JP4411854B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、燃料電池システムに関する。特に燃料電池システムに用いる冷却液の制御を行う構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の燃料電池システムとして、燃料電池システム用の冷却液の導電率を管理するために、燃料電池システムの負荷回路の絶縁抵抗を測定し監視するものが知られている。測定された絶縁抵抗と、冷却液の導電率との間には一義的に規定された関数関係があることが明らかになっている。そこで、冷却液中の混入イオン濃度が指定された値を超えてはならない燃料電池システムにおいて、絶縁抵抗を監視することによって冷却液の導電率を管理し、絶縁抵抗の値が下限閾値より低下している時に期限に達している冷却液の交換が指示される。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−319426号公報
【0004】
【発明が解決しようとしている問題点】
上記従来の技術においては、絶縁抵抗値が下限閾値より低下するたびに冷却液の交換が指示される。例えば、燃料電池システムを移動手段等の駆動源として用いる場合には、冷却液の導電率が悪化したと判断されるたびに、これに対して冷却液を交換するなどの何らかの対処を行う必要がある。そのため、この冷却液の導電率が悪化したという判断は、出来るだけ少なく、且つ、正確に行う必要がある。
【0005】
そこで、本発明は、冷却液の導電率を適切に管理できる燃料電池システムを提供することを目的とする。
【0006】
【問題点を解決するための手段】
本発明は、冷却液を用いて温度調整または加湿の少なくとも一方が行われる燃料電池スタックと、冷却液の導電率を低減させるための冷却液導電率低減手段と、前記冷却液導電率低減手段を冷却液が迂回するためのバイパス流路を備える。また、前記冷却液導電率低減手段に供給される冷却液流量を調整する流量調整手段と、前記燃料電池スタックの負荷回路の絶縁抵抗を検出する絶縁抵抗検出手段と、前記絶縁抵抗検出手段により検出した絶縁抵抗検出値に基づき前記流量調整手段を制御する流量制御手段と、を備える。さらに、前記絶縁抵抗検出値と、所定の絶縁抵抗閾値とを比較することにより冷却液の導電率が悪化しているか否かを判断する冷却液導電率悪化判断手段を備え、起動初期の所定時間において、前記絶縁抵抗閾値を変化させる。
【0007】
または、冷却液を用いて温度調整または加湿の少なくとも一方が行われる燃料電池スタックと、冷却液の導電率を低減させるための冷却液導電率低減手段を備える。また、前記冷却液の導電率が所定値以下であるか否かを判断することにより、冷却液の導電率が悪化しているか否かを判断する冷却液導電率悪化判断手段を備える。起動初期の所定時間において、前記所定値を高く設定する。
【0008】
【作用及び効果】
冷却液導電率低減手段に供給される冷却液流量を調整する流量調整手段と、燃料電池スタックの負荷回路の絶縁抵抗を検出する絶縁抵抗検出手段と、絶縁抵抗検出手段により検出した絶縁抵抗検出値に基づき流量調整手段を制御する流量制御手段と、を備える。絶縁抵抗検出値に基づいて流量調整手段を制御することで、冷却液の導電率を正確に把握して冷却液導電率低減手段に供給される冷却液流量を調整することができるので、効率良く導電率を低減することができる。その結果、絶縁抵抗検出値が過剰に低下するのを防ぎ、冷却液導電率を低く保つことができるので、冷却液の導電率を適切に管理することができる。
【0009】
冷却液の導電率が所定値以下であるか否かを判断することにより、冷却液の導電率が悪化しているか否かを判断する冷却液導電率悪化判断手段を備え、起動初期の所定時間において、所定値を高く設定する。これにより、冷却液の導電率が不安定な起動初期に、一時的な導電率の上昇により冷却液の導電率悪化を判断するのを抑制することができるので、冷却液の導電率を適切に管理することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
第1の実施形態に用いる燃料電池システムの概略構成を図1に示す。ここでは、駆動源として車輌に搭載された燃料電池システムについて説明する。
【0011】
図示しない燃料系と酸化剤系から、燃料ガスと酸化剤ガスを供給することにより発電を行うスタック1を備える。ここでは、スタック1として固体高分子型燃料電池スタックを用いる。また、スタック1で生成された電力を高電圧で扱う強電系9を備える。さらに、強電系9と車輌との絶縁抵抗を検出する絶縁抵抗計11を備える。
【0012】
また、温度調整、もしくは、スタック1内部の固体高分子膜の加湿に用いる冷却液を循環する冷却システムを備える。ここでは、冷却液として純水を用い、スタック1に循環させることによりスタック1の温度調整および加湿を行う。また、冷却液貯蔵手段である冷却液タンク4、冷却液流路である冷却液配管3、冷却液を循環させる冷却液ポンプ5、冷却液温度を調整するラジエータ2を備える。
【0013】
また、冷却液中のイオンを除去するイオン除去フィルタ8を備える。循環する冷却液は、流路に用いられている金属からの溶出イオンや空気中に混入しているイオンにより冷却液導電率が増大する。導電率が大きい冷却液は金属を腐食させ、燃料電池システムのスタック1等を劣化させて、寿命を短命化させる。また絶縁抵抗を低下させ、高電圧を扱う上で危険である。そこで、イオン除去フィルタ8により冷却液中のイオンを除去することによりスタック1の寿命を維持する。ここでは、スタック1の上流側にイオン除去フィルタ8を備える。さらに、イオン除去フィルタ8をバイパスするバイパス流路12、イオン除去フィルタ8とバイパス流路12に分配する冷却液流量の割合を調整する三方弁6を備える。さらに、イオン除去フィルタ8とバイパス流路12の下流側で冷却液が合流する部分には三方弁7を備える。なお、三方弁7の開度は固定し、流路形状によっては省略することもできる。
【0014】
また、このような冷却システムを調整するコントローラ10を備える。コントローラ10では、冷却液の導電率に応じて、イオン除去フィルタ8を流通する冷却液の割合を制御する。ここでは、絶縁抵抗計11の出力に応じてイオン除去フィルタ8を流通する冷却液流量を設定し、三方弁6の開度指令を出力する。
【0015】
次に、上記のような構成の冷却システムにおける冷却液の循環について説明する。
【0016】
冷却液タンク4に貯蔵された冷却液を冷却液ポンプ5により取り出す。取り出された冷却液の、例えば一部をイオン除去フィルタ8に流通させることにより、冷却液中のイオンを取り除き、冷却液の導電率を調整する。このとき、イオン除去フィルタ8に流通させる冷却液流量は、冷却液中の導電率、ひいては、後述するように強電系9の絶縁抵抗値に応じて制御する。導電率が小さい場合には、イオンフィルタ8を流通する冷却液流量を抑制し、バイパス流路12を流れるように制御することで、冷却液ポンプ5の負荷を抑制する。
【0017】
スタック1の劣化原因とならないように低導電率に調整された冷却液を、スタック1に供給する。スタック1では、冷却液を用いて、温度調整と固体高分子膜の加湿を行う。温度調整を行う際に熱を吸収して高温となった冷却液を、ラジエータ2に供給する。ここで放熱することにより、再びスタック1の冷却に用いることができる温度に調整してから、冷却液を冷却液タンク4に回収する。
【0018】
このように循環する冷却液のイオン除去フィルタ8への流通割合を、負荷回路、ここでは強電系9の絶縁抵抗値に応じて設定する。冷却液の導電率(純水導電率)と、強電系9の絶縁抵抗値との間には、図2に示すような関数関係(概略y=1/x)が成り立つ。つまり、導電率が高くなるほど絶縁抵抗値は小さくなる。
【0019】
そこで、図3に示すように、三方弁6の切り替えの判断値として所定値Rsを設定する。所定値Rsは、冷却液の導電率の抑制が必要か否かの判断値とする。また、冷却液の導電率の悪化を判断する悪化診断値Riを設定する。悪化診断値Riは、絶縁抵抗値Rが悪化診断値Riより小さい場合には、冷却液導電率が過剰に大きくなり、スタック1の劣化原因となる可能性があると判断される値である。
【0020】
絶縁抵抗計11が検出した絶縁抵抗検出値Rが、所定値Rsより低い場合には、冷却液をイオン除去フィルタ8に多く流すように三方弁6を調整する。これにより、冷却液導電率が高い場合には、イオン除去フィルタ8を流通する冷却液流量を増大して、冷却液導電率を抑制する。また、絶縁抵抗検出値Rが所定値Rs以上の場合には、冷却液をバイパス流路12側に多く流すように三方弁6を調整する。これにより、冷却液導電率が比較的低い場合には、バイパス流路12を流れる冷却液流量を増大することにより、冷却液流路内の圧力損失を小さくし、冷却液循環に用いる冷却液ポンプ5の消費電力を抑制する。
【0021】
このように、絶縁抵抗検出値Rが悪化診断値Riを下回るのを避けつつ、イオン除去フィルタ8に流れる冷却液流量を抑制する。これにより、効率良く、且つ、正確に、冷却液導電率を低く維持することができ、冷却液の導電率を悪化させるのを抑制した冷却液管理を正確に行うことができる。
【0022】
なお、導電率の抑制にかかわらず絶縁抵抗検出値Rが悪化診断値Riより小さいと判断されたら、冷却液の導電率が悪化したと判断してスタック1の劣化を防ぐための対処を行う。ここで、スタック1の劣化を防ぐ対処方法は、悪化診断値Riの大きさに応じて設定しておく。例えば、悪化診断値Riを比較的低く設定した場合には、燃料電池システムを停止することによりスタック1が劣化するのを防ぐ。悪化診断値Riを比較的高く設定した場合には、冷却液の交換を要請する信号を出力してもよい。さらに、悪化診断値Riを二つ設定して、二段階の制御を行っても良い。例えば、絶縁抵抗検出値Rが比較的高い悪化診断値Riaより小さくなった場合に、冷却液の交換を要請する信号を出力し、さらに導電率が増加して絶縁抵抗検出値Rが比較的低い悪化診断値Ribより小さくなった場合に、燃料電池システムを停止する。
【0023】
このような燃料電池システムの起動初期における冷却液導電率の例を図4に示す。冷却システム内の冷却液中におけるイオン分布の偏りに起因して、冷却液導電率は局所的に高くなる場合がある。このような場合には、図4に示すように、起動直後に冷却液導電率が一時的に不安定となる。しかしながら、しばらくの間、冷却液をイオン除去フィルタ8に流通させて循環させると、冷却液導電率が安定して下がってくる。
【0024】
ここで、スタック1に供給される冷却液導電率は、平均として所定値を下回っていれば、燃料電池システムにとって問題とならない。しかしながら上記のような冷却液導電率特性により、起動初期時には、平均導電率からは劣化していると判断されない場合にも、一時的な導電率の増大に伴って絶縁抵抗値が一時的に低下し、絶縁抵抗検出値Rとして悪化診断値Riより小さな値が検出される可能性がある。これにより、冷却液の導電率が悪化していると誤診断されて、冷却液の導電率が悪化したことを示す信号(以下、冷却液悪化信号)が出力される可能性がある。
【0025】
そこで、上記誤診断を避けるために、起動初期には通常時より悪化診断値Riを低く設定する。これにより、冷却液がイオン除去フィルタ8を流れることで冷却液導電率を回復できる場合に、冷却液悪化信号が出力されるのを抑制することができる。
【0026】
以下、起動初期の悪化診断値Riの設定について説明する。
【0027】
図5に、起動初期の悪化診断値Riを示す。起動初期の所定時間(T0〜T1)においては、悪化診断値RiをR1に設定する。所定時間T1が経過したら、通常の悪化診断値R0に設定する。なお、R0>R1である。これにより、起動初期に一時的に絶縁抵抗検出値Rが通常時の悪化診断値R0を下回っても、誤診断により冷却液悪化信号を出力するのを避けることができる。また、起動初期の所定時間T0〜T1の間は三方弁6の切り替えを行わず、常に冷却液をイオン除去フィルタ8側に多く流すように調整する。これにより、起動初期の冷却液導電率をその特性に影響されることなく素早く低下させることができる。
【0028】
さらに、図6に示すように、燃料電池システムを起動する時点において、既に絶縁抵抗値が低下していると想定される場合には、絶縁抵抗値が一時的に小さくなる可能性がさらに高くなる。そこで、悪化診断値Riを、さらに低いR2(R0>R1>R2)に設定することにより、局所的な冷却液導電率上昇により冷却液の導電率が悪化したと判断される頻度を低減する。ここでは、絶縁抵抗値が低下していると想定される場合を、例えば、以下のように設定する。
【0029】
燃料電池システムを高負荷運転し、その後十分に冷却液を循環させずに運転を停止した場合に、絶縁抵抗値が低下していると想定する。燃料電池システムが高負荷運転を生じる際には、スタック1から排出される冷却液温度の上昇により、冷却液中に溶け出すイオンが多くなり、また空気を多く取り入れるので空気中に混入しているイオンも取り込まれることになる。これにより、冷却液導電率が上昇して絶縁抵抗値が低下している状態となる。つまり、図7に示すように、スタック1の出力が大きいほど絶縁抵抗値が小さくなる。そのため、高負荷運転が行われて冷却液導電率が上昇した後に、イオン除去フィルタ8によって冷却液中のイオンを十分に除去する前に冷却液の循環を停止させた場合には、冷却液中のイオン濃度が高くなる。よって、起動初期直後には、冷却液導電率が高く、ひいては、絶縁抵抗値が低下していると想定される。
【0030】
ここでは、例えば、燃料電池システム停止直前の出力Pを記憶しておき、この出力Pが所定出力Psより大きい場合に、次回の起動初期値には絶縁抵抗値が低下していると想定して悪化診断値RiをR2に設定する。なお、所定出力Psは、停止直前の出力がPsである場合に、冷却液循環停止時の絶縁抵抗値が所定値Reを示す値とする。ここで、所定値Reは予め実験等により設定しておく。例えばRe=R0と設定する。
【0031】
なお、前回の運転において、燃料電池システムを高負荷運転して、その後十分に冷却液を循環させずに運転を停止したか否かは、停止直前の運転負荷と、その後、冷却液を循環させた時間とによっても判断することができる。ただし、本実施形態では、冷却液循環停止時の絶縁抵抗検出値Rpが所定値Reより小さい場合に、高負荷運転して十分に冷却液を循環させずに停止したと判断する。
【0032】
または、燃料電池システムを起動せずに長期間放置した場合に、絶縁抵抗値が低下していると想定する。燃料電池システムを長期間放置した場合には、イオン除去フィルタ8に回収されていたイオンが冷却液中に流れ出す可能性がある。よって、図8に示すように、燃料電池システムを放置した放置時間tsに応じて冷却液導電率が大きくなるので、絶縁抵抗値が小さくなる。このように、長い間放置してから燃料電池システムを運転する際には、起動初期時には絶縁抵抗値が低くなると想定される。
【0033】
ここでは、例えば、燃料電池システムの放置時間tsが所定値tαより大きい場合に、起動初期時に悪化診断値RiとしてR2を設定する。なお、所定値tαは予め実験等により設定しておく。例えば、燃料電池システムを放置することにより絶縁抵抗値がRe2より小さくなったと推定される値とする。例えばRe2=R0とする。
【0034】
さらに、起動時の冷却液温度Kwが高い場合に、絶縁抵抗値が低下していると想定する。前述したように、冷却液温度Kwが上昇するに従って、冷却液中に溶け出すイオンが増大する。よって、図9に示すように、外部温度が高い等により冷却液温度Kwが高い場合には冷却液導電率が大きく、ひいては絶縁抵抗値が小さくなる。よって、冷却液温度Kwが低いほど、起動初期時には絶縁抵抗値が低くなると想定される。
【0035】
ここでは、例えば図示しない冷却液温度Kwを直接検出する温度センサや、外気温度を測定して冷却液温度Kwを推定する温度検出手段等を備える。冷却液温度Kwが所定値Ksより大きい場合に、起動初期時に悪化診断値RiとしてR2を設定する。なお、所定値Ksは、予め実験等により設定しておく。例えば、高温の冷却液により絶縁抵抗値がRe3より小さくなったと推定される値とする。例えばRe3=R0とする。
【0036】
なお、所定値Re、Re2、Re3は同じ値としてもよいし、それぞれ別々の値としてもよい。
【0037】
このように、起動初期時に絶縁抵抗値が低くなると想定される場合に、冷却液の多くをイオン除去フィルタ8側に流通させると共に、悪化診断値RiをR1よりさらに低いR2に設定する。これにより、図5に示すように、起動時点において既に絶縁抵抗値が低く、かつ、起動初期に一時的に絶縁抵抗値が不安定になる起動初期(T0〜T1)においても、絶縁抵抗の一時的な低下による誤診断を防ぐことができる。これにより、冷却液導電率が回復する可能性がある場合に、冷却液悪化信号を出力するのを防ぐことができるので、冷却システムの管理を適切に行うことができる。
【0038】
次に、起動初期(T0〜T1)における、冷却液の導電率の悪化の判断方法について説明する。
【0039】
起動初期(T0〜T1)にも、冷却液導電率が指定された値を超えてスタック1に悪影響を与える可能性がある。しかしながら、上述したように悪化診断値Riを下げた状態を続けていると、異常を検知するのが遅れてスタック1の劣化を促す恐れがある。そこで、起動直後のT0〜T1の間は、絶縁抵抗検出値Rを冷却液導電率Cに換算し、この冷却液導電率の積算値Csumを算出する。ここでは、図2に示すようなマップを用いて絶縁抵抗検出値Rを冷却液導電率Cに換算する。冷却液導電率の積算値Csumが所定値Ccを超えたら冷却液の導電率が悪化していると判断する。ここで所定値Ccは、所定値Ccを、スタック1の劣化を生じない範囲で、起動初期(T0〜T1)の間に積算される冷却液導電率の最大積算値とする。所定値Ccは実験等により予め設定しておく。
【0040】
次に、冷却液の導電率管理の制御方法を、図10に示したフローチャートを用いて説明する。本フローは、イグニッションがONになる等の燃料電池システムの起動信号を検知したら開始し、燃料電池システムの停止信号を検知するまで、所定時間毎に繰り返す。なお、燃料電池システム起動の信号を検知した時点では、悪化診断値Riは通常の所定値R0に設定されている。
【0041】
ステップS1において、絶縁抵抗検出値Rを検出する。ここでは、絶縁抵抗計11を用いて検出する。ステップS2において、起動初期であるか否かを判断する。ここでは、コントローラ10に図示しないタイマーを備え、起動開始からの経過時間Tをカウントする。この経過時間が所定時間T1より大きいか否かを判断することにより起動初期であるか否かを判断する。経過時間Tが所定時間T1より大きい場合には、起動初期ではないと判断してステップS15に進み、悪化診断値RiをR0に設定してから、後述するステップS10に進む。一方、所定時間T1以下の場合には、起動初期であると判断して、ステップS3に進む。
【0042】
ステップS3において、冷却液導電率積算値Csum(n)を算出する。ここで、nは積算した回数を示している。ここでは、前回(n−1回目)の冷却液導電率積算値Csum(n−1)に、今回(n回目)検出した絶縁抵抗検出値Rを換算することにより求めた冷却液導電率Cを加算する。つまり、Csum(n)=Csum(n−1)+C。なお、Csum(0)=0とする。また、燃料電池システム停止の信号を検知したら、n=0にリセットする。
【0043】
次に、ステップS4において、起動初期時に冷却液の導電率が悪化しているか否かを判断する。つまり、冷却液導電率積算値Csumが、所定値Ccより大きいか否かを判断する。冷却液導電率積算値Csumが、所定値Ccより大きい場合には、冷却液導電率上昇によりスタック1が劣化する可能性があるので、ステップS14に進み、冷却液悪化信号を出力する。一方、冷却液導電率積算値Csumが、所定値Cc以下の場合には、ステップS5に進む。ステップS5において、悪化診断値RiをR1に設定する。つまり、起動初期において、悪化診断値Riを通常の悪化診断値R0より低い悪化診断値R1に設定することにより、絶縁抵抗検出値Rの許容範囲を広く設定する。
【0044】
次に、ステップS6において、前回の運転終了時に、高負荷運転から十分な冷却液の循環を行わずに停止したか否かを判断する。ここでは、前回の終了時の冷却液循環を停止した時点で検出した絶縁抵抗検出値Rpを用いて判断する。前回の運転終了時点の絶縁抵抗検出値Rpと所定値Reを比較する。絶縁抵抗検出値Rpが所定値Reより小さい場合には、起動時の絶縁抵抗値は低い値を示すと判断してステップS9に進む。ステップS9において、悪化診断値RiをR2に設定して、絶縁抵抗検出値Rの許容範囲をさらに広く設定してから、ステップS10に進む。ただし、R1>R2である。一方、ステップS6において、絶縁抵抗検出値Rpが所定値Re以上の場合には、ステップS7に進む。
【0045】
ステップS7において、燃料電池システムの放置時間tsから、起動時の冷却液の絶縁抵抗値が低下しているか否かを判断する。ここでは、図示しないタイマー等により前回運転終了からの放置時間tsをカウントする。放置時間tsが所定時間tαより大きければ、ステップS9に進み、悪化診断値RiをR2に設定してからステップS10に進む。放置時間tsが所定時間tα以下の場合には、放置中のイオンの拡散は無視できると判断して、ステップS8に進む。
【0046】
ステップS8において、起動時の冷却液温度Kwに応じて絶縁抵抗値の低下を判断する。ここでは、図示しない冷却液の温度センサを備え、冷却液温度Kwが所定温度Ksより大きいか否かを判断する。冷却液温度Kwが所定温度Ksより大きい場合には、起動時の冷却液中のイオンが多いと判断して、ステップS9に進み、悪化診断値RiをR2に設定する。一方、冷却液温度Kwが所定温度Ks以下の場合には、ステップS10に進む。
【0047】
ステップS10において、三方弁6の切り替え判断を行う。ここで絶縁抵抗検出値Rが所定値Rsより小さいか否かを判断する。所定値Rsより小さい場合には、ステップS11に進み、イオン除去フィルタ8側に流れる冷却液流量が大きくなるように、三方弁6の開度を設定する。一方、絶縁抵抗検出値Rが所定値Rs以上の場合には、ステップS12に進み、バイパス流路12側を流れる冷却液流量が大きくなるように、三方弁6の開度を設定する。
【0048】
次に、ステップS13において、冷却液の導電率が悪化しているか否かの判断を行う。絶縁抵抗検出値Rと設定した悪化診断値Riを比較する。絶縁抵抗検出値Rが設定した悪化診断値Riより小さい場合には、冷却液導電率がスタック1の劣化原因となるような範囲であると判断して、ステップS14に進み、冷却液悪化信号を出力する。なお、この冷却液悪化信号は、例えば、冷却液の交換を要請する信号や、システムの停止信号とする。一方、絶縁抵抗検出値Rが悪化診断値Ri以上の場合には、冷却液導電率は適正であると判断して本フローを終了する。
【0049】
次に、本実施形態の効果について説明する。
【0050】
冷却液を用いて温度調整または加湿の少なくとも一方が行われるスタック1と、冷却液の導電率を低減させるためのイオン除去フィルタ8と、イオン除去フィルタ8を冷却液が迂回するためのバイパス流路12を備える。また、イオン除去フィルタ8に供給される冷却液流量を調整する三方弁6と、スタック1の負荷回路、ここでは強電計9の絶縁抵抗を検出する絶縁抵抗計11を備える。さらに、絶縁抵抗計11により検出した絶縁抵抗検出値Rに基づき三方弁6を制御する流量制御手段(S10〜S12)と、を備える。これにより、正確に検出するのが容易な絶縁抵抗検出値Rに応じてイオン除去フィルタ8に流通する冷却液流量を制御することができるので、冷却液導電率が過剰となるのを確実に抑制することができる。例えば、絶縁抵抗検出値Rが大きい時にはイオン除去フィルタ8へ流す流量を抑制して冷却液をバイパスさせる。これにより、冷却システムを循環する冷却液の圧損を小さく抑えることができる。また、冷却液導電率が上昇して、絶縁抵抗検出値Rが低下した場合には冷却液をイオン除去フィルタ8へ通す。これにより、絶縁抵抗検出値Rが悪化診断値Riを下回るのを抑制し、冷却液導電率を低く保つことができる。このように構成することで、絶縁抵抗値が悪化診断値Riより低下したと判断される頻度を低減することができ、冷却液の導電率を適切に管理することができる。
【0051】
絶縁抵抗検出値Rと、所定の悪化診断値Riとを比較することにより冷却液の導電率が悪化しているか否かを判断する冷却液導電率悪化判断手段(S13)を備える。起動初期の所定時間(T0〜T1)において、悪化診断値Riを変化させる(S5)。ここでは、悪化診断値RiをR0より低い低い値R1に設定する。イオン除去フィルタ8により冷却液導電率の回復が期待できる状況において、起動初期に見られる冷却液中のイオン分布の偏りに起因する導電率の局所的な上昇によって引き起こされる絶縁抵抗値低下による誤診断を抑えることができる。これにより、冷却液を交換したり、燃料電池システムを停止したりする頻度を抑えて、イオン除去フィルタ8を有効に活用することができる。
【0052】
起動初期に冷却液導電率が通常時より上昇していると想定される状況、言い換えれば、絶縁抵抗値が通常時より低下していると想定される状況では、起動初期の所定時間(T0〜T1)において、悪化診断値Riをさらに変化させる。ここでは、悪化診断値Riをさらに低い値R2に設定する(S9)。これにより、冷却液導電率が通常より上昇していると想定される起動初期においても、絶縁抵抗の一時的な低下による誤診断を抑制することができる。
【0053】
起動初期において、悪化診断値Riを変化させている間に、起動直後からの冷却液導電率の積算値Csumが所定値Ccを超えると冷却液の導電率が悪化していると判断する。これにより、悪化診断値Riを下げている状態でも、冷却液導電率の上昇によってスタック1に悪影響を与える前に、冷却液の導電率が悪化していると判断することができる。
【0054】
起動初期に冷却液導電率が通常時より上昇していると想定される状況を、高負荷運転をした後、所定時間以上、例えば冷却液導電率を低減するのに十分な時間だけ冷却液を循環させずに運転停止した場合とする。これにより、停止時の運転状態を考慮して、起動初期の冷却液導電率に応じて悪化診断値Riを設定することができるので、絶縁抵抗値が一時的に低下することによる誤診断を抑制することができる。
【0055】
起動初期に冷却液導電率が通常時より上昇していると想定される状況を、起動時における冷却液温度Kwが所定値Ksより高い場合とする。これにより、起動時の外気温度などの影響を考慮して、冷却液の導電率に応じて悪化診断値Riを設定することができるので、絶縁抵抗値が一時的に低下することによる誤診断を抑制することができる。
【0056】
起動初期に冷却液導電率が通常時より上昇していると想定される状況を、最後に運転してから次に起動するまでの放置時間tsが所定値tαより長い場合とする。これにより、燃料電池システムを長期間放置しても、絶縁抵抗値が一時的に低下することによる誤診断を抑制することができる。
【0057】
冷却液を用いて温度調整または加湿の少なくとも一方が行われるスタック1と、冷却液の導電率を低減させるためのイオン除去フィルタ8と、冷却液の導電率が所定範囲であるか否かを判断することにより、冷却液の導電率が悪化しているか否かを判断する冷却液導電率悪化判断手段(S13)と、を備える。ここでは、冷却液の導電率が所定範囲であるか否かを、検出した絶縁抵抗値Rが所定範囲であるか否かにより判断する。なお、絶縁抵抗値が悪化診断値Ri以上の範囲を、所定範囲とする。起動初期の所定時間(T0〜T1)において、所定範囲を広く設定する。ここでは、悪化診断値Riを、通常値より低い値に設定することにより所定範囲を広くする。これにより、起動初期における冷却液導電率悪化の誤診断が生じる頻度を抑制することができるので、冷却液の導電率管理を向上することができる。
【0058】
なお、本実施形態では、悪化診断値R2を一つの値としているが、この限りではない。例えば、起動時の絶縁抵抗値の想定される低下の程度に応じて悪化診断値R2を可変としてもよい。例えば、停止時の出力Pが高いほど、または、放置時間tsが長いほど、または、起動時の冷却液温度Kwが高いほど、悪化診断値R2を小さい値に設定してもよい。
【0059】
次に、第2の実施形態について説明する。燃料電池システムの概略構成を図11に示す。以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0060】
絶縁抵抗率計11の替わりに、冷却液導電率を検出する冷却液導電率計13を備える。つまり、冷却液導電率の管理を、直接、導電率を検出することにより行う。ここでは、冷却液導電率計13を、スタック1に供給される冷却液の導電率を検出するように配置する。
【0061】
冷却液導電率を抑制する必要があるか否かを、検出された冷却液導電率Cが所定値Csより大きいか否かにより判断する。ここでは、検出した冷却液導電率Cが所定値Csより大きくなったと判断されたら、冷却液をイオン除去フィルタ8側に多く流すように三方弁6を設定する。これにより、冷却液導電率を低下させて、冷却液の悪化を抑制する。一方、冷却液導電率が所定値Cs以下の場合には、冷却液をバイパス流路12側に多く流すように三方弁6を設定する。これにより、冷却システムを流れる冷却液の圧損を低減して冷却液ポンプ5の消費電力を抑制することができる。
【0062】
また、冷却液導電率が悪化しているか否かを、検出された冷却液導電率Cが悪化診断値Ciより大きいか否かにより判断する。通常時には、悪化診断値CiをC0に設定する。冷却液導電率が悪化診断値C0を超えないように三方弁6を制御する。
【0063】
次に、燃料電池システム起動初期の冷却液導電率が不安定な場合について説明する。
【0064】
図12に示すように、起動初期の所定時間(T0〜T1)は、冷却液導電率の悪化診断値Ciを所定値C1に設定する。なお、C1>C0である。つまり、検出される冷却液導電率Cの許容範囲が広くなるように、悪化診断値Ciを通常より高い値に設定する。これにより、起動初期に、一時的な導電率上昇に対して、冷却液導電率が悪化したという誤診断が行われるのを抑制することができる。
【0065】
また、燃料電池システムを起動する時点において、既に冷却液導電率が上昇していると想定される状況においては、図13に示すように、上記で設定した悪化診断値Ciを、C1からC2に設定する。ただし、C2>C1である。これにより、起動の時点において既に冷却液導電率が上昇している場合には、冷却液導電率の一時的な上昇に対して冷却液導電率が悪化したという誤診断が行われるのをさらに避けることができる。
【0066】
さらに、第1の実施形態と同様に、起動初期T0〜T1においては、冷却液導電率計13により検出した冷却液導電率Cの積算値Csumを算出して、その値が所定値Ccを超えた時には冷却液の導電率が悪化していると判断する。これにより、悪化診断値Ciを高く設定しているような場合でも、冷却液導電率の上昇によるスタック1への悪影響を抑えることができる。
【0067】
次に、冷却液の導電率が悪化しているか否かの診断方法を、図14に示したフローチャートを用いて説明する。なお、燃料電池システム起動の信号を検知した時点では、悪化診断値CiはC0に設定されている。
【0068】
ステップS21において、冷却液導電率計13を用いて冷却液導電率Cを検出する。ステップS22において、ステップS2と同様に起動初期であるか否かを判断し、起動初期の場合にはステップS23に、それ以外の場合にはステップS35において悪化診断値CiをC0に設定してからステップS30に進む。ステップS23、S24において、ステップS3、S4と同様に冷却液導電率積算値Csumを求めてこれが所定値Cc以下であるか否かを判断する。所定値Ccより大きい場合には、スタック1等が劣化する可能性があるとしてステップSS34に進み、冷却液悪化信号を出力する。所定値Cc以下の場合には、冷却液の導電率は維持されていると判断して、ステップS25に進む。
【0069】
ステップS25において、悪化診断値CiをC1に設定する。つまり、起動初期に、悪化診断値Ciを通常時の所定値C0より高い所定値C1に設定する。ステップS26〜S28においては、起動時の冷却液導電率が高い値であると想定されるか否かを判断する。ここで、高い値になると判断された場合には、ステップS29に進み、悪化診断値Ciを所定値C1より高いC2に設定する。
【0070】
なお、ステップS26においては、前回の運転終了時に、高負荷運転から十分な冷却液の循環を行わずに停止したか否かを判断する。ここでは、前回の終了時の冷却液循環を停止した時点での冷却液導電率Cpを用いて判断する。前回の運転終了時点の冷却液導電率Cpと所定値Ceを比較する。冷却液導電率Cpが所定値Ceより大きい場合には、起動時の冷却液導電率が高いと判断してステップS29に進む。一方、冷却液導電率Cpが所定値Ce以下の場合には、ステップS27に進む。また、ステップS27において、燃料電池システムの放置時間tsから、起動時の冷却液の導電率Cが高いか否かを判断する。さらに、ステップS28において、起動時の冷却液温度Kwに応じて冷却液導電率の上昇を判断する。
【0071】
このように悪化診断値Ciを設定したら、ステップS30において、三方弁6の切り替え判断を行う。冷却液導電率Cが所定値Csより大きければ、ステップS31において三方弁6をイオン除去フィルタ8側に大きく開くように設定する。所定値Cs以下であればステップS32において、三方弁6がバイパス流路12側に大きく開くように設定する。
【0072】
ステップS33において、冷却液の導電率が悪化しているか否かの判断を行う。検出した冷却液伝導率Cが悪化診断値Ciより大きい場合には、冷却液が悪化していると判断して、ステップS34において冷却液悪化信号を出力して本フローを終了する。一方、ステップS33において、検出した冷却液伝導率Cが悪化診断値Ci以下の場合には、冷却液の導電率は悪化していないと判断して、本フローを終了する。
【0073】
次に、本実施形態の効果を説明する。以下、第1の実施形態と異なる効果のみを説明する。
【0074】
冷却液を用いて温度調整または加湿の少なくとも一方が行われるスタック1と、冷却液の導電率を低減させるためのイオン除去フィルタ8と、冷却液の導電率が所定範囲であるか否かを判断することにより、冷却液の導電率が悪化しているか否かを判断する冷却液導電率悪化判断手段(S33)と、を備える。ここでは、冷却液の導電率が所定範囲であるか否かを、検出した冷却液導電率Cが所定範囲であるか否かにより判断する。なお、冷却液導電率Cが悪化診断値Ci以下の範囲を、所定範囲とする。起動初期の所定時間(T0〜T1)において、所定範囲を広く設定する。ここでは、悪化診断値Ciを、通常値C0より高い値C1に設定することにより所定範囲を広くする。これにより、起動初期に生じ易い冷却液導電率悪化の誤診断を抑制することができるので、冷却液の導電率管理を向上することができる。
【0075】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術思想の範囲内で様々な変更が為し得ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に用いる燃料電池システムの概略構成図である。
【図2】絶縁抵抗値の冷却液導電率依存性を説明する図である。
【図3】絶縁抵抗値に応じた三方弁の切り替えのタイミングを示した図である。
【図4】起動初期の冷却液導電率の時系列変化を示した図である。
【図5】起動初期の絶縁抵抗値の時系列変化と悪化診断値の設定方法を示す図である。
【図6】起動初期に伝導率悪化が想定される場合の絶縁抵抗値の時系列変化と悪化診断値の設定方法を示す図である。
【図7】スタック出力と絶縁抵抗値との関係図である。
【図8】放置時間と絶縁抵抗値との関係図である。
【図9】起動時の冷却液温度と絶縁抵抗値との関係図である。
【図10】第1の実施形態における冷却液導電率の悪化を判断するフローチャートである。
【図11】第2の実施形態に用いる燃料電池システムの概略構成図である。
【図12】起動初期の冷却液導電率の時系列変化と悪化診断値の設定方法を示す図である。
【図13】起動初期に伝導率悪化が想定される場合の冷却液伝導率の時系列変化と悪化診断値の設定方法を示す図である。
【図14】第2の実施形態における冷却液導電率の悪化を判断するフローチャートである。
【符号の説明】
1 スタック(燃料電池スタック)
6 三方弁(流量調整手段)
8 イオン除去フィルタ(冷却液導電率低減手段)
9 強電系(負荷回路)
11 絶縁抵抗計(絶縁抵抗検出手段)
12 バイパス流路
13 冷却液導電率計
S10〜S12、S30〜S32 流量制御手段
S13、S33 冷却液導電率悪化判断手段

Claims (7)

  1. 冷却液を用いて温度調整または加湿の少なくとも一方が行われる燃料電池スタックと、
    冷却液の導電率を低減させるための冷却液導電率低減手段と、
    前記冷却液導電率低減手段を冷却液が迂回するためのバイパス流路と、
    前記冷却液導電率低減手段に供給される冷却液流量を調整する流量調整手段と、
    前記燃料電池スタックの負荷回路の絶縁抵抗を検出する絶縁抵抗検出手段と、
    前記絶縁抵抗検出手段により検出した絶縁抵抗検出値に基づき前記流量調整手段を制御する流量制御手段と、を備え、
    前記絶縁抵抗検出値と、所定の絶縁抵抗閾値とを比較することにより冷却液の導電率が悪化しているか否かを判断する冷却液導電率悪化判断手段を備え、
    起動初期の所定時間において、前記絶縁抵抗閾値を変化させることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 起動初期に冷却液導電率が通常時より上昇していると想定される状況では、起動初期の所定時間において、前記絶縁抵抗閾値をさらに変化させる請求項に記載の燃料電池システム。
  3. 起動初期において、前記絶縁抵抗閾値を変化させている間に、起動直後からの冷却液導電率の積算値が所定値を超えると冷却液の導電率が悪化していると判断する請求項1または2に記載の燃料電池システム。
  4. 起動初期に冷却液導電率が通常時より上昇していると想定される状況を、高負荷運転をした後、冷却液の導電率を低減するのに十分な時間だけ循環させずに運転停止した場合とする請求項に記載の燃料電池システム。
  5. 起動初期に冷却液導電率が通常時より上昇していると想定される状況を、起動時における冷却液温度が所定値より高い場合とする請求項に記載の燃料電池システム。
  6. 起動初期に冷却液導電率が通常時より上昇していると想定される状況を、最後に運転してから次に起動するまでの経過時間が所定時間より長い場合とする請求項に記載の燃料電池システム。
  7. 冷却液を用いて温度調整または加湿の少なくとも一方が行われる燃料電池スタックと、
    冷却液の導電率を低減させるための冷却液導電率低減手段と、
    冷却液の導電率が所定値以下であるか否かを判断することにより、冷却液の導電率が悪化しているか否かを判断する冷却液導電率悪化判断手段と、を備え、
    起動初期の所定時間において、前記所定値を高く設定することを特徴とする燃料電池システム。
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