JP2005235489A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃料電池の発電停止時に冷却水の状態に応じて導電率を低下させておき、次回の起動時間を短時間とする。
【解決手段】 コントロールユニット2は、燃料電池システムの通常運転時には、冷却水流量調整弁48の開度調整を行ってイオンフィルタ46を通過させる冷却水流量を調整して冷却水の導電率を維持し、システム停止指令を入力して燃料電池システムの停止させる時には、導電率センサ45により検出した冷却水の導電率がしきい値を超えている場合には冷却水の導電率がしきい値を下回るまで冷却水の循環を継続するように冷却水ポンプ41を駆動させ、冷却水の導電率がしきい値を下回った場合には、システム停止指令を入力した時に冷却水温度に基づく循環時間だけ冷却水の循環を継続する。これにより、システムを完全に停止させる前に、システムを放置している間の導電率の上昇分を低減させておく。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池を発電させている時に、当該燃料電池を冷却する冷却水の導電率を所定値以下に抑制しながら燃料電池に循環させる燃料電池システムに関する。
従来より、燃料電池の発電の高効率化を図り、燃料電池の温度を所定範囲に維持するために燃料電池に冷却水を供給する燃料電池システムが知られている。このような燃料電池システムは、燃料電池に供給する冷却水の導電率が上昇することによる漏電を防止するために、冷却水の導電率を所定値以下に維持することが必要となる。
そこで、従来より、燃料電池の運転回数や運転時間に応じて、冷却水の水質維持を実現する技術が、例えば下記の特許文献1などにて知られている。
特開2002−141095号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載された燃料電池システムは、毎回同様な運転形態を行う、例えば定置用負荷に搭載して電力供給する場合においては問題は発生しないが、様々な運転形態を行うで運転を行う、例えば自動車の駆動モータに電力供給する場合には、導電率の上昇傾向が運転状態によって異なることが多い。したがって、常時同じ手法で導電率の維持を行った場合に、前回の運転時の状態によっては、次回の運転開始時には導電率が非常に高くなっている場合がある。
また、燃料電池システムを自動車に搭載した場合においては、運転者が走行開始するためにキーをオンにした直後に燃料電池を発電開始させる必要があり、この時に冷却水の導電率が高い状態となっていると導電率を低下させるための待ち時間が発生してしまい、走行開始までの待ち時間が長くなるという問題があった。
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、発電停止時に冷却水の状態に応じて導電率を低下させておき、次回の起動時間を短時間とすることができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明は、燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されて発電する燃料電池と、燃料電池を発電させている通常運転時に冷却水を循環させる冷却水循環手段と、冷却水循環手段により燃料電池に循環される冷却水の導電率を検出する導電率検出手段と、冷却水循環手段により燃料電池に循環される冷却水の状態を検出する状態検出手段と、冷却水循環手段により循環される冷却水のイオンを除去して、冷却水の導電率を低下させるイオン除去手段とを備えた燃料電池システムであって、制御手段により、燃料電池に循環させている冷却水の導電率を低下させる制御を行う。
この制御手段は、システム停止指令を入力した場合に、導電率検出手段により検出した冷却水の導電率がしきい値を超えている場合には導電率検出手段により検出される冷却水の導電率がしきい値を下回るまで冷却水の循環を継続するように冷却水循環手段を制御し、導電率検出手段により検出した冷却水の導電率がしきい値を下回った場合には、システム停止指令を入力した時に状態検出手段で検出した冷却水の状況に基づく循環時間だけ冷却水の循環を継続するように冷却水循環手段を制御することにより、上述の課題を解決する。
また、他の燃料電池システムは、制御手段により、システム停止指令を入力した場合に、導電率検出手段により検出した冷却水の導電率がしきい値を超えている場合には、システム停止指令を入力した後に冷却水の循環を停止させる循環停止時間又は冷却水を再度循環させる再循環時間を状態検出手段により検出した冷却水の状況に基づいて求め、循環停止時間だけ冷却水の循環を停止させた後に再循環時間だけ冷却水を循環させるように冷却水循環手段を制御することにより、上述の課題を解決する。
本発明に係る燃料電池システムによれば、システム停止指令を入力した場合に、冷却水の導電率がしきい値を超えている場合には冷却水の導電率がしきい値を下回るまで冷却水の循環を継続し、更に、システム停止指令を入力した時の冷却水の状況に基づく循環時間だけ冷却水の循環を継続するので、冷却水の導電率の上昇分を予め低減させておくことができ、システム停止後の冷却水の導電率を低い状態に維持しておくことができる。したがって、この燃料電池システムによれば、次回のシステム起動時に冷却水の導電率が高いために、冷却水の導電率を低下させるために必要な時間を短縮して、次回の起動時間を短時間とすることができる。
また、本発明に係る他の燃料電池システムによれば、システム停止指令を入力した場合に、冷却水の導電率がしきい値を超えている場合には、システム停止指令を入力した後に冷却水の循環を停止させる循環停止時間又は冷却水を再度循環させる再循環時間を冷却水の状況に基づいて求め、循環停止時間だけ冷却水の循環を停止させた後に再循環時間だけ冷却水を循環させるので、冷却水の循環を停止して実際に冷却水にイオンが溶出した後に導電率を低減させることができ、次回に起動するときの冷却水の導電率を更に低い状態とすることができ、更に次回の起動時間を短縮することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
本発明は、例えば図1に示すように構成された燃料電池システムに適用される。
[燃料電池システムの構成]
この燃料電池システムは、図1に示すように、燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されることにより発電する燃料電池スタック1を備える。この燃料電池スタック1は、例えば、固体高分子電解質膜を挟んで空気極と水素極とを対設した燃料電池セル構造体をセパレータで挟持し、セル構造体を複数積層して構成されている。本例においては、燃料電池スタック1が発電反応を発生させるための燃料ガスとして水素ガスを水素極に供給すると共に、酸化剤ガスとして酸素を含む空気を空気極に供給する燃料電池システムについて説明する。
この燃料電池システムでは、燃料電池スタック1に空気を供給する空気系、燃料電池スタック1に水素ガスを供給する水素ガス系、燃料電池スタック1に供給する空気を加湿する加湿用純水を循環させる加湿用純水系、燃料電池スタック1の温度調整をする冷却水を循環させる冷却水系を備える。
この燃料電池システムでは、燃料電池スタック1の発電を制御するに際して、空気、水素ガス、加湿用純水、冷却水の各流体の流量及び圧力をコントロールユニット2により制御する。また、このコントロールユニット2は、燃料電池スタック1を構成する各燃料電池セルにより発電している全セル電圧を図示しないセル電圧センサから検出して監視すると共に、スタック温度センサ3により燃料電池スタック1の温度を監視している。この燃料電池スタック1の温度は、後述する冷却水温度に相当し、冷却水の状態としてコントロールユニット2に認識される。
水素ガス系は、水素供給配管L1に、水素タンク11、水素圧力制御弁12及びアクチュエータ13、水素循環ポンプ14が設けられる。この水素ガス系は、燃料電池システムの通常運転時において、水素タンク11に貯蔵した水素を水素ガスとして燃料電池スタック1に導く。
また、この水素ガス系は、燃料電池スタック1のガス排出側に、ガスをパージするための水素排出配管L2、燃料電池スタック1から排出された水素ガスを再度燃料電池スタック1に戻す水素循環配管L3が設けられている。この水素循環配管L3から分岐された水素排出配管L2には、水素循環配管L3との分岐部分の下流側にパージ弁15及びアクチュエータ16が設けられている。また、この水素ガス系は、コントロールユニット2により水素ガス圧力を検出するための水素圧力センサ17が水素循環配管L3に設けられている。
このような水素ガス系は、燃料電池システムの通常運転時において、コントロールユニット2により、水素圧力センサ17により検出した水素ガス圧力を検出し、アクチュエータ13が駆動されることで水素圧力制御弁12の開度が調整されることで水素ガス圧力が調整され、また水素循環ポンプ14が駆動されて水素流量が調整され、水素タンク11からの水素ガスを水素排出配管L2からの水素ガスとを混合させて燃料電池スタック1に供給することで、水素ガスの再利用が行われる。
また、この水素ガス系は、水素循環配管L3内の窒素やCO、水等による不純物濃度が高くなった場合に、水素濃度を上昇させるために、コントロールユニット2によりアクチュエータ16が駆動されることでパージ弁15が開状態とされる。
空気系は、空気供給配管L4にコンプレッサ21、空気フィルタ22及び加湿器23が設けられ、空気排出配管L5により燃料電池スタック1の空気出口と水分凝縮装置24とを接続し、当該水分凝縮装置24を通過した空気を外部に放出する空気放出配管L6に空気圧力制御弁25及びアクチュエータ26が設けられている。また、この空気系は、コントロールユニット2により空気温度及び空気湿度を検出するための温湿度センサ27が空気供給配管L4に設けられている。
この空気系は、燃料電池システムの通常運転時において、コントロールユニット2により、コンプレッサ21の回転数が制御されると共に、アクチュエータ26が駆動されることで空気圧力制御弁25の開度が調整される。これにより、外気は、空気フィルタ22に取り込まれ、空気フィルタ22でマイクロダスト、硫黄分、コンプレッサ21から排出されるオイル等を除去して清浄化され、加湿器23で加湿されて燃料電池スタック1に導入される。そして、燃料電池スタック1で発電反応に使用されなかった空気は、燃料電池スタック1の生成水を含んだ状態で、空気排出配管L5を介して水分凝縮装置24に導入される。
水分凝縮装置24は、空気排出配管L5から導入される空気に含まれる水分を凝縮して、水分を回収した後の空気を空気放出配管L6に排出する。また、この水分凝縮装置24は、開閉弁31及びアクチュエータ32が設けられた凝縮水配管L7を介して、後述する加湿系の加湿用純水タンク33に接続されている。これにより、水分凝縮装置24で回収された凝縮水は、コントロールユニット2によりアクチュエータ32が駆動されて開閉弁31が開状態となされた場合に、凝縮水配管L7を介して加湿用純水タンク33に蓄積される。なお、本例においては、水分凝縮装置24で凝縮水を回収するに際して使用するフィルタを設けていないが、必要に応じて設けても良い。
加湿用純水系は、加湿用純水タンク33と加湿器23とを加湿用純水供給配管L8及び加湿用純水循環配管L9で接続し、加湿用純水供給配管L8に純水ポンプ34が設けられ、加湿用純水循環配管L9に純水圧力調整弁35及びアクチュエータ36が設けられて構成されている。ここで、加湿用純水タンク33は、図示しないフィルタを介して大気圧開放されている。更に、この加湿用純水系は、コントロールユニット2により加湿用純水循環配管L9内の加湿用純水圧力を検出するための純水圧力センサ37が設けられている。
また、加湿用純水タンク33は、コントロールユニット2により蓄積されている加湿用純水量を検出するための水位センサ33aが設けられている。これにより、コントロールユニット2は、加湿用純水タンク33に蓄積される加湿用純水の過不足が発生した場合に、空気系運転圧を補正制御して加湿用純水タンク33の液面を適正値に保つ様に制御し、その制御を実施しても過不足が解消しない場合には、その旨をユーザに通知することが可能となる。
この加湿用純水系は、燃料電池システムの通常運転時において、コントロールユニット2により純水ポンプ34の回転数が制御されると共にアクチュエータ36が駆動されて純水圧力調整弁35が開状態とされると、加湿用純水タンク33に蓄積された加湿用純水を加湿器23に吐出して導入し、例えば膜加湿器である加湿器23を通過した加湿用純水を純水圧力調整弁35を介して加湿用純水タンク33に循環させる。
また、コントロールユニット2は、純水圧力センサ37からのセンサ信号を読み込んで、加湿用純水圧力を検出し、純水圧力調整弁35の開度を調整することにより、純水ポンプ34から純水圧力調整弁35までの加湿用純水圧力が略一定となるようにアクチュエータ36を制御する。
冷却水系は、例えば水にエチレングリコール等の凍結防止剤を混入した液体を冷却水として使用し、当該冷却水を燃料電池スタック1に通過させることにより燃料電池スタック1を冷却する。この冷却水系は、燃料電池スタック1の冷却水入口に接続され冷却水ポンプ41の吐出側と接続された冷却水供給配管L10、燃料電池スタック1の冷却水出口と接続された冷却水排出配管L11、冷却水循環配管L12,L14、ラジエータバイパス配管L13、イオンフィルタバイパス配管L15を備える。
この冷却水系は、燃料電池システムの通常運転時において、コントロールユニット2により冷却水ポンプ41の回転数が制御されて駆動されると、冷却水循環配管L14の冷却水を冷却水ポンプ41により吸入して冷却水供給配管L10側に吐出し、冷却水供給配管L10を介して冷却水を燃料電池スタック1に導入する。これにより、燃料電池スタック1は、冷却水と熱交換がされ、温度が低下する。この燃料電池スタック1の温度変化は、燃料電池スタック1に設けられたスタック温度センサ3に検出され、コントロールユニット2で読み込まれる。
また、燃料電池スタック1を通過した冷却水は、冷却水排出配管L11を介してサーモスタット三方切替弁42に送られる。このサーモスタット三方切替弁42は、図示しない冷却水の温度を検出する温度検出機構と、当該温度検出機構により検出された温度に応じて動作するアクチュエータ43とを備える。サーモスタット三方切替弁42は、冷却水の温度が所定温度(例えば50℃)より高い場合には冷却水循環配管L12側開口を開状態にし、冷却水の温度が所定温度よりも高くない場合にはラジエータバイパス配管L13側の開口を開状態にするようにアクチュエータ43が動作する。
サーモスタット三方切替弁42から冷却水循環配管L12に送られた冷却水は、ラジエータ44に導入され、当該ラジエータ44で熱交換される。ここで、ラジエータ44は、外部からの送風又は図示しないラジエータファンがコントロールユニット2により制御されることによる送風を受け、冷却水循環配管L12から送られた冷却水の熱交換を行って、冷却水の温度を低下させて所望の温度にして冷却水循環配管L14に送る。
ラジエータバイパス配管L13に送られた冷却水とラジエータ44を通過した冷却水とが混合した冷却水は、導電率センサ45を通過してイオンフィルタ46又はイオンフィルタバイパス配管L15に導入される。導電率センサ45は、冷却水の導電率を検出し、当該冷却水の導電率がコントロールユニット2により読み込まれる。イオンフィルタ46は、冷却水に含まれる各種異物に加え、冷却水に溶出したイオン等を除去して、冷却水の導電率を低下させる。
イオンフィルタバイパス配管L15は、イオンフィルタ46をバイパスして循環させるための経路を形成する。このイオンフィルタバイパス配管L15には、冷却水流量調整弁48及びアクチュエータ49が設けられる。冷却水流量調整弁48は、コントロールユニット2によりアクチュエータ49が駆動されて開度が調整されることにより、イオンフィルタ46をバイパスする冷却水流量を調整する。これによりコントロールユニット2は、燃料電池スタック1に導入する冷却水流量に対する、イオンフィルタ46をバイパスして燃料電池スタック1に導入される冷却水流量の割合であるバイパス率を調整する。
具体的には、コントロールユニット2は、図2に示すような導電率センサ45により検出された冷却水の導電率とバイパス率との関係を記述したテーブルデータを記憶しており、当該テーブルデータを参照してバイパス率を決定する。これにより、コントロールユニット2は、例えば冷却水の導電率がD1以下である場合にはバイパス率を100%、すなわち燃料電池スタック1に導入する全量の冷却水をイオンフィルタ46をバイパスさせるように冷却水流量調整弁48の開度調整を行い、冷却水の導電率がD1より高くなってD2に近づくにつれて次第にバイパス率を高くし、冷却水の導電率がD2以上となるとバイパス率を所定値、例えば50%とすることでイオンフィルタ46を通過させる冷却水流量とバイパスさせる冷却水流量とを略同量とするように冷却水流量調整弁48の開度調整を行う。なお、冷却水の導電率がD2以上である場合のバイパス率の所定値は、全量をイオンフィルタ46に通過させると冷却水に対する圧損が大きくなるため、最小のバイパス率を50%としたが、イオンフィルタ46の圧損及びイオン除去率に応じてバイパス率を更に低くしてもよく、更には全量をイオンフィルタ46に通過させても良い。
そして、この冷却水系は、イオンフィルタ46又は冷却水流量調整弁48を通過した冷却水を再度冷却水ポンプ41で吸入させて燃料電池スタック1に循環させる。また、この冷却水系において、冷却水ポンプ41の冷却水吸入側であってイオンフィルタ46及び冷却水流量調整弁48の下流に設けられたリザーバタンク47は、上部が大気開放されたタンクからなり、冷却水が熱膨張した場合の膨張分に相当する冷却水を吸収すると共に、冷却水の収縮分に相当する冷却水を補給する。これにより、冷却水系は、スタック温度センサ3により検出された燃料電池スタック1の温度に応じて、コントロールユニット2により所望の冷却水流量を燃料電池スタック1に導入することができる。なお、この冷却水系において、循環される冷却水にイオンを溶出する冷却水系部品としては、例えば燃料電池スタック1、ラジエータ44を始めとして、各配管が挙げられる。
上述したように構成された燃料電池システムにおいて、コントロールユニット2は、外気温度センサ4及び上述の各種センサからのセンサ信号を読み込み、各部に制御信号を送出することにより、燃料電池スタック1の発電開始及び停止制御、通常運転時における燃料電池スタック1の発電量制御等を行う。
この燃料電池システムが例えば車両に搭載された場合の通常運転時において、コントロールユニット2は、運転者のアクセル開度信号を入力し、当該アクセル開度に応じた燃料電池スタック1の出力、すなわち発電電力を発電するために必要な水素ガス量及び空気量を演算する。そして、コントロールユニット2は、当該必要な水素ガス量及び空気量に応じて水素圧力制御弁12の開度、コンプレッサ21の回転数を調整すると共に、純水ポンプ34の回転数を制御して空気の加湿量を調整する。また、コントロールユニット2は、水素、空気及び加湿用純水等の圧力である燃料電池システムの運転圧力を、燃料電池スタック1の発電量に相当する運転負荷に応じて図3に示すようなテーブルデータを参照して決定しており、燃料電池スタック1に要求される発電量が低い場合には運転圧力を低くし、燃料電池スタック1に要求される発電量が高い場合には運転圧力を高くしている。
また、このコントロールユニット2は、温湿度センサ27からのセンサ信号を入力することにより加湿器23による空気の加湿量を監視し、加湿量が不足する場合には空気系運転圧力を上昇させるように空気圧力調整弁25の開度補正を行う。これにより、相対湿度が上昇するため、燃料電池スタック1の加湿不足を抑制できる。
更に、コントロールユニット2は、燃料電池スタック1の発電量に応じた発熱量をスタック温度センサ3からのセンサ信号により検出し、冷却水ポンプ41の吐出量を制御することで燃料電池スタック1に循環させる冷却水流量を調整すると共に、ラジエータファンの回転数を制御することでラジエータ44の冷却能力を調整する。
更にまた、コントロールユニット2は、水素循環配管L3に水素以外の不純物の蓄積度合いを図示しないセル電圧センサからのセンサ信号により判定し、当該セル電圧を監視している。
コントロールユニット2は、燃料電池スタック1内で空気極から水素極への窒素拡散等により水素循環配管L3に窒素が蓄積することにより、平均したセル電圧が所定幅(例えば0.1V)を超えて低下した場合には、パージ弁15を開弁させて水素循環配管L3内の水素と共に窒素等を外部に排出することで、平均セル電圧を回復させる。
ここで、平均セル電圧の低下を検出する手法としては、図4に示すように、例えば、燃料電池スタック1の温度ごとに、運転負荷とセル電圧との特性(I−V特性)をテーブルデータとしてコントロールユニット2内に格納しておく。そして、コントロールユニット2は、現在の運転負荷に応じた理想的な平均セル電圧のうち、燃料電池スタック1の温度によるセル電圧を求め、当該理想的な平均セル電圧と実際の平均セル電圧とを比較することで、平均セル電圧の低下を判断する。また、コントロールユニット2は、窒素蓄積とは異なる比較的長い周期でセル電圧が低下した場合には、長期的な燃料電池スタック1の劣化による平均セル電圧の低下を学習しておき、図4のテーブルデータにより求めた平均セル電圧を補正する。これにより、燃料電池スタック1が次第に劣化して平均セル電圧が低下した場合でも、窒素蓄積の判定が可能となる。また、更にコントロールユニット2は、各燃料電池セルのセル電圧を平均した平均値に対して、何れかのセル電圧が所定値(例えば0.2V)を超えて低下した場合には、水詰りが発生したと判断し、水素循環ポンプ14の回転数を上昇させることで水素ガス流速を増加させる。
このように、燃料電池システムは、通常運転時において、燃料電池スタック1により発電した電力を例えば車両の駆動トルクを発生させるモータに供給することで、運転者によるアクセル操作に応じて車両を駆動させる。また、燃料電池システムは、運転者がIGNキーをオフ操作すると、当該操作に応じたシステム停止指令をコントロールユニット2により入力して、以下に説明する停止動作を行ってシステムを停止させる。
[燃料電池システムの停止動作]
つぎに、上述した燃料電池システムにおける停止動作について図5に示すフローチャートを参照して説明する。なお、この停止動作は、通常運転時において、例えば所定期間毎にコントロールユニット2により実行される。
この停止動作は、先ずステップS1において、コントロールユニット2により、運転者によってIGNキーがオフ操作されたか否かを判定し、オフ操作されていないと判定した場合には処理を終了し、オフ操作されてシステム停止指令を入力したことを検出した場合にはステップS2に処理を進める。
ステップS2においては、コントロールユニット2により、導電率センサ45及びスタック温度センサ3からのセンサ信号を読み込むことにより、冷却水の導電率及び燃料電池スタック1の温度を検出する。また、コントロールユニット2は、燃料電池スタック1の温度を、冷却水の状態である冷却水温度として記憶する。
次のステップS3においては、コントロールユニット2により、ステップS2で検出した冷却水の導電率が、予め設定しておいたしきい値Dthを超えているか否かを判定し、超えている場合には、ステップS4に処理を進め、通常運転時と同様に冷却水を燃料電池スタック1に循環させるように冷却水ポンプ41及び冷却水流量調整弁48等の動作を継続して処理を終了する。これにより、システムを停止させる前に、冷却水の導電率がしきい値Dthより小さくなるまで、ステップS1〜ステップS4の動作を繰り返して冷却水の循環を継続する。
一方、冷却水の導電率がしきい値Dthを超えていないと判定した場合にはステップS5に処理を進める。ここで、しきい値Dthは、システムが停止された後に冷却水の導電率が上昇し、次回の燃料電池スタック1の発電開始時に冷却水の導電率が高いことにより起動時間が長時間に亘る確率が高い冷却水の導電率が設定されている。具体的には、しきい値Dthは、例えば10μS/cmとしたが、使用するシステム構成、燃料電池スタック1の構成に応じて変えても良い。
ステップS5においては、コントロールユニット2により、ステップS2で検出した冷却水温度に応じて、冷却水の循環時間を求める。この時、コントロールユニット2は、予め用意しておいた図6に示すような冷却水温度に応じた冷却水の循環時間を記述したテーブルデータを参照して、冷却水温度がT1以下である場合には冷却水の循環時間を「0」、すなわち冷却水をこれ以降に循環させずにシステムを停止させ、冷却水温度がT1より高い場合には、冷却水温度が高いほど長い冷却水の循環時間とする。ここで、T1は、冷却水系の各部から冷却水へのイオン溶出が多くなって次回のシステム起動時間が長くなる恐れがある温度値が設定されている。また、冷却水温度がT1よりも高い場合の冷却水の循環時間は、冷却水系部品の構成や、冷却水が接触する材質に応じて変化させても良い。
次にコントロールユニット2は、ステップS6において、冷却水の循環時間を計数するカウンタの動作を開始させて、冷却水の循環時間をカウント開始し、ステップS7において、ステップS6でカウント開始してからの時間であるタイマ値が、ステップS5で求めた設定値である冷却水の循環時間よりも長くなったか否かを判定する。そして、コントロールユニット2は、冷却水の循環時間が設定値よりも短い場合にはステップS7の判定を繰り返し、冷却水の循環時間が設定値よりも長くなった場合にステップS8に処理を進め、冷却水ポンプ41の動作を停止させることで冷却水の循環を停止させる。
次にコントロールユニット2は、ステップS9において、ステップS6から計時したタイマ値をクリアし、ステップS10において、燃料電池システムを構成する各部の制御を停止して、燃料電池システムを完全に停止させて、処理を終了する。
このような動作を行う燃料電池システムは、図7に示すように、例えば時刻t1で運転者のオフ操作に伴うシステム停止指令をコントロールユニット2で入力すると、通常運転時の冷却水の循環を継続し、更に、冷却水の導電率がしきい値Dthを下回っても冷却水温度に応じた冷却水の循環時間を追加して時刻t2まで冷却水の循環を継続する。これにより、燃料電池システムでは、システム停止指令が入力された以降であっても、図7中の実線で示すように冷却水の導電率を低下させ続ける。なお、この停止動作は、運転者がIGNキーのオフ操作をして車両を離れた場合であっても、冷却水の循環を停止させないようにする。
これに対し、システム停止指令が発生した直後に燃料電池システムを完全に停止させる場合には、図7中の点線で示すように、冷却水温度が高いほど冷却水に対するイオン溶出が進行して、しきい値Dthを超えて次第に冷却水の導電率が上昇してしまう。
[第1実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムによれば、システム停止指令が発生した場合であっても冷却水の導電率がしきい値Dthを下回るまで冷却水の循環を継続し、冷却水の導電率がしきい値Dthを下回った場合でも更にシステム停止時の冷却水の状態(温度)に応じて冷却水の循環時間を変化させるので、システムが放置されている状態での冷却水の導電率の上昇分を予め低減させておくことができ、システム停止後の冷却水の導電率を低い状態に維持しておくことができる。したがって、この燃料電池システムによれば、次回のシステム起動時に冷却水の導電率が高いために、冷却水の導電率を低下させるために必要な時間を短縮して、起動時間を短時間とすることができる。
また、この燃料電池システムによれば、冷却水の状態として、コントロールユニット2がシステム停止指令を入力した時の冷却水温度を使用したので、当該冷却水温度が高いほどシステム停止後の冷却水へのイオン溶出度合いが多くなるという相関から、冷却水系部品から冷却水へのイオン溶出度合いを把握することができる。したがって、この燃料電池システムによれば、システムが放置されている状態における冷却水の導電率の上昇分を精度良く推定して、導電率を低減しておくことができ、次回の起動時間を更に短縮することができる。
[第2実施形態]
つぎに、第2実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。なお、上述の第1実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
第2実施形態に係る燃料電池システムは、システム停止指令を入力する以前の冷却水温度に基づいて、システムを完全に停止させる前の冷却水循環時間を変化させる点で、上述した実施形態とは異なる。
この燃料電池システムの停止動作は、図8に示すように、先ず第1実施形態と同様にステップS1〜ステップS4の処理を行って冷却水の導電率がしきい値Dthを下回ったら、ステップS5の処理を行って冷却水温度に基づく冷却水の循環時間を求めてステップS21に処理を進める。
ステップS21においては、コントロールユニット2により、システム停止指令を入力する直前の過去の所定期間における冷却水の最高温度に基づいて、冷却水の循環時間を求める。ここで、コントロールユニット2は、燃料電池システムの通常運転時に、最新の所定期間(例えば10分間)における複数の冷却水温度を更新しながら記憶しており、システム停止指令が入力されたことに応じて、記憶している最新の所定期間における冷却水温度の最高温度を求める。
そして、コントロールユニット2は、図9に示すような、冷却水の最高温度に応じた冷却水の循環時間を記述したテーブルデータを参照して、冷却水の最高温度がT2以下である場合には冷却水の循環時間を「0」、すなわち冷却水をこれ以降に循環させずにシステムを停止させ、冷却水の最高温度がT2より高い場合には、冷却水の最高温度が高いほど長い冷却水の循環時間とする。ここで、T2は、冷却水系部品から冷却水へのイオン溶出が多くなって次回のシステム起動時間が長くなる恐れがある最高温度の値が設定されている。また、冷却水の最高温度がT2よりも高い場合の冷却水の循環時間は、冷却水系部品の構成や、冷却水が接触する材質に応じて変化させても良い。
次に、コントロールユニット2は、ステップS22において、ステップS5で求めた冷却水の循環時間とステップS21で求めた冷却水の循環時間とを比較して、長い方の冷却水の循環時間を選定し、ステップS6にてタイマ値の計時を開始する。そして、コントロールユニット2は、ステップS7でタイマ値が選定した冷却水の循環時間である設定値となると、第1実施形態と同様にステップS8〜ステップS10の処理を行って、燃料電池システムを完全に停止させる。
更に、図10に示した燃料電池システムの停止動作において、システム停止指令を入力する直前の過去の所定期間における冷却水の最高温度に基づいて循環停止時間及び循環時間を決定し、システム停止指令を入力した時の冷却水温度に基づく循環停止時間及び循環時間との比較により長い方の循環停止時間及び循環時間で冷却水の循環を制御しても良い。
[第2実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本発明を適用した第2実施形態に係る燃料電池システムによれば、システム停止指令を入力した時点(停止時)の冷却水温度に基づく冷却水の循環時間と、システム停止指令を入力する前の所定期間における冷却水の最高温度に基づく冷却水の循環時間とのうち、長い方の冷却水の循環時間を選定して、当該選定した冷却水の循環時間だけ冷却水を循環させるので、更に正確に冷却水へのイオン溶出度合いを推定することができ、確実に冷却水の導電率を低減させて、次回の起動時間を短縮することができる。すなわち、温度上昇後しばらくしてからイオンが溶出する冷却水系部品を使用した場合に、システム停止指令を入力した時点での冷却水温度が低くても、当該停止時の冷却水温度に基づく冷却水の循環時間よりも長く冷却水を循環させることができる。
[第3実施形態]
つぎに、第3実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。なお、上述の実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
第3実施形態に係る燃料電池システムは、システムを完全に停止させる前に、一旦冷却水の循環を停止させ、再度冷却水の循環を行う点で、上述した実施形態とは異なる。
この燃料電池システムの停止動作は、図10に示すように、先ず第1実施形態と同様にステップS1及びステップS2の処理を行い、次のステップS31において、ステップS2で検出した冷却水の導電率と、予め設定した第1しきい値Dth1とを比較して、冷却水の導電率が第1しきい値Dth1より高い場合にはステップS4で冷却水の循環を継続し、冷却水の導電率が第1しきい値Dth1より高くない場合にはステップS32に処理を進める。ここで、第1しきい値Dth1は、上述のステップS3におけるしきい値と同じ値を設定しても良く、システムが停止された後に冷却水の導電率が上昇し、次回の燃料電池スタック1の発電開始時に冷却水の導電率が高いことにより起動時間が長時間に亘る確率が高い冷却水の導電率が設定されている。
次にコントロールユニット2は、ステップS32において、ステップS2で検出した冷却水の導電率が、第1しきい値Dth1よりも低い第2しきい値Dth2よりも高いか否かを判定する。そして、コントロールユニット2は、冷却水の導電率が第2しきい値Dth2よりも低いと判定した場合にはステップS33で燃料電池システムを完全に停止させる処理を行って処理を終了し、冷却水の導電率が第2しきい値Dth2以上であると判定した場合にはステップS34に処理を進める。ここで、第2しきい値Dth2は、冷却水温度が高く冷却水系部品から冷却水へのイオン溶出が多量に発生した場合に次回の起動時間が長時間に亘る可能性がある冷却水の導電率(例えば3μS/cm)が設定されている。
次にコントロールユニット2は、ステップS34において、冷却水の状態として、システム停止指令を入力する前の過去の所定期間において所定の冷却水温度以上となった度数(頻度)に基づいて、冷却水の循環を停止させる停止時間を求める。ここで、コントロールユニット2は、図11に示すようにシステム停止指令を入力する前の過去の所定期間において冷却水温度が所定値以上となった度数(頻度)を記憶し、当該過去の所定期間における度数の移動平均を求める処理を繰り返している。そして、コントロールユニット2は、システム停止指令を入力した時刻における度数の移動平均から、図12に示すテーブルデータを参照する。このテーブルデータは、度数の移動平均が高いほど、冷却水の循環を停止させる停止時間を長くするように設定されている。したがって、コントロールユニット2は、システム停止指令を入力する前に冷却水温度が所定値以上となる頻度が高いほど、停止時間を長く設定する。なお、度数の移動平均が「0」であった場合には停止時間を「0」とし、上述の実施形態と同様に冷却水の循環を停止させずに継続させることになる。
次にコントロールユニット2は、ステップS35において、ステップS34で求めた度数の移動平均(頻度)に基づいて、冷却水の循環を停止させた後に再度冷却水を循環させる再循環時間を求める。このとき、コントロールユニット2は、予め用意しておいた図13に示すような度数の移動平均と再循環時間との関係を示すテーブルデータを参照して、再循環時間を求める。このテーブルデータは、度数の移動平均が高いほど、冷却水の再循環時間を長くするように設定されている。したがって、コントロールユニット2は、システム停止指令を入力する前に冷却水温度が所定値以上となる頻度が高いほど、再循環時間を長く設定する。なお、度数の移動平均が「0」であった場合であっても、ステップS32でのしきい値Dth2以上の導電率を低下させるために、次回の起動時間が長くならないような再循環時間を設定しておく。
次にコントロールユニット2は、ステップS36において、ステップS34で求めた停止時間及びステップS35で求めた再循環時間を例えば不揮発メモリにメモリし、ステップS37において冷却水の循環を停止させるように冷却水ポンプ41を制御し、ステップS38において停止時間タイマをカウント開始させる。これにより、カウント開始したタイマ値が、設定した停止時間に至るまでの期間に冷却水系部品から冷却水へのイオン溶出が行われて、冷却水の導電率が高くなることになる。
次にコントロールユニット2は、ステップS39において、ステップS38でカウント開始したタイマ値である停止時間が、ステップS36でメモリしておいた設定値である停止時間以上となった否かを判定し、そうである場合にはステップS40に処理を進めて冷却水の循環を開始するように冷却水ポンプ41を駆動させて、ステップS6で再循環時間タイマをカウント開始させる。このとき、コントロールユニット2は、冷却水流量調整弁48を閉鎖状態とすることにより、バイパス率を0%にして循環させている冷却水の全量をイオンフィルタ46に通過させる。これにより、循環停止時間で溶出したイオンをイオンフィルタ46で除去することになる。
そして、コントロールユニット2は、ステップS7において、ステップS6でカウント開始したタイマ値である循環時間が、ステップS36でメモリしておいた設定値である再循環時間以上となったら、ステップS8で冷却水ポンプ41を停止させることで冷却水の循環を停止させ、ステップS9において、ステップS38及びステップS6でカウント開始したタイマ値をクリアし、ステップS10において、燃料電池システムを構成する各部の制御を停止して、燃料電池システムを完全に停止させて、処理を終了する。
なお、上述の図10に示した燃料電池システムの停止動作では、ステップS34及びステップS35で冷却水の循環停止時間及び冷却水の再循環時間の双方を変化させる場合を説明したが、何れか一方を度数に基づいて変化させても良い。具体的には、予め設定したイオン溶出が進行させる停止時間だけ冷却水の循環を停止させた後に、度数及び予め設定した循環停止時間に基づく再循環時間だけ冷却水を循環させても良く、更には、度数に基づく循環停止時間だけ冷却水の循環を停止させた後に、当該循環停止時間で溶出するイオン量を十分に低減させることができる予め設定した再循環時間だけ冷却水を循環させても良い。
また、図10に示した燃料電池システムの停止動作では、冷却水温度が所定温度以上となる頻度から求めた循環停止時間及び再循環時間のみを使用していたが、これに限らず、ステップS2で検出したシステム停止指令を入力した時の冷却水温度に基づいて循環停止時間及び再循環時間を求め、当該循環停止時間及び再循環時間と、頻度に基づく循環停止時間及び再循環時間とのうち、長い方の循環停止時間及び再循環時間を使用しても良い。この場合、例えば図6に示すような冷却水温度と再循環時間との関係を示すテーブルデータに加えて、冷却水温度と循環停止時間との関係を示すテーブルデータを使用することになる。
更に、図10に示した燃料電池システムの停止動作において、システム停止指令を入力する直前の過去の所定期間における冷却水の最高温度に基づいて循環停止時間及び循環時間を決定し、システム停止指令を入力した時の冷却水温度に基づく循環停止時間及び循環時間との比較により長い方の循環停止時間及び循環時間で冷却水の循環を制御しても良い。
更にまた、上述の頻度に基づく循環時間を第1実施形態における循環時間としても良く、更にはシステム停止指令を入力した時の冷却水温度に基づく循環時間と、頻度に基づく循環時間とのうち、長い方の循環時間だけ冷却水を循環させても良い。
[第3実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本発明を適用した第3実施形態に係る燃料電池システムによれば、上述した第1実施形態の効果に加えて、冷却水の導電率が第2しきい値Dth2を超えている場合には、冷却水の状態に応じて循環停止時間及び再循環時間を求めて、冷却水の循環を停止させた後に再度冷却水の循環を開始するので、冷却水の循環を停止して実際に冷却水系部品から冷却水にイオンが溶出した後に導電率を低減させることができ、次回に起動するときの冷却水の導電率を更に低い状態とすることができ、更に次回の起動時間を短縮することができる。
また、この燃料電池システムによれば、頻度から求めた循環停止時間及び再循環時間と、システム停止指令を入力した時の冷却水温度に基づく循環停止時間及び再循環時間とのうち、長い方の循環停止時間及び再循環時間を使用するので、更に確実に冷却水の導電率を低減させておくことができ、温度上昇後しばらくしてからイオンが溶出する冷却水系部品を使用した場合に、システム停止指令を入力した時点での冷却水温度が低くても、当該停止時の冷却水温度に基づく冷却水の循環時間よりも長く冷却水を循環させることができる。
更に、この燃料電池システムによれば、冷却水の循環を停止させて再度冷却水を循環させる動作を行う前に、冷却水の導電率を第1しきい値Dth1よりも低くするので、再度冷却水を循環させる時間を短くすることができ、燃料電池スタック1の発電させなくても、図示しない蓄電池のみの電力を使用して冷却水を循環させることができる頻度を大幅に増加させることができる。
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
本発明を適用した燃料電池システムの構成を示すブロック図である。 本発明を適用した燃料電池システムの導電率と、イオンフィルタをバイパスさせるバイパス率との関係を示す図である。 本発明を適用した燃料電池システムの運転負荷と、運転圧力との関係を示す図である。 本発明を適用した燃料電池システムの運転負荷と、燃料電池スタックの平均セル電圧と、燃料電池スタックの温度との関係を示す図である。 本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムの停止動作を説明するためのフローチャートである。 本発明を適用した燃料電池システムにおける冷却水温度と、システム停止時の冷却水の循環時間との関係を示す図である。 本発明を適用した燃料電池システムの停止時における冷却水の導電率の変化を比較例とともに説明するための図である。 本発明を適用した第2実施形態に係る燃料電池システムの停止動作を説明するためのフローチャートである。 本発明を適用した第2実施形態に係る燃料電池システムにおいて、システム停止前の冷却水最高温度と、システム停止時の冷却水の循環時間との関係を示す図である。 本発明を適用した第3実施形態に係る燃料電池システムの停止動作を説明するためのフローチャートである。 本発明を適用した第3実施形態に係る燃料電池システムにおいて、システム停止前に冷却水温度が所定温度以上となった度数の一例を示す図である。 本発明を適用した第3実施形態に係る燃料電池システムにおいて、システム停止前に冷却水温度が所定温度以上となった度数の移動平均と、冷却水の循環停止時間との関係を示す図である。 本発明を適用した第3実施形態に係る燃料電池システムにおいて、システム停止前に冷却水温度が所定温度以上となった度数の移動平均と、冷却水の再循環時間との関係を示す図である。
符号の説明
1 燃料電池スタック
2 コントロールユニット
3 スタック温度センサ
4 外気温度センサ
11 水素タンク
12 水素圧力制御弁
13 アクチュエータ
14 水素循環ポンプ
15 パージ弁
16,26,32,36,43,49 アクチュエータ
17 水素圧力センサ
21 コンプレッサ
22 空気フィルタ
23 加湿器
24 水分凝縮装置
25 空気圧力制御弁
27 温湿度センサ
31 開閉弁
33 加湿用純水タンク
33a 水位センサ
34 純水ポンプ
35 純水圧力調整弁
37 純水圧力センサ
41 冷却水ポンプ
42 サーモスタット三方切替弁
44 ラジエータ
45 導電率センサ
46 イオンフィルタ
47 リザーバタンク
48 冷却水流量調整弁
L1 水素供給配管
L2 水素排出配管
L3 水素循環配管
L4 空気供給配管
L5 空気排出配管
L6 空気放出配管
L7 凝縮水配管
L8 加湿用純水供給配管
L9 加湿用純水循環配管
L10 冷却水供給配管
L11 冷却水排出配管
L12,L14 冷却水循環配管
L13 ラジエータバイパス配管
L15 イオンフィルタバイパス配管

Claims (8)

  1. 燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されて発電する燃料電池と、
    前記燃料電池を発電させている通常運転時に冷却水を循環させる冷却水循環手段と、
    前記冷却水循環手段により前記燃料電池に循環される冷却水の導電率を検出する導電率検出手段と、
    前記冷却水循環手段により前記燃料電池に循環される冷却水の状態を検出する状態検出手段と、
    前記冷却水循環手段により循環される冷却水のイオンを除去して、冷却水の導電率を低下させるイオン除去手段と、
    システム停止指令を入力した場合に、前記導電率検出手段により検出した冷却水の導電率がしきい値を超えている場合には、前記導電率検出手段により検出される冷却水の導電率が前記しきい値を下回るまで、冷却水の循環を継続するように前記冷却水循環手段を制御し、前記導電率検出手段により検出した冷却水の導電率が前記しきい値を下回った場合には、前記システム停止指令を入力した時に、前記状態検出手段で検出した冷却水の状況に基づく循環時間だけ冷却水の循環を継続するように前記冷却水循環手段を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されて発電する燃料電池と、
    前記燃料電池を発電させている通常運転時に冷却水を循環させる冷却水循環手段と、
    前記冷却水循環手段により前記燃料電池に循環される冷却水の導電率を検出する導電率検出手段と、
    前記冷却水循環手段により前記燃料電池に循環される冷却水の状態を検出する状態検出手段と、
    前記冷却水循環手段により循環される冷却水のイオンを除去して、冷却水の導電率を低下させるイオン除去手段と、
    システム停止指令を入力した場合に、前記導電率検出手段により検出した冷却水の導電率がしきい値を超えている場合には、前記システム停止指令を入力した後に、冷却水の循環を停止させる循環停止時間又は冷却水を再度循環させる再循環時間を、前記状態検出手段により検出した冷却水の状況に基づいて求め、前記循環停止時間だけ冷却水の循環を停止させた後に、前記再循環時間だけ冷却水を循環させるように前記冷却水循環手段を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  3. 前記状態検出手段は、前記冷却水の状態として、システム停止指令を入力した時の冷却水温度を検出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記状態検出手段は、前記冷却水の状態として、システム停止指令を入力した時の冷却水温度及びシステム停止指令を入力する前の所定期間における冷却水の最高温度を検出し、
    前記制御手段は、システム停止指令を入力した時の冷却水温度に基づく循環時間と、システム停止指令を入力する前の所定期間における冷却水の最高温度に基づく循環時間のうち、長い方の循環時間だけ冷却水の循環を継続させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  5. 前記状態検出手段は、前記冷却水の状態として、システム停止指令を入力した時の冷却水温度及びシステム停止指令を入力する前の所定期間における冷却水の最高温度を検出し、
    前記制御手段は、システム停止指令を入力した時の冷却水温度に基づく循環停止時間及び再循環時間と、システム停止指令を入力する前の所定期間における冷却水の最高温度に基づく循環停止時間及び再循環時間のうち、長い方の循環停止時間だけ冷却水の循環を停止させる動作又は長い方の再循環時間だけ冷却水を循環させる動作を行わせることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  6. 前記状態検出手段は、前記冷却水の状態として、システム停止指令を入力した時の冷却水温度及びシステム停止指令を入力する前の所定期間において冷却水温度が所定温度以上となった頻度を検出し、
    前記制御手段は、システム停止指令を入力した時の冷却水温度に基づく循環時間と、システム停止指令を入力する前の所定期間において冷却水温度が所定温度以上となった頻度に基づく循環時間のうち、長い方の循環時間だけ冷却水の循環を継続させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  7. 前記状態検出手段は、前記冷却水の状態として、システム停止指令を入力した時の冷却水温度及びシステム停止指令を入力する前の所定期間において冷却水温度が所定温度以上となった頻度を検出し、
    前記制御手段は、システム停止指令を入力した時の冷却水温度に基づく循環停止時間及び再循環時間と、システム停止指令を入力する前の所定期間において冷却水温度が所定温度以上となった頻度に基づく循環停止時間及び再循環時間のうち、長い方の循環停止時間だけ冷却水の循環を停止させる動作又は長い方の再循環時間だけ冷却水を循環させる動作を行わせることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  8. 前記制御手段は、前記導電率検出手段により検出した冷却水の導電率が前記しきい値よりも高い所定導電率である場合には、前記導電率検出手段により検出される冷却水の導電率が前記所定導電率を下回るまで冷却水の循環を継続するように前記冷却水循環手段を制御し、前記導電率検出手段により検出した冷却水の導電率が前記所定導電率を下回った場合に、冷却水の循環を停止させることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
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