JP4411999B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用操舵装置に関するものである。
従来、車両状態に応じてステアリングホイールの舵角(操舵角)に対する操舵輪の伝達比(ギヤ比)を可変させるギヤ比可変システムを備えたステアリング装置がある(例えば、特許文献1参照)。
このようなステアリング装置は、例えば、ステアリングシャフトに設けられた差動機構(遊星歯車機構やハーモニックドライブ等)と該差動機構を駆動するモータとを有するギヤ比可変アクチュエータを備えている。そして、このギヤ比可変アクチュエータにて、ステアリング操作に伴うステアリングシャフトの回転を増速(又は減速)することにより、操舵角に対する操舵輪の伝達比を可変させる。
つまり、図5及び図6に示すように、ステアリング操作に基づく操舵輪の舵角(ステア転舵角θts)にギヤ比可変アクチュエータの作動に基づく操舵輪の舵角(ACT角θta)を上乗せすることにより、操舵角θsに対する操舵輪の伝達比を可変させる。
具体的には、操舵角θsに対する実際の操舵輪の舵角、即ちタイヤ角(ピニオン角)θtを大きくする場合には、ステア転舵角θtsと同方向のACT角θtaを上乗せし(図5参照)、操舵角θsに対してタイヤ角θtを小さくする場合には、ステア転舵角θtsと反対方向のACT角θtaを上乗せする(図6参照)。そして、このように車両状態に応じて上乗せするACT角θtaを変更することにより良好なステアリング特性を得ることができる。
特開2002−240734号公報
ところで、従来、上記のようなギヤ比可変システムは、イグニッションオフ時等、制御終了時には、ギヤ比可変アクチュエータ(駆動源であるモータ又は差動機構)をロックし、そのときのACT角θtaをEEPROM等の不揮発性メモリに記憶する。そして、再起動時には、そのEEPROMから読み出したACT角θtaを初期値としてギヤ比可変制御を開始する。
しかし、こうした従来のギヤ比可変システムは、故障等により制御終了時にEEPROMへのACT角θtaの書き込みができなかった場合、或いは起動時におけるEEPROMの初期化直後に電力供給が阻害された場合等には、再起動時にACT角θtaを再現することができない、即ちACT角無効となる。従って、ギヤ比可変制御を開始することができずギヤ比可変アクチュエータがロックされたままの状態となってしまい、操舵感が変わってしまう。そして、このような場合、システム自体に何ら故障が発生していなくとも、ディーラー等のサービス工場で初期化を行わなければ、その復帰ができないという問題がある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、ACT角無効時にも速やかにギヤ比可変制御を開始することができる車両用操舵装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ステアリングホイールの操舵角に基づく操舵輪の第1の舵角にモータ駆動に基づく前記操舵輪の第2の舵角を上乗せすることにより前記ステアリングホイールの操舵角に対する操舵輪の伝達比を可変させる伝達比可変装置と、該伝達比可変装置を制御する制御手段と、制御終了時の前記第2の舵角を記憶する記憶手段とを備え、前記制御手段は、前記記憶された第2の舵角を初期値として前記伝達比を可変させる制御を開始する車両用操舵装置であって、前記第1の舵角を検出する第1の検出手段と、車両の制御に用いられる車両状態量に基づいて前記操舵輪の絶対角を推定する推定手段を備え、前記制御手段は、前記記憶された第2の舵角が無効である場合には、前記推定された操舵輪の絶対角及び前記第1の舵角に基づき算出される第2の舵角を初期値として前記伝達比を可変させる制御を開始することを要旨とする。
上記構成によれば、前記記憶された第2の舵角が無効となった場合でも、推定された操舵輪の絶対角から第2の舵角を算出することが可能になり、該算出された第2の舵角を初期値として前記伝達比を可変させる制御を開始することができる。その結果、伝達比可変装置がロックされることにより生ずる操舵角と操舵輪の絶対角との間のズレ、及びそれに伴うステアリング操作上の違和感を速やかに解消することができる。また、ディーラー等のサービス工場に車両を移動して初期化を行う必要がなくなるため、その利便性を大きく向上させることができる。
請求項2に記載の発明は、車両の制御に用いられる車両状態量に基づいて直進状態にあるか否かを判定する判定手段を備え、前記推定手段は、前記直進状態にあると判定された場合に前記操舵輪の絶対角をゼロと推定することを要旨とする。
上記構成によれば、操舵輪の絶対角をゼロと推定して第2の舵角を算出するため、その演算負荷が極めて小さい。従って、演算処理の増加、ひいてはそれに伴うコストの上昇を招くことなく、第2の舵角を算出することができる。尚、上記判定手段による直進状態の判定は、例えば、通常の車両制御において用いられる各種車両状態量を利用することで容易に実現可能である。従って、操舵輪の絶対角を推定するための新たな構成を追加することなく、低コストにて第2の舵角を算出することが可能になる。
請求項3に記載の発明は、操舵トルクを検出する第2の検出手段と、前記検出された操舵トルクに基づいて前記推定された操舵輪の絶対角を補正する補正手段とを備えたことを要旨とする。
上記構成によれば、操舵トルクに基づいて前記推定された操舵輪の絶対角が補正されるため、より正確な第2の舵角に基づいて前記伝達比を可変させる制御を開始することができる。
請求項4に記載の発明は、前記伝達比を可変させる制御を開始するまでの間、該開始するための復帰処理中であることを告知する告知手段を備えることを要旨とする。
上記構成によれば、伝達比可変装置がロックされることにより操舵角とタイヤ角との間にズレが生じた場合であっても、その復帰処理中であることが告知されるので、搭乗者の不安感を緩和することができる。また併せて、前記伝達比を可変させる制御が開始される前に、復帰処理の完了を搭乗者に告知することも可能になるため、同制御の開始により操舵感が変化した場合であっても、その際の違和感を緩和することができる。
本発明によれば、ACT角無効時にも速やかにギヤ比可変制御を開始することが可能な車両用操舵装置を提供することができる。
以下、本発明をギヤ比可変ステアリングシステムを備えた車両用操舵装置(ステアリング装置)に具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態のステアリング装置1の概略構成図である。同図に示すように、ステアリングホイール(ステアリング)2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック5に連結されており、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック5の往復直線運動に変換される。そして、このラック5の往復直線運動にて操舵輪8の角度、即ちタイヤ角θtが可変することにより、車両の進行方向が変更される(図5参照)。
また、本実施形態のステアリング装置1は、操舵角θsに対する操舵輪8の伝達比(ギヤ比)を可変させるギヤ比可変アクチュエータ13と、ギヤ比可変アクチュエータ13の作動を制御するECU14とを備えている。尚、本実施形態では、ギヤ比可変アクチュエータ13が伝達比可変装置を構成する。
本実施形態では、ギヤ比可変アクチュエータ13は、ステアリングシャフト3に設けられている。具体的には、ステアリングシャフト3は、ステアリング2が連結された第1シャフト15とラックアンドピニオン機構4に連結される第2シャフト16とからなり、ギヤ比可変アクチュエータ13は、第1シャフト15及び第2シャフト16を連結する差動機構21と、該差動機構21を駆動するモータ22とを備えている。
モータ22は、ECU14に制御されることにより正逆回転する。そして、差動機構21は、第1シャフト15の回転を第2シャフト16に伝達するとともに、モータ22の回転を減速して第2シャフト16に伝達する。即ち、ギヤ比可変アクチュエータ13は、差動機構21に入力されたステアリング操作に伴う第1シャフト15の回転に、モータ駆動による回転を上乗せして第2シャフト16に伝達することにより、ラックアンドピニオン機構4に入力されるステアリングシャフト3の回転を増速(又は減速)する。尚、この場合における「上乗せ」とは、加算する場合のみならず減算する場合をも含むものと定義し、以下同様とする。
つまり、ギヤ比可変アクチュエータ13は、ECU14に制御され、ステアリング操作に基づく操舵輪8の舵角(ステア転舵角θts)にモータ駆動に基づく操舵輪の舵角(ACT角θta)を上乗せすることにより、操舵角θsに対する操舵輪8のギヤ比を可変させる(図5及び図6参照)。尚、本実施形態では、ステア転舵角θtsが第1の舵角を構成し、ACT角θtaが第2の舵角を構成する。
ECU14は、CPU25と、駆動回路26とを備えている。CPU25は、メモリ27に記憶された制御プログラムを実行することにより、駆動回路26に対しモータ駆動信号を出力する。そして、駆動回路26は、CPU25から入力されたモータ駆動信号に基づいてモータ22に駆動電力の供給を行う。尚、本実施形態のモータ22は、ブラシレスモータであり、駆動回路26は、入力されたモータ駆動信号に基づいて3相(U,V,W)の駆動電力を供給する。
即ち、ECU14は、モータ22への駆動電力の供給を通じてモータ22の回転を制御することによりギヤ比可変アクチュエータ13の作動を制御する。そして、モータ駆動に基づく操舵輪の舵角、即ちACT角θtaを変更することにより、操舵角θsに対する操舵輪8のギヤ比を可変させる(ギヤ比可変制御)。尚、本実施形態では、CPU25が、制御手段、第1の検出手段、推定手段、判定手段、第2の検出手段及び補正手段を構成する。
詳述すると、ECU14には、操舵角センサ31及び車輪速センサ33が接続されており、CPU25は、これら各センサから入力される信号に基づいて、操舵角θs、及び車速Vを検出する。また、CPU25は、検出された操舵角θsにラックアンドピニオン機構4のギヤ比を乗ずることによりステア転舵角θtsを検出する。
また、ECU14には、モータ22の回転を検出する回転角センサ34が接続されており、回転角センサ34は、モータ22の回転に応じて、パルス信号PmをECU14に出力する。そして、CPU25は、回転角センサ34から入力されたパルス信号Pmに基づいてモータ22の回転方向及び回転位置を検出し、該回転方向及び回転位置に基づいてACT角θtaを算出する。尚、イグニッションがオフされた場合(IGオフ時)等、制御終了時には、CPU25は、IGオフ時点でのACT角θtaをメモリ27、詳しくは記憶手段としてのEEPROM27aに記憶する。
CPU25は、検出された操舵角θs(ステア転舵角θts)、及び車速Vに基づいて制御目標となるACT目標角を決定する。尚、操舵角θs、及び車速VとACT目標角との関係は、予め実験やシミュレーション等により求められ、三次元マップの形式でメモリ27に記憶されており、CPU25は、この三次元マップに基づいて、検出された操舵角θs、及び車速Vに応じたACT目標角を決定する。そして、CPU25は、このACT目標角にACT角θtaを追従させるべく駆動回路26にモータ駆動信号を出力する。そして、駆動回路26から供給される駆動電力に基づいてモータ22が正逆回転することによりACT角θtaが変更される。
次に、本実施形態のステアリング装置におけるギヤ比可変制御の開始処理について説明する。
イグニッションのオン時、即ち起動時には、CPU25は、先ず、EEPROM27aに記憶されたACT角θtaを読み出す。そして、その値を起動時のACT角θta、即ち初期値としてギヤ比可変制御を開始する。
しかし、上述のように、起動時、EEPROM27aに記憶されたACT角θtaが無効、即ちACT角無効となっている場合がある。そして、このような場合、本実施形態のステアリング装置1においても、フェールセーフの観点からギヤ比可変アクチュエータ13のロック状態は解除されない。即ち、ACT角θtaが認識されるまでギヤ比可変制御は開始されないようになっている。
本実施形態では、CPU25は、上記のようにACT角無効によりギヤ比可変制御が開始できない場合には、各種センサにより検出される車両状態量に基づいて操舵輪8の絶対角であるタイヤ角(ピニオン角)θtを推定し、該推定されたタイヤ角θt及びステア転舵角θtsに基づいてACT角θtaを算出する。そして、CPU25は、この算出されたACT角θtaを初期値としてギヤ比可変制御を開始する。
詳述すると、本実施形態では、ECU14には、上記操舵角センサ31、車輪速センサ33、及び回転角センサ34の他、操舵トルクを検出するためのトルクセンサ35、ヨーレイトセンサ36、及び加速度センサ37が接続されている。そして、CPU25は、これら各センサから入力される信号に基づき、車両状態量として、更に左右の車輪速Vtl,Vtr、操舵速度ωs、操舵トルクτ、ヨーレイトRy、横方向加速度(横G)Fsを検出する。そして、CPU25は、検出された上記各車両状態量に基づいて車両が直進状態にあるか否かを判定する直進状態判定処理を行う。
具体的には、CPU25は、
− 走行中である(例えば、V>30Km/時)、
− 両操舵輪8の車輪速差が小さい(例えば、|Vtl−Vtr|<1Km/時)、
− 直進状態判定処理中の操舵角θsの積算量が小さい(例えば、|積算量|<3deg)、
− 操舵速度ωsが小さい(例えば、|ωs|<5deg/秒)、
− ヨーレイトRyが小さい(例えば、|Ry|<1deg/秒)、
− 横方向加速度Fsが小さい(例えば、|Fs|<0.005Nm)、
− 操舵トルクτが小さい(例えば、|τ|<0.5Nm)、
以上の各条件判定を所定時間(例えば、1秒間)を繰り返し、その間、上記各条件が連続して充足された場合に、車両が直進状態にあると判定する。そして、CPU25は、この直進状態判定処理において直進状態にあると判定した場合には、タイヤ角θt=0と推定する。
ここで、図6に示すように、タイヤ角θtは、ステア転舵角θtsとACT角θtaとの和であり、ACT角θtaは、タイヤ角θt−ステア転舵角θtsとなる。従って、直進状態におけるタイヤ角θtをゼロとすれば、図2に示すように、操舵角θsに対応するステア転舵角θtsを相殺するACT角θtaが存在することになる。
本実施形態では、CPU25は、上記の直進状態判定処理において直進状態にあると判定した場合に、推定されたタイヤ角θtからステア転舵角θtsを減算することによりACT角θtaを算出する。即ち、ACT角θta=0−ステア転舵角θtsの式によりACT角θtaを算出する。そして、CPU25は、ACT角θtaが算出された場合には、ギヤ比可変アクチュエータ13のロックを解除し、該算出されたACT角θtaを初期値としてギヤ比可変制御を開始する。
尚、本実施形態では、ECU14には、車両の搭乗者に対しギヤ比可変制御を開始するための処理の実行、即ち復帰処理中であることを告知するウォーニングランプ38が接続されており、CPU25は、上記直進状態判定処理の開始からギヤ比可変制御が開始させるまでの間、ウォーニングランプ38を点灯させる。そして、ギヤ比可変制御が開始される場合には、ウォーニングランプ38を消灯することにより、復帰処理の完了が搭乗者に告知されるようになっている。
次に、上記開始時におけるCPUの処理を図3のフローチャートに従って説明する。
起動時、CPU25は、先ず、ACT角無効であるか否かを判定する(ステップ101)。そして、CPU25は、ACT角無効と判定した場合(ステップ101:YES)には、以下のステップ102〜ステップ107に示す復帰処理を開始する。尚、ACT角θtaが正常に認識された場合(ステップ101:NO)には、CPU25は、ステップ102〜ステップ107を実行することなくギヤ比可変制御を開始する(ステップ108)。
復帰処理が開始されると、CPU25は、ウォーニングランプ38を点灯し(ステップ102)、直進状態判定処理を開始する(ステップ103)。そして、ステップ104において車両が直進状態にあると判定される(ステップ104:YES)まで上記ステップ102〜ステップ104の処理を繰り返す。
上記ステップ104において、直進状態にあると判定した場合には、CPU25は、タイヤ角θt=0と推定し(ステップ105)、該推定されたタイヤ角θt(θt=0)に基づいてACT角θtaを演算する(ステップ106)。そして、ウォーニングランプ38を消灯し(ステップ107)、ギヤ比可変制御を開始する(ステップ108)。
以上、本実施形態によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)CPU25は、ACT角無効であると判定した場合、車両が直進状態にあるか否かを判定する直進状態判定処理を実行する。そして、車両が直進状態にあると判定した場合にはタイヤ角θt=0と推定し、該推定されたタイヤ角θt(θt=0)に基づいてACT角θtaを演算する。そして、その演算により算出されたACT角θtaを初期値としてギヤ比可変制御を開始する。
これにより、故障等により制御終了時にEEPROMへのACT角θtaの書き込みができなかった、或いは起動時におけるEEPROMの初期化直後に電力供給が阻害された等の理由により、起動時にACT角θtaを読み出すことができない場合であっても、速やかにギヤ比可変制御を開始することができる。その結果、ギヤ比可変アクチュエータ13がロックされることにより生ずる操舵角θsとタイヤ角θtとの間のズレ、及びそれに伴うステアリング操作上の違和感を速やかに解消することができる。また、ディーラー等のサービス工場に車両を移動して初期化を行う必要がなくなるため、その利便性を大きく向上させることができる。
(2)CPU25は、ECU14に接続された各種センサにより検出される車速V、操舵角θs、左右の車輪速Vtl,Vtr、操舵速度ωs、操舵トルクτ、ヨーレイトRy、及び横方向加速度(横G)Fsに基づいて直進状態判定処理を行う。即ち、車両の制御に用いられる車両状態量に基づき直進状態判定処理を行うことで、新たな構成を追加することなく車両の直進状態を判定することができる。従って、コスト上昇を招くことなくタイヤ角θt(θt=0)を推定することができる。
(3)CPU25は、上記直進状態判定処理の開始からギヤ比可変制御が開始させるまでの間、ウォーニングランプ38を点灯させる。このような構成とすれば、ギヤ比可変アクチュエータ13がロックされることにより操舵角θsとタイヤ角θtとの間にズレが生じた場合(例えば、直進状態であるにも関わらず一定の操舵角θsが発生する等、図2参照)であっても、その復帰処理中であることが告知されるので、搭乗者の不安感を緩和することができる。更に、ギヤ比可変制御が開始される前に、ウォーニングランプ38の消灯により復帰処理の完了が搭乗者に告知されるため、ギヤ比可変制御の開始により操舵感が変化した場合であっても、その際の違和感を緩和することができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態では、CPU25は、直進状態判定処理により車両が直進状態にあると判定した場合には、タイヤ角θt=0と推定することとした。しかし、これに限らず、ステアリング2がステアリングエンド(ロック・トゥ・ロックのエンド位置)まで操作された場合に、タイヤ角θtをその最大角と推定する構成としてもよい。また、タイヤ角θtを直接測定する構成としてもよい。
・本実施形態では、CPU25は、直進状態判定処理において、車速V、左右の車輪速Vtl,Vtr、操舵角θs、操舵速度ωs、操舵トルクτ、ヨーレイトRy、横方向加速度(横G)Fsを車両状態量として用いた。しかし、これに限らず、車速V、左右の車輪速Vtl,Vtr、操舵角θs、操舵速度ωsに基づいて直進状態判定を行う等、直進状態判定処理において車両状態量として用いるパラメータ、及びその組み合わせは任意に設定してもよい。また、各条件判定における閾値も任意に設定してもよい。尚、操舵トルクτは、電動パワーステアリング装置(EPS)、ヨーレイトRy及び横方向加速度(横G)Fsは、横滑り防止装置(ESP)を具備する場合に車両状態量として用いることにより、コスト上昇を招くことなくより高精度な判定を行うことができる。
・本実施形態では、ステップ106におけるACT角θtaの算出後、直にギヤ比可変制御を開始することとした。しかし、これに限らず、例えば、車速判定により車速が所定速度以下となるまでギヤ比可変制御を開始しない、或いは走行終了後、再起動時、即ち次トリップまでギヤ比可変制御を開始しない等、ギヤ比可変制御を開始する前提として条件判定を行うこととしてもよい。
・本実施形態では、告知手段としてウォーニングランプ38を設けたが、カーナビゲーションシステムのディスプレイや車載TV等を用いて告知する構成としてもよく、音声による告知を行う構成としてもよい。
・本実施形態では、直進状態にあると判定した場合には、ステップ105においてタイヤ角θt=0と推定し、次のステップ106において、該推定されたタイヤ角θt(θt=0)に基づいてACT角θtaを算出することとした(図3参照)。しかし、これに限らず、図4に示すように、ステップ205においてタイヤ角θt=0と推定した場合に、更に操舵トルクτに基づいてタイヤ角θtを補正し(ステップ205a)、該補正されたタイヤ角θtに基づいてACT角θtaを算出する構成としてもよい。このような構成とすれば、更に正確なACT角θtaを算出することができる。
尚、操舵トルクτに基づくタイヤ角θtの補正演算は、例えば、操舵トルクτ及び車速Vとタイヤ角θtとの関係をマップの形式でメモリ27に記憶し、該マップを参照することにより容易に実現可能である。また、図4中のステップ205a以外の各ステップ(ステップ201〜ステップ208)は、図3に示す本実施形態の各ステップ(ステップ101〜108)と同一のためその説明を省略する。
・本実施形態では、ギヤ比可変アクチュエータ13は、ステアリングシャフト3に設けられることとしたが、ラック5に設けられるラック型のギヤ比可変アクチュエータに具体化してもよい。
本実施形態のステアリング装置の概略構成図。 ギヤ比可変制御におけるタイヤ角とACT角との関係を示す説明図。 開始時におけるCPUの処理を示すフローチャート。 別例の開始時におけるCPUの処理を示すフローチャート。 ギヤ比可変制御の説明図。 ギヤ比可変制御の説明図。
符号の説明
1…ステアリング装置、2…ステアリングホイール(ステアリング)、8…操舵輪、13…ギヤ比可変アクチュエータ、14…ECU、22…モータ、25…CPU、31…操舵角センサ、33…車輪速センサ、34…回転角センサ、35…トルクセンサ、36…ヨーレイトセンサ、37…加速度センサ、θs…操舵角、θt…タイヤ角(ピニオン角)、θts…ステア転舵角(第1の舵角)、θta…ACT角(第2の舵角)、V…車速、Vtl,Vtr…車輪速、ωs…操舵速度、τ…操舵トルク、Ry…ヨーレイト、Fs…横方向加速度(横G)。

Claims (4)

  1. ステアリングホイールの操舵角に基づく操舵輪の第1の舵角にモータ駆動に基づく前記操舵輪の第2の舵角を上乗せすることにより前記ステアリングホイールの操舵角に対する操舵輪の伝達比を可変させる伝達比可変装置と、該伝達比可変装置を制御する制御手段と、制御終了時の前記第2の舵角を記憶する記憶手段とを備え、前記制御手段は、前記記憶された第2の舵角を初期値として前記伝達比を可変させる制御を開始する車両用操舵装置であって、
    前記第1の舵角を検出する第1の検出手段と、
    車両の制御に用いられる車両状態量に基づいて前記操舵輪の絶対角を推定する推定手段を備え、
    前記制御手段は、前記記憶された第2の舵角が無効である場合には、前記推定された操舵輪の絶対角及び前記第1の舵角に基づき算出される第2の舵角を初期値として前記伝達比を可変させる制御を開始すること、を特徴とする車両用操舵装置。
  2. 請求項1に記載の車両用操舵装置において、
    車両の制御に用いられる車両状態量に基づいて直進状態にあるか否かを判定する判定手段を備え、
    前記推定手段は、前記直進状態にあると判定された場合に前記操舵輪の絶対角をゼロと推定すること、を特徴とする車両用操舵装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両用操舵装置において、
    操舵トルクを検出する第2の検出手段と、
    前記検出された操舵トルクに基づいて前記推定された操舵輪の絶対角を補正する補正手段と、を備えたことを特徴とする車両用操舵装置。
  4. 請求項1〜請求項3に記載の車両用操舵装置において、
    前記伝達比を可変させる制御を開始するまでの間、該開始するための復帰処理中であることを告知する告知手段を備えること、を特徴とする車両用操舵装置。
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