JP2000026996A - アルミニウム部品及びその製造方法 - Google Patents

アルミニウム部品及びその製造方法

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JP2000026996A
JP2000026996A JP10197228A JP19722898A JP2000026996A JP 2000026996 A JP2000026996 A JP 2000026996A JP 10197228 A JP10197228 A JP 10197228A JP 19722898 A JP19722898 A JP 19722898A JP 2000026996 A JP2000026996 A JP 2000026996A
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treatment
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Hirotaka Kurita
洋敬 栗田
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Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摺動面全体の耐摩耗性および潤滑性を充分に
高めることができるアルミニウム部品及びその製造方法
を提供する。 【解決手段】 アルミニウム合金からなる部品の表面に
アルマイト層が形成され、このアルマイト層に網目状の
クラックが形成されたアルミニウム部品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルマイト層が形
成されたアルミニウム部品およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム部品の耐食性および硬度を
高めるために、陽極酸化法により部品表面にアルマイト
皮膜を形成することが知られている。このアルマイト処
理は、アルミニウム部品を電解液槽内に浸漬し、部品を
陽極側に接続して電解作用により行われる。このような
アルマイト皮膜には、表面から内部に向けて多数のピン
ホールが形成される。このピンホールは電解液の温度に
応じて形成され、温度が高いと多く形成されアルマイト
皮膜が多孔質化する。
【0003】一方、内燃機関のシリンダブロックのピス
トン摺動面は、耐熱性とともに耐摩耗性が要求され高温
での強度および潤滑性が充分に高いことが必要である。
このシリンダブロックは通常アルミニウム合金の低圧鋳
造品や高圧鋳造品すなわちダイカスト成型品であり、筒
状のシリンダボア内面あるいはシリンダボアに圧入又は
鋳込まれたスリーブの内面に沿ってピストンが摺動す
る。このようなピストンやシリンダブロックのピストン
摺動面の耐摩耗性および潤滑性を高めるために、摺動面
をアルマイト処理してそのピンホールに固体潤滑剤を含
浸させることが提案されている(特開昭61−5344
4号公報、特開平5−25696号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アルマ
イト皮膜のピンホールは微細であり(孔径約0.01μ
m以下)、潤滑オイルや固体潤滑剤を充分に含浸させる
ことができず、長期にわたって潤滑性を維持することが
できず結果として耐摩耗性を維持することができない。
また、点在するピンホールでは、摺動面全体の潤滑性を
充分に高めることができない。
【0005】一方、内燃機関においては、燃焼爆発やピ
ストンの側圧によりアルマイト皮膜にピストン摺動方向
に縦状の溝が形成される場合があり、このような縦方向
の溝にオイルが入る場合も考えられる。しかしながら、
このような縦方向の溝にオイルが含浸されても、摺動面
全体を充分にカバーすることができず、潤滑特性を充分
高めることはできない。
【0006】本発明は上記の点を考慮したものであっ
て、摺動面全体の耐摩耗性および潤滑性を充分に高める
ことができるアルミニウム部品及びその製造方法の提供
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では、アルミニウム合金からなる部品の表面
にアルマイト層が形成され、このアルマイト層に網目状
のクラックが形成されたことを特徴とするアルミニウム
部品を提供する。
【0008】この構成によれば、アルマイト層に網目状
のクラックが形成されるため、このクラック内にオイル
や固体潤滑剤を含浸させることにより、アルマイト層表
面全体にわたって充分な潤滑性を得ることができる。
【0009】また、本発明では、アルミニウム合金から
なる部品の表面にアルマイト層を形成するアルマイト形
成工程と、このアルマイト形成工程の後にアルマイト層
に網目状のクラックを形成するためのクラック形成工程
とを有することを特徴とするアルミニウム部品の製造方
法を提供する。
【0010】この方法によれば、アルマイト層形成後
に、このアルマイト層に対し積極的に網目状のクラック
を形成する工程が設けられ、アルミニウム部品表面に網
目状のクラックが形成され、このクラック内にオイルや
固体潤滑剤を含浸させることができる。
【0011】好ましい構成例では、前記クラック形成工
程は、熱処理からなることを特徴としている。
【0012】この構成によれば、適度な加熱および空冷
等による熱処理を施すことによりアルマイト層に前述の
網目状のクラックが形成される。
【0013】別の好ましい構成例によれば、前記クラッ
ク形成工程は、バニシング処理からなることを特徴とし
ている。
【0014】この構成によれば、球状あるいは円筒状の
押圧工具を用いて被加工物を押し付けて圧縮するバニシ
ング加工により、アルマイト層に網目状のクラックが形
成される。
【0015】さらに好ましい構成例では、前記アルミニ
ウム合金は、銅を含有することを特徴としている。
【0016】この構成によれば、アルミニウム合金に銅
が含有されることにより、陽極酸化処理でアルマイト皮
膜を形成する際、アルマイト皮膜中に気泡が発生する。
アルマイト形成工程後のクラック形成工程で、この気泡
を起点としてアルマイト皮膜に網目状のクラックが効率
的に形成される。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明が適用される内燃
機関の概略構成図である。4サイクル内燃機関1は、ア
ルミニウム合金の低圧鋳造やダイカストで成型したシリ
ンダヘッド2と、シリンダブロック3と、クランクケー
ス4とを結合して構成される。シリンダヘッド2の一方
の側には吸気管5が接続されその端部の吸気開口部5a
には吸気弁6が装着される。シリンダヘッド2の他方の
側には排気管7が接続されその端部の排気開口部7aに
排気弁8が装着される。筒状のシリンダブロック3のシ
リンダボア内面に沿ってピストン9が摺動する。ピスト
ン9の側面にはピストンリング10が装着されている。
このピストン9は、ピストンピン11、コンロッド12
およびクランクアーム13を介してクランク軸14に連
結される。
【0018】ピストン9の摺動面となるシリンダブロッ
ク3のシリンダボア内面すなわち筒状内面は、アルミニ
ウム合金からなるスリーブ(図示しない)が圧入または
鋳込みにより装着される型式と、スリーブを装着しない
でピストン9が直接シリンダブロック3の筒状内面に接
するスリーブレス型式とがある。本実施形態では、いず
れの型式においても、ピストン摺動面の強化のために筒
状内面にアルマイト処理が施される。
【0019】図2は、本発明の実施の形態に係るアルマ
イト処理装置の構成図である。この実施形態は、シリン
ダブロック3に装着されたピストン摺動面となるスリー
ブ17の内面をアルマイト処理するものである。シリン
ダブロック3は、ガスケット15を介して支持台16上
に搭載される。ガスケット15は、電解液の漏れを防止
するためのシール材であるとともに電解電流がより多く
シリンダボア面から流れるようにするための絶縁材とし
て機能する。スリーブ17内には、その軸方向に電極棒
29が挿入される。電極棒29は、交流電源30から整
流器24および制御回路25を介して直流に変換した直
流電源31の負極側に接続される。直流電源30の正極
側はスリーブ17が装着されたシリンダブロック3に接
続される。これにより、負極側の電極棒29とこれに間
隔を隔てて対向する正極側のスリーブ17の内面との間
で、電解液を介して陽極酸化反応が起こり、後述のよう
にスリーブ17の内表面に陽極酸化皮膜であるアルマイ
ト層が形成される。スリーブ17の上端はOリング18
を介してカバー19でシールされる。カバー19には、
電解液の循環流路20が接続されこれに連通する。支持
台16の下端部(図示しない)もシールされ、循環ポン
プ28により電解液槽26内の電解液27が送り込まれ
る。電解液はスリーブ17と電極棒29との間を流れて
循環流路20内を循環する。この循環流路20の途中に
電解液槽26が配置され、また循環ポンプ28が設けら
れる。
【0020】循環流路20上には、さらに冷却装置32
が設けられる。すなわち、循環流路20を構成する電解
液槽26、循環ポンプ28、電解液槽26と循環ポンプ
28の間の管路、スリーブ17と電極棒29の間である
アルマルイト処理用電流通過部、循環ポンプ28とアル
マルイト処理用電流通過部の間の管路、及びアルマイト
処理用電流通過部と電解液槽26の間の管路のいずれか
の部分において、処理液の流れ方向に直列あるいは並列
に冷却装置32が配置される。この冷却装置32は、例
えば冷媒配管22が接続された冷凍機の蒸発器を構成す
る冷却コイル23を備えた熱交換器であってもよい。あ
るいは冷却コイル23に冷却水を循環させてもよい。さ
らに、例えば循環流路20の途中の管路に冷却フィンを
つけ、ファンで冷却する空冷式の冷却装置を設けたり、
循環流路20の途中から分流しアルマイト処理用電流通
過部と並列に配置した冷却装置を通過させた後循環流路
20に合流してもよい。
【0021】なお、例えば電解液槽26の中に冷却水が
通過する冷却コイルを浸漬したり、循環ポンプ28その
ものの中に冷却水循環用の水ジャケットを設けたり、電
極棒29の内部に冷却水循環用ジャケットを設けるよう
にして冷却装置32を構成してもよい。また、シリンダ
ブロック3のシリンダボア周囲の水ジャケット3Aに冷
却水を循環してもよい。
【0022】循環流路20のスリーブ17の出口側近傍
には、温度センサ21が装着され電解液の温度を検出す
る。この温度センサ21は、例えば図示しない制御装置
に接続され、設定温度より上昇した場合に、冷却装置3
2を駆動あるいはその冷媒(冷却水)流量を増加させて
電解液の温度上昇を抑え一定温度に保つようにフィード
バック制御する。冷却装置32による温度制御ととも
に、循環ポンプ28を駆動制御して、温度が上昇したと
きに電解液の循環流量を多くして陽極酸化反応での発熱
による温度上昇に伴う反応速度の低下を防止してもよ
い。さらに、直流電源31を制御して、温度が上昇した
ときに電圧を高め、反応速度を増大させてもよい。
【0023】なお、スリーブ17の出口側のカバー19
でスリーブ17の上側を完全に封止し、電極棒29の中
心部に循環通路を形成し、この循環通路を通して電解液
を電解液槽26に戻すように構成してもよい。この場
合、冷却装置32は、循環ポンプ28の吸引側あるいは
吐出側の配管上に設けて電解液を冷却することができ
る。
【0024】図3は、スリーブレスのシリンダブロック
の製造工程を示すフローチャートである。まずシリンダ
ブロックをアルミ合金のダイカストにより成型する(ス
テップS1)。シリンダブロックの材料としては以下の
表1に示す材料のADC1からADC14の内いずれか
が用いられる。
【0025】なお、耐摩耗性を増加させるために、表に
示された成分に加えて、SiC等の金属炭化物やその他
金属間化合物を混入させてもよい。
【0026】
【表1】
【0027】ダイカスト成型の後、残留応力除去のため
に焼鈍される(ステップS2)。この焼鈍の熱処理条件
は、一例として約250℃で4時間行われる。次にシリ
ンダブロック各部に機械加工が施され形状が整えられる
(ステップS3)。続いて、シリンダボアにバニシング
加工が施され(ステップS4)、さらにボーリング加工
が施され(ステップS5)、ピストン摺動面となるシリ
ンダボア内面が圧縮押圧作用により仕上げ加工される。
なおステップS4のバニシングによる仕上げ加工は省略
してもよい。
【0028】次に、この仕上げ加工が施されたシリンダ
ボア内面にアルマイト処理が施されシリンダボアの内面
が強化される(ステップS6)。このアルマイト処理条
件の詳細は後述する。
【0029】次に、アルマイト皮膜にクラック形成のた
めの熱処理を施す(ステップS7)。この熱処理条件
は、例えば250℃で30分間シリンダブロック全体を
加熱し、その後空冷する。この熱処理により、アルマイ
ト皮膜に後述のように網目状にクラックが形成される。
このクラックは、アルマイト皮膜の下層となる母材アル
ミニウム合金の熱膨張係数がアルマイト皮膜より大きい
ため、アルマイト皮膜が母材の膨張に追従できないこと
により生じる。このようなクラックを形成することによ
り、このクラックにオイルあるいは固体潤滑剤を含浸さ
せることができ、ピストンの摺動時にアルマイト皮膜表
面の摩擦抵抗が低減し、摺動面の耐摩耗性が向上する。
【0030】次に、シリンダボア内面にさらにクラック
を形成するためのバニシング加工を施す(ステップS
8)。このバニシング加工によるクラックは、母材のア
ルミニウム合金よりアルマイト皮膜の硬度が大きく延性
が小さいため、バニシングにより皮膜に圧力を加えたと
き、母材が延びても皮膜がこれに追従して延びることが
できずクラックが発生するものである。この場合、母材
中に銅が含まれていると、T6処理やT7処理等の熱処
理を施すことにより母材の強度が高められる。このよう
な母材強化のための銅を含むアルミニウム合金において
は、陽極酸化処理により形成されたアルマイト皮膜中に
細かい気泡が発生しやすい。したがって、アルマイト処
理後に熱処理やバニシング加工を施すことにより、この
気泡を起点としてクラックを効果的に形成することがで
きる。
【0031】図4は、このようなクラックの形状を示
す。図4(A)に示すように、0.1〜5mm程度の網
目状のクラックがアルマイト皮膜表面に形成される。こ
のクラックは同図(B)に示すように、幅0.1〜10
μmで深さが30〜50μm程度の大きさである。この
ような網目状のクラックに潤滑オイルや固体潤滑剤を塗
布等により含浸させることにより、点状に散在するピン
ホールや1方向に形成されたクラックに比べ潤滑作用が
高まるため、ピストンの摺動時にアルマイト皮膜表面の
摩擦抵抗が大きく低減し、摺動面の耐摩耗性が大幅に向
上する。なお、固体潤滑剤としては、例えば、非晶性フ
ッ素樹脂、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、黒
鉛、フッ化カーボン、窒化ホウ素等を用いることができ
る。
【0032】このようなクラックを形成するためのバニ
シング条件の一例は以下のとおりである。加工前の円筒
半径をr、加工後の円筒半径をr+Δr、加工により円
筒内表面に生じる歪をε=Δr/rとする。Δr×2を
バニッシュ量とよぶ。実施例としてεの範囲を0.00
01〜0.005とし、加工前寸法φ70の円筒内面へ
のバニッシュ量を0.01〜0.315mmとする。
【0033】以上のような熱処理(ステップS7)およ
びバニシング加工(ステップS8)によりアルマイト皮
膜にクラックが形成される。なお、熱処理(ステップS
7)およびバニシング加工(ステップS8)はいずれか
一方のみ施して他方を省略してもよい。
【0034】続いて、クラックが形成されたアルマイト
皮膜表面をホーニング加工して表面を仕上げる(ステッ
プS9)。以上により、シリンダボア内面のアルマイト
処理を含むスリーブレスのシリンダブロックの製造プロ
セスが終了する。
【0035】図5は、スリーブを鋳ぐるんだシリンダブ
ロックの製造工程を示すフローチャートである。まず、
スリーブ材料となるアルミ合金のパイプ材を準備する
(ステップS10)。このスリーブ材料としては、以下
の表2に示す材料のいずれかを用いることができる。
【0036】なお、耐摩耗性を増加させるために、表に
示された成分に加えて、硬度の高いSiC等の金属炭化
物やその他金属間化合物を混入させてもよい。
【0037】
【表2】
【0038】次に、このパイプ材に対し、T6処理によ
り所定の溶体化処理および時効硬化処理を施して強度を
高める(ステップS11)。続いて、パイプ材を機械加
工してスリーブ形状とする(ステップS12)。さらに
このスリーブに対しT6処理を施して強度を高める(ス
テップS13)。このスリーブ材のT6処理条件を以下
の表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】このようにして作成したスリーブを、シリ
ンダブロックに鋳ぐるんでダイカストにより鋳込み成型
する(ステップS14)。このシリンダブロックの材料
は、前述のスリーブレスの場合と同様に、表1に示した
ものが用いられる。このようにスリーブを鋳込んだシリ
ンダブロックを製造した後は、このシリンダブロックに
対し、前述の図3のスリーブレスのフローと同様に、ス
テップS2〜ステップS9の各処理、すなわち、残留応
力除去のための焼鈍(ステップS2)、シリンダブロッ
ク各部の機械加工(ステップS3)、シリンダボアのバ
ニシング加工(ステップS4)、シリンダボアのボーリ
ング加工(ステップS5)、シリンダボア内面のアルマ
イト処理(ステップS6)、クラック形成のための熱処
理(ステップS7)およびバニシング加工(ステップS
8)、および仕上げのホーニング加工(ステップS9)
が施される。以上によりスリーブ内面のアルマイト処理
を含むスリーブ鋳込みのシリンダブロックの製造プロセ
スが完了する。図6は、スリーブ圧入のシリンダブロッ
クの製造工程を示すフローチャートである。前述のスリ
ーブレスの場合と同様に、シリンダブロックがダイカス
トにより成型され(ステップS1)、残留応力が除去さ
れ(ステップS2)、各部が機械加工されてシリンダブ
ロックが作成される(ステップS3)。
【0041】一方、前述のスリーブ鋳込みの場合と同様
に、アルミ合金パイプ材(ステップS10)にT6処理
を施し(ステップS11)、機械加工を施し(ステップ
S12)さらにT6処理を施して(ステップS13)ス
リーブを製造する。
【0042】このように別々に製造されたシリンダブロ
ックとスリーブとを用い、このシリンダブロックのシリ
ンダボアにスリーブを圧入する(ステップS15)。そ
の後、このスリーブが圧入されたシリンダブロックに対
し、前述の図3のスリーブレスのフローおよび図5の鋳
込みのフローと同様に、ステップS3〜ステップS9の
各処理、すなわち、シリンダブロック各部の機械加工
(ステップS3)、シリンダボアのバニシング加工(ス
テップS4)、シリンダボアのボーリング加工(ステッ
プS5)、シリンダボア内面のアルマイト処理(ステッ
プS6)、クラック形成のための熱処理(ステップS
7)およびバニシング加工(ステップS8)、および仕
上げのホーニング加工(ステップS9)が施される。以
上によりスリーブ内面のアルマイト処理を含むスリーブ
圧入のシリンダブロックの製造プロセスが完了する。
【0043】図3、図5、図6の各実施形態においてシ
リンダブロック3を高圧鋳造であるダイカストにより形
成したが、ダイカストに代えて重力鋳造その他の低圧鋳
造によってもよい。その場合にはシリンダブロック3の
材料としては表1に示す材料のAC2AからAC4Dの
内いずれかが用いられる。
【0044】図7は、本発明の実施の形態に係る内燃機
関のピストン製造工程のフローチャートである。まず、
アルミニウム合金の鋳造または鍛造により、粗いピスト
ン形状のピストン素材を成型する(ステップS30)。
このピストン材料となるアルミニウム合金としては、以
下の表4に示す合金の内いずれかを用いることができ
る。
【0045】なお、耐摩耗性を増加させるために、表に
示された成分に加えて、高硬度のSiC等の金属炭化物
やその他金属間化合物を混入させてもよい。
【0046】
【表4】
【0047】次に、強度を高めるためにT6またはT7
の熱処理を施す(ステップS31)。なお、T7処理
は、前述のT6処理に比べ、溶体化処理後の時効処理を
長くして安定化を高めた熱処理である。
【0048】次に、ピストン各部の機械加工を施す(ス
テップS32)。この機械加工工程において、ピストン
ピンを挿入するピン孔加工や、ピストンリングを装着す
るリング溝加工や、ピストンを後述のアルマイト処理や
メッキ処理する際に電解液中に保持する保持用治具に保
持される形状とするための加工が施される。
【0049】続いて、ピストンのピン孔およびリング溝
を含みピストン外周面に後述のアルマイト処理が施され
る(ステップS33)。次に、ピストン外面の機械加工
が施される(ステップS34)。この外面加工工程にお
いて、ピストンの外周面の形状が整えられる。その後、
正確なピストン形状のカムプロフィールにしたがって仕
上げ加工が施される(ステップS35)。最後にピスト
ン加工用にピストン頂面に形成されていたセンターボス
が削除される。
【0050】図8は、ピストンのアルマイト処理を行う
静止浴の構成図である。ピストンのアルマイト処理は、
前述の図2に示したアルマイト処理装置において、シリ
ンダブロック3の代りに円筒状の電極筒を配置し、支持
台16の内側部において電極棒29の代りにピストン支
持棒を配置し、電極筒の内側において電極棒29の代り
にピストンをヘッド部を上方としてピストン支持棒の上
に載置し、電極筒を直流電源30の負極側に、ピストン
を直流電源30の正極側にそれぞれ接続し、ピストン外
周のスカート部と電極筒の間を通して電解液を循環させ
るようにして実施してもよい。あるいは図8のように電
解液槽内にピストンを浸漬させる静止浴を用いてもよ
い。図示したように、電解液槽50内に電解液51が収
容され、この電解液中に保持具52に保持されたピスト
ン53が浸漬される。この保持具52は、上下2段の保
持枠52aにそれぞれ2個のピストン53を保持し、図
では合計4個のピストン53を保持した状態を示してい
る。このような保持具52を図面に垂直方向にさらに並
列させて複数個電解液槽50内に浸漬させてもよい。ピ
ストン53の両側には陰極板54が配置される。ピスト
ンを保持する保持具52は、直流電源55の陽極に接続
され、陰極板54は直流電源55の陰極に接続される。
このような静止浴(電解液槽50)の構成により、ピス
トン53の表面に陽極酸化によりアルマイト皮膜が形成
される。
【0051】図8において、100は電解液を冷却する
ための放熱器であり、101は電解液の冷却液を吐出す
る吐出ノズル、102は電解液冷却用の循環路、103
は循環ポンプである。不図示の膨張弁を通過して低温低
圧化した液相冷媒を、低圧管路104により放熱器10
0内の蒸発コイル104aに導くようにしている。アル
マイト処理中ピストン53のアルマイト処理層の温度上
昇を防止するので、アルマイト層の硬度低下を防止でき
る。なお、浴槽50の下部あるいはピストン53に設け
た温度センサ105により温度を検知し、制御装置10
6によりこの温度が高い程循環路を流れる電解液流量を
多くするか、不図示の圧縮機の冷媒吐出圧力を増大さ
せ、ピストン53のアルマイト処理層の温度上昇を防止
してもよい。あるいは放熱器100の下流部の温度を温
度センサ105’により検知し、この温度を30℃以下
に管理してもよい。これらにより、より確実にアルマイ
ト処理中のアルマイト処理層の温度上昇を防止でき、よ
り確実にアルマイト層の硬度低下を防止できる。また、
吐出ノズル101の冷却液の吐出方向にピストンピン孔
を配置するようにするとよい。さらに、放熱器100を
地下水で冷却するか、空冷式としてもよい。
【0052】なお、ピストン53はアルマイト処理後の
仕上げ加工をしないのが普通であり、その場合にはアル
マイト処理に伴う寸法増大を見込んで図7の各加工工程
において、製品寸法より余分に削り加工を施す。
【0053】図9は、上記ピストンに装着されるピスト
ンリングの断面図である。このピストンリングは、リン
グ本体56とその摺動面である外周面を表面処理して形
成した被覆部57とからなる。このリング本体56のリ
ング材料の例を以下の表5に示し、これを表面処理した
被覆部57の処理の例を表6に示す。
【0054】
【表5】
【0055】
【表6】
【0056】表6に示すいずれの処理例によるものであ
っても被覆部57は、上記実施形態のアルマイト処理を
施したシリンダボア内周面を摺動するに際し、シリンダ
ボア内周面との相性がよく、自身の摩耗もシリンダボア
内周面のアルマイト処理層の摩耗も少なくすることがで
きる。特に、アルマイト処理後前記したようにクラック
が形成され、潤滑油や固体潤滑剤をクラック部に含浸さ
せる場合や、下記するようにシリンダボア内周面に露出
するSi粒子等の金属間化合物を混酸エッチング処理で
除去したものにアルマイト処理し、クラックに加えて凹
部をより積極的に形成して潤滑油や固体潤滑剤をより多
く含浸させるようにしたものでは効果が顕著である。
【0057】また、下記するように、表面にSi粒子や
硬度の高いSiC等の金属炭化物やその他の金属間化合
物を露出した状態のアルマイト皮膜とするものにおいて
も、アルマイト皮膜側の硬度が上昇してシリンダボア内
周面の摩耗が少なくなるだけでなく、被覆部57の皮膜
との馴染み性を向上でき、オイルや燃焼ガスのシール性
を向上できる。
【0058】また、表5に示すいずれかの材料によるも
のであってもリング本体56は、アルマイト処理され熱
処理等により表面にクラックが形成された、さらには混
酸エッチング処理によるSi粒子等の金属間化合物の除
去に基づく凹部の形成されたピストン9のリング溝内に
収められた状態で、リング溝面と絶えず衝突したりする
が、リング溝面のクラック部や凹部へ潤滑油や固体潤滑
剤を含浸させることができ、リング溝面、リング本体5
6の両方の叩かれ摩耗を防止することができる。また、
リング本体56はSi粒子や硬度の高いSiC等の金属
間化合物が表面に露出するリング溝内に収められた場合
においても、リング溝面の摩耗を防止することができ
る。またこのいずれの場合においても、表5に例示のリ
ング本体56のリング材料を採用することにより、リン
グ溝面とリング本体56の馴染み性を向上し、リングの
背面をオイルや燃焼ガスが通過するのを防止することが
できる。
【0059】図10は、上記シリンダブロックの各製造
フロー(図3、図5、図6)におけるアルマイト処理プ
ロセス(ステップS6)およびピストンの製造フロー
(図7)におけるアルマイト処理プロセス(ステップS
33)の詳細フローチャートである。
【0060】まず、アルミニウム合金の母材表面の油分
を除去するための脱脂処理が施される(ステップS1
6)。この脱脂処理には、(1)酸脱脂法と、(2)ア
ルカリ脱脂法の2通りがあり、いずれか一方の脱脂法で
行われる。それぞれの脱脂法の脱脂条件を以下の表7に
示す。
【0061】
【表7】
【0062】脱脂処理が終了したら、脱脂用の薬剤を除
去するために水洗処理が施される(ステップS17)。
次に、必要に応じて、アルカリエッチング処理(ステッ
プS18)または混酸エッチング処理(ステップS2
0)のいずれか又は両方が施され、母材表面がエッチン
グされる。それぞれのエッチング処理の後にはエッチン
グ液除去のための水洗処理が施される(ステップS1
9、ステップS21)。アルカリエッチングのエッチン
グ条件を以下の表8に示し、混酸エッチングのエッチン
グ条件を表9に示す。
【0063】
【表8】
【0064】
【表9】
【0065】上記アルカリエッチングにおいては、アル
ミ合金の母材中に散在するシリコン(Si)粒子や金属
間化合物粒子を残して母材表面がエッチングされ、表面
にシリコンや金属間化合物の粒子を突出させて母材表面
が除去される。一方、混酸エッチングにおいては、逆に
シリコン粒子や金属間化合物粒子がエッチングされ、母
材表面には、シリコン粒子や金属間化合物が除去された
跡の凹みが形成される。
【0066】このようなエッチング処理は、その前工程
の脱脂処理において表面の汚れが充分に除去されていな
いおそれがある場合には、アルカリエッチングおよび混
酸エッチングの両方を行って表面層を完全に除去するこ
とが後の工程で実施される陽極酸化処理の信頼性を高め
る上で望ましい。
【0067】混酸エッチングによるシリコン粒子や金属
間化合物が除去された跡の凹みは、オイルや固体潤滑剤
を含浸させるための凹みとして用いることができる。
【0068】次に、このようにエッチングされた母材表
面に陽極酸化処理を施して、アルマイト皮膜を形成する
(ステップS22)。この陽極酸化処理は、例えば前述
の図2に示したアルマイト処理装置を用いて行われる。
このアルマイト処理の実施例を以下の表10に示す。
(A)は、前述の表1中のADC12からなるスリーブ
レスのシリンダブロックのシリンダボア内面にアルマイ
ト処理を施した例であり、(B)は、前述の表2中のA
6061からなるスリーブを鋳込んだシリンダブロック
のスリーブ内面にアルマイト処理を施した例である。ま
た、(C)は、前述の表4の合金5からなるピストンに
アルマイト処理を施した例である。
【0069】
【表10】
【0070】表に示したように、電解液として硫酸に加
え、シュウ酸およびクエン酸を添加した。硫酸は皮膜溶
解力が強く、電解により陽極酸化膜が形成された後、こ
の陽極酸化膜を溶解してしまう。このため陽極酸化処理
中に酸化膜表面に形成されたピンホールが溶解して拡大
され、その結果表面硬さが低下する。しかしながら、本
実施例のように、シュウ酸やクエン酸を添加することに
より、硫酸の皮膜溶解力が低下して皮膜硬度を高めるこ
とができる。この場合、電解液全てをシュウ酸やクエン
酸にすると、電解液の電気伝導度すなわち電荷運搬機能
が小さくなって反応速度が低下する。しかしながら、電
解液中に硫酸を適当な量だけ含ませることにより、電気
伝導度が上昇し所定厚さのアルマイト皮膜を得るまでの
処理時間が短くなるとともに、硫酸の割合が少ないので
形成されたアルマイト皮膜の溶解作用による皮膜の硬度
低下を防止できる。
【0071】図13は電解条件を一定として硬さに及ぼ
す浴温の影響を示す図である。図中イは、A6061の
アルミニウム合金に、電流密度3A/dm2(アンペア
/100cm2)、電流波形:直流、電解時間:20
分、電解液は硫酸濃度:20g/l、シュウ酸+クエン
酸濃度:40g/lの条件でアルマイト処理した時のデ
ータであり、浴温が30℃以下でHv380以上が得ら
れる。表1や表2の他のアルミニウム合金においても、
浴温を約30℃以下に管理してアルマイト処理すること
によりアルマイト皮膜は、ピストンが摺動するシリンダ
内周面として実用上十分な耐摩耗性が得られる硬度のH
v380以上となる。さらに図中ロは、電解液を硫酸濃
度:20g/l、シュウ酸+クエン酸濃度:0g/lと
し、他の条件はイと同じとした時のデータであり、浴温
が約20℃以下でHv380以上が得られることを示
す。
【0072】以上のような陽極酸化処理によりアルマイ
ト皮膜を形成後、水洗処理を施して電解液を除去し(ス
テップS23)、2次電解処理を行う(ステップS2
4)。この2次電解処理おいて、アルマイト皮膜表面に
無数に形成されたピンホール底部に、固体潤滑剤を電解
作用により析出させてこれを堆積させ、ピンホール内を
その底部から固体潤滑剤で充填する。これにより、皮膜
表面の潤滑性がさらに高まり、耐摩耗性がさらに向上す
る。
【0073】続いて、固体潤滑剤の電解液を水洗により
除去し(ステップS25)、この水分をエアブローによ
り除去してシリンダブロックを乾燥させてアルマイト処
理が完了する(ステップS26)。
【0074】図11および図12は、前述のシリンダブ
ロックおよびピストンの製造プロセスの各工程における
母材表面部分の断面図である。図11は、脱脂処理後エ
ッチングプロセスを省略してアルマイト処理を行ったフ
ローを順番に示す。図12は、混酸エッチングを行った
後にアルマイト処理を行ったフローを順番に示す。
【0075】図11(A)は、脱脂処理後の状態を示
す。アルミニウム合金からなる母材40中にはシリコン
粒子やSiC等の金属炭化物やその他の金属間化合物粒
子41が散在する。この母材40の表面40aの油分等
の汚れが脱脂処理により除去される。脱脂処理後、アル
マイト処理が施され、同図(B)に示すように、母材4
0上にアルマイト皮膜42が形成される。このアルマイ
ト皮膜42中にもシリコン粒子41が散在する。またア
ルマイト皮膜42中には気泡43が発生する。この気泡
43は、前述のように、母材40中に銅成分が含まれて
いると多く発生する。
【0076】続いて、熱処理またはバニシング加工が行
われ、同図(C)に示すように、アルマイト皮膜42に
クラック44が形成される。次に、同図(D)に示すよ
うに、ホーニング加工が施されアルマイト皮膜42の表
面42aが仕上げられる。
【0077】図12(A)は、混酸エッチング処理後の
状態を示す。母材40の表面のシリコン粒子41がエッ
チングにより除去され凹み45が形成される。この状態
でアルマイト処理が施され、同図(B)に示すように、
母材40の表面にアルマイト皮膜42が形成される。こ
のアルマイト皮膜42の表面には凹み45が残ってい
る。続いて、熱処理またはバニシング加工が施され、同
図(C)に示すように、アルマイト皮膜42にクラック
44が形成される。次に、同図(D)に示すように、ホ
ーニング加工が施されアルマイト皮膜42の表面42a
が仕上げられる。この場合、アルマイト皮膜42には、
クラック44とともに混酸エッチングによる凹み45が
形成されているため、オイルや固体潤滑剤の含浸量を多
くすることができる。
【0078】なお、耐酸性の金属間化合物粒子41が表
面に露出する場合には混酸エッチングで溶出せず、アル
マイト処理後のアルマイト皮膜42の表面に露出する。
あるいはアルマイト皮膜42の表面に露出しないシリコ
ン粒子41がホーニングによりアルマイト皮膜42の表
面に露出する。このように、全ての工程を経た状態でシ
リコン粒子やSiC等の硬度の高い金属間化合物粒子4
1が表面に露出する場合には、アルマイト皮膜42の表
面の平均硬度を高めることになり、耐摩耗性が向上す
る。
【0079】さらに、脱脂処理後にアルカリエッチン
グ、熱処理あるいはバニシング、その後にホーニングす
る場合には、アルカリエッチングによりシリコン粒子4
1を残して母材40の表面が除去されるので、アルマイ
ト皮膜42の表面にシリコン粒子が突出し、最終工程の
ホーニングを経てもアルマイト皮膜42の表面にシリコ
ン粒子が露出する。さらにアルマイト皮膜42の表面下
に隠れるシリコン粒子もホーニングにより露出するの
で、アルマイト皮膜42の表面の平均硬度を高めること
になり、耐摩耗性が向上する。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、アル
マイト層に網目状のクラックが形成されるため、このク
ラック内にオイルや固体潤滑剤を含浸させることによ
り、アルマイト層表面全体にわたって充分な潤滑性を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用される内燃機関の構成図。
【図2】 本発明の実施の形態に係るアルマイト処理装
置の構成図。
【図3】 スリーブレスシリンダブロック製造プロセス
のフローチャート。
【図4】 クラックの説明図。
【図5】 スリーブ鋳込みシリンダブロック製造プロセ
スのフローチャート。
【図6】 スリーブ圧入シリンダブロック製造プロセス
のフローチャート。
【図7】 ピストン製造工程のフローチャート。
【図8】 ピストンをアルマイト処理する静止浴の構成
図。
【図9】 本発明の実施形態に係るピストンリングの断
面図。
【図10】 アルマイト処理のフローチャート。
【図11】 アルミニウム部品の製造プロセスを順番に
示す断面図。
【図12】 アルミニウム部品の別の製造プロセスを順
番に示す断面図。
【図13】 アルマイトの硬さに及ぼす浴温の影響を示
すグラフ。
【符号の説明】
1:内燃機関、2:シリンダヘッド、3:シリンダブロ
ック、4:クランクケース、5:吸気管、5a:吸気開
口部、6:吸気弁、7:排気管、7a:排気開口部、
8:排気弁、9:ピストン、10:ピストンリング、1
1:ピストンピン、12:コンロッド、13:クランク
アーム、14:クランク軸、15:ガスケット、16:
支持台、17:スリーブ、18:Oリング、19:カバ
ー、20:循環流路、21:温度センサ、22:冷媒配
管、23:冷却コイル、24:整流器、25:制御装
置、26:電解液槽、27:電解液、28:循環ポン
プ、29:電極棒、30:交流電源、31:直流電源、
32:冷却装置、40:母材、41:シリコン粒子、4
2:アルマイト皮膜、43:気泡、44:クラック、4
5:凹み、50:電解液槽、51:電解液、52:保持
具、53:ピストン、54:陰極板、55:直流電源、
56:リング本体、57:被覆部。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム合金からなる部品の表面にア
    ルマイト層が形成され、このアルマイト層に網目状のク
    ラックが形成されたことを特徴とするアルミニウム部
    品。
  2. 【請求項2】アルミニウム合金からなる部品の表面にア
    ルマイト層を形成するアルマイト形成工程と、このアル
    マイト形成工程の後にアルマイト層に網目状のクラック
    を形成するためのクラック形成工程とを有することを特
    徴とするアルミニウム部品の製造方法。
  3. 【請求項3】前記クラック形成工程は、熱処理からなる
    ことを特徴とする請求項2に記載のアルミニウム部品の
    製造方法。
  4. 【請求項4】前記クラック形成工程は、バニシング処理
    からなることを特徴とする請求項2に記載のアルミニウ
    ム部品の製造方法。
  5. 【請求項5】前記アルミニウム合金は、銅を含有するこ
    とを特徴とする請求項2、3または4に記載のアルミニ
    ウム部品の製造方法。
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