JP4413169B2 - 農作業車の走行用伝動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、高速伝動状態と低速伝動状態に切り換え自在な走行用副変速機構を備えた農作業車の走行用伝動装置に関する。
上記の走行用伝動装置としては、従来、たとえば特許文献1,2に示されるものがあった。
特許文献1に示されるものでは、静油圧式無段変速装置8からギヤG1,G2、第1軸10、ギヤG3,G4を介して動力伝達される第2軸12に遊嵌装着された小、中、大径ギヤG5,G6,G7を備え、小径ギヤG5の横側で第2軸12に一体回転及びシフト操作自在に外嵌されたシフトスリーブS1を備え、中径ギヤG6と大径ギヤG7の間で第2軸12にスプラインカラー17を介して一体回転及びシフト操作自在に外嵌されたシフトスリーブS2備え、小、中、大径ギヤG5,G6,G7に各別に噛合ったギヤG8,G9,G10が固着された第3軸13を備え、シフトスリーブS1がギヤG5のボス部と第2軸12に亘って咬合されることにより、第2軸12の動力がシフトスリーブS1、ギヤG5,G8を介して第3軸13に低速で伝達され、シフトスリーブS2がスプラインカラー17とギヤG7のボス部に亘って咬合されることにより、第2軸12の動力がスプラインカラー17、シフトスリーブS2、ギヤG7,G10を介して第3軸14に高速で伝達されるように、副変速機構11を構成されている。
特許文献2に示されるものでは、第1軸S1からギヤ14,15を介して動力伝達される第2軸S2と、この第2軸S2に装着の高速伝動ギヤ17Hとの間に設けた高速クラッ16Hを備え、前記第2軸S2と、この第2軸S2に装着の低速伝動ギヤ17Lとの間に設けた低速クラッチ16Lを備え、高速クラッチ16Hが入り作動されることにより、高速伝動ギヤ17Hから高速受動ギヤ18Hに高速回転を出力し、低速クラッチ16Lが入り作動されることにより、低速伝動ギヤ17Lから低速受動ギヤ18Lに低速回転を出力するように、第1副変速機構9を構成されている。
特開2004−237981号公報(段落〔0031〕−〔0034〕、図2、図7−10)
特開2002−106689号公報(段落〔0017〕、〔0018〕、図2)
農作業車における走行用副変速機構として、特許文献1に示された副変速機構の如くシフトギヤの噛合いによって高速伝動が現出されるものを採用した場合、次の如き問題が発生しやすくなっていた。
たとえばコンバインでは、穀粒回収部が満杯になると、穀粒タンクから脱穀粒を排出するように、あるいは満杯袋を降ろすように収穫作業を中断して移動走行される。このとき、機体走行を停止させないで副変速機構を高速伝動状態に切り換えようとすると、副変速機構がそれまでは作業走行のために低速伝動状態に操作されていることから、シフトギヤと所定の噛合い対象ギヤが低速の相対回転状態で噛合うように操作されることになり、実際問題としてはシフトギヤと噛合い対象ギヤが極めて噛合いにくくなる。この結果、シフトギヤと噛合い対象ギヤが噛合いやすくなるように、機体走行を停止させて副変速操作する必要があった。
また、特許文献2に示された副変速機構を採用した場合、高速伝動状態も低速伝動状態も摩擦クラッチによって現出されるように一対の摩擦クラッチを備える必要があることから、構造面で不利になっていた。
本発明の目的は、高速と低速のいずれの伝動状態に副変速されても、効率よく動力伝達されるものでありながら、機体走行を停止させることなく副変速することができ、しかも構造簡単に得ることができる農作業車の走行用伝動装置を提供することにある。
本第1発明にあっては、高速伝動状態と低速伝動状態に切り換え自在な走行用副変速機構を備えた農作業車の走行用伝動装置において、
前記走行用副変速機構を、シフトギヤが伝動ギヤに噛合い操作されることによって低速伝動状態を現出し、前記シフトギヤが前記伝動ギヤから離脱操作されることによって低速伝動を解除する低速伝動部と、摩擦クラッチが入り状態に操作されることによって高速伝動状態を現出し、前記摩擦クラッチが切り状態に操作されることによって高速伝動を解除する高速伝動部とを備えて構成し
前記低速伝動部の前記シフトギヤを前記伝動ギヤに対して係脱操作する低速側油圧ピストンを設け、前記高速伝動部の前記摩擦クラッチを入り切り操作する高速側油圧ピストンを設け、
前記低速側油圧ピストンが変速バルブからの油圧供給によってシフトギヤの離脱操作側に操作されるように、前記低速側油圧ピストンの操作油室と前記変速バルブを接続しているメイン操作油路、及び、前記高速側油圧ピストンが前記低速側油圧ピストンの前記操作油室からの油圧供給によって摩擦クラッチの入り操作側に操作されるように、前記高速側油圧ピストンの操作油室を前記低速側油圧ピストンの前記操作油室に連通させるクラッチ操作油路を設け、
前記低速側油圧ピストンが前記シフトギヤを前記伝動ギヤから離脱操作した後に前記高速側油圧ピストンが前記摩擦クラッチを入り状態に切り換え操作するように、前記クラッチ操作油路の開口を前記低速側油圧ピストンの操作油室の壁面のうちの前記低速側油圧ピストンの周面が移動する部位に設け、かつ前記クラッチ操作油路の前記開口が前記低速側油圧ピストンの周面によって開閉操作されるように構成してある。
すなわち、シフトギヤが伝動ギヤから離脱操作され、摩擦クラッチが入り状態に操作されると、低速伝動部が伝動を解除するとともに高速伝動部が伝動作動して副変速機構が高速伝動状態になり、摩擦クラッチが切り状態に操作され、シフトギヤが伝動ギヤに噛合い操作されると、高速伝動部が伝動を解除するとともに低速伝動部が伝動作動して副変速機構が低速伝動状態になるものであるから、高速伝動状態に副変速するに当たり、副変速機構が低速伝動状態になっていることによって車体が低速走行していて伝動部材が低回転速度の回転状態にあっても、かつ、伝動部材が如何なる回転位相にあっても、摩擦クラッチがスムーズに入り状態に切り換わって変速することができる。また、低速伝動状態に副変速するに当たり、副変速機構が高速伝動状態になっていることによって車体が高速走行していても、シフトギヤが伝動ギヤとは高速で相対回転しながら噛合い操作されることになり、シフトギヤと伝動ギヤがスムーズに噛合って変速することができる。
低速側油圧ピストンに対する操作油圧の供給や排出が行われると、低速側油圧ピストンがシフトギヤを伝動ギヤに対して係脱操作して、低速伝動部が伝動したり伝動解除したりする。高速側油圧ピストンに対する操作油圧の供給や排出が行われると、高速側油圧ピストンが摩擦クラッチを入り切り操作して、高速伝動部が伝動したり伝動解除したりする。これにより、低速側油圧ピストン及び高速側油圧ピストンに対する操作油圧の供給と排出の切り換え操作を行うことにより、副変速機構が低速伝動状態と高速伝動状態に変速操作することができる。
変速バルブを切り換え操作すると、変速バルブからの操作油圧がメイン操作油路によって低速側油圧ピストンの操作油室に供給され、低速側油圧ピストンが操作油圧によって操作されてシフトギヤを伝動ギヤから離脱操作して低速伝動部を伝動解除状態に操作する。シフトギヤが伝動ギヤから離脱すると、低速側油圧ピストンがクラッチ操作油路を低速側油圧ピストンの操作油室に開き操作し、この操作油室の操作油圧がクラッチ操作油路によって高速側油圧ピストンの操作油室に供給され、高速側油圧ピストンが操作油圧によって操作されて摩擦クラッチを入り状態に切り換え操作して高速伝動部を伝動状態に切り換え操作する。
これにより、変速バルブを切り換え操作すれば、先ずシフトギヤが伝動ギヤから離脱操作されて低速伝動部が伝動を解除し、この後、操作油圧による低速側油圧ピストンの操作のためにクラッチ操作油路が低速側油圧ピストンの操作油室に開き操作されて高速側油圧ピストンの操作油室に操作油圧が供給され、摩擦クラッチが入り状態になって高速伝動部が伝動状態に切り換わり、副変速機構が低速伝動状態から高速伝動状態に切り換わる。
従って、本第1発明によると、副変速機構が低速伝動状態に変速されると、シフトギヤと伝動ギヤの噛合いによって伝動ロスが少ない状態で動力伝達され、高速伝動状態に変速されると、摩擦クラッチによって伝動ロスが少ない状態で動力伝達されるのであり、高、低速のいずれの伝動状態に副変速されても効率よく動力伝達されるものでありながら、たとえばコンバインにおいて、収穫作業に伴って穀粒回収部が満杯になると、車体走行を停止させずに低速から高速の伝動状態に副変速して畦際などに迅速に走行して脱穀粒を降ろし、この後に作業中断箇所に戻るに伴って車体走行を停止させずに高速から低速の伝動状態に副変速して収穫作業を再開するなど、車体走行をさせながら低速から高速の伝動状態にも、高速から低速の伝動状態にも副変速して能率よく作業を行うことができる。
しかも、低速伝動部にはシフトギヤと伝動ギヤの噛合いを採用し、低速伝動部と高速伝動部のうちの高速伝動部の方に摩擦クラッチを採用した構造簡単なものになり、経済面などで有利に得ることができる。
本第1発明によると、低速側油圧ピストン及び高速側油圧ピストンに対する操作油圧の供給と排出の切り換え操作を行うだけの軽い操作によって副変速を行うことができる。
本第1発明によると、一つの変速バルブによって低速側油圧ピストン及び高速側油圧ピストンを操作するものでありながら、低速伝動部と高速伝動部が共に伝動状態になる事態が発生しないように低速伝動部の切り換えタイミングと高速伝動部の切り換えタイミングに差を持たせて低速伝動部及び高速伝動部を切り換え操作させて低速伝動状態から高速伝動状態に副変速することができる。しかも、低速側油圧ピストンを切り換えタイミングの差を現出する手段に利用して構造面や経済面で有利に得ることができる。
本第2発明にあっては、本第1発明の構成において、前記低速伝動部の前記シフトギヤが前記伝動ギヤから離脱操作されて前記シフトギヤと前記伝動ギヤとの隙間が発生した後に前記クラッチ操作油路の前記開口が前記低速側油圧ピストンの周面によって開き操作されるように構成してある。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、左右一対のクローラ式走行装置1A,1Bによって自走するように構成し、かつ、運転座席2が装備された運転部を備えた自走車体の車体フレーム4の前部に、刈取り前処理部5の前処理部フレーム5aの基部を回動自在に連結するとともに、前処理部フレーム5aに昇降シリンダ6を連動させ、前記車体フレーム4の後部に脱穀装置7及び穀粒タンク8を設けて、コンバインを構成してある。
このコンバインは、稲、麦などを収穫するものであり、昇降シリンダ6を伸縮操作すると、この昇降シリンダ6が前処理部フレーム5aを車体フレーム4に対して上下に揺動操作することにより、刈取り前処理部5を引起し装置5bの下端部が地面上近くに位置した下降作業状態と、引起し装置5bが地面上から高く上昇した上昇非作業状態とに昇降操作する。刈取り前処理部5を下降作業状態にして自走車体を走行させると、刈取り前処理部5は、自走機体横方向に並ぶ複数の前記引起し装置5bによって植立穀稈を引起し処理し、各引起し装置5bが引起し処理する植立穀稈の株元側をバリカン形の刈取り装置5cによって刈取り処理し、刈取り装置5cからの刈取り穀稈を供給装置5dによって機体後方向きに搬送して脱穀装置7の脱穀フィードチェーン7aの始端部に供給する。脱穀装置7は、脱穀フィードチェーン7aによって刈取り穀稈の株元側を挟持して自走車体後方向きに搬送しながら刈取り穀稈の穂先側を扱室(図示せず)に供給して脱穀処理する。穀粒タンク8は、脱穀装置7からの脱穀粒を回収して貯留していく。
自走車体の運転座席2の下方にエンジン3を設け、このエンジン3の駆動力を、自走車体の前部に設けたミッションケース9を有した走行用伝動装置を介して左右の走行装置1A,1Bに伝達するように構成してある。走行用伝動装置は、図2に示す如く構成してある。
すなわち、エンジン3の出力軸3aの駆動力が伝動ベルト利用の伝動機構10を介して前記ミッションケース9の上部に位置する走行用主変速装置11の入力軸11aに伝達され、この走行用主変速装置11の出力軸11bからの出力が走行用副変速機構20の入力ギヤ21に伝達され、この走行用副変速機構20の出力が左操向クラッチ30a及び右操向クラッチ30bに伝達され、左操向クラッチ30aの出力ギヤ31aからの出力が、この出力ギヤ31aに噛合った伝動ギヤ41などを備えた左走行伝動機構40を介して左側の走行装置1Aのクローラ駆動軸1aに伝達され、前記右操向クラッチ30bの出力ギ31bからの出力が、この出力ギヤ31bに噛合った伝動ギヤ51などを備えた右走行伝動機構50を介して右側の走行装置1Bのクローラ駆動軸1bに伝達されるように構成し、かつ、前記左操向クラッチ30a及び前記右操向クラッチ30bの支軸に兼用の回転軸12の一端側に設けた緩旋回クラッチ60及び旋回ブレーキ61、前記回転軸12の他端側に設けたシフタ71を有した旋回伝動機構70、前記左走行伝動機構40の回転伝動軸42と、前記右走行伝動機構50の前記伝動ギヤ51との間に設けた補助クラッチ62を備えて構成してある。
尚、前記走行用主変速装置11の前記入力軸11aにギヤ機構13及び刈取り変速機構14を介して連動された前処理出力軸15は、刈取り前処理部5に動力伝達するものである。
前記左走行伝動機構40は、左操向クラッチ30aの出力ギヤ31aに噛合った前記伝動ギヤ41、この伝動ギヤ41が一端側にスプライン構造によって一体回転自在に連結している前記回転軸42、この回転軸42の他端側にスプライン構造によって一体回転自在に連結している伝動ギヤ43、この伝動ギヤ43に噛合った状態でクローラ駆動軸1aにスプライン構造によって一体回転自在に連結している伝動ギヤ44を備えて構成してある。
前記右走行伝動機構50は、右操向クラッチ30bの出力ギヤ31bに噛合った状態で前記回転軸42に相対回転自在に支持されている前記伝動ギヤ51、この伝動ギヤ51のボス部に一体形成した伝動ギヤ52、この伝動ギヤ52に噛合った状態でクローラ駆動軸1bにスプラン構造によって一体回転自在に連結している伝動ギヤ53を備えて構成してある。
前記走行用主変速装置11は、前記入力軸11aをポンプ軸として有したアキシャルプランジャ形の可変容量形油圧ポンプP、及び、前記出力軸11bをモータ軸として有したアキシャルプランジャ形の油圧モータMを備えて構成してある。
すなわち、走行用主変速装置11は、油圧ポンプPの斜板角の変更操作によって前進側と後進側の伝動状態に切り換わるとともに前進側と後進側のいずれの伝動状態においても出力軸11bの回転速度を無段階に変速するように、かつ、前進側と後進側の伝動状態の間で中立状態になって出力軸11bからの出力を停止するように静油圧式無段変速装置になっている。
図3に明示するように、前記走行用副変速機構20は、前記走行用主変速装置11の前記出力軸11bのギヤ部にかみ合った前記入力ギヤ21、この入力ギヤ21が一端部にスプライン構造によって一体回転自在に連結している回転軸22、前記入力ギヤ21の近くで前記回転軸22に支持されたシフトギヤ23を有した低速伝動部20L、前記回転軸22の中央部に設けた摩擦クラッチ26を有した高速伝動部20Hを備えて構成してある。
図3に示すように、前記低速伝動部20Lは、前記入力ギヤ21の一側面がわに内歯形の歯部を設けた構成した伝動ギヤ24、前記回転軸22と前記入力ギヤ21のボス部に亘って相対回転及び摺動自在に支持された前記シフトギヤ23、このシフトギヤ23に噛合った状態で前記回転軸12に相対回転自在に支持された第1出力ギヤ25を備えて構成してある。
前記シフトギヤ23を前記伝動ギヤ24の方に摺動付勢するように構成して回転軸22に装着された入り付勢ばね23aを低速伝動部20Lに備えてあり、図3の如くシフトギヤ23が入り付勢ばね23aによって摺動操作されて伝動ギヤ24に噛合い操作されると、低速伝動部20Lは、入力ギヤ21によって入力された駆動力を伝動ギヤ24、シフトギヤ23を介して第1出力ギヤ25に伝達するように伝動作動状態になる。図4の如くシフトギヤ23が入り付勢ばね23aに抗して摺動操作されて伝動ギヤ24から離脱操作されると、低速伝動部20Lは、伝動ギヤ24から第1出力ギヤ25に対する伝動を絶つように伝動解除状態になる。
図3に示すように、前記高速伝動部20Hは、前記回転軸22に入力側回転体としてのクラッチボディが一体回転自在に連結された前記摩擦クラッチ26、この摩擦クラッチ26の出力側回転体に一体形成した伝動ギヤ27、この伝動ギヤ27に噛合った状態で前記回転軸12に相対回転自在に支持された第2出力ギヤ28を備えて構成してある。
前記摩擦クラッチ26は、クラッチボディと出力側回転体との間に設けた複数枚の摩擦プレート26aなどを備えた多板式の摩擦クラッチに構成してある。前記摩擦プレート26aなどが加圧操作されることによって摩擦クラッチ26が入り状態に操作され、摩擦クラッチ26が入り状態に操作されると、高速伝動部20Hは、入力ギヤ21によって駆動される回転軸22の駆動力を摩擦クラッチ26、伝動ギヤ27を介して第2出力ギヤ28に伝達するように伝動作動状態になる。そして、前記摩擦プレート26aなどの加圧が解除操作されることによって摩擦クラッチ26が切り状態に操作され、摩擦クラッチ26が切り状態に操作されると、高速伝動部20Hは、回転軸22から第2出力ギヤ28に対する伝動を絶つように伝動解除状態になる。
低速伝動部20Lが伝動作動状態に操作された場合の第1出力ギヤ25の回転速度が、高速伝動部20Hが伝動作動状態に操作された場合の第2出力ギヤ28の回転速度よりも低速になるように、低速伝動部20Lにおけるシフトギヤ23と第1出力ギヤ25の間のギヤ比、高速伝動部20Hにおける伝動ギヤ27と第2出力ギヤ28の間のギヤ比をそれぞれ設定してある。
これにより、走行用副変速機構20は、低速伝動部20Lによって低速伝動状態を現出し、高速伝動部20Hによって高速伝動状態を現出するようになっており、図3に示すように、シフトギヤ23が伝動ギヤ24に噛合い操作され、摩擦クラッチ26が切り状態に操作されることにより、走行用副変速機構20は、入力ギヤ21の駆動力を伝動ギヤ24、シフトギヤ23を介して第1出力ギヤ25に伝達し、第1出力ギヤ25のボス部から前記両操向クラッチ30a,30bのスプラインカラー32に出力するように低速伝動状態になる。そして、図4に示すように、シフトギヤ23が伝動ギヤ24から離脱操作され、摩擦クラッチ26が入り状態に操作されることにより、走行用副変速機構20は、入力ギヤ21の駆動力を回転軸22、摩擦クラッチ26、伝動ギヤ27を介して第2出力ギヤ28に伝達し、第2出力ギヤ28のボス部から前記スプラインカラー32に出力するように高速伝動状態になる。
図3に示すように、前記左操向クラッチ30aは、走行用副変速機構20の前記第1出力ギヤ25のボス部の端部と、前記第2出力ギヤ28のボス部の端部とに亘って一体回転自在に装着された前記スプラインカラー32、走行用副変速機構20の前記第2出力ギヤ28のボス部に相対回転自在に装着された前記出力ギヤ31a、前記スプラインカラー32に一体回転及び摺動自在に装着されたシフタ33を備えて構成してある。前記右操向クラッチ30bは、前記スプラインカラー32、走行用副変速機構20の前記第1出力ギヤ25のボス部に相対回転自在に装着された前記出力ギヤ31b、前記シフタ33を備えて構成してある。
シフタ33は、スプラインカラー32に沿わせて摺動操作されると、スプラインカラー32と出力ギヤ31aのギヤ部34aに亘って係合し、出力ギヤ31bのギヤ部34bから離脱した右旋回位置と、スプラインカラー32、出力ギヤ31bのギヤ部34b、出力ギヤ31bのギヤ部34bに係合した直進位置と、スプラインカラー32と出力ギヤ31bのギヤ部34bに亘って係合し、出力ギヤ31aのギヤ部34aから離脱した左旋回位置とに切り換わるようになっている。
シフタ33が直進位置に操作されると、左操向クラッチ30aも右操向クラッチ30bも、走行用副変速機構20の第1出力ギヤ25や第2出力ギヤ28からスプラインカラー32に伝達された駆動力を、シフタ33を介して出力ギヤ31a,31bに伝達し、この出力ギヤ31a,31bから左走行伝動機構40や右走行伝動機構50を介して左側の走行装置1aや右側の走行装置1bに伝達するように入り状態になる。
シフタ33が左旋回位置に操作されると、左操向クラッチ30aは、スプラインカラー33から出力ギヤ31bに対する伝動を絶って左側の走行装置1Aに対する伝動を絶つように切り状態になり、右操向クラッチ30bは、走行用副変速機構20の第1出力ギヤ25や第2出力ギヤ28からスプラインカラー32に伝達された駆動力を、シフタ33を介して出力ギヤ31bに伝達し、この出力ギヤ31bから右走行伝動機構50を介して右側の走行装置1Bに伝達するように入り状態になる。
シフタ33が右旋回位置に操作されると、右操向クラッチ30bは、スプラインカラー33から出力ギヤ31bに対する伝動を絶って右側の走行装置1Bに対する伝動を絶つように切り状態になり、左操向クラッチ30aは、走行用副変速機構20の第1出力ギヤ25や第2出力ギヤ28からスプラインカラー32に伝達された駆動力を、シフタ33を介して出力ギヤ31aに伝達し、この出力ギヤ31aから左走行伝動機構40を介して左側の走行装置1Aに伝達するように入り状態になる。
図2,3に示すように、前記緩旋回クラッチ60は、走行用副変速機構20の前記第1出力ギヤ25及び前記第2出力ギヤ28を相対回転自在に支持している前記回転軸12の一端側と、走行用副変速機構20の前記第2出力ギヤ28との間に設けてあり、かつ、この緩旋回クラッチ60のクラッチボディ内に設けた油圧ピストン63によって入り状態と切り状態に切り換え操作される多板式の摩擦クラッチに構成してあり、入り状態に操作されることにより、走行用副変速機構20の第2出力ギヤ28と回転軸12を一体回転自在に摩擦連動させて、走行用副変速機構20の第1出力ギヤ25や第2出力ギヤ28からの出力を回転軸12に伝達する。
図2,3に示すように、前記旋回ブレーキ61は、ミッションケース9と前記回転軸12の間に設けてあり、かつ、ミッションケース9のキャップ部内に設けた油圧ピストン64によって入り状態と切り状態に切り換え操作される多板式摩擦ブレーキに構成してあり、入り状態に操作されることにより、回転軸12に摩擦ブレーキを掛ける。
図2,3に示すように、前記旋回伝動機構70は、前記回転軸12の前記緩旋回クラッチ60が位置する側とは反対側の端部に一体回転自在に装着されたカップリング72、このカップリング72の両端側の外周側に相対回転自在に装着された伝動ギヤ73,74、前記カップリング72の前記一対の伝動ギヤ73,74の間に位置するスプライン部75に一体回転及び摺動自在に装着された前記シフタ71、前記一対の伝動ギヤ73,74のうちの左走行伝動ギヤ73に噛合った状態で前記左走行伝動機構40の前記回転軸42に一体回転自在に装着された伝動ギヤ76、前記一対の伝動ギヤ73,74のうちの右走行伝動ギヤ74に噛合った状態で前記右走行伝動機構50の前記伝動ギヤ52のボス部に一体回転自在に装着された伝動ギヤ77を備えて構成してある。
シフタ71は、カップリング72のスプライン部75に沿わせて摺動操作されると、カップリング72のスプライン部75と左走行伝動ギヤ73に亘って係合し、右走行伝動ギヤ74から離脱した左旋回位置と、カップリング72のスプライン部75と右走行伝動ギヤ74に亘って係合し、左走行伝動ギヤ73から離脱した右旋回位置と切り換わるようになっている。
シフタ71が左旋回位置に操作されると、旋回伝動機構70は、走行用副変速機構20から緩旋回クラッチ60を介して回転軸12に伝達された駆動力をカップリング72、シフタ71、左伝動ギヤ73を介して伝動ギヤ76に伝達し、この伝動ギヤ76から前記左走行伝動機構40を介して左側の走行装置1Aのクローラ駆動軸1aに伝達するか、あるいは、旋回ブレーキ61によって回転軸12に付与された摩擦制動をカップリング72、シフタ71、左伝動ギヤ73、伝動ギヤ76、左走行伝動機構40を介して左側の走行装置1Aに付与するように左旋回作用状態になる。
シフタ71が右旋回位置に操作されると、旋回伝動機構70は、走行用副変速機構20から緩旋回クラッチ60を介して回転軸12に伝達された駆動力をカップリング72、シフタ71、右伝動ギヤ74を介して伝動ギヤ77に伝達し、この伝動ギヤ77から前記右走行伝動機構50を介して右側の走行装置1Bのクローラ駆動軸1bに伝達するか、旋回ブレーキ61によって回転軸12に付与された摩擦制動をカップリング72、シフタ71、右伝動ギヤ74、伝動ギヤ77、右走行伝動機構50を介して右側の走行装置1Bに付与するように右旋回作用状態になる。
旋回伝動機構70が左旋回作用状態や右旋回作用状態に切り換え操作されて左側や右側の走行装置1A,1Bが駆動される際の走行装置駆動速度が、左操向クラッチ30aや右操向クラッチ30bが入り状態に操作されて左側や右側の走行装置1A,1Bが駆動される際の走行装置駆動速度よりも低速になるように、操向クラッチ30a,30bの出力ギヤ31a,31bと走行伝動機構40,50の伝動ギヤ41,51の間のギヤ比、旋回伝動機構70の伝動ギヤ73,74と伝動ギヤ76,77の間のギヤ比を設定してある。
図3に示すように、左操向クラッチ30a及び右操向クラッチ30bの前記シフタ33に係合しているシフトフォーク80、及び、旋回伝動機構70の前記シフタ71に係合しているシフトフォーク81を、ミッションケース9に摺動自在に支持された一本の操作軸82に支持させるとともに、この操作軸82の一端側に、直進スプリング83及び操向油圧ピストン84を設けてある。直進スプリング83は、操作軸82を摺動付勢することにより、シフタ33を直進位置に付勢するようになっており、操向油圧ピストン84を操作することにより、この操向油圧ピストン84と直進スプリング83がシフタ33を摺動操作して左操向クラッチ30a及び右操向クラッチ30bを切り換え操作し、この操向クラッチ操作に連動させて、シフタ71を摺動操作して旋回伝動機構70を切り換え操作するようになっている。
図2に示すように、補助クラッチ62は、前記左走行伝動機構40の前記回転軸42と、前記右走行伝動機構50の前記伝動ギヤ51との間に設けてあり、かつ、この補助クラッチ62のクラッチボディ内に設けた油圧ピストン65によって入り状態と切り状態とに切り換わる多板式の摩擦クラッチに構成してあり、入り状態に操作されることにより、回転軸42と伝動ギヤ51を一体回転自在に摩擦連動させて、左側の走行装置1Aのクローラ駆動軸1aと右側の走行装置1Bのクローラ駆動軸1bを一体回転自在に連結する。
つまり、主変速装置11を変速操作することにより、エンジン3からの駆動力が主変速装置11によって前進側と後進側の駆動力に変換して、かつ、前進側においても後進側においても無段階に変速して走行用副変速機構20から左操向クラッチ30a、左走行伝動機構40を介して左側走行装置1Aのクローラ駆動軸1aに、走行用副変速機構20から右操向クラッチ30b、右走行伝動機構50を介して右側走行装置1Bのクローラ駆動軸1bにそれぞれ伝達されて左右の走行装置1A,1Bが前進側や後進側に無段階に変速して駆動され、自走機体が前進側や後進側に走行するとともにその走行速度が無段階に変化する。また、主変速装置11が出力を停止して左右の走行装置1A,1Bの駆動が停止され、自走機体が停止する。
そして、作業走行時など、走行用副変速機構20を低速伝動状態に変速することにより、主変速装置11の出力軸11bからの駆動力が走行用副変速機構20の低速伝動部20Lによって低速状態にして左右の走行装置1A,1Bのクローラ駆動軸1a,1bに伝達され、左右の走行装置1A,1Bを高トルクで駆動しながら走行することができる。移動走行時など、走行用副変速機構20を高速伝動状態に変速することにより、主変速装置11の出力軸11bからの駆動力が走行用副変速機構20の高速伝動部20Hによって高速状態にして左右の走行装置1A,1Bのクローラ駆動軸1a,1bに伝達され、左右の走行装置1A,1Bを高速で駆動しながら走行することができる。
前記操向油圧ピストン84を中立状態に操作することにより、操作軸82が直進スプリング83によって中立位置に操作されてシフタ33を直進位置に操作し、左操向クラッチ30a及び右操向クラッチ30bが入り状態になる。このとき緩旋回クラッチ60、旋回ブレーキ61が切り状態に操作されることにより、走行用副変速機構20からの出力が左操向クラッチ30a、左走行伝動機構40を介して左側走行装置1Aのクローラ駆動軸1aに、走行用副変速機構20からの出力が右操向クラッチ30b、右走行伝動機構50を介して右側走行装置1Bのクローラ駆動軸1bにそれぞれ伝達されて左右の走行装置1A,1Bが同一の駆動速度で駆動され、自走機体が直進走行する。
前記操向油圧ピストン84を左旋回状態に操作することにより、操作軸82が操向油圧ピストン84によって直進スプリング83に抗して摺動操作されてシフタ33を左旋回位置に切り換え操作し、左操向クラッチ30aが切り状態に操作されて左操向クラッチ30aから左側の走行装置1Aに対する伝動が絶たれ、これとともに右操向クラッチ30bが入り状態に操作されて右側の走行装置1Bが右操向クラッチ30bから伝達される駆動力によって駆動される。このとき、操作軸82がシフタ71を左旋回位置に切り換え操作していて、旋回伝動機構70が左旋回作用状態になっている。ところが、緩旋回クラッチ60及び旋回ブレーキ61が切り状態に操作されていると、左側の走行装置1Aが遊転状態になり、自走機体が左側走行装置1Aの遊転と右側走行装置1Bの駆動速度によって決まる旋回半径で左向きに旋回走行する。さらに、このとき、左操向クラッチ30aが切り状態に、右操向クラッチ30bが入り状態に切り換え操作された初期において、補助クラッチ62が入り状態に適切な時間だけ操作されると、右側走行装置1Bのクローラ駆動軸1bの駆動力が補助クラッチ62を介して左側走行装置1Aのクローラ駆動軸1aに伝達されて左側走行装置1Aが駆動され、左操向クラッチ30aの切りのために左側走行装置1Aが急停止して自走機体が急旋回することが回避される。
また、前記操向油圧ピストン84を左旋回状態に操作するとともに緩旋回クラッチ60が入り状態に操作されると、旋回伝動機構70が左旋回作用状態になっていることから、左側の走行装置1Aが緩旋回クラッチ60、回転軸12、旋回伝動機構70を介して伝達される駆動力によって右側の走行装置1Bよりも低速度で駆動され、自走機体が左側走行装置1Aと右側走行装置1Bの駆動速度差によって決まる旋回半径で左向きに旋回走行する。
また、前記操向油圧ピストン84を左旋回状態に操作するとともに旋回ブレーキ61が入り状態に操作されると、旋回伝動機構70が左旋回作用状態になっていることから、左側の走行装置1Aに旋回ブレーキ61による摩擦ブレーキが掛かり、自走機体が小旋回半径で左向きに旋回走行する。
前記操向油圧ピストン84を右旋回状態に操作することにより、操作軸82が操向油圧ピストン84によって直進スプリング83に抗して摺動操作されてシフタ33を右旋回位置に切り換え操作し、右操向クラッチ30bが切り状態に操作されて右操向クラッチ30bから右側の走行装置1Bに対する伝動が絶たれ、これとともに左操向クラッチ30aが入り状態に操作されて左側の走行装置1Aが左操向クラッチ30aから伝達される駆動力によって駆動される。このとき、操作軸82がシフタ71を右旋回位置に切り換え操作していて、旋回伝動機構70が右旋回作用状態になっている。ところが、緩旋回クラッチ60及び旋回ブレーキ61が切り状態に操作されていると、右側の走行装置1Aが遊転状態になり、自走機体が右側走行装置1Aの遊転と左側走行装置1Bの駆動速度によって決まる旋回半径で右向きに旋回走行する。さらに、このとき、右操向クラッチ30aが切り状態に、左操向クラッチ30bが入り状態に切り換え操作された初期において、補助クラッチ62が入り状態に適切な時間だけ操作されると、左側走行装置1Aのクローラ駆動軸1aの駆動力が補助クラッチ62を介して右側走行装置1Bのクローラ駆動軸1bに伝達されて右側走行装置1Bが駆動され、右操向クラッチ30bの切りのために右側走行装置1Bが急停止して自走機体が急旋回することが回避される。
また、前記操向油圧ピストン84を右旋回状態に操作するとともに緩旋回クラッチ60が入り状態に操作されると、旋回伝動機構70が右旋回作用状態になっていることから、右側の走行装置1Bが緩旋回クラッチ60、回転軸12、旋回伝動機構70を介して伝達される駆動力によって左側の走行装置1Aよりも低速度で駆動され、自走機体が右側走行装置1Bと左側走行装置1Aの駆動速度差によって決まる旋回半径で右向きに旋回走行する。
また、前記操向油圧ピストン84を右旋回状態に操作するとともに旋回ブレーキ61が入り状態に操作されると、旋回伝動機構70が右旋回作用状態になっていることから、右側の走行装置1Bに旋回ブレーキ61による摩擦ブレーキが掛かり、自走機体が小旋回半径で右向きに旋回走行する。
図3に示すように、走行用副変速機構20の前記摩擦クラッチ26を、クラッチボディ内に設けた高速側油圧ピストン90と、出力側回転体内に設けた切り付勢ばね91とによって入り切り操作するように構成するとともに、前記高速側油圧ピストン90のための操作油室92をクラッチボディ内に設けてある。走行用副変速機構20の前記シフトギヤ23の前記回転軸22に外嵌しているボス部で成る低速側油圧ピストン93と、回転軸22に装着した前記入り付勢ばね23aとによってシフトギヤ23を摺動操作するように構成するとともに、前記低速側圧ピストン93のための操作油室95を、回転軸22の外周面側にシフトギヤ23のボス部と入力ギヤ21のボス部とによって形成し、前記回転軸22の内部に設けた軸内油路で成るクラッチ操作油路96、前記回転軸22の内部に設けた軸内油路97aなどで成るメイン操作油路97、ミッションケース9の外部に設けた副変速バルブ98などを備えて、走行用副変速機構20のための変速操作装置を構成してある。
前記メイン操作油路97は、前記低速側油圧ピストン93の前記操作油室95に一端側が連通された前記軸内油路97aと、この軸内油路97aの他端側が開口している回転軸端とミッションケース9の間隙Sと、ミッションケース9の外部で前記間隙Sと副変速バルブ98を連通させている配管97bとによって構成してある。
クラッチ操作油路96の高速伝動部20Hの方に位置する開口96aは、高速側油圧ピストン90の位置変化にかかわらず高速側油圧ピストン90の前記操作油室92に対して常に連通している状態に配置してある。クラッチ操作油路96の低速伝動部20Lの方に位置する開口96bは、図5の如く低速側油圧ピストン93がシフトギヤ23を伝動ギヤ24に噛合い操作している操作位置にある場合、前記操作油室95に対して連通しないように低速側油圧ピストン93によって閉じ操作され、図4の如く低速側油圧ピストン93がシフトギヤ23を伝動ギヤ24から離脱操作している操作位置にある場合、前記操作油室95に対して連通するように低速側油圧ピストン93によって開き操作される状態に配置してあり、クラッチ操作油路96は、シフトギヤ23が伝動ギヤ24に噛合い操作されている間、両操作油室92,95の連通を絶っており、シフトギヤ23が伝動ギヤ24から離脱操作された後に両操作油室92,95を連通させるようになっている。
つまり、副変速バルブ98を切り換え操作することにより、低速側油圧ピストン93がシフトギヤ23を操作して低速伝動部20Lを伝動作用状態と伝動解除状態に切り換え操作し、高速側油圧ピストン90が摩擦クラッチ26を操作して高速伝動部20Hを伝動作用状態と伝動解除状態に切り換え操作し、走行用副変速機構20を低速伝動状態と高速伝動状態に変速することができるようになっている。
すなわち、副変速バルブ98を高速状態Hに切り換え操作すると、油圧ポンプ99からの操作油圧が副変速バルブ98によってメイン操作油路97に供給され、このメイン操作油路97の軸内油路97aによって操作油室95に供給される。このとき、低速側油圧ピストン93がクラッチ操作油路96を操作油室95に対して閉じていて操作油室95からクラッチ操作油路96に操作油圧がまだ供給されず、低速側油圧ピストン93が操作油圧によって入り付勢ばね94に抗して摺動操作されてシフトギヤ23を伝動ギヤ24から離脱操作し、低速伝動部20Lが伝動解除状態に切り換わる。シフトギヤ23が伝動ギヤ24から離脱した後、低速側油圧ピストン93がクラッチ操作油路96を操作油室95に対して開き操作して操作油室95の操作油圧がクラッチ操作油路96によって操作油室92に供給され、高速側油圧ピストン90が操作油圧によって切り付勢ばね91に抗して摺動操作されて摩擦クラッチ26を入り状態に切り換え操作し、高速伝動部20Hが伝動作用状態に切り換わって走行用副変速機構20が高速伝動状態になる。
副変速バルブ98を低速状態Lに切り換え操作すると、メイン操作油路97が副変速バルブ98によって排油路100に連通されて操作油室95の操作油圧を排出し、低速側油圧ピストン93が入り付勢ばね23aによって摺動操作される。シフトギヤ23が伝動ギヤ24に噛合うまでに高圧側油圧ピストン90が切り付勢ばね91によって摺動操作されて摩擦クラッチ26を切り状態に切り換え操作し、高速伝動部20Hが伝動解除状態に切り換わる。この後、操作油室95の操作油圧がメイン操作油路97によって排油路100に排出されて、低速側油圧ピストン23が入り付勢ばね23aによってさらに摺動操作されてシフトギヤ23を伝動ギヤ24に噛合い操作し、低速伝動部20Lが伝動作用状態になって走行用副変速機構20が低速伝動状態になる。
図3に示すように、前記クラッチ操作油路96に配管101を介して開閉弁102を接続してある。この開閉弁102は、走行用副変速機構20が高速伝動状態にある際、開き状態に切り換え操作することにより、摩擦クラッチ26の操作油室92の操作油圧を排油路103に排出し、摩擦クラッチ26を切り状態に切り換え操作して高速伝動部20Hを伝動解除状態に切り換え操作する。これにより、副変速バルブ98を高速状態Hに操作するとともに開閉弁102を開き状態に操作することにより、走行用副変速機構20を伝動停止の中立状態に操作し、刈取り前処理部5に対する伝動を入り状態にしながら、左右の走行装置1A,1Bに対する伝動を絶つことができる。この開閉弁102は、運転部に設けた操作ペダル104によって切り換え操作するように構成してある。
〔別実施例〕
本発明による走行用伝動装置は、コンバインの他、人参や玉ねぎなど各種の作物を収穫対象とする作業機、各種の農用作業機にも適用できるのであり、これらコンバイン、収穫機などを総称して農作業車と呼称する。
コンバイン全体の側面図 走行伝動装置の線図 走行副変速機構の低速状態での断面図 走行副変速機構の高速状態での断面図 走行副変速機構の切り換わり状態での断面図
符号の説明
20 走行用副変速機構
20L 低速伝動部
20H 高速伝動部
23 シフトギヤ
24 伝動ギヤ
26 摩擦クラッチ
90 高速側油圧ピストン
92 高速側油圧ピストンの操作油室
93 低速側油圧ピストン
95 低速側油圧ピストンの操作油室
96 クラッチ操作油路
96b クラッチ操作油路の開口
97 メイン操作油路
98 変速バルブ

Claims (2)

  1. 高速伝動状態と低速伝動状態に切り換え自在な走行用副変速機構を備えた農作業車の走行用伝動装置であって、
    前記走行用副変速機構を、シフトギヤが伝動ギヤに噛合い操作されることによって低速伝動状態を現出し、前記シフトギヤが前記伝動ギヤから離脱操作されることによって低速伝動を解除する低速伝動部と、摩擦クラッチが入り状態に操作されることによって高速伝動状態を現出し、前記摩擦クラッチが切り状態に操作されることによって高速伝動を解除する高速伝動部とを備えて構成し
    前記低速伝動部の前記シフトギヤを前記伝動ギヤに対して係脱操作する低速側油圧ピストンを設け、前記高速伝動部の前記摩擦クラッチを入り切り操作する高速側油圧ピストンを設け、
    前記低速側油圧ピストンが変速バルブからの油圧供給によってシフトギヤの離脱操作側に操作されるように、前記低速側油圧ピストンの操作油室と前記変速バルブを接続しているメイン操作油路、及び、前記高速側油圧ピストンが前記低速側油圧ピストンの前記操作油室からの油圧供給によって摩擦クラッチの入り操作側に操作されるように、前記高速側油圧ピストンの操作油室を前記低速側油圧ピストンの前記操作油室に連通させるクラッチ操作油路を設け、
    前記低速側油圧ピストンが前記シフトギヤを前記伝動ギヤから離脱操作した後に前記高速側油圧ピストンが前記摩擦クラッチを入り状態に切り換え操作するように、前記クラッチ操作油路の開口を前記低速側油圧ピストンの操作油室の壁面のうちの前記低速側油圧ピストンの周面が移動する部位に設け、かつ前記クラッチ操作油路の前記開口が前記低速側油圧ピストンの周面によって開閉操作されるように構成してある農作業車の走行用伝動装置。
  2. 前記低速伝動部の前記シフトギヤが前記伝動ギヤから離脱操作されて前記シフトギヤと前記伝動ギヤとの隙間が発生した後に前記クラッチ操作油路の前記開口が前記低速側油圧ピストンの周面によって開き操作されるように構成してある請求項1記載の農作業車の走行用伝動装置。
    農作業車の走行用伝動装置。
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