JP4412594B2 - アルミニウム合金、棒状材、鍛造成形品、機械加工成形品、それを用いた陽極酸化皮膜硬さに優れた耐摩耗性アルミニウム合金、摺動部品、及びそれらの製造方法 - Google Patents

アルミニウム合金、棒状材、鍛造成形品、機械加工成形品、それを用いた陽極酸化皮膜硬さに優れた耐摩耗性アルミニウム合金、摺動部品、及びそれらの製造方法 Download PDF

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本発明は、自動車他に用いる摺動部品であって、皮膜クラックが発生せず、皮膜硬度、母材硬度が好ましい値を満足するものとなり、研磨工程で容易に平滑な面粗さを実現できる耐摩耗性が要求される部品を提供することができるアルミニウム合金、棒状材、鍛造成形品、機械加工成形品、それを用いた陽極酸化皮膜硬さに優れた耐摩耗性アルミニウム合金、摺動部品、及びそれらの製造方法に関する。
従来より、自動車部品の中でも特にADC12、AC4C、A390、Al−Si系の鋳物材や、A4032合金のAl−Si系展伸材用の合金では、押出材、鍛造材をT6処理後機械加工後、陽極酸化処理を施した後、部品として使用されている。
Al−Si系の鋳物材及びAl−Si系展伸材用の合金では、耐摩耗性、強度向上のためCu、Mgの含有量を調整している。
上記の合金材は耐摩耗性及び強度向上を目的とし、Cuが多く含まれているが、陽極酸化処理皮膜の厚さ及び硬さを出す事が難しいとされている。
また、不純物としてNiを0.05%未満に制限した提案もなされている(特許文献1など)。
特許文献1はSi:6〜12%(重量%以下同じ)、Fe:0.1〜1.0%、Cu:1.0〜5.0%、Mn:0.1〜1.0%、Mg:0.4〜2.0%、Ti:0.01〜0.3%、Sr:0.005〜0.2%を含有し、不純物としてNiを0.05%未満に制限し、残部Al及び不純物からなり、マトリックス中に分散する共晶Si粒子の平均粒径が1.5〜5.0μmであり、該平均粒径の共晶Si粒子が5000個/mm2以上10000個/mm2未満存在していることを特徴としている。
特開平10−204566号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載の材料は陽極酸化処理時の皮膜の硬さが低く、具体的にはHv310〜370程度に過ぎないものであった。
したがって、従来のAl−Si系合金では、陽極酸化処理をせずに使用する部品が主力であり、陽極酸化皮膜を必要とする部品では、皮膜が形成されることができれば皮膜硬さを要求されないような部品(箇所)に適用されており、著しく適用に制限があり、市場の要求に応えることが困難とされていた。
尚、陽極酸化処理性の良い6000系合金及び5000系合金においては、皮膜を30μm以上施した場合、皮膜にクラックが発生し、使用に適さない状態となる。
そこで、本発明は、自動車他に用いる摺動部品であって陽極酸化皮膜の硬さ及び厚さを必要とされ、且つクラックが発生せず、耐摩耗性が要求される部品を提供することができるアルミニウム合金、棒状材、鍛造成形品、機械加工成形品、それを用いた陽極酸化皮膜硬さに優れた耐摩耗性アルミニウム合金、摺動部品、及びそれらの製造方法を提案することを目的とする。
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、Al−Si系アルミニウム合金とその表面に形成される陽極酸化皮膜の特性について鋭意研究をおこないその知見に基づいて本発明を完成させるに至った。
1)本発明の第1の発明は、マトリックス中に分散する共晶Si粒子の粒径が0.4〜5.5μmの幅で存在し、その内の共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで60%以上を占め、尚かつ共晶Si粒子が4000個/mm 2 以上40000個/mm 2 未満存在し、陽極酸化処理すると形成される陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子が粒径0.4〜5.5μmの幅で存在し、Cu量が1.2質量%以下であり、皮膜厚さ30μm以上、皮膜硬さHv400以上となり、陽極酸化処理後、温度(Tem)と時間(Tim)が1.2≦((Tem[℃])3×(Tim[min]))/108≦9を満足し、陽極酸化処理皮膜の表皮層の表面突起部の脆性化をもたらす条件にて熱処理することにより皮膜硬度が10%以上向上し、皮膜表面が平滑な面粗さを有することを特徴とするアルミニウム合金である。
2)本発明の第2の発明は、マトリックス中に分散する共晶Si粒子の粒径が0.4〜5.5μmの幅で存在し、その内の共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで60%以上を占め、尚かつ共晶Si粒子が4000個/mm 2 以上40000個/mm 2 未満存在し、陽極酸化処理すると形成される陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子が平均粒径1.4〜2.5μmの幅で存在し、Cu量が1.2質量%以下であり、膜厚さ30μm以上、皮膜硬さHv400以上となり、陽極酸化処理後、温度(Tem)と時間(Tim)が1.2≦((Tem[℃])3×(Tim[min]))/108≦9を満足し、陽極酸化処理皮膜の表皮層の表面突起部の脆性化をもたらす条件にて熱処理することにより皮膜硬度が10%以上向上し、皮膜表面が平滑な面粗さを有することを特徴とするアルミニウム合金である。
3)本発明の第3の発明は、陽極酸化処理すると形成される陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子が粒径0.4〜5.5μmの幅で存在し、皮膜厚さ40μm以上、皮膜硬さHv400以上となる2)のアルミニウム合金である。
4)本発明の第4の発明は、Si:5〜12%(質量%以下同じ)、Fe:0.1〜1%、Cu:1%未満、Mg:0.3〜1.5%を含有し、残部Al及び不純物からなる1)〜3)の何れか一項に記載のアルミニウム合金である。
この4)並びに後述する5)〜8)は、前記1)〜3)の陽極酸化皮膜構成を実現するための具体的な母材(鋳塊)の組成並びに性状である。
5)本発明の第5の発明は、Mn:0.1〜1%、Cr:0.04〜0.3%、Zr:0.04〜0.3%、V:0.01〜0.1%、のうちの1種又は2種以上を含有する1)〜4)の何れか一項に記載のアルミニウム合金である。
6)本発明の第6の発明は、Si:9〜12%の場合に共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで80%以上を占める1)〜5)の何れか一項に記載のアルミニウム合金である。
7)本発明の第7の発明は、Cuを実質的に含有しない1)乃至6)の何れか一項に記載のアルミニウム合金である。
8)本発明の第8の発明は、Ti:0.01〜0.3%、B:0.0001〜0.05%、Sr:0.001〜0.1%のうち1種又は2種以上を含有する1)乃至7)の何れか一項に記載のアルミニウム合金である。
9)本発明の第9の発明は、連続鋳造法で鋳造された棒状材である1)乃至8)の何れか一項に記載のアルミニウム合金である。
10)本発明の第10の発明は、連続鋳造法で鋳造された棒状材をさらに押出し加工又は押出し、引抜き加工した棒状材である1)乃至9)の何れか一項に記載のアルミニウム合金である。
11)本発明の第11の発明は、1)乃至10)の何れか一項に記載のアルミニウム合金からなる棒状材である。
12)本発明の第12の発明は、棒状材の用途が摺動部品である11)に記載の棒状材である。
13)本発明の第13の発明は、11)又は12)に記載の棒状材に鍛造加工を施した鍛造成形品である。
14)本発明の第14の発明は、11)又は12)に記載の棒状材に、もしくは13)に記載の鍛造成形品に機械加工を施した機械加工成形品である。
15)本発明の第15の発明は、マトリックス中に分散する共晶Si粒子の粒径が0.4〜5.5μmの幅で存在し、その内の共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで60%以上を占め、尚かつ共晶Si粒子が4000個/mm 2 以上40000個/mm 2 未満存在し、陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子が粒径0.4〜5.5μmの幅で存在し、Cu量が1.2質量%以下であり、皮膜厚さ30μm以上、皮膜硬さHv400以上であり、さらにその後、温度(Tem)と時間(Tim)が1.2≦((Tem[℃])3×(Tim[min]))/108≦9を満足し、陽極酸化処理皮膜の表皮層の表面突起部の脆性化をもたらす条件にて熱処理することにより皮膜硬度が10%以上向上し、皮膜表面が平滑な面粗さを有してなる陽極酸化皮膜硬さに優れた耐摩耗性アルミニウム合金である。
16)本発明の第16の発明は、マトリックス中に分散する共晶Si粒子の粒径が0.4〜5.5μmの幅で存在し、その内の共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで60%以上を占め、尚かつ共晶Si粒子が4000個/mm 2 以上40000個/mm 2 未満存在し、陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子が平均粒径1.4〜2.5μmの幅で存在し、Cu量が1.2質量%以下であり、皮膜厚さ30μm以上、皮膜硬さHv400以上であり、さらにその後、温度(Tem)と時間(Tim)が1.2≦((Tem[℃])3×(Tim[min]))/108≦9を満足し、陽極酸化処理皮膜の表皮層の表面突起部の脆性化をもたらす条件にて熱処理することにより皮膜硬度が10%以上向上し、皮膜表面が平滑な面粗さを有してなる陽極酸化皮膜硬さに優れた耐摩耗性アルミニウム合金である。
17)本発明の第17の発明は、陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子が粒径0.4〜5.5μmの幅で存在し、皮膜厚さ40μm以上、皮膜硬さHv400以上である16)に記載の陽極酸化皮膜硬さに優れた耐摩耗性アルミニウム合金である。
18)本発明の第18の発明は、陽極酸化処理後の熱処理を温度(Tem)と時間(Tim)が2.5≦((Tem[℃])3×(Tim[min]))/108≦5を満足する条件にて行う15)乃至17)の何れか一項に記載の陽極酸化皮膜硬さに優れた耐摩耗性アルミニウム合金である。
19)本発明の第19の発明は、陽極酸化処理後の熱処理を170〜250℃で15〜160分の条件で行う15)乃至17)の何れか一項に記載の陽極酸化皮膜硬さに優れた耐摩耗性アルミニウム合金である。
20)本発明の第20の発明は、14)に記載の機械加工成形品に陽極酸化皮膜処理を施した陽極酸化皮膜硬さに優れた摺動部品である。
21)本発明の第21の発明は、4)乃至8)の何れか一項に記載の組成のアルミニウム合金を、連続鋳造方式で鋳造を行ない、この鋳塊を均質化処理した後、押出し加工及び/又は鍛造加工及び/又は機械加工し、マトリックス中に分散する共晶Si粒子の粒径を0.4〜5.5μmの幅で存在させ、その内の共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで60%以上を占め、尚かつ共晶Si粒子が4000個/mm 2 以上40000個/mm 2 未満存在させ、陽極酸化処理することにより、陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子の粒径を0.4〜5.5μmの幅で存在させ、Cu量が1.2質量%以下であり、皮膜厚さ30μm以上、皮膜硬さHv400以上とし、さらにその後、温度(Tem)と時間(Tim)が1.2≦((Tem[℃])3×(Tim[min]))/108≦9を満足し、陽極酸化処理皮膜の表皮層の表面突起部の脆性化をもたらす条件にて熱処理することにより皮膜硬度を10%以上向上させ、皮膜表面を平滑な面粗さとした陽極酸化皮膜硬さに優れた耐摩耗性アルミニウム合金の製造方法である。
22)本発明の第22の発明は、4)乃至8)の何れか一項に記載の組成のアルミニウム合金を、連続鋳造方式で鋳造を行ない、この鋳塊を均質化処理した後、押出し加工及び/又は鍛造加工及び/又は機械加工し、マトリックス中に分散する共晶Si粒子の粒径を0.4〜5.5μmの幅で存在させ、その内の共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで60%以上を占め、尚かつ共晶Si粒子が4000個/mm 2 以上40000個/mm 2 未満存在させ、陽極酸化処理することにより、陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子を平均粒径1.4〜2.5μmの幅で存在させ、Cu量が1.2質量%以下であり、皮膜厚さ30μm以上、皮膜硬さHv400以上とし、さらにその後、温度(Tem)と時間(Tim)が1.2≦((Tem[℃])3×(Tim[min]))/108≦9を満足し、陽極酸化処理皮膜の表皮層の表面突起部の脆性化をもたらす条件にて熱処理することにより皮膜硬度を10%以上向上させ、皮膜表面を平滑な面粗さとした陽極酸化皮膜硬さに優れた耐摩耗性アルミニウム合金の製造方法である。
23)本発明の第23の発明は、陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子が粒径0.4〜5.5μmの幅で存在し、皮膜厚さ40μm以上、皮膜硬さHv400以上である22)の陽極酸化皮膜硬さに優れた耐摩耗性アルミニウム合金の製造方法である。
24)本発明の第24の発明は、4)乃至8)の何れか一項に記載の組成のアルミニウム合金を、連続鋳造方式で鋳造を行ない、この鋳塊を均質化処理した後、押出し加工及び/又は鍛造加工及び/又は機械加工し、マトリックス中に分散する共晶Si粒子の粒径を0.4〜5.5μmの幅で存在させ、その内の共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで60%以上を占め、尚かつ共晶Si粒子が4000個/mm 2 以上40000個/mm 2 未満存在させ、陽極酸化処理することにより、陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子の粒径を0.4〜5.5μmの幅で存在させ、Cu量が1.2質量%以下であり、皮膜厚さ30μm以上、皮膜硬さHv400以上とし、さらにその後、温度(Tem)と時間(Tim)が1.2≦((Tem[℃])3×(Tim[min]))/108≦9を満足し、陽極酸化処理皮膜の表皮層の表面突起部の脆性化をもたらす条件にて熱処理することにより皮膜硬度を10%以上向上させ、皮膜表面を平滑な面粗さとした陽極酸化皮膜硬さに優れた摺動部品の製造方法である。
25)本発明の第25の発明は、4)乃至8)の何れか一項に記載の組成のアルミニウム合金を、連続鋳造方式で鋳造を行ない、この鋳塊を均質化処理した後、押出し加工及び/又は鍛造加工及び/又は機械加工し、マトリックス中に分散する共晶Si粒子の粒径を0.4〜5.5μmの幅で存在させ、その内の共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで60%以上を占め、尚かつ共晶Si粒子が4000個/mm 2 以上40000個/mm 2 未満存在させ、陽極酸化処理することにより、陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子を平均粒径1.4〜2.5μmの幅で存在させ、Cu量が1.2質量%以下であり、皮膜厚さ30μm以上、皮膜硬さHv400以上とし、さらにその後、温度(Tem)と時間(Tim)が1.2≦((Tem[℃])3×(Tim[min]))/108≦9を満足し、陽極酸化処理皮膜の表皮層の表面突起部の脆性化をもたらす条件にて熱処理することにより皮膜硬度を10%以上向上させ、皮膜表面を平滑な面粗さとした陽極酸化皮膜硬さに優れた摺動部品の製造方法である。
26)本発明の第26の発明は、陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子が粒径0.4〜5.5μmの幅で存在し、皮膜厚さ40μm以上、皮膜硬さHv400以上である25)の陽極酸化皮膜硬さに優れた摺動部品の製造方法である。
勿論このような1)〜26)における陽極酸化皮膜はクラックを発生することがない。尚、上記皮膜厚さや皮膜硬さは、単なる目標品質などではなく、陽極酸化皮膜中の共晶Si粒子の粒径分布とCu量の制限に着目し、且つ制御することにより、達成し得るものである。
本発明の第1の発明は、マトリックス中に分散する共晶Si粒子の粒径が0.4〜5.5μmの幅で存在し、その内の共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで60%以上を占め、尚かつ共晶Si粒子が4000個/mm 2 以上40000個/mm 2 未満存在し、陽極酸化処理すると形成される陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子が粒径0.4〜5.5μmの幅で存在し、Cu量が1.2質量%以下であり、皮膜厚さ30μm以上、皮膜硬さHv400以上となり、陽極酸化処理後、温度(Tem)と時間(Tim)が1.2≦((Tem[℃])3×(Tim[min]))/108≦9を満足し、陽極酸化処理皮膜の表皮層の表面突起部の脆性化をもたらす条件にて熱処理することにより皮膜硬度が10%以上向上し、皮膜表面が平滑な面粗さを有するアルミニウム合金であって、皮膜クラックが発生せず、皮膜硬度、母材硬度が好ましい値を満足するものとなり、研磨工程で容易に平滑な面粗さを実現できる陽極酸化皮膜を備える摺動部品やその他の耐摩耗性を有するアルミニウム合金製品を製造することができる。
そのため、自動車の部品やその他陽極酸化皮膜の硬さ及び厚さを必要とされ、且つクラックが発生せず、耐摩耗性が要求される部品に好適に利用することができる硬さに優れ耐摩耗性を有する陽極酸化皮膜を備える摺動部品やその他の耐摩耗性アルミニウム合金製品を製造することができる。
また、このアルミニウム合金は、特殊な陽極酸化処理をしなくても十分な硬さが得られるので、陽極酸化処理をせずに使用する部品にも適用できる。
本発明の第2の発明は、マトリックス中に分散する共晶Si粒子の粒径が0.4〜5.5μmの幅で存在し、その内の共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで60%以上を占め、尚かつ共晶Si粒子が4000個/mm 2 以上40000個/mm 2 未満存在し、陽極酸化処理により形成される陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子が平均粒径1.4〜2.5μmの幅で存在し、Cu量が1.2質量%以下であり、皮膜厚さ30μm以上、皮膜硬さHv400以上となり、陽極酸化処理後、温度(Tem)と時間(Tim)が1.2≦((Tem[℃])3×(Tim[min]))/108≦9を満足し、陽極酸化処理皮膜の表皮層の表面突起部の脆性化をもたらす条件にて熱処理することにより皮膜硬度が10%以上向上し、皮膜表面が平滑な面粗さを有するアルミニウム合金であって、皮膜クラックが発生せず、皮膜硬度、母材硬度が好ましい値を満足するものとなり、研磨工程で容易に平滑な面粗さを実現できる陽極酸化皮膜を備える摺動部品やその他の耐摩耗性を有するアルミニウム合金製品を製造することができる。
陽極酸化処理により形成される陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子が粒径0.4〜5.5μmの幅で、且つ平均粒径1.4〜2.5μmの幅で存在する本発明の第3の発明では、より硬さに優れ耐摩耗性を有する陽極酸化皮膜を備える摺動部品やその他の耐摩耗性アルミニウム合金製品を製造することができる。
Si:5〜12%(質量%以下同じ)、Fe:0.1〜1%、Cu:1%未満、Mg:0.3〜1.5%含有し、残部Al及び不純物からなる本発明の第4の発明では、さらにより硬さに優れ耐摩耗性を有する陽極酸化皮膜を備える摺動部品やその他の耐摩耗性アルミニウム合金製品を製造することができる。
Mn:0.1〜1%、Cr:0.04〜0.3%、Zr:0.04〜0.3%、V:0.01〜0.1%、のうちの1種又は2種以上を含有する本発明の第5の発明では、Mn,Cr,Zr,Vの含有により、Al−Mn系やAl−Mn−Fe−Si系,Al−Cr系やAl−Cr−Fe−Si系,Al−Zr系,Al−V系の粒子を析出して再結晶粒を微細化し、加工性を向上させるので、複雑な形状の摺動部品やその他の耐摩耗性アルミニウム合金製品を成形できる。また、Mn,Cr,Zr,Vの含有は、Al−Mn系やAl−Mn−Fe−Si系,Al−Cr系やAl−Cr−Fe−Si系,Al−Zr系,Al−V系の粒子を析出し、摺動部品の成形後の熱処理での再結晶を抑制し、摺動部品の延性、靭性を向上する。
Si:9〜12%の場合に共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで80%以上を占める本発明の第6の発明では、さらにより硬さに優れ耐摩耗性を有する陽極酸化皮膜を備える摺動部品やその他の耐摩耗性アルミニウム合金製品を製造することができる。
Cuを実質的に含有しない本発明の第7の発明では、さらに陽極酸化処理性が向上し、さらにより硬さに優れ耐摩耗性を有する陽極酸化皮膜を備える摺動部品やその他の耐摩耗性アルミニウム合金製品を提供することができる。
Ti:0.01〜0.3%、B:0.0001〜0.05%、Sr:0.001〜0.1%のうち1種又は2種以上を含有する本発明の第8の発明は、Ti,Bを含有する場合には、鋳塊の組織を微細化し、鋳造時の鋳塊割れを防止するので、本発明のアルミニウム合金を安定して鋳造することができ、さらに、鋳塊の加工性を向上させるので、複雑な形状の摺動部品を成形することができる。Srを含有する場合には、共晶Si粒子の微細化し、本発明のアルミニウム合金の延性、靭性を向上することができる。
連続鋳造法で鋳造された棒状材である本発明の第9の発明では、このアルミニウム合金から硬さに優れ耐摩耗性を有する摺動部品やその他の耐摩耗性アルミニウム合金製品を製造することができる。
連続鋳造法で鋳造された棒状材をさらに押出し加工又は押出し、引抜き加工した棒状材である本発明の第10の発明では、後工程が、鍛造工程を省略または加工率の小さな鍛造工程であっても、充分な加工率が得られるので、本発明のアルミニウム合金の延性、靭性を向上する。また、連続鋳造法では得られにくいφ20以下の棒材などが得られやすい。
前記アルミニウム合金からなる本発明の第11の発明では、その棒状材を用いた成形品が、硬さに優れ耐摩耗性を有する成形品となる。
棒状材の用途が摺動部品である本発明の第12の発明は、硬さに優れた陽極酸化皮膜を有する耐摩耗性に優れた摺動部品となる。
前記棒状材に鍛造加工を施した本発明の第13の発明は、この鍛造成形品から硬さに優れ耐摩耗性を有する陽極酸化皮膜を有する摺動部品やその他の耐摩耗性アルミニウム合金製品を製造できる。
前記棒状材に、もしくは前記鍛造成形品に機械加工を施した本発明の第14の発明は、この機械加工成形品から硬さに優れ耐摩耗性を有する陽極酸化皮膜を有する摺動部品やその他の耐摩耗性アルミニウム合金製品を製造できる。
本発明の第15の発明は、マトリックス中に分散する共晶Si粒子の粒径が0.4〜5.5μmの幅で存在し、その内の共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで60%以上を占め、尚かつ共晶Si粒子が4000個/mm 2 以上40000個/mm 2 未満存在し、陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子の粒径が粒径0.4〜5.5μmの幅で存在し、Cu量が1.2質量%以下であり、皮膜厚さ30μm以上、皮膜硬さHv400以上であり、さらに陽極酸化処理後、温度(Tem)と時間(Tim)が1.2≦((Tem[℃])3×(Tim[min]))/108≦9を満足し、陽極酸化処理皮膜の表皮層の表面突起部の脆性化をもたらす条件にて熱処理することにより皮膜硬度が10%以上向上し、皮膜表面が平滑な面粗さを有してなり、皮膜クラックが発生せず、皮膜硬度、母材硬度が好ましい値を満足するものとなり、研磨工程で容易に平滑な面粗さを実現できる陽極酸化皮膜を備える摺動部品やその他の耐摩耗性を有するアルミニウム合金製品となる。
即ち本発明では陽極酸化処理後に適宜条件にて熱処理しているので、より硬度バラツキを抑え、安定した硬度上昇を得ることも可能である。また、熱処理を施すと、陽極酸化処理皮膜の表皮層(数ミクロン程度)の表面突起部の脆性化をもたらし、研磨効果を大きくすることが可能である。要するに陽極酸化皮膜全体の硬度は上がるため、全体としての摩耗量は少なくなり、表面粗さの突起部のみが取れ易くなる。その結果、研磨工程として、従来用いられる荒、中、仕上げ工程の工数の削減ができる。例えば3工程を2工程にすることが可能となる。
本発明の第16の発明は、マトリックス中に分散する共晶Si粒子の粒径が0.4〜5.5μmの幅で存在し、その内の共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで60%以上を占め、尚かつ共晶Si粒子が4000個/mm 2 以上40000個/mm 2 未満存在し、陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子が平均粒径1.4〜2.5μmの幅で存在し、Cu量が1.2質量%以下であり、皮膜厚さ30μm以上、皮膜硬さHv400以上であり、さらにその後、温度(Tem)と時間(Tim)が1.2≦((Tem[℃])3×(Tim[min]))/108≦9を満足し、陽極酸化処理皮膜の表皮層の表面突起部の脆性化をもたらす条件にて熱処理することにより皮膜硬度が10%以上向上し、皮膜表面が平滑な面粗さを有してなり、皮膜クラックが発生せず、皮膜硬度、母材硬度が好ましい値を満足するものとなり、研磨工程で容易に平滑な面粗さを実現できる陽極酸化皮膜を備える摺動部品やその他の耐摩耗性を有するアルミニウム合金製品となる。
陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子が粒径0.4〜5.5μmの幅で、且つ平均粒径1.4〜2.5μmの幅で存在する本発明の第17の発明では、より硬さに優れ耐摩耗性を有する陽極酸化皮膜を備える耐摩耗性アルミニウム合金製品となる。
陽極酸化処理後の熱処理を温度(Tem)と時間(Tim)が2.5≦((Tem[℃])3×(Tim[min]))/108≦5を満足する条件にて行う本発明の第18の発明は、前記第15〜17の発明の効果がより確実なものとなる。
陽極酸化処理後の熱処理を170〜250℃で15〜160分の条件で行う本発明の第19の発明は、前記第15〜17の発明の効果がより確実なものとなる。
前記機械加工成形品に陽極酸化皮膜処理を施した本発明の第20の発明は、硬さに優れ耐摩耗性を有する陽極酸化皮膜を有する摺動部品となる。
前記組成のアルミニウム合金を、連続鋳造方式で鋳造を行ない、この鋳塊を均質化処理した後、押出し加工及び/又は鍛造加工及び/又は機械加工し、マトリックス中に分散する共晶Si粒子の粒径を0.4〜5.5μmの幅で存在させ、その内の共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで60%以上を占め、尚かつ共晶Si粒子が4000個/mm 2 以上40000個/mm 2 未満存在させ、陽極酸化処理することにより、陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子を粒径0.4〜5.5μmの幅で存在させ、Cu量が1.2質量%以下であり、皮膜厚さ30μm以上、皮膜硬さHv400以上とし、さらにその後、温度(Tem)と時間(Tim)が1.2≦((Tem[℃])3×(Tim[min]))/108≦9を満足し、陽極酸化処理皮膜の表皮層の表面突起部の脆性化をもたらす条件にて熱処理することにより皮膜硬度を10%以上向上させ、皮膜表面を平滑な面粗さとした本発明の第21の発明は、皮膜クラックが発生せず、皮膜硬度、母材硬度が好ましい値を満足するものとなり、研磨工程で容易に平滑な面粗さを実現できる陽極酸化皮膜硬さに優れた耐摩耗性アルミニウム合金製品を容易に製造することができる。
前記組成のアルミニウム合金を、連続鋳造方式で鋳造を行ない、この鋳塊を均質化処理した後、押出し加工及び/又は鍛造加工及び/又は機械加工し、マトリックス中に分散する共晶Si粒子の粒径を0.4〜5.5μmの幅で存在させ、その内の共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで60%以上を占め、尚かつ共晶Si粒子が4000個/mm 2 以上40000個/mm 2 未満存在させ、陽極酸化処理することにより、陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子を平均粒径1.4〜2.5μmの幅で存在させ、Cu量が1.2質量%以下であり、皮膜厚さ30μm以上、皮膜硬さHv400以上とし、さらにその後、温度(Tem)と時間(Tim)が1.2≦((Tem[℃])3×(Tim[min]))/108≦9を満足し、陽極酸化処理皮膜の表皮層の表面突起部の脆性化をもたらす条件にて熱処理することにより皮膜硬度を10%以上向上させ、皮膜表面を平滑な面粗さとした本発明の第22の発明は、皮膜クラックが発生せず、皮膜硬度、母材硬度が好ましい値を満足するものとなり、研磨工程で容易に平滑な面粗さを実現できる陽極酸化皮膜硬さに優れた耐摩耗性アルミニウム合金製品を容易に製造することができる。
陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子が粒径0.4〜5.5μmの幅で、且つ平均粒径1.4〜2.5μmの幅で存在する本発明の第23の発明では、より硬さに優れ耐摩耗性を有する陽極酸化皮膜を備える耐摩耗性アルミニウム合金製品を容易に製造することができる。
前記組成のアルミニウム合金を、連続鋳造方式で鋳造を行ない、この鋳塊を均質化処理した後、押出し加工及び/又は鍛造加工及び/又は機械加工し、マトリックス中に分散する共晶Si粒子の粒径を0.4〜5.5μmの幅で存在させ、その内の共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで60%以上を占め、尚かつ共晶Si粒子が4000個/mm 2 以上40000個/mm 2 未満存在させ、陽極酸化処理することにより、陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子を粒径0.4〜5.5μmの幅で存在させ、Cu量が1.2質量%以下であり、皮膜厚さ30μm以上、皮膜硬さHv400以上とし、さらにその後、温度(Tem)と時間(Tim)が1.2≦((Tem[℃])3×(Tim[min]))/108≦9を満足し、陽極酸化処理皮膜の表皮層の表面突起部の脆性化をもたらす条件にて熱処理することにより皮膜硬度を10%以上向上させ、皮膜表面を平滑な面粗さとした本発明の第24の発明は、皮膜クラックが発生せず、皮膜硬度、母材硬度が好ましい値を満足するものとなり、研磨工程で容易に平滑な面粗さを実現できる陽極酸化皮膜硬さに優れた摺動部品を容易に製造することができる。
前記組成のアルミニウム合金を、連続鋳造方式で鋳造を行ない、この鋳塊を均質化処理した後、押出し加工及び/又は鍛造加工及び/又は機械加工し、マトリックス中に分散する共晶Si粒子の粒径を0.4〜5.5μmの幅で存在させ、その内の共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで60%以上を占め、尚かつ共晶Si粒子が4000個/mm 2 以上40000個/mm 2 未満存在させ、陽極酸化処理することにより、陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子を平均粒径1.4〜2.5μmの幅で存在させ、Cu量が1.2質量%以下であり、皮膜厚さ30μm以上、皮膜硬さHv400以上とし、さらにその後、温度(Tem)と時間(Tim)が1.2≦((Tem[℃])3×(Tim[min]))/108≦9を満足し、陽極酸化処理皮膜の表皮層の表面突起部の脆性化をもたらす条件にて熱処理することにより皮膜硬度を10%以上向上させ、皮膜表面を平滑な面粗さとした本発明の第25の発明は、皮膜クラックが発生せず、皮膜硬度、母材硬度が好ましい値を満足するものとなり、研磨工程で容易に平滑な面粗さを実現できる陽極酸化皮膜硬さに優れた摺動部品を容易に製造することができる。
陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子が粒径0.4〜5.5μmの幅で、且つ平均粒径1.4〜2.5μmの幅で存在する本発明の第26の発明では、より硬さに優れ耐摩耗性を有する陽極酸化皮膜を備える摺動部品を容易に製造することができる。
Mn:0.1〜1%、Cr:0.04〜0.3%、Zr:0.04〜0.3%、V:0.01〜0.1%、のうちの1種又は2種以上を含有し、Ti:0.01〜0.3%、B:0.0001〜0.05%、Sr:0.001〜0.1%のうち1種又は2種以上を含有するアルミニウム合金を、連続鋳造方式で鋳造を行ない、この鋳塊を均質化処理した後、押出し加工及び/又は鍛造加工及び/又は機械加工し、陽極酸化処理することにより、陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子が粒径0.4〜5.5μmの幅で存在するか、平均粒径1.4〜2.5μmの幅で存在するか、或いは両方を兼ねるかし、Cu量が1.2質量%以下であり、皮膜厚さ30μm以上、皮膜硬さHv400以上であり、さらにその後、温度(Tem)と時間(Tim)が2.5≦((Tem[℃])3×(Tim[min]))/108≦5を満足する条件にて熱処理することにより皮膜硬度を10%以上向上させた摺動部品を製造する。
まず、本発明に用いるアルミニウム合金について説明する。本発明に好適に用いられるアルミニウム合金の組成は、Si:5〜12%(質量%、以下同じ,好ましくは5〜11%)、Fe:0.1〜1%、Cu:1%未満(好ましくは0.5%未満、より好ましくは実質含有しない)、Mg:0.3〜1.5%(好ましくは0.4〜1%)、残部Al及び不純物である。
また、Mn:0.1〜1%、Cr:0.04〜0.3%、Zr:0.04〜0.3%、V:0.01〜0.1%、のうちの1種又は2種以上を含有することが好ましい。
さらに、Ti:0.01〜0.3%、B:0.0001〜0.05%、Sr:0.001〜0.1%のうち1種又は2種以上を含有することが好ましい。
このような組成のアルミニウム合金は、加工性や陽極酸化処理性に優れ、前述の陽極酸化皮膜の硬さ(Hv400以上)を保持することが可能となる。
また、特殊な陽極酸化処理をしなくても十分な硬さが得られるので、陽極酸化処理をせずに使用する部品にも適用できる点からも好ましい。
特にSiは、Mgと共存してMg2Si粒子を析出してアルミニウム合金の強度を向上させ、共晶Siの分布により強度、耐摩耗性を高める。このSiの含有範囲は5〜12%、好ましい含有範囲は5〜11%であり、5%未満ではその効果が小さく12%を超えると、初晶Siが析出して陽極酸化処理性に悪い影響が表われる。
Feは、0.1〜1%(好ましくは0.1〜0.5%,より好ましくは0.21〜0.3%)を含有するのが好ましい。Al−Fe系やAl−Fe−Si系の粒子を析出させ、摺動部品の成形後の熱処理処理での再結晶を抑制し、摺動部品の延性、靭性を向上するからである。また、押出材では押出加工時に再結晶粒を微細化し、後工程の鍛造加工性を向上させるので、複雑な形状の摺動部品を加工することができる。Feの含有量が0.1%未満ではこの効果が小さく、1%を超えるとAl−Fe系やAl−Fe−Si系粗大晶出物が増加して陽極酸化処理性に悪い影響が表われ、アルミニウム合金の延性、靭性を低下させる。
Cuは、1.2%以下(より好ましくは1%以下,さらに好ましくは0.5%未満)含有させるか、或いは実質的に含有させないことが好ましい。
このCuの含有は、CuAl2粒子を析出してアルミニウム合金の強度と硬さに寄与するが、Cuの含有量が1.2%を越えると、陽極酸化皮膜の硬さが低下する。より皮膜の硬さを増加するのに好ましくは0.5%未満、より好ましくは実質的に含有させない。
Cuは陽極酸化処理の際に溶解するが、溶解したCuイオンは貴な金属イオンのため再びアルミニウム合金母材の表面にCuが析出し、陽極酸化皮膜が形成し難く皮膜の緻密性も低下する。Cu量を抑制することで、陽極酸化皮膜の成形性と緻密性を向上し、皮膜硬さを向上することができる。
Mnの含有は、Al−Mn系やAl−Mn−Fe−Si系の粒子を析出して再結晶粒を微細化し、加工性を向上させる。このMnの含有範囲は0.1〜1%、好ましくは0.5〜0.8%であり、0.1%未満ではその効果が小さく、1%を超えると粗大晶出物が増加して陽極酸化処理性に悪い影響が表われる。
Mgの含有は、Siと共存してMg2Si粒子を析出してアルミニウム合金の強度に寄与し、このMgの好ましい含有範囲は0.3〜1.5%、好ましくは0.4〜1%であり、0.3%未満では効果が小さく、1.5%を越えると加工性が低下する。
Mn:0.1〜1%(好ましくは0.2〜0.4%)、Cr:0.04〜0.3%(好ましくは0.15〜0.25%)、Zr:0.04〜0.3%(好ましくは0.1〜0.2%)、V:0.01〜0.1%(好ましくは0.05〜0.1%)、のうちの1種又は2種以上を含有することは、Al−Mn系やAl−Mn−Fe−Si系,Al−Cr系やAl−Cr−Fe−Si系,Al−Zr系,Al−V系の粒子を析出し、摺動部品の成形後の熱処理処理での再結晶を抑制し、摺動部品の延性、靭性を向上する。また、押出材では押出し加工時に再結晶粒を微細化し、後工程の鍛造加工性を向上させるので、複雑な形状の摺動部品を加工することができる。Mnの含有量が0.1%未満、Crが0.04%未満、Zrが0.04%未満、Vが0.01%未満ではその効果が小さく、Mnの含有量が1%を超え、Crが0.3%を超え、Zrが0.3%を超え、Vが0.1%を越えると粗大な晶出物が増加して陽極酸化処理性に悪い影響が表われ、アルミニウム合金の延性、靭性を低下せさる。
Ti:0.01〜0.3%(好ましくは0.01〜0.2%,より好ましくは0.002〜0.1%)、B:0.0001〜0.05%(好ましくは0.005〜0.1%)、Sr:0.001〜0.2%(好ましくは0.005〜0.1%,より好ましくは0.005〜0.05%)のうち1種又は2種以上を含有することは以下の理由で望ましい。即ちTi,Bの含有は鋳塊の組織を微細化し、鋳造時の鋳塊割れを防止し、さらに鋳塊の加工性を向上させるので、複雑な形状の摺動部品を成形することができる。0.01%未満ではその効果が小さく、0.3%を超えると巨大な金属間化合物が晶出して加工性や陽極酸化処理性に悪い影響が表われる。また、Srの含有は共晶Siを微細化し、加工性及び陽極酸化処理性を向上する。0.001%未満ではその効果が小さく、0.2%を超えても効果が低下する。
Niは、0.1%以下であることが好ましい。
本発明においては、陽極酸化皮膜中における共晶Si粒子の分布を制御することにより、皮膜厚さ30μm以上、皮膜硬さHv400以上とすることができ、更に陽極酸化処理後、特定の条件にて熱処理することにより皮膜硬度が10%以上向上し、皮膜クラックが発生せず、皮膜硬度、母材硬度が好ましい値を満足するものとなり、研磨工程で容易に平滑な面粗さを実現できることを見出した。
まず、陽極酸化皮膜中における共晶Si粒子の分布を制御するために、合金マトリックス中における共晶Siの分散状態を均一に特定することが重要であり、具体的には合金マトリックス中に分散する共晶Si粒子を粒径0.4〜5.5μmの幅で存在させるか、平均粒径1.4〜2.5μmの幅で存在させるか、或いは両方を兼ねるようにする。また、その内の共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで60%以上(好ましくは80%以上)を占め、尚かつマトリックス中に4000個/mm2以上40000個/mm2未満(より好ましくは10000個/mm2以上38000個/mm2未満)存在させることが好ましくは必要である。尚、「共晶Si粒子の粒径が0.4〜5.5μm」とは、実質的な粒径分布が0.4〜5.5μmということであり、例えば95%以上、好ましくは98%以上が0.4〜5.5μmの範囲ということである。陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子を存在させ、皮膜硬さに優れ、皮膜厚さを厚くしてもクラックが発生しないものとなる。
前述のように陽極酸化皮膜中における共晶Si粒子は、粒径0.4〜5.5μm(より好ましくは粒径0.6〜5.5μm)の幅で存在させるか、平均粒径1.4〜2.5μm(より好ましくは平均粒径1.6〜2.3μm)の幅で存在させるか、或いはその両方を兼ねるようにするが、粒径が0.4μm、特に0.3μm未満の粒径では陽極酸化処理時浴電圧が高くなり、陽極酸化に対する抵抗が大きくなり、電流が流れにくくなって皮膜形成が困難となり、粒径が5.6μm、特に6.0μmを越えると、陽極酸化処理性が低下する原因となり、皮膜の面粗度が悪くなる。
また、前述のように共晶Si粒子の粒径の大きさが0.8〜2.4μmの大きさで60%以上を占めることが好ましくは必要であるが、60%未満、特に50%以下の場合には陽極酸化処理時に電流の流れやすい部分と流れにくい部分の差が大きくなって電流の流れが一定でないため皮膜厚さが不均一となる。特に工業的に利用用途が広いSi:9〜12%(特に10.5±0.5%)の場合には80%以上が好ましい。
さらに、前述のように共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさのものが合金マトリックス中に4000個/mm2以上40000個/mm2未満存在することも好ましくは必要であるが、陽極酸化処理時に電流の流れが一定となるので、皮膜厚さは均一となる。アルミニウム合金マトリックス中に分散する共晶Si粒子はマトリックスより電流が流れ難いが、これを抑えることができるため、陽極酸化皮膜が均一に形成することができる。さらに、共晶Siが陽極酸化皮膜処理の際に溶解せずに皮膜中に残留するのを低減させ、皮膜中に残留した共晶Si粒子の周囲の皮膜の緻密性が低下するのを抑えることができるので、皮膜硬度の低下を抑えることができる。
また、陽極酸化処理した後、温度(Tem)と時間(Tim)が1.2≦((Tem[℃])3×(Tim[min]))/108≦9を満足する条件にて熱処理することにより皮膜硬度を10%以上向上させる。
好ましくは、陽極酸化処理後の熱処理を温度(Tem)と時間(Tim)が2.5≦((Tem[℃])3×(Tim[min]))/108≦5を満足する条件にて行う。
より好ましくは、陽極酸化処理後の熱処理を170〜250℃で15〜160分の条件で行う。
即ち熱処理における温度と時間とを上記範囲以外に設定して熱処理しても、効果が得られなかったり、合金母材そのものの硬度が低下してしまうが、上述の適正な範囲とすることにより母材硬度を下げることなく皮膜を硬くすることができる。したがって、特殊な皮膜処理を施すことなく、硬度の良好な皮膜を得ることができる。
図1に、温度×時間と、皮膜強度、母材強度の関係を示した。
この図1は、加熱処理後の皮膜強度[Hv]及び母材硬度[HRB]を縦軸に、加熱条件から算出した温度×時間を横軸にとり、温度×時間をパラメータにして各試料のそれぞれの硬度をプロットしたものである。温度×時間の値が1.2未満である、例えば、低温度、短時間の加熱処理をした試料では、皮膜硬度Hv400以上を得ることが難しくなっている。また、高温度、長時間の熱処理をした試料では、母材硬度が急激に低下するが、温度×時間の値が9以下とすることによりHRB55以上の好ましい硬度となっている。
前記組成のアルミニウム合金を、連続鋳造方式例えば気体加圧ホットトップ連続鋳造方式で鋳造した鋳塊を、均質化処理した後、そのまま機械加工するか、或いは押出し加工、鍛造加工、機械加工等の加工を適宜に選択して行う。連続鋳造方式の他の例としては、水平連続鋳造方式を挙げることができる。さらに陽極酸化処理を行った後、熱処理することにより、皮膜クラックが発生せず、皮膜硬度、母材硬度が好ましい値を満足するものとなり、研磨工程で容易に平滑な面粗さを実現できる陽極酸化皮膜を備える摺動部品やその他の耐摩耗性を有するアルミニウム合金製品を製造することができる。
尚、合金中の共晶Si粒子の発生状態は、所定の組成の合金溶湯を連続鋳造方式で凝固させる時に、溶湯温度や鋳造速度の影響を受ける。
そこで、共晶Si粒子が粒径0.4〜5.5μmの幅で存在するか、平均粒径1.4〜2.5μmの幅で存在するか、或いはその両方を兼ねるように、溶湯温度や鋳造速度を制御することにより本発明のアルミニウム合金を得ることができる。また、共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで60%以上となるように、溶湯温度や鋳造速度を制御することにより本発明のアルミニウム合金を得ることができる。
但し、本発明のアルミニウム合金ではCuが少なく、凝固時の固液共存領域が少なくなり、凝固しやすくなるため、凝固速度を従来より速めに制御する必要がある。例えば鋳造径φ72mmの場合の凝固速度は200〜350[mm/分]とすることが望ましい。
気体加圧ホットトップ連続鋳造方式は溶湯とモールド間を気体加圧しているため鋳造速度を速くすることができるので、共晶Siの粒径を所定の状態に制御した本発明のアルミニウム合金を容易に製造することができるので好ましい。
また、合金中の共晶Si粒子の発生状態は、均質化処理時に、均質化温度や均質化時間の影響を受け、共晶Si粒子の粒径を制御すると共に共晶Si粒子の形状も制御する。
そこで、共晶Si粒子が粒径0.4〜5.5μmの幅で存在するか、平均粒径1.4〜2.5μmの幅で存在するか、或いはその両方を兼ねるようにし、共晶Si粒子が粒状となるように、均質化温度や均質化時間を制御することにより本発明のアルミニウム合金を得ることができる。また、共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで60%以上で共晶Si粒子が粒状となるように、均質化温度や均質化時間を制御することにより本発明のアルミニウム合金を得ることができる。
共晶Si粒子が粒状となることで、均質化処理前の針状形状より鋳塊の加工性が向上する。さらに陽極酸化処理性も向上する。
均質化処理は、上記条件を満足する範囲で特に限定するものではないが、例えば450℃以上500℃未満(より好ましくは480℃以上)の温度で4時間以上行えば良い。
初晶Siは、以下のような状態(粒子分布位置,平均粒径,面積占有率)であるか、或いは陽極酸化処理を施し、摺動部となる鋳塊の外周部に実質的に存在しないことが好ましい。陽極酸化処理する部分に初晶Siが存在すると、陽極酸化処理時に電流の流れが一定とならず、皮膜厚さ不均一となり、皮膜に緻密性の低下し、皮膜硬度が低下する。
初晶Siの粒子分布位置:鋳塊の外周から鋳造径の半径の20%以下の位置までに初晶Siがないこと(面積占有率0.2%以下)。
初晶Siの平均粒径:30μm以下。
初晶Siの面積占有率:0.8%以下。
例えばSi量を12%以下とし、気体加圧ホットトップ連続鋳造時、気体加圧量や鋳造速度や溶湯温度の条件を制御すれば初晶Siの上記の状態を得ることができるため好ましい。
前記アルミニウム合金を連続鋳造方式で鋳造したビレット鋳塊を均質化処理した後、そのまま機械加工するか、或いは押出し加工、鍛造加工、機械加工等の加工を適宜に選択して行うが、棒状材を作製した後、その棒状材からさらに所定の形状を有する成形品を作製するようにしてもよい。
棒状材から成形品を作製するには、機械加工、鍛造加工などを適宜に組み合わせて施すことができるが、鍛造加工の前又は機械加工の前に、押出し加工又は引抜き加工を施すことが好ましい。押出し加工又は引抜き加工を施されたものは、延性が向上し、加工性や製品の延性の点で好ましい。また、直径20mm以下の丸棒は連続鋳造方式では得られにくいが、押出し又は引抜き加工では容易に得られる。
押出し加工は、特に限定するものではないが、例えば2500t押出機を用いて押出し速度を最高8m/minで行えば良い。
成形品に施す陽極酸化処理は、特に限定するものではないが、例えば電解浴として15wt%硫酸を使用して行えば良い。
皮膜厚さは、浴温、電圧、時間を調整することにより、所定の厚さのものを得ることができる。
本発明のアルミニウム合金及びそれを用いて作製した摺動部品は、母材部分が硬く皮膜の耐摩耗性が向上しているので、より厳しい摺動箇所に用いることができ、例えば以下の用途を挙げることができる。
(a)スクロール、ピストンなどの空調機器用コンプレッサー部品
(b)自動車のエアサスペンション用コンプレッサーピストン
(c)スプール,スリーブなどの自動車のエンジン,トランスミッション,ABS用油圧部品
(d)自動車のブレーキマスターシリンダーピストン/キャリパーピストン
(e)自動車のクラッチシリンダーピストン
(f)自転車のブレーキキャリパーボディ
そして、得られた耐摩耗性アルミニウム合金は、その用途を限定するものではないが、自動車部品の中でも、ブレーキキャリパーピストン及びエアサスペンション用コンプレッサーピストン、その他皮膜硬さを必要とし、クラックのない皮膜を望む部品に好適に利用することができる。
以下、本発明の実施例を比較例と対比して説明するが、これらに限定されるものではない。
<試験1>(実施例1〜13,比較例1〜9)
1)製造条件
(1)合金成分
アルミニウム合金の成分組成は、表1に示すとおりである。
(2)鋳造
アルミニウム合金を気体加圧ホットトップ連続鋳造方式でビレット(直径8インチ)に鋳造した。
(3)押出/引抜
その後このビレット鋳塊を490℃で4時間均質化処理した。その後、鋳塊を350℃に加熱後、間接押出機を用いて押出し加工を行ない、直径44mmの押出棒を作製した。同押出棒から直径43.2mmに引抜いた。
(4)焼鈍〜ボンデ処理
引抜棒を所定の長さに切断し、焼鈍処理し、ボンデ処理した。
(5)鍛造
ボンデ処理品を外径43.4mm、内径27mm、高さ36mm、底厚8mmのカップ状に鍛造し、T7処理(500〜510℃、2〜3時間の溶体化処理、その後水冷した。さらに190〜200℃、5〜6時間の時効処理)を施した。また、試験材断面中の共晶Si粒径の大きさ、個数について画像解析装置を用いて以下に示す条件にて測定した。
測定サンプル:試験材を任意の大きさに切断し、樹脂に埋め込みミクロ研磨を実施。
測定方法:サンプルのミクロ組織を光学顕微鏡から画像処理装置ルーゼックスに取込み、画像処理によって共晶Siの大きさ、個数を測定。
測定条件:1サンプル、ルーゼックス画像上の倍率を1240倍で20視野連続測定。共晶Siの大きさのパラメータとして水平方向等分径(Martin Diameter H)を使用。
(6)機械加工
カップ状鍛造品の外周部を切削加工にて表面粗さを一定にした平滑な面とした。
(7)陽極酸化処理(熱処理)
陽極酸化処理条件として、電解浴として27wt%硫酸を使用し、サンプル表面に目標40μm厚さで、陽極酸化皮膜が形成されるように、浴温、電圧、時間を設定して陽極酸化処理を行なった。陽極酸化処理後、恒温槽を用いて表のように190〜200℃に加熱し、20〜60分維持後、室温で放置した。
(8)研磨
製品の摺動面を研磨し、面性状を仕上げた。センターレスバフ研磨機に、サイザルバフ、綿バフを取付け、それに通すことで研磨した。バフの押付け力は、負荷電流値で管理している。判定方法は、面粗さ測定値で判定した。
また、陽極酸化皮膜厚さは研磨後、35〜45μmに調整されており、陽極酸化皮膜断面中の共晶Si粒径の大きさ、個数について画像解析装置を用いて以下に示す条件にて測定した。
測定サンプル:試験材を任意の大きさに切断し、樹脂に埋め込みミクロ研磨を実施。
測定方法:サンプルのミクロ組織を光学顕微鏡から画像処理装置ルーゼックスに取込み、画像処理によって共晶Siの大きさ、個数を測定。
測定条件:1サンプル、ルーゼックス画像上の倍率を1240倍で20視野連続測定。共晶Siの大きさのパラメータとして水平方向等分径(Martin Diameter H)を使用。
2)評価条件
(1)クラック発生
陽極酸化処理をした評価サンプルを100倍以上の拡大鏡を通して目視で表面状態を観察し、クラックの有無を確認し評価した。
○ : 皮膜にクラック無し
× : 皮膜にクラック有り
(2)皮膜硬度
測定部位は、外径摺動部を切断し、破片を樹脂埋めする。研磨後、マクロビッカース試験機を使用し、試験荷重25gで測定する。測定は5点行い、上位3点の平均値を皮膜硬度とする。ビッカース圧子の打点位置は、皮膜母材側より10μの部分を測定する。
◎ : Hv420以上
○ : Hv400以上
△ : Hv380以上
× : Hv380未満
(3)母材硬度
陽極酸化処理後の熱処理前後でのアルミニウム合金の硬度をロックウェル硬度計で測定した。サンプル半分は、アルマイト皮膜硬度測定用に使用し、残り半分で母材硬度測定。母材硬度測定面は面削によって、アルマイト層を除去してロックウェル硬度計(HRB)で3点測定。
◎ : HRB65以上。
○ : HRB55以上。
× : HRB55未満。または、熱処理処理後硬度低下。
<試験2>(実施例14)
1)製造条件
(1)合金成分
合金成分は前記<試験1>と同じとした。
(2)鋳造
鋳造方法はアルミニウム合金を特公昭54−42827号公報にて開示されている気体加圧ホットトップ連続鋳造方式で、φ50mm棒材を鋳造し、その後、棒材を490℃で4時間均質化処理した。さらに、φ50mmの外径をφ43.2mmまで切削した。
尚(3)以降は、前記<試験1>の(4)〜(8)と同様に処理をした。(3)は省略した。また、2)評価条件についても前記<試験1>と同様である。
<試験3>(実施例15)
1)製造条件
(1)合金成分
合金成分は前記<試験1>と同じとした。
(2)鋳造
鋳造方法はアルミニウム合金を特開昭61−33735号公報にて開示されている水平連続鋳造方式により、φ50mm棒材を鋳造し、その後、棒材を490℃で4時間均質化処理した。さらに、φ50mmの外径をφ43.2mmまで切削した。
尚(3)以降は、前記<試験1>の(4)〜(8)と同様に処理をした。(3)は省略した。また、2)評価条件についても前記<試験1>と同様である。
3)結果
Figure 0004412594
表1より以下のことがわかる。
比較例5に示すように、27%濃度の硫酸で処理し、熱処理を施さない場合は、Hv370程度である。一方、本発明の実施例では、熱処理を施しているので、熱処理をしない比較例5を基準として10%以上皮膜強度が向上している。比較例8はSi粒が存在していないためクラックが発生するので好ましくない。実施例3,4,5,6,7,2,1,9,8の順に温度×時間が大きくなると共に皮膜硬度が好ましい400以上であって、増加傾向が見られる。実施例9の処理温度は高めの300℃であるが、温度×時間は範囲内とすることで良好な皮膜処理の結果を得ることができている。ところが、さらに温度×時間を増加させていくと、比較例2,3,4に見られるように、皮膜強度は改善されず、むしろ急激な母材強度の低下が発生し、好ましい55HRB未満となってしまう。熱処理を施さない比較例5,7ではやはり皮膜は好ましい400未満となってしまう。
(a)スクロール、ピストンなどの空調機器用コンプレッサー部品
(b)自動車のエアサスペンション用コンプレッサーピストン
(c)スプール,スリーブなどの自動車のエンジン,トランスミッション,ABS用油圧部品
(d)自動車のブレーキマスターシリンダーピストン/キャリパーピストン
(e)自動車のクラッチシリンダーピストン
(f)自転車のブレーキキャリパーボディ
等、に用いることができ、特にブレーキキャリパーピストン及びエアサスペンション用コンプレッサーピストン、その他皮膜硬さを必要とし、クラックのない皮膜を望む部品に好適に利用することができる。
温度×時間と、皮膜強度、母材強度の関係を示す相関図である。

Claims (26)

  1. マトリックス中に分散する共晶Si粒子の粒径が0.4〜5.5μmの幅で存在し、その内の共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで60%以上を占め、尚かつ共晶Si粒子が4000個/mm 2 以上40000個/mm 2 未満存在し、
    陽極酸化処理すると形成される陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子が粒径0.4〜5.5μmの幅で存在し、Cu量が1.2質量%以下であり、皮膜厚さ30μm以上、皮膜硬さHv400以上となり、陽極酸化処理後、温度(Tem)と時間(Tim)が1.2≦((Tem[℃])3×(Tim[min]))/108≦9を満足し、陽極酸化処理皮膜の表皮層の表面突起部の脆性化をもたらす条件にて熱処理することにより皮膜硬度が10%以上向上し、皮膜表面が平滑な面粗さを有することを特徴とするアルミニウム合金。
  2. マトリックス中に分散する共晶Si粒子の粒径が0.4〜5.5μmの幅で存在し、その内の共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで60%以上を占め、尚かつ共晶Si粒子が4000個/mm 2 以上40000個/mm 2 未満存在し、
    陽極酸化処理すると形成される陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子が平均粒径1.4〜2.5μmの幅で存在し、Cu量が1.2質量%以下であり、皮膜厚さ30μm以上、皮膜硬さHv400以上となり、陽極酸化処理後、温度(Tem)と時間(Tim)が1.2≦((Tem[℃])3×(Tim[min]))/108≦9を満足し、陽極酸化処理皮膜の表皮層の表面突起部の脆性化をもたらす条件にて熱処理することにより皮膜硬度が10%以上向上し、皮膜表面が平滑な面粗さを有することを特徴とするアルミニウム合金。
  3. 陽極酸化処理すると形成される陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子が粒径0.4〜5.5μmの幅で存在し、皮膜厚さ40μm以上、皮膜硬さHv400以上となることを特徴とする請求項2に記載のアルミニウム合金。
  4. Si:5〜12%(質量%,以下同じ)、Fe:0.1〜1%、Cu:1%未満、Mg:0.3〜1.5%を含有し、残部Al及び不純物からなることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のアルミニウム合金。
  5. Mn:0.1〜1%、Cr:0.04〜0.3%、Zr:0.04〜0.3%、V:0.01〜0.1%、のうちの1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のアルミニウム合金。
  6. Si:9〜12%の場合に共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで80%以上を占めることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のアルミニウム合金。
  7. Cuを実質的に含有しないことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のアルミニウム合金。
  8. Ti:0.01〜0.3%、B:0.0001〜0.05%、Sr:0.001〜0.1%のうち1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載のアルミニウム合金。
  9. 連続鋳造法で鋳造された棒状材であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載のアルミニウム合金。
  10. 連続鋳造法で鋳造された棒状材をさらに押出し加工又は押出し、引抜き加工した棒状材であることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載のアルミニウム合金。
  11. 請求項1乃至10の何れか一項に記載のアルミニウム合金からなることを特徴とする棒状材。
  12. 棒状材の用途が摺動部品であることを特徴とする請求項11に記載の棒状材。
  13. 請求項11乃至12に記載の棒状材に鍛造加工を施したことを特徴とする鍛造成形品。
  14. 請求項11又は12に記載の棒状材に、もしくは請求項13に記載の鍛造成形品に機械加工を施したことを特徴とする機械加工成形品。
  15. マトリックス中に分散する共晶Si粒子の粒径が0.4〜5.5μmの幅で存在し、その内の共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで60%以上を占め、尚かつ共晶Si粒子が4000個/mm 2 以上40000個/mm 2 未満存在し、
    陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子が粒径0.4〜5.5μmの幅で存在し、Cu量が1.2質量%以下であり、皮膜厚さ30μm以上、皮膜硬さHv400以上であり、さらに陽極酸化処理後、温度(Tem)と時間(Tim)が1.2≦((Tem[℃])3×(Tim[min]))/108≦9を満足し、陽極酸化処理皮膜の表皮層の表面突起部の脆性化をもたらす条件にて熱処理することにより皮膜硬度が10%以上向上し、皮膜表面が平滑な面粗さを有してなることを特徴とする陽極酸化皮膜硬さに優れた耐摩耗性アルミニウム合金。
  16. マトリックス中に分散する共晶Si粒子の粒径が0.4〜5.5μmの幅で存在し、その内の共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで60%以上を占め、尚かつ共晶Si粒子が4000個/mm 2 以上40000個/mm 2 未満存在し、
    陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子が平均粒径1.4〜2.5μmの幅で存在し、Cu量が1.2質量%以下であり、皮膜厚さ30μm以上、皮膜硬さHv400以上であり、さらに陽極酸化処理後、温度(Tem)と時間(Tim)が1.2≦((Tem[℃])3×(Tim[min]))/108≦9を満足し、陽極酸化処理皮膜の表皮層の表面突起部の脆性化をもたらす条件にて熱処理することにより皮膜硬度が10%以上向上し、皮膜表面が平滑な面粗さを有してなることを特徴とする陽極酸化皮膜硬さに優れた耐摩耗性アルミニウム合金。
  17. 陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子が粒径0.4〜5.5μmの幅で存在し、皮膜厚さ40μm以上、皮膜硬さHv400以上であることを特徴とする請求項16に記載の陽極酸化皮膜硬さに優れた耐摩耗性アルミニウム合金。
  18. 陽極酸化処理後の熱処理を温度(Tem)と時間(Tim)が2.5≦((Tem[℃])3×(Tim[min]))/108≦5を満足する条件にて行うことを特徴とする請求項15乃至17の何れか一項に記載の陽極酸化皮膜硬さに優れた耐摩耗性アルミニウム合金。
  19. 陽極酸化処理後の熱処理を170〜250℃で15〜160分の条件で行うことを特徴とする請求項15乃至17の何れか一項に記載の陽極酸化皮膜硬さに優れた耐摩耗性アルミニウム合金。
  20. 請求項14に記載の機械加工成形品に陽極酸化処理を施したことを特徴とする陽極酸化皮膜硬さに優れた摺動部品。
  21. 請求項4乃至8の何れか一項に記載の組成のアルミニウム合金を、連続鋳造方式で鋳造を行ない、この鋳塊を均質化処理した後、押出し加工及び/又は鍛造加工及び/又は機械加工し、マトリックス中に分散する共晶Si粒子の粒径を0.4〜5.5μmの幅で存在させ、その内の共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで60%以上を占め、尚かつ共晶Si粒子が4000個/mm 2 以上40000個/mm 2 未満存在させ、陽極酸化処理することにより、陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子を粒径0.4〜5.5μmの幅で存在させ、Cu量が1.2質量%以下であり、皮膜厚さ30μm以上、皮膜硬さHv400以上とし、さらにその後、温度(Tem)と時間(Tim)が1.2≦((Tem[℃])3×(Tim[min]))/108≦9を満足し、陽極酸化処理皮膜の表皮層の表面突起部の脆性化をもたらす条件にて熱処理することにより皮膜硬度を10%以上向上させ、皮膜表面を平滑な面粗さとしたことを特徴とする陽極酸化皮膜硬さに優れた耐摩耗性アルミニウム合金の製造方法。
  22. 請求項4乃至8の何れか一項に記載の組成のアルミニウム合金を、連続鋳造方式で鋳造を行ない、この鋳塊を均質化処理した後、押出し加工及び/又は鍛造加工及び/又は機械加工し、マトリックス中に分散する共晶Si粒子の粒径を0.4〜5.5μmの幅で存在させ、その内の共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで60%以上を占め、尚かつ共晶Si粒子が4000個/mm 2 以上40000個/mm 2 未満存在させ、陽極酸化処理することにより、陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子を平均粒径1.4〜2.5μmの幅で存在させ、Cu量が1.2質量%以下であり、皮膜厚さ30μm以上、皮膜硬さHv400以上とし、さらにその後、温度(Tem)と時間(Tim)が1.2≦((Tem[℃])3×(Tim[min]))/108≦9を満足し、陽極酸化処理皮膜の表皮層の表面突起部の脆性化をもたらす条件にて熱処理することにより皮膜硬度を10%以上向上させ、皮膜表面を平滑な面粗さとしたことを特徴とする陽極酸化皮膜硬さに優れた耐摩耗性アルミニウム合金の製造方法。
  23. 陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子が粒径0.4〜5.5μmの幅で存在し、皮膜厚さ40μm以上、皮膜硬さHv400以上であることを特徴とする請求項22に記載の陽極酸化皮膜硬さに優れた耐摩耗性アルミニウム合金の製造方法。
  24. 請求項4乃至8の何れか一項に記載の組成のアルミニウム合金を、連続鋳造方式で鋳造を行ない、この鋳塊を均質化処理した後、押出し加工及び/又は鍛造加工及び/又は機械加工し、マトリックス中に分散する共晶Si粒子の粒径を0.4〜5.5μmの幅で存在させ、その内の共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで60%以上を占め、尚かつ共晶Si粒子が4000個/mm 2 以上40000個/mm 2 未満存在させ、陽極酸化処理することにより、陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子を粒径0.4〜5.5μmの幅で存在させ、Cu量が1.2質量%以下であり、皮膜厚さ30μm以上、皮膜硬さHv400以上とし、さらにその後、温度(Tem)と時間(Tim)が1.2≦((Tem[℃])3×(Tim[min]))/108≦9を満足し、陽極酸化処理皮膜の表皮層の表面突起部の脆性化をもたらす条件にて熱処理することにより皮膜硬度を10%以上向上させ、皮膜表面を平滑な面粗さとしたことを特徴とする陽極酸化皮膜硬さに優れた摺動部品の製造方法。
  25. 請求項4乃至8の何れか一項に記載の組成のアルミニウム合金を、連続鋳造方式で鋳造を行ない、この鋳塊を均質化処理した後、押出し加工及び/又は鍛造加工及び/又は機械加工し、マトリックス中に分散する共晶Si粒子の粒径を0.4〜5.5μmの幅で存在させ、その内の共晶Si粒子の粒径が0.8〜2.4μmの大きさで60%以上を占め、尚かつ共晶Si粒子が4000個/mm 2 以上40000個/mm 2 未満存在させ、陽極酸化処理することにより、陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子を平均粒径1.4〜2.5μmの幅で存在させ、Cu量が1.2質量%以下であり、皮膜厚さ30μm以上、皮膜硬さHv400以上とし、さらにその後、温度(Tem)と時間(Tim)が1.2≦((Tem[℃])3×(Tim[min]))/108≦9を満足し、陽極酸化処理皮膜の表皮層の表面突起部の脆性化をもたらす条件にて熱処理することにより皮膜硬度を10%以上向上させ、皮膜表面を平滑な面粗さとしたことを特徴とする陽極酸化皮膜硬さに優れた摺動部品の製造方法。
  26. 陽極酸化皮膜中に共晶Si粒子が粒径0.4〜5.5μmの幅で存在し、皮膜厚さ40μm以上、皮膜硬さHv400以上であることを特徴とする請求項25に記載の陽極酸化皮膜硬さに優れた摺動部品の製造方法。
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