JP4410000B2 - 乗用車用空気入りタイヤとホイールとの組立体、及び、乗用車用空気入りタイヤ - Google Patents

乗用車用空気入りタイヤとホイールとの組立体、及び、乗用車用空気入りタイヤ Download PDF

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本発明は、リムフランジ径が従来より大きなリムに好適に使用できる乗用車用空気入りタイヤとホイールとの組立体と、乗用車用空気入りタイヤとに関する。
近年の乗用車用空気入りタイヤは、耐久性や操縦安定性などのタイヤ性能を高めるだけなく、デザインを重視してファッション性を高める傾向にある。中でも、偏平率の小さいタイヤをリム(ホイール)にリム組みした車輪は、スポーツタイヤのイメージが有るため、特に関心が寄せられている。しかし、偏平率の小さいタイヤは、タイヤ内容積の縮小に伴って負荷能力が小さくなるなどの欠点があった。このため、空気入りタイヤの偏平率を小さくせずに、上記の如き車輪のファッション性を高める方法として、リムフランジ径を従来より大きくすることが考えられた。但し、リムフランジ径を両側とも大きくすると、空気入りタイヤの嵌め込みが非常に困難になり、リム組み性が悪化するため、片側のリムフランジ径のみを大きく形成した非対称フランジ形状のリムが開発された。
ところが、上記非対称フランジ形状のリムを使用した場合、リムフランジ径が大きく形成された側において、タイヤのたわみが抑制されるため、ショルダー部の接地圧が反対側よりも高くなり、偏摩耗が発生することが判明した。
従来、そのような偏摩耗または接地圧の不均一を抑制するために、例えば、下記特許文献1〜3に開示されるタイヤが提案されている。
下記特許文献1のタイヤは、摩耗の著しい側のタイヤ外径および肉厚を反対側よりも大きくした非対称プロファイルを有し、摩耗が著しい側の剛性を高めてたわみの抑制を図ったものである。しかしながら、上記非対称フランジ形状のリムを使用した場合、摩耗の著しい側とはリムフランジ径が大きく形成された側であるため、その側のタイヤ外径および肉厚を大きく設定することは、車輪のファッション性を高めるという当該リムの目的に反することになる。よって、下記特許文献1のタイヤは、上記非対称フランジ形状のリムに装着するタイヤに適用できるものではない。
下記特許文献2のタイヤは、同等の長さを有する2層のベルトプライをタイヤ赤道線の両側に対称的にずらし、車両内側にずらされたベルトプライのコード角度を調整して、面圧が高い車両内側部分の剛性低下を図ったものである。しかしながら、当該タイヤは、幅寸法が略等しくコード角度の異なる2層ベルトプライを用いるため成形が煩雑になり、しかも、通常の空気入りタイヤにおける乗心地性能の向上を目的としたものであって、非対称フランジ形状のリムに装着したタイヤの偏摩耗を抑制できるほどの効果が望めるものではない。
下記特許文献3のタイヤは、最外側ベルト層の位置を車両外側にずらし、その車両外側の領域の剛性を向上して偏摩耗の抑制を図ったものである。しかしながら、当該タイヤはトラックやバス等に用いられる重荷重用スタッドレスタイヤであり、最外側ベルト層の位置をずらしたことで生じる剛性の不均一を解消するために、ショルダー部の形状を車両外側ではラウンド形状に、車両内側ではスクウェア形状にする必要がある。よって、非対称フランジ形状のリムに装着するタイヤに適用できるものではない。
特開平8−230408号公報 特開平7−132706号公報 特開平5−96910号公報
そこで、本発明の目的は、片側のリムフランジ径が従来より大きな、非対称フランジ形状のリムに装着しうる乗用車用空気入りタイヤとホイールとの組立体及び乗用車用空気入りタイヤであって、ショルダー部の偏摩耗を好適に抑制することができる組立体と空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成することができる。即ち、本発明の乗用車用空気入りタイヤとホイールとの組立体は、一対の環状のビード部と、そのビード部から各々外周側へ延びるサイドウォール部と、そのサイドウォール部の各々の外周側端にショルダー部を介して連なるトレッド部と、前記トレッド部の内周側に配されるベルト層と、前記サイドウォール部の少なくとも片側に、リムフランジの外周側湾曲面に当接して前記サイドウォール部の変形を抑制可能な内周側面を有する環状の膨出部とを備え、その膨出部はノミナル径を基準として55mm以上の高さに頂点が位置し、その頂点の前記サイドウォール部の表面に現れた曲率半径の輪郭からの高さが3mm以上であるとともに、前記ベルト層を構成する少なくとも1層のベルトプライにおける車両装着時外側端からタイヤ赤道線までの距離を、前記ベルトプライの車両装着時内側端からタイヤ赤道線までの距離よりも長くした乗用車用空気入りタイヤを、前記リムフランジを有するホイールに組み付けていて、前記膨出部の頂点の位置が前記リムフランジの高さより0〜4mm高いものである。
本発明の構成によると、ベルト層を構成する少なくとも1層のベルトプライにおける車両装着時外側(リムフランジ径が大きく形成された側。以下、車両外側と省略する。)の端部からタイヤ赤道線までの距離が、その車両装着時内側(以下、車両内側と省略する。)の端部からタイヤ赤道線までの距離よりも長いため、車両外側の領域の剛性が車両内側の領域よりも高くなる。それによって車両外側に位置するショルダー部の接地が車両内側に比べて制約され、車両外側のショルダー部の接地圧を低下させることができる。その結果、接地圧の不均一を解消してショルダー部の偏摩耗を好適に抑制することができる。
また、サイドウォール部の少なくとも片側に設けられる膨出部の頂点は、ノミナル径を基準とした高さが55mm以上であり、サイドウォール部の表面に現れた曲率半径の輪郭からの高さが3mm以上であるため、リムフランジ径が従来より大きなリムに対してもリム組みが容易で、リムフランジの保護機能も良好になる。また、膨出部が、リムフランジの外周側湾曲面に当接してサイドウォール部の変形を抑制可能な内周側面を有するため、サイドウォール部の変形によるリムフランジとの接触や摩耗を効果的に抑制することができる。更に、当該内周側面を有する膨出部は、サイドウォール部の変形を抑制してタイヤの運動性能を向上させることができる。
上記において、前記ベルト層が、第1ベルトプライと、その外周側に配される第2ベルトプライとからなり、前記第1ベルトプライの幅寸法に対する、前記第1ベルトプライおよび前記第2ベルトプライの各中心位置からタイヤ赤道線までの各距離の平均の比率が、0.015〜0.045であるものが好ましい。
上記構成によれば、車両外側の端部からタイヤ赤道線までの距離が、車両内側の端部からタイヤ赤道線までの距離よりも長いベルト層が2層のベルトプライからなり、最内側ベルトプライの幅寸法に対する、それらの各中心位置からタイヤ赤道線までの各距離の平均の比率を0.015〜0.045に設定することで、車両外側のショルダー部の接地圧を低下させつつ、車両内側のショルダー部の接地圧とのバランスを好適に確保し、接地圧の不均一を解消してショルダー部の偏摩耗を好適に抑制することができる。
上記において、タイヤ最外径点から、前記トレッド部の表面に現れた曲率半径の輪郭延長線と、前記サイドウォール部の表面に現れた曲率半径の輪郭延長線との交点までのタイヤ径方向距離をP落ち量とし、更に、車両装着時外側のP落ち量をPo、車両装着時内側のP落ち量をPi、前記トレッド部のトレッド幅をTWとするとき、0.0015≦(Po−Pi)/TW≦0.0045を満たすものが好ましい。
上記構成によれば、車両外側のP落ち量が車両内側よりも大きいため、車両外側のショルダー部の接地に要するたわみ量が比較的大きくなる。その結果、車両外側のショルダー部の接地圧を低下させることができ、接地圧の不均一を解消してショルダー部の偏摩耗を好適に抑制することができる。また、P落ち量を、トレッド幅との関係において所定の範囲内に設定することで、種々のタイヤサイズに対応した接地圧の均一化を図ることができる。ここで、表面に現れた曲率半径の輪郭延長線とは、その表面の曲率でその表面を延長した円弧を意味するものとする。更に、トレッド幅は、サイドウォール部の表面に現れた曲率半径の輪郭延長線と、そのサイドウォール部の外周側端にそれぞれショルダー部を介して連なるトレッド部の表面に現れた曲率半径の輪郭延長線との交点同士のタイヤ軸方向距離で定義される。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の乗用車用空気入りタイヤとホイールとの組立体の一例を示すタイヤ子午線断面図である。図2は、図1に係るタイヤのサイドウォール部付近の要部を示す要部拡大図である。
本発明の組立体に使用される空気入りタイヤは、図1に示すように、一対の環状のビード部1と、ビード部1から各々外周側へ延びるサイドウォール部2と、サイドウォール部2の外周側端に各々ショルダー部3を介して連なるトレッド部4と、一対のビード部1の間に架け渡されるように配されるカーカス層5とを備える。カーカス層5は、タイヤ赤道線Cに対して所定の角度をなして巻き付けたカーカスコードにより構成され、カーカスコードは部分的に傾斜したものでもよい。この構造は一般的なタイヤと同じ構造であり、本発明は当該構造を有する何れのタイヤにも適用できる。
カーカス層5の外周側には、たが効果による補強を行うベルト層6が配される。本実施形態のベルト層6は、カーカス層5のすぐ外周側に配される第1ベルトプライ7と、第1ベルトプライ7の外周側に重ねて配される第2ベルトプライ8とにより構成されている。各ベルトプライ7、8は、例えばタイヤ赤道線Cに対して15〜35゜の角度で配列されたコードにより形成されており、それらのコードが互いに交差するように配置されている。
カーカス層5やベルト層6を構成するコードとしては、スチールや、ポリエステル、レーヨン、ナイロン、アラミド等の有機系繊維からなるものが例示される。これらの材料は、いずれもゴムとの接着性を高めるべく、通常、表面処理や接着処理等がなされる。
ビード部1には、カーカス層5に囲まれたビードワイヤーの集束体であるビード1aとビードフィラー1bが配設され、このビード1aによりカーカス層5の端部を巻き返して係止することで、ビード部1間がカーカス層5で補強された状態で、タイヤがリム20上に強固に嵌着される。カーカス層5の両側にはゴム層が形成され、チューブレスタイヤでは、最内層にインナーライナー層が形成される。
上記のゴム層等の原料ゴムとしては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられる。これらのゴムはカーボンブラックやシリカ等の充填材で補強されると共に、加硫剤、加硫促進剤、可塑剤、老化防止剤等が適宜配合される。尚、本発明のタイヤを構成する部材のゴム硬度は、特に限定されるものではない。
本実施形態では、タイヤ赤道線Cとトレッド部4の表面との交点が、タイヤの最外径位置であるタイヤ最外径点Mとなり、本発明のタイヤプロファイルは、後述するようにタイヤ最外径点Mの両側において非対称となる場合がある。尚、本発明におけるタイヤ最外径点Mの位置は、タイヤ赤道線C上にあるものに限られない。
本発明の空気入りタイヤは、少なくとも片側のサイドウォール部2に、リムプロテクターとして機能する環状の膨出部11を備える。膨出部11は、リムフランジ21の外周側湾曲面21aに当接してサイドウォール部2の変形を抑制可能な内周側面11aを有する。膨出部11の内周側面11aは、リムフランジ21の外周側湾曲面21aから離反していてもよく、走行時においてタイヤが変形する際に、膨出部11の内周側面11aが外周側湾曲面21aに当接することで、サイドウォール部2の変形が抑制可能であればよい。本実施形態では、膨出部11の内周側面11aが外周側湾曲面21aに常時当接する例を示す。
膨出部11はノミナル径NRを基準として55mm以上の高さR1に頂点Tが位置している。頂点Tの高さH1は3mm以上であり、好ましくは10〜15mmである。ここで、高さH1は、タイヤ子午線断面において、サイドウォール部2の表面に現れた曲率半径Rsiの輪郭2aからの高さを意味する。また、膨出部11を構成するゴムの硬度は、JIS A硬度にて45〜85°であるものが好ましい。その際、ゴムを短繊維補強したり、長繊維補強したりしてもよい。
膨出部11の頂点Tの位置は、リム20のリムフランジ21の高さHRより0〜4mm高いことが好ましい。これにより、サイドウォール部2の変形抑制効果が好適に得られると共に、リムとタイヤとの間へ砂等の異物が混入することを防止することができる。その際、膨出部11の頂点Tの位置のノミナル径NRを基準とする高さが、タイヤ断面高さH2に対して41〜61%であることが好ましい。これにより、偏平率が20〜30%のタイヤと同等の外観となるため、スポーツタイヤのイメージが生じ、ファッション性も高いものとなる。また、膨出部11の頂点Tの位置が、タイヤ最大幅の位置よりタイヤ外周側に配置されることが好ましい。
本発明の空気入りタイヤは、リム装着時にリムフランジ21を好適に保護し得る膨出部11を備えており、膨出部11の内周側面11aがリムフランジ21の外周側湾曲面21aに当接してサイドウォール部2の変形を抑制することで、リムフランジ21との接触や摩耗を効果的に抑制するものである。但し、サイドウォール部2の変形を抑制することで、車両外側のショルダー部3の接地圧が反対側よりも高くなるため、本発明の空気入りタイヤはショルダー部3の接地圧を均一化して偏摩耗を防止すべく、以下に説明する構成を備える。
図3は、本発明の組立体に使用されるタイヤのベルト層の配置を説明する模式図である。但し、図3(a)は、比較のために記載した従来の一般的なベルト層の配置である。従来は、図3(a)に示すように、ベルト層6を構成する第1ベルトプライ7および第2ベルトプライ8は、タイヤ赤道線Cの両側に略均等に配されている。
一方、図3(b)のベルト層6は、第1ベルトプライ7を車両外側にずらして配置されている。即ち、第1ベルトプライ7の車両外側に位置する端部7a(前記車両装着時外側端に相当する。)からタイヤ赤道線Cまでの距離Loが、第1ベルトプライ7の車両内側に位置する端部7b(前記車両装着時内側端に相当する。)からタイヤ赤道線Cまでの距離Liよりも長くなるように配置されている。これによって車両外側の領域の剛性が車両内側の領域よりも高くなり、ショルダー部3の接地が車両内側に比べて制約され、車両外側に位置するショルダー部3の接地圧を低下させることができる。その結果、接地圧の不均一を解消してショルダー部3の偏摩耗を好適に抑制することができる。
図3(c)のベルト層6は、第1ベルトプライ7および第2ベルトプライ8を車両外側にずらして配置されている。即ち、図3(b)と同様に、第1ベルトプライ7の車両外側に位置する端部7aからタイヤ赤道線Cまでの距離Loが、その車両内側に位置する端部7bからタイヤ赤道線Cまでの距離Liよりも長くなるように配置されている。更に、第1ベルトプライ7および第2ベルトプライ8は、タイヤ幅方向の中心位置7c、8cを同じくして配置されている。このとき、各ベルトプライの中心位置7c、8cからタイヤ赤道線Cまでの距離Lcの、第1ベルトプライ7の幅寸法Wに対する比率Lc/Wが、0.015〜0.045であるものが好ましく、更に0.025〜0.035であるものがより好ましい。比率Lc/Wが0.015未満であると、車両外側と車両内側との領域で剛性差が小さく、接地圧を均一化させる効果が小さい。一方、比率Lc/Wが0.045を超えると、車両外側と車両内側との領域で剛性差が大きくなり過ぎ、接地圧を均一化させる効果が小さくなる。
図3(d)のベルト層6も、第1ベルトプライ7および第2ベルトプライ8を車両外側にずらして配置されている。但し、第1ベルトプライ7および第2ベルトプライ8が、各中心位置7c、8cをタイヤ幅方向にずらして配置されている。この場合、第1ベルトプライ7の中心位置7cからタイヤ赤道線Cまでの距離と、第2ベルトプライ8の中心位置8cからタイヤ赤道線Cまでの距離との平均となる距離Lacの、第1ベルトプライ7の幅寸法Wに対する比率Lac/Wが、上記と同様に0.015〜0.045であるものが好ましい。
図4は、図1に係るタイヤのショルダー部付近の要部を示す要部拡大図であり、図4(a)は車両外側に位置するショルダー部付近を、図4(b)は車両内側に位置するショルダー部付近を示す。
図4に示すように、トレッド部4の両側に位置するショルダー部3では、その表面に現れた曲率半径Rshの輪郭3aが、トレッド部4の表面に現れた曲率半径Rtの輪郭4aと、サイドウォール部2の表面に現れた曲率半径Rsiの輪郭2aとにそれぞれ内接している。ここで、破線で示される輪郭延長線12は、輪郭2aを曲率半径Rsiの曲率で延長した円弧であり、同じく破線で示される輪郭延長線14は、輪郭4aを曲率半径Rtの曲率で延長した円弧である。P落ち量は、タイヤ最外径点M(図4において不図示)から、輪郭延長線12と輪郭延長線14との交点Aまでのタイヤ径方向距離として定義される。尚、サイドウォール部2、ショルダー部3およびトレッド部4の表面に、各々現れる曲率半径Rsi、Rsh、Rtは、特に制限されるものではない。
本発明の空気入りタイヤは、車両外側のP落ち量をPo、車両内側のP落ち量をPi、交点A同士のタイヤ軸方向距離をトレッド幅TWとするとき、0.0015≦(Po−Pi)/TW≦0.0045を満たし、より好ましくは、0.0025≦(Po−Pi)/TW≦0.0035を満たす。これにより、車両外側に位置するショルダー部の接地に要するたわみ量が比較的大きくなって、車両外側の接地圧を低下させることができる。その結果、接地圧の不均一を解消し、ショルダー部3の偏摩耗を好適に抑制することができる。
(Po−Pi)/TWが0.0015未満であると、車両外側に位置するショルダー部3の接地圧を低下させる効果が小さく、ショルダー部3の偏摩耗を抑制する効果が小さくなる。(Po−Pi)/TWが0.0045を超えると、PoとPiとの差が大きくなって、車両外側に位置するショルダー部3の接地圧が低くなり過ぎるため、逆に接地圧が不均一となるだけでなく、タイヤプロファイルが最外径点Mの両側において大きく異なることになるため操縦安定性が悪化する。
また、本発明の空気入りタイヤは、トレッド幅TWに対するP落ち量Piが、0.0400≦Pi/TW≦0.0500を満たすものが好ましい。上記構成により、P落ち量Piが略従前のものとなるため、操縦安定性が確保されるとともに、P落ち量Poの設定によって上述した偏摩耗の抑制効果を比較的簡易に奏することができる。
本発明では、タイヤの成形工程において、各ゴム部材を貼り合わせた円筒状の成形体に内圧をかけて略タイヤ寸法まで膨ませる際に、上記のように配されたベルト層6の存在により車両外側の領域が反対側よりも膨らみ難くなるため、P落ち量PoをP落ち量Piよりも大きくし易く、簡易に製造することができる。また、その非対称プロファイルに応じた金型等を使用して加硫成形することによっても、簡易に製造することができる。
[他の実施形態]
(1)前述の実施形態では、ベルト層6を従来よりも車両外側にずらして配置する例を示したが、本発明では、例えば図5に示すように、ベルト層6の車両外側端が従来よりも車両外側に延長されたものでもよい。この場合においても、車両外側の領域の剛性が車両内側の領域よりも高くなり、車両外側に位置するショルダー部3の接地圧を低下させることができる。
(2)本発明の空気入りタイヤが備えるベルト層は、2層のベルトプライからなるものに限られない。また、ベルト層6の外周側にベルト補強層等が形成されたものでもよい。
(3)前述の実施形態では、トレッド部4の表面にひとつの曲率半径が現れた例を示したが、本発明の空気入りタイヤはこれに限られず、例えばタイヤ最外径点Mの両側において、トレッド部4の表面に複数の曲率半径が現れるものでもよい。その際、交点Aは、サイドウォール部2の輪郭延長線12と、そのサイドウォール部2の外周側端にショルダー部3を介して連なるトレッド部の輪郭延長線との交点として定義される。
(4)前述の実施形態では、車両外側のリムフランジ21に内接する部分のタイヤ構造が従来と同じである例を示したが、本発明では、この部分の構造を従来と異なるものとしてもよい。例えば、リムフランジ21によってビード1a回りの補強が行われるため、ビードフィラー1bの硬度を低減したり高さを低くしたりしてもよい。また、リムフランジ21との接触や摩耗を低減するために、JIS A硬度65〜90°からなるゴム層をサイドウォール部2の表面に設けてもよい。更に、スチールコードやナイロンコードによる補強層をビード1a回りに配置した構造としてもよい。
(5)前述の実施形態では、膨出部11の断面形状が略三角形である例を示したが、これに限られず、略台形、略半円形、略三日月形などの形状でもよい。また、膨出部11の内周側面11aの形状は、頂点Tからサイドウォール部2の外側壁2aに引いた直線より外側へ膨れた形状でもよく、逆に内側にくびれた形状でもよい。膨出部11の内周側面11aが内側にくびれた形状である場合、その曲率半径PRは、リムフランジ21の外周側湾曲面21aへのフィット性より、3〜30mmが好ましく、5〜20mmがより好ましい。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例について説明する。本実施例では、図3(c)に示したように、車両外側にずらしつつ、タイヤ幅方向の中心位置を略同じくして配置された2層のベルトプライからなるベルト層を有し、タイヤサイズが305/45R22 118Vである試作タイヤを用いた。各試作タイヤには、ベルト層のサイズは同じであるが、ベルト層の中心位置からタイヤ赤道線までの距離Lcを変化させたものを用意した。
接地圧の測定は、空気圧を220kPaとし、JATMA80%の荷重を負荷した試作タイヤをプレート上に載置し、そのプレートに設けられた検出器を用いて行った。接地圧分布の評価は、トレッド部をタイヤ幅方向に3分割した領域における接地圧を比較することで行った。当該3つの領域を、車両装着時外側(リムフランジ径が大きく形成された側)から順に、S−OUT部、センター部、S−IN部と示す。尚、センター部の接地圧を100とし、S−OUT部およびS−IN部の接地圧は、センター部との比で示す。
Figure 0004410000
表1の結果が示すように、ベルト層がタイヤ赤道線の両側に均等に配された従来例では、車両外側においてタイヤのたわみが抑制されるため、S−OUT部の接地圧がS−IN部よりも高く、接地圧が不均一となった。この場合、ショルダー部に偏摩耗が発生し易い。
一方、実施例1〜3では、ベルト層の位置を車両外側にずらしたことによって、S−OUT部のショルダー部の剛性が比較的高くなり、その外側に位置するショルダー部の接地が内側に比べて制約され、その外側に位置するショルダー部の接地圧を低下させることができた。これにより、接地圧の不均一が解消され、ショルダー部の偏摩耗を好適に抑制することができる。なお、参考例1では、距離Lcが小さいために車両外側と車両内側との領域で剛性差が小さく、S−OUT部の接地圧低下の効果が比較的小さい。また、参考例2では、距離Lcが大きいために車両外側と車両内側との領域で剛性差が大きく、接地圧均一化の効果が比較的小さい。
本発明の乗用車用空気入りタイヤとホイールとの組立体の一例を示すタイヤ子午線断面図 図1に係るタイヤのサイドウォール部付近の要部を示す要部拡大図 本発明に係る組立体に使用されるタイヤのベルト層の配置を説明する模式図 図1に係るタイヤのショルダー部付近を示す要部拡大図 本発明の別形態に係るタイヤのベルト層の配置を説明する模式図
符号の説明
2 サイドウォール部
2a サイドウォール部の表面に現れた曲率半径の輪郭
3 ショルダー部
3a ショルダー部の表面に現れた曲率半径の輪郭
4 トレッド部
4a トレッド部の表面に現れた曲率半径の輪郭
6 ベルト層
7 第1ベルトプライ
7a 第1ベルトプライの車両装着時外側端
7b 第1ベルトプライの車両装着時内側端
7c 第1ベルトプライの中央位置
8 第2ベルトプライ
8c 第2ベルトプライの中央位置
11 膨出部
11a 膨出部の内周側面
12 サイドウォール部の輪郭延長線
14 トレッド部の輪郭延長線
20 リム
21 リムフランジ
21a 外周側湾曲面
A 交点
C タイヤ赤道線
H1 膨出部の頂点の高さ
Lac 第1ベルトプライの中央位置からタイヤ赤道線までの距離と、第2ベルトプライの中央位置からタイヤ赤道線までの距離との平均となる距離
Lc ベルトプライの中央位置からタイヤ赤道線までの距離
Li ベルトプライの車両内側端からタイヤ赤道線までの距離
Lo ベルトプライの車両外側端からタイヤ赤道線までの距離
NR ノミナル径
Pi 車両内側となる側のP落ち量
Po 車両外側となる側のP落ち量
Rsh ショルダー部の表面に現れた曲率半径
Rsi サイドウォール部の表面に現れた曲率半径
Rt トレッド部の表面に現れた曲率半径
T 膨出部の頂点
TW トレッド幅
W 第1ベルトプライの幅寸法

Claims (4)

  1. 一対の環状のビード部と、そのビード部から各々外周側へ延びるサイドウォール部と、そのサイドウォール部の各々の外周側端にショルダー部を介して連なるトレッド部と、前記トレッド部の内周側に配されるベルト層と、前記サイドウォール部の少なくとも片側に、リムフランジの外周側湾曲面に当接して前記サイドウォール部の変形を抑制可能な内周側面を有する環状の膨出部とを備え、
    その膨出部はノミナル径を基準として55mm以上の高さに頂点が位置し、その頂点の前記サイドウォール部の表面に現れた曲率半径の輪郭からの高さが3mm以上であるとともに、
    前記ベルト層を構成する少なくとも1層のベルトプライにおける車両装着時外側端からタイヤ赤道線までの距離を、前記ベルトプライの車両装着時内側端からタイヤ赤道線までの距離よりも長くした乗用車用空気入りタイヤを、
    前記リムフランジを有するホイールに組み付けていて、前記膨出部の頂点の位置が前記リムフランジの高さより0〜4mm高い、乗用車用空気入りタイヤとホイールとの組立体。
  2. 前記ベルト層が、第1ベルトプライと、その外周側に配される第2ベルトプライとからなり、前記第1ベルトプライの幅寸法に対する、前記第1ベルトプライおよび前記第2ベルトプライの各中心位置からタイヤ赤道線までの各距離の平均の比率が、0.015〜0.045である請求項1記載の乗用車用空気入りタイヤとホイールとの組立体。
  3. タイヤ最外径点から、前記トレッド部の表面に現れた曲率半径の輪郭延長線と、前記サイドウォール部の表面に現れた曲率半径の輪郭延長線との交点までのタイヤ径方向距離をP落ち量とし、更に、車両装着時外側のP落ち量をPo、車両装着時内側のP落ち量をPi、前記トレッド部のトレッド幅をTWとするとき、0.0015≦(Po−Pi)/TW≦0.0045を満たす請求項1または2記載の乗用車用空気入りタイヤとホイールとの組立体。
  4. 一対の環状のビード部と、そのビード部から各々外周側へ延びるサイドウォール部と、そのサイドウォール部の各々の外周側端にショルダー部を介して連なるトレッド部と、前記トレッド部の内周側に配されるベルト層と、前記サイドウォール部の少なくとも片側に、リムフランジの外周側湾曲面に当接して前記サイドウォール部の変形を抑制可能な内周側面を有する環状の膨出部とを備え、
    その膨出部はノミナル径を基準として55mm以上の高さに頂点が位置し、その頂点の前記サイドウォール部の表面に現れた曲率半径の輪郭からの高さが3mm以上であり、前記膨出部を構成するゴムが、JISA硬度にて45〜85°で且つ繊維補強したものであり、
    前記ベルト層を構成する少なくとも1層のベルトプライにおける車両装着時外側端からタイヤ赤道線までの距離を、前記ベルトプライの車両装着時内側端からタイヤ赤道線までの距離よりも長くした乗用車用空気入りタイヤ。
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