備えた構成の固体レーザ発振器の電源制御装置であって、前記光ファイバの端面に照射されるレーザビームのビームスポット径は、前記レーザロッドに蓄熱される熱の影響で発生する熱レンズ効果の程度が大きいほど大きくなることを利用するために、前記レーザ電源へ印加する電力を制御する電源制御部は、前記レーザロッドにレーザ電源の最大印加電力を印加してもレーザビームが光ファイバの入射端面を破損しない熱レンズ効果の状態を保持する電力スレッシュホールド点の印加電力を予め記憶するメモリと、レーザビームの出力指令に基づいてレーザロッドに印加する印加電力を計算する印加電力演算処理部と、この印加電力演算処理部で計算された印加電力に基づいてレーザロッドで発生する熱レンズ効果を予測計算する熱レンズ効果演算処理部と、前記シャッタを開けた状態において印加電力を変更する際に、この印加電力が前記電力スレッシュホールド点を一旦下回った後に、規定時間以上経過後再び前記電力スレッシュホールド点を上側へ超える印加電力の出力指令が与えられたときは、この出力指令を前記電力スレッシュホールド点に固定するか、又は警報装置に通報して前記シャッタを遮断する指令を与える出力良否判定部と、を備えていることを特徴とするものである。
【0025】
したがって、請求項2記載の作用と同様であり、印加電力の出力指令が電力スレッシュホールド点を一旦下回ったとしても、規定時間より少ない時間内に再び電力スレッシュホールド点を上回るのであれば、熱レンズ効果の程度が熱レンズスレッシュホールド点を下回る前に再び上昇するので、光ファイバの入射端面が破損されない。一方、規定時間以上経過した後に再び電力スレッシュホールド点を超えようとした場合は破損してしまう。しかし、このときは印加電力の出力指令が電力スレッシュホールド点に固定されるか、あるいはアラームとして外部へ出力されてシャッタが閉じられるので、光ファイバの入射端面は破損されない。
【0026】
また、レーザ電源からの印加電力により励起光を照射する励起ランプと、この励起ランプからの励起光を吸収してレーザ発振するレーザロッドと、前記レーザロッドの一端面に対向するリアミラーと前記レーザロッドの他端面に対向する出力ミラーとを備えた光共振器と、上記光共振器から発振されたレーザビームを集光して光ファイバの端面に入射する集光レンズと、前記出力ミラーと集光レンズとの間に備えた開閉自在なシャッタとを備えた構成の固体レーザ発振器の電源制御装置であって、前記光ファイバの端面に照射されるレーザビームのビームスポット径は、前記レーザロッドに蓄熱される熱の影響で発生する熱レンズ効果の程度が大きいほど大きくなることを利用するために、前記レーザ電源へ印加する電力を制御する電源制御部は、固体レーザ発振器から発振されるレーザビームの出力指令に基づいてレーザロッドに印加する印加電力を計算すると共に任意の熱レンズ効果に対応して光ファイバの入射端面を破損しない最大許容印加電力を計算する印加電力演算処理部と、この印加電力演算処理部で計算された印加電力に基づいて現状の熱レンズ効果を計算する熱レンズ効果演算処理部と、前記シャッタを開放した状態において印加電力を変更する際に、現時点の熱レンズ効果に対する最大許容印加電力よりも大きな印加電力の出力指令が与えられた場合は、実際の出力指令を前記最大許容印加電力に固定するか、又は、アラームとしてシャッタを遮断する指令を与える出力良否判定部と、を備えていることを特徴とするものである。
【0027】
したがって、請求項3記載の作用と同様であり、実際にレーザ電源に与えられる出力指令は現時点の熱レンズ効果の程度に対する最大許容印加電力を超えないので、光ファイバ端面が焼損されることはない。しかも、光ファイバのコストを上げることなくレーザパワーは減少、増加されて調整される。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の固体レーザ発振器の電源制御方法およびその装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0029】
図1を参照するに、本実施の形態に係わる固体レーザ発振器としての例えばYAGレーザ発振器1は、レーザ電源3からの高電圧により励起光を照射する複数の励起ランプ5(図1では1個の励起ランプ5のみが図示されている)と、この複数の励起ランプ5からの励起光を吸収しレーザ発振するYAGロッド7(レーザロッド)を備えている。
【0030】
YAGロッド7には励起ランプ5からの励起光を吸収してレーザ発振するための固体材料からなるレーザ媒質が収納されている。このレーザ媒質はYAG(Yttrium Alminium Garnet)の母体結晶にネオジウムイオン(Nd2+)を活性 物質として混入したNd−YAGである。
【0031】
なお、YAGロッド7の端面は、通常は光軸に直角で平面に加工され、端面の面精度はλ/10程度に研磨され反射防止膜が蒸着されている(YAGレーザ光の波長をλとする。)。しかし、端面が斜めにカットしたロッドや、凹面状に加工研磨したロッドもあり、特に限定されない。
【0032】
また、励起ランプ5は、主にXe又はKrガスを封入した直管形の放電管が用いられているが、スパイラル形のものもあり、特に限定されない。
【0033】
また、YAGロッド7の一端面に対向するリアミラー9とYAGロッド7の他端面に対向する出力ミラー11とからなる光共振器16が設けられている。なお、出力ミラー11とリアミラー9は本実施の形態では平面鏡が用いられているが、凹面鏡、時には凸面鏡を用いることもでき、特に限定されない。
【0034】
YAGロッド7で励起された励起光は出力ミラー11とリアミラー9との間で共振されて定在波が生じ、この定在波が出力ミラー11を透過してレーザ出力される。
【0035】
出力ミラー11のレーザビームLBの光路の前方には開閉自在なシャッタ15が設けられており、このシャッタ15は、安全のため、レーザ出力を緊急閉じる必要が生じたときのために設けられた装置である。なお、シャッタ15は図1に示されているように開閉駆動されるようにシャッタ開閉装置を介して電源制御部17に電気的に接続されている。
【0036】
さらに、レーザビームLBの光路のシャッタ15の前方には集光レンズ19が設けられており、この集光レンズ19により集光されたレーザビームLBが光ファイバ21の端面に入射される。
【0037】
図1を参照するに、電源制御部17としては、シャッタ開指令および出力条件指令を入力する入力装置から入力されたデータを記憶するメモリ23が設けられており、このメモリ23には詳しくは後述する電力スレッシュホールド点が予め求められて記憶される。
【0038】
また、上記の電源制御部17には、出力条件指令を基に励起ランプ5に印加する印加電力を計算する印加電力演算処理部25と、この印加電力演算処理部25で計算された印加電力を基にYAGロッド7で発生する熱レンズ効果の程度を計算で予測する熱レンズ効果演算処理部27と、指令されている印加電力と現状の熱レンズ効果の状態とから後述する熱レンズスレッシュホールド点あるいは電力スレッシュホールド点と比較判断して電力出力の良否判定を行う出力良否判定部29と、この出力良否判定部29の判定に基づいてレーザ電源3に指令を与える出力制御部31とシャッタ15の開閉制御を行うシャッタ開閉指令部33が設けられている。
【0039】
なお、上記の印加電力演算処理部25では、任意の熱レンズ効果に対応する光ファイバ21の入射端面を破損しない最大許容印加電力も計算できるものである。
【0040】
また、上記の電源制御部17には、出力指令が違反されたときに、オペレータに通報する警報装置としての例えばアラーム35が電気的に接続されている。
【0041】
上記構成における作用を説明すると、図1を参照するに、外部からは入力装置によりシャッタ開指令および出力条件指令が電源制御部17に入力される。上記の出力条件はレーザビームLBの出力にほぼ比例するもので、レーザビームLBの強さ(波形の高さ)、幅、周波数、デューティなどである。
【0042】
この出力指令を基に励起ランプ5に印加する印加電力(つまり、YAGレーザではYAGロッド7に印加するパワー)が印加電力演算処理部25により計算で求められる。
【0043】
さらに、上記計算で求められた印加電力に基づいてYAGロッド7で発生している熱レンズ効果が熱レンズ効果演算処理部27により計算で予測される。つまり、熱レンズ効果の程度は図2に示されているように通常、印加電力に対して“一次おくれ要素”で表されるので計算できる。
【0044】
次に、出力良否判定部29により、指令されている印加電力と現状の熱レンズ効果の状態とから電力出力の良否判定が行われ、この判定に基づいて出力制御部31によりレーザ電源3に対する出力指令制御が行われる。あるいは、シャッタ開閉指令部33によりシャッタ15の開閉の制御が行われる。また、出力指令が違反の場合はシャッタ15が閉じられると共に警報装置としての例えばアラーム35に通報される。
【0045】
上記の出力良否判定部29における電力出力の良否判定が行われる方法について詳しく説明する。
【0046】
図2を参照するに、熱レンズ効果の程度はYAGロッド7に蓄熱される熱の影響で発生するもので、励起ランプ5に印加電力が投入されると徐々にYAGロッド7が暖められるためにゆっくりと安定してくるので、熱レンズ効果の程度は通常、印加電力に対して“一次おくれ要素”で表される。
【0047】
また、光ファイバ21の端面に照射されるレーザビームLBのビームスポット径は、熱レンズ効果の程度が大きいほど大きくなる。一方、光ファイバ21の端面には許容できるレーザパワー密度が規定されており、この規定以上のレーザパワー密度のレーザビームLBが光ファイバ21の端面に照射されると、光ファイバ21の端面が破損(焼け)することになる。
【0048】
したがって、熱レンズ効果の程度と光ファイバ21に入射できる最大許容レーザパワーは一対一で互いに対応する関係にある。つまり、熱レンズ効果の程度が小さいときには最大許容レーザパワーも小さくなり、熱レンズ効果の程度が大きいときには最大許容レーザパワーも大きくなる。
【0049】
ところが、熱レンズ効果の程度が小さいときに最大許容レーザパワーを超える印加電力が投入されると、規定以上のレーザパワー密度のレーザビームLBが光ファイバ21の端面に照射されることになるので、逆に言えば、ある大きさの印加電力が投入されるときには、この印加電力に対応する熱レンズ効果の程度が最低限必要な大きさにあれば光ファイバ21の端面が破損しないことになる。この最低限必要な大きさの熱レンズ効果の程度を“熱レンズスレッシュホールド点”という。
【0050】
図2および図3において、熱レンズスレッシュホールド点としてはレーザ電源3の最大定格出力の印加電力に対応するように求められたものである。つまり、レーザ電源3から最大定格出力の印加電力がYAGロッド7に印加されたときに発振されたレーザパワーが光ファイバ21に入射されたときに最低限必要な熱レンズ効果の程度を熱レンズスレッシュホールド点としている。
【0051】
この熱レンズスレッシュホールド点を単純に決定しておくことにより、熱レンズ効果の程度が上記の熱レンズスレッシュホールド点以上であるという条件下であれば、上記のレーザ電源3から投入される印加電力によってレーザビームLBのレーザパワー密度が規定以上になることはないので、いかなるレーザパワーが光ファイバ21に入射されても光ファイバ21の破損は起きないことになる。
【0052】
図3を参照するに、上記のことを踏まえて、印加電力が投入されてから熱レンズ効果の程度が熱レンズスレッシュホールド点以上になるまではシャッタ15を開けることはできない。したがって、例えば入力装置により、外部からシャッタ開指令が指令されたとしても電源制御部17の出力良否判定部29からの指令を受けてシャッタ開閉指令部33からは実際にシャッタ15を開けないように制御する指令が与えられる。したがって、図3において熱レンズ効果の程度が熱レンズスレッシュホールド点を超えたときにシャッタ15が開けられる。
【0053】
その後、熱レンズ効果の程度が熱レンズスレッシュホールド点を上回っているときには、出力条件としてレーザ電源3から励起ランプ5に対していかなる印加電力を投入されるように指令が与えられても、この出力条件指令は電源制御部17では許可されることとなる。
【0054】
また、出力条件指令に基づく印加電力と熱レンズ効果の程度は、図3に示されているように一対一で対応するので、印加電力が長時間出力されると熱レンズスレッシュホールド点を下回ってしまう印加電力の指令下限値が存在する。このように熱レンズスレッシュホールド点と一対一で対応する印加電力は、図3の印加電力のグラフに示されているように“電力スレッシュホールド点”とする。
【0055】
また、現在、入力されている印加電力の出力指令に基づいて熱レンズ効果演算処理部27により予測計算された熱レンズ効果の程度が熱レンズスレッシュホールド点を下回った場合は、印加電力もそのまま下回った状態である限りはレーザパワー密度が規定以上になることはない。
【0056】
しかし、出力指令により印加電力が上げられたために再び熱レンズ効果の程度が熱レンズスレッシュホールド点を超えるときには印加電力が、小さいビームスポット径に対する許容印加電力を超えることになるので光ファイバ21の端面に照射されるレーザビームLBのレーザパワー密度が規定以上となり光ファイバ21が破損することになる。
【0057】
したがって、熱レンズ効果の程度が熱レンズスレッシュホールド点より下回った状態から再び上昇して熱レンズスレッシュホールド点を超える場合の熱レンズ効果の程度の上限レベルが存在する。つまり、図3の印加電力のグラフに示されているように印加電力の指令上限値が存在する。
【0058】
そこで、予測される熱レンズ効果の程度が熱レンズスレッシュホールド点を下回るとき、もしくは印加電力の出力指令が電力スレッシュホールド点以下であるときには、レーザ電源3が次のいずれかの方法により制御されることとする。
【0059】
なお、出力条件指令による印加電力と熱レンズ効果の程度は一対一で対応するので、熱レンズ効果の程度は前述したように現状入力されている印加電力の出力指令に対して熱レンズ効果演算処理部27により計算して予測することができる。
【0060】
予測される熱レンズ効果の程度が下限レベルを通過する場合の電力制御方法について説明する。
【0061】
現在、入力されている印加電力の出力指令に対して、熱レンズ効果演算処理部27により予測計算された熱レンズ効果の程度が熱レンズスレッシュホールド点を下回った場合は印加電力の出力指令が電力スレッシュホールド点に戻される。もしくは、現在入力されている印加電力の出力指令が電力スレッシュホールド点以下の場合は、実際の印加電力の出力指令を電力スレッシュホールド点に固定することとする。
【0062】
上記構成により、入力される印加電力の出力指令が光ファイバ21の端面を破損するようなものであったとしても、実際の印加電力の出力指令が自動的に電力スレッシュホールド点に固定されることにより、熱レンズ効果の程度が熱レンズスレッシュホールド点を下回ることが避けられるので、光ファイバ21の端面に照射されるレーザビームLBのレーザパワー密度が規定以上になることはないので、光ファイバ21の破損が防止されることとなる。
【0063】
予測される熱レンズ効果の程度が上限レベルを超える場合の電力制御方法について説明する。
【0064】
現在、入力されている印加電力の出力指令に対して、熱レンズ効果演算処理部27により予測計算された熱レンズ効果の程度が熱レンズスレッシュホールド点を下回った後に、再び印加電力の出力指令に対して計算された予測される熱レンズ効果の程度が熱レンズスレッシュホールド点を上回った場合には、印加電力の出力指令が電力スレッシュホールド点に固定されることとする。あるいは、他の方法としてはアラーム45として外部へ出力すると共にシャッタ15を遮断する指令が与えられる。
【0065】
もしくは、現在入力されている印加電力の出力指令が電力スレッシュホールド点を一旦下回り、規定時間以上経過した後に再び電力スレッシュホールド点を超えようとした場合は、印加電力の出力指令が電力スレッシュホールドに固定されることとする。あるいは、他の方法としてはアラーム35として外部へ出力すると共にシャッタ15を閉じる指令が与えられる。
【0066】
なお、印加電力の出力指令が電力スレッシュホールド点を一旦下回ったとしても、規定時間より少ない時間内に再び電力スレッシュホールド点を上回るのであれば、YAGロッド7が冷却していないために熱レンズ効果の程度が熱レンズスレッシュホールド点を下回る前に再び上昇するので、光ファイバ21の入射端面が破損することはない。
【0067】
以上のことから、外部からの出力指令による印加電力が予め求めた電力スレッシュホールド点を超えるときは、光ファイバ21の端面を破損するような事態が生じる前に、実際の印加電力の出力指令を電力スレッシュホールド点に固定するなどの制限が自動的に加えられたり、シャッタ15でレーザビームLBを遮断することにより、光ファイバ21の端面の焼損が回避される。しかも光ファイバ21のコストを上げることなくレーザパワーを減少、増加でき調整可能となる。
【0068】
なお、この発明は前述した実施の形態に限定されることなく、適宜な変更を行うことによりその他の態様で実施し得るものである。本実施の形態ではレーザ発振器としてYAGレーザ発振器を例にとって説明したがルビーレーザ発振器やガラスレーザ発振器およびその他の固体レーザ発振器であっても構わない。
【0069】
また、他の実施の形態としては、複雑な方法ではあるが、まず、印加電力の出力指令に基づいて、現状の熱レンズ効果の程度を求める。熱レンズ効果に対する最大許容印加電力は一対一で対応するので、現時点の熱レンズ効果の程度に対する最大許容印加電力が印加電力演算処理部35により計算で求められる。入力装置などにより入力された外部からの印加電力の出力指令が、上記の計算で求めた最大許容印加電力よりも大きい場合には、実際にレーザ電源3に与えられる出力指令が上記の計算で求めた最大許容電力に固定されることとする。もしくは、アラーム35としてシャッタ15を遮断することもできる。
【0070】
以上の方法により、実際にレーザ電源3に与えられる出力指令は現時点の熱レンズ効果の程度に対する最大許容印加電力を超えないので、光ファイバ21の端面が焼損されることはない。
【0071】
【発明の効果】
以上のごとき発明の実施の形態の説明から理解されるように、請求項1の発明によれば、レーザロッドに印加される印加電力が予め求めた電力スレッシュホールド点を下側へ超えるときに、印加電力の出力指令に制限を加えたり、シャッタを閉じるので、光ファイバ端面の焼損を回避でき、しかも光ファイバのコストを上げることなくレーザパワーを減少、増加して調整できる。
【0072】
請求項2の発明によれば、印加電力の出力指令が電力スレッシュホールド点を一旦下回ったとしても、規定時間以上経過した後に再び電力スレッシュホールド点を上側へ超えようとした場合は、印加電力の出力指令を電力スレッシュホールド点に固定したり、あるいはアラームとして外部へ出力されてシャッタを閉じるので、光ファイバ端面の焼損を回避でき、しかも光ファイバのコストを上げることなくレーザパワーを減少、増加して調整できる。
【0073】
請求項3の発明によれば、現時点の熱レンズ効果の程度に対応する最大許容印加電力を計算で求め、実際にレーザ電源に与えられる出力指令を前記最大許容印加電力を超えないように制限するので、光ファイバ端面の焼損を回避でき、しかも光ファイバのコストを上げることなくレーザパワーを減少、増加して調整できる。
【0074】
請求項4の発明によれば、請求項1記載の効果と同様であり、レーザロッドに印加される印加電力が予め求めた電力スレッシュホールド点を下側へ超えるときに、印加電力の出力指令に制限を加えたり、シャッタを閉じるので、光ファイバ端面の焼損を回避でき、しかも光ファイバのコストを上げることなくレーザパワーを減少、増加して調整できる。
【0075】
請求項5の発明によれば、請求項2記載の効果と同様であり、印加電力の出力指令が電力スレッシュホールド点を一旦下回ったとしても、規定時間以上経過した後に再び電力スレッシュホールド点を上側へ超えようとした場合は、印加電力の出力指令を電力スレッシュホールド点に固定したり、あるいはアラームとして外部へ出力されてシャッタを閉じるので、光ファイバ端面の焼損を回避でき、しかも光ファイバのコストを上げることなくレーザパワーを減少、増加して調整できる。
【0076】
請求項6の発明によれば、請求項3記載の効果と同様であり、現時点の熱レンズ効果の程度に対応する最大許容印加電力を計算で求め、実際にレーザ電源に与えられる出力指令を前記最大許容印加電力を超えないように制限するので、光ファイバ端面の焼損を回避でき、しかも光ファイバのコストを上げることなくレーザパワーを減少、増加して調整できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すもので、YAGレーザ発振器並びに電源制御方法のフローの概略説明図である。
【図2】本発明の実施の形態を示すもので、印加電力と熱レンズ効果の程度の基本的な関係を示すグラフである。
【図3】本発明の実施の形態を示すもので、種々のケースを含む印加電力と熱レンズ効果の程度の関係を示すグラフ図である。
【図4】従来における印加電力と熱レンズ効果の程度の基本的な関係を示すグラフである。
【図5】レーザビームのパワーに対する光ファイバに入射されたビームウェストの状態を示すもので、(A)はレーザビームのパワーが小であるとき、(B)はレーザビームのパワーが大であるときの概略説明図である。
【符号の説明】
1 YAGレーザ発振器(固体レーザ発振器)
3 レーザ電源
5 励起ランプ
7 YAGロッド(レーザロッド)
13 光共振器
15 シャッタ
17 電源制御部
21 光ファイバ
23 メモリ
25 印加電力演算処理部
27 熱レンズ効果演算処理部
29 出力良否判定部
35 アラーム(警報装置)

Claims (6)

  1. レーザ電源からの印加電圧により励起光を照射する励起ランプと、この励起ランプからの励起光を吸収してレーザ発振するレーザロッドと、前記レーザロッドの一端面に対向するリアミラーと前記レーザロッドの他端面に対向する出力ミラーとを備えた光共振器と、上記光共振器から発振されたレーザビームを集光して光ファイバの端面に入射する集光レンズと、前記出力ミラーと集光レンズとの間に備えた開閉自在なシャッタとを備えた構成の固体レーザ発振器の電源制御方法であって、前記光ファイバの端面に照射されるレーザビームのビームスポット径は、前記レーザロッドに蓄熱される熱の影響で発生する熱レンズ効果の程度が大きい程大きくなることを利用し、前記レーザロッドにレーザ電源の最大印加電力を印加してもレーザビームが光ファイバの入射端面を破損しない熱レンズ効果の状態を保持する電力スレッシュホールド点の印加電力を予め求め、前記光ファイバに入射されるレーザビームを開閉自在な前記シャッタを開けた状態においてレーザ電源による印加電力を変更する際に、この印加電力が前記電力スレッシュホールド点を下側へ超えるとき、前記印加電力の出力指令を前記電力スレッシュホールド点に固定するか、又は警報装置に通報して前記シャッタを閉じることを特徴とする固体レーザ発振器の電源制御方法。
  2. レーザ電源からの印加電圧により励起光を照射する励起ランプと、この励起ランプからの励起光を吸収してレーザ発振するレーザロッドと、前記レーザロッドの一端面に対向するリアミラーと前記レーザロッドの他端面に対向する出力ミラーとを備えた光共振器と、上記光共振器から発振されたレーザビームを集光して光ファイバの端面に入射する集光レンズと、前記出力ミラーと集光レンズとの間に備えた開閉自在なシャッタとを備えた構成の固体レーザ発振器の電源制御方法であって、前記光ファイバの端面に照射されるレーザビームのビームスポット径は、前記レーザロッドに蓄熱される熱の影響で発生する熱レンズ効果の程度が大きい程大きくなることを利用し、前記レーザロッドにレーザ電源の最大印加電力を印加してもレーザビームが光ファイバの入射端面を破損しない熱レンズ効果の状態を保持する電力スレッシュホールド点の印加電力を予め求め、前記光ファイバに入射されるレーザビームを開閉自在な前記シャッタを開けた状態においてレーザ電源による印加電力を変更する際に、この印加電力が前記電力スレッシュホールド点を一旦下回った後に、規定時間以上経過後再び前記電力スレッシュホールド点を上側へ超える印加電力の出力指令が与えられたときは、この出力指令を前記電力スレッシュホールド点に固定するか、又は警報装置に通報して前記シャッタを閉じることを特徴とする固体レーザ発振器の電源制御方法。
  3. レーザ電源からの印加電圧により励起光を照射する励起ランプと、この励起ランプからの励起光を吸収してレーザ発振するレーザロッドと、前記レーザロッドの一端面に対向するリアミラーと前記レーザロッドの他端面に対向する出力ミラーとを備えた光共振器と、上記光共振器から発振されたレーザビームを集光して光ファイバの端面に入射する集光レンズと、前記出力ミラーと集光レンズとの間に備えた開閉自在なシャッタとを備えた構成の固体レーザ発振器の電源制御方法であって、前記光ファイバの端面に照射されるレーザビームのビームスポット径は、前記レーザロッドに蓄熱される熱の影響で発生する熱レンズ効果の程度が大きい程大きくなることを利用し、前記レーザロッドに与えられる印加電力の出力指令に基づいて現時点の熱レンズ効果の程度と、この現時点の熱レンズ効果に対応する光ファイバの入射端面を破損しない最大許容印加電力とを計算で求め、前記固体レーザ発振器から光ファイバに入射されるレーザビームを開閉自在な前記シャッタを開けた状態においてレーザ電源による印加電力を変更する際に、上記の計算で求めた最大許容印加電力よりも大きな印加電力の出力指令が与えられた場合は、実際の出力指令を上記の計算で求めた最大許容印加電力に固定するか、又は、アラームとして前記シャッタを閉じることを特徴とする固体レーザ発振器の電源制御方法。
  4. レーザ電源からの印加電力により励起光を照射する励起ランプと、この励起ランプからの励起光を吸収してレーザ発振するレーザロッドと、前記レーザロッドの一端面に対向するリアミラーと前記レーザロッドの他端面に対向する出力ミラーとを備えた光共振器と、上記光共振器から発振されたレーザビームを集光して光ファイバの端面に入射する集光レンズと、前記出力ミラーと集光レンズとの間に備えた開閉自在なシャッタとを備えた構成の固体レーザ発振器の電源制御装置であって、前記光ファイバの端面に照射されるレーザビームのビームスポット径は、前記レーザロッドに蓄熱される熱の影響で発生する熱レンズ効果の程度が大きいほど大きくなることを利用するために、前記レーザ電源へ印加する電力を制御する電源制御部は、前記レーザロッドにレーザ電源の最大印加電力を印加してもレーザビームが光ファイバの入射端面を破損しない熱レンズ効果の状態を保持する電力スレッシュホールド点の印加電力を予め記憶するメモリと、レーザビームの出力指令に基づいてレーザロッドに印加する印加電力を計算する印加電力演算処理部と、この印加電力演算処理部で計算された印加電力に基づいてレーザロッドで発生する熱レンズ効果を予測計算する熱レンズ効果演算処理部と、前記シャッタを開けた状態において印加電力を変更する際に、この印加電力が前記電力スレッシュホールド点を下側へ超えるとき、前記印加電力の出力指令を前記電力スレッシュホールド点に固定するか、又は警報装置に通報して前記シャッタを閉じる指令を与える出力良否判定部と、を備えていることを特徴とする固体レーザ発振器の電源制御装置。
  5. レーザ電源からの印加電力により励起光を照射する励起ランプと、この励起ランプからの励起光を吸収してレーザ発振するレーザロッドと、前記レーザロッドの一端面に対向するリアミラーと前記レーザロッドの他端面に対向する出力ミラーとを備えた光共振器と、上記光共振器から発振されたレーザビームを集光して光ファイバの端面に入射する集光レンズと、前記出力ミラーと集光レンズとの間に備えた開閉自在なシャッタとを備えた構成の固体レーザ発振器の電源制御装置であって、前記光ファイバの端面に照射されるレーザビームのビームスポット径は、前記レーザロッドに蓄熱される熱の影響で発生する熱レンズ効果の程度が大きいほど大きくなることを利用するために、前記レーザ電源へ印加する電力を制御する電源制御部は、前記レーザロッドにレーザ電源の最大印加電力を印加してもレーザビームが光ファイバの入射端面を破損しない熱レンズ効果の状態を保持する電力スレッシュホールド点の印加電力を予め記憶するメモリと、レーザビームの出力指令に基づいてレーザロッドに印加する印加電力を計算する印加電力演算処理部と、この印加電力演算処理部で計算された印加電力に基づいてレーザロッドで発生する熱レンズ効果を予測計算する熱レンズ効果演算処理部と、前記シャッタを開けた状態において印加電力を変更する際に、この印加電力が前記電力スレッシュホールド点を一旦下回った後に、規定時間以上経過後再び前記電力スレッシュホールド点を上側へ超える印加電力の出力指令が与えられたときは、この出力指令を前記電力スレッシュホールド点に固定するか、又は警報装置に通報して前記シャッタを遮断する指令を与える出力良否判定部と、を備えていることを特徴とする固体レーザ発振器の電源制御装置。
  6. レーザ電源からの印加電力により励起光を照射する励起ランプと、この励起ランプからの励起光を吸収してレーザ発振するレーザロッドと、前記レーザロッドの一端面に対向するリアミラーと前記レーザロッドの他端面に対向する出力ミラーとを備えた光共振器と、上記光共振器から発振されたレーザビームを集光して光ファイバの端面に入射する集光レンズと、前記出力ミラーと集光レンズとの間に備えた開閉自在なシャッタとを備えた構成の固体レーザ発振器の電源制御装置であって、前記光ファイバの端面に照射されるレーザビームのビームスポット径は、前記レーザロッドに蓄熱される熱の影響で発生する熱レンズ効果の程度が大きいほど大きくなることを利用するために、前記レーザ電源へ印加する電力を制御する電源制御部は、固体レーザ発振器から発振されるレーザビームの出力指令に基づいてレーザロッドに印加する印加電力を計算すると共に任意の熱レンズ効果に対応して光ファイバの入射端面を破損しない最大許容印加電力を計算する印加電力演算処理部と、この印加電力演算処理部で計算された印加電力に基づいて現状の熱レンズ効果を計算する熱レンズ効果演算処理部と、前記シャッタを開放した状態において印加電力を変更する際に、現時点の熱レンズ効果に対する最大許容印加電力よりも大きな印加電力の出力指令が与えられた場合は、実際の出力指令を前記最大許容印加電力に固定するか、又は、アラームとしてシャッタを遮断する指令を与える出力良否判定部と、を備えていることを特徴とする固体レーザ発振器の電源制御装置。
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