JP4412218B2 - 内燃機関の制御装置及び内燃機関の排気温度推定方法 - Google Patents
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Description
そこで、本発明者は、排気と排気系との熱交換を模擬した熱交換モデルを構築するとともに、機関本体での排気温度の推定値を同熱交換モデルへ適用して排気温度の推定を行うことで、排気温度の推定精度の向上を図るようにした。
<請求項1>
請求項1に記載の発明は、排気温度をパラメータとして機関制御を行う機関制御手段と、機関本体での排気温度または該温度に相当する排気温度を入力排気温度として該入力排気温度の推定値を算出する入力温度推定手段と、前記機関制御に用いられる排気温度を出力排気温度として該出力排気温度の推定値を前記入力排気温度の推定値に基づいて算出する出力温度推定手段とを備えた内燃機関の制御装置において、燃料噴射量及び吸入空気量の少なくとも一方に基づいてなまし値を設定し、この設定したなまし値を用いて前記入力排気温度の推定値を算出する推定手段を備えたことを要旨としている。
(a)運転状態を運転状態Aから運転状態Bへ切り替えるとともに運転状態Bを長期間にわたって継続したとき、入力排気温度はある程度の遅れをもって運転状態Bに適合した入力排気温度(定常排気温度)へ収束する。
(b)入力排気温度が定常排気温度へ収束するまでの時間は燃料噴射量や吸入空気量と相関を有する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記推定手段は、次の計算式から前記入力排気温度の推定値を算出するものである
Y ← Y(n−1)+{Z(n)−Y(n−1)}/X
(A)前記「Y」は今回制御周期における前記入力排気温度の推定値
(B)前記「Y(n−1)」は前回制御周期にて算出した前記入力排気温度の推定値
(C)前記「Z(n)」は今回制御周期の機関運転状態に基づいて算出した前記入力排気温度の推定値の基準値
(D)前記「X」は燃料噴射量及び吸入空気量の少なくとも一方に基づいて設定したなまし値
ことを要旨としている。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関の制御装置において、前記推定手段は、前記燃料噴射量及び吸入空気量の少なくとも一方と前記なまし値との関係を予め設定した演算モデルから前記「X」を算出するものであることを要旨としている。
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の内燃機関の制御装置において、前記推定手段は、機関運転状態と前記入力排気温度との関係を予め設定した演算モデルから前記「Z(n)」を算出するものであることを要旨としている。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、前記推定手段は、燃料噴射量が大きくなるにつれて前記なまし値を大きくするものであることを要旨としている。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、前記推定手段は、吸入空気量が大きくなるにつれて前記なまし値を小さくするものであることを要旨としている。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、前記出力温度推定手段は、排気と排気系との熱交換を模擬した熱交換モデルへ前記入力排気温度の推定値を適用することで前記出力排気温度の推定値を算出するものであることを要旨としている。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、当該内燃機関は、排気中へ添加剤を供給する添加剤供給手段と、排気中の窒素酸化物を吸蔵する触媒装置とを備えるものであり、当該制御装置は、前記触媒装置に吸蔵されている窒素酸化物を還元するための条件が成立しているとき、前記添加剤供給手段による添加剤の供給を通じて前記窒素酸化物を還元する処理を行うとともに、前記触媒装置の温度の推定値が前記添加剤による窒素酸化物の還元反応を起こすことのできる還元温度以上であることを少なくとも前記条件に含むものであり、さらに前記出力排気温度の推定値に基づいて前記触媒装置の温度の推定値を算出するものであることを要旨としている。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、当該内燃機関は、排気中へ添加剤を供給する添加剤供給手段と、排気中の窒素酸化物を吸蔵する触媒装置とを備えるものであり、当該制御装置は、前記触媒装置に吸蔵されている硫黄酸化物を還元するための条件が成立しているとき、前記添加剤供給手段による添加剤の供給を通じて前記硫黄酸化物を還元する処理を行うとともに前記触媒装置の温度の推定値と前記触媒装置の温度の目標値とに基づいて前記添加剤の供給量を設定するものであり、さらに前記出力排気温度の推定値に基づいて前記触媒装置の温度の推定値を算出するものであることを要旨としている。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、当該内燃機関は、排気中へ添加剤を供給する添加剤供給手段と、前記添加剤の酸化反応を促進させる触媒装置と、該触媒装置の下流に配置されるとともに粒子状物質を捕捉する排気フィルタとを備えるものであり、当該制御装置は、前記排気フィルタに捕捉されている粒子状物質を浄化するための条件が成立しているとき、前記添加剤供給手段による添加剤の供給を通じて前記粒子状物質を浄化する処理を行うとともに前記排気フィルタの温度の推定値と前記排気フィルタの温度の目標値とに基づいて前記添加剤の供給量を設定するものであり、さらに前記出力排気温度の推定値に基づいて前記排気フィルタの温度の推定値を算出するものであることを要旨としている。
請求項11に記載の発明は、排気温度の推定値を用いて機関制御を行う内燃機関の制御装置において、燃料噴射量及び吸入空気量の少なくとも一方に基づいて設定したなまし値を用いて前記排気温度の推定値を算出する推定手段を備えたことを要旨としている。
請求項12に記載の発明は、機関本体での排気温度または該温度に相当する排気温度を入力排気温度とするとともに機関制御に用いられる排気温度を出力排気温度として、前記入力排気温度の推定値を算出した後に該推定値に基づいて前記出力排気温度の推定値を算出する内燃機関の排気温度推定方法において、燃料噴射量及び吸入空気量の少なくとも一方に基づいてなまし値を設定し、この設定したなまし値を用いて前記入力排気温度の推定値を算出することを要旨としている。
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の内燃機関の排気温度推定方法において、前記入力排気温度の推定値を次の計算式から算出する
Y ← Y(n−1)+{Z(n)−Y(n−1)}/X
(A)前記「Y」は今回推定周期における前記入力排気温度の推定値
(B)前記「Y(n−1)」は前回推定周期にて算出した前記入力排気温度の推定値
(C)前記「Z(n)」は今回推定周期の機関運転状態に基づいて算出した前記入力排気温度の推定値の基準値
(D)前記「X」は燃料噴射量及び吸入空気量の少なくとも一方に基づいて設定したなまし値
ことを要旨としている。
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の内燃機関の排気温度推定方法において、前記「X」の算出に際して前記燃料噴射量及び吸入空気量の少なくとも一方と前記なまし値との関係を予め設定した演算モデルを用いることを要旨としている。
請求項15に記載の発明は、請求項13または14に記載の内燃機関の排気温度推定方法において、前記「Z(n)」の算出に際して機関運転状態と前記入力排気温度との関係を予め設定した演算モデルを用いることを要旨としている。
請求項16に記載の発明は、請求項12〜15のいずれか一項に記載の内燃機関の排気温度推定方法において、燃料噴射量が大きくなるにつれて前記なまし値を大きくすることを要旨としている。
請求項17に記載の発明は、請求項12〜16のいずれか一項に記載の内燃機関の排気温度推定方法において、吸入空気量が大きくなるにつれて前記なまし値を小さくすることを要旨としている。
本実施形態では、ディーゼルエンジンの制御装置として本発明を具体化した場合を想定している。
図1に、本発明が適用されたディーゼルエンジンの概略構造を示す。
ディーゼルエンジン1は、エンジン本体11、ターボチャージャ4、コモンレール式燃料供給装置5、排気再循環装置6及び排気浄化装置7を備えて構成されている。また、電子制御装置9を通じて各種装置が制御される。
シリンダ12内には、空気と燃料との混合気を燃焼させるための燃焼室13が形成されている。
ターボチャージャ4は、排気のエネルギーを利用してインテークパイプ22内の空気を圧縮することで、燃焼室13内へ供給される空気の量を増加させる。
コモンレール式燃料供給装置5は、高圧の燃料を燃焼室13内へ噴射することにより、燃焼室13にて燃料を燃焼させる。
燃料噴射弁51は、対応するシリンダ12の燃焼室に燃料を噴射する。
コモンレール54は、燃料ポンプ53から供給された燃料を高圧の状態に維持する。コモンレール54内の燃料は、各燃料噴射弁51の開弁にともない燃料噴射弁51からシリンダ12の燃焼室へ噴射される。
排気再循環装置6は、インテークパイプ22内に排気の一部を供給することで、混合気の燃焼温度を低下させて窒素酸化物(NOx)の発生量を低減させる。
連通管61は、タービンホイール42よりも上流の排気通路33とスロットルバルブ26よりも下流の吸気通路23とを連通する。また、連通管61には、排気の流れ方向の上流側から順に、EGRクーラ62及びEGRバルブ63が配置されている。
EGRバルブ63は、連通管61を介してインテークパイプ22へ供給される排気の流量を調整する。
排気浄化装置7は、排気中の粒子状物質(PM)、窒素酸化物(NOx)、炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)の浄化を行う。
NOx触媒コンバータ72は、吸蔵還元型のNOx触媒が担持された触媒担体を備えて構成されている。
(a)排気が酸化雰囲気(リーン)の状態にあるとき、排気中のNOxがNOx触媒に吸蔵される。
(b)排気が還元雰囲気(ストイキあるいはリッチ)の状態にあるとき、NOx触媒に吸蔵されているNOxが一酸化窒素(NO)として離脱し、HCやCOにより還元される。
(a)排気が多孔質セラミック構造体の壁を通過する際、排気中のPMが同セラミック構造体の壁に捕捉される。
(b)排気が高温のとき、捕捉されているPMが排気中の酸素により酸化される。
(c)NOxの吸蔵時や放出時に生成される活性酸素により、捕捉されているPMが酸化される。
燃料添加弁71は、燃料(添加剤)の噴射を通じて排気中へ燃料を添加する。燃料添加弁71には、コモンレール54へ供給される燃料よりも圧力の低い燃料が燃料ポンプ53を通じて供給される。
電子制御装置9は、エンジン制御にかかる演算処理を実行する中央演算処理装置、エンジン制御に必要なプログラムやマップが予め記憶された読み出し専用メモリ、中央演算処理装置の計算結果等を一時的に記憶するランダムアクセスメモリ、外部の信号を入力するための入力ポート、及び外部へ信号を出力するための出力ポート等を備えて構成されている。
電子制御装置9は、上記各センサの検出信号から把握されるエンジン運転状態に基づいて、各制御パラメータの要求値(例えば燃料噴射弁51による燃料の噴射量(燃料噴射量FI)や燃料添加弁71による燃料の添加量(燃料添加量FA))を設定する。そして、出力ポートに接続された各機器類の駆動回路に対して、上記要求値に対応した指令信号を出力する。
本実施形態では、排気を浄化するための制御として、触媒担持型PMフィルタ73上のPMを燃焼させる「PM再生制御」、NOx触媒に吸蔵されている硫黄酸化物(SOx)を還元して放出させる「S被毒回復制御」、及びNOx触媒に吸蔵されているNOxを還元して放出させる「NOx還元制御」が行われる。
排気浄化装置7においては、触媒担持型PMフィルタ73に捕捉されているPMの量が多くなるにつれて、同PMフィルタ73での圧力損失が増大する。従って、エンジン運転状態の悪化をまねく程度まで圧力損失が増大する前に、フィルタ上に堆積しているPMを浄化する必要がある。
そして、NOx触媒コンバータ72での燃料の酸化反応により高温の排気が触媒担持型PMフィルタ73へ供給されるため、触媒担持型PMフィルタ73の高温化を通じてPMが燃焼される。また、NOx触媒コンバータ72を通過した燃料が触媒担持型PMフィルタ73で酸化されるため、酸化反応にともなう発熱を通じてPMが燃焼される。
NOx触媒コンバータ72や触媒担持型PMフィルタ73のNOx触媒は、燃料や潤滑油に由来する硫黄分から生成されるSOxをNOxとともに吸収する性質がある。一方で、NOx触媒の吸蔵量には限界があるため、SOx吸蔵量が過度に多くなった場合にはNOx吸蔵能力の低下(S被毒)をまねくようになる。従って、排気浄化装置7においては、SOx吸蔵量の増加に起因してNOxの吸蔵に支障をきたす前に、NOx触媒に吸蔵されているSOxを還元する必要がある。
これにより、昇温制御を通じてNOx触媒コンバータ72や触媒担持型PMフィルタ73が高温化された後、SOx還元制御を通じて排気の空燃比がリッチとされるため、NOx触媒コンバータ72や触媒担持型PMフィルタ73の周囲が高温の還元雰囲気に維持される。そして、NOx触媒に吸蔵されているSOxが還元された後にNOx触媒から放出される。
排気浄化装置7においては、NOx触媒コンバータ72や触媒担持型PMフィルタ73のNOx吸蔵量が限界に達する前に、NOx触媒に吸蔵されているNOxを還元して放出させる必要がある。
図2を参照して、「PM再生制御処理」について説明する。本処理は、電子制御装置9により一定の時間毎に繰り返し実行される。また、本処理が機関制御手段を通じて実行される処理に相当する。なお、以降の説明において、コンバータ触媒床温TCはNOx触媒コンバータ72の触媒床温を、フィルタ触媒床温TFは触媒担持型PMフィルタ73の触媒床温を、目標触媒床温TFTは昇温制御におけるフィルタ触媒床温TFの目標値をそれぞれ示す。
・「昇温制御処理」が実行されていないとき、ステップS120の処理を行う。
・「昇温制御処理」が実行されているとき、ステップS130の処理を行う。
・実行条件が成立しているとき、ステップS122の処理を行う。
・実行条件が成立していないとき、「PM再生制御処理」を一旦終了する。
[a]触媒担持型PMフィルタ73に堆積しているPM量(PM堆積量)が限界値に達している。
[b]コンバータ触媒床温TCの推定値(推定コンバータ触媒床温TCE)が、燃料の酸化反応を起こすために必要となる下限温度TClmt以上である。なお、推定コンバータ触媒床温TCEは、「排気温度推定処理」(図4及び図5)を通じて算出される。また、NOx触媒コンバータ72の触媒床温を代表する値として算出される。
[c]ディーゼルエンジン1の運転履歴(吸入空気量や燃料噴射量)に基づいて推定されたPM堆積量が所定値以上である。
[d]触媒担持型PMフィルタ73上流の圧力の計測値と下流の圧力の計測値との乖離度合いが所定の度合いよりも大きい。
・終了条件が成立しているとき、ステップS132の処理を行う。
・終了条件が成立していないとき、「PM再生制御処理」を一旦終了する。
[a]ディーゼルエンジン1の運転履歴(吸入空気量や燃料噴射量)に基づいて推定されたPM堆積量が初期値以下である。
[b]触媒担持型PMフィルタ73上流の圧力の計測値と下流の圧力の計測値との乖離度合いが所定の度合いよりも小さい。
図3を参照して、「昇温制御処理」について説明する。本処理は、PM再生制御の実行条件が成立してからPM再生制御の終了条件が成立するまでの間、電子制御装置9により一定の時間毎に繰り返し実行される。
・目標触媒床温TFTの設定が行われていないとき、ステップS212の処理を行う。
・目標触媒床温TFTの設定が行われているとき、ステップS214の処理を行う。
本処理は、次の「第1推定処理」、「第2推定処理」及び「第3推定処理」を含めて構成されている。
・第1排気温度TEAの推定値を第1排気温度推定値eTEAとする。
・第2排気温度TEBの推定値を第2排気温度推定値eTEBとする。
・第3排気温度TECの推定値を第3排気温度推定値eTECとする。
水温補正量TEthwは、基準のエンジン運転環境における冷却水温度THWと実際の冷却水温度THWとの違いによる定常排気温度TEAbaseと実際の第1排気温度TEAとのずれを補正する値として算出される。
吸気温補正量TEthaは、基準のエンジン運転環境における吸気温度THAと実際の吸気温度THAとの違いによる定常排気温度TEAbaseと実際の第1排気温度TEAとのずれを補正する値として算出される。
大気圧補正量TEfpaは、基準のエンジン運転環境における大気圧FPAと実際の大気圧FPAとの違いによる定常排気温度TEAbaseと実際の第1排気温度TEAとのずれを補正する値として算出される。
[式1]
TEeng ←
(TEAbase − THAM) × GM
+ THAM + TEthw + TEtha + TEfpa
なお、上記[式1]においては、エンジン運転環境に応じた補正量として水温補正量TEthw、吸気温補正量TEtha及び大気圧補正量TEfpaを用いるようにしているが、さらに別の補正量(例えばエンジンの背圧に応じて設定した背圧補正量)を用いて環境補正排気温度TEengを算出することもできる。
本発明者は、試験を通じて、エンジン運転状態の変化にともなう第1排気温度TEAの変化態様について次の(A)〜(D)の事項を確認した。
吸入空気量GAが一定の状態において燃料噴射量FIが変化したときの上記遅れ時間は、燃料噴射量FIが増加するにつれて長くなる傾向を示す。なまし値算出マップにおいては、こうした第1排気温度TEAの応答遅れの度合いに即して燃料噴射量FIとなまし値SMとの関係が設定されている。即ち、燃料噴射量FIが増量側へ変化するにつれてなまし値SMが大きくなるようにマップが構成されている。
[式2]
eTEA ← eTEA(n−1)
+ {TEeng(n) − eTEA(n−1)} / SM
上記[式2]において、各項はそれぞれ次の値を示す。
・「TEeng(n)」 :今回制御周期の環境補正排気温度。
・「eTEA(n−1)」 :前回制御周期の第1排気温度推定値。
熱交換モデルでは、排気系の熱容量や放熱特性に基づいて排気系と排気との熱交換を模擬することができる。本実施形態においては、エキゾーストマニホールド31、エキゾーストパイプ32、ターボチャージャ4、排気再循環装置6及び排気浄化装置7により構成される排気系に基づいて、熱交換モデルが構築されている。即ち、エンジン本体11のエキゾーストポートを排気系に含めないかたちで同モデルが構築されている。
[ステップS332]第3排気温度推定値eTECに基づいて触媒担持型PMフィルタ73の触媒床温の推定値(推定フィルタ触媒床温TFE)を算出する。ここでは、排気流量、触媒担持型PMフィルタ73の熱容量及び燃料添加量FA等を加味して第3排気温度推定値eTECを補正することで推定フィルタ触媒床温TFEを算出する。
以上詳述したように、この実施形態にかかる内燃機関の制御装置によれば、以下に示すような効果が得られるようになる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した、例えば次のような形態として実施することもできる。
21…インテークマニホールド、22…インテークパイプ、23…吸気通路、24…エアクリーナ、25…インタークーラ、26…スロットルバルブ。
4…ターボチャージャ、41…コンプレッサーホイール、42…タービンホイール、43…ローターシャフト。
6…排気再循環装置、61…連通管、62…EGRクーラ、63…EGRバルブ。
9…電子制御装置、91…回転速度センサ、92…冷却水温度センサ、93…エアフローメータ、94…吸気温度センサ、95…大気圧センサ。
Claims (17)
- 排気温度をパラメータとして機関制御を行う機関制御手段と、
機関本体での排気温度または該温度に相当する排気温度を入力排気温度として該入力排気温度の推定値を算出する入力温度推定手段と、
前記機関制御に用いられる排気温度を出力排気温度として該出力排気温度の推定値を前記入力排気温度の推定値に基づいて算出する出力温度推定手段とを備えた内燃機関の制御装置において、
燃料噴射量及び吸入空気量の少なくとも一方に基づいてなまし値を設定し、この設定したなまし値を用いて前記入力排気温度の推定値を算出する推定手段を備えた
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、
前記推定手段は、次の計算式から前記入力排気温度の推定値を算出するものである
Y ← Y(n−1)+{Z(n)−Y(n−1)}/X
(A)前記「Y」は今回制御周期における前記入力排気温度の推定値
(B)前記「Y(n−1)」は前回制御周期にて算出した前記入力排気温度の推定値
(C)前記「Z(n)」は今回制御周期の機関運転状態に基づいて算出した前記入力排気温度の推定値の基準値
(D)前記「X」は燃料噴射量及び吸入空気量の少なくとも一方に基づいて設定したなまし値
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 請求項2に記載の内燃機関の制御装置において、
前記推定手段は、前記燃料噴射量及び吸入空気量の少なくとも一方と前記なまし値との関係を予め設定した演算モデルから前記「X」を算出するものである
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 請求項2または3に記載の内燃機関の制御装置において、
前記推定手段は、機関運転状態と前記入力排気温度との関係を予め設定した演算モデルから前記「Z(n)」を算出するものである
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、
前記推定手段は、燃料噴射量が大きくなるにつれて前記なまし値を大きくするものである
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、
前記推定手段は、吸入空気量が大きくなるにつれて前記なまし値を小さくするものである
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、
前記出力温度推定手段は、排気と排気系との熱交換を模擬した熱交換モデルへ前記入力排気温度の推定値を適用することで前記出力排気温度の推定値を算出するものである
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、
当該内燃機関は、排気中へ添加剤を供給する添加剤供給手段と、排気中の窒素酸化物を吸蔵する触媒装置とを備えるものであり、
当該制御装置は、前記触媒装置に吸蔵されている窒素酸化物を還元するための条件が成立しているとき、前記添加剤供給手段による添加剤の供給を通じて前記窒素酸化物を還元する処理を行うとともに、前記触媒装置の温度の推定値が前記添加剤による窒素酸化物の還元反応を起こすことのできる還元温度以上であることを少なくとも前記条件に含むものであり、さらに前記出力排気温度の推定値に基づいて前記触媒装置の温度の推定値を算出するものである
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 請求項1〜8のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、
当該内燃機関は、排気中へ添加剤を供給する添加剤供給手段と、排気中の窒素酸化物を吸蔵する触媒装置とを備えるものであり、
当該制御装置は、前記触媒装置に吸蔵されている硫黄酸化物を還元するための条件が成立しているとき、前記添加剤供給手段による添加剤の供給を通じて前記硫黄酸化物を還元する処理を行うとともに前記触媒装置の温度の推定値と前記触媒装置の温度の目標値とに基づいて前記添加剤の供給量を設定するものであり、さらに前記出力排気温度の推定値に基づいて前記触媒装置の温度の推定値を算出するものである
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 請求項1〜9のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、
当該内燃機関は、排気中へ添加剤を供給する添加剤供給手段と、前記添加剤の酸化反応を促進させる触媒装置と、該触媒装置の下流に配置されるとともに粒子状物質を捕捉する排気フィルタとを備えるものであり、
当該制御装置は、前記排気フィルタに捕捉されている粒子状物質を浄化するための条件が成立しているとき、前記添加剤供給手段による添加剤の供給を通じて前記粒子状物質を浄化する処理を行うとともに前記排気フィルタの温度の推定値と前記排気フィルタの温度の目標値とに基づいて前記添加剤の供給量を設定するものであり、さらに前記出力排気温度の推定値に基づいて前記排気フィルタの温度の推定値を算出するものである
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 排気温度の推定値を用いて機関制御を行う内燃機関の制御装置において、
燃料噴射量及び吸入空気量の少なくとも一方に基づいて設定したなまし値を用いて前記排気温度の推定値を算出する推定手段を備えた
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 機関本体での排気温度または該温度に相当する排気温度を入力排気温度とするとともに機関制御に用いられる排気温度を出力排気温度として、前記入力排気温度の推定値を算出した後に該推定値に基づいて前記出力排気温度の推定値を算出する内燃機関の排気温度推定方法において、
燃料噴射量及び吸入空気量の少なくとも一方に基づいてなまし値を設定し、この設定したなまし値を用いて前記入力排気温度の推定値を算出する
ことを特徴とする内燃機関の排気温度推定方法。 - 請求項12に記載の内燃機関の排気温度推定方法において、
前記入力排気温度の推定値を次の計算式から算出する
Y ← Y(n−1)+{Z(n)−Y(n−1)}/X
(A)前記「Y」は今回推定周期における前記入力排気温度の推定値
(B)前記「Y(n−1)」は前回推定周期にて算出した前記入力排気温度の推定値
(C)前記「Z(n)」は今回推定周期の機関運転状態に基づいて算出した前記入力排気温度の推定値の基準値
(D)前記「X」は燃料噴射量及び吸入空気量の少なくとも一方に基づいて設定したなまし値
ことを特徴とする内燃機関の排気温度推定方法。 - 請求項13に記載の内燃機関の排気温度推定方法において、
前記「X」の算出に際して前記燃料噴射量及び吸入空気量の少なくとも一方と前記なまし値との関係を予め設定した演算モデルを用いる
ことを特徴とする内燃機関の排気温度推定方法。 - 請求項13または14に記載の内燃機関の排気温度推定方法において、
前記「Z(n)」の算出に際して機関運転状態と前記入力排気温度との関係を予め設定した演算モデルを用いる
ことを特徴とする内燃機関の排気温度推定方法。 - 請求項12〜15のいずれか一項に記載の内燃機関の排気温度推定方法において、
燃料噴射量が大きくなるにつれて前記なまし値を大きくする
ことを特徴とする内燃機関の排気温度推定方法。 - 請求項12〜16のいずれか一項に記載の内燃機関の排気温度推定方法において、
吸入空気量が大きくなるにつれて前記なまし値を小さくする
ことを特徴とする内燃機関の排気温度推定方法。
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